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政府委員(阪田泰二君) この
国有財産の
管理、処分につきましてはお説の
通りでありまして、重要な
財産、殊にまあ国民の税金その他によりまして蓄積された
財産でありますので、その処分については問題のないように公正に明朗にやらなければいけないということはお説の
通りであります。それで終戦以来、特に終戦に際しましては非常な混乱
状態の中に、而も非常に多数の多種類に亘る旧陸海軍の
財産を引受けましたので、その間におきましてはその
財産を確認し
管理して行くこと自体非常にむずかしい
仕事でありました。而も占領中のことでありまするので、いろいろ自由にならない面もございましたし、うまく
行つておるとは言えなか
つたわけでありますが、その
財産自体もだんだんと処分が進んで参りました。一方これが
管理保守のほうの機構もとにかく一応できて参りまして、処分のやり方等につきましてもだんだん、まあ具体的に申しますると、私どものほうの役所の出先等におきましてもだんだんと経験も積み、いろいろ事情等も
はつきりして参りましたので、最近におきましては、非常なまあ見当違いと申しますか、不適切な
処置があるとか非常に無秩序
状態である、こういうようなことはないと私どもは
考えておるわけでありますが、併し何分
お話のように重要な
財産でありまして、而も物によ
つてはいろいろと非常に希望者がなくて処分のしようがない。徒らに
管理の手数ばかり要りまして困るようなものもあるのですが、非常に利用価値の高いようなものになりますと、これは又競願者が多くて、そのために処分にいろいろと問題を生じまするし、疑惑の種になると申しまするか、世間でいろいろ評判になるということも起るわけであります。これにつきましては、お説のようにやはり根本は私どもといたしましては、大蔵大臣がこういう処分をやる権限もありまするし、責任も負
つておるわけでありまするから、
仕事をや
つて行く上において最も公正に責任ある
仕事をや
つて行く、法令に
従つて適切に
措置して行くということが第一要件であると思いますが、ただこういう事柄の性質上、いろいろ例えば審議機関等を設けまして、そういうところで第三者或いは民間の学識経験者その他から公平な意見を聞きまして、それを参考にして処分をやるということも一応は
考えられるわけであります。ずつと以前におきましては、
国有財産の処分につきましてそのような審議会があ
つた時代もあるわけでありますが、これは行政整理その他の
関係で現在はないわけであります。
ただ実際問題としてそういう点につきまして私どものほうでもいろいろと研究はしてみたのですが、具体的にこの
国有財産の処分をいたしますというのは、相手のある
仕事でありましで、而もこちらにも
財産の評価、処分の方針、
用途その他につきましてそれぞれ国として、こういう
財産はこういうことで処分すべきであるというような
考え方がありますが、勿論相手にもそれぞれの意図があるわけでありますから、両者のまあ交渉の話にどうしてもなるわけでありますが、そういうような
関係におきまして、或る意味におきましてそういう一般の第三者にその途中におきまして公開して審議して頂くということが不適当な場合もあるわけであります。今までのようにいろいろと重要産業
関係に活用するというような場合には、それぞれこれをどういう産業のために使うのだというようなことで
行つておりますので、従来の行き方としますれば我々のほうでも十分検討いたしますが、
関係官庁、特に通産省等には十分に、こういう
施設はどういう方面に、どういうものに利用させるのが一番適切と
考えられるかということも相談いたしまして、その返事も聞いた上で、これを参考にしてや
つておるようなわけでありますが、それで実際問題といたしましては、いろいろと競願とか、幾つかの
会社が争うというような場合には十分に話がそういうことでつきました上でや
つておるわけでありまして、話がそういうことにつきましてきまらないままに、どちらかの
会社にまあ軍配を挙げるといいますか、利益になるように処分したというようなことは、大きい
財産につきましてはや
つていないわけであります。
国有財産の処分は
原則としまして随意契約というよりも一般競争入札でやるというのが建前でありまして、いろいろそうい
つたような産業の見地、いろいろな見地から、どこが適切であるというような判定がつきませんような場合には、競争入札でやる。これが一番公平で而も適切な方法であると思いますが、非常に大きな軍の工廠のような
財産になりますると、やはりそういうものを競争入札で処分するというようなことは余り適切と
考えられないわけでありますので、十分にそういうふうな
関係方面の意向も聞き、話が十分にまとまりましてから実行するというように今までや
つて来ておるようなわけであります。
審議会の設置等そういうふうな問題につきましては、そのような意味におきまして私どもといたしましては御趣旨のような点いろいろと研究工夫してみたいとは思いまするけれども、実際問題としては、そういうふうなやり方でや
つておりますので、審議会を作りきてはなかなかうまくこれを活用して、適切な時期に諮問して、意見を参考にして行くということは、
只今まで検討しましたところではなかなかむずかしいのじやないかと
考えております。