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1953-07-08 第16回国会 参議院 大蔵委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月八日(水曜日)    午後二時五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大矢半次郎君    理事            西川甚五郎君            小林 政夫君            菊川 孝夫君            森下 政一君    委員            青柳 秀夫君            岡崎 眞一君            藤野 繁雄君            山本 米治君            土田國太郎君            前田 久吉君            三木與吉郎君            堀木 鎌三君            平林 太一君   政府委員    大蔵政務次官  愛知 揆一君    大蔵省主計局法    規課長     白石 正雄君    大蔵省銀行局長 河野 通一君    郵政省電気通信    監理官     庄司 新治君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    通商産業省企業   局通商経理課長  影山 衛司君    日本国有鉄道経    理局長     高井 軍一君   参考人    日本開発銀行副    総裁      太田利三郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○旧令による共済組合等からの年金受  給者のための特別措置法及び国家公  務員共済組合法の一部を改正する法  律案内閣送付) ○昭和二十三年六月三十日以前に給付  事由の生じた国家公務員共済組合法  等の規定による年金特別措置に関  する法律案内閣送付) ○昭和二十七年度における給与改訂  に伴う国家公務員共済組合法等の規  定による年金の額の改定に関する法  律案内閣送付) ○一般会計歳出財源に充てるため  の緊要物資輸入基金からする一般会  計への繰入金に関する法律案内閣  提出衆議院送付) ○昭和二十一年度における一般会計、  帝国鉄道会計及び通信事業特別会計  の借入金償還期限延期に関する  法律の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○造幣局特別会計法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付) ○昭和二十八年度における国債整理基  金に充てるべき資金の繰入の特例に  関する法律案内閣提出・衆議院送  付) ○日本輸出入銀行法の一部を改正する  法律案内閣送付)   —————————————
  2. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) これより第十四回の大蔵委員会を開会いたします。  旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案予備審査昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等規定による年金特別措置に関する法律案予備審査昭和二十七年度における給与改訂に伴う国家公務員共済組合法等規定による年金の額の改定に関する法律案予備審査、以上三案を一括議題として政府より提案理由説明を聴取いたします。
  3. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 只今議題となりました旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案ほか二法律案につきまして提案理由を御説明申上げます。  第一に、「旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案」につて説明申上げます。  先ず、特別措置法改正でありますが、現在旧陸海軍共済組合及び外地関係共済組合等組合員であつた者で、年金受給権を有しておりました者に対して年金を支給することとなつているのでありますが、これらの組合共済組合規則が各組合まちまちでありましたので、年金受給権について不均衡を生じており——これを是正するため、旧陸軍共済組合及び外地関係共済組合組合員であつた者のうち、昭和二十年八月十五日において二十年以上動続しておりました者について、国家公務員共済組合法規定による退職年金又は遺族年金に相当する年金を支給することとし、なお、旧陸軍兵器廠職工扶助令の適用を受けておりました者についても同様の措置を講ずることといたしたわけでございます。  次に、国家公務員共済組合法改正につきましては、組合員の、範囲を明確にいたしますると共に、ほ育手当金につきまして組合員資格喪失後も継続支給ができるように改め、健康保険法との権衡を図つたのでございます。  第二に、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等規定による年金特別措置に関する法律案につきまして御説明申上げます。  国家公務員共済組合法及び旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法規定により現に支給されておりまする年金のうち、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた年金につきましては、従来、機械的な年金額改定を行なつて参りました結果、同年七月一日以後に給付事由の生じた年金との間に不均衡を生じておりまするので、これを是正いたしまするため、年金額算定の基準となつている俸給に対応する新たな仮定俸給を作りまして、これによつて昭和二十八年一月一日から年金額改定することとし、又、公務による傷病を給付事由とする年金につきまして恩給法規定による増加恩給の例に倣い、最低保障額を定める等の措置を講ずることといたしたのでございます。  第三に、昭和二十七年度における給与改訂に伴う国家公務員共済組合等規定による年金の額の改定に関する法律案につきまして御説明申上げます。  昭和二十七年十一月一日に行われた国家公務員給与水準改訂に伴い、国家公務員共済組合法及び旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法規定による年金の額を、昭和二十八年十月分以降、国家公務員現行給与水準に合せて改定することといたしたのであります。  なお、以上の措置により増加する費用は原則として国庫の負担といたしましたが、地方職員組合員とする共済組合又は公社共済組合につきましては、国庫及び地方公共団体又は公社が按分して負担することといたしておるのでございます。  以上が三法律案提案理由でございます。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
  4. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) この三案の内容説明及び質疑は次回に渡ります。   —————————————
  5. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次に、一般会計歳出財源に充てるための緊要物資輸入基金からする一般会計への繰入金に関する法律案議題といたしまして、質疑を願います。
  6. 小林政夫

    小林政夫君 一般会計歳出財源に充てるための緊要物資輸入基金からする一般会計への繰入金に関する法律案について、この緊特会計融通証券を発行することができることになつておりますが、この融通証券引受け予定先はどこであるか伺いたい。
  7. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) これは今のところはつきりとは予定していないわけでありますが、政府関係の機関がまあ主としてこれを引受けるということに相成るだろうと思います。従いまして、預金部資金等においての引受けが一応予定されるだろうと考えております。
  8. 小林政夫

    小林政夫君 この条文の趣意から考えて、融通証券というのは一時借入金と殆んど変らないと思うのですが、やはり一年以内に償還しなければならないということになつておるのだから、それを一時借入金融通証券とに分けた理由、両方を書いておかなければならん理由はどこにあるのですか。
  9. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) これは本会計につきまして特別にその点を区別して考えたわけではないわけでありまして、従来特別会計につきましては、一時借入金又はそういつた証券の発行というような規定を設けておりますので、例文的にそれに倣つたわけであります。従いまして、本会計におきましては、そういう事情が生じた場合におきましては、大体において一時借入金で賄うということに相成るだろうと思いまして、特別に証券を発行するというようなことにはならないのではなかろうかというように考えるわけであります。ただ一般的に、先ほど申上げましたように、特別会計についてはそういう例文的な規定に相成つておりますので、その例に倣つたということでございます。
  10. 小林政夫

    小林政夫君 どうも最近の法律案を見ると、或いは説明を聞くと、前からこういう書き方になつておるからやるんだという、大した考えたことでもなしに、情性的に今まで通りにやると、文字を使うというような、説明もされるし、又そういうふうになつておるようでありますけれども、実際に証券を発行する心組がないなら、又こういうことだつたら殆んど、殆んどじやない、ちつとも変りはないと思いますが、今後検討の上必要のないことは紛らわしいからやめてもらいたいと思います。
  11. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 この提案理由説明の中に、運用実情に省みというのは、必要がないという意味でございますか。
  12. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) この緊要物資輸入基金特別会計におきまする緊要物資輸入基金は、一般会計から二十五億円を繰入れておりまして、基金といたしましては二十五億円を現在持つておるわけでございます。ところが二十六年度来の運用実情を考えてみますと、二十六年度におきまして借入れましたのは二億五千八百万円程度であります。それから二十七年度におきましては十三億五千九百万円程度であります。在庫が現在八、九億程度あるというふうな状況でございます。従いまして、基金としては大体年間を通じて十億もあれば十分であるというふうに考えられるわけであります。それから、この緊要物資として買入れておりますような物資が今後増加するということも、目下の情勢におきましては予想せられませんので、従いまして、その実情から見、又将来の見通しといたしましても、二十五億の基金というものは多過ぎるのではなかろうかというような点から、一応十億程度に減らしたいというのが、この法案の目的であります。
  13. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そういたしますというと、稀少物資というものはこれ以上には買入れる必要がないということであるか、或いは購入ができないのであるか、その点を一つ……。
  14. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) この点につきましては、通産省の係りのほうから説明いたします。
  15. 影山衛司

    説明員影山衛司君) お答えいたします。国際的なこういう物資需給状況から見まして、昭和二十八年度におきましては前年度以上買付ける必要がないということでございまして、買入れることができないという意味ではないのでございます。
  16. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 他の御発言もないようでありますが、質疑を終了したものと認めて御異議ございませんか。
  17. 森下政一

    森下政一君 私よくわからんので伺つておきたいと思いますが、緊要物資というものは具体的に言うとどういうものですか。
  18. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) 具体的に只今まで買入れましたものは、ニツケル、合成ゴム、アスベスト、コバルト、タングステン、モリブデン、そういつたものでございます。
  19. 森下政一

    森下政一君 愛知さんに伺いますが、非常にこの法案が何かこう財政面収支をうまく按配するために、収入面であらゆるものから多少なりとも余つておるようなものは全部かき集めて来なければならないような必要に政府が迫られてやつておられるように感じられるのですが、そうじやないのですか、これは……。
  20. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) これはこの機会に申上げたいと思うのでありますが、御承知のように同一事項が非常に多くなつておりますために、必ずしも財政の全般の需要から歳入を調達したり、或いは特別会計を創設したりするということの必要から来るものでないものでございまして、例えば今日提案理由を御説明したようなものは非常に事務的な技術的な内容なつております。そういうものが雑然として、まあこれは率直に申上げるのでありますが、すべて法律案という形で雑然としてこう提案される関係で、そういう御意見も出て来ることは、私は当然だと思うのであります。その点は、でありますから、必ずしも何でもかんでも財政上の需要からかき集める必要があつて、こうたくさんの法律案を出しておるわけでは必ずしもないのでございます。  それから只今稀少物資関係は、一昨年でございましたか、稀少物資の国際的の割当の問題がございまして、それに対応するために日本側としての態勢を整える必要があつてやり始めたことにその端を発しておるようなものでございまして、これも必ずしも歳入を調達するための必要ということから、こういう法律案が考えられたものでもないと、私はそういうふうに考えておるわけでございます。
  21. 森下政一

    森下政一君 今私が言うような印象を余計に受けまずことは、今のところは、これは十億ぐらいを減らしてもいい、十五億を一般会計に繰入れようというわけですが、将来情勢が変化して又借入をしなければならんという時があつたら、その時にはこの基金は少いわけですから、借入金ができるような工合に措置を今からしておこうというところに、何かとにかく十五億を一般会計に繰入れて財政需要に適合するだけの収入をどこからか集めなければならんというふうなことで、そんな措置をしておるかのごとくとれたのですが、まあ併し大体今の御説明でわかりましたがね。
  22. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) それからちよつと附加えて申上げますが、もとよりこれは歳入に対する関係においては結果的には歳入になりますものですから、自然森下さんの御指摘のような御議論が起つて来ると思います。
  23. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ふ者あり〕
  24. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御発言もないようでありますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。一般会計歳出財源に充てるための緊要物資輸入基金からする一般会計への繰入金に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手
  26. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお諸般手続委員長に御一任願います。それから本院規則第七十二条により委員長議院提出する報告書に附する多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     森下 政一  前田 久吉     土田國太郎  小林 政夫     西川甚五郎  青柳 秀夫     平林 太一  岡崎 眞一     藤野 繁雄
  27. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御署名洩れはございませんか。御署名洩れはないと認めます。   —————————————
  28. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次に、昭和二十一年度における一般会計帝国鉄道会計及び通信事業特別会計借入金償還期限延期に関する法律の一部を改正する法律案議題といたして質疑を願いますが、都合によりまして本案質疑はあとにいたします。   —————————————
  29. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次に、造幣局特別会計法の一部を改正する法律案議題といたしまして質疑を願います。
  30. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 補助貨幣の製造に要する経費ですが、これはどのくらいですか。
  31. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) 二十八年度におきましては十六億二千六百万円に相成つております。
  32. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 続いてこの会計固定資産の拡充及び改良に要する費用はどのくらいですか。
  33. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) 二十八年度におきましては予定しておりません。いや間違いました。訂正いたします。五千七百三十六万円であります。
  34. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それから決算上の利益金回収準備資金に繰入れるということでありますが、どのくらいの利益金がある御予定であるか、その予定のお知らせを願います。
  35. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) 一億九千六百七万九千円程度利益金予定しております。
  36. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 念のために申上げますが、本案は前国会において大蔵委員会を通過しております。  他に御発言もないようでありますが、質疑は終局したものと認めて御異議がございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議がございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。造幣局特別会計法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手
  39. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般手続は例により委員長に御一任を願います。それから本院規則第七十二条により委員長議院提出する報告書に附する多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     青柳 秀夫  平林 太一     藤野 繁雄  岡崎 眞一     森下 政一  前田 久吉     土田國太郎  小林 政夫     西川甚五郎
  40. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次に、昭和二十八年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律案議題といたしまして質疑を願います。念のために申上げますが、これも前国会において本委員会を通過しております。  別に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにして御述べを願います。  別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  42. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。  昭和二十八年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手
  43. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般手続は前例により委員長に御一任願いたいと存じます。それから本院規則第七十二条により委員長議院提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     西川甚五郎  小林 政夫     土田國太郎  前田 久吉     森下 政一  岡野 眞一     藤野 繁雄  甲林 太一     青柳 秀夫   —————————————
  44. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) お諮りいたします。昨日本委員会におきまして、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について、日本開発銀行理事中山素平君を参考人として出席を求めることに御決定を願つたのでありますが、同君は病気のため出席できない旨の連絡がございましたので、日本開発銀行総裁太田利三郎君を参考人として、その発言を許可することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。   —————————————
  46. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次に、昭和二十一年度における一般会計帝国鉄道会計及び通信事業特別会計借入金償還期限延期に関する法律の一部を改正する法律案議題といたしまして質疑を願います。
  47. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 この法律案昭和二十一年度から年々延ばしているようでありますが、償還が困難な理由償還計画があつたならばそれを承わりたいいと思ます。
  48. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) 本借入金は前回御説明を申上げましたように、内容といたしましては三つ事項を含んでいるわけであります。第一は一般会計終戦処理費財源にあてるために借入れました百億円、第二は帝国鉄道会計におきまして臨時家族手当増加政府職員給与特別措置、或いは施設、車両の補修復元費というような経費に充てるために借入れました四十二億円余、更に通信事業特別会計におきまして、同じように給与費或いは物価騰貴に伴いまする経費増加に充てるために借入れました十五億三千万円、こういう三つ借入金をしているわけであります。先ず第一の一般会計終戦処理費財源に充てるために借入れました百億円でありますが、これは二十一年に進駐軍の宿舎等を早急に作る必要がありますために、その借入金といたしましてその財源に充てたわけでありまするので、この宿舎が不要になつた暁におきまして、それの財源を調達して償還をするというような考えで、当初は三年程度借入予定しておつたわけでありますが、その後その関係が延び延びになりましたので、一般会計全体として償還計画の中に織り混ぜまして、そうして逐次償還して行くということで今日に至つたわけであります。従いまして、これは公債全体の償還というようなものとの関連において償還すべきものではなかろうかというようなことで、今回三年程度一応借入の期間を延期して頂きまして、その間に若し償還が至急財源都合上できないということになれば公債に借替えまして、そうして公債等一連関連において逐次償還して行くというふうに考えているわけであります。次に帝国鉄道及び通信事業特別会計の二つでありまするが、この関係は、御承知のように、現在電々公社及び日本国有鉄道という公社のほうに引継ぎになつておりまして、なお郵政事業特別会計に五億円引継ぎになつておりまするが、それらの特別会計及び公社の現在の財政状況が至急この償還を許さないというような現状でありまするので、これも合せて一般会計のものと同じような措置をとるというように考えているわけであります。  なお、今の説明ちよつと不明確な点は、一応公社及び公社借入金の分は、公社ができました時に一般会計が引継いでおりますので、この借入金自体といたしましては一般会計債務と相成つておりまするが、同時に同額を公社に対する債権といたしまして一般会計は持つておりまするので、公社からの償還がない以上、一般会計としても償還できない。かような状況なつているわけであります。で、鉄道及び郵政、電々の関係につきましては、なお係のかたも見えておりますので、細部の点につきましては御質問に応じて係のほうから御説明いたさせたいというふうに考えます。
  49. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうするというと、公社のほうではどういうような償還計画を立てておられるか。
  50. 高井軍一

    説明員高井軍一君) 国有鉄道経理局長でございます。  只今の御質問に対しまして御説明をさして頂きますが、この四十二億は先ほども政府委員のほうから御説明がありましたごとく、日本国有鉄道といういわゆる公社が設立せられます際の収支の赤字をここでお借りをいたしている金でございます。それでこの四十二億の額はこのたび四十二億となつておりますが、これはその全部が国有鉄道債務との関連になりますので、簡単に全貌を御説明申上げたいと思うのでございます。  現在国有鉄道帝国鉄道の時から引継ぎましたもの及び公社になりましてから借入をいたしております借入金の総額は一千四十六億に上るのでございます。その内国債が三百四十九億、約三百五十億ございまして、それから一般会計に帰属いたしました借入金が百八十六億ございます。その内の現在問題になつております四十二億がその中には含まれております。それから公共企業体になりましてから、資金運用部のほうからお借りいたしておりますものが四百六十億程度ございます。それで公債及びこの一般会計に帰属いたしました借入金の返還につきましては、先年まではこれにつきましては国債を、整理基金特別会計法に定める率によりまして、一億三千万円というものが二十七年度は入つてつたのでありますが、その後償還に対するいろいろ疑義なり或いは問題点も起つておりますので、今年には入つておりません。ただ今年二十八年度の現在提出されております予算案には、昨年度の借入れました三十億の返還金が予算上計上いたしてあるのでございます。その他資金運用部になりましてからお借りいたしましたものの内には、やはり三カ年据置の十五カ年償還ということに相成つております。まだ償還期限は参つておりませんが、そういうことになつております。そういうような次第でありまして、この現在の国有鉄道財政から参りますと、今年の予算につきましても慎重なる御審議を願つておるのでありますが、昨年借入れました三十億の返還以外には余裕がないのでございます。そういうような意味からこの延期方の法律を出して頂くことになつておるのであります。それからこの現在の国鉄の事業の基本問題で、償還に対しまする根本問題であります運賃の中にはこうした金の償還が見てないのでございます。この借入金の内にもこの事業の設備拡充に投資いたしましたいわゆる設備投資資金と、それから経営上の赤字をカバーいたしますための借入金と両方あるのでございます。その経営の赤字が出ました意味におきましても、これは運賃法の改正が遅れましたり、或いは諸般の事情におきまして容認されなくてここに赤字が出ましたものの、或いは設備におきましては、これは本来ならば私どもが政府の出資といたしまして借入金でなしの出資としてお願いいたしたい資金なのでありますが、いろいろ政府のほうの御都合よりまして借入金ということに相成つております。この設備の借入金であります以上、この償還計画というものをはつきり立てまして、そうしてこれが償還でき得ますような運賃構成というものをして頂かなければならないというふうに考えております。そういう意味でいろいろ検討をいたしておるのでありますが、取りあえずの問題といたしましては、現在お返しする財源がございませんので御延期願いたい、さようにお願いをいたしておる次第であります。
  51. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。  昭和二十一年度における一般会計帝国鉄道会計及び通信事業特別会計借入金償還期限延期に関する法律の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手
  54. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般手続は前例により委員長に御一任を願います。それから本院規則第七十二条により委員長議院提出する報告書に附する多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     岡崎 眞一  藤野 繁雄     平林 太一  青柳 秀夫     菊川 孝夫  西川甚五郎     小林 政夫  土田國太郎     前田 久吉  三木與吉郎     森下 政一   —————————————
  55. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次に日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案議題といたします。先ず本案関連いたしまして参考人として日本開発銀行の副総裁太田利三郎君が出席しております。質疑を願います。
  56. 平林太一

    平林太一君 参考人太田君に参考としてこれから種々お尋ねをいたすの産ありますが、第一に、太田若御承知通り日本開発銀行の創立を必要とした国家の目的というものが非常に容易ならざるものがあることによつてこの開発銀行の発生を見たことはよく御承知だと思いますが、そういう見地に基きまして実は業務状況につきましては、しばしばの機会において銀行自体が我が委員会に対してはその取運びをいたすということが極めて誠実な又良心的な御態度であるということを承知いたしておるものでありまするが、不幸にいたしまして今日までそういう御処置をおとりにならない、そういうような結果が自然と委員会から総裁に対しましてその出頭を求めて業務の状況に対しましてこれを詳細に報告を求めるの必要が生じた次第であります。でありますからどうぞそのお心組みで。  先ず第一に、日本開発銀行創立以立今日までの一般業務概況及び差迫つておりまする開発銀行の融資先に対しまするところの極めて正鵠妥当を得た融資をしなければいかんじやないかというその事実に鑑みまして、今日のそれらに対しまする何と申しますか、業務の状況についてその報告をせらるることをここに求めるものであります。
  57. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 開発銀行の業務概況につきましては実は開設以来ちよちよい参議院、衆議院の大蔵、予算委員会等で時々御説明申上げたことがございますので、余り細かく申上げるのも如何かと思いますが、大体のことを御説明申上げたいと思います。その後御質問によりましてお答え申上げたいと思います。  主として二十七年度の貸付状況について申上げますと、これは中小企業のほうを別にして申上げますが、借入れの申込みは前年度からの繰越分が約百十六億ございましたのでございますが、これを除きまして二十七年度になりまして受付けたものが四百七十八件、千五十八億という大きな数字になつております。この内前年二十六年度に比べまして殖えましたものは、化学工業、機械工業等でございまして、前年に引続き金額の大きいものが石炭、鉄鋼、自家発電といつたようなものでございます。それから見返資金特別会計の私企業融資を引継ぎましたので、電力、海運というものから非常に大きな申込があつた次第でございます。それから重要基礎産業、それから重化学工業、これらの申込みを見ますと全部の殆んど九割を占めておるわけでございます。このうち貸付承諾いたしましたものが累計で三百四十八件、四百五十四億四千五百万円となつております。この内貸付を実行いたしましたものが三百五十三件、四百二十七億千二百万円となつております。電力、海運、石炭、鉄鋼、この四大産業に対しまする貸付承諾は総体で開発銀行になりましてからの貸付の中で六六%を占めております。それからこの貸付承諾いたしましたものを分類別に大きなものを拾つて申上げますると、実は開発銀行は直接貸付といいますものとそれから肩替り融資と申しまして、すでに市中銀行で出しておるものを肩替りして貸付けるという二種類がございますが、その直接貸付については先ず石炭でございますが、これは承諾いたしましたものが三十九件、三十四億七千二百万円でございます。このうち実は大部分が前年度からの継続事業と相成つております。主な内容は新らしい坑道を掘進いたしますとか、或いは選炭設備でございますとか、そういつたいろいろな設備の合理化というものが主な融資対象となつおります。それから金属工業でございますが、この貸付承諾が十九件、五十七億四千万円でございます。これも金額的には過半数のものが前年度からの継続工事となつております。この主な対象事業といたしましては、鉄鋼の合理化三カ年計画に基きまする圧延部門近代化の資金、それから特殊鋼の設備の近代化、それから新らしい方式によりまする銑鉄の製造設備、こういつたものが主なものでございます。それから石炭以外のマイニングのほうでございますが、これは貸付承諾十九件、十二億二千七百万円となつております。主なものは銅、亜鉛、硫黄、そういつたものの採掘、それから設備の合理化というのが主なものでございます。それから自家発電でございますが、これが貸付承諾二十一件、三十三億二千五百万円となつております。この内火力が九件、七億六千万円、水力が十二件、二十五億六千五百万円でございます。それから化学工業でございますが、これは貸付承諾が四十六件、四十五億六千六百万円でございまして、主なものは尿素とか或いは溶性燐肥、それから過燐酸石灰の製造設備、そういつたような肥料関係の生産設備と、それから高オクタン価のガソリンの精製設備、それからセメントの精製設備の増強といつたようなものが、主な対象でございます。それから繊維工業、これが十一件、十億二千五百万円でございます。これは主として染色加工設備の合理化、それから合成繊維の製造設備、それから製糸業の自動式操糸機の設置、そういつたものが主なものでございます。機械工業が貸付承諾五十三件、三十五億八百万円となつております。これは強電無機、ボイラー、タービン、通信機等の製造設備、それから造船業の設備の合理化、鉄道車両工業の老朽施設の更新というものが主な対象でございます。港湾施設といたしまして、貸付承諾十九件、四億二千六百万円、これは倉庫、荷役機械、その他港湾の合理化資金でございます。なおこれには艀の建造資金も含まれております。それから農林水産といたしまして貸付承諾三十五件、十四億六千八百万円ございます。これは冷蔵、冷凍工場、製氷の設備資金、まぐろの遠洋漁業船の建造資金というものがその内容でございます。海運といたしまして貸付承諾二十五件、七十一億三千六百万円、これは御承知のように外航船、計画造船二十七年度藩主分を開発録行が引継ぎました結果、タンカーの建造費を出しましたもの、それから二十六年度第二次着工分のタンカー中進水したもの、それから二十八年度のカーゴの建造の操上げて着工いたしましたもの、そういつたものが主となつております。それから電力業でございますが、これは九電力会社に対しまして七十八億七千万円となつています。そのほか七件、七億二千万円ございます。大体こういつたものが業種別に見ますと主なものでございまして、なお新技術を工業化いたしますために、開発録行で融資いたしましたものが十一件二億八千万円ございます。  それから先ほどちよつと触れましたが、直接貸付に対しまして、返済資金貸付をやつておるのでございますが、これは事業の性質、それから金融機関に出しております事業状況、そういつたものを勘案いたしまして、結局二十七年度におきましては、電力業に対しまして返済資金の貸付承諾をしましたものが、二十六億三千五百万円、それから海運業に対しまして市中銀行から従来出しておるものの肩替り資金を融資承諾いたしましたものが二十三億三千四百万円ございまして、結局返済資金の融資といたじましては四十九億六千九百万円を実行いたしたのでございます。なお、このほかに中小企業融資を、見返資金引継後開発銀行で取扱うことといたしたのでございますが、これは全国的に相手が散らばつておりますのと、個々の内容につきまして十分の審査をする点からいたしまして、全国の銀行、信託銀行或いは相互銀行でございますとか、信用金庫等にお願いしまして約八十の代理店を設けまして、これに開発銀行資金を流しまして融資をやつて頂いておるのでございます。これは従来の見返資金時代に比べまして、資本金も従来五百万円未満の法人と個人ということでございましたのを、一千万円以下というところまで拡げまして、それから貸付の限度も従来五百万円というのを一千万円までにいたしました。主として市中銀行の責任でやつて頂きます場合は、開発銀行で資金を全額供給して、全額について市中金融機関で責任を持つてもろうという方式とそれから資金は全部やはり開発銀行で出しまするが、代理店で七割まで責任を持つてもろうという方式と、従来の見返資金時代と同じように七割まで開発銀行が出して、あとの三割を市中銀行からお出しを願うという三つの方法で実施いたしております。これは見返資金時代よりも遥かに融資金額が伸びまして、二十七年の配分総資金は三十六億円でございまして、二十八年度は極く内輪に見積りましても大体月五億円ぐらいの平均で融資をやつている勘定であります。融資の概略につきまして御説明申上げました。
  58. 平林太一

    平林太一君 只今一応の説明は聴取いたしたわけでありますが、いずれその内容につきましては会議録ができました後に、それぞれ検討いたしまして重ねてそれに対する疑義についてもお尋ねしたいと思います。すでに資料としてここに参つておりますもの、これを見ますと貸付残高に対する現在高は、昭和二十八年三月末現在ということになつておりますので、これを一応了承いたすのでありますが、これは融資申込に対しまして、この資料の全体に対する三月末現在の融資申込に対してこの比率はどの程度にこれが消化されているものであるか、その点を明らかにせられたいと思います。申込件数に対して処理したものですね。
  59. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 件数ですか。
  60. 平林太一

    平林太一君 融資申込件数に対して、つまり決定して融資して、それで融資の残額としてここに残つておりますが、それでありますから、これが三月末現在でありますから、三月末現在までの申込件数に対する消化件数をお示しになり、そうしてこれが何件ということはそちらでわかりましようから、これは何%かという、こういうことでございます。
  61. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) ちよつと今累計の件数を持合せておりませんので甚だ申訳ございませんが、金額で申しますと概略六割ぐらいのものが申込に対して融資されているようになつているのです。
  62. 平林太一

    平林太一君 それでは今の件数に対することは改めて一つ委員長の手許まで文書で回答をいたすように願いたい。
  63. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 承知いたしました。
  64. 平林太一

    平林太一君 それで融資額に対しまする六割ということよりも遥かに重大なことは、やはり申込件数に対する処理、いわゆる決定した件数というものに対して非常に重きを置かなければならないのであります。開発銀行資金として、いやしくも開発銀行に融資を申込むというものは皆それぞれの事情があり理由があつてこれを申込むのでありますから、その内の最も質の悪いもの、何かその開発銀行資金を利用するというようなものに対しましては断固たる措置をとることを申上げますが、併しそういうものは極めて少いはずでありますから、その申込件数に対しては十分に開発銀行当事者といたしましては尊重せられ、いわゆる謙虚の態度を以ちまして、そうしてできるだけこれが消化されるように、その消化される場合におきましては、いわゆる金額が多額の上のほうを抑えて、その抑えた分を下のほうに廻して、それだけ件数が多く消化されるようにということを我々としては望むのでありますが、現在までのこういう融資に対しまする方針、それから決定をいたしましたその決定に対する基本的な方針は、どういうことでおやりになつておるか、その点を伺いたい。
  65. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 御要旨を多少取違えておるかも存じませんが、融資方針といたしましては、毎年政府のほうで大体今年はどういつたような業種に国庫資金を貸付けようかということを、各省の希望を経済審議庁に持ち寄られまして、そこで大体の政府側の御意見をきめられるわけであります。我々としましては、その中からそのどれに貸すかということをきめるわけでありまして、その業種に入つております限り、我々のほうはお話を承わりまして貸付の当否を審議するわけでございます。我々の融資する場合の希望といたしましては、成るべく資金も少いところでございますから、どれもこれも万遍なく振りまくということも資金の効率から申しまして十分でございませんので、そういう業種に出せば、それが全般に影響を及ぼしてコスト・ダウンに役立つというようなものを成るべく選んで出す心構えでおるわけでございます。お仰せのように金額の小さいところにつきましても、お話を十分承わりまして審議いたしておるのでございますが、ただ資金効率から申しまして、同じ資金を付けるならどちらに付けたほうが同じ物を作るにしても余計できる、或いはコスト・ダウンになるというようなことを考慮いたしまして融資を決定しておるのでございます。
  66. 平林太一

    平林太一君 今前段で、その貸付に対する政府の指示がある、こういうようなことでありましたが、融資先に対するところの指示というようなものが政府からあり得るということはあるのでありますか。
  67. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) それはございません。業種だけにつきまして、それも開発銀行の資金ということでなしに、ほかの、例えば農林漁業特別会計でございますか、そういつたものを含めまして、政府資金を付け得る業種というのを政府のほうでおきめになるわけであります。
  68. 平林太一

    平林太一君 その点は非常に開発銀行が十分にこれを業種の決定ということに対しまして軽挙のないように、この際御注意申上げておきます。  そこで、只今資金が非常に少いというお話でありましたが、現在までの提出資料によりますと、この総額は書類でわかつておりますが、これは速記録の念のために一応参考人から発言を求めるのでありますが、総額幾らになりますか、融資の総額ですが。
  69. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 残高ですね。これは開発銀行になりまして出したものが本年三月末現在で六百十九億六千五百万円でございます。
  70. 平林太一

    平林太一君 そうすると全部で現在開発銀行が、極めて資金が少いと言つておりますが、資金の総額というものは今日どれだけ抱いておられるか、それを伺いたい。
  71. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 余裕金というものは実は別にそうないわけであります。これは本年度予算に対しまして開発銀行は政府から六百億円の借入をすることに今御審議中でございまするが、それに回収金と、それから利息収入等を入れまして約八百六十億の融資をし得る予定でございます。
  72. 小林政夫

    小林政夫君 ちよつと今のに関連して。平林さんの質問は恐らく融資額の残高は幾らになるかということであろうと思います。そうすると復金とか或いは見返資金からの承継分を入れると二千六百余億になると思います。
  73. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) それを全部入れますと二千六百九十三億千四百万円、内訳を申上げますと、開発銀行資金、開発銀行になりましてから出しましたものが六百十九億六千五百万円、それから見返資金特別会計から引継ぎましたものが千四百四十七億五千二百万円、それから復興金融金庫から引継ぎましたものが六百二十五億九千六百万円でございます。
  74. 平林太一

    平林太一君 そうするとこの表に出ておりますものは、五千万円以上の貸付、それに対しまする総額二千四百億と、こういうように承知いたしておりますが、それで間違いございませんか。
  75. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) その通りでございます。
  76. 平林太一

    平林太一君 そうすると、この件数に対しては調査ができませんということでありましたが、いわゆる五千万円以下が一万件内外に達しておる、こういうことに承知するのでありますが、この点どうですか、過誤はありませんか。そうすると二千六百五十億の中で……。
  77. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 件数を申上げますと、二千六百九十三億に当ります件数が九千百三件でございます。それから開発資金の六百十九億に対しまする件数が千二百八十三件、見返資金承継債権に対しまするもの千四百四十七億に対しまする件数が二千百五十二件、復金の承継債権六百二十五億に対する件数が五千六百六十八件となつております。
  78. 平林太一

    平林太一君 そうするとこの五千万円以下の貸付件数は何件くらいになつておりますか。これは五千万円以上だけがこれは報告を提出されたのでありますか、どうですか。
  79. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 約八千五百件になつております。
  80. 平林太一

    平林太一君 そこで今太田君からのお話によると、資金が少いと言われておるが、決して我が国の財政投資の国力の現状からいたしますれば少いものではない。非常に高額に、これは国の財政投融資の対象としては非常にいたしておる。或る場合には、これは見方にもよるのでありますが、いわゆる国民の血税を赤字補填に充用せしめておるというような点さえこの中に包含されておるのであります。それでありまするから、この点資金が少いというようなことは、一つ非常に開発銀行の当事者としては、こういう考えを一掃してもらわなくては困る。なぜ困るかというと、そういう考えで参りまするというと、従つて融資というものに対しまする取扱い方というものが非常に変つて参りまするから、非常に内容というものに対し、その融資決定に対して、いやしくも開発銀行の使命が那辺にあるかということを、十分一つ間違いのないようにやつてもらわなければいけません。そういうような意味におきまして、現在この融資決定に対しますことは、相当これは重大に扱わなければならないが、その点に対して開発銀行では特に運営委員会と申しますか、そういうものがあることを承知いたしておりますが、理事会でありますか、そういう機構はどうなつておりますか。
  81. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) これは一般の銀行と同じように役員会がございまして、それでまあ決定するわけでございます。その前に無論営業部とか審査部とかございまして、それぞれの担任部局で研究いたしまして、その結果を持寄りまして役員会で決定する、こういう仕組みになつております。
  82. 平林太一

    平林太一君 役員会の決定でということですが、役員会の構成は具体的にはどういうものでやられるか、そういうことを伺いたい。ただ役員会というのではわかりません。
  83. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) ちよつと御趣旨がよくわかりませんですが。
  84. 平林太一

    平林太一君 それじやもう一遍言いましようか。役員会とおつしやるが、役員会というのでは漠然としてわからない、いわゆる融資の最終決定において、いやしくも他の市中銀行と異るのですから、それだから役員会というものがどういう役職を以て役員会と太田君は言われるか、それを具体的に承わりたい。
  85. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) これは法律上はまあ総裁が最終決定権を持つわけでありますが、実際問題といたしましては総裁、それから以下理事全部入ります。それから各部局の説明を聞きまして決定する、こういうことになつております。多数決とか、そういつたものじやございません。全会一致ということで、実際上はそういう形でやつております。
  86. 平林太一

    平林太一君 そうすると太田君の役員会とおつしやるのは、総裁理事だ、そういうことですが、そうすると理事というのは何名ありますか。それからその理事の名前を一つ承わりたい。
  87. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) これは総裁は御存じのように小林でございますが、副総裁は太田でございます。理事は中村建城、それから中山素平、それから梅野友夫、矢田部章、それから鹿喰清一、松田太郎、この六人でございます。
  88. 平林太一

    平林太一君 それを以て貸付決定に対する最終決定機関とする、それを役員会と言う。こういうふうに承知してよろしうございますか。
  89. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) さようでございます。
  90. 平林太一

    平林太一君 そうすると、只今太田君からは御承知通り小林だ、それから副総裁は太田だと、こういうお話でありましたが、私寡聞にして知らないのですが、小林何というのですか、ちよつと名前を伺つておきたい。
  91. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 小林中というのです。
  92. 平林太一

    平林太一君 あたるという字はどういう字を書きますか。
  93. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) なかですね、中です。
  94. 平林太一

    平林太一君 副総裁は太田とおつしやいましたが、太田何ですか。
  95. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 太田利三郎でございます。
  96. 平林太一

    平林太一君 了承いたしました。これが役員会として決定をなさる。こういうことでありますが、今日民主政治下において特にこの開発銀行というものの存在を必要として、国会においてはこれを議決して作られた、そうしてさつき申上げた通り資金が少いと言うが、少いどころではない、国家不相応の措置をいたしてこの目的を達成するようにと、そうしたことでやつておるのでありますが、非常に何か開発銀行は、いわゆる総裁小林中君が、特に総理大臣から指名を受けて、そうしてこの開発銀行が立つたが、ことによると錯覚しておることは、何か国ということよりも総理大臣の直属機関であるというような、開発銀行の行風の中にしばくそういうものが窺われる筋が世間に伝えられておる。従つてそういう見地からいたしまして、融資先の決定というものが、まあ全体の件数は今日報告を求めることができないので甚だ遺憾でありますが、何らかそこに関連がないものは理由を付けてこれを審議の俎上には載せないで、そうしてこれが融資の対象とするものは、極めて一応の政治的の関係の筋の通つたものだけが俎上に載せられる。こういうようなことを聞いておりますが、そういう事実はどうであるか、それを伺いたいと思います。
  97. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 全然ございません。
  98. 平林太一

    平林太一君 これはまあ当然そうあるべきことであります。そこで一つ私御注意を申上げて、特に太田君の副総裁としての今後の融資の決定等に対する一つの用意としてお考えを願つておきたいことは、いわゆる今日こういう説がある。極めてこれは識者の間でであります。今日の日本経済を根本的に建直しをするということに対しては、いわゆる現在の総理大臣でありまする吉田茂君を中心とする利権グループを解消しなければ日本経済の再建はできない、こういう峻厳な批判が今日識者の間にあることは少くない。ところがその番頭手代となつておりまする者が小林中、それから白洲次郎、麻生多賀吉、こういう者が挙げられておる。そうしてこれらがいたずらに国際物価の水準というものを常に俎上に上げて、そうして日本の物価が国際物価に比して非常に割高である、それを国際物価の水準に並行さして行くには労働賃金を先ず下げなければならないということ、しばしばこういうようなことが今日強く世間に伝えられておるのでありますが、その労働賃金の引下げを行わしめるということが産業の合理化である。こういうようなことが依然として我が国の貿易振興に対しまする一つの見解として、定義のごとく今日掲げられておるというようなことを通じまして、この開発銀行に対しまして、どうしても何か一方の特別なる階級、特権事業家というものにのみ偏して、そうしてこれが開発銀行のその使命というものが普遍的に、それから全国的にこれが行われない、貿易でありますれば、全体の貿易が行われない、こういうことが非常に今日世間から批判をされておりまするが、そういうことに対しまして太田君自体は今日までこの業務に鞅掌されて参りましたが、そういうことに対してお感じになつたことがあるかどうか、その点を伺いたいと思います。
  99. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 私はその業務に日々タツチしておりまして、そういう感じを自分で受け、或いは反省しなければならんような事態は、今まで実はないのであります。
  100. 平林太一

    平林太一君 今反省しなくてはならんということがない、こういうお話でありますが、これはなかなか迂闊であります。職務に対して忠実でない、誠心誠意職務を遂行しておりますれば、そういう反省をするようなことはないということは、これは断じてない。いやしくも総額において二千五、六百倍円内外の金を扱つておる。そういう融資を、事前のものもありますが、扱つておる開発銀行が、それを反省をする必要がないのだ、資金が少いのだということは非常に我々といたしましては遺憾で、思い半ばに過ぎるものがあります。そういうものではない。今日国家財政の融資というものを開発銀行に廻して、そうしてそれをやられておる。何らかそれに対しましては、自分の足らざるを思い、なお足らざるものがあるのだ、こういうお考えが起きなくちやならないわけです。
  101. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 言葉が足りなかつたかも知れませんが、先ほど申しましたのは、つまり特別な事業に偏してのみ開発銀行が融資するようなあれがある、こういつたことの御意見がございましたが、併しそういつたことはないという意味でありまして、我々として業務上もつと慎重でなければいけませんとか、或いは公平にやらなければいけませんとか、こういつたことは無論日夜十分注意してやりたいと思つております。今後もそういうことは十分注意したいと思つております。  なお、資金が足りないという先ほどの問題につきまして、多少誤解があつたかと存じましたが、この二千何百億というのは、これは復金並びに見返資金を引継ぎました現在貸付けの済んでおります残高でありまして、新規に融資する金というのは、資金需要に対しまして十分でない、こういう意味資金が少い、こう申上げたのでありまして、この点一つ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
  102. 平林太一

    平林太一君 今のお話は一応その程度で私は承知をいたしておきます。  そこで日本開発銀行は当然大蔵省の指示、監督の下に運営をいたすことに相なつておることは申すまでもないことであります。今日創立以来、殊に只今二十七年度におけることが特に取上げられておりますが、この間に、その運営に対して大蔵省当局に指示を仰ぐ、或いは大蔵省当局と懇談をして、その運営の万全を期すことに努めたかどうか、そういう事例があられるかどうか、具体的に承わりたい。
  103. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) これは大蔵省とはしよつちゆう密接に連絡しているのでありまして、大蔵省は我々に対しまして一般的な監督権を無論持つておられますし、個々の融資についてはこれは無論相談する筋合ではございませんけれども、その他一般の銀行の経営につきましては、常に御相談申上げ、又指導も受けておる次第でございます。
  104. 平林太一

    平林太一君 開発銀行がその性格において、又今日の人的スタツフにおいて、往々陥りやすいと見受けられる独断、独善、ややもすれば専恣、専横ということを十分に小林君以下あなたを初め、先刻役員会と言われたが、役員会の理事諸君も大いに戒飭自粛して、その職務に誤りなきことを期せられることを強くこの際要請しておきます。  それからこの際お尋ねしたいと思いますことは、小林中君がMSAに対しまする運営委員会のメンバーに擬せられ或いは本人みずからその指導権に対する争奪の今日渦中にあると、こういうことが伝えられている。又新聞紙上にも公然とこれが伝えられている。そういうことがおありになるかないか、一つ伺つておきたいと思います。
  105. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 私そのことに関しては、寡聞にして承知しておりませんのでございます。
  106. 平林太一

    平林太一君 それは承知してないというようなことは甚だ疎漏なんです。副総裁というものは総裁と相並行して、そうしてその業務について総裁の足らざるところをときには代つてやるというのでありますから、これは一体のものなんです。総裁のそういうような行為が副総裁に知らされないということは、そもそも開発銀行の小林君というような人が非常に副総裁を無視した行動をとつているのだということになる。だからますくそれは危険である。こういうことになるわけです。この際申上げておきますが、いずれにしても開発銀行は銀行として国の資金を扱つておるが、MSA運営委員会は又厖大なものを取扱うことに相成る、その中に入るのですから、こういうことを若しおやりになるときは開発銀行の総裁は御辞退になつて、そうしてMSAの運営委員会の中に入らなくちやいかんということをこの際私はよく注意をいたしたい。こういうことをよく頭の中へ入れて頂きたい。いずれそういうことが起きなければ、それが杞憂であればそれに越したことはないわけです。我々のほうとしては非常に開発銀行総裁が政治的にいろんな面に暗躍し、又活躍しておるというようなことは、開発銀行に二千六百億円の金銭を国家が委ねた立場から行きまするというと、甚だこれはいたしてはならないこと、さしてはならないことであります。危険極まりないことである。そういうことをよく太田君御自体は頭の中へ入れて頂きたい。何も知らない、わからないというようなことでは困る。副総裁としてのその職務に対しまして、決してそれは優秀なる副総裁とは言えないのですから、優秀な副総裁なつて頂きたい。これは重大なことなんです。世間常識からいたしますれば、そういうことはよく談笑の間にも考えられることなんです。そういう極めて何でも世間から見るというと当り前のようなことの中に、容易ならざる没落の穴が実はあるのです。私はそれを強くこの際申上げておくのであります。  そこでだんだん私の時間追つて参りましたので、申上げますが、今日まで融資をいたしておりまするのはここに表を出されておりまするが、良心に恥ずしてこれが融資のなにをいたしたということが言えるかどうか、その点一つ伺つておきたい。この中には随分幾つかあります。私が見たところでも随分これは……この会社の名前を拾つて見まするというと、そうすると偏頗な処置、権門に何と言いますか屈し、権力に引きずられたというようなことがこの表の中にも出ておる。併しそういうことを一々申上げることは私どもは差控える。そういうことはむしろあなたのほうでよくおわかりなんだから……、そういうことをしてもらつては困る。そういう点につきまして、このうちでその後貸付けて非常に国家のために相成りましたと若し言明できる会社名があり得るならば、それを一つ承わりたい。幾つでもいいから……いいことを礼讃、顕彰するのは非常にいいのですから……。
  107. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) これは皆我我のほうはお役に立つていると思つてつているのでありまして、ただ結果が今すぐ出ておるのとそうでないのがございまするけれども、結果はいいと思つて皆決定したものばかりでございます。
  108. 平林太一

    平林太一君 だからその中で結果がいいと思つてつたのはいいが、まずかつたら困るのです、国民の血税だから……。それを私ども伺つておる。それだからまずいほうを出して頂いてもいいのです。あなたのほうで実は甚だ不行届でこういう失敗がありましたと、こういうようなものをお出しになるのも大変いいのです。そういうことをお考えになつておりませんか。又そういうことは日々の業務の間でこれはよくわかるはずなんです。この中にはこれだけの資金を貸して、そうしてこれが一私人の私事にその大半が費消されたというものも幾つかあるはずです。若しそういう説明ができなければ、最もよいこれこれの会社に対しましては成巧しましたという、その会社名をあなたのほうで発表ができるはずなんですから、それを承わりたい。
  109. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 今まで出しましたものは実は悪いものは我々はないと思つております。それから特にこれはいいというものも、先ほど申しましたように、これは設備資金でございますから、結果は相当年月を要するかと思うのであります。皆これはいい結果をもたらすだろうと思つて出したものばかりでございまして、従つて特にこれはまずかつたと思うものは今のところはないと思つております。
  110. 平林太一

    平林太一君 非常にこれは太田君自体が何かやはりこの副総裁だというような思い上つた態度で平常おいでになるから、こういう場合に即刻そういう答弁ができない。実は我々から申しますれば、開発銀行の総裁というような名前はつけたくない。銀行長でいいのです。総裁というような名前だと政党の総裁と同じようで、非常にそういうことからいずれも自分の身分というものを過大評価し、民主政治下においてそういうことはあり得ないようなことを来たす。各官庁におきましても大臣以下は皆長なんです。主宰する者が総裁だなんという名前をもらつてそれで思い上つているというようなことは、それ自体が非常に間違つておる。だから一つ根本的にそういうものから反省をせられて、そういう開発銀行のいわゆる銀行の事務鞅掌の一員である、こういうことで事務に鞅掌しておりますれば、今日只今のような場合にさような下劣な答弁をしなくても、眼光紙背に徹した、これこれの会社へこれこれ融資しました、返済方法はこれこれだ、そうして業績はこれこれだ、それが日本の運命を作る開発の使命にこれこれの貢献をいたしておりますと、こういうことが一つや二つは言えるはずです。実際それはみんな下任せ、きめるときには先刻申した通り利権グループのうやむやの中に、そういうものが中心母体になつてやつておる、こういうことなんです。それを我々は深く……こういうものは今日まで、我々から請求されんでも、正当にやつておればそういうことはないはずです。みずから進んで来て、これこれの今度は業績がありました、喜んで下さい、こういうことになつて来ると思うのです。それをこつちから言つてもひた隠しに隠している。予算委員会においても昨年、一昨年以来俎上に上つておるのです。その際も何かと政治的に暗躍して、それを出すことをつまりつい一日逃れにしたんです。今日は漸く出して来た。併し五千万円以下は出さないというのですから、甚だ不届きなことと言わなければならない。なぜそういう誠実に五千万円以下も全部こういうものをここに出すお考えにならないのか。あなたは職務にそれで誠実であるとお思いになりますか、承わりたいと思います。
  111. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) これは数年前も問題になつたかと思いますが、主として技術的の問題でございまして、御承知のように非常に件数が多いものでございますから、なかなかこれを一遍に処理するということが、能力から申しましてもなかなかできかねるのでございます。それでこの前も御了解を得て五千万円以上ということにしたのでございます。
  112. 平林太一

    平林太一君 そういうことを聞いておるのではない。了解はそれはあなたのほうからみずから求めずともそういうことはすべきものであるということを申上げてあるわけです。今までもこれを昨年、一昨年、毎年こういうものは出すべきなんだ、それを漸く開設以来初めてこれを出した。そういうことは非常に開銀のいわゆる理事者に……、役員会とおつしやつてつたが、その役員会というものの持つておりまする思想というものがとんでもない、これは井の中の蛙大海を知らず、我々から言わせると……。よく帰つて一つ理事会においてそういうことをお話になられたい。そういうわけであるから、そこに開発銀行だけで独善、いわゆる自我のことのみやつておるので、この内容というものは私から申しますれば非常に的を外れておるものがこの中に多数あるということを申上げておく。多数的を外れておりまするから、国民の血税をいわゆる赤字補填にまでにこれを流用して、そうしてこれをやつて行くということに対して、何の申訳があつて役目ができますか。若しそれがそれほどはずかしいものであるならば、自分はいやだとおつしやるならいつでも辞職なさい、小材君初め太田君、やめなさい。適当な人材は雲集しておる。吉田総理あたりのお声がかりで総裁なつたというのじや困るのです。それでそういうふうに安易に堕して、何か自分の牙城のごとく、開発銀行というものを一つの特権の府のごとく考えてやつておる。こういうことは非常に国政の上において恐るべきことです。非常に重大なことですから、今日そのことを申上げておくのでありますが太田君どうお考えになりますか。
  113. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) ちよつとどうもどう申上げていいのかわかりませんのですが、名前は総裁というような名前が付いておりますけれども、これは全くさつきおつしやいましたように銀行の頭という意味でございまして、我々普通の銀行の者とその点ではちつとも変らないつもりでおります。何も特権を持つておるというつもりも無論ございませんし、これは十分謙虚に伺つて、融資の決定に当りましても、むしろ慎重過ぎるくらいに慎重に扱つて来たつもりでございます。ただ御意見は十分によくわかりましたので、反省の資にしたいと思います。
  114. 平林太一

    平林太一君 非常に答弁を承わりましたが、先刻来申上げます通り、我々の意に反するものが極めて多い、その点を十分に一つ御反省を頂きたいと思います。それでいやならいつでもお辞めになつて頂きたい。それから総裁という名前はとつて、お帰りになつて一つ大蔵省のほうへ……、大蔵省からそういうことを何することはいけませんから、法律改正いたしますから、開発銀行自体でそういうことを一つおやりになつて、開発銀行行長、それが一番いい名です副総裁は副行長でいい。そういうことに一つ手続を直すように、真に私が今まで申上げたことがあなたの頭に入ればそうしなくちやならん。だからそういうことを一つおやりになるか、大いに注目いたしております。ですからそういう名前になつたときに本当に開発銀行の使命を果す軌道に乗るわけです。それができなければこれは今までと同じことなんです。いわゆる一部の特権階級の手慰みということに堕してしまう。我々のほうでは貸付等に対する内容その他のことにいたしましても、そういうことが思い当るものが幾つかある。いつまでもそういうものであつては困る。実は、そういうことはありません、全部いいのだということを言つておりますから、非常にこれは幸いであります。そういうことをこの際申上げて、実はそのほか私から申上げたいことは多々ありますが、他の委員のかたからの御発言もあるかと思いますから、私はこの程度質疑を打切ります。  先刻申上げましたように、要求をいたしました資料は早急に一つお出しを願うように、それから今後若し総裁、副総裁をやつていたいというならば、しばしば大蔵省及び当委員会に対しては教えを乞うという態度をおとりにならなければいけない。そういうことが今まで絶対ない、他のほうにもありますが、どんどん改革して行きます。全然国会になんか関係のない、これは銀行だけの牙城に……特に国家の銀行だというようなことで、そういうように一方的な何ら反省をしない態度が非常に間違つた方向に行くのでありますから、教えを乞う、どうぞ一つ国家全体、国政全体を通じて開発銀行の運営、具体的には貸付をどうしたらいいのでしよう、これこれこういう申出があるが、そういう中からどういうものを取扱うべきでしよう、我々はもう指図を  いたしません、そういうものは……。そういうものをあなたのほうからしばしばこの大蔵委員会等に対正しましては、所管の委員会、又国会全体に対しましてもそうでありましようが、大蔵省、こういうものに対してはしばそれそういうことをしなければいけません。単に理事会だとか役員会だとかいうような、世俗で申しますれば役員会というものは皆一つの同じ穴の貉という世間の諺があるが、これは同じなんです。そういうものだけでやられたら、決して外部の全体の視野の中から、政府が妥当な結論を出すということはできないことなんです。一つのグループの中で……、旧態依然たる一つのグループ、集りなんですから、そういうことを一つ深く注意を申上げておきます。それに対して太田君御異議があるかないか、やるならばやる、こういうことをいたしてみたいと思いますと、いたすことができないというなら、その理由を一つ承わりたい。これは最後ですから……。
  115. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 今すぐ即答は申上げかねますが、御趣旨は十分よく体しておるわけであります。一々この委員会へ御指示を仰ぐということもこれはできませんし、これは実際大蔵省とは我々しよつちゆう連絡しておりますが、大蔵省だけではございません。経済審議庁も通産省も関係官庁とは密接にこれは連絡しております。そちらを通じてこの政府の御意向というものは十分我々体しておるつもりでございます。併し御意見の趣旨はよくわかりますので、その御趣旨を汲みまして、今後とも十分注意してやつて行きたいと思います。
  116. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) この際、私は委員長として申上げておきます。開発銀行は国家の財政資金を融資するわけでありますが、その融資の金額は非常に多額に上り、而もその貸出の実際は開発銀行の理事者の全責任において行われて居ります。こういうふうに一般から信任を受けてやつておられるわけでありまするが、当委員会にをきましては、従来しばそれ開発銀行の理事者に対し、その業務の実際の内容についてはできるだけ機会を多くして当委員会に十分資料を提供して説明するようにと要望して参つたのであります。開発銀行当局においてはその点十分御了承下さいまして、できるだけその方向に御努力願いたいと思います。特に要望しておきます。
  117. 平林太一

    平林太一君 私もう打切ります。
  118. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) じやちよつと速記やめて……。    〔速記中止〕
  119. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) それじや速記付けて……。  本日はこれを以て散会いたします。    午後三時五十二分散会