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政府委員(石田正君) この投資信託の今の法制の下におきましては、投資信託の運用
方法といたしまして
貸付はいけないということにな
つておるわけであります。で、これは
貸付はいけないというのは、金融機関と同じような工合に
貸付をやるということはこれは話にならないという
意味でできておるわけなんです。で、コール・ローンがいいか悪いかということは、その当時としては余り問題にな
つていなかつたと私は思います。それから又この投資信託はこれまで約二年経過いたしましたが、その間におきましてどちらかと申しますると、株は上り気味である。それから割安、休戦等のこともございまして、上るということもあ
つて、大体もう成るべく早く株を買つたほうがよろしいと、こういう
状況であります。その買つたことが又更に株が上ることに拍車をかけるという面もあつたかと思います。で、この証券界の情勢というものは去年の暮頃から本年初頭にかけまして非常に、何と申しますか上ついた
状況が生じまして、その結果の思わしからざることが現在起
つて来ているということは否めないと思います。そこで、それではこの投資信託というものは証券に投資することを以て本来とするのだから、そのほかの運用は全然認めていないかというと、そういうものではないわけであります。これは現在の状態から申しまして、金銭信託に運用するというようなこともや
つております。それから又預金等もやつたりいろいろなことを短期的にはや
つておるわけであります。で、特にこのコール・ローンを認めたらいいというのは、先ほど申しましたような
状況で、これはまあ投資信託でありまして証券投資をすることが基でありますから、証券に投資することが本来であることは、これはもう勿論異存はないわけであります。併しながら始終証券に全額投資できるかということになりますと、これは又できないということも常識であろうと思います。そういう場合に証券投資できない分を、一時的なものでありましても確実ないい運用をするという途は開いておくのが私は筋ではないかと、こういうふうに思
つているわけであります。そういう
意味で最近の情勢を申しますると、特に新らしく信託を設定いたしました場合に、この証券界の
実情から申しまして、非常にこの証券が上
つて行くことがはつきりしている、早く買つたほうがいいというなら、全額すぐ設定した日に買
つてしまうというのもいいかと思います。併しながらなかなかそういうのは、むしろ今までの状態が異常でありまして、これから先というものは、やはり株式市場の情勢を見ながら組み入れて行くというのがいいのではないか、勿論これは前にも投資信託が期限が切れて解約されるものがありますから、内部操作としてやるということはいいと思いますけれ
ども、何と申しましても新らしく設定するほうが解約されるほうより多いと思いますけれ
ども、又そうすべきものだと思います。従いまして、設定のときにすぐ全額を証券に投資するか、さもなければ遊ばせておくか、或いは銀行預金で、当座預金ぐらいにしておくかということになりまして、弊害のない
範囲でそういう場合には運用の途を認めていいのじやないか、もう
一つは投資信託をやりました場合に、株が落ちるということが
考えられるという場合には、これは一般に
処分をするということを認めて然るべきだと思う。
処分してすぐ買うかという問題になるわけでありますが、これはやはり
模様を見て、そうして適当な時に買うというのが筋であろう、そういうふうな場合におきましても、コールというものを認めるということは、これは
異議があるであろうと思うわけであります。更にこれをやつたならば、全部これをコールにやつちや
つて、証券投資の本旨を逸するようなことが起りはせんか、これは問題は、
一つにおきましてはコール市場のレートがどういうふうにな
つておるかということが問題であろうかと思いますが、今のような二銭一厘というような金利におきまして、コールだけで投資信託の配当を維持するということは、これはできないことと思います。又私
どもの監督する立場から申しますと、今申しましたような趣旨で途をあけようというのが筋でございますが、勿論我々はコール等もと
つております。これをコールのほうにばかり出すというのでは、これは本旨を逸します。そういうふうなことのないような
手続をとらなければならないと思う。又毎日のコール・ローンだけに関しますところの操作でありますが、これにつきましては大体日本銀行が相当目を光らしておるというのが
実情でございます。そういたしますと、我々のほうといたしましては、これは日本銀行とよく相談をして、そのやり方等について当然規正を加えるべきであると、かように
考えております。