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1953-05-28 第16回国会 参議院 大蔵委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年五月二十八日(木曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大矢半次郎君    理事            西川甚五郎君            小林 政夫君            菊川 孝夫君            松永 義雄君    委員            青柳 秀夫君            岡崎 真一君            木内 四郎君            藤野 繁雄君            松岡 平市君            堀木 鎌三君            平林 太一君   国務大臣   大 蔵 大 臣 小笠原九郎君   政府委員    法制局次長   林  修三君    大蔵政務次官  愛知 揆一君    大蔵省主税局長 渡辺喜久造君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    大蔵省主税局税    制第二課長   塩崎  潤君    大蔵省税関部長 北島 武雄君    大蔵省理財局総    務課長     吉田 信邦君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○新大蔵大臣抱負に関する件 ○物品税法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○昭和二十八年分所得税の七月予定申  告の特例等に関する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○大蔵省関係法律のうち期限等の定の  あるものにつき当該期限等を変更す  るための法律案内閣提出衆議院  送付)   —————————————
  2. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) これより第二回の大蔵委員会を開会いたします。  小笠原大蔵大臣より発言を求められましたので、この際これを許可いたします。
  3. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 昨日提案理由等は申述べましたが、今回私が大蔵大臣就任いたしまして、特に当大蔵委員会各種のことをお願い申上げることに相成つております。どうか甚だ非才な者でありまするが、皆様の特別の御協力、御援助を得まして、円滑に各種の問題を進めたいと存じまするので、何分ともよろしくお願いを申上げたいと存じます。
  4. 平林太一

    平林太一君 只今代議士小笠原君が今回大蔵大臣に御就任に相成りまして、この委員会関係当該大臣といたしまして、私自身といたしましては今後しばしばの機会におきまして大蔵行政中心とする国政諸般審議に携わるわけでありますが、この際の機会におきまして私は特に就任をせられました只今小笠原君から極めて謙虚御鄭重なる御挨拶がありましたので、この機会に、大臣就任に当りまして大蔵行政に対する御抱負乃至経綸、或いは御施策というものはおありのことと思いますから、極めて大臣といたしましては第一回の御臨席になられましたこの委員会におきまして、詳細を申上げることは、私のほうで敬意を表して申上げませんが、その大綱だけはお示しになられて、こういう考えを持つておる、こういう方針の下に大蔵大臣としてその国政の衝に当るのである。こういうことを一応承わつて、輪郭を承わることによりまして、今後本委員会の進行の上におきまして、私は極めて重要な方向を感受するわけでありますから、この点をお伺いいたします。
  5. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 私はまだ就任後日が浅いので、例えば不日提出して当参議院の御審議を仰ぎます本予算等に対する方針をまだ閣議決定等見ておりません。従つて目下極力編成を急いでおる途上でございまして、まだ私の考えは申上げるのには少し時期が早いかと存ずるのでありますが、私が就任いたしました心持だけを一言だけ簡単に申上げさせて頂こうかと存ずるのであります。  今私は日本が極めてむずかしい時代であり、而もこの日本経済というものを何としても早く自立経済に持つて参らなければならない、こういうことを根本と考えて、諸般施策考えなければならないが、それにつきましては特に私が痛感いたしますることは、日本で今の場合に、例えば財政投資などが三千余億に上つて、相当重要な意味合を持つておりますので、いわゆる財政金融一体化と申しまするか、或いは財政金融有機化と申しまするか、そういう点を特に強めまして、一方には、いわゆるインフレーシヨンのようなところへ断じて持つて参ることをしない、併し他方では日本の産業の合理化も促進するが、同時に発達、増産も促しまして、そうしてこの国際競争力を付けるという方面に持つて参らなければならんと考えるのであります。従いまして、財政等につきましても、勿論均衡予算でなければなりませんが、ドツジ氏が来朝された当時のような、あの当時には、極めていわゆるドツジ氏の超均衡予算が必要でございましたが、今日は多少事情も変つておりまするので、いわゆる均衡予算を堅持すると共に、幾分の幅を持つたもので実情に即して参ることが必要ではないか、かように考えておる次第でございます。いずれにいたしましても、私はこの財政経済とに、今日財政面が非常に大きな役割をしておりまするし、又金融財政との間に非常な深いつながりがなければいかんということを痛感しておりまするので、まあこういうことを今後は一体となり、有機化して、そうして日本の国をできるだけ速かに自立経済に持つて参りたい。それには或る程度長期計画等も必要である。又各種の問題についても、計画経済に持つて行く考えは毛頭持つておりませんが、計画化ということは極めて必要であろうかと考えておるような次第でございます。いずれ私どもも更に閣議決定等を経まして申上げる機会があるかと存じます。又申上げたいと存じます。更に本予算等編成に当りましても、これらの多少考えておる新政策とも結び付けまして、いろいろ相談した結果申上げたいと存じまするが、今日は最初申上げた通り、私は就任後日が浅いことでありまするので、ただ私の心持だけを率直に申述べさして頂いた次第であります。
  6. 平林太一

    平林太一君 只今小笠原大蔵大臣の抱懐せられておりまする御所見、見識を拝聴いたしまして、私も頗る同感の意を表し、又折角御自重御自愛下されて、殊に只今財政経済を国際的に、いわゆる対外的に連携をいたして、我が国経済財政の基本的なものを確立せられるというように伺つたのでありまするが、誠に私もそのようにして頂くことを希望いたす次第であります。  ただこの機会に、私は委員長のお許しを得まして、二、三分間申上げたいと思います。大蔵行政におきます財政の問題であります。我々は国会の、いわゆる国民代表といたしましてその職責を果さんことに鋭意これ専念する以外に何ものもありません。でありまするから、そういう考えの下に申上げるのでありまするから、内容におきましては、或いはお気に障ることがあるかも知れませんが、その点は極めて大きな見識の下に御了承頂きたい。昨日も、大蔵大臣は御出席にならなかつたのでありますが、一言触れておきましたが、我が国の現状におきまする国民自体の持つておりまするところのこの力というものに対しまして、最も今日この日々の生活上に甚大な圧力を蒙つておりまするものは税の問題であります。税の負担であります。でありまするから、この税の負担に対しましては、当然国民自身非常に承知をいたしておりまするから、それは法律に定められたその範囲におきまするこの税というものは、当然負担して行くことに毫もやぶさかでない気持を持つております。併し、その場合におきまして、大蔵当局といたしましては、国民の持つておりまするそういう感情又は実情というものを深く考慮されまして、いやしくも過去におけるがごとき、非常な、殊に地方大蔵官僚大蔵公務員に多いのでありまするが、地方にそれぞれありまする大蔵関係の機関、何かもう泣く子と地頭には勝てないというような言葉がありますが、これは苦労人の大蔵大臣もよく御了承願えると思いますが、税務官吏というと、もう身を震わしておののくというくらいに、これらの関係官僚、今日公務員でありますが、それがそういうことに当る、非常に残念であります。でありまするから、どうかこれを民主的に……、今日私は非民主的な態度、むしろ思想と申しますか、非民主的な思想というものが今なお依然としてあると思うのであります。そうして、その時代錯誤の、一つの権力というものをかさに着ましてやつておりまするのは、地方における大蔵官僚というものが一番その最たるものであるということを非常に憂えるのであります。でありまするから、どうか新任の大臣といたしましては、それぞれ、昔で申しますれば訓示し申しますか、今日では何と申しますか、そういうものをなされる機会があると思いますので、是非この点は細かく申上げることは避けたいと思いますが、一を聞いて万を知られる聰明なる小笠原大蔵大臣におかれましては、この点是非御着想になられまして、このような地方民が非常に負担に苦しむ、その上に非常なそういう気分的な感情に喘いでおるということを是非御是正願いたいということを申上げます。  それから第二には、最近の金融資本でありますが、この金融資本に対しましては、どうか一つ……、誰か内閣を創立するとか、或いは総選挙があるというと、いつも石川一郎でありますとか、藤山愛一郎とか、小林中とか、或いは郵船の社長浅尾新甫というような者がいつでも登場して参ります。そうして何か事前に経済団体のほうへ交渉なり、関連がなければ政治は動かすものでないような、極めて越権傲慢な態度に出ておる。これを是非一つ気骨ある官僚出身大臣でないところの新小笠原大蔵大臣の非常な見識を以てやつて頂きたい。そういたしませんというと、これは窮まるところを知らない。その結果私は不測の、容易ならざる国民感情の中にこの金融……これら経済団体、殊に経済団体と申しましても、私はこれは皆金融資本というものを背景にし、金融資本を利用して、そうして動いておる、自分の金ではない。一面におきましては政府資金、一面におきましては国民大衆預金でありまする金融資本というものを、その預金をした大衆には銀行は実に傲慢不遜な態度を以て貸付をいたしておらん。そうして貸付けるのは経団連、結局彼らは右手には政府資金を持ち、左手にはいわゆるそういう国民大衆預金による金融というものを独占しておる状態である。そうして而もその余勢は直接政府のいわゆる政治権限にまで及ぼす。これは是非一つこの際一大反省をこの際求めたい。私は総理大臣である吉田茂君が非常にワンマンと言われておるが、ともかくこの方面にもう少しワンマン態度を示してもらいたいぐらいに思つておる。そういうことを申上げるのでありますが、それでこれは極めて下世話のことでありますが、近来銀行というものが競つてネオンサインというものをつけている。夜あの銀座街頭におきましても、銀行ネオンサインというものをどこもつけている。而もネオンサインというものは、我々の考から申しますれば、あれは一つの娼婦の態度である。でありますから、いわゆる昔は特飲街でありますとか、或いはそういうような遊興地帯において発祥したものであります。今日はややまあそれが一般商店の目標となつたが、銀行というものは夜営業いたしておるものではありません。これを競つて青や赤や紫のネオン、実に国家廃頽の象徴である。同時に銀行金融資本というものは、一面には非常な、そういう関係者というものも高いような見識をしていながら、実は正体というものは極めて劣等なるものであるということを私は喝破して実は差支えないのであります。東京銀行の頭取に浜口某という者があります。これは私どもから見ますと、お父さんから言うと随分劣つた男だと思う。ああいうネオンをつけて平然としておる。各東京市中における銀行も皆そうである。自己の利潤を追求する以外の何物もない。追求するためには、社会的にそういう影響のある、どういう影響があるか、ああいうネオンサインというものを見ますと、金のない者はどういう感じを起すか、そして金のない者は、而も銀行と取引のない者は国民中の恐らく七〇%や八〇%じやないかと思う。それにああいうみせびらかすような態度をして、而もそれが夜営業するのであればネオンサインをつけて標識にしてもよいが、昼間である。のみならず、昼間に、日中におきましては、御承知通り最も市中有数の場所である。今日、只今お話がありました国家国民経済の発展を企図いたしたいという大臣お話もありましたのでありますが、極めて中央部にあるああいうものは裏で差支えありません。表通りでなく、その裏で差支えない。ところが表通りに蟠居しております。いずれにいたしましても、商店などにいたしますれば、やる人も非常に好箇の地帯であり、又これを買う人にも非常に便利な地帯である。そういうようなことを考えるにつけましても、そういうようなことは私は第二といたしまして、とにかくネオンサインというものは金融資本正体というものを非常に暴露している。でありますから、この点に私は、深く大臣は御理解を持ちまして、何か金融関係の人がお集りになつたときに、ネオンサインはやめたらどうか、非常に今日の国策として影響するところが極めて大であると思いますから、こういう点の二つだけを、これは事務的な事柄でありませんで、これこそ、私自身国民代表といたしまして、そうして参つておりまするその多数の国民感情気持というものを代表いたしましたところの、そういう意見として私は申上げるのだということを切に御了承願いたいと思うのであります。
  7. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 平林さんのお話誠に御尤もに存じます。私といたしましては、第一点といたしましては、真に公僕精神に徹して、民主的に、先ほど言われまするように十分な努力を致す覚悟であります。  次に経団連その他に対する、金融資本等に対するお話はよく承わりまして、その春に副つてそれぞれ処置いたしたいと考えております。なおネオンサインの点は、実は率直に申上げますと、私は何も権限は持ち合わしておりませんが、御意向の点は、そういう機会を得ました時に、こういう御意見もあるから諸君自粛してはどうかぐらいの話はいたしたいと思います。
  8. 小林政夫

    小林政夫君 大蔵大臣お急ぎのようですから、本日この議題関係のあることで一点だけお伺いいたします。  議題の第三項の、期限等を変更する法律案、これは先般の当院の緊急集会において定めた期限を二カ月延期するという法案でありますが、組まれて只今提出されておる暫定予算は一カ月分になつておる。で、大体暫定予算とこの法律案とは裏腹の関係と承認いたしますが、併し予算のほうは六月分一カ月の追加考えておる。この法律のほうには二カ月の延長を考えておる。この点はどういうふうな御見解でそういうふうになされたか。
  9. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 実は予算のほうは、六月分の暫定予算が出してありまするが、実情から見ますると、やはり七月分も暫定予算をお出しするほかないような事情でございまするので、この法案は又重ねて出すこともどうかと思いますので二カ月分を出したような次第でございます。御承知のように、大分両院審議の日数の関係がございますので、さように取計らつた次第でございます。
  10. 小林政夫

    小林政夫君 私はこの法案の二カ月延期のほうは当然だと思う。今の情勢からいうならば。それならば、なぜ予算は六月一カ月分の追加考えられたか。今御言明のごとく、七月分も当然暫定予算を出さざるを得ない、こういうことであれば二カ月分の暫定予算を組んで然るべきではないか。
  11. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 六月分につきましては、これは大体緊急集会でお願い申上げたような、いわゆる骨格予算を主として暫定予算として組んでおるのであります。七月分につきましても編成方針は同様でありまするが、各種の季節的に織り込まなければならんものが相当あると思います。この六月分でも若干織り込んでございます。たとえて申しますると、北海道とか或いは東北、北陸等のいわゆる寒冷地帯におきまする公共事業費のようなものは、着手いたしませんと時期を失する等のものもございますので、骨格予算ではありまするが、そういう時期的にどうしても必要なものは、これは盛つて御協賛を願うほかないと存じまして、七月分も多少その点の配慮が要りまするので、別に切り離したような次第でございます。
  12. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 大蔵大臣に対する御質疑まだあると思いますが、衆議院予算委員会のほうで大蔵大臣出席要求があるそうでありますから、本日はこの程度にしたいと思いますが御異議ございませんですか。    〔「了承」と呼ぶ者あり〕
  13. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) それでは次に物品税法の一部を改正する法律案議題といたしまして、その内容説明を聴取いたします。
  14. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 物品につきましては、前国会に、二十八年度における税制改正の一連の法律を出しまして、ずつと御審議を願つておりました。その場合に、物品税につきましても、その一部改正法律案について御審議を願つていたわけでございますが、国会が解散になりまして、そのまま中途で審議未了に終つたわけでありますが、法案内容の大部分が減税を中心にしたものが多いものでございますから、衆議院の御意向でも出来るだけ早くこれを実施に移したほうがいいじやないかというふうなように見受けられたものでございますから、六月一日以降これを実施するという方針の下に今回改正案提案したわけでございます。内容につきましては、前回いろいろ御審議をお願いした関係もございまして、この前提案いたしましたものと全然同じでございます。その詳細につきましては、塩崎税制第二課長から説明させたいと思います。御了承願いたいと思います。
  15. 塩崎潤

    説明員塩崎潤君) 物品税法改正法律案提案理由につきましては、只今主税局長から御説明がありました通り、大体前国会提案致しまして審議未了となりましたその内容と同様な案になつております。ただ違う点は、施行期日が六月一日となつている点と、書画、骨董登録業者の納期の期限を変えた、この点だけでございます。その大要につきまして若干御説明申上げたいと思います。  この改正案内容は前国会においても御説明申上げました通り、大体三点程度あるわけでございます。先ず第一点は、最近におきまするところの国民生活実情を考慮いたしまして、実用品的性格の強い物品につきまして税率引下げ等中心といたしますところの税負担調整でございます。これが第一点でございます。第二点は、最近におきますところの課税の実態に即せしめるために、従来製造課税をとつておりましたところの貴石、貴金属製品等の一部の物品につきまして、物品税法施行当初行なつておりましたところの小売課税制度に復活せしめたい、こういう改正点でございます。第三点は若干小さな改正点でございますが、前国会におきまして御審議を願い、成立いたしましたところの酒税法において設けられました利子税制度を、同じ間接税でありますところの物品税につきましても設けようといたしている点、その他改正に伴いまして若干の規定の整備を図つた点でございます。以上につきまして、条文のを順序を逐いまして、簡単に御説明申上げたいと思います。  物品税法改正法律案新旧対照表を御覧になつて頂けば仕合せでございます。  第一条でございますが、第一条の第一種、これが新らしく追加になつております。改正案の第一条の第一種が追加になつておりますが、これが只今説明申上げましたところの第二点の小売課税制度の復活の規定でございます。  第一種の第一号から五号まで、これらにつきましては、物品税創設当初、小売課税でスタートしたわけでございますが、昭和二十一年の九月から、そのときにおきますところの販売市場が非常に混乱いたしまして、徴税の混乱が予想されましたので、すべての物品製造課税に改めました際に、これらの物品につきましても、若干の不公平な点はあつたわけでありますが、製造課税に改めたのでございます。最近経済の安定に伴いまして、販売市場も往年のごとく復活して来ましたので、本来の原則的な課税方法考えられますところの小売課税制度にこれらの物品を戻したわけでございます。その他第一条につきましては、税率改正が盛られておるわけでございます。これらにつきましては、法律案要項において示されております通りに、特殊な物品につきまして税率改正を行なつております。その主なものにつきまして申上げます。  第一に、二頁の丙類の十号、「写真機写真引伸機、映写機、同部分品及附属品並現像焼付用器具」これが従前四〇%でありましたのを三〇%にいたそうと、こう考えております。  十一号の「双眼鏡、隻眼鏡及同ケース」これは改正前は四〇%、これを三〇%にいたそうと、こういうふうにいたしておるわけでございます。なお税率調整の中で、他の課税物品との権衡考えまして、現行法におきましては丁類の三十四号の中に入つておりますところの、「瓦斯器具」を今回の改正案におきましては、十七号の暖房用冷房用電気器具の下にガス器具を加えまして、負担権衡を図つております。これはルームクーラーあたりの大規模な器具でございますが、電気器具液体燃料器具が三割の課税を受けておりますのに、その権衡上、この冷房用暖房用ガス器具が二割の課税を受けておりましたのを三割にいたしたわけでございます。ガス・ストーブのほうは別掲いたしております。  それから丁類の二十七の「蓄音器用レコード及針」これが改正前は三〇%でありましたが、改正案におきましては二〇%にいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから三十一号の、「喫煙用ライター」これが「喫煙用具」が現行二〇%でございますので、「喫煙用ライター及電気マッチ」につきましては三〇%でございますので、喫煙用具との権衡を図りまして、二〇%に税率を引下げようとするものでございます。  その次は、三十四号の「ネオン管用変圧器」これは現行におきましては四〇%の税率でございますが、この変圧器が他の用途にも使われる。その場合の課税関係の便宜を考慮いたしまして、ネオン変圧器だけは二〇%に、照明器具と並べまして二〇%にいたそう、こういうふうにいたしたわけでございます。但しネオン管につきましては、現行通り四〇%に据置こう、こういうふうにいたしておるわけでございます。  次の頁に参りまして、戊類の四十七号、「烏龍茶、包種茶、コーヒー、ココア及此等代用物」この物品につきましては、現行二〇%でございますが、これらの物品が関税のほうで三五%の課税を受けております関係、その他輸入品等が大部分を占めております関係を考慮いたしまして、税率を二〇%から一〇%に引下げようとするものでございます。  それから四十八の「時計及同部分品」、現行におきましては二〇%の税率であるわけでありますが、最近におきますところの時計大衆化に伴いまして、一〇%に引下げよう、こういうふうにいたしたわけであります。  その次に、新らしく己類という種類を設けまして、税率を五%にいたすことにいたしております。  五十五号、「化粧クリーム」、五十六の「金庫」、五十七の「大理石又ハ之二類スル装飾用石材原料トスル擬石」、となつておりますが、事務室、或いは建築資材に使われます関係を考慮いたしまして、税率を引下げようとするものでございます。  それから五十八が、オールウェーヴラジオ聴取機以外のラジオ聴喜取機で、五球以下のラジオ、それから聴取機部分品真空管シャーシイその他でございますが、最近におきますところのラジオ普及状況を考慮いたしまして、税率を一〇%から五%に引下げようとするものでございますが、蓄音器との権衡を考慮いたしまして、オールウェーヴラジオ、六球以上のラジオにつきましては二〇%にすることにいたしております。  五十九は受信用真空管マイクロフォンでございます。これもラジオと同様な趣旨でございます。  六十は「乗用三輪自動車及自動自転車」、スクーター等でございますが、最近の普及状況を考慮いたしまして、税率を十%から五%にしました。  六十一は「果実エッセンス類」であります。現行法は十%でございますが、改正案によりますと、五%、これは清涼飲料が二重課税になる場合も考えられますので、税率を引下げたわけであります。  六十二の「敷物類」花莚、リノリューム等でございますが、消費生活よりもむしろ事務所などに使われる点を考慮いたしまして、税率を半分にしたわけであります。  六十三の「紙及セロフアン」の物品税につきましては、五%の税率でございましたが、紙及びセロフアンにつきましては、最も大衆的と考えられますので、これらの税率につきましては三%にいたす、こういたしております。  六十四の「口中剤」でありますが一〇%から五%に引下げようとするものでございます。仁丹等は薬事法により、最近薬品として指定されております関係を考慮いたしまして税率を五%にいたそうと、こういうふうにいたしておるわけであります。  以上この第一条が改正の大きな狙いでありますところの小売課税制度の復活と税率調整を狙つたものでございます。二条、三条あたりは大体条文の整理でございます。なおサッカリン及びヅルチンにつきまして税率を引下げております。サッカリン及びヅルチンにつきましては、現行法によりますと税率が千円でございますが、その小売価格におきますところの税負担が砂糖等に比べまして相当高めになつておる点を考慮いたしまして、現行におきましては、小売価格に対しますところのサッカリン及びヅルチンの税負担は三五・七%とこう言われておるのでございます。これを一〇%程度にいたしたほうが最近のサッカリン及びヅルチンの需給状況に鑑みまして適当であろう、こういうように考えまして一キログラム三百円と引下げようとするものであります。で、小売課税税率につきましては、狙いは大体これらの物品につきましては、製造課税の際に百分の五十の税負担であつたわけでありますが、製造者課税税負担小売課税税負担と大体同じようにする趣旨によりまして税率を百分の二十といたしております。百分の二十といたしました根拠は、製造者課税の時は製造者価格が流通マージンを除いたところの製造者価格に課税になります関係を考慮いたしまして、流通マージンの加わる小売価格を課税標準とする場合は百分の二十ぐらいが現行税負担と大体合致し適当であろうと、こういうように考慮いたしたわけであります。  二条、三条、四条は大体条文の整理でございます。主として新らしく第一種の物品というものができました関係上、従来の一種、二種のほかに三種というものがございました関係で整理いたそうとするものでございます。  四条、五条、六条、七条、八条、九条は大体整理でございます。  十条に納期の点が出て参ります。これは制度改正といたしまして若干申上げます。製造課税の時の納期は原則といたしまして庫出しの翌々月の末までが納期でございます。で、現行の書画、骨董につきましては、その性質上小売課税を行なつておるわけでありますが、製造者課税の納期と並びまして二カ月といたしておつたのでありますが、今度小売課税制度がその他の物品につきまして拡げられました関係上、小売課税につきましては、代金を直ちに消費者から受取る。従つて二カ月ということよりもむしろ早めに取るのが理論的ではなかろうかということで、小売課税制度物品につきましての納期は翌月末日までを納期といたしております。従つて、書画、骨董の小売業者につきましては、その点当初苦痛が出て来るわけでありますが、附則におきまして経過的に一カ月分だけ延ばすというようなことを考えておるわけでございます。  その他十条の二、十条の三、十一条、十二条以下ずつと整理でございます。  十四条に新らしく利子税制度を設けた次第でございます。先般御審議願いました酒税法におきましては、滞納の場合に日歩四銭の利子税を徴収することにいたしたわけでございますが、物品税におきましても同様な制度を設ける、こういうことにいたしております。ただ徴収猶予の場合、一カ月間の徴収猶予の制度が担保を提供する納税義務者に認められるわけでございますが、徴収猶予されておる期間につきましては四銭の利子税を取らない、こういうことにいたしております。なお、税額が千円未満のときは取りませんし、利子税額が三百円未満のときは利子税を取らない。そういうことをいたしておりますのは他の利子税制度と同様でございます。  以下十五条、十六条は大部分が整理でございます。  第二十四条を削除いたしておりますのは、前々国会におきまして飴、葡萄糖が物品税から削除されましたので、再輸入の制度を二十四条から削除いたしたわけでございます。  次に附則でございますが、この法律は六月一日から施行いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。経過的に問題が起ります点は大体二点程度あるわけでございます。先ず第一に、新らしく小売課税を作ります物品につきましては勿論、六月一日以後売られる物につきましては小売課税制度が施行せられるわけでございますが、従前製造課税を行いましてすでに課税済みの物品が販売業者の手許にあるわけでございます。これらの物品につきましては、すでに課税を受けておる関係上、二度課税するわけには参らないわけでございますので、これらの物品は六月一日施行の際に販売業者が、或いは製造場以外の場所におきまして販売業者が所持する物品につきましては一つ申告して頂きまして、そうして申告した物品につきましては、所定の手続を絡ました物につきましては物品税課税しない。こういう経過規定を附則の四項に設けております。  もう一点は、先ほど申上げました書画、骨董の小売業者の納期が一カ月短縮になりましたので、これに若干のゆとりを認めようという規定であります。これは五項におきまして、六月中に販売いたしましたところの書画、骨董の物品税につきましては、本来ならば、従前の現行法によりますと八月までに納めなければならないのでございますが、これを九月末までに納付してよろしいと、こういうふうにいたしてその負担を緩和しておるのでございます。  以上が大体物品税改正の趣旨でございます。
  16. 小林政夫

    小林政夫君 第一種の「貴金属製品又ハ金若ハ白金ヲ用ヒタル製品」この定義ですが、どんな品物でも、或いは花器でも何でも、要するに「金若ハ白金ヲ用ヒタル製品」ならば全部第一種の第三号によつてやられると解釈していいですか。
  17. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 貴金属製品の性格につきましては、現在物品税法の施行規則に一応定義が載つておりまして、「貴金属製品又ハ金若ハ白金ヲ用ヒタル製品」の中で、「喫煙用ライター、室内装飾用品、茶道、香道及華道用具、喫煙用具照明器具、文房具、身辺用細貨類及化粧用具、宝石箱、優勝盃其ノ他ノ賞品及紀念品、食卓用品、カクテルシェーカー並二携行用飲料容器」、それから「金側又八日金側ノ時計」、これは併し現在はこうなつておりますが、今度の法案では製造一課税に残ります。この中に入りません。「金庭風及金衝立」、「其ノ他金又ハ白金ヲ用ヒタル製品、但シ金箔、金糸、金粉又ハ金液ヲ用ヒタルモノ及金ヲ鍍シ又ハ張リタルモノヲ除ク」、「喫煙用ライター、室内装飾用品、茶道、香道及華道用具、喫煙用具照明器具、文房具、れ身辺用紙貨類及化粧用具、宝石箱、優勝盃其ノ他ノ賞品及紀念品、食卓用品、カクテルシエーカー並二携行用飲料容器」、まあこういつたようなものが列挙してございます。今度の小売課税の場合におきましても大体ここに列挙してございますものを小売課長の対象というふうに、政令の上で以て物品税全体が政令で列挙主義になつておりますので、ここに載つておりますものをそのまま、多少字句の整理はありますが、順序くらいが変る程度でございまして、内容は変えないでそのまま持つて行きたい、かように考えております。
  18. 小林政夫

    小林政夫君 大体今まで指定してある品目の中で、用語等において、例えば室内装飾用品というものは、この本法における定義と省令による定義とは変らないのですね、内容的には……。
  19. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 変りません。
  20. 小林政夫

    小林政夫君 もう一点、骨董でもなくて、いわゆる古物というものはどうなるのですか。
  21. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) その問題は、一番問題になりますのは、例えば金の指輪といつたようなものだと思つておりますが、小売課税の場合におきましては、これはまあ法律規定から一応特に古物について排除する規定を置く場合は別でございますが、普通に書いて参りますと、結局小売の段階で売られますから、古物についてはやはり課税になる、こういうふうなまあ考え方に、解釈になるのじやないかと思います。それで、古物についてまあ一番はつきり問題になると思いますのは、例えば金の指輪だとか、宝石だとかいつたようなものだと思いますが、これについて課税すべきかすべからざるかという点につきましては我々のほうでは相当検討して見たいと思います。ただここに列挙して今度小売課税に挙げて行こうといつたようなものにつきましては、大分ほかの商品と性格が変つている点があるのじやないかと思います。例えばラジオ受信器とか、こういうようなものの古物と、指輪のようなものの古物、こういうものにつきましては、相当性格が変つておるのじやないかと思います。例えばもう時代物でありまする指輪のようなもの、これがまあ頭に浮びますが、こういうようなものはとにかくとしまして、併し古物ということを考えて見ますと、やはり例えば私が今日指輪を買つた、金に詰まつて明日売る、これはやはり古物と言わざるを得ないのであります。姿かたちで見ましても、結局新品とそう大して変らないものがあるわけでございます。従いまして消費者としましてもやはりその商品の性格からしまして、新品であると古物であるということについて、まあ形姿が新品同様であればその点についてそう違つた感覚でそれを取引するということも考えられないじやないかと思います。そういうようなふうにしますと、結局まあそういうものを買う人の一応担税力を考えまして課税して行くということになれば、まあ消費者の立場としましては、こういう種類の商品におきましては、新品を買う古物を買うということについて、そう大きな違いはないのではないか、やはり消費課税の対象にしていいのじやないか、まあこれが税のまともな理論のほうから一応考えられると思います。それからもう一つこれはいささか取締の面、執行の面でありますから、税のまともな理論が若しぶつかれば別途考えなければならん問題でありますが、執行のほうから考えて参りますと、実はこの点が更に痛感されるわけでございまして、同じような種類の商品が並べてある場合に、これは実は古物だ、これは新品だというふうに区別することは客観的に非常に困難性があるわけでございまして、まあそういうような意味合からしまして、従前小売税をやつておりました時にも古物なるが故にという特殊扱いはして参りませんでした。これはやはり相当に理由があつてのことじやないか、今回いろいろ検討して見たわけでございますが、どうも古物なるが故にこれを非課税……、製造という過程でつかまえるのでございますと、これはもう古物は製造場を出ておりますから問題はございませんが、小売税ということになりますと理論的にも一応御説明できると思います。執行のほうから言いますと、これはより通用性として古物課税ということをやらないということはちよつとむずかしいのじやないかと思います。従いまして今回の税法におきましては、古物についても一応課税する、こういう建前を一応取つておる次第であります。
  22. 小林政夫

    小林政夫君 はつきりしたと思いますが、もう一ぺんはつきり念を押すと、要するに程度によつて考えるということじやなくて、古物であれ新品であれかけると、こういうことですね。
  23. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) さようでございます。
  24. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 物品税の全体の税額というものはどれくらいありますか。項目でだんだんお尋ねしたいと思います。それからそれの税制上における比率は、パーセンテージはどれくらいになつておりますか。それから今回の改正で減税額はどの程度でございましようか。それからこの第一種の改正で御説明ございましたが、その第一種の百分の二十というのと従前の卸製造場よりの移出に対する百分の五十というのの税の比率は大体同じでございますか。  それから小売課税に直した場合における徴税比はどういうふうになりますか。私の考えでは、御趣旨は結構だと思いまするけれども小売課税というものはなかなか徴税が困難である場合があるのじやないか。そうしますと小売業者の手数もなかなか厄介でありまして、これを脱税と言いますか、そういうほうを取締るとなると随分手数がかかつて大変じやないかという気がいたします。その点に対する御当局のお考え、なお参考までに伺いたいのですが、物品税の外国における状況、アメリカなりイギリスなりではどういうふうにやつているか。  それから、なお第一種になつておりますのは、大体において税率が非常に高い奢侈品のようなもののように見えますが、これは税の建前から言いまして、幾分税率をほかのものよりも下げる限度が少くていい、或いはむしろ物によつては上げてもいいものがあるのじやないか、これに対してどういうお考えでいられるか。大体三点をお願いいたします。
  25. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) お答えいたします。歳入の見積りにつきましては現在本予算編成と結びつきまして検討を加えておりますので、只今申上げます数字とそう大きく違うとは思いませんが、多少の移動があることをお許し願いたいと思いますが、現在見積つておりますところでは本年度の物品税の収入見込額は約二百三十八億、租税収入全体の見積りでございますが、これも実は今検討を加えておりますので、多少まだ動くと思つておりますが、この間お出ししました税制改正案の時の見積りでございますと、税制改正をしない場合が八千九十一億、税制改正をした場合が七千八十一億、こういう数字が出ております。税制改正案などにつきましても、まだ最終的な結論が出ておりませんので、どういうことになりますか。  それから歳入の見積りそのものにつきましても、この数字は昨年の暮当時の資料を基にして作つてございまして、その後相当の期間が経過しておりまして、いろいろなデーターも変つて来ておりますので今検討をしておりますが、ただ各税におきましては相当の入り繰りがあろうと思つておりますが、総額におきましては若し税制が同じであればそう大きく違わないものじやないか、これくらいの見通しは持つております。従いまして、はつきりした数字、固い数字をここで申上げることができないことを遺憾といたしますが、大体その辺で大勢は御了承願えるのじやないかと思いますので、御容赦を願いたいと思います。  なお、今回の改正によりましては、今申しましたように、法律の上で以て先ほど来申しているような税率引下げその他を考えておりますが、少し補足的に申上げさして頂きたいと思いますが、提出してございます参考資料の中に書いてございまするが、政令案の中で以て少し増収を図る要素を作りたい。その一つは、前の国会のときによく御説明申上げたと思いますが、先ほど塩崎君の説明には落ちておりましたので、私から補足して申上げておきますが、その一つは自動車の課税、乗用自動車の課税の問題でございます。現在乗用自動車に対する課税は、大型の乗用自動車は三割、それから小型の乗用自動車は二割、こういう税率課税しております。その場合の大型、小型の区分でございますが、現在の施行規則では輪距と申しまして、自動車の前の車輪と後の車輪の幅を輪距と申しておりますが、その輪距の百二十インチ以上のものを大型、それ未満のものを小型と分けておりますが、これは物品税ができましたときは、たしか百十二インチだつたと思います。現行の定義によりますと、結局どういうものが大型に入るかと言いますと、アメリカ製の高級車、これだけが大型に入りまして、シボレーとかフォードとかポンテイヤツクのシックスといつたような、我々が普通概念では少くとも小型というのにはちよつと当らんと思うようなものは全部大型の自動車に入つております。そこでこれはどうも少し占領下における当時におきましての関係からしまして、まあ無理に上げられたような感覚もございますので、これをまあ普通の常識で考えられましたところとしまして、百十インチを境目にしまして、それ以上のものを大型、それ以下のものを小型、国産の自動車は大体今のところトヨタ、とかニッサンとか、ああいうものは九十九インチ、九十八インチとなつております。それから欧洲物は普通ありますのは百十インチ、まあアメリカ物がフォード、シボレー級以上が大型に入ります。こういうような改正をしたい。これで税収が平年度におきまして七億ほど、それから初年度において五億八千九百万円ほど実は増収を考えております。  それからもう一つ果実水、今よくありますオレンジ・ジュースのようなものでありますが、現在まあサイダーとかああいう清涼飲料が全部課税になつておりますが、これに課税ができていない、従つて法律の上ではまあ政令さえきまれば課税でき得る余地になつておりますが、ずつと課税していないのでありますが、どうもサイダー、ラムネ等の均衡からしまして、やはりこれにも課税したほうがいいだろう、で、差上げました政令案にも一応書いてございますが、こういうものも一応取りたい、これによりまして大体平年度におきまして十億程度の増収が考えられるわけであります。それで全体としましての減税になるのは大体三十億ということを考えております。彼此相殺いたしまするので、本年度におきましては法律による分及び政令による分、なお政令による分につきましては、これもお手許に差上げてございますが、相当のいわゆる課税最低限と申しまして、金額の安いものについては、一応名前は載つていましても課税はしない、こういうものが相当ありますが、この課税最低の限度額が、その後の物価の上昇、或いはいろいろ検討して見ますと、少し安きに失するものがあるのではないかという御批判をいろいろ受けておりまして、このほうをやはり相当今度引上げの方向において直して行こう、このほうの減収がございます。税率引下げ及び課税最低限度の引上げ、それから今申しました新らしく課税になるもの、それから税率の引上げられるもの、こういつたものを彼此相殺しまして、今年度のこの改正による減収は十六億五千八百万円程度、こういうふうに見込んでおります。前回提案しました時におきましては、四月一日から施行するということを目途にいたしまして二十億円の減収を予想しておりましたが、六月となりますと二カ月ほど遅れますので、金額も多少減りまして、十六億五千八百万円、かように考えております。  それから、その次に御質問になりました小売課税、今度小売課税に移そうと思つておりますものの税収は一億三千二百万円程度のものであります。現在製造過程において課税しておる数字としましては一億三千二百万円程度であります。税率の点につきましてはいろいろ検討して見たのでございますが、考え方といたしましては、どうもこれは先ほどちよつと御質問のときにも触れられましたように、施行の上においているくむずかしい点もございますし、性格からいいますと、御趣旨のように、もつと高い税率であつてもいいじやないかという意見も一応御尤もでございますが、余り税率が高いと、とかく業者のかたにもいろいろな無理がかかりまして、まあ脱税のほうへの誘惑が大きくなるというようなところに、やはり相当慎重な考慮も必要じやないだろうか、二割の税率を出しましたゆえんのものは、現在の製造段階におきましては、製造者価格に対して税率が適用されるわけでございますが、今度小売で課税するようになりますと、先ほども説明申しましたように、卸、小売のマージンが入りました最終の小売価格のところで課税になるわけでございます。適用される税率は小売価格に対して適用される、従いまして製造者価格において五割の税率を適用して見まして、そこで出る一応の税金の絶対額というものを一応出しまして、そうして小売価格で以てこれを割つて見ますと、まあ二割或いはその前後の数字が出るわけでございまして、従いまして現在これら商品の負担しております物品税の税額をそう動さないということを目途にいたしまして、二割の税率を一応提案した次第でございます。  その次に、これによつて徴税費がどんなふうになるだろうかという御質問でございましたが、正直な話を申しますと、これらの品物につきましては製造課税でやつて参りましたが、非常にその実効を挙げることに困難を感じております。と申しますのは、その製造者と申しますのが、実は金属のものでございますと割合に飾り屋さん的な人が多くなつてしまうわけでございまして、割合に裏店とかそういう所でやつておりまして、非常にまあ捕えにくいような姿になつておるわけでありまして、これがまあいわゆる問屋さんのところで課税できまずと、もつといいんですが、どうも問屋段階で捕えるということには非常に法制的にも困難があるようでございまして、結局製造の段階か小売の後階かで捕えなければならんというところに追込められますものですから、又その製造者の段階におきましても捕えるということに非常に困難を感じている。小売の段階に参りますと、確かに一応業者の数は殖えるように思いますが、ただ現在まあ各所におります物品税の係、大きな所では相当人数もおりますが、田舎のほうでは一人、二人のものがありますが、家具とかいろいろなものがありまして、全然係員がいないわけでもありませんし、そういうものがほかのほうの仕事も手伝つておりますので、この仕事が新らしくできたと申しましても、人員を増すとか、そういうことは勿論考える必要はないと思つております。現在の人数の程度で以て、同時に徴税費におきましても、大体ほかのほうの仕事と併せ行うことによりまして、徴税費の増加もなしに一応この程度の仕事ならやつて行けるのじやないか、そのような意味におきまして、実は小売課税につきましてもいろいろほかの品目につきまして、これも小売課税にしたらどうか、あれも小売課税にしたらどうかという御意見もあつたのでございますが、できるだけ対象をまあ縮約いたしまして、そして徴税のほうの手数もまあそれほど大きく殖えない、同時に実効が相当期待できるというものだけを選びまして今度の小売課税に持つて行つた次第でございます。  それからなお諸外国の例というお話でございましたが、イギリスにおきましても、やはり奢侈品を中心といたしましてこうした種類の課税をやつております。税率は三つに分けまして、この間までは一番高い税率が百分の百、それからその次のものが百分の六十、それから百分の三十、こういう税率で製造者課税中心にやつておりますが、今度の予算におきましては、大蔵大臣財政演説にも出ておりましたが、この税率を七十五、五十、二十五に引下げるということを提案しております。それからアメリカにおきましては、製造者課税を二十五乃至十の税率で以てやはり奢侈品中心課税を行なつております。それからアメリカでは小売課税をやつております分もありまして、それは化粧品その他でございますが、これらには二割の税率で以て小売課税を行なつております。以上非常に概略でございますがお答え申上げます。
  26. 小林政夫

    小林政夫君 第二種の四号の書き方ですが、この「貴金属製ノ時計及同部分品並二金又ハ白金ヲ用ヒタル時計及同部分品但シ第四十八号二掲グルモノヲ除ク」とあります。この書き方は、むしろ逆に書くべきじやないかと思うので、四十八号のほうへ「但シ第四号一喝グルモノヲ除ク」と書くべきだと思うのですがね。
  27. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) まあ逆に書くのも一つの書き方だと思いますが、こういう書き方も一つの書き方という程度考えております。
  28. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、第二種の甲類の四号では何を言つているのですか。
  29. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 書き方についてはいろいろ御意見が確かにあると思いますが、結局まあ政令で一応列挙いたしますので、この法文を書きました趣旨は、時計のほうにおきまして一応まあ部分品なんぞが特にあるわけでございますが、そういう部分品は四十八号で規定しているからこれを除こう、それで時計につきましては、まあ四十八号に「時計」と書いてあつて、前のほうで以て時計を四十八号に書いてあるのを除いたのはおかしいじやないか、こういうふうな御趣旨だと思いますが、実はそういうふうな意味じやなくて、貴金属のほうの時計は前のほうで除きますのは、むしろ部分品的なものということを頭においておるのですが、その点におきましては多少まあ書き方がまずかつたとかどうとかいう御批判は私もちよつと感じられますが、まあ政令のほうではつきり列挙主義を従来とつておりますから、大体支障なしに運営できるのじやないか、かように考えております。
  30. 小林政夫

    小林政夫君 次回までに検討しておいて下さい。  それからもう一点、この金庫ですがね、政令のほうを見ると、金庫に手提金庫を含むということになつておりますが、ところが従来の一〇%の税率を今回五%に下げた、こういう趣旨から言つて、又手提金庫を現在事務用品としての必需品という観点から言つて、この際この法案とは関係がないが、政令のほうで取除く意思はないかどうか、是非取除いてもらいたいと思います。
  31. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 金庫につきましては、実は我々も大いに検討してみたわけでございますが、どうも金庫に課税するということがいいか悪いかという結局そこへぶつかつて来るようでございますが、これを大型、小型というふうに区分して参りますと、結局一番大きなものは、まあ銀行などが使つている金庫などは建物の中に言わば金庫とも称すべきものがはめ込まれておりまして、これは金庫と称すべきものでなくなつておるわけでございます。従つて金庫と言われ得る限りにおきましては、相当大型のものから小型の手提金庫に至るまであるわけでございます。ところがまあ大型になればなるほど何と申しますか、いわゆる消費的な生活とは離れてしまいまして、むしろ銀行なり役所なり事務所なり、こういう所が使つているわけでして、まあ冷蔵庫などにおきましては現在のところ営業用に使う大型のものは課税しないことにしておりますが、どうもその思想から言いますと、或いは大型のものに課税するのが却つておかしい、こういう議論も一つあるのじやないか。それと同時に、今おつしやつたように、小型のものこそまあ担税力が低いのだから非課税にしたらどうか、小型のものはどちらかと言えばむしろ事務用品という性格も勿論ありますが、いわゆる消費生活に結び付いた家庭用のものもある。そうしますと、若し大型のそういつた議論でそういうものを外して行く、小型も外して行く、真ん中にあるものだけ残つたらどんなものだろう、実はそんなようなロジックで以て考えておりまして、結局大きな問題として金庫に対する課税をどうするかという問題にまで発展しなければならんように思うのでございまして、将来の問題としてはいろいろ考えてみたいと思つているのですが、差当りの段階といたしましてはまあそういう意味もございますので、従来の税率の十を五に下げる、その中を打割つて分解して行くということはなかなか金庫の性格として無理じやないだろうか。従つて課税の対象といたしましては大型、小型合わせて課税対象にしますが、全体につきまして税率を加減する、まあ今度の物品税全体につきまして多少そういつたように、一応の一つの段階的な整理といつたような感じもございますので、現在の段階におきましては、まあこの機会に手提金庫だけ云々ということにしないで、全体として税率を下げる、こういう解決方法が一番適当じやないか、かような結論を持つております。
  32. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 この現行法の第一条の第一種の甲類の一、四、五、六、七、八ですね。これは従来は百分の五十であつたのを改正案では百分の二十にする、こういうようなことになつておりますが、こういうようなものこそ賛沢品であつて税率を引下げる必要はないと思いますが、税率を引下げなくちやいけないという理由はどこにあるのですか。
  33. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 先ほどもちよつとその点に触れて御説明申上げたと思いますが、結局物品税の性格と申しますのは、品物の製造課税の場合であれ、小売課税の場合であれ、これを最終的に消費します人が負担して頂く。これが物品税の建前でございまして、徴税の便宜その他も考えまして、徴税の便宜と申しますか、施行上の便宜といつたことも考えまして、品物によつて製造課税もし、小売課税もする、こういうことをやつておるわけでございます。製造課税の場合におきましては、こう申上げたらよろしいかと思いますが、その負担額というものは一面においては課税標準と言いますか課税価格と言いますか、何を元に税率をかけて行くかという、これが一つの問題になります。それからもう一つの問題が今御指摘になりました税率の問題、この二つがからみ合いまして負担して行く税額が算出されているわけでございます。製造課税の場合におきましては、その実情からしまして、どうしても製造業者のところから出て参りますときの値段、一応我々は製造者価格と呼んでおりますが、これに税率が適用されるわけでございます。ところがその製造者価格というのは、その後におきまして卸の段階を経、小売の段階を経、それぞれの段階における流通のマージンがそれに加算されまして、そして最終消費者に売られて行く、こういう姿になることは申上げるまでもなくおわかりのことと存じます。そこで小売価格というのはそういうふうになりますので、一つ指輪なら指輪をとつて見ましてもいそれが製造者の段階において売られるときの値段と、それが小売商のかたから最終消費者に売られる値段との欄には相当の開きがあるわけでございまして、特にこういう品物の性格からいたしまして、そのマージンなども相当大きいものも多いのじやないかと思つておりますが、そこにまあ開きがあるわけでございます。そこで我々のほうで以て考えました考え方としましては、現在製造者の段階において負担して頂いております税額、それをそのまま最終消費者が最終の段階においても負担して頂く。こういつたことを一応念頭に置きまして、それで製造者価格を例えば百とする。それが小売価格になると百何十と言いますか、或いは二百になる。そういうふうな考え方ができると思います。それで百の場合に五十、二百としては幾つ、こういつたようないろいろな計算があるわけですが、それをやつてみまして、まあ大体二十ぐらいの税率が妥当じやないか。品物の性格から言いますと、確かにほかの物よりももつと高くてもいいのじやないかというような御説も一応考えられますけれども、そういつた意味におきまして、現在の税負担がそれほど変らんということを目途にしまして、百分の二十という数字を出しましたわけでございまして、適用される課税標準が相当大きく変るわけでございまして、例えば金側時計の場合におきましては、これは大きな時計会社がやつておりますので、我々相変らず製造課税の中に残しておりますが、その場合に五十として負担する税額と、小売の段階におきまして二十として負担する税額はこれで大体権衡を得ていると考えております。
  34. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 それから敷物類が従来の一〇%が五%に引下げられておりますが、この敷物類の中に花莚というものが含まれておるだろうと思います。又その花莚が現行の最低限を二百五十円から三百円まで引上げたということは尤もと思いますが、この花莚の意義についていろいろと疑問の点があるのでありますが、この花莚というものはどういうふうなものを花莚と言うか、こういうふうなことを一応お伺いしたいと思つております。
  35. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 物品税はいわば一つの商品学の問題とも結び付きまして、花莚の定義というのは実は通達等も一応ございますが、今ここへそれを持つて来ておりませんですが、まあ大体常識的に考えられますところとしまして我々のほうでも考えておるのでございますが、同じ莚の中で以て相当の模様があり、或いは線でやる場合もありましようし、それこそ花のような模様もあろうと思いますが、一応そういうようなものが織り込んである莚を以て花莚とする、かように実は考えておりますが、現在のところは聞いてみますと、捺染のものも一応花莚と扱つているようでありますが、この点につきましてはいろいろ御議論もあるようでございまして、更に再検討したいと思つております。なお、織り込みのものにつきましてどの程度の模様があつたら花莚と言うか、なかなかむずかしい問題だと思つておりますが、一つには先ほどもちよつとお述べになりましたように、課税最低限の問題が今度引上げもしてございますので、余り単純なやつは大体この課税最低限のほうで一応落ちて行くんじやないかとかように考えておりますが、施行の上におきまして疑義があるようでございますので、我々のほうとしましても検討しまして、どなたの御常識にも合うような妥当な定義をはつきりさしたいと、かように考えております。
  36. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 只今の御説明で大体花莚のことはわかりましたが、現在課税されているところによつて見まするというと、非常に簡単なものであつても花莚として取扱われているようでありまするが、そういうふうなことのないように、只今お話のように御検討を願いたいと思います。  それから次は果実エッセンスと嗜好飲料水のことでありますが、これも課税品目の細目を変更するものの中によつて見まするというと、果実水には「果実水を嗜好飲料水に追加する。但しみかん、夏みかん、ぶどう及びりんごの天然果汁を原料とするものは一年限り非課税とする。」こういうふうなことになつておりますが、現在果実の状態から考えます。というとこういうふうなものは一カ年というふうなことじやなくて、課税すべきものじやないとこう考えておるのでありますが、この点どういうふうなことで一カ年間非課税にするというお考えであるか、お伺いしたいと思います。
  37. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 果実水の問題につきましては、我々もまあいろいろ検討してみたのでございますが、一応先ほどもちよつと触れましたように、ラムネとかサイダーといつたものとの権衡からいたしまして、非常に極端なものと申しますか、代表的なものはまあバヤリースのオレンジ・ジュースといつたようなものなのですが、やはり相当の課税をして行くべきものじやないかというのでずつと話を進めて参つたわけでございます。そこで但書として政令案の関係で除きたいと思つておりますのは、一応天然果実を凝縮しないでそのまま使つて果実水としてやる、これも将来の問題として考えて参りますと、やはり普通のオレンジ・ジュースとそれほど区別すべきものじやないというふうに我々考えられるのでございますが、ただ現在の情勢を見て参りますと、丁度農家のいわゆる協同組合の仕事としまして最近漸く発展の途上にあるようでございますので、これが本当に一人立ちして従来のバヤリースなりそういつたものと競争できるような情勢になればこれはやはり課税をつけて行くほうが、商品の状況を見て頂きましても、そう余りでき上つたものとしては区別ができないようでございまして、ただまあ現在の発展の途上におきましては、なかなか香がつきにくいといつたようなことでちよつと商品価値としては劣るのじやないか。併しこれもそういつた劣つた姿のままでいつまでもあつては、むしろそういうことを扱つていらつしやる協同組合のために惜しむところでありまして将来はやはりバヤリース・オレンヂ・ジュースのようなものと同じようなものになつて頂きたいわけでありまして、ただ遺憾ながら現在の段階においてはどうもそこまで行つていない。そこで将来は将来、現在は現在というところで、取りあえずとにかく一カ年はこれは課税の外におきたい、かように考えております。
  38. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 只今説明で大体わかりましたが、そういうふうな場合といえども課税になるものは果実エッセンスと異つた課税をするということは同じじやないかと考えますが、異つた課税をせなくちやできない理由があつたらば、それを御説明願いたいと思います。
  39. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 果実エッセンスのほうにはいろいろな種類がございまして、自然果実を原料としたエッセンスもございますし、それから合成のエッセンスもあるわけでありまして、実は大部分はむしろ合成のエッセンスでございまして、そういうような意味にいたしまして、こちらのほうはまあ飲料水の味付けのようなものにもなりますが、同時にお菓子などにも大分使われておるようでございます。そのような意味におきまして、こちらのほうはむしろ天然果汁というよりも合成が主でございまして、従つてまあそう言つちや失礼かも知れませんが、その品質も天然のものに比べまして大体ちよつと落ちているのじやないか、そういうような実態がございますので、これをも大部分合成と申しても間違いないと思いますが、そういう実態を眺めまして、こちらのほうは税率が安くなつている、軽減されている、かようなわけでございます。
  40. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 さつきの前のかたの質問で大体わかつたのでありますが、今回の物品税改正によつては平年度の減税が三十億、本年の今回の改正が十六億、こういうふうに承知してよろしうございますか。
  41. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 先ほど三十億と申上げましたのは、自動車の問題、果実水の問題で増収が期待されますので、そして片方で税率引下げなり、課税最低限の引上げをやる。で、課税最低限の引上げ、税率の引下げによる減のほうをとりますと、これは大体三十億になる、かように申上げたわけでありまして、片方に増の税源がございますので、先般提出しました税制改正案のときにおきましては四月から施行するものとして二十億の減収を予定しておりましたが、これは平年度に直しますと二十四億の数字になります。今回の改正案におきましても、行いますことは前の場合と全然同じことをやつておりますから、平年度ということになりますと、増減差引きしますと、まあ二十四億というふうに御了解願つておいたほうがいいのじやないかと思います。
  42. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 私一つ疑問に思うのは、先ほどからお聞きしておると、大体この前の国会に出された物品税と全く同じなのですが、新らしい観点から、新らしい経済の情勢に応ずる国民としての態勢から考え直される気持がないだろうか。まあ政令に譲つてできるような、さつき例を挙げられました自動車というふうな問題だけが取上げられておる。併しそういう問題について世の中の批判が起つて来たということは、日本経済自身が最近の情勢から従来の状態では対処できないという非常に大きな私は今国民的な考え方が出て来ておる。それが経団連なんかの意見書にもなり、その他の意見書にもなつて出て来ておる。そういう新らしい情勢を少しも織り込まないでそのままで行こうという大蔵省の態度はどこに起因しておるか、こういうことだけをちよつと聞きたい。
  43. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 全体としまして、新らしい情勢に対処して新らしく検討し直せというのは確かに一つの御意見だと思つております。で、税制改正案につきましても一応全般的に見直すつもりでおりますが、ただ予算のほうをどんなふうに持つて行くか、それと全部見合つた上で考えて行きたい。従いまして、それじや予算と見合つた上で物品税改正案にしましてもそれと合せて云々という御意見が出ると思いますが、ただ現在提案しております物品税につきましては、相当議論をこの前の国会でしまして、衆議院のほうにおきましても委員会はすでに上つていた、こういつたような状態にありまして、かなり業者のほうにおきましては期待を持たれている、最小限少くともこの程度のものという意味において期待を持たれている点が多分にあつたように思います。それが解散のために延びた。従つてあとの問題は又あとの問題として、勿論これで以て物品税における問題がなくなつたというわけではございません。あとの問題はあとの問題として、取りあえず衆議院におきまして随分審議なすつた、そして委員会まで上つたという程度のものを先ずとにかく早く施行に移したらどうだろうか。それであとの問題をすぐ続けて今回の国会の問題として取上げられますか、或いは通常国会の問題になりますか、まあ更にその将来の問題になりますか、それはわかりませんが、とにかく一応前国会におきまして相当論議を尽し、従つて中心としましては減税の分が中心になつているものでございまして、それぞれの業界におかれましては相当これについて期待を持たれている。従つて総合的な検討は総合的な検討としまして、この分だけはとにかく先ず先に施行に移したらどうだろうか、こういう御意見だろうと思いますが、衆議院のほうにおきまして早急に今審議を進められるという空気がございましたので、我々のほうといたしましても、その空気に対しましては一応の考え方であり、御反対申上げる理由もございませんし、まあ筋は筋としてここまでは少くとも考えて行つた線でございます。それで至急に提案申上げようというので、審議を進めて頂きたい、かような事情であることを御了承願いたいと思います。
  44. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 まあ今の御説明の点もわからないでもないのです。おつしやることがわからないでもないのだが、よほど実は昨年あたり日本経済の様相が違つたことについて問題が起つて来ておりますね。そうするともう一遍見直すというときには、場合によれば今度軽減したものも上げなくちやならないかも知れないという問題が起らないとも限らない。むしろそういうふうに考える場合のほうが正しいのじやないかと思います。私もそう考えます。現に国民耐乏の生活をしなければ日本経済は再建しないということは明らかになつて来ておりますね。そうすると、期待を一応持たれておるからそういう処置をしたと言われるが、今度は日ならずして今度の二十八年度予算なりその他の審議に当つて新らしく問題が起つて来る。そうすると僅か施行して幾らもたたないのに又変更を求めなければならないというふうな問題が起れば、丁度期待を持たれておるからやるのだというのと全く以て逆の現象が起つて来るというふうに考えざるを得ないのですが、とにかく大蔵省としてはそうすると一応の従来の既定の方針というものが一応財界の考え方に合つておるのであつて、だから又大きな変更があるかも知れないがやりたい。新らしい経済の状況から見た観点からみるやつは日ならずして変えても止むを得ない、そういう考え方に立つておるのか、立つてないのか、その点はつきり聞きたいと思います。
  45. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 情勢の変化が相当あるということについて、これをどう解釈するかというような御意見のようでありますが、情勢の変化があり、新しい事態に対処して当然予算の動きも考えなければならない、情勢も考えられなければならない、これは我々もそう考えておりますが、併し何と申しましても現在の税負担が非常に重いということは、これはまあ所得税をとりましても、法人税をとりましても、物品税につきましてもいろいろ御意見を伺つているところでございまして、我々税務当局といたしましてもやはりその点については同じことに考えております。ただ予算のほうの点がいろいろそう早急に圧縮できないということで、まあ税金のほうから見ますと、非常にもつともつと何とか軽減できないものだろうかと考えておりながらなかなかできない、もつとこれが税の負担の低いときでございますと、歳出のほうで殖えれば、当然税金のほうが殖えて来るという弾力性があるわけでございますが、現在の税負担におきましては、何回かの減税措置はやりましたが、なかなかそう弾力性は乏しいのじやないか、こういうふうに考えるわけでございまして、従いまして本年度の予算がどんなふうな姿になつて参りますか、まだちよつと私など何とも申しかねますが、併し大体これに織込まれている程度の減税は一応最小限度のものとしてやり得るところじやないだろうか。別途所得税などにつきましても御審議を願つております。期限延長の問題で御審議を願つておりますが、或いは七月予定申告の点なども審議つておりますが、ああいう程度の減税というものは少くとも本年度におきまして最低限度の減税としてやる、やらなければならんことじやなかろうか、こういうふうにまあ考えておりますので、或いは堀木委員のほうの御意見と多少食違いができるのかもしれないと思いますが、まあ予算もそれほど大きく殖えるということは、多少の増加或いは減少はあろうと思いますが、そう大きく云々ということもまあなくてすませて欲しい。そういうことを考えますと、これはこの間の千億減税と言いますか、その部分から見ますと割合に小さな要素でございまして、すぐに又一遍減税しまして、又物品税税率を上げるとか、又範囲を拡げるとかいつたような意味の増税までしなければならん予算の動きというものは先ず考えられなくてすむのじやないだろうか。先の長いことは別といたしまして、少くとも二十八年度の税制としましては、この程度のもので先行きしましても、全体にそうひどいアンバランスをもたらすものじやない、とこういうように考えますのと、又大分業界のかたも早く減税をして欲しい。これで本予算と結びつきますと、恐らく八月施行ということになりましようし、その場合の税収の開きというものも大きな七千億の中から見ますとそれほど大きなものとも言えませんので、まあそういう要望にはお応えしてもいいのじやないか、かように考えておる次第であります。
  46. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 どうも私の申しておるのは、必ずしも増税になるかどうかという問題を問題にしているのじやないのです。全体税額として国民が非常に過重、まあ税金に悩んでいるということは確かに事実だと思うのですが、つまり今の日本経済が生産面に廻つているよりも消費面に廻つている今の日本経済のあり方です。それがために吉田内閣経済政策が行詰つたということは明らかだ。まさにそれを変更しなければならんということになると観点が変つて来る。税総収入額については変らなくても、中でそういう方針的なものが変つて来れば変り得る。又私ども変らなくちやならないと思つているのです。変らないような吉田内閣では到底この日本経済を持つて行くわけには行かない。如何にも生産面に資金も廻らないし、資材も廻らない、国民の勤労も向かないという経済はもう歴然としている。そういう観点から物を見ますと、或いは減税するかもしれないが、そういう観点から物によつて税率を上げなければならんものも出て来るということが十分考えられる。そういうものに対して事務当局としては従来の方針をおやりになりたいだろうということもわかるし、或る程度の理窟は十分立つと思うけれども、そこがやはり第五次吉田内閣ができて来た理由であり、吉田内閣経済政策について或る程度転換するという意思を表わさざるを得ないと思う。そういう大きなものを抜きにしておやりになることは、将来変更を受けるという覚悟でなければならない、これだけは私は確かです。これはあなたと争つてもしようがないので、新らしい大蔵大臣と私は大いにやるつもりだし、予算にもそういうものが現れて来ると思う。殊にそう言つちや悪いけれども、改進党の協力を受けるとおつしやつているが、改進党のその方針ははつきり出ている、従来とも……。これをそういう点について何らの考慮なしに何か事務的にお進めになつても、協力どころじやない話だというふうに私は考える。そういうことをあなたに申上げてもしようがないが、事務的に見て、少くともそういう新らしい経済のあり方についての考え方というものを直さないということは、この点非常に私はおかしい。それでなければ将来変更をお覚悟の上でなさる、こういうふうに考える。
  47. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 政府の政策の非常に大きな点についての御意見でございますので、或いはどうも私があなたに申上げてもしようがないというよりも、私が答弁申上げるのもどうかと思うが、ただ私が事務当局としてこの物品税の問題につきましてはこのことだけは申上げておきたい、或いは御了解を願つておきたいということを一つ申上げてみたいと思います。と申しますのは、物品税について現在非常に悪税とかいろいろな意味についての批判があるわけでありますが、確かに現在の日本経済を見て参りますと、消費の面におきましてどうもいろいろな行過ぎといいますか、もつと国民の耐乏とまでも行かないまでも、相当引締つた気持で以て生活をし、従つてその面を生産なりそうした重要なる面に持つて行かなければならぬ、こういつたような太い線につきましては、私も実は同様な気持を持つておりますが、税の面で行きますと、例えばその一つとして消費課税、特に奢侈課税、こういう問題が出て来るわけであります。ところが物品税に対する一つの大きな批判として我々も確かにそういう面があることを見逃せませんのは、大体こうした奢侈品課税がその最終の消費者にそのまま順調に転嫁されて行くということになりますと、効果が非常にはつきり出て来るわけでございまして、戦争中におきましては、どつちかと言いますと、買手市場と言いますより、売手市場、セーラース・マーケットであり、同時にそのために公定価格もあつた。従つて税金がかかれば、税金を加えたところで以て公定価格もきまりますし、而もそれが売手にとつては最低の値段である。それを上廻る闇値こそあれ、それを下廻る値段はない。別の言葉で言いますと、転嫁が非常に容易であつたということははつきり言えます。従いまして、そういう状態におきまして相当の高率の奢侈品課税をするということは、直接消費を制限するという点において非常に効果が顕著であつたと思うのでありますが、最近の経済の実態と言いますのは、その実態から非常に変つております。多分に買手市場的な性格を帯びております。従つて税法の本来の性格からしますと、これはまあ消費者に転嫁されるものだ。従つてこれはもうそれだけ高く値段を売ればいいのじやないかというような、こういうような一応理窟があるのでございますが、実態を見ますと、必ずしもその転嫁ができない。結局物品税に対する一番の大きな批判として出て参つておりますのは、消費者から出て来ているというよりも、その中間に立つて納税者の役割をしていらつしやる業者のかたから出て来ておるという点があるわけでございまして、そのかたがたが税金の故に結局転嫁ができなくつて、まあ値段が……、税の性格からしますと、それだけ消費者価格が上つて従つて消費がそれだけ節約されるとか何とかという方向に行けばいいのだというふうになるのでございますが、実態は全部が全部とは申しませんが、かなりの部分において、或いは相当の部分においてそういう面が出て来る。これが我々物品税についていろいろものを考えて参ります場合におきまして、そういう実態をなかなか無視するわけには行かんのではないか、そこにまあ物品税税率の引下げの問題があるのではないかと思います。従いまして広く国民生活のあり方、国民経済のあり方としまして、もつと国民は引締つた生活で以てやつて行かなければ、日本経済は立つて行かないのじやないか、これは我々もそう思つておりますが、それを促進するための一つの手段といたしまして、こうした奢侈品課税或いは物品税が、全部が全部警修品課税と言い切れないと思いますが、こういつた物品税という手段をとつて、そこにそうした方面への推進を行うことについては、今言つたような転嫁が困難な面が相当あるというところからいたしますと、おのずから一つの限度が出て来るのではないか、そういう意味からいたしまして、現在の物品税課税の状況その他いろいろ今のお話など伺つて行きますと、奢侈品なるが故に税金を高くすればいいという単純な議論が出て来ないようでありまして、その意味からしまして、いろいろなお話はわかりますが、私たちといたしましてはやはりそういうことも考慮に入れた上で、同時に物品税の性格、あり方、そういうものを考慮に入れた上で、やはりこの程度の減税はしていいのではなかろうか、かように考えております。
  48. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 余り議論するつもりはないのですが、従来の物品税考え方だけでとつて行けない事態が起る。つまり物品税の理論を貫こうとするのと、そういう政策的な一つのものを織込もうとするのと、中途半端で、而も物品税の性質を貫きたいという考え方が大蔵当局の、事務当局の御意見としては出て来るだろうと思う。ただ我々としては、そういう物品税の性質のほかに、政策的なものが行われ得る事態になつて来ているのではないか、こういうように考えるものですから、そういう点についての事務当局としての見直しはなかろうか、事務当局としては見直しがあつて然るべきものではないだろうか、それは大きな政策の問題としては新大蔵大臣の御意見を聞かなければならない。又新大蔵大臣がおやりになりたくなければ、我々は当然やらせようと考えなければならない。こういうふうに考えるものですから、事務当局としてもそういうお考えを御考慮になるべき事態が来ているということだけを御注意までに申上げておきます。
  49. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  50. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 速記を始めて。  午前はこの程度にいたしまして、午後は一時から再開いたします。    午後零時三十六分休憩    —————・—————    午後一時二十五分開会
  51. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 午前に引続きまして会議を開きます。  物品税法の一部を改正する法律案昭和二十八年分所得税の七月予定申告の特例等に関する法律案大蔵省関係法律のうち期限等の定のあるものにつき当該期限等を変更するための法律案、いずれも本審査、右三案を議題として質疑を続行いたします。
  52. 小林政夫

    小林政夫君 今度追加になる果実水ですね。それと資料をもらつておる免税点の関係資料、「課税物品の細目を変更するもの」とあります中で、「みかん、夏みかん、ぶどう及びりんごの天然果汁を原料とするものは一年限り非課税とする。」とありますが、一年限りというのはどうしてできたのですか。
  53. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 先ほどの御質問にもちよつと出まして、そのときに触れたと思いましたが、まあ果実水に課税しようというほうの考え方といたしましては、御承知のようにサイダー、ラムネといつたような昔から課税しておる清涼飲料水がございますが、先頃バヤリースのオレンジ・ジュースとか、ああいつたようなものが盛んに出て参りまして、こういうようなものを考えますと、サイダー、ラムネに課税している限りにおいては、やはり適当の課税をするのが権衡上いいだろう、それで一応果実水を取上げることにしたわけであります。現在主として農業組合などでまだ小規模に行われておるようでありますが、天然果実をそのまま果実水にして行く過程のものもございます。それでバヤリース・オレンジ・ジュースなど、私は製造工程、その過程も見てみたのでありますが、大体天然果実のままではございませんで、あれをずつと凝縮しまして、そして二色くらいのエッセンスめいたものにして、それを輸入しているようであります。それをまあ水で伸ばしまして作つておるわけで、そこにいろいろないい匂いなどがやはりそこから出て来るのであります。大体普通市場に売られておりますのは相当の違いはあろうと思いますが、大体は乳化液と申しまして、果実のオレンジの皮なぞを煮つめたようなもので、真つ白い牛乳の濃いような恰好をしておりますが、そういうようなものと、それから中身のほうの凝縮液を混ぜて作つておる。普通に出ておりますのは、何らかの形においてそれと同じようなことをやつておるようであります。天然果実を加工してやつておりますのは、大体小規模に農業協同組合がやつでおるものでありまして、現在の段階におきましては、ちよつとそのままではなかなか競争もしにくいようでございまして、もう少し時間を置きまして、一般にいわば資本主義的に経営されているものと競争、太刀打できるような姿になるまで、まあこの分は課程をとめておいたほうがいいかと、こういつたような御意見が相当強くございますので、我我としましても、それは御尤もな御意見だと思いまして、一応このカテゴリーに属する分につきましては、現在の生産状況を見てみまして、そう大きな税ではございませんが、製造しているかたぞれの立場、或いはできている品物におきましても、現在におきましては凝縮液を使つておるものに比べますと、ちよつと品質などもつているようでございます。それらの面から見まして、当面適用除外をしたほうがいいじやないか、かような結論を出したものでございます。
  54. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 物品税は最初に徴収することになつたときには、殆んどすべての物品から税金をとる、こういう方針のように私は思つたのでございますが、ところがだんだんと物品税を免除する品目を殖やして行かれたと思うのでございますが、未だに第三種のマッチだとかサッカリン、ヅルチン、それから清原飲料、こういうものを残しておかれる。こういうものは免税にして、清涼飲料の特にラムネなんかを残しておかれるのはどんな理由から残しておかれるのか、ちよつとお伺いしたい。
  55. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 物品税はもう改めて申上げるまでもなく御存じだと思いますが、日華事変が起りましたときに、昭和十二年だと思いますが、そのとき初めて作られまして、そのときはまあ割合に舎修品課税といつた観念を強く出しまして、品目は現在の品目よりはもつと圧縮された程度のものであつたのであります。その後戦争の過程に入りまして、一つはまあ消費節約の思想も入つたと思いますが、それで品目の種類がだんだん殖えて参りまして、一番多くなりましたときは、法律で以て列挙されてあるその品目の数としまして百十四という数まで参つたこともございます。最初の出発はどちらかと申しますと、むしろ非常に圧縮された姿のものであつたわけであります。それで最近に至りまして相当再検討の余地があるわけなんでございますが、そこで現在におきまして大分まあ減つて参りまして、七十一の品目になつております。将来をどういうふうに検討して行くべきかという問題につきましては、我々といたしましても今後十分考えて行きたい。そこで今御指摘になりました幾つかの点について御説明申上げますと、先ず第一はサイダー、ラムネといつたようなものでございます。これは実はこれに対する課税は歴史がかなり古うございまして、昔は清涼飲料水という名前で清涼飲料税という税法が、別途特別な税法がございまして、明治何年かから出発したのじやないかと思いますが、相当古い歴史を持つております。その後も独立の税法として存在するほどの重要性もないだろうと思つております。それから課税のやり方にしましても、大体物品税のやり方と似たようなやり方をやつておりますので、従いまして物品税法に取入れたということでございまして、まあ将来の問題としましてどう考えて行くかということについては、我々検討してみたいと思つておりますが、そのよつて来たるところは実はかなり古い税だということだけを申上げておきたいと思います。  それからヅルチン、サッカリンの問題につきましては、これはどちらかと申しますと、戦争中及び戦後における甘味料、砂糖でございますが、砂糖の非常に欠乏した時期にこれが代用品として相当まあ市場に出ていたことは御存じの通りでございまして、砂糖に対して消費税を課税しているということから、やはりヅルチン、サッカリンに対しても、これは砂糖の少かつたのに乗じまして相当まあ製造業者のかたは有利な立場にあつたようでございまして、これもやはり或る程度課税したほうがいいのじやないかと思いまして取入れた次第でございます。ただ最近における砂糖の状況が御承知通り非常に供給が殖えて参りましたので、市価なども非常に下つて来ておる。なかなか一キロ千円の税率ですと負担しきれなくなつているという状態がございますので、この分につきましては、今度その実態を見まして、やはり税率は三百円くらいに下げたらいいのじやないかということで下げたわけでございます。  それからマツチに対する課税でございますが、これはいろいろ議論があるところなんでございますが、よその国でもマッチ税という税がドイツなどでもございまして、まあ考え方としてはどういうものですか、たばこに対して相当の益金をとる、マッチの一番多く使われるのはたばこのみだろうといつたような、そこにまあ相当の理窟をつけて議論を立てている人もございますが、まあそういつたような意味で、或る意味において一種の大衆課税的の性格もありましようが、たばこのみが一番マッチを使うのであろう、従つてマッチについてそれと同じ意味において課税していいのじやないか、マッチに課税しますと、当然ライターに対する課税が片方で出て来るわけでありますが、ドイツなどではかなり昔からやつておりまして、財源が少くなりますと、いつでもマッチ税は実は話題に出た問題なんですが、これも戦争中におきまして一応物品税一つとして取上げられたものでございます。その後マッチのいろいろな事情から考えまして、一時よりはかなり税率も下げたわけでございますが、現在におきましてまあこれをすぐやめるということもまだ決心がつきかねておりますので、そのままに相成つておる次第でございます。
  56. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 将来それでは物品税一つの奢侈品税的な性格を持たすつもりでおるか、或いは消費税と奢侈品税というのと混合したような体系になつておると思うのでありますが、どちらを重点的に考えてやつて行かれるつもりか、その点を一つ……。
  57. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 物品税の性格は多分に奢侈税的な性格が本質的にはあるのじやないかと思つております。ただ現在挙げられておるもの全体が奢侈的なものと言いかねるほど、幅が広くなつておりまして、そこで我々といたしましては、奢侈品或いは実用品的性格の薄いと言いますか、そういうものが一応取上げられておるのだというふうに御説明申上げておるわけでありますが、やはり性格的には物品税という姿においては、まあ奢侈品税という姿でやつて行つたほうがいいのじやないかと思つておりますが、ただまあマッチ税、清涼飲料税を将来どうするかという議論はありますが、それを残す場合におきましては、わざわざそのために一つの税法を作るか、どつちにしましても、奢侈品とまで行かなくとも、税をかけて行くという理由が付く限りにおきましては、何らかの意味で実用品的な性格が薄いと言いましようか、ということも言えましようから、或る程度物品税のほうに入れておくというのも一つ考え方だと思いますが、将来の問題といたしましてはもう少しとつくり研究してみたい、かように考えております。
  58. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 もう一つ、これだけを六月一日から実施することにせられました理由、新内閣が成立しまして、やはり全般的な税の問題を検討して、それと一緒に並行して出されるというのがいいのじやないかと思うのですが、これだけを切り離してお出しになつた理由はどういう理由か。
  59. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) その点については先ほどもちよつと御質問がありまして、私、御説明申上げておきましたが、もう一遍繰返さして頂きますが、一つ考え方といたしまして、確かに我々も実は当初は税制の一般的改正の一環でございますから、ほかの税法と一緒に御審議願つたほうがいいのじやないか、実はそんなつもりでおつたわけでございます。ただその後に衆議の方面といろいろ話し合いをしてみました場合におきまして、とにかく物品税につきましては、前回相当議論が重ねられまして、かなりつき詰めたところまで一応御議論が行つたわけでありまして、そして衆議院大蔵委員会におきましては一応政令まで込めて、と申しますのは、課税最低限とか、物品税法律の特殊性でございますが、政令案の中にかなりこの法律に入れなければならんのじやないかと言われてもそう間違いでないと思われるようなものもあると思いますが、そういう政令案まで込めまして、相当いろいろ御検討願い、一応の結論を得まして、解散直前に大蔵委員会で各党のまあ全会の御賛同で一応の結論が出たわけでございまして、そういうふうにいろいろ議論の末に一応結論を出したわけであるし、それともう一つはこれが減税である、それで業者のかたの中には、これが一日も早く実現されることを希望しておると同時に、大体この程度減税はできるだろうと言つて、取引の上で先物を買つたような恰好で仕事をしていらつ上やるかたもあつた。そういうことも考えれば、一応これはできるだけ早く施行に移したらどうだろうか、先の問題は先の問題として、とにかく現在できている限りにおいて一日も早く施行に移したらどうだろうか、こういう御意見が実は一部にございまして、我々といたしましても、それも確かに一つの御意見である、随分御議論も願つたわけでありますが、そういうふうにして一応先は先として、これだけでもすぐに実施に移して頂くということで、これは我々としてもそれも一つの御意見じやないかと、こういうふうな考え方がございましたので、早速閣議にかけまして、衆議院のほうでも今の御意向であつたのではないかと思いますが、非常に急速に御審議をお進め願いまして御決議を願つた、こういうわけのものでございまして、全体としまして減税、純減税額と考えられますのは、先ほどもちよつと申上げましたが、前回提案して四月一日施行のときは二十億の減収を予定しておりましたが、現在ニカ月遅れましたために十六億ほどの減税に考えられるわけでございまして、予算全体から考えてみますと、そう大きく全体を左右するほどのものでもないのじやないだろうかという意味におきまして、この分だけを最初早く切離して御審議を願いまするのもそう御無理なお願いじやないのじやないか、かように考えて実は提案してある次第でございます。
  60. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 本委員会におきまして、請願、陳情等の案件を審議するに際しまして、一番件数の多いのは物品税を免除してもらいたい、或いは軽減してもらいたい、こういう陳情、請願が一番多いのでございます。而もそれの出て来るところは主として業者から出て来るわけであります。これは実際はこの法律にも書いてありまするように消費者の負担であつて、販売者には何も影響はない、こういうことになつておるし、同じ品物でございましたら、同業間の競争というものは起り得ない、これだけはどうでもかかるのだから……にもかかわらず業者のほうから盛んに減税せい減税せいと言つて来る、本当ならこれは消費者から言つて来なければならん問題だと思うのですが、ここに何かこれは競争があるのでしたら、一方にはかかつて一方にはかからない、こういうふうでございましたら、かかるほうからやかましく言つて来るのは当り前だと思うのです。その辺はよくわからんのですが、減税でもするとそれだけ品物がたくさん売れるから、こういう単なる理由でこれは請願、陳情が来るのであろうかどうか、この点はあなたのほうに請願、陳情をこちらから採択したものをお送りしてあるわけですが、どう検討しておられますか。
  61. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 法律の建前として考えられておりますところは消費者が負担するのだ、従つて直接税金を納付します業者のかたは転嫁さえすればいいのだ、こういうふうな建前であります。事実物品税ができまして、その後かなり長い間といいますか、戦争経済に入り、それから終戦後における非常に欠乏経済時代におきましては、いわば売手市場といいましようか、公定価格でありまして、それで物品税がかかれば公定価格にそれを織込んで上げて行く、それで実際の取引を見ましても、公定価格はいわば最低価格で、それを越した闇値こそあれ、公定価格を割るような品物は考えられん、こういつたような事情でございますと、物品税の本来の狙いであります転嫁というものが実は完全に行われておつたわけでございまして、そういう時代においては実は物品税に関するいろんな請願につきましても、現在の状況とは大分違つた姿をとつておりまして、余り極端に税率が高くて消費がとまつてしまうというようなものについては、いろいろな不満が、何とか考えてくれないかというようなものはありましたけれども、そうでない限りにおきましては、物品税税率が云々ということは割合に業者のかたも関心を持たれていなかつたのじやないかというふうに思うのでございますが、その後インフレが終息いたしまして、一応自由経済がだんだん大きく伸びて来た、それで市場の状況も売手市場といいますよりも逆に買手市場、売手のほうはできるだけお互いに競争し合いながら勉強して行かなければならん、こういうような状態になつて参りますと、一口に言えば転嫁が思うようにできないと言いますか、それは税の転嫁はほかのほうで、或いは原料のほうで赤字を出したと考えたほうがいいのか、或いは原料が十分に回収してあるのだが、税が転嫁できないと考えたほうがいいのか、これがどうも一体になつておりますから必ずしも分析できないと思いますが、一口に言えば税が転嫁ができないというような状態で、これは必ずしもその同じ品物について或る人はまともに税金を納め、或る人はまともに税金を納めない、この問題はいろいろ誘惑があるわけでございますが、それだけでなしに全部税金を納めるといつたようなものにおきましても、相当の大きな業者がやつていらつしやるものにおきましても、その場合に相当独占価格的なものがはつきり働けば転嫁できるのですが、やはりすぐに大体行くというようなものもございますし、いろんな関係から見まして値段が思うように上げ得ない、従つて転嫁できない、或いは別の面からいいますと、回収が思うように行かない、で税金が二カ月、三カ月先に納めることになつておりますが、税金のほうが先に納付になつちやう、そういつたような問題が業者のかたに負担になつているのじやないかと思います。それでそういうような点がやはり現在物品税に対する撤廃運動といいましようか、或いはいろんなかたの御意見も大体業者が中心で以て御意見が出ている。又そういう事態につきましては、我々も税の本来の性格とか、一応そういつた理窟は理窟として、同時にそういう実態があるということはやはり十分に見ていろんなものの考え方はして行かなければならんのじやないか、かように考えております。
  62. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 もう一つお伺いしたいのは、これは税制課長にですが、第一条のほうで第一種の「真珠又ハ之ヲ用ヒタル製品」、それと今度変りましたけれども丙類のほうの写真機写真機でもライカだとかそういういい写真機と真珠なんというのは、それはいいものもございますが、伊勢に参りまして見ましても、本当に安い真珠もあるわけですが、この真珠のほうとあとの写真機、これらの高級写真機と比べて、これはどうも均衡を失しているように思うのですが、その点はどういうふうに考えておられるか、前の第一種のほうで貴金属、金又は白金とか、或いは珊瑚だとか琉珀、象牙というものと、これは大体我々見ましても相当値段が高いように思いますが、真珠というやつは粗悪品もあるのだし、真珠を用いた製品という以上は全部これにひつかかるのか、それとも亘珠がちよつと付いておつてもこれは直珠を用いたる製品となるのかどうか、これはどれだけくらいが入るのかどうか、そういう解釈をどういうふうにしておられるか、この際伺つておきたいのであります。均衡とそれから解釈。
  63. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 真珠につきましては、我々も余り専門家でございませんので、一応物品税を扱つておる限りにおきましての範囲におきまして勉強している範囲のことを申上げますと、いわゆる人造真珠と言いますか、真珠では御木本さんのやつていらつしやるようなあれは貝の中へ核を入れまして海へ入れて、あれはやはり多少の人手は入りますが、実際は貝が作用するわけですから、これは真珠と考えております。ただ今度は模造真珠というのがございまして、これはガラス玉ですか何ですかを元としまして、それから又太刀魚の皮のようなものを貼る、それが大体真珠のような実は恰好をしておるようでございます。中がガラス玉かどうか自信がありませんが、これが普通一見いたしますと、真珠とかなり似た姿のものになつております。値段からしまして大体安いのはむしろ今の模造真珠というのが先ず一番安いわけでございまして、これは我々のほうの扱いでは身辺用細貨類というものに入りまして、別のほうのカテゴリイになつておりまして、税率は二割、それから課税最低限も一応きめてございます。そういうふうな扱いになつております。ここで真珠として扱つておりますのは本当の意味の天然真珠、それから御木本さんの所などでお作りになつている真珠、これだけを扱つておりまして、真珠も物によつて非常に値段に高低があります。ちよつと我々素人が見ましてもわからんほど値段の上下はあるわけでございますが、併しそういうものでございますと、一番低い程度の品物でありましても相当の価格はしているのじやないか、そういう意味におきまして一応そういうものを真珠として扱う。その限りにおきましては今までは最高税率を五割で課税しておりましたが、今度は小売課税で以て行く関係で先ほど来ちよつと御質問もありましたような点も考慮しまして、二割に下げて行く、かようなわけであります。
  64. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 今小売課税にせられるというので二割にしたと、これに入つておりますので、よくわかりますが、真珠は御承知通り御木本さんの所の例で行きますと、あすこでもちよつと見学に行きますと、一つや二つもうみんな簡単に土産に出している、くれる、誰が見学に行つても、ちよつと名刺くらい持つて行けばくれるくらいな品物です。ところがあとの表に並列し一て並んでおるものはこれは皆なかなか見学に行つても、銀にしても金にしても、どこの鉱山に行つて一つもくれるものではない、これと並列しておくというのはちよつと均衡がおかしいと思うだが、こういう点について再検討の余地があるのじやないかと思いますが、素人目に考えまして、これはあなたがたがおいでになつても、金山においでになつても金粒一つくれるような所は一つもない。ところが真珠は簡単に行けば必ず……、私何回も行きましたが、土産に持つてつて下さいといつて、掘り出したそのままのものをくれたり、貝から皆さんとつて下さいというくらいにやつておる、これと並列しておくのはぜうしてもおかしい。
  65. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 私も実は余り真珠のことは深く知りませんから、御了承願えるような御答弁ができるかどうか自信ございませんが、真珠の一番値打のあるところはやはり同じ真珠と申しましても粒の工合、恰好もありましようし、それから色艶もありましようし、同じ真珠と言いましてもかなり高下があるのじやないか、同時に商品として相当やはり市場に売出される限りにおきましては、余り質の粗悪なやつはちよつと値打がないという意味において、大体我々のほうでみておりますところでは、やはり商品として市場に出ている限りにおきましては相当のもの以上のものであるというふうに考えております。割合に簡単にお土産というのも、恐らくはどんなことをしておるか存じませんが、結局いろいろ振り分けの過程におきまして、真珠の見本にはなるけれども、商品としての値打としてはそうないというものもかなり実はあの中に出て来るのじやないか、そういうふうな割合に一つの標本的な意味において気軽に差上げられる、おもらいになるかたもこれが真珠だという限りにおいておもらいになつて来られたのじやないか、ただ商品として販売される限りにおきましては、やはり一定程度のもの以上ということになつているようでございます。そんなような意味からしますと、珊瑚製品、象牙製品、七宝製品と並べて行きまして、やはり真珠というものも同じような列に並んでいいものじやないだろうか、我々のほうではこう考えておるわけであります。
  66. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 改正案の第一種のうちでちよつと同列に考えて無理があると思うのは、二の、「真珠又ハ之ヲ用ヒタル製品」と、それから五の「七宝製品」、六の「書画及骨董」、これも書画骨董はなんだと思いますが、これは金額があつて制限でもされるのかどうかよくわかりませんが、とにかくくどいようでございますが、真珠につきましてもう一遍検討を願いたい。私もよく郷里だもので、小学生でも修学旅行に行つて真珠を買つてつて来るのです。そういう程度のものでも真珠と書いてある以上小売課税になるのか、実際問題として運用の面においてきめた以上はやらなければならんわけですが、小学校の子供だつて、皆店先で手軽に買つております。そういうようなものも第一種に入れて小売課税を二割ということになると、実際上そういうふうに法律をきめておいてもやれないのじやないかと思いますが、鳥羽や山田へおいでになるとよくおわかりのように、小学校や中学校、女学生あたりでもみんな真珠を店頭で買つて来る。それでも小売課税ですから、厳格にやるということになると、これはかかるということになるわけです。なかなかこれは実際問題として私はできないと思うのですが、どう考えておられるか。
  67. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 今の小学校の生徒でも簡単に買つて帰れるというような真珠は実は我々は考えておりません。従いまして今のお話通りでございますと、確かに執行の上にも問題もございますし、又そういうものに二割の税率課税するということも如何かと思つております。現在の状況におきましては、課税最低限は私どものほうはそういうものは余り知らないと申すと恐縮ですが、考えておりませんものですから、設けておりませんが、若しお話通りでございますれば、まあそう簡単に小学校の学生でも買つて帰るようなものは課税最低限度の制度なんか適用いたしまして、実行上妙な恰好にならんように考えてみたいと思います。  それからなお書画骨董につきましては前から小売課税にしておつたのです。これは税率は百分の十という税率になつておりまして、まあ余りごたごたしますので、税率の特例として後で法律規定になつておりますので、ちよつと御覧になりにくいがと思いますが、この分はほかのほうとも比べまして、税率は百分の十になつております。二十に対しては半分になつております。現在もこれは百分の十で課税しております。そのまま現在通りであります。
  68. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 もう一つお伺いしたいのは、書画及び骨董というのは、これは相場はあつてないものでございますが、税務署でも例えば竹田の一幅と言いましても、これには本物もあれば偽造品もありまして、非常に困難なところが多いので、小売価格にしても申告する場合はどうでも私はできると思うのです。捕捉は実際問題としてはできないと思うのです。小売課税にやられると……、製造課税というでしたら割合になんだけれども小売課税、そんなものにせられても、今後うまく竹田の幅だとか、或いは山陽の幅だというものは、完全にそれができるとお思いになつているのですが、それを一遍聞きたいと思います。運用の面を……。
  69. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 書画骨董は実は現在でも小売課税でやつているのです。確かに小売課税につきましては運用上非常にむずかしい点があることは我々も認めておりまして、なかなか税務署もこれが円滑な運用に苦労しているようです。ただ製造課税ということになりますと、実際は小売課税よりももつとむずかしいのでございまして、まあその意味で総体的にはやはり小花課税のほうがまだ運用できると、まあ製造課税ということになりますと、或いは絵であると、絵描きさんに対する課税になるかも知れませんが、これは如何にもむずかしいのでございますので、現在におきましては、全部一応今度小売課税にしようとしたものまで、昭和二十一年でございましたか、全部小売課税のものを製造課税のものにしましたが、事画骨董だけはよう製造課税にすることができませんので、小売課税のまま残つておりまして、これは今度におきましても現在残つておるそれをほかのものと合せまして小売課税にしたわけでありまして、従来の法律では書画骨董だけが小売課税でございますので、こういう品目列記の中にその区分がしてなかつたのでございますが、今度他に連れができましたので、一応並べまして、この中に入れるというので、法文の体裁だけは新らしくできたものと同じように並んでおります。現在におきましても、書画骨董は小売課税をやつております。ただまあその執行につきましてはいろいろむずかしい点があることは、御指摘の通りでありまして、執行官庁といたしましても、これが適正な運用につきましては相当の苦労をしているようであります。
  70. 松永義雄

    ○松永義雄君 私は期限等の変更に……。
  71. 小林政夫

    小林政夫君 それにちよつと関連して、ちよつと念を押しておきたいと思います。政令の改正案は同時に六月一日から施行ですね。
  72. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) さようでございます。
  73. 松永義雄

    ○松永義雄君 期限等の変更に関する法律の中で、関税定率法の部分についてお尋ねいたしたいと思いますが、頂きました資料の中で6と記載してあるところで、免税の対象となる機械、産業合理化乃至は産業構造の変化といつたようなものとしてここに挙げられておる新式又は高性能の産業用機械、及び我が国経済の自立達成に資する産業用の機械、こうした機械はどういうものであるか、どういう種類であるかということは、政令に定めてあるのですか。
  74. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) 只今の御質疑の通り、政令に品目を指定いたしたのでございます。更にその一部分は大蔵省の告示によつて指定いたしております。こういうことに相成ります。
  75. 松永義雄

    ○松永義雄君 そうであれば、その政令及び告示の印刷物がありましたら頂きたいと思います。
  76. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) 実はこの品目につきましては、昨年一遍改正いたしまして、今回更に期限の延長を見込みまして、政令案を作成いたしまして、若しこの法律が通過いたしますれば、改正政令によりまして、六月一日から施行するということになつております。大体政令案の品目につきましては、御希望によりまして、後ほどお手許に差上げるようにいたしたいと思います。
  77. 松永義雄

    ○松永義雄君 更に今まで実際にどういう種類の機械が輸入されておつたかと、いうような何か資料はございましようか
  78. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) 免税品目に指定されております機械は実に多種多様でございまして、たしか大分類では二百品目くらいになるかと存じます。更に細分いたしますと相当な数量になりますので、只今ここでは一口に申上げることはできないと思いますが、まあ事業といたしましては、例えば採鉱、選鉱、土木事業、或いは非鉄金属の製造及び加工、電線の製造、鉄鋼の加工、或いは人造繊維の製造、紡織その他約事業の種類といたしましては三十五事業ということになつております。
  79. 松永義雄

    ○松永義雄君 何かそれを一つ記載したものがありましたら頂きたいのですが、できるでしようか。
  80. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) 六月一日より相当改正になりまして、すぐ印刷するつもりでございまするが、只今差上げますといたしますと、実はもうすぐ五月末日で内容の変るべきものでございますので、御参考になりますかどうか、後ほど現行の品目と改正を見込んでおりますところの品目の一覧表をお手許に差上げたいと思います。
  81. 松永義雄

    ○松永義雄君 重ねてくどいようですが、現行法及び将来改正せらるべき法律、政令というか、両方とも一つお願いいたしたい、歴史的に調べたいと思います。  それから今まで実際に輸入しておつた機械の種類はどういうふうになつておるか、それもありましたらお願いします。
  82. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) 後ほどお手許に提出いたしたいと思います。
  83. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 理財局長の代理の吉田務課長がお見えになつておりますので、金管理法の輸入税の免税についてお伺いしたいのですが、金鉱整備によつて荒廃した金鉱業の復興を促進するために必要な機械を免税にするというお話でございますが、こういう機械は未だに日本ではできない、どうしても外国から輸入しなければならないような機械があるのかどうか、どういう種類のものができないのか、その点を一つお伺いしたいと思います。  それともう一点は、向うから買つたら安いので、日本で買えば高いからして向うからどんどん輸入する、こういう結果になるのではないか、この点を一つお伺いしたいと思います。
  84. 吉田信邦

    説明員吉田信邦君) 金の機械につきましては、実績から申しましても、比較的向うの輸入に仰がなければならないというものは総体的に言えば少いと思います。それで従来広くこういうふうに全面的に考えておりましたが、他の一般の輸入機械の免税等との関係もございますので、できれば関税定率法全体の立場から整理するようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。現在の品目等については税関部のほうからお答え願いたいと思います。
  85. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) 現在金管理法第二十条の規定によりまして、別表に免税すべき品目が掲げてございます。それを一応申上げますと、非常にこれは技術的な問題でありまして、私もよくわからないのが多いのでありますが、パイン油、或いは青化石灰及び浮遊選鉱剤、それからドリルスチール、スラツシヤーホイスト、ドリフター、試錐機、物理探鉱機、エヤーストウイングマシン、選鉱用機械及び青化製錬用機械、こうなつております。
  86. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 それで、そういうものを今度免税にするのですが、将来これは日本でもこしらえさせるようにして行くのか、それとも何かこれは今はまあ七月三十一日までの間ということになつておりますが、これはいつ頃までこの措置を講ずる主税局は考えでおりますか。
  87. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) 私の所管でございますので私からお答えいたします。この品目に指定してあります物は、一応我が国では容易にできがたい物がございますが、だんだん我が国でもできるような品目が出て参りましたので、前回の国会では多少この品目を整理いたしまして提案いたしたようなわけであります。ところが御承知のような次第になりましたので、一応暫定的に期限を延長いたしますが、更にこの品目につきましては私ども改正案を練り上げまして、若干の整理をいたして更に御審議願う予定でございます。
  88. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 関税定率法の一部を改正する法律案のことでお尋ねしたいと思いますが、この中の菜種及びからし菜の種、こういうふうなのがどの用途にどのくらいの数量をどこから輸入しているかということ、それからこうりやん、とうもろこしも同様に一つ説明をお願いします。
  89. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) 菜種、からし菜の種はインドが主な相手国でございます。又或いは二十五年度あたりは北支又はベルギーから輸入されたことがございますが、二十六年度はインドから輸入されております。更に輸入の数量は二十六年度中に三百トン、二十七年度は輸入はございません。  それからとうもろこしでございますが、とうもろこしはタイ、南支、ビルマあたりでございまして、その数量は二十六年度中が五万五千七百五十五トン、二十七年度中が約十万トンというふうに輸入されております。
  90. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 その用途は。
  91. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) 用途は菜種、からし菜の種は油脂原料、それからこうりやん、とうもろこしは飼料に用いられるのであります。
  92. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 只今お話によるというと、菜種、からし菜の種というものは製油用に輸入しているという話ですが、然るに日本の現状から言えば菜種は生産過剰で殆んど困つているというような状態であるにもかかわらず、こういうふうに免税の法律を作つてなお且外国から輸入して外貨を支出しようとされるお考えであるかどうか。
  93. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) 実は菜種及びからし菜の種につきましては、只今の藤野先生の実はお説の通りと思つております。それで実は前国会におきまして、菜種、からし菜の種の免税は廃止するつもりで以てその他の改正案と共に国会提案いたしたのでございます。それが御承知のような次第で不成立になりまして、まあ他の政策と睨み合せて切替えるまで取りあえず暫定的に延して行く、併しこのまま延しても菜種、からし菜の種につきましてはまあまあ輸入される心配はなかろう、こう思つております。二カ月ばかりの御辛抱であと研究いたしまして、他の品目と併せて改正案提案する考えでございます。
  94. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 それからとうもろこしですね、とうもろこしは今の御説明によつて見ると、飼料の原料だということでありますから、飼料の原料であつたらそれで差支えないと思います。併しながらとうもろこしは酒精の原料に使われるために、切干甘藷であるとか、その他国内産の農産物が非常に圧迫を加えられる、だから将来におきまして、とうもろこしを輸入するとしたならば、その輸入するところのとうもろこしは酒精原料というようなものに使わずして、必ず飼料以外には使わないという政府の御方針であるかどうか、これをお伺いしたいと思います。
  95. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) とうもろこしにつきましても、実は農林省の部内におきましても両論ございまして、もう免税は廃止していいのじやないかというような議論、それからまあもう暫らく飼料になるのだから免税してもらいたいという両論ございまして、落着きました最後の農林省としての結論が、もう一年だけ一つ免税を続けてもらいたいということでございます。私どもといたしましても、農林省のそういうような意向を汲みまして、暫定的に免税を継続しているわけでございますが、これはまあ来年度あたりになりますと、相当事情が変りまして、慎重にこれは廃止を考えなければならない時期に参るのではなかろうかと、こう考えております。なお、とうもろこしについて免税すると書いております以上、仮にそれが他のものに使われましても、これは免税されるということになります。今の法律の建前としまして。そういうことに相成ります。
  96. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 併し、そういうふうなことになるといたしましてもですね、外貨を割当てる場合においては、その外貨を割当てるときに、飼料にして輸入するのであつたらば外貨を割当てる、併し酒精原料に使うものについては外貨を割当てないという政府方針を決定して差支えないと思つておりますが、そういうふうな政府方針はないのでありますか。
  97. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) 実は、外貨の割当のほうは税関部の所管ではございませんので……。
  98. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 いや、政務次官がおられるから……。
  99. 愛知揆一

    政府委員(愛知揆一君) それでは私からお答えいたします。只今藤野さんのおつしやることは誠に御尤で、外貨の予算の割当につきましては、今さような方針で進みつつあるわけでございます。従つて、将来飼料としての免税の必要があるということであれば、そのことを明記して定率法を改正することにいたしたい、こういうふうに考えております。
  100. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 さつきから質問しているこうりやんについてはまだ答弁がありませんが……。
  101. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) こうりやんの昭和二十六年中におきまして我が国に輸入されました量は一三百十八トンでございまして、相手国はオーストラリア、濠洲でございます。昭和二十七年中は約百トン程度の数字になつております。
  102. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 用途は。
  103. 北島武雄

    説明員(北島武雄君) こうりやんの用途も同様に飼料でございます。
  104. 小林政夫

    小林政夫君 先ほど午前中に大蔵大臣に質問をしたのでありますが、時間がなくて満足な答弁も得られないままに打切りになつたのであります、政務次官もおられなかつたので……。初めから言いますと、この期限等を延長する法律案、これは先般の緊急集会において五月末まで延長したものを二カ月延長する、まあ大体そういうことなのでありますが、同時に提出されておる予算は六月の一カ月の暫定予算である、この法律のほうは二カ月延長し、その裏腹をなすと思われる予算は一カ月にいたしておる、この間の事情はどういうことなのでありますか。
  105. 愛知揆一

    政府委員(愛知揆一君) 先ず予算のほうからお答えいたしますが、政府の基本的な考え方としては、できるだけ速かに二十八年度の本予算案を編成し、且つこの御審議を頂きたい、で更に願わくはできるだけ国会審議も速かにして頂きたい、そうして国民の要望に応えたいということを基本的な考え方にしております。従いまして、暫定予算編成に当りましても、六月分について国政の運用上支障のないようにという原則で以て取りあえず一カ月分の暫定予算を組んで提出をいたしたわけでありますが、その間においてできるだけ速かに本予算案を提出をいたしたいと考えておるわけでございます。で、従つて、見通しといたしましては、七月になりましても、七月少くとも一ぱいは本予算案の審議にかかるかと思いますが、その際には七月分の暫定予算が勿論必要になります。併しながら我々としては本予算案の提出を急ぎたいという考え方から、七月分の暫定予算につきましては、本予算案と並行的に我々の案を作らせて頂いてこれを提出をいたしたい、こういうふうに考えております。従つてできるだけ短期間の事務的な暫定予算ということになりますると、六月分だけを切離したほうが適当かと考えたわけでございます。それから更に申上げたいのは、六月の暫定予算ということであれば五月の末日までに衆参両院の御審議を願わなければなりませんが、そういたしますると、非常に審議期間が短い。その僅かの審議期間の中において七月分の予算案も併せて御審議を願うということは政府態度として私どもはとるべきでないということを考えましたので、今申しました二つの観点から六月の暫定予算ということに決定を政府としていたしたのでございます。  それから期限の延長に関する法律案は、御指摘の通りそれと平仄が合つておりませんのでありますが、これにつきましては、大蔵省関係法律案についてだけ私からお答えいたしたいと思いますが、今度の国会の会期は、今の予算とは別問題として考えてみましても、相当長いわけでありまして、二カ月以上ございます。その二カ月以上の間におきまして、税法その他根本的な改正案の御審議をお願いをいたしたい、そうしてその会期と睨み合せてそれまでの間の繋ぎというものを只今のところ暫定的な法律案として御審議を願いたい、それを十分に御審議を願つておりまするその会期の間におきまして、私どもとしては新たなる根本的な改正案を提出をいたして十分に御審議を頂きたい、こういうふうに考えましたわけで、予算期限の延長の法律案とはその内容実質等において裏腹になるものも相当ございますけれども、又ものによりましては必ずしも直接の関係がないというものもありまするので、さような方法をとりますることが、いろいろの観点から見て政府としてはとるべき態度ではなかろうかと考えて、こういうふうな恰好にいたしたわけでございます。なお大蔵省の関係法律以外につきましては、法制局の次長からお答えいたすことにいたしたいと思います。
  106. 林修三

    政府委員(林修三君) 只今政務次官からお答えいたしました通りの大体考え方でやつたわけでございまして、御承知のように先般の参議院の緊急集会にお出しいたしました暫定予算法律につきましては、どちらも暫定予算は四、五月分、法律は大体五月末日までの延長ということで、両方合せて出したわけでございます。これは次の解散後の特別国会が開かれますまでの臨時的の措置というものに限るということが参議院の緊急集会の性質であろうと我々は考えたわけでありまして、大体憲法の規定から申しますと、特別国会は遅くとも五月中旬には召集されるべきはずである、従いまして、予算につきましても或いは法律につきましても、五月中までの期間を差当り賄つて行くだけのものがあればよろしい、こういうことで、この前は暫定予算法律も一応五月ということで期限を切つたわけでございます。ところが今度只今お出しいたしておりますのにつきましては、これは只今衆議院、参議院両方揃いました通常の国会でございまして、従いまして、おのおの予算につきましても法律につきましても、その内容に従いまして御審議をお願いして当然然るべきではなかろうか、かように考えておるわけでございまして、予算につきましては、只今政務次官からお答えがございました通り考え政府は六月分の暫定予算を差当り出したわけでございますが法律につきましては全般的に内容審議いたしまして、大蔵省関係でここに出しております数本の法律は、いずれも先頃の通常国会におきまして根本的な改正を予定いたしておつたものでございます。恐らく今度の特別国会におきましても、これにつきまして根本的の改正案が出されることが予定されておるわけでございます。従いまして、そういう根本的な改正案がいつ通りますかということは、これはまだわかりませんでございますが、一応この特別国会の会期が七月末日までにきまつたわけでございまして、そういうことを考えますれば、一応只今の暫定的の措置は七月末日まで延長をお願いいたしまして、その間に根本的な法律の御審議をお願いすべきではなかろうか、かような考えで、これは大蔵省関係のものにつきましては七月末日ということにいたしたわけでございます。他の法案も若干あるわけでございますが、恩給法の特例に関するものとか、或いは保安庁職員給与法とか、少年院法とか、やはりそれぞれこういうものにつきましては、これも皆過般の解散国会におきまして根本的な措置を別にお願いしておつたわけでございまして、皆そういう意味におきまして七月末日を期限として再延長をお願いいたしております。そのほかの例えば外国人登録法でございますとか、厚生省設置法の一部改正、これは引揚援護庁の外局としての存続でございます。或いは国際的供給不足物資の需給調整に関する法律改正、こういうものにつきましては、内容から申しまして、やはりそれぞれ差当り今後一年間くらいはどうしても暫定措置を必要とする、こういうものにつきましては、今回御提出申上げておりますものも差当り一年間の延長をお願いしておるわけでありまして、法律につきましては、勿論法律予算の間が矛盾いたすことはこれはいけませんでございますが、この意味におきましては、必ずしも今度の法案内容予算とは矛盾はいたしておらないと考えます。又予算と直接の関係のないものもございます。
  107. 小林政夫

    小林政夫君 六月一カ月分の暫定予算という範囲においては確かに法律と矛盾はありません。併し今の政務次官のおつしやつた七月分の暫定予算については、今度提出される二十八年度本予算と睨み合せてそのおおむね一カ月分という意味だろうと思うのでありますが、或る程度政策も織込んだ暫定予算になるのじやないか。この六月の暫定予算は本当にまあ事務的なものだ、併し七月には或る程度の政策も盛れるものなら盛りたい、こういう意図があるので区分されたのじやないかと思うのです。そうすると、六月末までに我我として法案審議するならば相当の法案審議はできる。一応まあ内面的には或る程度予算のできるまでは自然休会にしようなんという話はある仕れども、何も問題があればやつたつてもかまわない。先ほども藤野委員から質疑があつた関税定率法等の問題については相当考えなければならん問題もある。ただ延期すればいい、形式的に前のものにプラス六十日というような考えで延期すべき性質のものでないものもある。でそういう点については、この前は仕方がない。が、今はもつと法案法案について検討をして、場合によつては六月末までというような仔細な検討があつて然るべきじやないか。その点については一律な機械的に二カ月延長ということではいけない。若し機械的に二カ月延長なら、予算案だつて機械的に事務的な暫定予算を組むべきである。
  108. 林修三

    政府委員(林修三君) 法律のほうにつきまして実はお答えいたしたいと思いますが、勿論先ほどお答えいたしました通りに、法律の今度の期限の延長につきましては、おのおの内容を見まして実は延長の措置をとるべきであろうと存じます。従いまして、先ほど申上げましたように、差当りこの一年間くらい延長しなければならないものにつきましては、そういう措置も実はお願いいたしておるわけでございますが、大蔵省関係のここに上つておりますのは、いずれも本当のこれは実は暫定措置でございまして、いずれもこの国会におきまして別途の根本的な改正案を御提出申上げまして、御審議をお願いして、それが成立して施行されるまでの実は措置と考えておるわけでございます。従いまして、その期間をいつまでにとるかという問題に結局なると思います。これは六月末がよろしいか、七月末がよろしいかという問題も実はあるわけでございますが、この新らしい根本措置の法案が出ましてそれが通りますれば、その法案の附則でこの前の措置を消してしまうということもこれはできるわけでございます。一応はやはりこの会期が実は七月末日になつております関係で、やはり慎重御審議のことと存じますので、一応これはやはり六月末に切りますと、又そこで審議を特に促進してお願いする、或いはそういうことでもう一遍再延長を願いするというようなことにもなりはしないかということを心配いたしまして、一応会期と合せて七月末としたわけであります。これは新らしく出ました根本的な改正法案も進行によりまして延びた法律を途中で切ることもこれは附則等でできることでございまして、そういう意味で一応会期と合わしたわけでございます。さよう御了承をお願いいたしたいと思います。
  109. 愛知揆一

    政府委員(愛知揆一君) 先ほどのお尋ねの中で七月の暫定予算の点がございましたが、これは私から申上げましたのは、できるだけ早く二十八年度の本予算案を提出いたしたいと考えておるわけでございます。その時期は今はつきり申上げる段階にないのでありますが少くとも六月の中頃よりは早い時期に提出をいたしたいと考えております。それと今度は七月の暫定予算関係でありますが、これは見通しとしては七月も暫定予算にして頂かなければ国政の運用に支障を来たす、又そうしなければ国会審議権を尊重しないことになる、そういうことから申しまして七月の暫定予算は必至である、もう確定的の事実と申上げてもよろしいかと思いますが、七月の暫定予算の形をどういう形にするかということについては、先ほど小林さんからお話がございましたが、新しい政策を織込みたいという気持は勿論ございますけれども、率直に申しますると、その点についてはなお慎重に考究をしたいというふうに今のところはまだ考えておりますので、必ずしも新しい政策を全部織込んだ七月分の暫定予算ということにはならないかというふうに考えるわけでありまして、従つて先ほど申しましたような趣旨から申しまして、暫定予算はやはり六月だけを切つたほうがよろしい、こういうふうなことになつたのであります。
  110. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 本日はこれを以て散会いたします。    午後二時三十八分散会