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政府委員(
山中一朗君) 個々の問題につきまして具体的に御
説明申上げるのが本筋かと思うのでありまするが、何故に現在
調達庁の
補償業務が遅れておるか、或いは又
要求があるのが支払われないかと、こういう問題につきまして
只今も概論的に触れたのでございまするが、普通の
法律その他の国内行政事務と若干趣きを異にしまして、なかなか我々としては予見のできないような
事態が絶えずあるわけであります。これらの事務につきまして相当
損害があ
つたと、声が大きくなると
要求が出て来ると、こういうふうになるのでありますが、それからそういうことがあ
つたのかというような
事態を我々のほうで検討いたしまして、更に各省それぞれの所管の行政庁がございまするが、農林
関係のものでございましたら農林省と一応相談する。文部
関係のものであれば文部省と相談する、それで或る程度まとまりますと、更に特殊のケースとして大蔵財務局のほうにこれを支払うべきか、支払うべきでないかということをいろいろまあ相談するわけであります。こういう点で相当手間取ります。ここう辺の問題を我々といたしましては、もう少し簡捷化するところがあるのじやないか、或いはなければ、どういう点で欠陥があるのかということを相当最近になりまして検討はいたしております。ただ
法律にこういうものが規定され、或いは原則的に
閣議で
決定されておりますと、比較的事務は敏捷に行く場合が多いだろうと思いますが、ケース・バイ・ケースでいろいろと問題が複雑になりますに従いまして、これらにタツチする
範囲の人間が多くな
つて来るという点と、その前に原則をどういうふうにきめるべきかという問題で一々の審査に相当手間取る、こういう点が多々あると思うのでございます。それから
手続きの非常な複雑さ、これも御
承知のように我々といたしましても複雑だと思
つております。私参りましてから一カ月半でございますが、大体
不動産部におきましても、よく冗談を言うのでありますが、我々が最高度の知慧を絞
つたもので型を作り、これを末端に流した場合に、これを果して皆が受入れ得るかどうか、そこら辺をもう少し噛み砕いて簡単な様式で、何か方式がないだろうかというようなことを、専門家の連中を集めていろいろ協議するのでありまするが、何と言いまするか、全体のつかみというよりも、一々の構成のその素因を分析して、これをでつち上げるというような
計算方式を非常に
調達庁が多く使
つておるわけであります。ここら辺に相当事務が複雑化し、末端のほうに流したときに、その形式が十分
了解できないという点があるのじやないかと、我々は常々
考えまして、これが簡捷化をどういうふうにするかということ々今研究しておるのでありますが、いろいろ各省の
関係者を集めましたときには、こういうデーターもなければ、はつきりしたこの問題が浮び上らん、或いはこのデーターがあれば、このデーターも必要ではないかということで、いろいろと
関係各省に持ち廻るうちに非常に複雑なものにな
つて来る、勿論我々のほうも技術屋が相当おるわけでありますから、この技術屋が
間違いなきを期して成るべく精細にいろいろなアイテイム、条項を作
つて行くと、こういうところに問題があるのじやないかと、これは何故にそうな
つて参るかと申しますと、やはり先ほど申しましたようにケール・バイ・ケースで非常に複雑なケースが多くて、主観に頼らなければならんところが多い、主観に頼るということは我々として最も慎しむべき点で、これを資料によ
つてチエツクして行く、こういうところに発生するのじやないかと私どもは想像するのであります。