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1953-07-03 第16回国会 参議院 水産委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月三日(金曜日)    午後一時三十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     森崎  隆君    理事            秋山俊一郎君            千田  正君    委員            青山 正一君            森 八三一君            岡田 宗司君   政府委員    調達庁長官   根道 広吉君    調達庁不動産部    長       山中 一朗君    外務省国際協力    局長      伊関佑二郎君    水産庁長官   清井  正君    水産庁次長   岡井 正男君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員    農林省農地局入    植課長     和栗  博君   参考人    石川県知事   柴野和喜夫君    石川内灘村長 中山又次郎君    石川内灘村接    収反対実行副委    員長     二ツ谷外次郎君    石川河北潟漁    業協同組合連合    会長    石川河北潟干   拓委員会委員長  西田 与作君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水産政策に関する調査の件  (内灘試射場に関する件)   —————————————
  2. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それでは只今から水産委員会を開会いたします。  委員各位にあらかじめお断わり申上げたいのは、今日は第六号室の御案内でございましたが、傍聴人の多数が予想されましたので、本予算委員室に変更いたしましたことを、あらかじめ御了承頂きます。  今日、実はこの前の委員会決定通り参考人といたしまして地元のほうから石川県知事柴野和喜夫君、石川内灘村長中山又次郎君、内灘接収反対実行委員長二ツ谷外次郎君、今一人は石川河北潟漁業協同組合連合会長西田与作君、この四名のかたにわざわさ御足労頂いたわけであります。参考人各位にわざわざ御足労頂きましたことは、実は我々水産委員会といたしましては、内灘試射場の件につきまして、相当この問題が大きくなりました関係上、何とか政府地元かたがたの忌憚ない御意見を伺いまして、円満にこの問題が解決する方途はないだろうか。そういうように円満に解決いたしましたならば、従いまして我々のただ一つ念願いたしております地元漁民かたがたの利害につきまして、我々の責任を果すことができるという立場をとりまして、そういう思惟の下に本問題を本委員会で取上げたわけでございます。今日わざわざ御足労を頂きましたことを厚く感謝申上げます。
  3. 千田正

    千田正君 傍聴人かたがたは少しいつもと違つて遠い所におられますので、若しもお差支えなかつたならば、参考人うしろの席にまでおいでになるよう、差支えなかつたならばお願いしたいと思いますが、お諮り願いたいと思います。
  4. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 傍聴人かたがた規定通りうしろにおられますが、席も空いておりまするから、参考人のかたのすぐうしろの席のほうに出張して頂いてもよろしうございますが、委員各位の御異議がなければ……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 御異議ないと認めます。傍聴人各位、前のほうにお詰め頂きまして結構でございます。  最初実は参考人各位から、これは委員長希望でございまするが、十分間以内で一つこの問題のこれまでの一般経過の御報告を一応お伺いいたしまして、それが済みましてから、委員各位からの御質疑があろうかと思いますから、自由なお立場で御答弁できるものはして頂きたいと思います。なお御発言になる前に、自分以外の参考人かたがたがここにおられないほうがいいという御希望がございましたならば、そのようにお申出を頂きましたならば、私のほうで他の参考人のかたに暫らく外のほうに待機して頂くような措置もとりたいと考えております。  それでは石川県知事柴野和喜夫君からお願いいたします。
  6. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) お尋ねの点でございますが、この問題は昨年の十月頃突如起りました問題であるのでございますが、御承知のように、昨年の十月に衆議院の総選挙があつたのでありますが、あの最中に政府が突如としてこの問題を取上げ、その以前においてはすべての調査その他を政府において秘密において……県当局も全然、いささかも関知しない、関知しないどころじやない、知らなかつたという間に政府がやりまして、突然十月のあの総選挙の最中にその着手を始めたことが、極めて結果的に見ますと、政府として不用意な話であつて、この問題を或いは紛糾せしめる一因となつたかとも考えておるのであります。私は当時村当局なり、村のかたがた反対の線に従いまして、直ちに上京いたしまして、その反対であり、もつと慎重にこういつたような大問題について考慮されなければならん、殊に村の民生なり、或いは教育上なり、その他万般に亙つて生活上の問題についての調査その他が、我々の立場から見るというと幾らか不十分である、又地元について或る程度責任を持たねばならない知事その他の意見をも十分に聴取せずに、一方的にこれをきめて、そうしてそれを行動に移す、極めてその不用意な点について更に政府の反省を求める、十分国家として、仮に若しやむを得ないとしても、その方法その他において甚だ遺憾な点が多い、ともかくこの問題についての決定を見合わしてくれという陳情をいたし、政府においてもその要旨を或る程度入れたかと存じますが、直ちに決定することを取りやめまして、その後いろいろの調査を重ねられておつたようであります。又村の当局に対しても県当局を抜いて直接に政府が御交渉になつてつたのであります。その御交渉内容等については私は立会つておりませんので、直接政府が東京にお呼びになつてお話になつておりますので、申上げるようなことも今ありませんですが、ともかくそういうふうな形で始まつて来ておる。一旦取りやめるようになつたのでございますが、その後政府のほうで諸種の調査上どうしても内灘試射場を持たなければならないという御見解に立たれたのだろうと思いますのでありますが、政府においてはその後においても交渉を続けられておつたのでありますが、地元では反対という一点で前進をして参つておるのでございます。その間において、政府においては内灘の村に接続しておる河北潟という湖があるのでありますが、との湖を干拓して、そうして水田にしてほしいといろ考え方内灘村民並びに沿岸の町村すべての当時からの希望であつたのであります。従つて多年の内灘希望であるこの干拓によつて内灘の了解を得たいというように政府が考え出して参つたのであります。ところが政府のほうが事務当局にその点について打診をいたしましたところ、当初二、三十億と思われておつたその計画が、事務当局から出て来たものは百五十億の案が出て参つたのであります。これがために政府においても、さすがにこの百五十億を呑んでまでこれをすることができなくなりました。そうしてこれは政府の勿論内輪の話でございますが、いろいろ話合をした結果、ともかく四カ月ということでこの問題を一応解決するというふうになつたよう承知いたしております。遺憾ながら私はこの政府が四カ月の交渉に入るその前後より病気で寝まして、最近まで臥床をいたしておりましたので、政府が四カ月の交渉をしたその場合その他については私は直接立会つておりませんし、又当時かなり重態であつたの意見を述べる程度のチヤンスがなかつたのでありますから、これはそういうふうに御了承願いたいと存じますが、そこで県当局としての考え方といたしまして、当初より一貫して一つ方針をとつておるのであります。その方針は、要するに内灘試射場を設けるということそのものは、日本砲弾特需と関連しておる問題であることは御承知通りでありまして、又私の承知しておるところによりますと、最近の日本の情勢においては、物の見方によりますれば、そういつたよう特需というものを呑んで行かなければならないような日本の経済の内部に包蔵されておる理由があるように思うのであります。従いまして私自身としては、昨年の秋、内灘村民が数千人私のところにデモをかけまして、そうして私に陳情をいたしたときから率直に村民に申上げておるのは、要するに政府政策内容に入つて、或いは軍事基地反対であるとか、或いは特需反対であるとか、或いはその特需に伴う試射をすることそのもの反対である、或いはアメリカと合作的なことをやるのが反対であるといつたような、考え方によりますと、思想的な反対というものについては遺憾ながら知事としては同調できない。併しながら地元内灘村民生活上困る、あらゆる意味において生活上困難を来たすということでありますれば、この問題については知事としてもどこどこまでも内灘村民意思を代表し、その意思というものを政府に伝達し、政府に御了解願うように全力を尽すというふうな考え方で今日まで参つておるのであります。で、石川県における運動の多くのものは、例えば社会党系統或いは我々の理解する社会党左派系統人等につきましても、この問題に関する限りは私のような態度で差支えない、こう地方責任者は私に申しておりますので、いわゆる内灘民生安定のためと、政府政策の根本に入つてこれを批評し、又その政府の行き方について反対するという考え方でない意味においての反対を続けるということに、大体私のところへ陳情おいでになる各方面の人が一致しております。ただそれにもかかわりませず、或る特殊の政党かたがたにおいては、日本政府のあり方というものに根本的な疑義を持つておるかたがたは、この点については納得をなすつておらないと存じますが、少くとも社会党系統の人までもそういつたような線において大体県においては、党の立場は別として、御納得を頂いて今日まで来ておる、こういうふうな状況になつておるのでございます。従いまして、今後といえども、その線で内灘村民の気持をどこまでも上達しなければならない。又政府も、一面から申しますれば、私も公務員であり、日本政府の一環をなしておる関係上、日本政府の考えていることをも地方村民にこれを伝達し、よきにつけ、あしきにつけ、ともかくこれを伝達し、その考え方において理解を求めるという態度を今日までとつてつておるのであります。そのような態度で今日まで参つておりますことを申上げて御了解頂きたいと思います。
  7. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 有難うございました。それでは次に石川内灘村長中山又次郎君に御発言を願います。
  8. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 昨年十二月一日、政府かたがたから、お前の村に試射をやらしてくれなければ政府が立つて行かないのだというような状態にある、そういう懇望でありました。一時取りやめるというふうに閣議で決定された、その上に、但し代替地を求めるまでに四カ月はかかるのだ、四カ月だけ使用することを承諾してくれないか、そういう御要望でございましたから、我々も日本国民としては、政府が立つて行かないのだというくらいに困つておられるのに、どこまで突撥ねて行くべきものであるか。その上永久接収ということを取りやめて代替地を求めるまでの間の四カ月とおつしやるのだし、特に冬季間でもあることであるから、一つ政府の意のあるところを考えねばならないのではないか。こういうふうに私ども相談が一決いたしまして承諾したような次第でありまして、十二月から早速始めるというお話でありましたけれども、十二月も終り、本年の二月に入り、二月に入りましても何らの仕事はなされなかつたのであります。漸く三月の十六日になつて試射が始められたというような状況でありまして、それまでも政府から何らの交渉も受けておりませんし、私どもも不安になりましたから、三月早々、又時の新聞やラジオの報道を見まするというと、永久接収の気構えであるし、それから設備を見ましても腑に落ちないところがありまするから、三月初めに外務省へ参りまして質しました。そのときに外務省では、とにかく試射をして見てどういう影響があるか、それから風紀の問題も心配しておるようなことがあるや否やということを見てもらつた上で、継続使用永久使用をしたいという交渉をしたいと思うておる、こういうお話でありました。私どもはそれは最初約束と違う、そういうことを我々は決して話もせず約束をしたこともありません。政府が一方的にそういうことを考えられるということは甚だ不都合だと強く申入れましたが、意地悪く又総選挙になりまして、その政治運動に巻込まれるようなことがあつてもならないしという御心配も述べておられました。三月の二十五日に外務省へ私が議長と呼ばれて参りましたときに、どうか継続使用をしたいのだから一つ承諾してもらいたいというお話を承わりました。それでもともと政府河北潟干拓をしてお前たちの代償にしたいと思つていたけれども予算関係はこれを許さん。それについては即時即応意味を以て畑地の開墾をしてやる、それから漁師が困るのだから船溜りをこしらえてやろう、これで一つ相談をしてくれないかということを承わりました。三月の二十九日でございました。私は早速帰りまして、村の人を集めて政府改まつ申出に対してそれぞれ協議をいたしましたけれども、それは最初約束と違うから、四月一ぱいというお約束なんだから四月一ぱい引揚げてもらいたい。我々は政府交渉に応じがたい、こういうことに村全体がきまりまして、その通り外務省のほうへ申上げておきました。四月一ぱいまでの公約履行を要求いたしておりました。いよいよ四月一ぱいが過ぎまして五月に入りまして弾を撃つことは中止になりましたけれども、我々は五月の一日から漁業を始めたいけれども始められないというので、五月初めに外務省行つて、そうしてその不都合を責めました。五月の八日に外務省の係官が二名私どもと一緒になつて石川県のほうへ帰りまして、そうして九日の日から棚を切開いて漁業の途を開いてくれました。それでもう政府としてはそれだけでありまして、六月二日に外務大臣にお目にかかりましたときにも、そのときには県の議会と地元町村長とがおりました。漸く外務大臣に会いましたが、何らの話もなく継続使用方針決定したと言う。それは六月の二日の日でございます。私どもはそれを外務大臣に迫りました。何とか話をしてもらいたいというお話でありましたけれども政府が一方的にそうきめておきながら、今更何をか言わんやであると申して引揚げて参りました。それから六月の二十六日、私どもは三十何名かの大勢が出かけて参りまして、各班に分れて各方面陳情いたしました。そのときにも漸く外務大臣を院内の廊下でつかまえて二、三分間の話ができた。政府方針だけは変らないということを言われた。そういう現在の状況を見まして、国家的な甚だ重大な問題になつておるにもかかわらず、一片の誠意も披瀝なさるということもなく、六月の十日に田中官房長官が県のほうへ参られたときにも、私どもが絶対反対だという決議文を手交したときにも、そうですがと言つて帰られたような始末であります。それで、あのような政府誠意のないなされ方が今日のような事態を起した一つの原因ではないかと私は思います。政府誠意はとにかくといたしまして、とにかく私どもとしては永久接収ということには絶対反対いたします。こういう態度は今日もいささかも変つておらんのであります。
  9. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 有難うございました。  次に、内灘接収反対実行委員長ッ谷外次郎君に御発言を願います。
  10. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) 私は村民一員としまして、交渉機関でないために、村当局の言われることを今日まで信じて来ました。一時使用のときに、たまたま村民大会並びに区民大会が開かれました。そのときに、政府冬季間中だけ貸してくれというのだから、お前たち国民一員として納得してくれるよう当局としてお願いする、こういうお話の下に、同時に県選出林屋国務大臣の言われることでもあるし、絶対に間違いがない、四月一ぱいで帰ることは皆さんの前で私は責任を持つて皆様方にお願いするのだという言葉の下に、区民はそれを信頼しまして一時使用納得したわけです。ところが一時使用の四カ月が終つたのにもかかわらず、新聞紙上或いはいろいろな報道によりまして、先ず政府継続使用をやるような新聞記事、或いは村のいろいろな巷にそういつた噂が出たわけです。そこで村民は先ず村当局に向いまして、あんた方は、四月一ぱいで帰らなかつたら私たち責任を持つて帰すと言つたじやないかという一つの憤激の現われとなつて、五月の十五日に村民大会を開きまして、実行委員会というものを作つたわけでございます。そこで私が実行委員会委員長なつたわけなのであります。それから後ずつとその反対闘争を続けて来たのですが、どうも革新政党或いは外廓団体に扇動されてこの陳情をやつておるんだというような、どこへ行つてもそういつたような工合に見られておることが、私村民として本当に情ないと思います。先ず私たち政府交渉機関でないために、村の言つたことを飽くまでも信じ、それが政府言つたことだと私は信じて来たわけなのであります。それがことごとく村の言つたことが村民を裏切つたような結果になつたために、村民はここに村の不信のために決然と立つたものだと思います。そこで村当局へいろいろな事情で迫りましたところ、五月の十四日、村緊急協議会を開きまして、反対声明書を出したわけなのであります。それから村当局村民が一丸となつてこれまでの反対闘争を続けておるわけであります。
  11. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 有難うございました。  それでは最後に石川河北潟漁業協同組合連合会長西田与作君御発言を願います
  12. 西田与作

    参考人西田与作君) ちよつと私の発言について委員長にお伺い申上げたいと思います。私のお呼出河北潟漁業協同組合連合会長と、それからこの委員会のほうは違つておりまして、河北潟干拓期成同盟会でありますが、その期成同盟会理事長をやつておりますが、その二つ資格についてお呼出があつたように思いますので、私は地元県会議員もやつておりまするのでありまするけれども、いろいろ重複いたしまするので、極めて簡単なことしかお話できないと思いますけれども、この二つ関係について申上げたいと思いますが、如何でございましようか。
  13. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 結構でございます。
  14. 青山正一

    青山正一君 先ず最初岡田さんからの申入がありまして、石川県知事なり、或いは石川県の内灘村長なり、或いは内灘村の実行委員長さんをお呼びすることになつたあとの一名は、私は委員会に出ておらなかつたために、一つ青山さんと相談してきめたほうがよかろうというようなことで、理事会決定になつたようなわけで、私は主として、漁業組合連合会長或いは干拓期成同盟会会長という資格は持つておられましても、河北郡の事情をよく知つておられる県会議員という意味合も含めてのお話でありますから、どうかその点一つ委員長のほうから、特にその点も加味して御発言願うようにお願いしたいと思います。
  15. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 只今青山委員から申されました通りでございます。さような意味を以ちまして一つ発言を願いたいと思います。
  16. 西田与作

    参考人西田与作君) 河北潟漁業組合連合会長といたしましては、実は私は淡水魚の河北潟漁業組合連合会長をしておりまするので、今日この当委員会において補償の問題になりまするいわゆる接収されておる浜に関する漁業のほうは私の部外であるのでございまして、誠にその点私漁業関係者として、殊に三組合の上の連合会長でありまするけれども、僅かに外から見たぐらいの程度しか知らんことを一つ断わつておきたいと存じます。  第二番目に、干拓期成同盟会理事長といたしましては、これは一般には干拓期成同盟会というものが内灘の、いわゆる一時使用というようなものに非常に関係のあるごとく言われておりまするので、私はその経過を一応申上げたいと存じます。実は河北潟干拓期成同盟会は、多分二十六年の、何月であつたか覚えありませんけれども、五月か七月であつたか、干拓期成同盟会を結びまして、会長には今の自由党の総務会長である益谷さんを戴き、林屋さんはその最高顧問となつておるのでございまして、この内灘の問題が起らん前から、実は河北潟干拓について我々は運動をして参つたのでございます。その当時丁度十月の衆議院選挙がありまして、当時私はそのことを内灘知事さんから聞きましたので、今のようなときに突然こういうふうにされては困る、是非とも益谷さん等にお願いして今少しくとの問題をあとにしてもらいたい、それは多分前の最初のときですが、そういうふうにお願いいたしましたところ、その問題が暫らくどもの要望しておつた通りに延びたかと思います。次に去年の十一月頃であつたかと思いますが、知事さんに、実は俄かに出て来い、このいわゆる内灘接収のために出て来るようにというようなことを言つて来たのでございまして、私が関係をしておる県会議員でありまするので、私にお話を下さつたので、私はそれは内灘の問題で、知事が出て行つたのでは地元が非常にかわいそうである、是非とも国務相がおられるのだから、林屋さんに地元説得のために出て来てもらうように交渉を願いたいというふうにお話をしたのでございます。ところが、いろいろ聞きますと、当時反対の気勢が非常に強くて、林屋さんがおいでるのには身辺が非常に危ういというような事情があつたようにも聞いたのであります。私は身を以て林屋さんの生命を保障する、是非とも林屋さんに出て来てもらいたいというふうに実はお話をしたのでございます。そうして林屋さんがおいでになりましたので、私はそういう関係上、当時林屋さんのおいでなつたことにつきまして地元交渉をすることにつきまして、いささか林屋さんのいわゆる身辺というものについて多少の責任も感じましたので、実は県庁へ入るというような際でも、内灘の人に是非正門から通すようにというような実は斡旋をいたしまして、林屋さんをお通し申上げて、県庁内における内灘村民との会合を容易ならしめたというような点は確かにあるのでございます。併しながら、その当時いわゆる一時使用につきまする内灘村のいろいろな案件、いろいろな会合、三日三晩かいろいろな交渉を続けられたという会合には全然出ておらんのでございます。従いまして実はその内容等は存じておりません。ただ一時使用にそれがきまりましてから後で、日は覚えありません、内灘村長並びにあすこの副議長であつたかと思いますが、連れだつて林屋さんのところへ民衆施設の五百万円か何かについてお願いに参りましたときに、林屋さんからは、西田さん内灘のほうは直ぐ鎮まつたのじやないかどうか、是非とも河北潟干拓は、若しか内灘永久使用ということになれば、この機会においてはあの干拓はやる気がないのじやないかどうか、どうかその辺を御考慮願えんかどうかというようなことは、日は覚えがありませんけれども、一時使用決定してから、ありました。そういうので林屋さんに、実は河北潟干拓というものはこの内灘のいわゆる試射場の問題と、今申しましたような意味関係があるくらいです。従いまして私はその当時、実は新聞にも出て参りましたのでございますが、林屋さんの言われることについては私自身も疑心暗鬼であつたのでございます。それでその問題につきましては、河北潟のいわゆる干拓期成同盟会理事会を開きまして、林屋さんの事情たけは一応理事会に報告しておきましたのでございます。併しながらその後のいわゆる選挙があり、このいよいよ期限が来ましたという状況になりますと、実は遺憾ながら内灘のほうは絶対反対を実は称えておりまするので、これは到底永久使用になるという見込がないというので、私ども河北潟干拓については一言も発しておらんのでございます。従いまして、この河北潟干拓という問題と実は非常に関係が深いように伝えられておりまするけれども、以上申上げました通り深い関係がありません。今のような事情で実は私は前のときは干拓のいろいろお世話を願つておりましたので、内灘のいわゆる会合の斡旋役をいたしました。あとのときはそういうふうで、できますればと思つて実は話たけを聞いたけれども内灘村が絶対反対を続けておつたというので、実はその当時何らの斡旋を内灘行つてもいたしておりません。いま一つ昨年、その当時実はこの伊関局長と共に林屋さんか参りまして、いわゆる十一月の二十七日であつたかと存じますが、二十七日は内灘地元のかたと会合いたし、二十八日は県会議員と実は国務相以下局長等と会合があつたのでございます。その際にはいろいろな話がありましたが、先ほど村長からもありましたので重複いたしますから申上げません。併し一時使用というようなことがえらいはつきりしておりました。それて駒井という婦人議員がおりまするが、非常にこの人は反対に熱心であつたので、政府は一時使用と申しまして、ずるずると永久使用するのではないかと質問をいたしますと、たしか国務相であつたかと思いますが、閣議決定というものは非常な誠実なものである、一旦閣議決定した以上は、その内閣がたとえ倒れても、次の内閣ができてもこれは守るべきである、それは安心してもらいたいというような御答弁もありまして、これは非常に……そういう事情にありましたので、そのほかのいろんな何は一応中山村長からありましたので、又御質問等あればお答えすることにいたしたいと存じます。以上です。
  17. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 有難うございました。  これより質疑に入ろうと思いまするが、政府側からは水産庁の清井長官並びに岡井次長、外務省のほうは伊関国際協力局長、調達庁からは根道長官並びに山中不動産部長が見えられております。御発言を願います。
  18. 青山正一

    青山正一君 本来ならば岡田委員が劈頭に御質問なさるはずでありますが、お譲り願いまして、私から先ず最初に柴野知事に対する質問をいたしたいと存じます。内灘問題処理のために政府は解決に多少なりとも誠意を示しているようでありますが、問題は現在もなお紛糾を続けているような状態であります。これは最初試射場を設置したときの政府と、それから地元村当局との約束の解釈がそれぞれの立場上少し違つた形で現れて来たことが原因だと、私はそういうふうに考えておる次第であります。それで県当局がこれについて最初から誠意を示して、政府村当局との間に立つて斡旋すれば、こんなに問題をこじらせることはなかつたように思うのであります。それでこの問題についてどう思つているかについて承わりたいと存じますが、先ず第一点は、石川県という地方行政機関の首長として、柴野知事内灘問題解決に誠意を示したかどうか、誠意を示したとすれば、具体的にどんなことをしたか、その点について承わりたいと思います。それから質問の第二点として、地元からの情報によりますると、知事はこの問題にタツチするのを避けていたように見えるわけであります。で、これは地方機関の首長といたしまして責任回避の態度ではないかどうか、これらのことが地方の政治的或いは感情的な対立から、或る種の煽動によりまして、これは先ほど知事からもたしかお話があつたように思われますが、この煽動によつてなされたとは思われないかどうか、その点について承わりたいと思います。それから第三点として、内灘村における反対運動は真に村民の意向に基くものかどうか、知事としての立場から一つ、或いは個人的な立場でも結構でございますが、どう思うかについて一つ承わりたいと思います。それから第四点として、或る傾向を持つ政党は、ただ政府を当惑させるために内灘反対運動を煽動しているのではないか、知事内灘村が政府の十分な補償によつて新らしい道を歩むようにしたほうがよいと思うかどうか、それともやはり昔の通りに、非常に内灘村は御存じの通り寒村である。これが昔通りに、この貧乏のどん底に喘いでおつてもかまわんかどうか、そのほうがこの村民たちに真の幸福であると思うのかどうか、つまり感情とか、或いは政治的イデオロギー、或いは地方的な対立などを離れて、客観的に経済的に考えて見てどう思うか。公人としての知事立場で言いにくいならば、個人としての柴野さんの純粋な意見を先ず第一にお聞きしたいと思います。まだ第二点、第三点があります。
  19. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) 第一点でございますが、誠意を示したかどうかと言われますと、どうも私からお答えをいたしにくいので御判断を願わなければならないかと存じますが、先ほど冒頭にも申上げましたように、努めて己れを殺し、民意を上達し、又政府の意のあるところを村に伝達し、お互いに御理解を願つて行くという方向に対しては、県としては全力を尽して来たつもりでおります。第二に、責任を回避した云々ということがございますが、これも見方の問題でございまして、甚だ私から申しにくいのでありますが、私は私なりの努力はして来たつもりで私はおるのであります。その努力というものが直ちに口に出し、形に現わすだけの努力でありませんので、あらゆる角度から、先ほど委員長の言葉の中にあつたように円満に解決するという方向について努力をいたして来たというふうに私は信じておるつもりであります。それから第三に、或る特殊の政党が煽動したのじやないか、或いは外部のものが煽動したのじやないかということでありますが、これも又極めて主観的な問題でありまして、私が今知事をいたしておる立場から、これをどうこうと臆測がましいことを申上げることは、甚だ言いにくい点があることを一つ御理解願つて、十分御判断を、青山委員には地元でもございますので、御判断が願えるかと思つておりますので、一つ御理解願いたいと思うのでございます。第四に、村の当局の意向はどうであつたかということでありますが、これは恐らくは日本中の多くの人々が、殆んど全部と言つて過言でないかと存じますが、ここへどんどん弾を射たれて、それが非常に嬉しいという人間はおらないのであります。ただいろいろな立場から、国家の立場なりその他の立場から、その嫌なことをもどの程度呑んで行くことが我々の義務であるかどうかという点で、お互いの見解の相違が出て来るのでありまして、従いまして真正面からのお尋ねに対しては、村当局は心から反対であつたと申上げるほかないかと私は考えておるのでございます。それから第五に、或る特種な政党の煽動云々ということでありますが、これは私は一々見ていることではありませんが、恐らくは今の日本政府のあり方というものに根本的に相容れない見解を持つている特殊の政党としては、この運動というものは政府の思う通りに行かないことを望んでいるということは推測に難くないと私は思うのでありますが、一般的な風評によりますれば、これらの言動というものは相当大きな作用をなしているように一般の人は言つておりますが、但し私が責任を持つて、それがどういう点でどうなつたかということは私申上げることができないと考えております。御了承を得たいと思います。なお村のあり方の問題でありますが、これも極めてデリケートな問題でありまして、例えばあそこの河北潟に約一千三百町歩ぐらいの田畑ができるのであります。恐らくこれに河川改修その他の、恐らくは石川県が望んでもできないようなものがそこで起る。今又政府が現に予算として計上している砂丘地の開発の総予算は全国に対して五千万円しかない。これに対して二億以上の金を入れてやるということでありますから、殆んど百年河清の仕事ができるというような見方からすれば好ましいのじやないかという議論も立つのでありますが、この点は田舎というものは必ずしも利益だけで判断するものではございませんので、極めてデリケートな点がありますので、それぞれの人々によつて見解が違うかと考えますので、その点御了承を頂きたいと思います。
  20. 青山正一

    青山正一君 第二の問題として、内灘問題処理のために政府のとつたやり方は、一部ではこれは非常に非難を受けつつあるようでありますが、知事としてどう思うかについて先ず第一に第一点として、政府最初から林屋前国務相が内灘村に乗込む前から、県当局を通じて地元の意向を聞いているように私は聞いておりますが、このとき知事はどんな態度をとつたか。それから第二点として、知事は真に地元民の幸福を考えて行動したと言つているようでありますが、真に地元民の幸福とは、これはどんなことだと思うか。「むしろ」旗を立てて座り込むような結果になることが幸福なものであると思うかどうか。それから第三に、あなたは五月二十五日だつたか、村長や県会議員や或いは婦人代表と反対運動に上京をなさいましたのですが、外務省やその他官庁を廻つているようでありますが、本当にこれは反対なのか、それとも何か昂奮した反米感情に迎合するために白「たすき」をかけて上京したのか、その点について私は承わりたいと思います。大分そういつた面において新聞しか、雑誌に間違えられたようなふうに報告している面も聞いているわけであります。それから第四に、現存はどんな考えを持つておられるか。以上四点についてお聞きしたいと思うのであります。
  21. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) 一の点でありますが、非常に何ですが、林屋さんは、批評的になつて甚だ恐縮ですが、どちらかと言うと都会生活を長くやられたかたで、田舎のかたがたの心理状態に幾らか暗いのじやないかというふうに思われる点がありますので、林屋さん自身は誠心誠意村のため、県のためと思われてなされたことでも、又ものの見方によりますと、少し楽観的にものを御覧になり過ぎておるというふうに思われるような我々にも点があつたのであります。従つて私としては国務大臣を一々面と向つて御批評するわけには行きませんが、そういう点について、誤まりのないように認識して頂くようにできる限り努力をいたして参つたつもりでございます。それから第二の、真の幸福ということになりますと、これは一つ村のかたもおいででございますので、村の人に率直にお聞き願わないと、我々が如何に幸福だと思つても村は何にも幸福じやない、こう申しますればそれまでなんですから、そういうわけでございますから、さよう一つ御理解を願いたいと思います。それから第三に、五月に私が反対のため上京をいたしたというのは、実は私の見方からいたしますと、この運動の先を見越して、どこかへ責任をなすり付けて逃げて行きたいというかたがたがかなりあるように私には見受けられるのです。その点においては知事がこうして、あいつのお蔭でこうなつたんだというのが一番いい逃げる途なんです。従つて私は正直に申しまして、私の考え方は数千人のデモを送つておるときでさえ私は率直に言つておる。なかなか言いにくいところで言つておるのです。従いまして、その考え方というものは、冒頭に申上げたようにいささかも変つておりませんので、その考え方を率直に政府に、やはり現在も変らないということを申上げることがいいのじやないか、つまらない誤解を招かないゆえんであるのじやないかという考え方で上京をいたしたような次第でございます。従つて当時上京いたしましたときには、私は他の人が上京しなくても上京し、外務大臣に私の考えをはつきりと述べたいと考えて上京いたしたのでございます。それから現在においてはどうかということになりますと、これは極めてデリケートな問題でありますが、我々といたしましては、大した青山君と我々との考えに差があるとは思いませんが、県民の幸福のためには現在といえども努力をし、又村民の利害の線に基いてすべてのことを解決して行かなければならんという点においてはいささかも変つておりません。
  22. 青山正一

    青山正一君 最後にお聞きしたいことは、基地問題は現在の日本が直面する重大な問題であり、その焦点に先ほどから問題になつておる内灘があるのであります。併しこの内灘問題がこんなに大きくなつたのは、地方での政治的な紛争が内灘を政争の道具に引張り出したと見られる節がある、こういうふうに私どもは考えておるわけでありますが、これは天下周知の事実だろうと思います。具体的な例を申上げますると、林屋前国務大臣、これは無所属から出られていたのでありますが、その林屋氏と改進党の井村徳二参議院議員の対立だと私は思うのであります。柴野さんは政治的には、これは石川県の皆さんは御承知でありますが、改進党と非常な縁がある、で、内面は参議院選挙内灘が非常に問題にされて、そうして改進党の人々が内灘問題の責任林屋さんのせいにしたようでありますが、地方機関の首長である知事が、事務当局である外務省と何も接触しなかつたのは、これはおかしいと私は思うのであります。内灘にこの射撃場を持つて来たのが林屋さんの責任からば、内灘を行政区域に持つて試射場となる国有地の管理を任せられておるのはこれは知事であるわけであります。で、知事県当局責任はどういうことになるかについて、第一に、この最初使用決定のとき一戸当り約五万円の補償金を政府は支出しておる。で、その取扱には県は関係していたかどうか、そのとき今反対している村民たちは喜んだか、悲しんだか、知事として率直な感想を漏らして頂きたいのであります。第二点は、石川県議会の反対決議は真に地方の住民の幸福を思つての決議であると思うのか、それともこの行きがかりからの感情的なものを含んでおるかどうか、その点について私は率直に意見を承わりたいと思うのであります。それから第三点に、林屋さんは、地元反対の最も具体的なものはこれは風紀問題であると、この前も参議院の水産委員会で言われたんでありますが、それが単なる杞憂であることが四カ月のこの試射で問題になつておる。一体具体的な反対理由は何であるかどうか。それから第四に、県議会の決議の具体的なその反対理由、これがまだはつきりしていないように思われますが、これを重ねてお聞きいたしたいと思います。
  23. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) 第一点の政治的に利用したのではないかどうか、それがこうした紛糾を招いたんではないかということでありますが、これは私の目から見ますれば、失礼でありますが、自由党から共産党までの全部が政治的に利用しておるように私は思います。一つ一つ言いますと、幾らか差障りがあるから許されたいと思うのでありますが、どうかこれは私の観測でございますからお許しを頂きたいと思います。五万円の経過でございますが、これは私の立場からのいろいろ責任問題についてのお話もあるのですが、政府は全部県に任されてもなかなかできかねるところもございますが、どういうものか調査のときから県を抜いておやりになつておる。又この五万円をやる話合も、どちらかというと県を抜いて村と直接御相談になつておる。勿論県は、私は病気で寝ておりましたので、副知事がその間に立会をいたしておりますが、どの意見をその間に差挾んでその間の要素となつてきまつたか、それは私は存じませんが、私の聞知しておる範囲では、少くとも政府と村との間におきめになつたように考えておるのであります。それから村民としてどうかということになりますと、これは村長さんもお出ででございますので、そちらに一つお聞きを賜わりたいと思うのであります。それから議会のほうの反対はどうかという問題でございますが、これは議会が全員一致反対をいたしておるのでありますから、全員やはり嫌だ、そういうことに尽きるのではないかと思うのであります。ただその後において自由党の諸君は大分様子が変つてもございますが、幾らかこの反対をしているときと事情が変更しておるのであるから研究し直さなければならないといつたような御意見も議会に出ておりましたのですが、これはこの決議そのものは何の影響もなかつた、その後の言論でございますので御理解を願いたいと思うのでございます。それから最後の反対理由は、これはいろいろ当初反対するときは風紀問題も経済問題もありましようが、今となればやはり取上げて申さなければならないことは、風紀問題は大したことはございませんので、経済問題だというふうに申上げなければならんと思いますが、要するに煎じ詰めると嫌だということです。何と言つても時代に染まんということが反対なんです。
  24. 岡田宗司

    岡田宗司君 青山委員の御質問は大分林屋さんなり、政府立場を擁護する観点からなされたもので、かなり柴野知事の主観と言いますか、そういうものを引出そうとされておつたようでありますが、私はそうではなくて、事実を確める問題で二、三御質問をしたいと思います。先ず私は柴野さんにお伺いしたいのでありますが、先ほどの御発言で、第一にこの調査等はすべて県に何ら知らせないで、外務省か、或いはどこか知りませんが、アメリカ軍かも知れませんが、すつかり行なつた。そうしてさあことを使用するという段になつて知事に話があつた。すべてが秘密裡に行われたと、こういうことでございますが、すべてが秘密裡に行われて、そうしてすつかりこちらできまつた後に、例えば合同委員会内灘使用するときまつた後に、知事のほうへ内灘村を使用したい旨の通告があつたのかどうか、この点をお伺いしたい。    〔委員長退席、理事千田正君着席〕
  25. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) 厳格に申しますと、十月の二十幾日かまでの調査はすべて政府が単独でやりました、我々に秘密でやつておりまして。十月の二十幾日かに初めて政府からこの問題で人を上京しめろという電報を頂戴いたしておりますから、少くとも試射場として政府があれを使うという気持になるまでの、そういう考え方を起すまでの調査政府が単独におやりになつたものだと、こういうふうに考えております。
  26. 岡田宗司

    岡田宗司君 林屋国務大臣が金沢へ参りまして内灘の諸君と会つて、そうして三日三晩いろいろ話をして六カ条の問題をきめたあのときには、まだ政府のほうから内灘使用についての申入は知事のほうへはなかつたのですか、あの話がきまつてからあと使用の申入があつたのか、その点を一つお伺いしたい。
  27. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) その以前に政府としては我々に対し、又村の当局に対し、内灘試射場として使用したいという気持を表現されたというふうに私は理解いたしますが、その後の陳情において政府事務当局の申すことによりますれば、必らずしもこれが最終的決定をして今話をしておるのじやないのだ、こういう御説明がありますから、最終決定に至るまでの経過としてお話になつてつたものだと承知いたします。
  28. 岡田宗司

    岡田宗司君 内灘村の使用開始が一月一日で、その使用の終りが四月三十日である、こういうようなことは名古屋の調達局と、それから内灘の各漁業協同組合長との間の契約書と言いますか、これを私取寄せたのでありますけれども、それではつきりしておる。その場合にそういう一月一日から四月三十日まで使用するということについて、やはり知事のほうへ政府のほうから何か通告がありましたかどうか、そうしてその四月三十日ということは、政府のほうが一応試験的にこれを使うのであつて、そうしてあと引続いて使用するのだという含みで知事のほうへ通達があつたのかどうか、その点をお伺いしたい。
  29. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) 実は岡田さんのお持ちになつておるような書類は私は見ておりませんので、私が病気で寝ておりましたから、そのせいでございますので、或いは私のほうの事務当局承知しておるかも知れませんが、お許し頂きたいと思うのですが、初めやはり四カ月です。冬季間だけという話があつたのは、私の聞いておるのでは林屋国務大臣がおいでになつて、そうして地元で合同でお話をなすつて、それがまとまつてあとで文書的なものになすつたのじやないかというふうに考えております。
  30. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、話がまとまつてから後に、県に対しまして四カ月使用するという意味の通知があつたかどうか。
  31. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) 甚だ申訳ありませんが、私はそういう書類は実は見ておりません見ておりませんが、そういう意思があつてそれが決定したということは承知いたしております。
  32. 岡田宗司

    岡田宗司君 それでは次にお伺いしたいのは、四月三十日で契約が切れることになつたわけでありますが、四月三十日以前に政府から正式に知事のほうに対して内灘を更に継続使用若しくは永久使用にしたい、その点について知事に何か斡旋してくれ、或いは努力してくれという政府側からの申入があつたかどうか。
  33. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) その後政府のほうからこれを永久的に、永久という言葉は変ですが、継続的に使用したいというお話は受けております。
  34. 岡田宗司

    岡田宗司君 それはいつ頃お受けになつたのでしようか。
  35. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) それは四月へ入つてからだと私は思つておりますけれども……。
  36. 岡田宗司

    岡田宗司君 四月へ入つてからと申しますというと、選挙の最中でございますね。そういうことになりますね。
  37. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) これは正確に日を承知いたしておりませんが、口頭でも話があつたり、電話であつたり、いろいろいたしておりますから、錯雑しておりますが、大体期限の終つた頃から話がぼつぼつと出ておるように承知いたしております。
  38. 岡田宗司

    岡田宗司君 期限が終つたと申しますと、四月の極く終り、こういうふうに解釈してよろしうございますか。
  39. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) 必ずしも終りというふうに正確にちよつと申上げかねます。或いは初めであつたかも存じません。
  40. 岡田宗司

    岡田宗司君 又後にいたしまして、それでは今度は村長にお伺いしたい。先ほど村長の公述によりますというと、林屋国務大臣が来て、四カ月と切るということを非常に強く念を押して言つておるように聞いておるということでありますが、而も西田氏の公述によりますというと、四カ月たつたら必ず撤去するというようなふうに言われたように聞いておるのでありますが、村長があの三日三晩交渉したときにおきましても、林屋国務大臣は四カ月で撤去するという意味のことをはつきり言つてつたかどうか、その点をお伺いしたい。
  41. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 四カ月間たけ、これははつきり聞いております。
  42. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、村長はその林屋氏の四カ月だけということは嘘いつわりのないものだ、閣議の決定は間違いのないものだということをその林屋亀次郎氏の言葉から信じられた、こう解釈してよろしうございますか。
  43. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) おつしやる通りであります。
  44. 岡田宗司

    岡田宗司君 そりいたしますと、私もう一点お伺いしたいのしすが、その後東京に上京せられて林屋亀次郎氏とも会われておる。特に選挙の前か、或は何かに上京せられたときには林屋亀次郎氏と会われております。そのときに林屋亀次郎氏のほうからあなたのほうに対して継続使用をしたいのだという意味お話かあつたかどうか、それをお伺いしたいのです。
  45. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 三月の下旬かと覚えておりますが、四月はお目にかかつておりません。そういう継続使用云々という話はありません。
  46. 岡田宗司

    岡田宗司君 継続使用の話が政府のほうから村長に対してあつたのは、正確にいつかということを伺いたい。それからそのときは公文書を以てなされたのか、或いは何か国際協力局へ出頭を命ぜられて公式に申渡されたのか、それとも何か非公式な折衝という形で話が始まつたのか、そこを一つ詳しくお話し願いたい。
  47. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 三月の二十三日に林屋大臣の秘書官から、東京へ出て局長に会つて話をしてくれないかということを電話で承わりました。それで私と議長と二十四日の晩立つて、私ども二十五日に伊関局長にお目にかかりました。そのときに局長さんのほうから、先ほど申上げた通りに、継続使用をしたいのだ、それで村の人が業ができなくなつて困るから、応急策として畑地の灌漑或いは船溜りの築造ということをしてあげるから、それで一つ相談をしてくれないかという話を承わりました。文書ではありません。
  48. 岡田宗司

    岡田宗司君 この前の水産委員会のときに、林屋亀次郎氏並びに伊関氏が言つておる言葉があるのでございますが、林屋亀次郎氏は、初めは四カ月に限つた。ところがその後だんだんに内灘村民考え方が変つて来て、風紀問題なんかも起らないから継続使用をしてもいいという空気になつてつたということを言つておることを、私どもはそう信じないのでありますが、林屋亀次郎氏がそういうふうに判断されたのには、村のほうにおいて何か政府が三月二十五日にあなたに申入れるまでに、村のうちにおいて村長なり、或いはその他の諸君の間において、村民の間において継続使用してもいいというような林屋さんがそう判断のできるよろな動きがあつたどうかということを明らかにして頂きたい。
  49. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 林屋大臣からそういうふうなことを聞いておりませんし、それから継続使用してもよいという、そういう動きはありません。
  50. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、伊関局長も同じようなことを言つておるのです。大体伊関局長もそういうふうに言つておられるのですが、伊関局長に対してあなたから、村の中にそういうふうに継続使用していいというふうな空気があるということを、あなたから伊関局長のほうに言つたことはありませんか。
  51. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 村の空気が、そういうことを……、別にそんな空気は動いておらんのだし、三月二十五日にお目にかかつたときに、畑地灌漑、開墾の話なども出ましたときに、その農林省の農地局長たちの開墾の話が済んだあとに、私どもはそういう交渉に来たのではないのであつてお話だけは承わりました。それで話が済んでからお茶を頂いているときに、私どもとしては畑地の開墾もよいが、それにしても、現在やつておる畑作でも甘藷などは売りさばき口がないから、「いも」が腐つておるような状態である。一体それを如何にさばくか、畑を殖すことによつて収穫も多くなるのだが、さばき口がなくて困る。それから又余剰労力のさばき口がない。それについてはどうしても電車のようなものが我々は必要に考えられるというお話をしておりましたので、そのときに局長さんも、そういうことも考えたらよかろうというお話でありました。それはその申渡しが終つてからの私どもの茶飲み話であつて、そういう点からでも、何かそういうふうにおつしやつたものじやないかと私は想像いたします。
  52. 青山正一

    青山正一君 あなたは宮本村会副議長と共に益谷さんとか、或いは林屋さんのところに廻つて、電車を村へ引いてくれたら村民永久接収納得するだろうと言われたそうでありますが、今そういつた電車の問題が出ましたので、私それについてお聞きしたいと思いますが、それは本当なんですか、どうですか。又そういう書面をやつたことはないのですか、どうですか。    〔理事千田正君退席、委員長着席〕
  53. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 私どもは大抵上京して来ますと、益谷先生のお宅を訪問するというふうになつておるのですから、その伊関局長にお目にかかつた翌日、我々益谷先生に自由党の本部でちよつと会いました。そうして議長と二人で、昨日局長からとういう案をお出しになりました、それからそのあとでその電車の話が出ましたので、電車というのは内灘村民が多年の宿望であるので、私が村長になつてからも、まあ一度内灘のほうに延長するように会社のほうで殆んど話がきまつたのでありますが、それが又政争の具に供せられましたのでつまらない目に会つたこともあります。そういうこともありましたので、この電車というのは事実問題といたしまして、私は今でもやはり熱望しておる。だから益谷先生に、幸いこういう話も出ておりましたから一つ御尽力を願います、それではよろしく願いますということで分れましたので、村民納得するだろうとか、納得しないだろうということは、私はそういう想像を語つたように記憶しておりません。
  54. 岡田宗司

    岡田宗司君 それから林屋さんはどういうことを言つておる。当時としては四カ月ときめたのですから、四カ月でありますが、その際は私が先ほどから申上げた通りに、村民に対しまして内灘百年の計を立てるべきは今じやないか、いつも家庭が離れ離れになつて女ばかり留守をしていなければならなかつたのだから、この際政府に十分に更生施設をやつてもらつて、四カ月後一応改めて又相談する必要があるのじやないかというような点を十分に強調して参つたのであります、こういうことを言つておる。只今までのお話を聞くと、四カ月後の問題について改めて継続使用をやるように強調して来たということがありますが、そういうことは村長はお聞きになつたことがございますか。
  55. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) お答えいたしますが、先ほど西田氏からお話しになつたように、河北潟干拓というのは、我々これ又多年の熱望しておるところでありまして、内灘百年の計を立てるということは、河北潟干拓によつて田地を求めることであるから、内灘の生計が安定するのじやないかというので、それば私どもが熱望しておることでありまするから、そういう話もありましたけれども、それのために私どもは今この四カ月を永久にするとか何とかいうような、そんなことは申しておりません。
  56. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、林屋亀次郎氏からは、改めて又相談する必要があるのじやないかということは話されましたか。あなたのほうへですね、林屋氏から改めて四カ月後に相談するのがいいのじやないかという話がありましたか。
  57. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 林屋大臣からそののちそういう話を承わらんと思つております。なぜかと申しますと、三月の初めに議員五名と私ども外務省のほうへ、永久接収の気構えじやないかという念を押しに参つたときに、林屋大臣にお目にかかりました。そのときに大臣は、僕は四カ月だけに責任を感じたのだ、それを君たち言うことがあるなら外務省行つて相談しよう、簡単に申しましたならば、私どもは突き放されたような形でありました。それから林屋大臣に全然お目にかかつておりません。
  58. 岡田宗司

    岡田宗司君 村長のお話を聞きますというと、過日の委員会林屋前大臣の御発言というものは、どうも私には腑に落ちないことばつかりなんです。併しまあそれはそれといたしまして、次にお伺いしたいのは、漁業協同組合の名古屋の調達局との間の漁業権の問題についての一月一日から四月三十日までの契約でございますね、あれは御存じですね。
  59. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 契約でしよう、はあ。
  60. 岡田宗司

    岡田宗司君 今度は六月十五日から又使用開始になりまして、あのことが又問題になるのですが、六月十五日以降、名古屋の調達局から漁業協同組合に対して契、約の更新とか、そういうことで申入れて来ておりますか。
  61. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 聞いておりません。
  62. 岡田宗司

    岡田宗司君 聞いておらん……。そういたしますと、今は漁業協同組合と名古屋調達局との間に何にも契約がなくて、そうして使用されておると、こういうことですか。
  63. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 何もありません。
  64. 岡田宗司

    岡田宗司君 それから使用地がございますね、十町歩ほどの……権現の森ですか、あそこは座り込みなんかがありましたが、今まだ試射場としての使用は除外されておりますか。
  65. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 除外されております。
  66. 岡田宗司

    岡田宗司君 除外されておる。
  67. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) はあ。
  68. 岡田宗司

    岡田宗司君 その権現の森を使うことについて、新らしく政府側のほうから村に対して何か申入なり、或いは又強制使用することについて命令なり、そういうものが来ておりますか。
  69. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 六月の十三日の日に副知事から承わつたその伝達によりますると、民有地が少しあつた、これは棚を桁える、そしてこれまでのような契約通りに行けるならば、それでよろしい、それでなくては強制収用すると、こういうように承わつておりました。それだけであります。
  70. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、村のほうへ、行政協定に基く土地等の使用等に関する特別措置法ですか、そういう法律に基いて強制使用するというはつきりした通達ですか、或いは命令ですか、そういうものがあつたのですか。
  71. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) そういうはつきりしたことは聞きません。
  72. 岡田宗司

    岡田宗司君 今の強制収用するというのは口頭ですか。それとも何か公文書を以て来ておりますか。
  73. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) それは口頭でありました。
  74. 岡田宗司

    岡田宗司君 口頭、誰からの口頭でしよう。
  75. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 副知事から私はその伝達を受けました。
  76. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、現在は権現の森はまだ使用しておらない、そうしてあそこの村民諸君が座り込み等をやつておる、こういうことになつておるのですね。座り込みはまだやつておるわけですか。あの権現の森に……。
  77. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 座り込みはまだやつておるかとおつしやるのですか。
  78. 岡田宗司

    岡田宗司君 ええ。
  79. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) やつております。
  80. 岡田宗司

    岡田宗司君 知事にお伺いいたしますが、知事政府のほうから、そういう行政協定に基く法律によつてあの権現の森を強制収用する、或いは強制使用する、そういうことについて何か政府のほうから話がございましたか。
  81. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) 政府のほうからはできる限り懇談的に買収をしたい、但しそれができないときには、やむを得ないから、我々のほうからそういう措置を、強制収用する、使用する措置をとらざるを得んというように考えるが、併しいずれにいたしましても、これは村との間に全般的に納得が行くまで、幾らか手控えをしておるという現状になつております。
  82. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、これはまあ村長にお伺いするのですが、村のほうヘ何か権現の森を使用することについて、今の知事お話ですと、何か懇談なり或いは了解なりを得たいというような話ですが、何かそういうふうな話かけなり、動きがありましたか、ただ命令だけで、ほかには何らの話はないかどうか、お伺いしたい。
  83. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 今別に何らの話も相談も受けておりません。
  84. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、村のほうへは強制収用するとおどし、知事のほうへはまあ一つ話合をして、それで守らなかつたらばと、こういう政府のやり方だと思うのですが。これは知事さんにお伺いいたしますが、そういたしますと、まだ土地収用の委員会のほうへ、そういう問題について何ら正式の話はない、こういうふうに解してよろしうございますね。
  85. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) 今の点でございますが、村のほうへはおどし、こつちはこうというふうに御理解願うと、少し客観情勢が違うのじやないかというふうに思いますが、政府のほうとしてはできるなら懇談で行きたい、やむを得なければ買収したい、こういう希望を漏らし、それを村のほうに伝達し、やむを得んときには強制収用といつたようなことで、副知事がそのときにどのように伝達したか知りませんが、私の聞いているのは、政府からそういうように言われましてまだ正式には強制使用する、そういう手続きをとつてくれなんとかというお話はまだ頂いておりません。
  86. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 只今岡田さんの中で、県はそういう話があるけれども、村のほうはおどすということをおつしやつたのですけれども、私が先に申上げたことがおわかりなかつたかも知れませんが、副知事から承わつたのでは、あの民有地というのは、員上になつている、貸借関係になつている、政府使用料を支払つている、こんな契約になつております。その契約を従来通りに契約して行くならばそれでよろしい、どうしてもそうでなければ強制収用するより仕方がない、こういうようなことでありました。そういう頭からおどしただけの問題ではない話があつたらしいのです。
  87. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、従来通りの契約という問題がありますが、権現の森の私有地の契約は、やはり漁業協同組合の場合と同じように、一月一日から四月三十日まで、こういうことになつておるわけですか。
  88. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 私はまだその契約書を見ておりませんから、ちよつとはつきり申上げかねます。
  89. 岡田宗司

    岡田宗司君 漁業協同組合のほうのは知つているわけですね。
  90. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) その契約書の写しは私は見ておりますから……。
  91. 岡田宗司

    岡田宗司君 見ている、そうすると、その権現の森のほうの土地を持つている人は何人いるのですか。使用している人は……。
  92. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 四十三名か四名だと思つております。
  93. 岡田宗司

    岡田宗司君 その四十何名の人に、村長は今副知事から聞いた、契約も更新して永久使用になるわけですが、その副知事から申入があつたということを伝えられましたか。
  94. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 私はその命令伝達をやるときの村の代表として来ていた人に、その旨を伝えておきましたから、大体皆さんの耳に入つているかと思つております。
  95. 岡田宗司

    岡田宗司君 それに対して私有者、私有をしている人たちは賛意を表しておりますか、それともみんな反対しておりますか。
  96. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 現在の段階では聞いておりません。
  97. 岡田宗司

    岡田宗司君 それでは反対実行委員去の副委員長にお伺いいたしますが、今村長の話ですと、あの権現の森の使用継続の問題について村長から伝達はした。その結果は聞いておらんというのですが、その私有者たち態度はどんなでしようか。
  98. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) 私らと共に反対を続けています。その地主のかたも実行委員になつておられると思います。このたびの陳情にもその代表者が来ておられると思います。最初から反対ということには変りないと私は思つております。
  99. 岡田宗司

    岡田宗司君 今でも座り込みを続けている、そうして強制収用というようなことになりました場合に、一体その私有者の諸君はそれに対して相当法律的なり、何なりに争うというような決意を持つているようですか。
  100. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) 何しろ今全然そういうことは考えていません。どういう結果になるならんということは考えていないので、ただ反対を続けているだけであります。
  101. 岡田宗司

    岡田宗司君 それでは二ツ谷さんにお伺いしますが、昨年の秋に林屋さんが来られる前に、秘密裡に、外務省か、アメリカ軍か知りませんが、あそこを調査した、その調査はあなたがたそのときにわかりましたですか。
  102. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) 調査と言いますと、私はぴんと来ないのですが。
  103. 岡田宗司

    岡田宗司君 先ほど知事の話ですと、県のほうにも何ら連絡なくして、あそこを試射場に使うについて調査があつたようだ、こういう話ですけれども、その調査はあなたがたが、その調査したときに、そういう調査をやつているなということがわかつたかどうかということです。
  104. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) 私は、名古屋の調達局から来られて、国有地にある現在耕作地を調査に来られた、それ以外存じておりません。
  105. 岡田宗司

    岡田宗司君 あなたが、内灘がいよいよ試射場になるのだという話を聞かれたのはいつ頃ですか。林屋亀次郎氏が来て、みんなにそういう話をするときまでは知らなかつたかどうか、或いはそれ前にすでにあそこが試射場になるという話を聞かれておつたかどうか。
  106. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) 私は九月頃だつたと思います。そういう話を聞きまして、白紙還元というような新聞が出たときに、初めて試射場になるというような話が出ているのかなということを確認したわけです。
  107. 岡田宗司

    岡田宗司君 その白紙還元というのは、一度試射場にするように内定はしたが、併し反対があるので白紙還元と、こういう意味でしようか。
  108. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) その当時のことを私ははつきり申されないのですが、私の記憶としまして、大してその頃のことははつきり覚えていないのじやないかと思つています。
  109. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、あなたがたが本当に聞いて、これは大変だ、反対しなければならんというふうに考えられたのは、林屋国務大臣がこの問題で乗り込んで来るということを聞いてからですか。
  110. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) 正しくはつきりしたことは存じませんが、十一月分十二、三日頃かと、私は思います。
  111. 岡田宗司

    岡田宗司君 林屋亀次郎氏が来て村民に会われたのですが、あのときには村民のどのくらいの人々が林屋氏と会いましたか。
  112. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) そのとき村民大会のような工合で、先ず林屋国務大臣が来られるというので、無論六ヵ村の人は、おつた人は殆んど行つたかと私は思つております。
  113. 岡田宗司

    岡田宗司君 三日三晩かかつたという話ですが、あとで六ヵ条の問題が起つて、私もあのあとですぐにあの六ヵ条なるものを見たのですが、あの六ヵ条は村民士、会かなんかで林屋氏のほうからはつきり示されたものかどうか。
  114. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) 存じておりません。はつきりは聞いておりません。
  115. 岡田宗司

    岡田宗司君 村長にお伺いしますが、あの六ヶ条はどういう経緯でできたか。そしてあの六ヶ条は、あなたと、それから林屋亀次郎氏との間で成案を作つたのかどうか、お伺いしたい。
  116. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) お答えいたします。あの六ヵ条は、私ども請負が全部と協議の上で、それじやこれだけのことをお願いしようじやないかと相談したわけであります。
  117. 岡田宗司

    岡田宗司君 あの覚え書はお互いに交換して、そして何か調印というようなことをされましたか。、
  118. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) そういうことはありません。
  119. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、あの覚え書は林屋氏が口頭で了承した、こういうことでしようか。
  120. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 林屋氏に箇条書は私のほうから手交いたしましたし、それから緒方官房属官の挨拶の中にも、お前たちの要求は十分呑むというお話があつたと思つております。それは、はつきり申しませんけれども、確かにあつたように思つております。
  121. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、あの六ヵ条のうもにはつきり四ヵ月ということが謳つてあるわけですが、それをやはり林屋氏なり或いは緒方氏なりが了承したと、こう内灘の村長はお考えになつたですか、その当時……。六カ条のうもに四ヵ月ということがはつきり謳つてありますね。それを林屋氏や緒方氏が了承したとあなたはお考えになりましたか。
  122. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) それを読んでおりますから、私はそう思つております。
  123. 岡田宗司

    岡田宗司君 岡崎外務大臣だの伊関局長の話だと、初めから永久使用の腹だつたが、四ヵ月は試験期間だというような話を何遍も委員会で鰻返されておるのですが、その後岡崎外務大臣なり或いは伊関局長に会つたところが、おれのほうは永久使用の腹だつたのだ、四ヵ月というのは試験的の期間だということをあなたに話されたことはありますか。
  124. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 三月の下旬に伊関局長にお目にかかつたときに、先ほど申した通り政府としては継続使用せねばならんのだと、それでどうか一つ相談に乗つてくれとおつしやつられたのであります。
  125. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、おれのほうは初めから永久使用の腹だつたということは、あなたには言わなかつたかどうか。
  126. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) そういうことはちよつと覚えておりませんが。
  127. 岡田宗司

    岡田宗司君 それでは参考人に対する質問は私これでいいのですが、あとでなお政府側にお伺いしようと思つております。
  128. 森崎隆

    委員長森崎隆君) ほかに何か……。
  129. 千田正

    千田正君 参考人のうち、特に中山村長にお伺いしますが、今までのいろいろなお答えで大体承知しましたけれども、今でも村民は、如何なる要求の条件が整つてつてもこの内灘使用に対しては反対すると、こういう意向になつておりますかどうか、その点はどうでありますか。
  130. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 仰せの通りであります。
  131. 千田正

    千田正君 二ツ谷君にお伺いしますが、今村長の答えた通り、今後どういう条件が仮に政府から提示されたとしても、内灘村民としては接収に対しては絶対反対であると、使用に対しては反対であると、こういう意向なのでありますか。
  132. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) お答えします。我々村民は条件というより、先ず祖先代々の商売と土地を放すという愛着の下に如何なる条件にも応じない、金より愛のほうが強いという気持から反対しておるのであります。
  133. 千田正

    千田正君 西田参考会にお伺いしますが、西田さんは県会議員も兼ねておられるようでありますが、石川県の県会では反対の決議をされたようであつて、先ほど知事さんのお答えの中に、その後多少自由党関係県会議員は考えたらどうかというようなことも言つておるそうでありますけれども、当初決議をされた通りの空気で現在も反対意思は十分にあるということでありますか、県会議員さんの全部は……。
  134. 西田与作

    参考人西田与作君) 先ほど知事の言われましたのは、県会は多分十月かと思いますが、反対の決議をいたしております。併しながら先般六月二日であつたかと思いますが、政府が閣議決定をいたしたことに対しまして、自由党はいわゆる新たなる事態として、我々はこれ以上反対できないと、こう申しておるのであります。
  135. 青山正一

    青山正一君 西田さんにお伺いしたいと思いますが、この問題の内灘村を含めた河北郡全部の選挙地盤をあなたは持つておられるわけなんですが、殊に有力な改進党県会議員でありますが、内灘試射場問題が起きたときに、最初林屋前国務相に賛成を進言しておりながら、参議院選挙以来反対派になつた。その理由として、つまりこのことは内灘村民の純真な民心に非常な影響を及ぼしておつたのじやないかと、例えば北国新聞か、北陸新聞かに、日共ですか、あのほうで西田さんの上京中の行動が不審でならないというようなことも書いてあるようですし、それからたしか金沢駅にお帰りになつたときに大分吊し上げをくつたとか、くわんとかいうことも伺つておるわけなんでありますが、その点について承わりたいと思います。
  136. 西田与作

    参考人西田与作君) 青山委員の質問の御趣旨がちよつと私判然せんのでありまする。が今の最初のは、林屋さんと一緒のときには賛成であつたけれども、その後反対を続けておる、金沢駅に来たときにも何か吊し上げというようなことは、ちよつと私はあなたの御質問の間に矛盾があるように思いまするので、ちよつとはつきりいたしませんが。
  137. 青山正一

    青山正一君 西田さんの上京中の行動が、六月三日の県の連絡協議会にこれは相当の問題になつて、宮西議員とか、越島議員とか、宮下議員あたりから相当追及されておるということは、私これは新聞を見たわけなんですよ。追及されていないというならば……。
  138. 西田与作

    参考人西田与作君) その通りです。
  139. 青山正一

    青山正一君 ところがあなたが上京中に、我々はこれは反対のための反対ではなく、政府地元も全部よくなるような解決策があれば全力を挙げて斡旋したいというふうな一言から、そういう問題が起きたようだと、私はそういうふうに解釈しておるわけなんですが、ところが六月二十三日の共産党委員会の発表に、最近の井村参議院議員の中央政界においての言動はこれは憂慮に堪えない、又西田県議の上京中の行動を究明してその処置をとることと批判されているというようなわけでありますが、あなたの上京中の行動というのは一体これはどういうことなんですか、その点今この席ではつきりすれば、これは今までそれに対する弁明というのは殆んどなかつたわけです。ですから、この席上ではつきり弁明されたほうがいいのじやないかと、そういうふうに考えて発言しているわけです。
  140. 西田与作

    参考人西田与作君) 只今青山委員さんにお答えいたしますが、林屋さんと前に一時使用のときには、先ほど私が申上げたのが言葉が少し足らなかつたかも知れませんが、決して内灘の接収に賛成はしておるのでありません。ただ干拓その他でいろいろお世話になつておりまするので、内灘との間のいわゆる交渉というものをどれだけ有志を呼んでやるか、それから有志に会うように警察官に道を開いたというふうに、その内灘との交渉の斡旋をどれだけかしたのでありまして、当時私の所属しておりまする改進党は、現段階では反対だということにきめておりましたので、私もやはり当初そのほうの世話焼きをしておりまするので……、絶対そういうことはありません。それから次の問題で私が何かいわゆる協議会でいろいろ批判され、いわゆる日共からも批判されておるのはどうかという問題は、私が今申上げたことによりまして、場合によつて林屋さんと一緒にこの問題をやつたのではないかという疑いの目から、県内の一部では、私が多少賛成側にあるのではないかというようなことで、実は先般県並びに議会、それから地元町村と共に、私は初めてこの問題の反対陳情に参りましたのでございますが、そのとき外務大臣に実は会いましたのでございます。従つてその外務大臣に会い、前日は伊関局長に会つておる。そのとき丁度問題になつておりましたが、石川県で一つ新聞がそういうふうに報道したのでありまするが、何かいい話があれば妥協してもよいというような、そんなやわらかい話は絶対しておりません、ここには伊関局長がいられますし、それから外務大臣とは一時間二十分乃至三十分に亙つてこの政府の不信を責めたのであります。絶対そういうことはありません。従つて協議会にそういうふうなことをはつきり私も断わつておりますし、それから日共がそういうことを書いたのは、単に一つ新聞報道したその新聞記事を基礎に批判をやつたものと思います。
  141. 青山正一

    青山正一君 まあ弁明を頂いて非常に結構だと思いますが、この五月の終り頃ですね、内灘反対県会議員とか、或いは労働組合の人々とか、或いは婦人代表、先ほどあなたのおつしやつた駒井さんあたりが陳情に上京されましたのですが、これは先ほど知事からの説明にもあつたように、あなたもそのときにおいでつたと、私はそういうふうに考えておるわけなんですが、そのときにあなたが反対の先頭に立たなかつたとか、或いは熱海へ行つているとか、どうとかというので大分新聞等で叩かれておるわけですが、そういつた点ははつきり弁明しておかれたほうがいいのじやないかと思います。
  142. 西田与作

    参考人西田与作君) 私は反対陳情には、今申上げました通り県と議会と地元と三者で来ただけであります。そのほかでは一回も県の上京反対陳情の中へは入つておりません。従つてそういうことを言うのは何かの誤解で、私も全然そういうことは気にしておりません。
  143. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 委員長からちよつと申上げます。今日は参考人かたがたに事の真相その他をお尋ねするという意味でございまするので、個人的なお立場等につきましては、これ以上触れないように希望いたします。
  144. 青山正一

    青山正一君 今度の接収によつて漁業上に及ぼす影響ですね。これは内灘の外海を、あなたは知らないと言いましても、河北郡出身の議員でもありますから、そういつた事情もよく知つておられますし、それから河北潟の内海のほうのあなたは会長をやつておられます。或いは七塚、宇ノ気、或いは高松のほうはあなたのほうの選挙区だろうと思いますが、そういつた漁村を含めてのお話を承わりたいと思います。この問題に関連して……。
  145. 西田与作

    参考人西田与作君) 青山委員から実は要求がありまするので、確かな、私の確信ある意見ではないのですけれども、御参考のために申上げておきます。内灘村の漁業組合は確かに私の連合会の一つの単位になつておりまするけれども、大体は内灘村はいわゆる外のほうが二、それから河北潟が一という、とにかく二対一の収入であるのであります。河北潟関係で確かにどうしても四、五千万円か乃至それよりちよつと上ぐらいかと思つておりますが、その一対二の割合で収入があるかと思います。それからその他のところに影響はないかどうかというのに、私は七塚及び宇ノ気方面はよく知りませんが、河北潟は現に間接被害と申しましようか、内灘漁業組合が外へ出られないものだから、いわゆる河北潟に出て来るというので、河北潟は漁法その他では多少の統制をやつておりまするけれども、全然そうしたものがいわゆる統制をされずに、何と申しましようか、無秩序状態になつておるというようなことは、いわゆる非常な間接被害であると思います。従いまして、私は当然この問題と不可分の関係にありまする宇ノ気、七塚方面も同様かと察しております。
  146. 岡田宗司

    岡田宗司君 これは内灘の村長へお伺いしたいのですが、政府で四ヵ月使用というふうにきめたときに、一戸当り五万円ですか、約五千五百万円の金を支出するということが閣議できまつて、調達庁を通じて内灘へ支払われたあの五万円のことですが、あの五万円について何か内灘のほうの側からして、五万円ぐらいは出せというような示唆を与えたことがあるか、それとも林屋氏のほうで、そういうことが妥当であるというので五万円ぐらい払おうというふうにしてあの五万円という問題が出て来たのか、ちよつとその点をお伺いしたいと思います。
  147. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) その五万円は私どもから要求したのではありません。そのとき漁業補償というものが甚だ少いものであるし、非常に遅れる、それからもう一つは皆さんに無理を願うのだからという意味で、見舞金として五万円差上げたいと、こういうことを承わりました。
  148. 岡田宗司

    岡田宗司君 それは初めからですか。それとも三百三晩かかつた交渉の結果ですか。
  149. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 三日三晩かかつたかどうかということはわからないけれども交渉の結果、私は金についてどれだけ下さいというようなことは全然言つておらないのですから、一つ承諾してくれ、してくれるなという相談が長くなつただけです。その六ヵ条の条項にいたしましても、別段手間暇をとつたわけではないのです。
  150. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、五万円の問題はあなたのほうから全然要求していない、それで林屋氏のほうから自発的にこの五万円を出す、だから承知してくれ、こういうふうに話を持つて来たわけですか。
  151. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) お答えいたします。それは林屋さんから出されたのでありまするが、とにかく漁業をやれないということになりますれば、すぐに食えないということが附いて来るのでありますから、林屋大臣のほうからその辺の消息を案じられてお出しになられたものだと思います。
  152. 岡田宗司

    岡田宗司君 それであなたは、五万円というまあ見舞金と言つておりますが、その見舞金は、四カ月間漁業ができなくなるということに対する見舞金として受取ることを承諾されたのか、それとも何かそれは永久使用の腹があるのだなということを薄々察知されて受取られたのか、その点一つはつきりお答え願いたいと思います。
  153. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 永久接収を承諾するとか何とかいう、そういう考えは全然なかつたのです。
  154. 岡田宗司

    岡田宗司君 それでは次に、河北潟干拓に非常に金がかかると、今度永久使用するについて畑地灌漑をやつてやろうとか、或いは道路を直してやろうとか、学校を直してやろうとか、まあいろいろな話があるようですね。船溜りを造つてやろうとか、そういうのも、あなたのほうからの要求ではなくて、干拓ができないのだからそういうもので我慢しろ、その代り永久使用に応じろというふうな形で政府のほうから話を持出したものかどうか。
  155. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) この畑地の開墾とか、或いは船溜りとかいうことは、政府からそういう案をお出しになつて継続使用をしたいから承諾してくれないかということで私どもにお頼みになつたわけです。
  156. 岡田宗司

    岡田宗司君 前には四カ月と言つておいて、まあ見舞金五万円という話がありましたが、今度は永久使用になることになつて、やはり畑地灌漑かできるまでにも、船溜りができるまでにも、皆大変困ると思うのですが、その間にじやあお前のほうも又困るから、一つ五万円見舞金出そうとか、或いは十万円出そうとか、そういう話は全然なかつたのですか。
  157. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) ありません。
  158. 千田正

    千田正君 私はこの際政府に質問したいのでありますが、先ほど中山村長さん並びに二ツ谷さんにお伺いした、並びに県会議員西田さんに伺つた場合に、現在内灘村の全村民は絶対に如何なる条件があるといえども、この問題に対しては反対である。こういう非常な固い決心のようであります。先般六月二十二日、本委員会におきまして外務大臣並びにここにいる伊関局長もおられましたが、その際私は憲法上も疑義があるというのでお尋ねしたのであります。やはり憲法第三章によるというと、国民の権利と義務が保障されてある。これに対して国際上いわゆる条約における命令或いは規約というものが果して憲法に先立つかどうかという点が非常に私は疑義がありますので、この点を外務大臣に質問したのでありますが、そのとき外務大臣のお答えとしましては、私は国民の基本的の権利というものはこれはもう当然認めらるべきものであつて、いわゆる人権は認めなければならんわけでありますが、同時にこれは公共の福祉であるとか、その他の理由によつて或る程度の犠牲といいますか、或る程度の制限はあることも、これは当然のことである。こういう答えを外務大臣が答えております。そこで私はこの点に疑義がありますので、いろいろ研究をしておりまるが、果してこれが公共の福祉に反するかどうか、公共の福祉とは何ぞやという問題に突き当つて来るというと、現在問題にされておるところのいわゆる日本国内における防衛軍の創設、或いは自衛軍の創設、それが日本国民のいわゆる公共の福祉であるかどうか、それに伴うところの内灘使用というものは果して内灘村民の、いわゆる国民の権利を侵害しやしないかどうか、ここに非常に憲法上の疑義があると思うわけであります。そこで私は伊関局長にお伺いするのでありますが、かように只今あなたがお聞きの通り内灘村民が絶対に反対である、如何なる条件があるといえども反対であるという、この国民に対しましても、政府当局としましてはどうしてもこの安全保障条約に基くところの日本の国内における演習基地として内灘村を接収しなければならない。こういう考えを今でも持つておられるかどうか。その点を一応お答え願いたい。
  159. 伊関佑二郎

    政府委員伊関佑二郎君) あの試射場が必要であるという政府の考えには全然変りはございません。それから全村民反対であると、現在はそうであるかどうか、私は存じませんが、十二日か、三日の晩に村会を開かれて審議され、その明る日でありましたか、日にもはよく覚えませんが、村会議員の大部分は賛成しようと言われたというような情報が来ております。これは情報でございますが、ですから全村民反対であるとおつしやるのは、その通りであるかどうかという点にやや疑問を持つものであります。
  160. 千田正

    千田正君 そこで私は更に伊関局長にお伺いするのは、内灘村でなければこの基地としての、試射場としての使用ができないものかどうか、日本国内において他に求めることは絶対に不可能であるかどうか。その点はどうでありますか。
  161. 伊関佑二郎

    政府委員伊関佑二郎君) 絶対に不可能ということはこれはないと思います。併し過去の経緯から見ましてそれから選びますときにも、あそこが最も適当な土地であるとして選んだのでありますし、それから現在のような情勢になつて参りましたならば、これをもつと不利な所へ移すというようなことは考えられません。
  162. 千田正

    千田正君 私は政府のほうでもう少しこの点において研究なり、或いは処置を考えらるべき問題ではないかと私は思うのでありますが、例えばここに第十章の最高法規の第九十八条における最高法規の規定並びに憲法第八十一条、いわゆる司法第六章の第八十一条というような方面と併せ考えまして、この国民の権利と義務という問題を考えた場合に、私は政府国民の福祉のためにもつとこの問題を考え、慎重に処置すべきものであると思うが、今後ともどうしても内灘を飽くまでも強制収用しようというお考えの下に進めて行かれるのか、或いはそれともなお更に村民と共に十分な了解を付けて、何らかのそこに条件を見出すことによつて解決しようとするのか、その二つのいずれをとられるか、一応お答えを願いたいと思います。
  163. 伊関佑二郎

    政府委員伊関佑二郎君) 私は事務当局でありますから、私限りの、私までのところで、上で変更があれば、これは存じませんが、恐らくなかろうと思いますが、内灘を変更する意思はございません。併し村当局、村の空気が納まりましたならば、これは村長から村の当局或いは県と十分御相談しまして、村のためにできるかけのことをしたいということは前から申上げておる通りであります。
  164. 千田正

    千田正君 これは外務大臣のお答えと伊関局長のお答えはどうかわかりませんが、日本の憲法のこの国民の権利義務を守るという点と、今の国際条約におけるところの法令或いは命令或いは規約というものが、いずれが芽行ずるかという点につきまして、伊関局長、あなた自身の御判断で結構でありますから、お答えを願いたいと思います。
  165. 伊関佑二郎

    政府委員伊関佑二郎君) 私は余り法律のほうは詳しくございませんが、行政協定ができました際に、こうした事態を予想しまして、国会において土地等の収用に関する法令と特令が法律としてできておるんじやないかと思います。
  166. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) 我々のほうの御質問が済んでおるなら……。
  167. 岡田宗司

    岡田宗司君 今の伊関国際協力局長の御答弁のうちに、内灘は皆反対じやないと、過日の村会において大部分の村会議員は賛成のようであつた。だから絶対反対とは思わん。こういうお話があつたのでありまするが、あのときに何か村会か何かでちつと昂奮の余りいろいろな問題が起つたように私聞いておりますが、その後あの問題のありました、まあそういうことは意見が分かれますから、あるだろうと思うのですが、その直後から今日に至るまでの内灘の内部における賛成、反対ということについて、村長並びに反対実行副委員長の二ッ谷君の御意見を承わりたい。
  168. 二ツ谷外次郎

    参考人二ツ谷外次郎君) お答えいたします。伊閣局長さんが、今情報によりますと、八割までは賛成と言われましたがへ村会は五月十四日に反対声明書を出しておられます。その声明書を御了承せずして、ただ情報だけを述べられておることは卑怯だと私は思います。
  169. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 中山村長から何か。
  170. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) お答えいたします。今局長さんからおつしやつた議員の多くはという、それは五日の新聞にどこそこの議員が何名、どこそこの議員が両名参集したとか、賛成したとかいうようなことが新聞記事に載つておりましたが、それらの情報ではあるまいかと私は考えます。それから今岡田委員がおつしやつたところは、今も賛否を聞くというようなお話でありましたけれども、少しも変つておりません。
  171. 岡田宗司

    岡田宗司君 現在反対である、全村挙げて反対である、こういうふうに村長は言われるのですか。
  172. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) もう一度おつしやつて頂きたい。
  173. 岡田宗司

    岡田宗司君 現在は全村は挙げて反対、伊関局長の言われるように賛成も相当あるというふうな情報は真実でないと、こういう考えですか。
  174. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) それは何分七千人もおる人間のことでありますから、一人、二人はそういう人があるかも知れません。併し今お尋ねになるような、賛成も相当あるというふうなことは私は認めておりません。大体全体が反対しておるものと思います。
  175. 青山正一

    青山正一君 内灘村長にお伺いしたいと思いますが、六月三日の村民大会で辞職勧告を受けたのは、あなたの行動にやはり賛成するとか、或いは反対するとかというような点についてはつきりしないところがあつたので、そういつた辞職勧告を受けたのじやなかろうかと考えるが、どうなんですか。それから六月の十四日に、これは日本ニユースか、何か全部映画のニユースに出ておりますが、大分村で騒いでおつた。そうして米林議員が袋叩きになつておる状態が映画のニユースにも載つておるのですが、その際において米林議員は一体どんな発言をしたのですか。
  176. 中山又次郎

    参考人中山又次郎君) 六月三日の辞職勧告を受けた理由は、村長の態度が甚だやわらかいというのでございました。村長の態度が非常に強硬であつたから、政府が強制接収もやむを得んという態度に出られたのであるから、それではつきりしておるはずだ。そのように私は村民に言いまするけれども、それだけの理解が今の段階では耳に入らない。それから今一つは、六月の二日、外務大臣にお目にかかつて、私は三日の朝帰つたのですが、その二日の或る新聞に、先ほど西田さんも言われたような、何か条件さえよければ云々というような記事が書いてあつたのであります。それを、村長は売りに行つたのだ。反対陳情行つたのじやない。売りに行つたのだ。こういうふうになつて、にわかに燃え上つた。つまり急になつて来た。こういうふうに私は解釈しております。それから十四日の米林議員が袋叩きにあつたというのは、村民協議会場へ一ぱい詰めかけておりまして、そうして暫らく休憩をして、この傍聴に来ておられる村民の人たち反対の理由を今一偏はつきり聞こうじやないか、こう言つた。そこでその激昂しておる村民は、今更反対理由を聞く必要がどこにあるかというところに反感があつたように私は見ております。
  177. 青山正一

    青山正一君 先ほどからの砦さんの質問に対する参考人のお答えを聞いておりますと、知事さんと二ッ谷さんの意見も、これにはつきわ反対というような建前で進んでおるわけであります。今まで誤解であろうと思いますが、西田さんの問題にしましても、それから村長の問題にしましても、そういつた一貫した方針がないんじやなかろうか、こういうふうに世間がら誤解されておるわけなんです。はつきり言つて、例えば船溜り、漁場の問題にしましても、そういつた点が多分にあるのじやないか。中山村長のいわゆる漁区の問題にしましても、あの際私が、一時使用を受ければ必ず将来問題になるぞ。反対なら反対、受けるなら受けるということで一貫した行き方で進んで行がなければならないということを私は御注文申上げておるわけであります。そういつた点が非常に現在の状態において、この中山さんなり、西田さんは後悔の念を持つておられるかどうか、この点について承わつておきたいと思います。
  178. 西田与作

    参考人西田与作君) いろいろとたくさん質問があるので、簡単に申上げますけれども、徹底せんかも知れませんが、私は終始一貫した考えでやつておるのであります。従いまして私の定対の理由は、いわゆる内灘村と私は一番関係が多いのでございまして、内灘村の態度如何によつて私は反対賛成ということに実は重きを置いておるのでございます。勿論日本国民でありますので、いろいろな点も多少何はありますけれども、従つて内灘態度如何によつて私の態度を私はやつておる。ただ最近私がいろいろなふうに、青山さんがどんな記事でそういうふうに考えられるかは知りませんけれども、県会等の協議会等ではつきり言つておることは、要するに共産党並びに共産党とは一線を画せ、それから赤旗ということは私は嫌いだ。今少しく村民が自由な、いわゆる言論の自由な立場に立つてこの内灘村の非常な重大な時期に十分なる衆智を集めて、而も智能を絞つた考え方に進む問題であるにかかわらず、少し興奮し過ぎておるというようなことを申上げることが、現在の段階におきまする内灘のあの興奮状態に非常に合わんのであります。併しながら最初から私はそんな政府から金一文もらつておるわけではありません。私は最も内灘に対する県会議員として関係の多いものが、なぜ好んで、何で好んでそういうことを言うかと申しますと、これは私は内灘村を最も愛するがために、正しき方向に行くために、内灘村で例えばいろいろなことで言われんようなことを、私が代弁して言わなければならんというような気持で私はやつておるのでございまして、但し今日の私は政府の処置に対しましては非常に私は忿懣を持つておるのでございます。それはどうかと申しますると、いわゆる四月で打切るということをあれだけはつきりしておいて、而も地元交渉の上に決定すると言いながら、何ら地元交渉をなさずして、一方的に一存できめたということに今日の、いわゆる村民の憤りがあるのでございまして、その点最も日本国民に対して道義、道徳を守るべき政府が、殊更に四月で打切ると称しながら、はつきり国務大臣を使いに寄越して、断然これは打切るということを声明しながら、あえていわゆる兵器製造業者に頼まれたかどうか知らないけれども、何らの交渉をなさず、最後に一遍はいわゆる次官が来られたのでありますけれども、そうしたことによつて処置を決定するというような措置は誠に私は不都合なる処置である、こういうふうに考えているのであります。但し今の段階においては私はむしろ私なりに正しい方向に従つて私は行動している。いささかも最初から変りはありません。このことを一つ申上げておきます。
  179. 青山正一

    青山正一君 ただ非常に世間の問題になつているのは、今度のこの内灘の問題のいろいろ補償の問題とか、或いは道路の問題、船溜りの問題は、林屋さんとあなたとがよく協議してやつたというような誤解の目で以て見られていることもあるわけなんですが、それは恐らくあなたもそういうふうに言われたことはあろうと思います。そんな点はどうなんですか。
  180. 西田与作

    参考人西田与作君) そういうことは断じてありません。林屋さんとさようなことについて打合せをしたことはただの一遍もありません。そのことだけはつきりお答え申上げておきます。
  181. 柴野和喜夫

    参考人柴野和喜夫君) ちよつと補充的に……。実は内灘村民なり、我々がこういうところへ出て来てしかつめらしい話をなさいますと、甚だ場合によりますと真実から遠去かるような事態が生ずる危険性がある。要するに我々にいたしましても、内灘村民にいたしましても、この内灘試射場が賛成か、或いは好きかと言われたら誰も好きな者は一人もおりません。全体が不賛成なんだ。ただ国家の大局の上から見て、不賛成であり、嫌だけれども、どうかして最後に折れるかどうかという問題だけが残つている。従つてその折れるかどうかについて、絶対折れんという見解のかたもあります。又ここまで来たらやむを得んからおんりしようじやないかという気持になつている人もあります。従つて先ほど来、その人を以て、それならば賛成の人だ、こういうふうに定義付けられては、今の西田さんでもその人自体が迷惑する、決して賛成じやない。従つてその辺のところを十分承知で、皆の、我々参考人の言うことを十分一つ、言外にその他の含みのあるニユアンスを御了承下さいまして御判断を願わないと、事態から遠去かるのじやないかという感じがいたしますので、あえて申上げます。又私自身は、これは参考人として申上げるのは如何かと思つて差控えておりましたが、林屋邸において内灘村民の幹部と政府とが話合をした、その当時においては副知事がこれに立会つているのであります。勿論副知事は県の立場において立会つている。それについて進行係をしているのでもなければ、双方おやりになつて、折角国務大臣が来ておられるのですから、差出口をしているわけでもありませんが、その後の事務における私に対する報告によりますと、その空気は極めて和気靄々たる結果に……反対は強かつたけつれども、最後にはとにかく四ヶ月ということで折れ合つた、そのときの空気から言つて政府がひよつとしたらこの空気なら明日はいい風が吹くのじやないか、四月になつて結構いい風が吹くのじやないかということで、政府が思い過しで、それが無理だということも言い切ることができないのじやないか。私の言い方は婉曲でありますが、十分御理解願いたいのでありますが、そういうような報告が来ております。従つてそのときの四ヶ月は、何も村長にしても、四ヶ月以上のものを認めるという報告は受けておりません。四ヶ月以上は皆反対であります。併しながらにこにこした顔の底に非常に冷たいものがあるかどうかということによつて政府の判断の分れが出て来たのじやないかというふうに私は考える。従いまして、そのときの政府話合を今になつてああだ、こうだと、こういう四角四面の場所で理詰めにされるのも、事態にあれされるというのは危険でありますから、これらの点も十分、甚だ失礼でありますが、御勘案下さつて、御判断をお願いしたい、蛇足でありますが、申上げておきます。
  182. 森崎隆

    委員長森崎隆君) ほかに参考人各位に対して御質疑ございませんか……。それでは参考人各位に対する御質疑は一応これで終了いたしました。  参考人かたがたには、遠路わざわざ御上京頂きまして、本日ここに御出席頂きましたことを厚く御礼申上げます。本委員会におきましても、この問題につきましては、皆様方が心配している以上に、漁民の立場に立ちましていろいろと何とか解決の途がありはしないかという苦心の上に立つて努力を今後も継続するつもりでございます。皆様方もそういう立場一つ今後とも御協力頂きたいと思います。どうも有難うございました。  それから政府委員に対しまする質疑は如何いたしましようか。ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕
  183. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記を始めて下さい。
  184. 岡田宗司

    岡田宗司君 それじや一つ調達庁のかたに先ずお伺いしたいのは、名古屋の調達局から内灘の各漁業協同組合に対して、漁業権等の行使制限通知書というのが十二月十五日に発せられております。そのうちにはつきりと、制限開始年月日、昭和二十八年一月一日、それから制限期間昭和二十八年一月一日より昭和二十八年四月三十日までと書いてあつて、これに対して漁業協同組合の代表者から承諾書が行つているわけですね。あなたは直接やられたかたじやないからなんですけれども、どうなんですか。制限通知を出されたときには、調達庁のほうではやはわ内閣のほうで四ヵ月ときまつてつたというので四ヵ月である、それ以上のことは何にもお考えにならないで、ただ四ヵ月の使用制限というつもりでこの文書を出されたものであるかどうかということをお伺いしたい。
  185. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) お答えいたします。実は調達庁の仕事というのは、御承知のようにケース・バイ・ケースの問題が多うございまして、具体的な事実はそのときの当事者でないと十分わからんと思いますが、ニユアンスがわがらん場合が多いのでございます。私個人のことを申しまして甚だ相済まんのでありますが、実は私本年六月の一日付でこもらのほうに赴任いたしまして、大体の様子は前の部長から聞いております。それによりますと、勿論その当時、継続使用の問題がちらほらと新聞には出ておりましたが、その当時としては一応円満に収まつたという報告を受けたのでございます。只今岡田委員からの御質問でございまするが、我々の書類面から申しますところの契約期間というものは、勿論現在この書類に書いてございますところの昭和二十八年の一月一日から昭和二十八年の四月三十日まで、これが我々の契約した期間でございます。それ以外のことにつきましては、純事務的な考え方では我々は何にも関知しないわけであります。
  186. 岡田宗司

    岡田宗司君 こういうような今度の内灘問題のように、国務大臣が直接出向いて期限等についてきめたということは前例が全然ないことなんです。普通のケースの場合には、大体こういうような契約をするに当つて、期限等を定めるのは、或いはいろんなほかの条件を定めるの、調達局とそれから地元とやるごとになつておりますか。
  187. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) お答えいたします。只今の御質問では二つほどの要素があると思いまするが、我々のきめます仕事と、それから閣議、上のかたとおつしやいましたが、その上のかたがどういう意味なのかはつきり私には承知できないのでありますが、大体こういう一時使用であるか、昔は永続使用、今は継続使用と言つておりますが、同一のことでございますが、継続使用であるかということは閣議決定の際にきめられるわけでございます。期限と申しますと大体今申しましたその閣議の一時使用、一時使用の場合には何月何日ということがある場合もありましようし、大体ただ何ヵ月間ということがあると思いまするが、継続使用の場合は無期限ということになつております。こういう期限の問題は大体閣議できまります。それからいろいろな条件という話がございまするが、駐留軍に対する施設の提供義務というものの遂行のための事務をやる我々といたしましては、大体そういうような具体的な条件をそれぞれ個々のかたがたに当つて、原則といたしましては自由意思によつてそれぞれの契約をいたして行くと、こういうことになつております。
  188. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今のお答えですと、この日米合同委員会できまつたことを閣議で以て更にこちら側できめてそれの整理事務を調達庁で取扱うというふうにまあ受取れるわけですが、四月三十日で期限が切れたわけですが、その以前において調達庁のほうで内灘漁業協同相合長に対してこの使用制限を更に延長するというような申入はしておつたかどうか。或いは四月三十日以降において改めてその使用制限の通知を出して、それの承諾を受けたかどうか、その点をお伺いしたい。
  189. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) 只今の御質問でございますが、私ちよつと先ほどのところで説明が足りなくて、岡田委員に誤解があるかと思う点が私自身の想像でございますので、一応御了解願つておきたいと思います。私たちが事務と言つたのはいわゆる調達庁の事務でございまして、只今岡田委員の言われました日米合同委員会の事務局の事務と言われた意味つたら、これはちよつと誤解だと思いますので、御了承願いたいと思います。只今の御質問でございまするが、五月或いは六月からいつ頃になりますか、よくわかりませんが、使うというようなことは新聞なり情報で一応は知つておりましたが、正式に調達庁のほうに継続使用をするから、こういうような事務をどうこうということは今まで我々のほうにはつきりした通知がありませんので、勿論閣議決定の通知は、ございましたが、その後の具体的なアクシヨンをとる通知が相互に連絡がとれておりませんので、現在まで何もやつておりません。従いまして漁業組合あたりに調達庁からどうこうするということは現在のところやつておりません。
  190. 岡田宗司

    岡田宗司君 今までの例で調達庁から漁業権の行使制限の通知なしで勝手に使つておるところの例がありますか。
  191. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) 現在まで行使制限の契約なしで、従来PD時代から継続してやつておるというようなケースが相当あるので、こういう問題はすべからくルートに乗せなければいけないというので、我々のほうでも折角そういうようなものを拾い上げまして、これを日米合同委員会のほうに提示してルートに乗せるように現在努力しておるケースはあります。
  192. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、占領時代から継続して使用しておる所については調達庁はそういうような措置はとつていない所もある、こういうことだが、併し占領後に新らしくアメリカ軍が使用する所においてそういうケースはあつたかどうか。
  193. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) 特に漁業に限つたことではありませんが、ほかにこの前に一件ほどございまして、地方の調達局から、こういうことをされては困るという相談がありましたので、我々としては正規のルートに従つた調達方式でないと困るということから、現地は勿論、現地の調達局で地方使用しておる軍の上司というものと折衝いたしますし、又我々のほうは日米合同委員会に申込みまして、取消してもらつたようなケースも私は一つ記憶しております。
  194. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、調達局の見解としては、使用制限の通知書を出して、そうして使用制限に対して承諾をするという手続が必要であるという御見解に立つておられるように思うところが現在内灘の問題につきましては、そういう使用制限の通知も何も出しておらん。従つて承諾書も出ておらん。そうすると、政府が閣議で決定して、そういうような手続も何も経ないで、そうして自分できめた法律なり、行政方式なりを無視して勝手にやつておるということになる。これはまるで何と言うのですか、専制時代の政治と同じことなんです。こういうようなことは我々としては承認できないのです。調達庁はこの点についてやはり政府のほうから通知書を出すべきが至当であるというお考えですか。
  195. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) 先ほど私から答弁いたしましたときには、契約書は作つて相手方に何にも通知はしていないと、こう申したのでございますが、この操業制限の告示は現在なお生きておるのでございます。内閣から出しました告示が生きておるので、一応制限期間内にはそれは入つておるわけです。ただ五月以降の契約につきましては、何ら処置をとつていない、こういうことに御了承願いたいと思います。
  196. 岡田宗司

    岡田宗司君 告示が問題なんですが、その告示はそれじや無期限になつておるのですか、それとも四月三十日までという日を示されておるのか、その告示を一つ見せてもらいたい。
  197. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) 只今官報をお出ししますが、告示には期限は付いておらないのであります。
  198. 千田正

    千田正君 今のお答えに私も続いて伺いたいのだが、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法のうちの附則の中には、「この法律施行の際、連合国最高司令官の要求に基く使用を現に継続している土地等で、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約の効力発生の日から九十日を経過した後、なお引き続いて駐留軍のために使用する必要があるものについて、土地等の所有者及び関係人との間に使用についての協議が成立しないときは、」、こういうのがあるのだが、これによると今のお答えとちよつと変るのですがね。
  199. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) 只今の御質問に対しましては、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用に関する特別措置法というのを御指摘になつたようでございますが、只今議論いたしておりますのは、法律二百四十三号に基くところの漁船の操業禁止に伴う法律の関係なんでございますが、その点一つ御了承を願います。
  200. 千田正

    千田正君 それは了解しますが、この点さつきあなたのお答えの中に、漁船のうちに通知をしないでやつているものがたくさんある。即ち私はこれを今の第三条に基くものについて、従来も占領軍がいた当時からそのまま継続して使用しておる土地その他に対しては、この条項」当てはめて九十日以内に通告をして、それによつてつているかどうか。
  201. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記をちよつととめて下さい。    〔速記中止〕
  202. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記を始めて下さい。
  203. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) 只今の御質問でございまするが、この土地等の使用に関する特別措置法に対する附則の二の関係の九十日以内というものにつきましては、我々のほうは正規のものは全部通知を出しております。
  204. 千田正

    千田正君 土地と漁業権とは不可分の関係にあると思いますが、その解釈は如何ですか。
  205. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) 土地も漁業権も国民の利害を侵害した場合に対する措置としては同様に取扱わなければならないことは勿論でございます。ただ手続上の問題その他におきまして根拠法規が違つているところで、その間の相違は若干あると思います。
  206. 千田正

    千田正君 私の聞きたいのはその根拠ですよ。土地と漁業権という、漁業権というものが土地と不可分の状態にあるはずなんだが、あなたの考え方から言えは多少差異があるように思われるんですが、それはどうなんですか。
  207. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) お答えいたします。只今の御質問でございまするが、先ほど申しましたように、大体我々としましては、漁業権の補償と土地の使用に伴う補償とは一応根拠法規を違えておりますが、只今の土地収用法に準用するところの漁業権の問題を土地と共に補償するという規定が第五条の三項にあるのでございますが、これは現在我々の取扱つているものの中には該当するものは一件もございませんです。
  208. 千田正

    千田正君 自由漁業に対する操業制限の問題はどうしますか。
  209. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) お答えします。自由漁業につきましては、只今委員会でやつて頂きますところの特別損失の法案の中で、大体救済できるものが多いのじやないかと思います。
  210. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  211. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記を始めて。
  212. 岡田宗司

    岡田宗司君 それぢや千田委員に対する御答弁はちよつとあとでお願いすることにして、私は和栗入植課長にお伺いしたいのです。内灘村の権現の森は先ほどの村長との話によりますというと、まだ強制収用になつておらんわけです。そうして政府のほうは副知事を通じて話合で片付ける、そうしてその話合が付かない場合には、まあ強制収用の方法をとるように言つているのですが、すでに政府ではそういうような話合の措置を講じたか、或いはもう話合の見込がないから、いきなり強制収用をする手続をとろうとしているかどうか、その点を一つお伺いしたい。
  213. 和栗博

    説明員(和栗博君) 強制収用の措置をとるかどうかという点につきましては、これはやはり上のほうで状況を見て頂いて決定になるものと思います。現在のところでは、やはりできるだけ話を地元と懇談してまとめたいという気持は持つておるわけでございますが、結局その辺の見通し、或いはどういうふうに最後に断を下されるかということは、結局これは上の問題になつておりますので、御了承願います。
  214. 岡田宗司

    岡田宗司君 権現の森については、先にやはり一月一日から四月三十日まで使用するという通知を出して承諾書を得たという関係になつておりますか。
  215. 和栗博

    説明員(和栗博君) 私が聞知いたしております限りにおいてはそういうことになつておると思います。これは主管は調達庁になりますが、多分そういうことになつておると思います。
  216. 岡田宗司

    岡田宗司君 不動産部長、その通りですか。内灘の私有地、権現の森で四十何人の土地を所有している者がおる、四十一人ですか。それに対してはやはり一月から四月三十日までの期限でその使用の通知書というのですか、出して、それに対する承談書というのを受けましたか。
  217. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) 只今の御質問にお答えいたしまするが、御質問の通りでございまして我々のほうとしましては、一月一日から四月三十日までの賃貸借契約で行つております。
  218. 岡田宗司

    岡田宗司君 現在はもう賃貸借契約がないことになつておりますね。そうしますと、現在は権現の森は元の所有者の自由なる使用ということは法律的に根拠があることなんだと、こういうことなんでしよう。
  219. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) お答えいたします。現在権現の森とかいう所の私有地につきましては、制限しておらないと、こういうように聞いております。従いまして私どものほうとしましては、何ら手続きはとつておりません。
  220. 岡田宗司

    岡田宗司君 お伺いしたいのですが、漁業のほうは四月三十日で以て制限の期限が切れておる。今何も関係がなくなつておると、こういうことなんですね。告示が出ておるというのですが、告示は、これはやはりこういうちやんとした期限が付いておるということを前提としての私は告示だろうと思うのでありますが、とにかくそういたしますと、政府はもう勝手にあそこの漁業権を制限しているのだ、そしてアメリカ軍にあの土地を使用させておる、漁業権を完全に侵害しておる、何ら法的根拠なくして侵害しておると、こういうふうにしか考えられないのですがね。今のように何ら使用制限の通知書も出さず、承諾書もとらないで、それで政府が勝手に使用しておることはこれは違法だと思うのだが、不動産部長の一つ考えはどうか、これは一体適法であるか、或いは違法であるか、その点はつきり答えてもらいたい。
  221. 山中一朗

    政府委員(山中一朗君) お答えいたします。我々調達庁といたしましては、施設提供に関しましては、最終的な段階において各当事者と契約を結び、その施設提供の調書を作りまして米軍側に渡すことを以て完了すると思つております。ただ、現在内灘の問題につきましてお尋ねでございまするが、この問題が現在確かに閣議決定をいたしたことは我々も通知を頂いておるのでありまするが、現実にいろいろな了解事項は、日米合同委員会のほうでアクシヨンをとつておられるそうでございますので、その結果を我々待つているわけであります。
  222. 岡田宗司

    岡田宗司君 和栗入植課長は日米合同委員会のほうに出られておると思うのですが、日米合同委員会内灘使用決定したと、そうすると、日米合同委員会のほうでは調達庁を通じて内灘のこういうような漁業権の制限なり、何なりに関する通知書を出して、その承諾書を受取らなくても勝手に使用できるという見解でしようか。その点を伺いたい。
  223. 和栗博

    説明員(和栗博君) お答えいたします。お話通り日米合同委員会に出ておりますので申したいと思いますが、合同委員会では米軍のほうに……。一般的に申上げますが、合同委員会でやつております仕事は、一応米軍の申入を大体一遍受付けまして、その内容地元のほうに下ろしまして、地元のこれに対する意見希望、その他をとりまして、日本側のほうの各省から委員が出ておりまして、審議をしましてそれからそういうような日本側としての一応のプランを作りましてアメリカ側と折衝をやつておるというようなふうの仕事をいたしております。折衝の途中におきまして、やはり米軍側と話が必ずしも地元の言う通りにまあ合わないというような関係がございまして、折衝の途中におきまして、いろいろその話合をしております間に内容が変つて参ります。その内容が変りますと、それをやはりその都度地元県庁なり、或いは地元関係町村の村長なり、代表者のかたへは連絡して相談しつつ、又折衝を継続して行く。そういうような恰好で仕事を進めて参つております。大体そういう面で日米間で話がまとまりました場合に……、只今申上げましたのは合同委員会の中の分科会の仕事になるわけでございますが、分科会で大体話が日米間でこういう工合に折合つたという場合には、大体それでいいかということを日本側といたしましては閣議にかけまして、閣議のほうでそれでよろしいとか、或いはここをこういうふうに訂正しろというような話がありました場合には、日本側の最後案ができ上るわけでございますので、それで本会議で正式に採用すると、そういうような恰好て仕事をいたして来ております。内灘村の場合も大体そういうような恰好で仕事が進められまして、上のほうで御決定なつたわけでございます。そういうふうに決定になりました後は、大体先ほど調達庁のほうからもお話がございましたように、その線に沿つていろいろの地元かたがたの契約その他が行われるというような恰好になつておる始末であります。
  224. 岡田宗司

    岡田宗司君 内灘の問題に限定してお伺いするのですが、すでに内灘の再度使用の問題については、日米合同委員会で調印をしておると、そうして正式な手続はもうすでに完了しておる。こう見ていいのですか。
  225. 和栗博

    説明員(和栗博君) 私の只今記憶いたしております限りにおきましては、内灘地区は米軍のほうに提供いたしました施設区域のリストの中に一時使用ということで挙つております。一時使用の……、いわゆる二つのグループに分れておりまして、よく問題になります永久使用というやつと、一時使用という大きなグループに分れております。その中の一時使用のほうになつておりまして、期限は付いていないと私は記憶いたしております。恐らく合同委員会のほうでは一時使用の中に入つておるのでございまして、手続的には別に今何もしていないというふうに、事務局といたしましては、そういうことはしていないというふうに考えております。
  226. 岡田宗司

    岡田宗司君 国際協力局長は永久使用、言葉はあとで改めて継続使用と旨つておりますが、そうすると、これは永久使用の部類に入つておる、ところが正式の決定は一時使用じやないか。何もかにもめちやくちやなんです、而も再開に当りましては何らの手続がなされないで、漁業権の制限が行われており、勝手にアメリカ軍に使用させておる。これは政府自体が法律も無視すれば、何もかにも全部無視して、アメリカの言うなり放題になつて内灘を使つているということが明らかになつておる、これは調達庁のほうや、或いは入植課長にこの責任を問うたところでどうにもしようがないのです。これは日米合同委員会日本側の代表なり、或いは外務大臣なり、他の調達庁長官なりにこの点はつきりさせなければならないと思うのですが、今日は責任ある御答弁が得られませんから、この点を更に改めて、それらの責任者にお伺いして、はつきりしたことをここに明らかにしてもらわなければならない、こう思います。
  227. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それでは本日の委員会はこれで散会いたします。    午後四時四十一分散会