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1953-06-19 第16回国会 参議院 水産委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十八年六月十九日(金曜日) 午後一時四十三分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
森崎
隆君 理事
秋山俊一郎
君
千田
正君
委員
青山 正一君 野田 俊作君 菊田 七平君
政府委員
水産庁長官
清井
正君
事務局側
常任委員会専門
員 岡 尊信君
常任委員会専門
員 林 達磨君
—————————————
本日の会議に付した
事件
○
水産政策
に関する
調査
の件 (
北洋漁業
に関する件) (
国際漁業
の
現況
に関する件) (
台風被害
に関する件) ○本
委員会
の運営に関する件
—————————————
森崎隆
1
○
委員長
(
森崎隆
君) それじや
委員会
を開会いたします。 今日は
北洋漁業
に関する件を先ず議題にいたします。今日は
水産庁長官清井正
君、同
生産部長
の
永野正二
君のお二人が参
つて
おります。
千田正
2
○
千田正
君 この
北洋漁業
は、
日米加漁業条約
が結ばれたのちに、第一回の終戦後におけるところの
北洋漁業
への
進出
を昨年や
つた
のでありますが、その成果についてはすでに
水産庁
及び各
委員
が御
承知
の
通り
でありますけれ
ども
、本
年度
は第二年目としまして、昨年とは
漁場
を又変えた
方向
に向
つて
出漁
したはずであります。現在までの
状況
はどういうふうに行
つて
おるのか、その
北洋漁業
というものは将来日、米、
カナダ
ばかりじやなく、ソ連その他の国際的な
一つ
の我が
日本
の北方の
漁場
であるだけに、我々は非常なる関心を持
つて
取組んでおるだけに、今度の
出漁
の
経過状況
はどうであるかという点につきまして、一応
長官
から或いは
部長
からの御
報告
を頂きたいと思います。もう
一つ
。それは
朝鮮
の問題が休戦という
方向
に向
つて行つた
場合に、今まで閉されておるところの
朝鮮
と
日本
との間の
曾つて
の
交渉
中であ
つた
漁場
の問題は、再開の
見通し
がどうであるか、或いは
台湾
と
日本
との間の
漁業
の
関係
はどうであるか、或いは
濠洲
と
日本
との間におけるところのアラフラ海の真珠貝の
採取等
に基くいわゆる
漁業条約
、そういう面にはどういう
進展
を及ぼしておるか、この
北洋漁業
の問題、
国際漁場
への
進出
に対する現在の
状況
との二つの
観点
から、
長官
並びに
部長
からの
経過
御
説明
を願いたいと思います。
清井正
3
○
政府委員
(
清井正
君)
只今
の御
質問
の第一点でございますが、
北洋
の
出漁
につきまして、
只今千田委員
の
お話
は主として
鮭鱒漁業
についての
お話
が中心であ
つた
よう
に承わりましたので、取りあえず
北洋
の
鮭鱒漁業
につきまして、簡単に本
年度
におきます今までの
経過
を申上げまして、なお御
質問
に応じてお答え申上げたいと思います。今
年度
は昨
年度
に引続きまして、いわゆる
試験操業
の第二年目といたしまして
出漁
をいたしておるのでありますが、昨年と
同様母船式
を以ちまして三
船団
を編成いたしたのであります。
独航
船は昨年よりも殖やしまして八十五隻、そのほ
かに
調査船
が二十隻ございます。更に
政府
が直接民間から用船をいたしまして八隻の
調査船
を派遣いたしまして、四月の二十九日に
函館
を出帆いたしまして、五月九日にアムチトカ島
西南沖
において
操業
を
開始
いたしたのであります。
操業
の
開始
の当初におきましては、水温が
一般
に低くありまして、よい地帯と申しますか、よい場所が非常に狭いために、
船団
が非常に密集いたしまして
操業
いたしました等のために、
最初
は非常に
漁獲高
が不振であ
つた
のでありまして、平均罹
網率
は一・七尾に過ぎなか
つた
のであります。その後
漁場
を
南方
のほうに移しましてから、平均罹
網率
が、二・四から二・九くらいにだんだんと好転をいたして参
つて
おるのであります。五月二十日以後だんだん
漁場
を西のほうに移して
参つて操業
をいたしておるのでございますが、六月に入りましてからは非常に
漁獲
がよくな
つて参
りまして、最近では平均罹
網率
は六・一尾ということにな
つて
おるのでありまして、この
調子
で参りますれば、おおむね
計画
を達成し得るのではないかというふうに考えておるのであります。ただ残念なことに、
操業
中一人
犠牲者
が出まして、大しけのために行方不明を出したのでありますが、誠にこの点は遺憾に堪えない点であると考えておるのであります。なお
数字等
につきましては、又後刻御
説明
申上げたいと思いますが、大体現在までに百二、三十万尾の収獲を挙げておる
よう
に統計が出ておるのであります。なお詳しくは又後ほど申上げたいと思います。まあさ
よう
なことでありまして、本
年度
で大体
試験操業
の二年目を終えるのでございますが、
只今
までの
状況
では、大体
最初
は悪か
つた
けれ
ども
、だんだんと好転しておりますので、当初の
計画通り
これは遂行できるのではないか、こういうふうに考えておる
状況
であるのであります。その点が
北洋
の
鮭鱒漁業
の問題であります。 なお更に御
質問
の点は、いわゆる東海、
黄海方面
或いは
台湾等
の
関係
につきましての御
質問
でございますが、私
ども
最近この問題に鑑みましては、
日韓会談
を続けている現在でもございますし、その
方面
におきまする
情勢
を非常に
注意
をいたしているのでございますが、
中共方面
は去る三月頃集団的に約十隻近いものが拿捕されまして、最近又一隻拿捕されております
よう
な
状況
でございまして、その後
拿捕船
も帰
つて参
りませず、拿捕された人員も帰
つて
来ないという
よう
な
状況
でございますが、御
承知
の
通り
の
よう
な相手でございますので、未だそのままにな
つて
いる
よう
な
状況
であります。
台湾方面
におきましては、やはり
台湾
と
中共
との
特殊関係
上、
国府
の
警備船
が相当その
方面
へ出ておりますので、ときどき
日本
の
漁船
が
国府
の
警備艦隊
から
注意
を受けまして、この辺は
警備区域
であるから外へ出てくれと、こういう
注意
を受けまして退去いたしている
事例
が相当ございます。併し
拿捕等
の
事例
はない
状況
でございます。その他
南方方面
の
濠洲関係
でございますが、この点はすでにこの前
永野部長
より御
説明
申上げましたが、なお依然
交渉
は継続をいたしておりまするが、さしたる
進展
を見ず、窮極には双方が誠意ある
交渉
は続けているのでありまするが、未だそのままの
状況
を続けている、こういう
状況
でございます。
千田正
4
○
千田正
君 先の
北洋漁業
の点でありますが、若しわか
つて
おれば、現在の百三十万尾という
操業日数
と昨年と比較しての業績はどういう
状況
であるかということと、それから昨年は比較的「べに」のほうがとれなか
つた
よう
な
報告
を受けたのでありますが、本年はそういう
魚種
の面においてはどういうふうであるかという点、それからもう一点はこの
鮭鱒
ばかりでなく、「
かに
」工船が今動いているはずでありますが、この
成績
が若しわか
つて
いるならば、概略でも結構でありますからお知らせ願いたいと思います。
清井正
5
○
政府委員
(
清井正
君) それでは少し
数字
を細かく申上げたいと思います。先ほど申上げました「
さけ
」、「ます」でございますが、これは六月十五日までの計でございますが、
船団
が三つございまして、
明晴丸
、これは
日魯
でございますが、
明晴丸
の
船団
では四十八万二千尾とれております。それから
海幸丸
、これは
日水
でございますが、これは三十七万八千尾、それから第三
天洋丸
、これは
太洋
でございますが、これは五十三万
程度
でございまして、これは
計画
に対しましては
最初
の
明晴丸
は二四%、次の
海幸丸
は二六%、
天洋丸
が二四%、こういうことにな
つて
いるのであります。ところが
予定
の
漁期
は五月の十一日から八月の十日までということにな
つて
おりますので、今までの
経過日数
の
予定漁期
に対する
割合
を見ますと、三九・一%ということで約四〇%も
経過
をいたしているのであります。ところが
数字
は今
言つたよう
に二四、二六、二四という
程度
の
数字
でありますので、
経過日数
の比率から見ますれば、やや落ちておりますけれ
ども
、先ほど申上げた
通り
、後半に行くに
従つて成績
を挙げているのでありまして、この分で行きますれば大体
予定
の
成績
は挙げ得るものであろう。こういうふうに考えている次第であります。 それから御
質問
の「べに
さけ
」につきまして正確な
数字
はございませんが、
成績
はよくない、こういうことでございます。それからなおその他の
漁業
につきましても御
質問
がございましたのでありますが、「
かに
」
漁業
でございますが、これは本年初めて実は
出漁
いたしたのでございますが、
母船式
の「
かに
」
漁業
は
東ベーリング海
に
只今出漁
をいたしているのでございますが、御
承知
の
通り日本水産
と
日魯
と
太洋
の三社が
共同
で一
母船
を出しまして、それに
独航漁船
が六隻、搭載しております
漁船
が六隻という規模で以て出ているのでございます。
独航
のほうの
漁船
は去る三月三十日、
母船
のほうは四月八日にそれぞれ
函館
を出帆いたしまして、四月二十一日に
漁場
に
到着
をいたしまして、二十二日より
操業
を
開始
いたしているのであります。
操業開始
後五月中旬までの
操業初期
におきましては非常に天候が悪い
状態
が続きまして、それから「ずわいがに」が相当とれましたために
漁獲成績
は非常に思わしくなか
つた
のでございますけれ
ども
、五月十五日に
漁場
を
ポートモーラー沖合
に置きまして以来、
漁獲
は極めて良好とな
つて参
りまして、現在も好調を続けている
状態
であります。この結果六月十五日までにはすでに
罐詰予定生産量
でありますところの五万箱の半ば以上を達成をいたしているのであります。この
調子
が続きますれば、
予定
の
操業期間
たる八月末日より相当
日数
早く
計画量
を達成できるのではないかと、こういうふうに考えているわけであります。御
承知
の
通り
本
漁業
は
アメリカ
の極く沿岸近くで
操業
をいたしておりますので、
国際関係等
も十分留意いたしまして、特に
操業
中の規律を重んじまして、米国の国民に誤解を与えましたり、要らざる紛争を起しますことのない
よう
に、
船団当事者
及びこちらから参
つて
おります
監督官
に
十分指示
をして置いたのでありますが、この点につきましても極めて満足すべき
状態
において
操業
をいたしているわけであります。即ち
出漁
前に
アメリカ
の
大使館
とも
打合せ
をして置いたのでございますが、
母船
は同海域に
操業
しておりますところの
アメリカ
の
デイープシー号
と
連絡
をいたしまして、
漁業到着
の日に会合をいたしまして、
操業
の
打合せ
をいたしました。その後
アメリカ
の
魚類局
の
生物学者
が我がほうの
母船
に移乗をいたしているのであります。その後五月十四日には
デイープシー号
が一旦シアトルに寄港する途中、副社長が我々のほうの
母船
をわざわざ訪問をいたしている
よう
な事実もあるのであります。又六月六日には新たにこの
漁場
に参りましたところの
チエリコフ号
という船がございますが、これも我がほうの
母船
を来訪いたしまして懇談をいたしておる
よう
な
状況
であります。又
アメリカ
の
大使館
を通じて
水産庁
に対し、七月十五日以降
デイープシー号
が再び
漁場
に来たときには、
日本側
の
監督官
を
デイープシー号
に招待するという旨の申出があるのであります。以上の
よう
な
状況
でありまして、極めて
只今
は国際的にも満足すべき
状況
において
操業
いたしておるということでございます。なお
数字
の点につきましては
漁獲高
の
只今
までわか
つて
おります
数字
は四十七万七千尾でありまして、
罐詰製造箱数
は二万六千箱であります。
計画
に対しまして約五〇%ということにな
つて
おるのでありますが、
予定漁期
と
経過日数
との
割合
は約四二%、こういうことにな
つて
おるわけであります。
千田正
6
○
千田正
君 この製品の
罐詰
は一旦
日本
へ持ち帰
つて
処分する
予定
にな
つて
おりますか、或いは
カナダ
その他に対して現場から直ちにそういう貿易の
方面
に移る
よう
な
予定
にな
つて
おりますか、その点はどういうふうにな
つて
おりますか。
清井正
7
○
政府委員
(
清井正
君) 御指摘の点につきましては、実はまだはつきりいたしておらないのであります。無論
方法
としては両方あるわけでありますが、この点につきましては、
関係
の業者の
方面
或いはその他の
関係方面
とも十分相談いたしましてきめたいと考えております。
千田正
8
○
千田正
君 大体
北洋
のことは、私の
質問
の点はわかりましたが、その後先ほどの国際問題のうち、
朝鮮
との
関係
、
韓国
との
関係
は、一度ここまで
長官
或いは
外務関係
からの御
説明
があ
つた
後、その後もいわゆる
日韓会談
が一応
只今
の休戦問題なんかという重大な問題にぶつか
つて
、恐らく進んでおらない
よう
な
状況
の
よう
でありますが、その後拿捕されておるという
よう
なことはないかどう
かちよ
つと伺いたい。それからその後も引続き
日本
の
漁船
が
出漁
しているかどうか、出て行
つて
いるかどうかという点。出ておるとすれば
曾つて
のいわゆる
李承晩ライン
或いは当時称せられたところの
防衛ライン
、言換えればクラーク・
ライン
、あの辺の
状況
はどういうふうにな
つて
おるかという点を、何も問題なく今まで
通り
や
つて
おるかどうか、或いはそれ以上行けないのかどうなその後もストツプの
状況
であるかどうか、その点を一応御
説明
願いたいと思います。
清井正
9
○
政府委員
(
清井正
君)
只今
の御
質問
の点でございますが、
朝鮮
におきまするいろいろ
政治情勢
の
変化
がございましたのでありますが、
漁業交渉
につきましては、特段に
お話
申上げる
変化
はございません。先般申上げました
通り
極めて友好的に
話合
は進めておりますし、又いわゆる
原則論
よりも具体的な
一つ話合
をし
よう
じやないかということで、お互いによく了解をいたしまして、その
方面
の
話合
は進めておりますけれ
ども
、未だ特に特筆して
お話
申上げることは何もない
よう
な
状況
でございます。それから
韓国周辺
の
拿捕船
でありますが、最近はございません。
大邦丸事件
が起
つた
とき
ちよ
つと一隻か二隻ありましたけれ
ども
、その後
拿捕船
はございません。幸いと申しますか、
底曳はちよ
つと
只今
は
南方
のほうに移行しておりまして、あの
方面
はいたしておらないという理由もあるわけでありますが、ただ「
さば
」のはね
釣り
が行われるわけであります。それはもう
ちよ
つと時期が遅れまして、やがて「
さば
」のはね
釣り
は
出漁
することになるのじやないか、こういうふうに考えております。その他
防衛水域等
の
問題等
もいろいろあるかと思いますけれ
ども
、この問題につきましては、まだそのままでございまして、
只今
の
状況
は一時的ではございまし
よう
が、極めて平穏を保
つて
いる、こういう
状況
である
よう
に観察いたしております。
秋山俊一郎
10
○
秋山俊一郎
君 先ほどの
千田委員
の御
質問
に関連するのですが、「
かに
」の
罐詰
を
漁場
からそのまま輸出する、或いは一旦持帰
つて
輸出するとい
つた
よう
なことはまだはつきりしていないということでしたが、その輸出する場合には
検査
が要るのじやないでし
よう
か。若し
検査
が要るとすれば、その
検査
官は船に乗込んでいるかどうか、この点を伺いたい。
罐詰
の
輸出検査
があるか、輸出する場合……。
清井正
11
○
政府委員
(
清井正
君) その点
ちよ
つと研究いたしませんとお答え申上げられませんが、仮にそういうことであるといたしますれば、
罐詰検査
の
専門家
は乗船いたしておりませんから、
ちよ
つと問題が起るかと思いまするが、その点十分研究いたしたいと思います。
秋山俊一郎
12
○
秋山俊一郎
君
日韓関係
につきまして、
大邦丸事件
が起
つて
以来、
日本
に入
つて
来た
朝鮮
からの
水産物
の
輸入
の問題が一時停頓の形にな
つて
おる
かに
聞いておるのですが、今日どういうふうな
状況
にな
つて
おりますか。これがやはり前の
よう
に外貨の割当もでき、又
従つて日本
に入
つて
来る魚も漸次その以前の
状態
に返りつつあるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。これは勿論
通産省関係
であると思いますけれ
ども
、
水産物
に関する限り
水産庁
がやつぱりこの問題にタツチしていると思いますのでお伺いするわけであります。
清井正
13
○
政府委員
(
清井正
君) 御
質問
の点でありますが、この点も
大邦丸事件
が起りまして以来、いろいろこれに関連する
措置
をいたしまして、いろいろなる
措置
をと
つて参
つて
来ておるのでありますが、その後いろいろ問題が
進展
をいたしまして、
只今
では
韓国
からの鮮魚の
輸入
がとま
つて
おるという
現状
である
よう
に思
つて
おります。この問題につきましても、勿論私
ども
といたしましても
関係庁
と
十分連絡
を受けておるわけでありますが、この問題に関しましては、いろいろの御意見がある
よう
に私
ども
聞いておるのでありますが、これ又単なる
漁業
上の問題ということでなしに、いろいろな
観点
からこの問題を処理しなければならんという
よう
な
特殊事情
にありますために、
暫らく事
の推移を見て頂かなければならん、こういうふうに考えておるわけでありまして、この問題は
現状
はとま
つて
おるということを御
報告
申上げる
程度
でございます。
秋山俊一郎
14
○
秋山俊一郎
君 そういたしますと、まあ差当
つて
は
現状
で暫らく行く、こういうふうに
承知
してよろしいですか。
清井正
15
○
政府委員
(
清井正
君) 私の聞いております限度におきましては、さ
よう
に考えております。
千田正
16
○
千田正
君 それで
長官
に特にお願いしたいのは、今までのあれは
中間報告
でありますが、
漁業
の計数並びに
罐詰
の問題は一応伺いましたが、これが一段落つきましたら、是非各
委員
に
水産庁
として
報告
を
一つ
まとめて頂戴したいと思いますので、今から注文しておきます。
森崎隆
17
○
委員長
(
森崎隆
君) この問題についてほ
かに
御質疑ございませんでし
よう
か……。
—————————————
森崎隆
18
○
委員長
(
森崎隆
君) それでは次に
風水害
の
被害
の問題に入りますが、その前に
ちよ
つとお願い申上げますが、先般内灘の
試射場
の問題で
外務大臣
、
国際協力局長
並びに前国務大臣の林屋氏に御
出席
を求めることにな
つて
おりましたが、日取りは六月二十二日、来週の月曜日午後一時という
よう
に大体きめたいと思います。それでいろいろ衆議院の
予算審議
の問題とも
関係
がありますので、又こちらとしましては、この問題を早く解決したい点もございますので、この次回の
水産委員会
に、この
試射場
の問題に関して
外務大臣
の
出席要求
を議長を経て行いたいと存じまするが、これに御
異議
ございませんでし
よう
か。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
森崎隆
19
○
委員長
(
森崎隆
君) それではその
よう
に取計らいますから、よろしくお願い申上げます。
—————————————
森崎隆
20
○
委員長
(
森崎隆
君) それでは
台風被害
の問題に移ります。
千田正
21
○
千田正
君 このたび大阪、兵庫或いは
九州
、
四国
という各
方面
におけるところの
台風
によ
つて
こうむ
つた
水産関係
の
被害
の
状況
並びにこれに対しまして、
水産庁
としては応急の
処置
をどういうふうにと
つて
おられるか、且つ又
予算
その他に対してどういう
よう
な
方法
を以て
災害
の
復旧
に当られるかという点につきまして、
長官
から一応の御
報告
と、
水産庁
としての今後の
処置方針
について承わりたいと思います。
清井正
22
○
政府委員
(
清井正
君)
只今
の御
質問
の点でございますが、このたびの
台風
第二号によりまして、主として
西部方面
が非常に
災害
が多か
つた
のでありまして、
関係
の漁民その他のかたに対しては誠にお気の毒に考えている次第でございます。
被害
に関しまする
報告
も逐次集ま
つて参
つて
おります。お手許に
資料
が御配付にな
つて
いるかと思いますが、六月の十八日現在までの
報告集計
によりますと、総金額が四億七千八百万円という
被害額
にな
つて
おります。これはいずれも
県庁
からの正式な
報告
でございます。内訳はここに書いてあります
通り
、
漁港
が百十八カ所で一億八千万円、
漁船
が三百二十二隻で三千六百万円、
漁具
が四百十七統で八千四百万円、それから
養殖施設
が一億六千四百万円、それからその他
共同施設
或いは
網干場
とか、
荷揚場
とかいう
施設
でございますが、そういうものが一千万円ということで、合計四億七千八百万円ということにな
つて
おるのであります。
県別
の
数字
を見ましても、まあ
九州北部
が非常な打撃であり、同時に
四国
にも非常に
被害
の多い所があるのでありますが、
只今
の
数字
で見ますと、長崎の一億一千九百万円というのが一番多額でありまして、その他隣接県等非常な損害を見ておるわけであります。
水産関係
は通信の
不能等
の
関係
がありまして、なかなか思う
よう
に
数字
が集まらないので私
ども
も甚だ困
つて
お
つた
んでありますが、なお且つこれは
中間報告
でありまして、もう少しこの
数字
は殖えるのではないかというふうに私
ども
は考えておりまして、
関係
県に
数字
の提出について督促をいたしておる
状況
であります。これに対する
処置
といたしましては、私
ども
はこれは
農作物一般
といたしまして合同の
処置
をと
つて参
るというふうに考えておりまして、
漁港
につきましては、これは
災害復旧予算
を、これは
予備費等
の
措置
で早速これは
災害復旧
の費用を国庫より助成すべくいたさなければならん、こういうふうに考えておるわけであります。それから
漁船
、
漁具
、
養殖施設
、それから
共同施設等
は、これは今まで
水産関係
の
被害
につきましてとられました
措置
と同様に、
融資
を
主体
といたしまして、それに対していわゆる
損失補償
並びに
金利
の
補給
という
方法
を講じて参りたいというふうに考えまして、これは
只今数字
を固めつつあると共に、大蔵省とも事務的に折衝を
開始
しておる
現況
でございます。これは今回の
農作物
に関する
被害措置
と併せ、一本といたしまして
総合施策
の
一つ
といたしましてこの問題は取扱
つて参
りたい、こういうふうに考えまして、
只今事務当局
と折衝いたして、おる最中でございます。
千田正
23
○
千田正
君 農業との
関係
もあると思いますが、
只今
途中の
報告
にしましても、大体において百十八カ所の
漁港
の
災害復旧
を
予備費
から一応出してもらうとしまして、大体これはどれくらい見込んでおられますか、それと又
漁船
、
漁具等
に対する
融資
を
主体
とした
損失補償
とか、或いは
金利
の
補給
という面につきましては大体どれくらい見ておられるのか、その点を
一つ見通し
をお知らせを願いたいと思います。
清井正
24
○
政府委員
(
清井正
君)
見通し
の点につきましては、
ちよ
つと固めつつありますのではつきり申上げられませんが、これは
県庁
からの
報告
でございまして、まあ一々
現地
に出張いたしまして、その
報告
に基きます
調査
をいたしますればいいんでありますけれ
ども
、実際問題としてそういう余裕もございませんので、或る
程度
この
数字
を
査定
をいたさなければならんということに相成るのではないか、こういうふうに考えるのであります。どれくらいの
査定
にいたす
かちよ
つときま
つて
おりませんので何とも申上げられませんが、とにかく水害の
措置
といたすところの
基本災害額
といたしましては、それより若干下廻る
数字
が基礎にならなければならん、こういうふうに思
つて
おります。
千田正
25
○
千田正
君
水産庁
としては、この問題に対しては恐らく自発的に
調査
のために派遣されていると思いますが、実際
現地
にはあなたのほうからおのおのの
担当職員
が派遣されておりますか。
清井正
26
○
政府委員
(
清井正
君) ここにはまだ
災害調査
のためには
水産庁
からは出かけておりません。
千田正
27
○
千田正
君 私はやはりこれは
予算
を組む
意味
からも、又農林、
漁業
として一体として
一つ
の
風水害
の
対策
を講ずる
意味
からも、
水産
の面においてはやはり
水産庁
からも
現地
派遣されて、的確なる
資料
を集収すべきであると思いますので、でき得べくんばそういうふうにして頂きたい、特に要望しておきます。
秋山俊一郎
28
○
秋山俊一郎
君 この
災害復旧
の
対策
という問題は、
日本
といたしましては毎年々々必ず起る問題で殆んど例外なしに起るのです。
従つて
その都度或いは
風水害
の問題、或いは地震の問題、津波の問題とい
つた
よう
に殆んど毎年どこ
かに
起
つて
いる、そういうものに対して、その都度いろいろ単独の
法律
を作りますとか、或いは
予算措置
によ
つて
その場合に
法律
なしにでもやるとかいう
よう
なまちまちの
対策
を講じているのであ
つて
、我々はこういう問題に対して、かねてから一貫した
一つ
の恒久的な
法律
を作
つて
おいて、それによ
つて
直ちに
処置
を講じる
よう
にしたらいいのじやないかということをしばしば発言もし、要望もしているわけであります。それは
水産庁
だけの問題でありませんけれ
ども
、農林省、或いは建設省、或いは又厚生省の
関係
とか、
文部関係
とか、いろいろ範囲が広いと思いますが、そういう問題に対して、
政府
として恒久的の
法律
を制定し
よう
というふうな機運は全然ないのですか、
水産庁
ではそういう点わかりませんか。
清井正
29
○
政府委員
(
清井正
君) 御
質問
の点は確
かに
そういう必要があることは私
ども
感じております。併しながら実際問題といたしまして、その必要を感じておりながらも、個々の
災害
に対する
処置
で今までいたして参
つた
のでありますが、この問題につきましては
関係
者一同よく相談をいたしまして、何かこういう
対策
について恒久的な立法でも作りまして、すぐに
災害
が起りましたならば、自働的に何か発動できる
よう
な
措置
をとれば事務的に非常に都合がいいと思うのであります。
災害
の
復旧
につきましても非常に速
かに
できるこういう利点があるのじやないかと考えております。ただ併し、これはすぐに実現ができるかどうか、私も自信を以てお答えできませんので、なお研究問題として考えさせて頂きたいと思います。
秋山俊一郎
30
○
秋山俊一郎
君 これは、最近こういうことを言出した問題でなくして、
災害
のたびにこの問題は出るのですから、これを阻む、こういう恒久的な立法のできにくい何か理由でもあるのですか、何か役所として……。
清井正
31
○
政府委員
(
清井正
君) 別段特に阻む理由というものはない
よう
に考えますけれ
ども
、やはり
災害
は突発的な問題でありますために、それを予知してあらかじめ
措置
するということにつきまして、なかなか思う
よう
に行かない点が根本原因じやないか、こういうふうに考えております。
秋山俊一郎
32
○
秋山俊一郎
君 勿論
災害
は突発的でありますけれ
ども
、
日本
の国情から見ますと、地理的条件から見て、始んど例外なしに毎年似た
よう
な問題が一回若しくは二回、三回連続して起ります。そのたびにこういう問題がありまして、そうして而も、本日もそうでありますが、各県の
被害
を受けた県から多数の人が上京しまして、そうして国会に陳情し、役所に陳情し、この陳情の費用なり、何なりにしましても莫大なものであろうと考える。これも一に何もよるところの
法律
がないために、めいめいが出て来て陳情せざるを得ない
状態
である。こういうことは
一つ
水産庁
にのみお願いするのはこれは筋が違うかも知れません。併し
水産庁
としても必ずその一部には違いないのでありますから、何か農林省なら農林省が
主体
となるなりして、こういう問題を早急に立案する、或いは役所で立案しなければ議院立法なり、何なりやらなければならんのじやないかと思いますが、何かそういう機運を早く作
つて
やりませんと、これはないかも知らんという問題じやなくて、殆んどあるのですから、こういう点は
水産庁
としてやはりこういうものを議する際に、
一つ
そういう点も十分検討して機運を醸成して頂きたい、我々としてもそういう考えを強く押し出して行きたい、この点要望しておきます。
森崎隆
33
○
委員長
(
森崎隆
君) 他にこの問題につきまして御
質問
ございませんか…。それでは今日
水産庁長官
のほうから
北洋漁業
、
国際漁業
の
現況
並びに
台風被害
等につきまして一応中間的な
報告
を頂きまして、又いろいろ要望もいたしましたが、今日はほ
かに
議題も考えておりませんので、本日はこれで散会いたします。 午後二時二十一分散会