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1953-06-19 第16回国会 参議院 水産委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年六月十九日(金曜日)    午後一時四十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     森崎  隆君    理事            秋山俊一郎君            千田  正君    委員            青山 正一君            野田 俊作君            菊田 七平君   政府委員    水産庁長官   清井  正君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   —————————————   本日の会議に付した事件水産政策に関する調査の件  (北洋漁業に関する件)  (国際漁業現況に関する件)  (台風被害に関する件) ○本委員会の運営に関する件   —————————————
  2. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それじや委員会を開会いたします。  今日は北洋漁業に関する件を先ず議題にいたします。今日は水産庁長官清井正君、同生産部長永野正二君のお二人が参つております。
  3. 千田正

    千田正君 この北洋漁業は、日米加漁業条約が結ばれたのちに、第一回の終戦後におけるところの北洋漁業への進出を昨年やつたのでありますが、その成果についてはすでに水産庁及び各委員が御承知通りでありますけれども、本年度は第二年目としまして、昨年とは漁場を又変えた方向に向つて出漁したはずであります。現在までの状況はどういうふうに行つておるのか、その北洋漁業というものは将来日、米、カナダばかりじやなく、ソ連その他の国際的な一つの我が日本の北方の漁場であるだけに、我々は非常なる関心を持つて取組んでおるだけに、今度の出漁経過状況はどうであるかという点につきまして、一応長官から或いは部長からの御報告を頂きたいと思います。もう一つ。それは朝鮮の問題が休戦という方向に向つて行つた場合に、今まで閉されておるところの朝鮮日本との間の曾つて交渉中であつた漁場の問題は、再開の見通しがどうであるか、或いは台湾日本との間の漁業関係はどうであるか、或いは濠洲日本との間におけるところのアラフラ海の真珠貝の採取等に基くいわゆる漁業条約、そういう面にはどういう進展を及ぼしておるか、この北洋漁業の問題、国際漁場への進出に対する現在の状況との二つの観点から、長官並びに部長からの経過説明を願いたいと思います。
  4. 清井正

    政府委員清井正君) 只今の御質問の第一点でございますが、北洋出漁につきまして、只今千田委員お話は主として鮭鱒漁業についてのお話が中心であつたように承わりましたので、取りあえず北洋鮭鱒漁業につきまして、簡単に本年度におきます今までの経過を申上げまして、なお御質問に応じてお答え申上げたいと思います。今年度は昨年度に引続きまして、いわゆる試験操業の第二年目といたしまして出漁をいたしておるのでありますが、昨年と同様母船式を以ちまして三船団を編成いたしたのであります。独航船は昨年よりも殖やしまして八十五隻、そのほかに調査船が二十隻ございます。更に政府が直接民間から用船をいたしまして八隻の調査船を派遣いたしまして、四月の二十九日に函館を出帆いたしまして、五月九日にアムチトカ島西南沖において操業開始いたしたのであります。操業開始の当初におきましては、水温が一般に低くありまして、よい地帯と申しますか、よい場所が非常に狭いために、船団が非常に密集いたしまして操業いたしました等のために、最初は非常に漁獲高が不振であつたのでありまして、平均罹網率は一・七尾に過ぎなかつたのであります。その後漁場南方のほうに移しましてから、平均罹網率が、二・四から二・九くらいにだんだんと好転をいたして参つておるのであります。五月二十日以後だんだん漁場を西のほうに移して参つて操業をいたしておるのでございますが、六月に入りましてからは非常に漁獲がよくなつて参りまして、最近では平均罹網率は六・一尾ということになつておるのでありまして、この調子で参りますれば、おおむね計画を達成し得るのではないかというふうに考えておるのであります。ただ残念なことに、操業中一人犠牲者が出まして、大しけのために行方不明を出したのでありますが、誠にこの点は遺憾に堪えない点であると考えておるのであります。なお数字等につきましては、又後刻御説明申上げたいと思いますが、大体現在までに百二、三十万尾の収獲を挙げておるように統計が出ておるのであります。なお詳しくは又後ほど申上げたいと思います。まあさようなことでありまして、本年度で大体試験操業の二年目を終えるのでございますが、只今までの状況では、大体最初は悪かつたけれども、だんだんと好転しておりますので、当初の計画通りこれは遂行できるのではないか、こういうふうに考えておる状況であるのであります。その点が北洋鮭鱒漁業の問題であります。  なお更に御質問の点は、いわゆる東海、黄海方面或いは台湾等関係につきましての御質問でございますが、私ども最近この問題に鑑みましては、日韓会談を続けている現在でもございますし、その方面におきまする情勢を非常に注意をいたしているのでございますが、中共方面は去る三月頃集団的に約十隻近いものが拿捕されまして、最近又一隻拿捕されておりますよう状況でございまして、その後拿捕船も帰つて参りませず、拿捕された人員も帰つて来ないというよう状況でございますが、御承知通りような相手でございますので、未だそのままになつているよう状況であります。台湾方面におきましては、やはり台湾中共との特殊関係上、国府警備船が相当その方面へ出ておりますので、ときどき日本漁船国府警備艦隊から注意を受けまして、この辺は警備区域であるから外へ出てくれと、こういう注意を受けまして退去いたしている事例が相当ございます。併し拿捕等事例はない状況でございます。その他南方方面濠洲関係でございますが、この点はすでにこの前永野部長より御説明申上げましたが、なお依然交渉は継続をいたしておりまするが、さしたる進展を見ず、窮極には双方が誠意ある交渉は続けているのでありまするが、未だそのままの状況を続けている、こういう状況でございます。
  5. 千田正

    千田正君 先の北洋漁業の点でありますが、若しわかつておれば、現在の百三十万尾という操業日数と昨年と比較しての業績はどういう状況であるかということと、それから昨年は比較的「べに」のほうがとれなかつたよう報告を受けたのでありますが、本年はそういう魚種の面においてはどういうふうであるかという点、それからもう一点はこの鮭鱒ばかりでなく、「かに」工船が今動いているはずでありますが、この成績が若しわかつているならば、概略でも結構でありますからお知らせ願いたいと思います。
  6. 清井正

    政府委員清井正君) それでは少し数字を細かく申上げたいと思います。先ほど申上げました「さけ」、「ます」でございますが、これは六月十五日までの計でございますが、船団が三つございまして、明晴丸、これは日魯でございますが、明晴丸船団では四十八万二千尾とれております。それから海幸丸、これは日水でございますが、これは三十七万八千尾、それから第三天洋丸、これは太洋でございますが、これは五十三万程度でございまして、これは計画に対しましては最初明晴丸は二四%、次の海幸丸は二六%、天洋丸が二四%、こういうことになつているのであります。ところが予定漁期は五月の十一日から八月の十日までということになつておりますので、今までの経過日数予定漁期に対する割合を見ますと、三九・一%ということで約四〇%も経過をいたしているのであります。ところが数字は今言つたように二四、二六、二四という程度数字でありますので、経過日数の比率から見ますれば、やや落ちておりますけれども、先ほど申上げた通り、後半に行くに従つて成績を挙げているのでありまして、この分で行きますれば大体予定成績は挙げ得るものであろう。こういうふうに考えている次第であります。  それから御質問の「べにさけ」につきまして正確な数字はございませんが、成績はよくない、こういうことでございます。それからなおその他の漁業につきましても御質問がございましたのでありますが、「かに漁業でございますが、これは本年初めて実は出漁いたしたのでございますが、母船式の「かに漁業東ベーリング海只今出漁をいたしているのでございますが、御承知通り日本水産日魯太洋の三社が共同で一母船を出しまして、それに独航漁船が六隻、搭載しております漁船が六隻という規模で以て出ているのでございます。独航のほうの漁船は去る三月三十日、母船のほうは四月八日にそれぞれ函館を出帆いたしまして、四月二十一日に漁場到着をいたしまして、二十二日より操業開始いたしているのであります。操業開始後五月中旬までの操業初期におきましては非常に天候が悪い状態が続きまして、それから「ずわいがに」が相当とれましたために漁獲成績は非常に思わしくなかつたのでございますけれども、五月十五日に漁場ポートモーラー沖合に置きまして以来、漁獲は極めて良好となつて参りまして、現在も好調を続けている状態であります。この結果六月十五日までにはすでに罐詰予定生産量でありますところの五万箱の半ば以上を達成をいたしているのであります。この調子が続きますれば、予定操業期間たる八月末日より相当日数早く計画量を達成できるのではないかと、こういうふうに考えているわけであります。御承知通り漁業アメリカの極く沿岸近くで操業をいたしておりますので、国際関係等も十分留意いたしまして、特に操業中の規律を重んじまして、米国の国民に誤解を与えましたり、要らざる紛争を起しますことのないように、船団当事者及びこちらから参つております監督官十分指示をして置いたのでありますが、この点につきましても極めて満足すべき状態において操業をいたしているわけであります。即ち出漁前にアメリカ大使館とも打合せをして置いたのでございますが、母船は同海域に操業しておりますところのアメリカデイープシー号連絡をいたしまして、漁業到着の日に会合をいたしまして、操業打合せをいたしました。その後アメリカ魚類局生物学者が我がほうの母船に移乗をいたしているのであります。その後五月十四日にはデイープシー号が一旦シアトルに寄港する途中、副社長が我々のほうの母船をわざわざ訪問をいたしているような事実もあるのであります。又六月六日には新たにこの漁場に参りましたところのチエリコフ号という船がございますが、これも我がほうの母船を来訪いたしまして懇談をいたしておるよう状況であります。又アメリカ大使館を通じて水産庁に対し、七月十五日以降デイープシー号が再び漁場に来たときには、日本側監督官デイープシー号に招待するという旨の申出があるのであります。以上のよう状況でありまして、極めて只今は国際的にも満足すべき状況において操業いたしておるということでございます。なお数字の点につきましては漁獲高只今までわかつております数字は四十七万七千尾でありまして、罐詰製造箱数は二万六千箱であります。計画に対しまして約五〇%ということになつておるのでありますが、予定漁期経過日数との割合は約四二%、こういうことになつておるわけであります。
  7. 千田正

    千田正君 この製品の罐詰は一旦日本へ持ち帰つて処分する予定になつておりますか、或いはカナダその他に対して現場から直ちにそういう貿易の方面に移るよう予定になつておりますか、その点はどういうふうになつておりますか。
  8. 清井正

    政府委員清井正君) 御指摘の点につきましては、実はまだはつきりいたしておらないのであります。無論方法としては両方あるわけでありますが、この点につきましては、関係の業者の方面或いはその他の関係方面とも十分相談いたしましてきめたいと考えております。
  9. 千田正

    千田正君 大体北洋のことは、私の質問の点はわかりましたが、その後先ほどの国際問題のうち、朝鮮との関係韓国との関係は、一度ここまで長官或いは外務関係からの御説明があつた後、その後もいわゆる日韓会談が一応只今の休戦問題なんかという重大な問題にぶつかつて、恐らく進んでおらないよう状況ようでありますが、その後拿捕されておるというようなことはないかどうかちよつと伺いたい。それからその後も引続き日本漁船出漁しているかどうか、出て行つているかどうかという点。出ておるとすれば曾つてのいわゆる李承晩ライン或いは当時称せられたところの防衛ライン、言換えればクラーク・ライン、あの辺の状況はどういうふうになつておるかという点を、何も問題なく今まで通りつておるかどうか、或いはそれ以上行けないのかどうなその後もストツプの状況であるかどうか、その点を一応御説明願いたいと思います。
  10. 清井正

    政府委員清井正君) 只今の御質問の点でございますが、朝鮮におきまするいろいろ政治情勢変化がございましたのでありますが、漁業交渉につきましては、特段にお話申上げる変化はございません。先般申上げました通り極めて友好的に話合は進めておりますし、又いわゆる原則論よりも具体的な一つ話合をしようじやないかということで、お互いによく了解をいたしまして、その方面話合は進めておりますけれども、未だ特に特筆してお話申上げることは何もないよう状況でございます。それから韓国周辺拿捕船でありますが、最近はございません。大邦丸事件が起つたときちよつと一隻か二隻ありましたけれども、その後拿捕船はございません。幸いと申しますか、底曳はちよつと只今南方のほうに移行しておりまして、あの方面はいたしておらないという理由もあるわけでありますが、ただ「さば」のはね釣りが行われるわけであります。それはもうちよつと時期が遅れまして、やがて「さば」のはね釣り出漁することになるのじやないか、こういうふうに考えております。その他防衛水域等問題等もいろいろあるかと思いますけれども、この問題につきましては、まだそのままでございまして、只今状況は一時的ではございましようが、極めて平穏を保つている、こういう状況であるように観察いたしております。
  11. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 先ほどの千田委員の御質問に関連するのですが、「かに」の罐詰漁場からそのまま輸出する、或いは一旦持帰つて輸出するといつたようなことはまだはつきりしていないということでしたが、その輸出する場合には検査が要るのじやないでしようか。若し検査が要るとすれば、その検査官は船に乗込んでいるかどうか、この点を伺いたい。罐詰輸出検査があるか、輸出する場合……。
  12. 清井正

    政府委員清井正君) その点ちよつと研究いたしませんとお答え申上げられませんが、仮にそういうことであるといたしますれば、罐詰検査専門家は乗船いたしておりませんから、ちよつと問題が起るかと思いまするが、その点十分研究いたしたいと思います。
  13. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 日韓関係につきまして、大邦丸事件が起つて以来、日本に入つて来た朝鮮からの水産物輸入の問題が一時停頓の形になつておるかに聞いておるのですが、今日どういうふうな状況になつておりますか。これがやはり前のように外貨の割当もでき、又従つて日本に入つて来る魚も漸次その以前の状態に返りつつあるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。これは勿論通産省関係であると思いますけれども水産物に関する限り水産庁がやつぱりこの問題にタツチしていると思いますのでお伺いするわけであります。
  14. 清井正

    政府委員清井正君) 御質問の点でありますが、この点も大邦丸事件が起りまして以来、いろいろこれに関連する措置をいたしまして、いろいろなる措置をとつて参つて来ておるのでありますが、その後いろいろ問題が進展をいたしまして、只今では韓国からの鮮魚の輸入がとまつておるという現状であるように思つております。この問題につきましても、勿論私どもといたしましても関係庁十分連絡を受けておるわけでありますが、この問題に関しましては、いろいろの御意見があるように私ども聞いておるのでありますが、これ又単なる漁業上の問題ということでなしに、いろいろな観点からこの問題を処理しなければならんというよう特殊事情にありますために、暫らく事の推移を見て頂かなければならん、こういうふうに考えておるわけでありまして、この問題は現状はとまつておるということを御報告申上げる程度でございます。
  15. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そういたしますと、まあ差当つて現状で暫らく行く、こういうふうに承知してよろしいですか。
  16. 清井正

    政府委員清井正君) 私の聞いております限度におきましては、さように考えております。
  17. 千田正

    千田正君 それで長官に特にお願いしたいのは、今までのあれは中間報告でありますが、漁業の計数並びに罐詰の問題は一応伺いましたが、これが一段落つきましたら、是非各委員水産庁として報告一つまとめて頂戴したいと思いますので、今から注文しておきます。
  18. 森崎隆

    委員長森崎隆君) この問題についてほかに御質疑ございませんでしようか……。   —————————————
  19. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それでは次に風水害被害の問題に入りますが、その前にちよつとお願い申上げますが、先般内灘の試射場の問題で外務大臣国際協力局長並びに前国務大臣の林屋氏に御出席を求めることになつておりましたが、日取りは六月二十二日、来週の月曜日午後一時というように大体きめたいと思います。それでいろいろ衆議院の予算審議の問題とも関係がありますので、又こちらとしましては、この問題を早く解決したい点もございますので、この次回の水産委員会に、この試射場の問題に関して外務大臣出席要求を議長を経て行いたいと存じまするが、これに御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それではそのように取計らいますから、よろしくお願い申上げます。   —————————————
  21. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それでは台風被害の問題に移ります。
  22. 千田正

    千田正君 このたび大阪、兵庫或いは九州四国という各方面におけるところの台風によつてこうむつた水産関係被害状況並びにこれに対しまして、水産庁としては応急の処置をどういうふうにとつておられるか、且つ又予算その他に対してどういうよう方法を以て災害復旧に当られるかという点につきまして、長官から一応の御報告と、水産庁としての今後の処置方針について承わりたいと思います。
  23. 清井正

    政府委員清井正君) 只今の御質問の点でございますが、このたびの台風第二号によりまして、主として西部方面が非常に災害が多かつたのでありまして、関係の漁民その他のかたに対しては誠にお気の毒に考えている次第でございます。被害に関しまする報告も逐次集まつて参つております。お手許に資料が御配付になつているかと思いますが、六月の十八日現在までの報告集計によりますと、総金額が四億七千八百万円という被害額になつております。これはいずれも県庁からの正式な報告でございます。内訳はここに書いてあります通り漁港が百十八カ所で一億八千万円、漁船が三百二十二隻で三千六百万円、漁具が四百十七統で八千四百万円、それから養殖施設が一億六千四百万円、それからその他共同施設或いは網干場とか、荷揚場とかいう施設でございますが、そういうものが一千万円ということで、合計四億七千八百万円ということになつておるのであります。県別数字を見ましても、まあ九州北部が非常な打撃であり、同時に四国にも非常に被害の多い所があるのでありますが、只今数字で見ますと、長崎の一億一千九百万円というのが一番多額でありまして、その他隣接県等非常な損害を見ておるわけであります。水産関係は通信の不能等関係がありまして、なかなか思うよう数字が集まらないので私どもも甚だ困つてつたんでありますが、なお且つこれは中間報告でありまして、もう少しこの数字は殖えるのではないかというふうに私どもは考えておりまして、関係県に数字の提出について督促をいたしておる状況であります。これに対する処置といたしましては、私どもはこれは農作物一般といたしまして合同の処置をとつて参るというふうに考えておりまして、漁港につきましては、これは災害復旧予算を、これは予備費等措置で早速これは災害復旧の費用を国庫より助成すべくいたさなければならん、こういうふうに考えておるわけであります。それから漁船漁具養殖施設、それから共同施設等は、これは今まで水産関係被害につきましてとられました措置と同様に、融資主体といたしまして、それに対していわゆる損失補償並びに金利補給という方法を講じて参りたいというふうに考えまして、これは只今数字を固めつつあると共に、大蔵省とも事務的に折衝を開始しておる現況でございます。これは今回の農作物に関する被害措置と併せ、一本といたしまして総合施策一つといたしましてこの問題は取扱つて参りたい、こういうふうに考えまして、只今事務当局と折衝いたして、おる最中でございます。
  24. 千田正

    千田正君 農業との関係もあると思いますが、只今途中の報告にしましても、大体において百十八カ所の漁港災害復旧予備費から一応出してもらうとしまして、大体これはどれくらい見込んでおられますか、それと又漁船漁具等に対する融資主体とした損失補償とか、或いは金利補給という面につきましては大体どれくらい見ておられるのか、その点を一つ見通しをお知らせを願いたいと思います。
  25. 清井正

    政府委員清井正君) 見通しの点につきましては、ちよつと固めつつありますのではつきり申上げられませんが、これは県庁からの報告でございまして、まあ一々現地に出張いたしまして、その報告に基きます調査をいたしますればいいんでありますけれども、実際問題としてそういう余裕もございませんので、或る程度この数字査定をいたさなければならんということに相成るのではないか、こういうふうに考えるのであります。どれくらいの査定にいたすかちよつときまつておりませんので何とも申上げられませんが、とにかく水害の措置といたすところの基本災害額といたしましては、それより若干下廻る数字が基礎にならなければならん、こういうふうに思つております。
  26. 千田正

    千田正君 水産庁としては、この問題に対しては恐らく自発的に調査のために派遣されていると思いますが、実際現地にはあなたのほうからおのおのの担当職員が派遣されておりますか。
  27. 清井正

    政府委員清井正君) ここにはまだ災害調査のためには水産庁からは出かけておりません。
  28. 千田正

    千田正君 私はやはりこれは予算を組む意味からも、又農林、漁業として一体として一つ風水害対策を講ずる意味からも、水産の面においてはやはり水産庁からも現地派遣されて、的確なる資料を集収すべきであると思いますので、でき得べくんばそういうふうにして頂きたい、特に要望しておきます。
  29. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 この災害復旧対策という問題は、日本といたしましては毎年々々必ず起る問題で殆んど例外なしに起るのです。従つてその都度或いは風水害の問題、或いは地震の問題、津波の問題といつたように殆んど毎年どこかにつている、そういうものに対して、その都度いろいろ単独の法律を作りますとか、或いは予算措置によつてその場合に法律なしにでもやるとかいうようなまちまちの対策を講じているのであつて、我々はこういう問題に対して、かねてから一貫した一つの恒久的な法律を作つておいて、それによつて直ちに処置を講じるようにしたらいいのじやないかということをしばしば発言もし、要望もしているわけであります。それは水産庁だけの問題でありませんけれども、農林省、或いは建設省、或いは又厚生省の関係とか、文部関係とか、いろいろ範囲が広いと思いますが、そういう問題に対して、政府として恒久的の法律を制定しようというふうな機運は全然ないのですか、水産庁ではそういう点わかりませんか。
  30. 清井正

    政府委員清井正君) 御質問の点は確かにそういう必要があることは私ども感じております。併しながら実際問題といたしまして、その必要を感じておりながらも、個々の災害に対する処置で今までいたして参つたのでありますが、この問題につきましては関係者一同よく相談をいたしまして、何かこういう対策について恒久的な立法でも作りまして、すぐに災害が起りましたならば、自働的に何か発動できるよう措置をとれば事務的に非常に都合がいいと思うのであります。災害復旧につきましても非常に速かにできるこういう利点があるのじやないかと考えております。ただ併し、これはすぐに実現ができるかどうか、私も自信を以てお答えできませんので、なお研究問題として考えさせて頂きたいと思います。
  31. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 これは、最近こういうことを言出した問題でなくして、災害のたびにこの問題は出るのですから、これを阻む、こういう恒久的な立法のできにくい何か理由でもあるのですか、何か役所として……。
  32. 清井正

    政府委員清井正君) 別段特に阻む理由というものはないように考えますけれども、やはり災害は突発的な問題でありますために、それを予知してあらかじめ措置するということにつきまして、なかなか思うように行かない点が根本原因じやないか、こういうふうに考えております。
  33. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 勿論災害は突発的でありますけれども日本の国情から見ますと、地理的条件から見て、始んど例外なしに毎年似たような問題が一回若しくは二回、三回連続して起ります。そのたびにこういう問題がありまして、そうして而も、本日もそうでありますが、各県の被害を受けた県から多数の人が上京しまして、そうして国会に陳情し、役所に陳情し、この陳情の費用なり、何なりにしましても莫大なものであろうと考える。これも一に何もよるところの法律がないために、めいめいが出て来て陳情せざるを得ない状態である。こういうことは一つ水産庁にのみお願いするのはこれは筋が違うかも知れません。併し水産庁としても必ずその一部には違いないのでありますから、何か農林省なら農林省が主体となるなりして、こういう問題を早急に立案する、或いは役所で立案しなければ議院立法なり、何なりやらなければならんのじやないかと思いますが、何かそういう機運を早く作つてやりませんと、これはないかも知らんという問題じやなくて、殆んどあるのですから、こういう点は水産庁としてやはりこういうものを議する際に、一つそういう点も十分検討して機運を醸成して頂きたい、我々としてもそういう考えを強く押し出して行きたい、この点要望しておきます。
  34. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 他にこの問題につきまして御質問ございませんか…。それでは今日水産庁長官のほうから北洋漁業国際漁業現況並びに台風被害等につきまして一応中間的な報告を頂きまして、又いろいろ要望もいたしましたが、今日はほかに議題も考えておりませんので、本日はこれで散会いたします。    午後二時二十一分散会