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1953-09-12 第16回国会 参議院 水産委員会 閉会後第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年九月十二日(土曜日) 午前十時四十五分
開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
森崎
隆君 理事
秋山俊一郎
君 千田 正君
委員
青山
正一
君 野田 俊作君 森 八三一君
松浦
清一
君 菊田 七平君
事務局側
常任委員会専門
員 岡 尊信君
常任委員会専門
員 林 達磨君
説明員
外務省参事官
(
外務大臣官房
審議室付
) 島 重信君
大蔵省主計局主
計官
柏木
雄介
君
水産庁長官
清井
正君
水産庁漁政部漁
業調整
第一
課長
浜田 正君
運輸省船員局労
働基準課長
亀山 信郎君
運輸省港湾局計
画課長
中道 峰夫君
海上保安庁長官
山口
伝君
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
派遣議員
の
報告
○
水産政策
に関する
調査
の件 (
和歌山
県下
の
水害
による
大阪
、兵 庫、
徳島
三
府県下
の
水産被害救済
の 件) (日韓
漁業
問題に関する件) (日濠
漁業
問題に関する件) (香川県
塩飽諸島牛島南方航路開設
に関する件) (
まき網漁業
に関する件) (
船員法適用範囲
に関する件)
—————————————
森崎隆
1
○
委員長
(
森崎隆
君) それでは
只今
から
委員会
を
開会
いたします。 今日は
和歌山
県下
の
水害
による
大阪
、
兵庫
、
徳島
三
府県下
の
水産被害救済
の件を
議題
にいたします。 この件につきまして、
松浦委員
から先般参られました
状況
を一応簡単に御
報告
頂きまして、それから質疑に入りたいと思います。
松浦清一
2
○
松浦清一
君 先ほど
国会
の命に従いまして
青山委員
と一緒に
兵庫
県、
徳島
県等の
水産事情
の
視察
に参りましたのですが、簡単にその
実情
の御
報告
を申上げます。 我々三名は去る八月十六日から四日間に亙り
兵庫
、
徳島
両
県下
に出張、
香住
、
神戸
、淡路、
洲本
、
徳島
の
各地
でそれぞれ
関係業者
の参集を求めて
協議会
を開き、いろいろ当面する問題について
意見
の交換を行い、併せて実地を
視察
したのでありますが、そのうち重要な問題三、四点について申上げますから、その他の詳細については
報告書
によ
つて御覧
を願いたいと存じます。 先ず、
香住
の
会議
で
中心議題
となりましたのは、
底曳漁船
の
朝鮮水域出漁
の問題でありました。その
大要
を申上げますと、
兵庫
県
徳島
海区の過去一年間の
地元漁獲高
は五億六千万円で、そのうち
底曳船
九十大隻による
漁獲高
が四億円に上り、全体の七割八分を占めております。これを以て見ましても同
地方
の
漁業
が如何に
底曳
に依存しておるかがわかるのでありますが、同
地方
の底びき
漁船
は、
昭和
八年から十六年まで春秋二回
玄海灘
から
朝鮮東海岸
に盛んに出漁していたもので、それが戦時中、
島根
県、
山口
県
沖合
に閉じ込められることになり、更に多数の
漁船
が徴用され、或いは沈没するなど
相当
ひどい打撃を受けたのであります。ところが
終戦後代船建造等
で
漁業能力
は戦前に匹敵する復興を見たのでありますが、
漁場
が狭いために資源はますます枯渇し、
漁業経営
はいよいよ不振に陥り、
乗組員
或いは
加工業者
、
従事者
及びその
家族等
三万数千名がその日の
生計
にすら窮するようにな
つて
参りました。ところがたまたま
講和条約発効
に
伴つてマツカーサー・ライン
が撤廃せられ、昨年の九月から
兵庫
県、
島根
県、
鳥取
県の二十トン以上一艘
曳漁船
に対して
北緯
三十五度以北、
北緯
四十度までの
韓国東海岸漁場
へ出漁が許可され、
兵庫
県としては、昨年十一月から本年二月までに延五十四隻が
韓国
の
沖合
に出漁し、五十一万貫
金額
にして五千六百万円を得てどうにか
生計
を維持した有様で、これによ
つて内地
の
沿岸漁場
が或る
程度
緩和されたことも事実であります。併しその間
韓国東海岸
では、
海上保安庁巡視船
や
水産庁取締船
の
保護
を受けることにはな
つて
おりましたが、事実は殆んどその効果はなく、
韓国海軍
の
威嚇射撃
や
ギヤング的行為
によ
つて空船
のまま帰港したことも再三ならず発生いたしております。今次
韓国側
の
李承晩ライン外
に
日本漁船
を追放する旨の
措置
によ
つて
この問題は更に
深刻度
を増大しつつあることは申上げるまでもございません。 以上が大体
徳島
県
但馬海
区の
現状
でありますが、これと同様な
状態
にあるのが
島根
、
鳥取
、京都、福井、
石川
の各
府県
即ち
日本海
一府五県の
中型機船底曳網漁業
の実態でありまして、これらの切実な
要望
を要約いたしますと次の
通り
であります。
島根
県から
石川
県に至る一府五県の
中型底曳漁船
は総数五百隻で、狭い
内地沖合漁場
に互いにひしめき合い、
漁場
は年々荒廃するばかりで、昨今では経営不振の
漁船
が続出しておる。これをこのまま放任するにおいては、
漁業者
は共倒れとなり、
漁村経済
は破滅に陥ることが痛感されます。そこでこれが
打開策
の
一つ
として、
政府
で
減船整理
を計画し、他
種漁業
に転換して
底曳漁業
の
稼動隻数
を減少しようとしておるが、
日本海沿岸
では、この
漁業
に匹敵する
漁業
が皆無で、残された
手段
としては、比較的
稼動力
の大きい三十トン以上の
漁船
約百隻を
韓国東海岸漁場
へ出漁させて、
内地沖合漁場
に余裕を与へ、
資源維持培養
を図ることが唯一の施策であると考えます。時あたかも
朝鮮戦乱
の休戦が成立を見、
日韓漁業交渉
も一段と進展の気運にあるので、これはその当時の
現況
でありますから、昨今の
実情
とは
大分相違
がありますが、この際
島根
県五隻、
鳥取
県三十隻、
兵庫
県六十九隻、
石川
県五隻計百九隻の
中型機船底曳網漁船
が来たる十一月の漁期から
韓国東海岸漁場
へ
安全出漁
ができるようにしてもらいたいというのであります。それについては、公海自由の原則を基本とする
日韓漁業協定
の
早期締結
と
海上保安庁
の
巡視船
の
拡充強化
による
漁業
の
安全保障
を強く
要望
しておることは言うまでもありません。 以上のような極めて真剣な
要望
を聞いたのでありますが、この問題は言うまでもなく
裏日本一
府五県だけの問題ではなく、我が国の
海洋漁業
が当面する切迫した問題でありますので、我々としてはかねてから
検討
を加えて来た問題でありますが、更に一層万全の
措置
を講じなければならないことを痛感した次第であります。 次に
和歌山
県の大
水害
による
流木
の
被害対策
でありますが、この問題は直ぐにも
措置
しなければならない切実な大問題であるだけに、
神戸
、
洲本
、
徳島
の各
会議
で、いずれも
中心議題
として取上げられ、
漁民諸君
から悲痛な訴えを聞いたのであります。又
会議
のほかに同様な
立場
にある
大阪
府からも
神戸
の
会議
のあとで代表が
陳情
に見えられ、
詳細実情
を聴取いたしました。先ず我々の実感を申上げますと、
国会開会
中に
陳情
を受けた印象を以て
現地
に行
つて
見ると、その
被害
の深刻さに実は驚かされた次第であります。尤も漂流した材木即ち製材されたものはすでに
地元
民によ
つて
引揚げられ、
市町村長
によ
つて
保管されているもの、或いは
和歌山
県の引取船に引渡したものなど、一応の
処理
は終
つて
おりましたが、どうにも処置のつかない、又金にもならない大きな
根株
が
沿岸一帯
に押し寄せているには驚くのほかはありませんでした。ところが
沿岸
に押し寄せているのはまだいいほうで、この
根株
がたくさん海中に浮遊しておる、又海底に沈んでおる、これをどうするかが最も大きな問題でありました。つまりこのために
漁業
ができない、或いは
漁船
が破損する、目に見えない所に大きな障害がひそんでおるのであります。従来の台風や洪水の
被害
は漁港、
漁船
、
漁具等
の施設又は
手段
の
被害
であ
つて
、
漁場そのもの
には異常がないのが普通であるが、
流木
の
被害
は、
漁場価値
の減少を来たしたことで、それだけ目に見えない大きな
被害
をこうむ
つて
おるわけであります。更にもう
一つ
困つたことは、この
障害物
を取除かない限り、半永久的に
漁船
、
漁具
が損傷をこうむることでありまして、一平方キロに
沈木
二百個、換算約四十石以上あれば一本釣以外の他の
漁業
はできないというのが
実情
であります。
沿岸漁民
が真剣に救済を求めておるのも無理からんことだと考えられます。 今、八月十五日現在の
大阪
、
兵庫
、
徳島
三
府県
の
被害状況
を見ますと、
被害総額
三億二千六百万円、
うち大阪
五千六百万円、
兵庫
二億三千二百万円、
徳島
三千七百万円でありまして、そのうち
生産減推計
二億六千六百万円、
大阪
四千四百万円、
兵庫
一億八千六百万円、
徳島
三千六百万円、
漁船
の
損害
五六千十九隻、その
金額
二千四百万円、
漁具
の
被害
三千四百万円等であります。又
流木漂着量
は総量十五万五千石、
大阪
八千石、
兵庫
十一万五千石、
徳島
三万二千石で、これの未
処理
が約三分の一の五万九千石であります。
油木推定総量
は十万八千石、
大阪
八千石、
兵庫
七万石、
徳島
三万石であります。以上に対する
掃海経費
は総額九千百万円、
大阪
千九百万円、
兵庫
六千万円、
徳島
千二百万円とな
つて
おります。 これが大体の
被害
の
大要
でありますが、これには現在処置しなければならない大きな問題が残されております。
政府
におきましては、これら
流木処理
について、
沿岸
一マイルから沖は
航路掃海
の
建前
から
海上保安庁
において掃海
処理
することにし、一マイル以内は
市町村
において
処理
することにいたしております。ところが
市町村
においてこの莫大な経費を
負担
する
能力
はありません。又
建前
としてかかる不測の
損害
を除去するには、
一般災害復旧
と同様
相当
な
国庫補助
が出されることは当然と言わなければなりません。併しその
国庫補助
の前提となるものは、去る第十六
国会
で制定されました
昭和
二十八年六月及び七月の大
水害
による
災害地域
内の
たい積土砂
の
排除
に関する
特別措置法
第二条の「
災害地域
」に
指定
されなければならないことにな
つて
おります。そこで
地元
としては、その
指定
を熱心に
要望
しておるのでありまして、その
地域
としては
大阪
府全
沿岸海域
、
兵庫
県
尼ヶ崎
市、西宮市、芦屋市、
神戸
市、明石市、
洲本
市、津名郡、三原郡及び飾磨郡家島町の
沿岸海域
、
徳島
県は鳴門市、板野郡、那賀郡及び海部郡の
沿岸海域
を挙げ、三
府県当局
、
関係市町村長
、
沿岸漁民
挙げて極力その実現を
要望
いたしておるのであります。我々といたしましては、その
被害
の深刻なこと、
地元市町村
の
負担能力
の貧弱なこと、更にかような
災害復旧
に対しては当然
国庫
において
相当
な
負担
をするのが従来の例に見まして当然である等の見地から、
政令
による
災害地域
の
指定
は勿論、
必要経費
は早急に支出すベきことを本
委員会
としても推進すべきであるという結論に達した次第であります。 次に、
各地
で強く
要望
されたのは、
漁業災害補償法
の制定であります。この問題は
水産界
長年の懸案でありまして、できるだけ早く実現しなければならないのでありますが、近年これが強く叫ばれるようになりましたのは、
漁業経営
が不振であることに基くのと、一方農業に対しては、あらゆる面において
国庫
の
補助
又は助成がなされ、同じ
国民食糧
の一端を担う
立場
にありながら、余りにも不公平であるという漁民の自覚が然らしめたものと考えられます。本法の制定も
水産委員会
の重大な任務の
一つ
として
早期実現
を期さなければならないと考えます。 次に、将来大きな問題に発展する虞れのある問題に、
小型底曳減船整理
があります。それはなぜかと言えば、本年度までの
減船整理
は、一応大型のものを整理し、而も希望に基いて行
なつ
たのでありますが、来年度からは大体同じ型のもので而も
希望者
のないものを押し付けなければならないということであります。
整理船
を誰が決定するか、抽籤によるか、或いは抽籤でも承服しないものを誰が強制するか、そこらの点はなかなかむずかしい問題で、
関係当局
ではかなり頭痛に病んでおる模様であるが、これは将来大きな問題として浮び上
つて
来ると予想されるので、我々といたしましても今から
検討
の必要があろうかと存じます。 以上大きな問題だけを取上げて御
報告
申上げましたが、その他の詳細は、この
報告書
に
会議録等
を添付いたしておりますから御覧を願いたいと存じます。 以上でありますが、私
ども青山委員
、
林専門員
と君名で
調査
をいたしました。特に
但馬海
区の
現況等
につきましては、一昨日来この
委員会
で
検討
いたしておりまする朝鮮の
李承晩ライン
内の
日本船追放
に関する
問題等
も起
つて
おりますので、
現況
には非常に大きな相違がございます。併しその当時の
現況
においてこれだけ切実な
要望
があるのでありますから、今日の
状況
においては、更にその
要望
の深刻の度合いは増加しておる、増大しておる、このように御理解を願いたいと存じます。 附加えて申しますが、
兵庫
県、
徳島
県
視察
の途次、
青山委員
は
大阪
の
流木被害
を是非見てもらいたい、こういう
地元
の要請がありまして、一日を割きまして
大阪
の
現状
を
視察
して来られたはずでございますから、私が御
報告
申上げました以外に追加して御
報告
の点があれば、御
報告
を願いたいと存じます。
青山正一
3
○
青山正一
君
只今松浦先生
からおつしやつたように、私
自身淡路
からこの班に分れまして
大阪方面
の
現地
、例えば堺とか
和泉
、佐野の
現地
も
視察
して参つたようなわけであります。
大阪
は大体
兵庫
或いは
徳島
と同様でありますが、ただ特に附加えておきたいことは、
流木
じやなしに
枕木
のために
漁網
の
破損
とか或いはスクリユーの
破損
が、三
府県下
を通じまして大体一億円以上にな
つて
おるのであります。こういつた
補償
を一体どういうふうにするか。その点を特に
水産庁
のほうで御
検討願つて
、そういう
被害
を受けたところに十分の弁償をして頂きたい、何か
考え
て頂きたいということを強く
希望
いたすものであります。以上附加えておきます。
森崎隆
4
○
委員長
(
森崎隆
君) 丁度今日は
大蔵省
の
柏木主計官
も参
つて
おりますので、皆さんから何か御
要望
なり御
質問
があれば
一つ
お願いいたします。
松浦清一
5
○
松浦清一
君
要望
と申上げますよりも、今の
災害地
の
地域指定
の問題につきまして、
大蔵省
が
予算
上の
関係
で
相当政令
による
地域
の
指定
について干渉しておるというような話を聞くのですが、そういう
経過
について、
大蔵省
のと
つて
おられまする
方針
なりお
考え
を
一つ先
に承わ
つて
おきたいと思います。
清井正
6
○
説明員
(
清井正
君)
只今松浦委員
より
お話
があり、更に
青山委員
より追加して
お話
がありました中で、特に三
府県
、
大阪
、
兵庫
、
徳島
の
和歌山
県
被害
による
流木
、
枕木等
の
被害
に対する
措置
についての御
質問
でございましたが、この点につきましては、御
報告
の中にもありました
通り
、去る
国会
で
昭和
二十八年六月及び七月の大
水害
による
災害地域
内の
たい積土砂
の
排除
に関する
特別措置法
というものが
制定
されまして、それに基きまして、
関係地方公共団体
が実施いたしました
右流沈木
の
排除
に要した
費用
につきましては、
国庫
が
全額負担
をするということがきま
つて
おるわけであります。そこで私
ども
といたしましても又かねてから
関係地方
の
方々
、県庁の幹部の
方々
並びに
関係業者
の
方々
から数回、数十回に亙
つて
非常な御熱心な御
陳情
を受けております。又
実情等
につきましても詳しく実は伺
つて
おるのであります。又
関係省
として一部
調査
を進めておる所もあるのであります。私といたしましても、
水産
の
立場
から申上げれば極めてこれは重要なことであります。単にこれは
只今
も
お話
がありました
通り
、
関係海域
におきまする
流沈木
の
排除費用
ということによる直接の
負担額
のほかに、更に
当該漁場
が使用できないということによりますところの
漁業
の
損害
というものが
相当
金額
に上るわけであります。なお又
流沈木
によります
漁網
、
漁船
の
損害
というものも又
相当
の額に上るということも
只今
の
お話
にありました
通り
でありまして、私
ども
といたしましては、この点につきましては何とかして
関係漁業者
並びに
地方公共団体
の損失に対しまして、できるだけのことをいたしたいと
考え
ておるのであります。で、
只今
のところ
予算等
の
措置
につきましては、主として
農林省
内におきましていろいろ目下
数字等
につきまして
検討
をいたしておる最中でございまして、なお又これが済みますれば
大蔵省
とも
折衝
を開始するという段階にな
つて
おるのであります。 なおいわゆる
地域指定等
につきましても、私
ども
といたしましては、
認定
の
基準
を作りまして、その
基準
に基きまして
指定
された
地域
において、又
指定
された
程度
の
被害
というもめにつきまして、私
ども
といたしましては
実情
を
考え
まして、適当の線を引きましてや
つて
参りたいというふうに実は
考え
ておるのであります。又
大蔵省
との
話合い
がこの点につきましてもまだついていないのであります。これは申すまでもなく
金額等
の
関係
もございまするし、或いは又
現地
の
認定等
の問題もござい事ので、なかなかその線を引くという問題につきましては、いろいろ問題もあろうかと思います。私
ども
といたしましてはできるだけ
漁業者
の
災害
を
最小限度
にとどむるようにという
趣旨
の下に、又一方国家全体の
財政
の
関係等
も見てや
つて
参らなければならんのであります。その点につきましても、なお
官房
とも十分に
相談
いたし、又
大蔵省
とも
相談
いたしまして速かにこの
予算化
につきまして
実現
いたしたいと
考え
ております。
松浦清一
7
○
松浦清一
君
農林省側
の今までの
経過
はわかりましたが、そうするとどの
地域
を
指定
するかということ、それから
沈木
等の
処理
について国がどのように
補助
をするかということについて数字的に
検討
中であ
つて
、こことこことを
地域指定
をやるべきだというようなことについての
具体的折衝
は
農林省
としてはまだや
つて
いないわけですか。
清井正
8
○
説明員
(
清井正
君) 正式に
折衝
と申しますか、
個々
にいろいろの
話合い
はいたしております。
併しま
とまつた
話合
といたしましては、
全般
の
災害対策
としていたすのでありまして、その一部々々のものにつきましては、
個々
の場合につきましては御
相談
を申上げておりますけれ
ども
、まだ
災害
全体としての
相談
はいたしておらないのであります。
森崎隆
9
○
委員長
(
森崎隆
君)
大蔵省
の
柏木主計官
が参
つて
おりますが、拍木君今衆議院の
水害委員会
のほうで
出席
を要求されておりますので、この
あたり
で……。
松浦清一
10
○
松浦清一
君
大蔵省
にも聞きます。そこで
大蔵省側
では、
予算関係
にからんで
関係各省
からこういう
災害
についてこういう
地域
を
指定
すべきであるというその
方針
が決定された場合に、
予算面
からそれに対して、
地域指定
に対して干渉するとか制約を加えるというようなことはございますかございませんか、承わ
つて
おきたい。
柏木雄介
11
○
説明員
(
柏木雄介
君)
各省
より
全般
の
水害等
の
被害
につきましていろいろ御
報告
なり
お話
を聞いております。私のほうでも大体今年度の
災害
がどのくらいに上るか、その
国庫負担
が大体どのくらいになるか、いろいろ
推算
をいたしております。その場合
特別立法等
の
関係
でどのくらい
国庫
の
負担
が殖えるかというような一応の
推算
も若干いたしております。併し何分具体的にどのくらいの
金額
になるか判明いたしておりませんので、私のほうではまだ
政令
の
指定
の
基準
をどういうふうにすべきか、私のほうの
意見
もまとま
つて
いない
状況
でございます。ただ
各省
からそれじや
基準
ができたらそれをそのまま呑んでくれと言われても、それはやはり
財政全般
の
状況
、或いは他の
災害等
との
均衡等
を
考え
まして、できるだけのことをいたしたいと思いますが、
財政
の
限度
もあろうかというふうに
考え
るのであります。
松浦清一
12
○
松浦清一
君 国の
財政
にはやはり限界というものがあることはこれは私も了承できるのですが、問題は今度の
災害
によ
つて
こう
むつ
た
損害
全体に対して少いながらも分ち与えるという
方針
で臨まれるか、
地域
の
指定
に当
つて
は或る
程度地域
の限定を図るというように操作するかということが問題なんです。国の
予算
、
財政
というものに、例えば百億の
予算
をこの
水害対策
に出せる、こういう見通しが立つたときに、それを
災害地
全体に少いけれ
ども
配分をして行くという
考え
方で臨むか、それとも重点的に非常に大きかつた
災害地
にそれを持
つて
行くか、あなたのほうから軽微と
考え
られる
地域
に持
つて
行くというような
建前
で臨むかという基本的な態度について問題があると思う。これは
質問
ですが、僕の
考え
を言わせると、やはり
災害
の大小にかかわらず、この
水害
によ
つて
こう
むつ
た
損害
、こういうものに対しては国の
財政
の許す最大限において均霑してそれを配分すべきだという
建前
で臨むべきだというふうに
考え
るのですが、
大蔵省
の
立場
は如何ですか。
柏木雄介
13
○
説明員
(
柏木雄介
君) 今の御
質問
の
趣旨
を或いは間違
つて
了解しておるかも知れませんが、
特別立法
の
適用
は成るべく広く
適用
し、成るべく多くの
地域
に均霑するようにしたほうがよかろうという御趣意かと思いますが、それにつきましては、今回の
災害
が特に異常にひどく影響しました
地域
につきまして、特に
政府
の
助成等
を厚くしようというのが
特別立法
の
趣旨
かと存じます。そういうふうに理解しております。ですから今回の
災害地域
のうちで
被害
の多かつた
地域
に
政府
の
保護
が余計参りまして、
被害
の軽微の
地域
は従来の法律で行くというふうに
考え
ております。
松浦清一
14
○
松浦清一
君 これが例えば
九州
の五県とか
和歌山
県とかいう殆んど全
県下
に亙つた
災害
というものは誰が
考え
て見てもこれは大きな
災害
であつたということを印象付けられるのだ。ところが実際問題として、今
言つた兵庫
県なり
大阪
なり
徳島
県の
沿岸
の特定の
区域
においては、やはり
和歌山
県なり
九州
五県なりの全
県下
に亙る
水害
と同じように、
被害
の
区域
は狭いけれ
ども
、そういう点を勘案してやらないと、その分だけ除外されるということになると、
範囲
は狭いが
被害
をこう
むつ
た人々の
損害
というものが全
県下
に亙つたこの
損害
に比べて決して少くない、こういう問題が起
つて
来るわけです。その点を
一つ
勘案すべきだと、こう思うのです。
柏木雄介
15
○
説明員
(
柏木雄介
君)
只今先生
から
お話
がありました
通り
に
考え
ております。
県ごと
に、県の
被害
が大きかつたからその県内すべてにつきまして
特別立法
の
適用
を必ずしも
考え
るべきではなくて、
被害
の特に著しかつた部分を捉えて、そこに
適用
する。逆に県全体としての
被害
としては必ずしも大きくなくても、
当該
の
団体等
におきまして特に著しい場合にはそこに
適用
する、そういうふうに
個々
の
団体
の
負担能力等
を考慮して
高率適用等
の
特別制度
を
考え
るべきだ、そういうふうに
考え
ております。
松浦清一
16
○
松浦清一
君 そうすると最後にちよつと伺
つて
おきたいのですが、例えば今私が御
報告
申上げたような
兵庫
県の
沿岸
、それから
大阪
、
徳島
県の部分的な
沿岸等
における
沈木
の
被害
というものは、結局橋が落ちて道が通れないとか、道が壊れて車が通れないとかいう
被害
に等しい、このまま放
つて
おけば
漁業
ができない、こういう
現況
にあるのでありますから、
水産庁あたり
がその
現況
を肯定して是非とも
地域指定
をやらなければいかんという申入があつた場合に、
担当官
として
大蔵省
のあなたはどう取扱うおつもりですか。
柏木雄介
17
○
説明員
(
柏木雄介
君) まだ
水産庁
から何も具体的な
お話
を聞いておりませんので判断しかねますが、
実情
をよく聞きまして善処いたしたいと思
つて
おります。
青山正一
18
○
青山正一
君 そこに
海上保安庁
の
長官
も来ておられるが、
流木
とか
沈木
に対して現在どういう行動をや
つて
おるか、又
大蔵省
にどういう
予算
をもら
つて
、どういうふうにしてや
つて
おるか、その
状態
を
一つ
お聞きしたいと思います。
山口伝
19
○
説明員
(
山口伝
君)
只今
御
質問
がありましたので、
海上保安庁
の
関係
につきまして御説明申上げたいと思います。先ず
流木
の概況について申上げたいと思います。
和歌山
県
水害発生
当時、即ち七月中旬から八月上旬にかけまして厖大な量の
木材
、雑株、到
壊家屋等
が流出し、
和泉灘
、播磨灘、
紀伊水道一帯
の
水路
を閉塞して、その量は正確には判明いたしませんが、約九十万石
程度
に及ぶと推定されたのであります。八月上旬頃はまだ長大な帯状の
流木群
をなして
水路
の妨害をしておりましたが、その後、後ほど申上げますように、
処理作業
及び第六、第七
号台風
の影響もありまして、
太平洋方面
にも大量の
木材
、
流木
が移動いたしました。又
陸岸
に漂着したり、時間の
経過
によりまして沈下をした
木材
の量が急増いたしました等によりまして、八月下旬には大きくても百石
程度
の群として分散している
状態
と
なつ
たのであります。現在では数十本
程度
のまばらな群をなしているに過ぎない
状況
であります。 次に、
海上保安庁
として行いました対策について御説明申上げますが、
災害
発生時、当庁といたしましては、担当管区であります
神戸
の第五管区海上保安本部をして、即時
巡視船
により
実情
を
調査
せしめ、応急
措置
として千百二十石の除去作業も行いました。又
和歌山
県流材整理組合及び
大阪
、
兵庫
の
木材
組合等とも
話合い
をしまして、でき得る限り多量の除去の
処理
に当らせて参りましたのであります。
木材
所有者の判明いたしておりますものにつきましては、この流材整理組合が現在までに約十五万石の除去を行な
つて
おります。その後
流木
災害
の規模の大なるに鑑みまして、又
地方公共団体
、船主或いは
漁業
団体等
からの強い要請もありまして、流材、
沈木
の漂流物を早急に除去する必要を認めましたので、西日本
災害
総合対策本部に
意見
を具申いたしまして、
方針
の確立を要請して、御承知のように八月十日次官
会議
了解によりまして、
和歌山
県
水害
による
流木
、これは
沈木
を含むわけであります、等の
処理
要領の決定を見たのであります。この
処理
要領に基きまして、
海上保安庁
の分担にかかります
流木処理
に対しまして、予備費より九百四十三万円の支出の決定をすでに見まして、九月三日より本格的な作業を実施いたしまして、現在までに
和泉灘
本航路の航路
障害物
の除去をほぼ完了いたしましたところであります。航路
障害
となる
沈木
の
処理
につきましては、保安庁の海上警備隊に出動を要請いたしました。即ち向うの従来のいわゆる掃海隊であります。要請し、水深十メートルまでの
沈木
の存在の確認作業を依頼しておりますが、現在までに航路の
障害
となるものは皆無であるとの
報告
を得ております。併し現在
漁場
それ自体の
障害
とな
つて
おりまする
沈木
につきましては、
只今
申上げました次官
会議
了解の
処理
要領によれば、当庁の分担には一応な
つて
おりませんのでありますが、
流木
につきましては、でき得る限り
現地
の
要望
に副いまして、航路の
障害
に準じて
処理
して参
つて
おるのであります。この点は次官
会議
の
処理
要領、もう
一つ
は、
只今
お話
がございましたこのたびの
災害
に基く
特別措置法
、これの施行と相関連して、私
ども
としては
流木
の
処理
に対して、できる限りそれを
沈木
と認められるものについて整理をや
つて
おる
程度
でございます。
青山正一
20
○
青山正一
君 十メートルまでの
沈木
を
処理
するというわけなんですが、十メートル以下の
漁業
などに障りのある
沈木
には全然手を付けていないわけなんですかどうなんですか。
山口伝
21
○
説明員
(
山口伝
君) 私
ども
のほうの分担の中で、更にそれを実施作業を依頼したり、警備隊のほうの作業は本航路につきまして掃海をしたわけでありまして、これは作業の方法が十メートルぐらいまでの所を狙
つて
網で引張
つて
、それでそこでその十メートルまでにあるものの所在を確めて、それを付いて行きました作業船が引揚げるという形でございまして、海底に沈んでおるそれ以下のものにつきましては、これまでのところ依頼しておりません。
森崎隆
22
○
委員長
(
森崎隆
君) まあいろいろこの点について御
意見
なり御質疑がありましようが、
柏木主計官
もお急ぎのようであります。あちらに要求されております。今の
お話
のように
大阪
、
兵庫
、
和歌山
三
府県
から非常に具体的な資料を出して強い要請もございますので、
予算
編成上の問題につきましては、特に
検討
されて強くこの点善処せられんことを
要望
いたします。
松浦清一
23
○
松浦清一
君 三分間で……、問題は簡単なんですが、最初に申上げましたように、
地域
の
指定
には
一つ
努力を願いたい、こういうことを頼んでおきたい。もう
一つ
は、
海上保安庁
が今や
つて
おられる以外の
漁場
における
沈木
の
処理
、この問題はもうすでに
災害
が起
つて
二ヵ月経
つて
おるわけなんです。それが放任されているためにその
漁場
においては、
漁船
が操業ができない、こういう
実情
にあるまま放任されておる
状況
なんです。これは一体誰が誰の
費用
でどうして片付けるのですか、誰でもいいからそれを
一つ
明示して頂きたいのです。
清井正
24
○
説明員
(
清井正
君)
只今
の
お話
でございますが、私もその点は十分に
お話
を承わ
つて
お
つて
、浮
流沈木
が堆積いたして、そのために海上で
漁業
ができないということによりまして、
関係
の
方々
が非常にお困りにな
つて
おるということは十分承知しておるが、その
予算
措置
等につきましては、
只今
のところ浮
流沈木
の処置等につきまして
補助
予算
を計画いたしておるのであります。その他の問題につきましては、或いは
漁業者
の
損害
等につきましては、これは直接の
予算
措置
によらず、その他のいろいろの
漁業
政策
全般
の面からできるだけ速かに
予算
措置
をと
つて
、
漁業者
の
損害
を将来においてできるだけ回復、或いはこれを除去乃至減少するような
方針
をと
つて
参らなければならないと思います。
松浦清一
25
○
松浦清一
君 それで簡単に縄でも入れて引張れるくらいのものは、
漁民
自身が自分のことですからや
つて
おるでしようけれ
ども
、機動力がなければ引揚げられないような
沈木
があるのです。そういうものはどつかから
費用
を出すからこういうふうにしてやれと言わなければ片付かない問題なんです。その
費用
の捻出というか、支出の方法等について、
水産庁
それから
大蔵省
は一体どういうふうに
措置
をしておられるのですか。
清井正
26
○
説明員
(
清井正
君)
只今
申上げたのでありますが、
流木
なり
沈木
なりのそのものを除去する
費用
は、これは
予算
に計上いたしまして、そうして国が全額
地方公共団体
の
費用
に対して
補助
したい、こういうことで私のほうは事務的には数字は計上いたしてあるのでございます。それは
只今
お話
がありました
通り
、
当該漁場
内にありますところの
流沈木
の除去をするための
費用
であります。そのためには、或いは人力を以て除去し得るものもありますし、或いは船を仕立てまして、そうして海底に沈んでおります物を引揚げまして、これを海岸まで運びまして、
措置
する
費用
もございます。或いは特に必要な場合は潜水夫等を入れまして、海底に沈んでおります
漁業
障害物
を除去するという直接の
流沈木
の
処理
をするという
費用
につきまして、私のほうで
只今
補助
予算
を計上いたしまして、
大蔵省
と
折衝
いたしたいと思
つて
おります。
松浦清一
27
○
松浦清一
君 その金を出すことはさまつたのですか。
漁場
内の
沈木
については、その金を出すことがきまつたのですか。
清井正
28
○
説明員
(
清井正
君) 私
ども
といたしましては、
被害
のありました点につきまして処置いたしたいと思
つて
おります。
水産庁
といたしましては、数字を計上しておるのでありますが、まだこれが
農林省
としての全体的な意思決定がありませんので、
農林省
全体としての意思決定がありましたものを
大蔵省
と
折衝
いたしまして最後決定をする、こういう段階にあるのであります。私
ども
としては、できるだけ
漁業者
の
被害
を少くするという意味において、
只今
申上げました点の
費用
につきまして
補助
いたしたい、こういうふうに
考え
ております。
松浦清一
29
○
松浦清一
君 だから早くや
つて
やらないと、二ヶ月もた
つて
おるのですから、省の
意見
をまとめられて
大蔵省
のほうへ正式に持
つて
行かれてや
つて
もらいたいのです。
大蔵省
のほうもそういう要請があつたら早く手を打
つて
や
つて
下さい。
青山正一
30
○
青山正一
君 どうなんです。
海上保安庁
でもちよつと限られた航路だけの
流木
とか
沈木
の始末しかできない。その
費用
でさえ九百万円かか
つて
おる、僅かの限られた航路だけで。そうなると、
漁業
自体は、この前の福井或いは
石川
、富山
あたり
の
被害
のときに三年間、
底曳
も地曳も何もできなかつたというような
状態
を、今度は
大阪
湾で又その
状態
を繰返さなければならんというわけなんですが、以西
底曳
あたり
の余
つて
おる船を持
つて
来て、少し
費用
を出して掃海作業をやるというような、何か
水産庁
にそういうふうな計画でもやられるんですかどうですか。そうしないことには、
大阪
湾における
漁業
状態
というものは全然駄目だろうと思いますが、これはどういうふうな
考え
方で進んでおりますか、その点について。
清井正
31
○
説明員
(
清井正
君) 誠にその点は私
ども
も
地元
の業者のかたには長い間非常な迷惑をかけてお気の毒だと思
つて
おるのであります。そこでこれは早くいずれ
予算化
いたしたいと思
つて
、事務的に
相当
急がして一応実は試案はできておるのでありますが、残念ながら成案とな
つて
いないのであります。この点は
只今
いろいろ
お話
を承わりまして、速かに成案化するように今後努力いたしたいと思います。ただ問題の、非常にこの
沈木
等によりまして
漁業
上の
障害
を受けたものにつきましての
措置
は、これは直接の
補助
予算
によらずに、その他の
漁業
全般
の政策といたしまして、いろいろ
漁業者
に対しまして処置をいたして行かなければならん、こういうふうに実は
考え
ておるのであります。なおこの
流沈木
を除去するために、或いは
底曳船
を使つたらどうかというような
お話
でございましたが、その点は十分御
意見
を承わ
つて
おきます。
—————————————
森崎隆
32
○
委員長
(
森崎隆
君) ではこの問題は善処して頂くことにいたしまして、一応この問題はこれでおきまして、
海上保安庁
のほうから昨日以後の
朝鮮水域出漁
に関する
状況
を御
報告
を頂きたいと思います。
山口伝
33
○
説明員
(
山口伝
君) 昨日の午前八時から今朝八時までの丸一日間の情報を取りまとめて申上げたいと思います。 先ず
巡視船
の行動
状況
でございますが、現在引続き五隻行動中であります、「くさがき」「へくら」「あまくさ」「きくち」「のしろ」、以上四百五十トン型三隻と二百七十トン型二隻でございます。一部今後交代を、第七管区本部とも連絡もいたしまして交代を
考え
ておりますが、この五隻は引続き置いておくつもりであります。なおこれらは
漁業
監視船の三隻と
現地
において協力をいたしております。「あまくさ」が昨日午後二時三十分から約二時間、先方の旗艦である七〇五号と接触して会談をや
つて
おりますが、そのときの様子は、先ず
李承晩ライン
内の操業
漁船
は飽くまで退去せしめる、抵抗しない限り抑留はしない、
巡視船
、監視船等に対しましては自由行動を認める、そういう話でありまして、これは従来から申上げておる
通り
であります。当方からはこれ又同じでありますが、飽くまで連行することがないように申入れておるのでございます。 それから次に
漁船
の
出漁
状況
でございますが、昨日二十二時の
報告
に上りますると、二百四十三区、これは
李承晩ライン
内でありますが、二隻
程度
が認められる。それから二百二十四区、これは
李承晩ライン
の外側でありますが、ほんのすぐすれすれの所であります、ここらに約百隻
程度
が操業中であります。それから長崎の五島方面からの情報によりますと、約五十隻が
出漁
したという情報がありますが、詳しいことはわかりません。 それから次に
現地
における事件発生の模様でありますが、今のところ拿捕はまだございません。十一日、即ち昨日の八時から本朝の八時までの間に行われました事故は、臨検が七隻
報告
されております。これは昨日申上げましたように、第一次的には臨検して再び
李承晩ライン
内に入らないというような誓約書を取
つて
一応放しておるわけであります。これはこの次に又入
つて
参りましたときに、二度目だというので、有無を言わさず連行するという
建前
のように聞いております。併し、なおそのほかに
相当
臨検されておるのじやないかと思います。これは以上判明しておるものだけであります。こういうことによりまして九月に入りましてからの累計は、今朝の八時までの拿捕が三件、うち一件だけはちよつとはつきりしないのでありますが、二件は御承知のように、すでに向うに釈放方その他賠償等の申入をしておることは御承知の
通り
であります。それから臨検、立退命令を受けたものは、
報告
のあつたものを累計いたしますと、五十四隻に達しております。なお該海域には
韓国
の艦艇は依然として十数隻遊弋を続けておりますし、引続き
日本漁船
に対して退去
措置
を講じており、抵抗しない限り不法なことはしないと言
つて
おりますが、事実上同海域内における操業は不可能な
状態
に相成
つて
おります。 なお、
各地
の
出漁
状況
についてそれぞれ入電がございますが、詳細よくわからないのでございますが、御参考までに拾い読みいたしますと、佐賀県唐津港におきましては、唐津を基地にさば釣
漁船
が十五隻でありますが、十日の日に唐津に入港したものが、唐津の船が一隻、神奈川が二隻、千葉の船が二隻、入港というのは帰
つて
来たわけであります。十一日、昨日帰
つて
来たのは、神奈川県が二隻、それ以外のものは大体まだ出ておるわけであります。それから佐世保を基地とするもので
出漁
中のものが二十隻、現在同港に入港中のものが三十隻、平戸で
出漁
中のものが四隻、生月が十二隻、福岡港が六隻、仙崎が二隻、福岡では滞留中のものが五十隻
程度
であります。 以上で大体今までの一日の間の情報の御
報告
を終ります。
青山正一
34
○
青山正一
君
水産庁長官
にお聞きしたいのですが、拿捕されているうちの二隻というのは大体判明しておるわけなんですが、聞くところによりますと、
徳島
県で昨年度ですか、一昨年度において整備をした小型
底曳
のいわゆる
沿岸
漁業者
によ
つて
初めての
出漁
が拿捕された、こういう恰好にな
つて
おりますが、いま一隻も大体そういうふうな形のものが拿捕されたというようなことを聞いておりますが、問題は、
李承晩ライン
をどうするとか、こうするとかという問題に集中しておるわけなんですが、拿捕された船を返してもらうというような
折衝
を実際上進めているのですか、どうですか、どういうことなんですか。
清井正
35
○
説明員
(
清井正
君) これは昨日もお答え申上げたのでありますが、先般の外務省からの金公使に対する抗議文の中にその点に触れまして、拿捕された船を
乗組員
と共に直ちに釈放いたせということを厳重に抗議をいたしておる次第であります。現在そのようにな
つて
おります。
千田正
36
○千田正君 今朝の新聞によるというと、外務大臣は日韓
漁業
条約等に対する用意があるということを新聞に報道されておりますが、こういう問題は、少くとも国内的においては、
水産庁
、
農林省
等においては承知しておかなければならない問題と思いますが、その点におきまして、
水産庁長官
は何らか外務省当局からそういう問題について交渉があつたかどうかという点について
長官
から伺いたいと思います。
清井正
37
○
説明員
(
清井正
君) 昨日外務大臣も一部
お話
がありまして、私
ども
といたしましても、この事件が起
つて
以来、外務省当局と常に緊密な連絡をと
つて
おるのであります。私も連日、一日数回に亙
つて
外務省に参りまして、いろいろ実は
相談
をいたしておるのであります。
只今
はつきり申上げるわけに行きませんけれ
ども
、いろいろの処置につきまして、目下外務省と緊密に連絡をと
つて
おります。
—————————————
森崎隆
38
○
委員長
(
森崎隆
君) 一応この問題は
報告
にとどめまして、昨日日濠
関係
の問題につきまして一応御
報告
を頂いたのでございますが、これについて質疑を今日いたしたいと思います。順次御発言を願います
千田正
39
○千田正君 日濠の問題は、前から非常に杞憂を以て、当
委員会
といたしましてはしばしば当局に対して
質問
しておつたのでありますが、かような事態が生じたということは誠に遺憾の極みであると私は思うのであります。そこで、昨日の外務当局からの
お話
によるというと、非常に食い違いがあつた結果がこうした結論に到達したようでありまするが、今後一体これを打開する方策としては、外務省としてはどういう
方針
を立てて行くのか、そういう点について現在
考え
られておられる点を一応承わ
つて
おきたいと思います。
島重信
40
○
説明員
(島重信君) お答え申上げます。交渉そのものを継続するかどうか、つまり
漁業
協定というものを作るかどうか、作る方向にこれからどういう努力をするかという点につきましては、昨日申上げました
通り
、その交渉は、日本といたしましては、依然として続けて行きたいという気持でずつとや
つて
おつたのであります。今回の打切りも、濠洲側から打切りをしたために、一応交渉がそれで停止したという
状況
にな
つて
おる次第でありまして、協定を作るための交渉は、これはいつでも日本側といたしましては続けて行きたい、或いは再開したいということを
考え
ております。そのことはすでに濠洲
政府
にもはつきり申入れてございます。 それから
只今
出ております船団、この船団が円満に操業を継続できるようにするための
措置
という点につきましては、これは実は濠洲側の
措置
が、
只今
のところは実はまだ一応
措置
をとる過程にあるという時期でありまして、現実にこういう
措置
をとつたというところまで行
つて
おらないわけであります。従
つて
、どういう
状況
になるか、どういう事態が起るかということは、一応想像の域を出ませんわけでありますから、それぞれの事態に対してこういう
措置
をとりたいという
考え
を持
つて
おりますけれ
ども
、こういう場合にはこうするのだということを今から申しますと、或る意味におきましては、こちらの
考え
が先に相手方に皆知られてしまうということになりまして、交渉をする場合に必ずしも有利でないというようにもなりますので、一応
只今
のところは、それぞれの事態に応じた
措置
を
考え
ておるということしかお答えできない点を御了承願いたいと思います。
千田正
41
○千田正君 それでは結局向うからの、濠洲側からの打切りという一方的な処置に対しては、日本側としてはそれを受諾したということではなしに、向うの打切りというものに対してはこちらは留保しておる、こういう
状況
でありますか。
島重信
42
○
説明員
(島重信君)
会議
でございますから、相手方が出て来なければ、こちらが幾らやろうと言
つて
もできないわけでございます。従
つて
当事者の一方が打切りすると申しまして、やらないと言えば、こちらにいたしましても
会議
そのものは続行できないわけであります。日本側といたしましては、従
つて
留保しておるということよりも、再開する意思があるならばいつでも再開に応ずるという態度でいるわけでございます。
千田正
43
○千田正君 それではむしろこちらから再開を要求してもいいわけでありませんか。
島重信
44
○
説明員
(島重信君) 再開を要求することは勿論差支えないわけであります。併し、
只今
のところ、打切りを向うから言いまして、その後その交渉自体を継続するための事態というものは、全然変化しておらないわけでありますから、打切られてすぐに再開したいと申しましても、これはちよつとむずかしいのではないかと思います。
千田正
45
○千田正君 私の言おうとするところは、向うが一方的に打切る、
会議
であるから一方的にやめてもそれきりなんだという
考え
ではなく、両者間の問題であるから、一方から打切りだと、こう言われて、ああそうかということじやなしに、我々も、再開する場合においては、こちらから再開を要求するだけの準備があるのだということは、一応こちらとしては十分それは主張できると、こういう
建前
におられるというわけでありますね。
島重信
46
○
説明員
(島重信君) 勿論仰せの
通り
でありまして、従
つて
適当な時期又きつかけがありますれば、こちらから再開を申入れるということも当然
考え
られるわけであります。
松浦清一
47
○
松浦清一
君 濠洲との
漁業
問題についての会談といいますか、交渉といいますかそれが打切られたということは、公式に文書か乃至は口頭を以て日本に対して通告があつたわけでございますか。
島重信
48
○
説明員
(島重信君) その点は、昨日申上げました
通り
、八月二十八日に本
会議
が開かれまして、その
会議
の席上で、先方の代表から、
会議
はこれを以て打切るということを申したわけであります。従
つて
、
会議
といたしましては、その
会議
席上の先方の代表の言明によ
つて
打切られたということになるわけであります。
松浦清一
49
○
松浦清一
君 昨日来の御
報告
、御説明を承わ
つて
おりますと、向うが会談を打切つたと、こう言いつ放しにな
つて
、日本の
立場
からは、まだ問題の解決がされていないのだから、これを続行したいという意思表示をしたという説明が
一つ
もなされていないのですが、黙
つて
引込んでおるわけですか、言葉は非常に悪いですけれ
ども
。
島重信
50
○
説明員
(島重信君) その点は
只今
申上げました
通り
、日本側としましては、打切りを非常に遺憾と思う、つまり打切りによ
つて
、この
会議
を決裂にしてしまうということは日本側の意思ではないわけでありますから、
希望
といたしましては、
会議
を続行したいわけであります。併し向うから打切りを言いましたそのときに、折返しまして、このままやろうではないかと言いましても、恐らく
会議
の続行ということは
むつ
かしいと思うのであります。従
つて
只今
のところ、日本側から申しましたことは、再開にはいつでも応ずる、日本側としては、このまま続行してもよろしいし、又折を改めてやりたいということならばいつでも応ずるということを申入れてあるわけであります。
松浦清一
51
○
松浦清一
君 何日だつたか、日にちは忘れておりますけれ
ども
、濠洲議会で、いわゆる大陸棚ということで、百ひろですか、丸切り
李承晩ライン
の宣言みたいな法律を作
つて
、それから中に入
つて
来る外国
漁船
は如何なる外国
漁船
であ
つて
も濠洲側の許可を受けなければならんという法律ができましたですね。それはまだ
制定
されていないわけですか。
島重信
52
○
説明員
(島重信君) まだです。
松浦清一
53
○
松浦清一
君 そうすると、その法律を作ろうとしておる向うの
考え
方なり、行動に対して、日本の
立場
からは、何か抗議的な、或いはそういうものを作
つて
もら
つて
は困るというような要請をするとか何か
措置
をお講じに
なつ
たことはございますか。
島重信
54
○
説明員
(島重信君) その点が昨日御
報告
いたしました問題でございまして、
只今
までに判明いたしましたところでは、涙淵は二つの
措置
をとろうとしているようであります。
一つ
は、
只今
お話
のありました大陸棚に対して主権を及ぼすという宣言をするという点、いま
一つ
は、恐らくそれを根拠にしてのことと思いますが、現行の真珠貝
漁業
法を改正いたしまして、その大陸棚の
範囲
内において真珠貝
漁業
を行う者は、国籍の如何を問わず濠洲
政府
の許可を受けなければならないという
趣旨
に法律を改正するという、この二つの
措置
を
考え
ておるようであります。 それで、第一の宣言のほうは、今期参りました西大使からの電報によりますと、昨日宣言があつたということが濠洲のラジオで伝えられたということを言
つて
来ております。まだ正式にキヤンベラにおきましても、東京におきましても、濠洲
政府
から日本
政府
に対してこういう宣言をしたからという通告は参
つて
おりませんが、恐らくラジオを以てそういう報道があつたということから察しますと、恐らく昨日付で濠洲総督の宣言が発せられたのではないかと想像されるのであります。たた、その大陸棚に及ぶ権限の内容でございますが、この点は
李承晩ライン
と多少違うようでございまして、
漁業
全般
には亙
つて
おらないようであります。今までわかりました
範囲
内では、大陸棚の海底とそれから地下に存する天然
資源
に濠洲の主権が及ぶということを言
つて
おるようであります。 それから第二のこの真珠貝
漁業
法の改正法案のほうは、昨日申上げましたように十日に下院が通過いたしました。それから上院に回付されるという段階にあるように了解しております。
松浦清一
55
○
松浦清一
君 その
経過
を日本側ではじつとこう見ておるわけですか。
島重信
56
○
説明員
(島重信君) この正式の抗議ということになりますと、一応相手方の
措置
がはつきりいたしまして、つまり
措置
をとつたということが
一つ
の機縁になるわけでございまして、
只今
の段階では、
只今
申上げました
通り
まだ正式に濠洲
政府
が新らしくこういう
措置
をとつたというところになるかならないかという段階であります。従
つて
、
只今
日本側としてなし得ますことは、こういうことである、若しこれが
実現
すればこういうことになる、従
つて
、日本側としてはその見解乃至やり方について同意できないということを言うのがまあ順序ではないかと思います。で、その
措置
につきましては、昨日来
検討
いたしておりまして、恐らく近日中に適当と思われる
措置
をとることになるだろうと思います。
松浦清一
57
○
松浦清一
君 まあ私は外務省は遊んでおるとは申しません。大変御多忙であろうとは思いますけれ
ども
、そういうことをや
つて
おる問に法律ができてしまつたら、結局李承晩の海洋主権宣言のいわゆる
李承晩ライン
と同じようなことにな
つて
しま
つて
、既成事実を作り上げてしまつたら困ると思うのですよ。この間アメリカが冷凍まぐろに対する関税法案を、下院が通
つて
上院に回付されて、上院で審議中に日本の
政府
側からも、業者側からも、我々のほうからも上院通過を阻止するために運動をした。そのことが効を奏したかどうか知りませんが、結局下院を通過したこの法律が上院で否決されて法律が成立にならなかつたのですが、そういう先例があるので、法律ができてしまつたら手遅れになるから、できてしまわないうちに、急速に日本側の
立場
を開明して、そうした法律ができないような
一つ
行動を起してもらいたいと思うのですがね。
島重信
58
○
説明員
(島重信君) その点仰せの
通り
だと思います。ただ米国のまぐろの関税の際には、御承知の
通り
米国の中にも利害
関係
の反する分子がありましたので、運動の効果が割合に出て来たという
関係
があるのに反しまして、今度の場合におきましては、濠洲の
関係業者
というものは正面から日本の業者と利害相反しておるという
立場
にありますので、前回のまぐろの関税の場合のように濠洲内部に働きかけますことが、直ちに効果を挙げ得るかどうかという点がやや疑問であります。併し勿論この真珠貝
漁業
法改正案というものが
通り
まして、少くとも濠洲側からすれば、濠洲の思う
通り
にやれるのだという事態が起りますことは好ましくないということはわかり切
つて
おることでありますから、それに対しましてはできるだけの
措置
はとりたいと思
つて
おります。ただ丁度この
漁業
協定の交渉の打切りと時期を同じくして起つた問題でありまして、濠洲
政府
を説得するということはかなり困難ではないかとは
考え
ておりますけれ
ども
、一般の国際間に認められました
考え
得るあらゆる
措置
をと
つて
善処いたしたいと思
つて
おります。
松浦清一
59
○
松浦清一
君 ちよつと速記をとめて下さい。
森崎隆
60
○
委員長
(
森崎隆
君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
森崎隆
61
○
委員長
(
森崎隆
君) 速記を付けて下さい。 次の
議題
、もう時間が過ぎましたから暫らく御協力を頂きます。香川県
塩飽諸島牛島南方航路開設
に関する件、この件につきまして運輸省の港湾局計
画課長
中道峰夫君に御説明を頂きたいと思います。
中道峰夫
62
○
説明員
(中道峰夫君) お答えいたします。
只今
お話
の瀬戸内海の航路のうちで、備讃瀬戸と申しておりますが、この備讃瀬戸は瀬戸内海の主要航路の大事な所にございまして、而もこの航路附近には暗礁とか砂洲等がございまして、本船が航行します場合に衝突或いは坐礁等の海難事故がこれまで
相当
多かつたのであります。で、瀬戸内海の航路の中では
一つ
の難所だというふうに言われておりますので、この暗礁を除去いたしまして、この航路を安全にしたいというふうな
要望
がかねてからございます。それにつきまして運輸省といたしましては、
昭和
二十七年度から、その
実情
につきまして
調査
をいたしております。その目的といたしますところは、この航路の改良、或いは新設につきまして、その必要性と特質につきましてのいろいろな経済的な
調査
とか或いは
障害
個所になります岩礁或いは砂洲におきます簡易な深浅測量、或いは土質の
調査
とか、そのほかこの洲を実際に除去することができるかどうかというふうな問題の
検討
とかいつた方法を目的といたしまして、
調査
を二十七年度からや
つて
おる次第であります。
森崎隆
63
○
委員長
(
森崎隆
君) ちよつとお尋ねいたしますが、これはここに航路を新らしく開設するという前提にはつきり立
つて
や
つて
おるわけじやないのですね。航路開設が可能か不可能かということを現在研究中なんですね。
中道峰夫
64
○
説明員
(中道峰夫君) その
通り
でございます。
森崎隆
65
○
委員長
(
森崎隆
君) 更にちよつとお尋ねといいますか、
要望
を時間がないから申しておきますが、この牛島の南方航路開設の問題につきまして
陳情
書が出ておりますが、塩飽諸島の
漁民
関係
の
方々
からでございますが、この
区域
は非常に大切な
漁場
にな
つて
おるので、航路は従前の本島、牛島間の航路でや
つて
もらいたい。牛島の南方の航路開設は
地元
漁民
の生活上非常な脅威であるから、是非ともこの開設計画はやめて欲しい。又浚渫その他の計画もやめて欲しいという強い
陳情
がされておる。最近
陳情
者からじかに聞きましたところでは、非常にこの問題に
地元
のほうでは苦慮いたしまして、運輸省にも参りまして、それから
海上保安庁
にも参つた、保安隊のほうへも参つたらしいのですが、いずれもどうもはつきりした御返事がなくて、どちらでも責任がないような、或いは又
調査
中といつたようなお答えがあ
つて
、取付く島がない。そうしておる間に本年の八月十五日で浚渫は……掃海ですか、これは一応完了してしまつた。現在は又ぽつかりと浮標が立
つて
おるというようなことで、非常に
地元
では心配をしておるのです。で、まあ計画まではないようでございまするが、今後
一つ
問題がどう発展するかわかりませんが、十分
一つ
地元
の意向を尊重されまして、若し工事を開始するというようなことをきめまするならば、きめる以前に
地元
の
漁業
組合連合会にあらかじめ
一つ
通知をしてよく
話合い
をして、その上で
一つ
具体的な決定をしてもらいたい。非常に現在心配しておりますのは、責任の所在がはつきりしていないので、その間に今申しましたような作業が進行しておるので、非常に狼狽しておる。できますなら運輸省のほうで、この相手は香川県塩飽
漁業
協同組合連合会とな
つて
おりまするから、そのほうへでも詳しい現在までの
状況
、将来の
問題等
、
一つ
正直に書いて、誤解のないように一応書面でも出して頂いたらどうか思います。それを是非
一つ
お願いしたいと思います。それだけでございます。よろしくどうぞ。
中道峰夫
66
○
説明員
(中道峰夫君) 承知しました。
—————————————
森崎隆
67
○
委員長
(
森崎隆
君) それから次は、まき網の
陳情
がございまするが、ちよつと
陳情
を伺いたいと思います。
青山正一
68
○
青山正一
君 ちよつと発言お許し願います。まき網の問題について、私は御承知の
通り
まき網の責任者であります
関係
上、非常に頭を悩ましておるわけなんです。殊に西部
日本海
の海区の問題につきまして、山陰側と
山口
、福岡、佐賀、長崎各県側の間いろいろな問題が惹起されてお
つて
、これを何とかして解決したい、こういうふうにしよつちゆう
考え
ておつたわけでありますが、不幸にして
水産委員会
で取上げて頂かなければどうもこれは解決できにくいというようなところまで来ておりますので、それで止むを得ずこの問題を今日の
議題
に供して頂いたようなわけであります。 それでこの席上にそのほうの責任者のおかたも多数お見えにな
つて
おりますが、その会長である天野さんから、大体この
陳情
なり何かを
一つ
正式に
委員会
として承わ
つて
頂きたい、こういうふうに
考え
ております。どうかよろしくお願いいたします。
森崎隆
69
○
委員長
(
森崎隆
君) それでは速記をとめて。 午後零時八分速記中止 —————・————— 午後零時二十一分速記開始
森崎隆
70
○
委員長
(
森崎隆
君) 速記を始めて。
只今
の天野氏の
陳情
の
趣旨
よくわかりました。これについて何か……。
青山正一
71
○
青山正一
君 私もこの問題につきましては、昨年から非常に自分も関心を持
つて
おるところであります。こういつた問題につきまして
水産庁長官
にはいろいろ
お話
はしませんでしたが、あなたの下におりますところの遠藤氏なり或いは油井君
あたり
とよく話しまして、何とかうまく妥決して頂きたい、解決して頂きたいということをこれは終始望んでおつたわけでありますが、どうしたわけか様子が急に変
つて
来たと、こう申すよりこれは仕方がないのであります。初め油井君
あたり
の話或いは遠藤君
あたり
の話と今日の結果とは大分変
つて
おる、こういうことでありますると、同じ海区におきまして山陰側だけを非常によく認めて行く、あとはどうな
つて
もいいというふうなことになりますと、丁度
石川
県のいわゆる中部海区においていろいろ失敗があつたと同じふうなことで、或いは京都或いは福井
あたり
が自分の
漁場
が狭ばめられて、非常に失敗しておるというふうなことと同じようなことになりはせんか。それで私は
長官
にいろいろお聞きしたいことは、一昨日
水産庁
から西部
日本海
の
まき網漁業
の要綱というものが何か発表されたように私は聞いておりますが、それは案でありますか、それとも実施に移すいわゆる決定的なものでありますか、その点について
一つ
私承わりたいと思います。
清井正
72
○
説明員
(
清井正
君)
只今
御
陳情
なり又
青山委員
よりもいろいろ
お話
があつたのでありますが、この問題につきまして、詳しいことは又必要がありますれば御説明申上げたいと思いますが、私
ども
といたしましても、これは
指定
中型、即ち
只今
御
陳情
がありましたあじ、さばの
まき網漁業
は農林大臣の直接の許可にな
つて
おります
漁業
であります。従いまして私
ども
といたしましても、この問題につきましては非常な関心を持ちまして、
沿岸
漁業
の摩擦等の調整を十分
一つ
考慮しながら、適当にこれを操業させなければならんということは常々関心を持
つて
おるのであります。昨年春いわゆる大海区制を布きましたときに、夜間の操業、即ち河口と漁群探知器使用をとめまして、昼間の操業のみを認めたということにな
つて
おることは、
只今
御
陳情
のあびました
通り
であります。ただ残念ながら昼間におきまするさばの回游が見られなく
なつ
たということのために、
当該
漁業
に深刻な打撃を与えまして、何とかいたしても夜間におきまする操業を認めてもらいたいという
陳情
が激しく実はあつたのでございます。それと同時に、私
ども
といたしましても大海区制を布きましたときに、夜間操業をとめたという
趣旨
が即ち
沿岸
の
漁業
との摩擦を
考え
たというような面もありましたのでございまするから、そういう点との調整をも併せ
考え
なければならんということで、その間の調整に苦心をいたして参つたのであります。併しながらこの
指定
まき網漁業
がいわゆる漁群探知器というような近代的な
漁具
を利用できぬということは、本来の
趣旨
じやないと私も十分了承いたしております。
趣旨
といたしましては、これは夜間操業を許し、いわゆる漁群探知器の利用もさせるということが
趣旨
であります。そういう方向に持
つて
行かなければならんことはその
通り
だと私思
つて
おります。ただ問題は、該水域におきまする主として
鳥取
、
島根
の
沿岸
漁業
の
関係
につきまして、十分その間の調整を考慮しなければならんという観点をも併せて
考え
た上、適当に施策を立てなければならんという
考え
方から、爾来慎重に案を練
つて
参つたのであります。特に案を作ります前に必要を感じまして、私
ども
のほうの
関係
の部長、
課長
を
現地
に派遣いたしまして、
関係
の
方々
からも十分
一つ
意見
を聴取して来いということで行
つて
もらつたのであります。その間の事情等も十分
報告
を聞きまして、又各種の観点からも十分
考え
ました結果、一昨日と昨日の二日間に亙りまして
関係
のかたにお集まり願いまして、
水産庁
の一案を出したのであります。その案は極く少数の隻数について試験的に漁群探知器による操業を認めるという
趣旨
の案であります。その他いろいろ附属の事項もございますが、根本はそういう案であります。その案によりまして、
沿岸漁民
のかたからは無論一隻も入れては困るという
趣旨
の反対がありました。それから
まき網漁業
者のほうから、そんな案は認められないという
趣旨
の反対があつたのであります。私といたしましては、この問題はどういう結論を見るにいたしましても、強行することはできないと
考え
ております。やはり
沿岸
の
漁業者
の
方々
なり、同時に又あじ、さばの
漁業者
の
方々
なりの、これは認めるとか認めないとかは別問題でありまして、とにかく了承したという下において実行いたさなければ、仮に無理やりに操業いたすことにいたしましても、或いは不祥の事態が起らないとも限りませんが、その他の一般の
漁業
行政上に非常にマイナスを起すということも実は
考え
られるのでありまして、私の
考え
といたしましては、これはとにかく
関係
者の何らかの形による合意ということに基いて実施すべきものであるというふうに実は
考え
ております。ところが一昨日、昨日の
会議
におきまして、双方からの反対を受けましたのであります。私といたしましては、
現況
の下においては、この案で止むを得ないという意味において案として出したのでありますが、両方からの反対を受けました以上、これを強行するわけに参りません。但し私といたしましては、もはや諦めておるのではありません。さばの漁期が始まります前までに、速かに私
ども
の提示した案につきまして、
関係
者の何らかの形による意思表示を得まして、代案的の解決案を見出して行きたいというふうに
考え
ておりまして、私といたしましては、まだあじ、さばの調整という問題につきましては
希望
を捨てておらないのであります。何らかの形の案を作りたいものだというふうに
考え
ておる次第であります。
青山正一
73
○
青山正一
君 ただ要するに問題は、この
沿岸
漁業
との摩擦というような点も非常に
長官
のほうで心配しておられるような向もあろうと思います。これは私らもしよつちゆう下関或いは
鳥取
、
島根
のほうに行
つて
おりますが、実は河口におるいわゆる
まき網漁業
がそれだけ害毒を流したのであ
つて
、いわゆる魚探によるというものは殆んどありません。そこへ持
つて
行
つて
、ただ僕はよく
考え
てみると、
鳥取
の
まき網漁業
者というものと
島根
の
まき網漁業
者が
沿岸
漁業者
と一緒にな
つて
、そしてどうも働いておる、こういうことじや僕はいけないと思う。
まき網漁業
者と
沿岸
漁業者
の摩擦とかというような点は、これは一応
考え
られますけれ
ども
、はつきり言えば
鳥取
とか
島根
の連中が、この
まき網漁業
者を含めたすべての
漁業者
が腹一ぱい自分の食うだけのものを食わして頂く、そして他
府県
のものは今まで九十九個統のものを二十個統にしてしまう、こういうふうな行き方はいけないと思う。そうすれば折角昨年
あたり
きまつたいわゆる対馬の問題も、直接長崎へ全部
鳥取
、
島根
の連中を入れないということにもなろうし、又或る一面から
考え
ると、
李承晩ライン
でこうしてお互いに外部においては争
つて
おるけれ
ども
、内部的にはどうな
つて
おるか、そういうふうに思われる節もこれは出て来ようと思う。そういう点も、例えば
水産庁
の
長官
自身もあちらのほうにおいでに
なつ
ただろうと思うし、或いは部長とか或いは
課長
とか或いは遠藤君、油井君
あたり
も向うの実態を調べて、たしかあの告示は不当であると、うようなことも僕は誰かに聞いております。そういうふうにして来ておるのに、何か
島根
県と
鳥取
県の代議士とか或いは参議院の諸公がうんと働きかけて、今まで
農林省
が何かきま
つて
おつたやつをそれを翻してしま
つて
こういう結果にやらす、恐らくこれは筋だろうと思いますが、その筋
通り
にこれはな
つて
いると、そういう点は僕はいけないと思う。だからその点をもう少し
考え
直して頂いて、一昨日出した要綱
あたり
は、これはやはり飽くまで案というようなふうなことで、この案を見ますと、二十二個統にするとかどうとかいうようなことで
鳥取
、
島根
は非常な優遇されておる。ほかのほうはお前たちは死んでもかまわんというようなこれは案なんです。そういうことになりますと、折角西部海区としてのいわゆる中型
まき網漁業
としてはつきりとした
一つ
の基本
方針
を示したやつが全然覆えされるというような結果になりはしないか、そういう点を私は心配しておるのですが、その点について浜田
課長
なり或いは
水産庁長官
に、どの
程度
までやはり
考え
ておられるか、その辺を
一つ
お話
し願いたいと思う。
浜田正
74
○
説明員
(浜田正君)
只今
まき網のほうからも
陳情
がありましたのですが、漁
業調整
の中心は、一本釣とか或いはさし網とか地曳網とかの小さい
漁業者
と、それからこの場合に言いますれば、まき網以上の大きい
漁業者
との利害の調整といいますか、そういう点に重点を置いて
考え
るわけであります。そこで今の
陳情
にもありましたように、確かに一方だけの見方で言いますれば、他方において夜間操業をやる、又魚群探知器をやる、又舟も大型にして自由自在にその性能を発揮するというのは、片方だけの合理性を追及して
考え
た場合にはまさにその
通り
だと
考え
ます。ただその場合に、同じ
漁場
において何といいますか、自由奔放に競争といいますか、大きいのと小さいのと競争させた場合に、その結果どうなるかという点を
考え
ますと、
沿岸
から見ますれば、
沿岸
としての理由があるわけです。一本釣にしましても、さし網にしましても、ああいう大きいのにガリガリやられたらとても我々はたまつたものではない、こういう理由があるわけなので、片方だけの合理性を追及するというわけにも参りませんので、その調整点としまして、どの
程度
まで何といいますか、足を引張るか、合理的な
漁業
のやり方について足を引張るかという点は、先ほど申しましたように、
沿岸
とそういうものとの調整という点に主力をおきますれば、当然
各地
の
沿岸
の
状況
によ
つて
調整の仕方は変
つて
来るということは
考え
られると思います。そこで今の現実の問題といたしまして、長崎における
沿岸
の事情、そして対馬
漁場
における問題はどういう問題であるか、それから山陰におけるあの
鳥取
、
島根
、本土と沖の間が中心でありますが、あそこにおける
沿岸
の
状況
はどうであるか、
漁場
の操業
区域
の広い狭い、この広い狭いにおける
沿岸
の具体的な事情はどうな
つて
おるかということによ
つて
おのずから調整の
方針
は変
つて
差支えないと私は思う。ただ、まき網の側から見れば、その合理性だけを追及すれば、日本の海に違わないのじやないか、どこもかしこも同じでないと不公平じやないか、理由は確かにある。併し調整という点から見れば、
沿岸
に主力を置きますれば、当然
沿岸
の事情が変れば調整の仕方も変
つて
然るべきだと、こういうふうに
考え
ておるわけであります。 そこで今度はどういうふうに変るかと言いますれば、対馬における
沿岸
の事情と山陰における
沿岸
の事情は確かに変
つて
いると
考え
ております。例の以東
底曳
の場合も、私は長崎でつぶさに
沿岸
の事情も見ましたし、又この問題につきましても山陰についてそれぞれ
沿岸
の事情も具体的に地図の上で聞いて来たわけです。それを大観して
考え
れば、対馬において自由であるから山陰においても自由であるというまき網業者の主張としては合理性がある。併しながら
沿岸
の主張としては、そうは参らん。こういうことはいま少し山陰の
実情
は
沿岸
との
関係
において対馬以上により深刻さがあると
考え
ますので、試験的に若干入れてや
つて
みよう、然る後問題を本格的に
考え
る、こういう
考え
方で臨んでいるわけであります。先ほど
長官
も言われましたように、この問題は案を一昨日出しましたが、絶対反対ということにおいては
意見
の一致がある。内容的には
沿岸
は絶対反対ということで一隻も入
つて
もらつちや困る、まき網業者は二十個統ではどうにもならん、試験操業では絶対反対ということは一致している。内容は完全に右と左に分れております。これは更にどう調整するかということは、これから
考え
てやらなければいかんというのが
実情
であります。
清井正
75
○
説明員
(
清井正
君) 先ほどちよつと
青山委員
のお言葉の中に政治的にどうとかという
お話
がありましたので、私一言附加えて申上げたいと思います。この問題は確かに当初私
ども
が
考え
ましたことと今回案として出しましたことが、特にまき網業者の側にとりましてやや違
つて
いるという印象を与えたことは事実であります。従
つて
そこに何らかの政治的な力があつたのだろう、こういうような御推測であろうかと思います。確かに違つたことは事実であります。これは私も認めます。私自身の気持も多少違つたのですからそれは認めます。ただ何故違つたかということですが、これは端的に申上げますが、私
ども
はこれは長崎のときに非常に苦心した例もあるのです。
沿岸
漁業
沿岸
漁業
という声が確かに起つた場合において、これがどの
程度
の影響があるかということは、よほどこれは噛みしめて
考え
なければならん問題だと思
つて
いるのであります。そこで先ほど
陳情
の中にもいろいろいわゆるいわしの
まき網漁業
がある。いわしと言いながら、いわしだけじやなくて、むしろさばを取
つて
いるじやないか。而も県の知事の許可だ。ところが
農林省
の許可を受けた業者はさばが取れないじやないか、何たることかという
趣旨
の
お話
であります。お気持はよくわかる。併し私
ども
の観察といたしまして、又
現地
に行
つて
もら
つて
見た観察の結果、私
ども
が
考え
ました
沿岸
漁業
の実態に対する認識が私
ども
としては不十分であつたということは、確かに私は言わざるを得ないのじやないかという、率直に言
つて
感ずるのでありますが、いわゆるあちら方面においての
漁場
は非常に狭隘でありまして、各
種漁業
がそこに一斉に集
つて
や
つて
いるということもあります。或いは
沿岸
業者もあじもさばも取
つて
いるということがあるわけであります。それからいろいろ
漁具
も損傷するという問題もあるわけであります。いろいろそのほかに問題があるようであります。これは一々何も言うことを聞く必要はないと思いますが、それに対する判断というものにおきまして、私
ども
が曾
つて
考え
ておつたよりは確かに
程度
の強いものであるという認識を新たにしたことは事実であります。然るが故に、私
ども
の言葉の表現が曾
つて
のまき網業者に対します表現とは違
つて
参つたという点があるのであります。この点についていろいろ御議論があるだろうと思うのであります。これは私の率直な気持を申上げるのでありまして、決して
島根
、
鳥取
の政治家のかたがいろいろ言われたから、だからそうしたのだろう、こういうふうに仮に
お話
があるといたしましても、私はそう思
つて
いないのであります。ただ
沿岸
漁業
に対する影響というもの、
沿岸
漁業
に対する深刻性が曾
つて
思
つて
おつたとはより非常に違
つて
おつたから多少実態を見て
考え
なければならん、いわゆる調整の場合というものを
考え
なければならんというような
立場
から、これは事務的に
考え
まして、絶対反対絶対反対と前から言
つて
おつたのでありますが、そう絶対反対と言
つて
も方向は方向なんだから、そこは何らかの調整点を見出して行
つて
、そして調整点でこの秋はや
つて
行けば又
沿岸
漁業者
も思い返えすことができるんじやないか、とにかく端緒を付けようじやないかということでこの案を作つたのであります。但し、結果は
只今
申上げましたような結果に
なつ
たのでありますが、私としましては所信を曲げておりません。何とかしてこの調整点を見出したいと
考え
ておる次第であります。
青山正一
76
○
青山正一
君
長官
なり或いは浜田
課長
のおつしやることも御尤も至極であります。ただ問題は、
鳥取
とか
島根
などに大体三十個統ぐらいのいわしの権利、いわゆるいわしの
まき網漁業
として知事の認可を受けておる。そのうち十八個統というものは二重鑑札でや
つて
おる。そういうところにまだいろいろ問題が出て来るんじやないかと思う。
鳥取
、
島根
だけが同じ海区において非常な何といいますか、得をしておる。ところが他
府県
から入
つて
来ておる九十九個統分が急に二十二個統になる。一方において
鳥取
、
島根
はそういうふうな恩恵があるんだと、而も
鳥取
、
島根
あたり
いろいろいわしのさし網とか或いは延縄とかいうことで、福岡、長崎、
山口
、佐賀、こういつた方面に非常に入り込んでおる。はりきり言えば対馬にはダイナマイト
漁業
あたり
、これは何百統とあるわけですが、このうちの半分以上は
鳥取
、
島根
が占めておる。そういうところは非常な大きな矛盾性があるんじやないか。だからそういう点をよく
検討
して、知事の許可を持
つて
おる。その許可の中に二重鑑札で、今度は
農林省
の許可を持
つて
おる。それが十八個統もあると、そういう点が、やはり禁止するならば全部禁止していいわけです。
鳥取
も
島根
もない。或いは中型まき網に関する限り、その工合で又
考え
て行くということが私は必要だろうと思うが、内部を探
つて
みると三十個統のうち二十個統は二重鑑札でや
つて
おるということで、こういうところがみんなの癇にさわ
つて
おるのだろうと思います。だから一昨日の案は、もう一度
検討
し直して、よくその点を
考え
直して、又将来長崎、対馬の問題とか、或いはいわしのさし網の問題など、そういつた問題にな
つて
来たりすると、例えば、はつきり言えば
島根
出身の者などは、
島根
出身だと、もう
島根
か円来て頂く必要はないという議論にならんとも限らない。そういうことにならんように、お互いに十分納得の行くように、どちらが悪い影響を受けるにしても、均等に受けるという
立場
に進んで行かないとすれば、これは中型まき網の争いというよりも
鳥取
と
島根
のいろいろな
漁業
の争いと
考え
ておるわけなんです。その点をただ
沿岸
漁業
と中型との争いというふうには私は一概にみなすわけにはいかんと思うのです。私は
鳥取
と
島根
の中型のまき網について、お互いに
鳥取
県と
島根
県が喧嘩しておる最中に私が中に入
つて
話をしたこともあるわけです。だからその辺の事情というものはよくわか
つて
おります。だからこの点をよく
農林省
のほうで
検討
して頂いて、
鳥取
、
島根
は腹一ぱい食うと、それから他
府県
の者は今まで二重許可等で九十九個統あつたものが五分の一に減ぜられて、お前たちはどうにでもしろと、こういうことではいけない。その点をもう少し
検討
して調整して頂きたいと思います。
—————————————
森崎隆
77
○
委員長
(
森崎隆
君)
陳情
の問題はこの
程度
にして、
一つ
水産庁
のほうではこの点を御
検討
願います。 大変時間が遅くなりますが、もう
一つ
御協力頂きます。
漁船
船員に対する船員法の
適用
に関する件を
議題
といたします。運輸省労
働基準課長
亀山信郎君に御説明を願います。
亀山信郎
78
○
説明員
(亀山信郎君)
漁船
船員に対する船員法の
適用
につきまして、現在現行法では三十トン以上の
漁船
というものに対しまして船員法を
適用
いたしておりますが、この法律は
昭和
二十二年にできました法律でございまして、この以前の船員法ではやはり三十トン以上の
漁船
ということにな
つて
おりまして、終戦後初めて三十トン以上の船員に
適用
されたということではないのでございます。そこで三十トンで線を引きましたことについてその当時も、
昭和
二十二年の法律を作ります際にもいろいろ御議論がございまして、これをもつと引下げて、或いは二十トン、或いは
漁船
以外の船舶は五トン以上ということにな
つて
おりますが、五トンまで下げるべきであるというふうな議論もございましたし、
漁船
船員というものは、ほかの商船船員、貨物船などの船員と非常に性質が違うものであるから、別に取扱うべきではないかというふうな御議論もございましたけれ
ども
、結局まあ或る
程度
の妥協と申しますか、妥協もございまして、三十トンというふうにな
つて
おるわけでございます。この三十トンということは、大体船員法が
漁船
船員に
適用
されるということは、船員法それ自身が海上労働者ということに対する、まあ労働
基準
の
保護
の法律でございまして、陸上の労働
基準
法と並んで海上における労働者の
保護
ということを主眼にいたしております。海上の労働という点につきましては、例えば一等航海士とか或いは二等航海士、そういつたものと、それからお魚を取る、漁撈に従事するというような人も全く同じでありまして、例えば属員と申しますか、下級船員に至りましては、広
範囲
とな
つて
運航のほうのお手伝いもいたしますし、お魚を取るときに網を挙げる、ときどき一人の人間が両方の仕事をしておるのが
実情
でございますので、海上の労働者としては、陸上の労働者と違うのだということに着目して、これをすべて船員法の
適用
範囲
ということにいたしたわけでございます。ただ、或いはアメリカに通
つて
おる貨物船と小さい
漁船
も同様に扱う、かつお、まぐろを取
つて
おる船、或いはいわしを取
つて
おる船も同等に扱うということは到底できないわけでありますが、船員法の内部で労働時間、有給休暇とか、比較的高度の労働
保護
については、
漁船
船員についてはこれを
適用
していないのでございます。そういうことになりまして、海上労働という特異性が一体どこにあるかということから、三十トンということで線を引いておるのでありまして、勿論いわしあぐりのように三十トン以下のものが一個統を形成して操業するというような場合には、或る一個統で共同にな
つて
集団を組んで操業しておる者が、或る者は船員法の
適用
、或る者は労働組合法の
適用
ということでいろいろ問題がありまして、これについては経営者側からも労働者側からも、どうか
一つ
の共同作業をなしておる者が違つた法律の
適用
を受けることのないようにしてもらいたいという
陳情
を承わ
つて
おります。そこで私
ども
もどこかで線を引張ればどこかに不合理が起るわけでありますけれ
ども
、極力そういつた不合理をなくして行きたいという観点で、最近も
水産庁
とも御
相談
しておりますし、又
水産
業者の
団体
である大日本
水産
会に対しましても、現在の
昭和
二十二年終戦直後にできましたこの船員法について何か御
意見
はないだろうか、ここに今までも伺
つて
おりましたものを取りまとめてはつきりした御
意見
をお伺いしたい、その御
意見
を伺いました上で、なおそういう不合理を少しでも少くして行く方法、例えば
漁業
の種別によ
つて
適用
を上げて行くようなやり方が可能ではなかろうかということで、現在追い追い研究をいたしておる最中でございます。 簡単でございますが
現状
をちよつと御
報告
申上げます。
森崎隆
79
○
委員長
(
森崎隆
君) この問題はいろいろ御質疑があろうかと存じますが、今いたしましようか。
相当
これは大きな問題で、研究……。
青山正一
80
○
青山正一
君 月曜日に
一つ
……。
松浦清一
81
○
松浦清一
君 ちよつと一言だけ、あの三十トン以上の
漁船
の船員に
適用
されるということは、これは労働
基準
は対する立法のみならず、
災害
についての船員保険に強制加入ということにな
つて
おる。それで
保護
されておるわけですが、三十トン未満の
漁船
の船員は、どういう法律で
災害
補償
がなされておるのでしようか。
亀山信郎
82
○
説明員
(亀山信郎君) 三十トン未満の
漁船
の船員は、これは労働
基準
法の
適用
を受けております。保険のほうといたしましては、労災保険のほうの
適用
を受けております。
松浦清一
83
○
松浦清一
君 素人らしいことを聞きますが、労災保険は強制加入じやないのですね。
亀山信郎
84
○
説明員
(亀山信郎君) はあ。
松浦清一
85
○
松浦清一
君 そうすると、殆んどの船員法
適用
外の
漁船
船員は、労働
基準
に関する法律によ
つて
守られん、又
災害
に関する法律によ
つて
守られてない、手放しで放任されておるというような
状態
にある船員が私は多いと思
つて
おるのですが、
現状
は如何ですか。
亀山信郎
86
○
説明員
(亀山信郎君) 三十トン未満の船は
只今
申上げましたように労働
基準
法の
適用
を受けております。労働
基準
法はその中に
災害
補償
という項目を置いておりまして、これは運輸省の所管ではございませんけれ
ども
、やはり雇主、使用者という言葉を使
つて
おりますが、船員が例えば怪我をした場合、或いは職務上行方不明にな
つて
死んだ、こういうふうな場合には、使用者が法にきめられた
災害
補償
を船員自身或いは遺族に対していたすことにな
つて
おります。ただ先ほど申上げました労働者
災害
保険に加入いたしておりますと、その労災保険から保険給付がございました場合には、雇主、使用者の責任が免除される、こういうふうな規定にな
つて
おると承知いたしております。
森崎隆
87
○
委員長
(
森崎隆
君) それではこの問題に関して御質疑がいろいろありましたら、次の機会に……
秋山俊一郎
88
○
秋山俊一郎
君 もう
一つ
。
漁船
と一般船舶というものとはその働きの
状態
において非常に違
つて
いるわけです。船の点から言いますと、
漁船
もこの頃だんだん大きくなりまして、数千トンの船或いは一万トンを越すような遠洋
漁業
の
漁船
もありますが、小は二十トン未満の動力の付いた船もたくさんあるわけです。そこで今の保険の
問題等
もからま
つて
参りまして、例えて申しますと、いわしのまき網、先ほどからいろいろ問題になりましたまき網のごときものになりますと、まき網本船は三十トン以上の船である、この頃は八十トンくらいの船もできております。ところがそれについておるところの母船とか火船とかいうものは、二十トン未満のものもあるわけです。勿論三十トン未満のものが大部分でありますが、そういう場合に保険の面で行きますと、一方母船のほうは船員保険にかか
つて
いる。そうしてその一環をなして
一つ
のチーム・ワークをなしておるところの火船とか或いは母船とかいうものは労災保険によ
つて
いる。併しこれは
一つ
の企業体の中にそれらのものが総合して
一つ
の
漁業
をや
つて
おるわけです。そこで一方は船員法により、一方は労災保険によるところの
救済
ということになりますと、非常に船主としても困るし、船員としても困
つて
おる問題があります。従いまして我々といたしましては、
漁船
船員法という、
漁船
というものを切離した船員法を作る必要があるということを痛切に感じておるわけでありますが、運輸省のほうではそれはどういうふうに見ておるわけですか。
亀山信郎
89
○
説明員
(亀山信郎君)
漁船
における労働という特殊な労働に対しまして、特殊な労働
関係
の法律を作りたいという御
希望
は、これは
漁業
に限らず、私の承知いたしております
範囲
では勿論陸上の中小企業或いは家内労働について、現行の労働
基準
法以外にそういつた法律を作りたいというふうなことが出ておるということも承知いたしております。で、
漁船
につきましても、そういう御説は誠に傾聴に値いする御議論であると思
つて
追い追い研究をいたしておりますが、現在の
考え
方といたしましては、やはり法律できめます労働
保護
というふうなことは、非常に細かい
一つ
一つ
の、労働者と使用者との間の契約のすべてにかかわるようなことまで法律できめるということは非常に困難でありまして、やはり
建前
としては、最低のぎりぎりの線を法律できめる、それ以上のことはやはり労使対等の原則に基いて、これはなかなかむずかしいことでありますが、或いは労働組合の力その他によりまして、両方に適当左合理的な労働条件ということを定めて行くことになるだろうと思います。そう
考え
て参りますと、最低の
基準
という点になりますと、
漁船
といいましても、現在船員法が定めております
程度
の労働条件、これも実を言
つて
みますと、殆んど大事な点を抜かしておりますので、これは労働者側から非常な不満が表明されておりますが、現在
程度
の労働
基準
は如何なる
特別立法
をお作りになりましても、必ず書かなければならないのじやないか、又業種によりまして取扱法規が異なる、それによ
つて
又役所の
関係
も、多少機構も複雑になるというようなことも
考え
られますので、現在では労働者を
保護
する法律といたしましては、陸に労働
基準
法
一つ
、海に船員法が
一つ
、そうして
個々
の業種によ
つて
一律に律し得ない部分は、その
一つ
一つ
の規定の
適用
に当
つて
、或いは
適用
を除外し、或いは緩和し或いは厳格にするというふうなことを
個々
の規定についてや
つて
行くべきでありまして、法体系としては、業種によ
つて
おのおのの法律を作るということは望ましくないのではないか、これは現在の私の
考え
でございます。
秋山俊一郎
90
○
秋山俊一郎
君 この問題はいろいろ
考え
方、見方があると思うのですが、同じ海上を航海する船でありましても、貨物を運搬する船とか、或いは乗客を運搬する船というものと、それから
漁船
というものとは随分開きが、差があるわけであります。
漁業
のほうは、昼間は余り仕事をせんが夜間主としてやるという仕事もあります。又昼間だけやるとか、或いは朝早く或いは夜遅くといつたような、
漁業
については殆んど時間の区別がつかないような仕事が多いのであります。そこでその他の船舶と同じような
基準
においてきめるということになると、今
お話
のように極めて抽象的なといいますか、大ざつぱなきめ方をする以外にないのであります。
漁業
のほうでは
漁業
として船員法を扱うならば、これは或る
程度
まで規制できて行くと思うのです。そういう意味から先ほど私が例を引きましたような、
一つ
の仕事の上にも
関係
法規が違
つて
来るというようなことで、非常に困る問題があるのですが、この点は運輸省としても
一つ
今後の課題として研究して頂きたい。 これを
水産庁長官
にお尋ねいたしますが、
水産庁
はこういう問題についてどういうふうな見解を持
つて
おられますか。どうもいわゆるセクシヨナリズムにな
つて
、船員法ができるというと、これは
農林省
関係
になるといつたようなことが或いはあるかも知れませんが、我々国民としては、どつちにな
つて
もかまいません。その
適用
される適正な法律ができることを望むのでありますから、そういう意味で
水産庁
はそういうことをどう
考え
ておられますか。
清井正
91
○
説明員
(
清井正
君) 実は私この問題につきまして深く研究はいたしておりませんが、ただ問題とな
つて
おります点については十分了承いたしております。特に先ほど
お話
がありました一
漁業
の例えば母船とか或いは作業船と曳船と申しますか、そういう一
漁業
を数船隊で編成されておりました場合に、それがトン数の
関係
で船員法の
適用
を受けるとか受けないというような問題がありまして、非常に
関係
のかたがそのために困惑をしておられるようなことも私は十分承知をいたしております。又船員法自体につきましても、いろいろ問題があります。而もこれが保険と関連いたしまして、経営者側にも問題がありますし、
漁業
の労働者の側にも問題がありますということも私
ども
十分承知をいたしておるのであります。この問題につきましては、
只今
も
お話
がございましたが、いろいろ曾
つて
事務当局間で
相談
をしたこともあるのでありますが、未だ結論に到達をいたしておらないのであります。
水産庁
の
立場
といたしましては、できますれば
漁業
関係
だけの船員というものにつきまして何か規定ができるほうがいいのじやないかという
考え
方もあろうかと思うのです。この点は私今すぐにそのほうがいいということははつきり言い切れないのでありますが、ただ
考え
方としては、そういうふうにやつたほうがいいのじやなかろうかという
考え
方も確かに有力に部内にはあります。この点はもう少し私は研究さして頂きたいと思うのでありますが、とにもかくにも、この問題は
水産
関係業者
の経営者並びに労働者に非常に影響がある問題でありますから、十分
一つ
考え
さして頂きたいと思います。
森崎隆
92
○
委員長
(
森崎隆
君) この問題は今日すぐ解決するということでもございませんが、継続して……。
秋山俊一郎
93
○
秋山俊一郎
君
水産庁
及び運輸省
関係
にお願いしておきますが、同じ仕事におきましても、港というものについても港湾法があり漁港法があ
つて
、その性質についてやはり別の法律でや
つて
おるのです。ですからこれはみんなそういう似たものは
一つ
にしなければならんということもないと思います。その必要な又利害得失の非常に差のあるものは、それぞれの面において作
つて
いいのじやないかと思います。立法の技術の面においては法律屋さんが研究すればいいので、両者において今後も
一つ
研究を進めて頂きたいということを
希望
しておきます。
森崎隆
94
○
委員長
(
森崎隆
君) それでは残余の
議題
につきましては、明後十四日午後一時から
開会
いたします。 なお本日午後二時、衆議院第三議員会館第四
会議
室におきまして懇談会が開かれるように衆議院
水産委員会
から
お話
がありました。問題は
朝鮮
問題について業者、
現地
関係
者、
水産
関係
議員等が
出席
することにな
つて
おりますので、できるだけ御
出席
頂きたいと思います。 本日はこれで散会いたします。 午後一時三分散会