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説明員(
山口伝君) 昨日の午前八時から今朝八時までの丸一日間の情報を取りまとめて申上げたいと思います。
先ず
巡視船の行動
状況でございますが、現在引続き五隻行動中であります、「くさがき」「へくら」「あまくさ」「きくち」「のしろ」、以上四百五十トン型三隻と二百七十トン型二隻でございます。一部今後交代を、第七管区本部とも連絡もいたしまして交代を
考えておりますが、この五隻は引続き置いておくつもりであります。なおこれらは
漁業監視船の三隻と
現地において協力をいたしております。「あまくさ」が昨日午後二時三十分から約二時間、先方の旗艦である七〇五号と接触して会談をや
つておりますが、そのときの様子は、先ず
李承晩ライン内の操業
漁船は飽くまで退去せしめる、抵抗しない限り抑留はしない、
巡視船、監視船等に対しましては自由行動を認める、そういう話でありまして、これは従来から申上げておる
通りであります。当方からはこれ又同じでありますが、飽くまで連行することがないように申入れておるのでございます。
それから次に
漁船の
出漁状況でございますが、昨日二十二時の
報告に上りますると、二百四十三区、これは
李承晩ライン内でありますが、二隻
程度が認められる。それから二百二十四区、これは
李承晩ラインの外側でありますが、ほんのすぐすれすれの所であります、ここらに約百隻
程度が操業中であります。それから長崎の五島方面からの情報によりますと、約五十隻が
出漁したという情報がありますが、詳しいことはわかりません。
それから次に
現地における事件発生の模様でありますが、今のところ拿捕はまだございません。十一日、即ち昨日の八時から本朝の八時までの間に行われました事故は、臨検が七隻
報告されております。これは昨日申上げましたように、第一次的には臨検して再び
李承晩ライン内に入らないというような誓約書を取
つて一応放しておるわけであります。これはこの次に又入
つて参りましたときに、二度目だというので、有無を言わさず連行するという
建前のように聞いております。併し、なおそのほかに
相当臨検されておるのじやないかと思います。これは以上判明しておるものだけであります。こういうことによりまして九月に入りましてからの累計は、今朝の八時までの拿捕が三件、うち一件だけはちよつとはつきりしないのでありますが、二件は御承知のように、すでに向うに釈放方その他賠償等の申入をしておることは御承知の
通りであります。それから臨検、立退命令を受けたものは、
報告のあつたものを累計いたしますと、五十四隻に達しております。なお該海域には
韓国の艦艇は依然として十数隻遊弋を続けておりますし、引続き
日本漁船に対して退去
措置を講じており、抵抗しない限り不法なことはしないと言
つておりますが、事実上同海域内における操業は不可能な
状態に相成
つております。
なお、
各地の
出漁状況についてそれぞれ入電がございますが、詳細よくわからないのでございますが、御参考までに拾い読みいたしますと、佐賀県唐津港におきましては、唐津を基地にさば釣
漁船が十五隻でありますが、十日の日に唐津に入港したものが、唐津の船が一隻、神奈川が二隻、千葉の船が二隻、入港というのは帰
つて来たわけであります。十一日、昨日帰
つて来たのは、神奈川県が二隻、それ以外のものは大体まだ出ておるわけであります。それから佐世保を基地とするもので
出漁中のものが二十隻、現在同港に入港中のものが三十隻、平戸で
出漁中のものが四隻、生月が十二隻、福岡港が六隻、仙崎が二隻、福岡では滞留中のものが五十隻
程度であります。
以上で大体今までの一日の間の情報の御
報告を終ります。