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1953-05-29 第16回国会 参議院 水産委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年五月二十九日(金曜日)    午後一時五十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     森崎  隆君    理事            秋山俊一郎君            千田  正君    委員            青山 正一君            森 八三一君            松浦 清一君            菊田 七平君   政府委員    外務政務次官  小滝  彬君    水産庁長官   清井  正君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員    水産庁次長   岡井 正男君    水産庁生産部長 永野 正二君   —————————————   本日の会議に付した事件水産政策に関する調査の件  (内灘演習地問題に関する件)  (日濠及び日韓漁業条約に関する件)  (水産庁関係暫定予算に関する件)   —————————————
  2. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それでは只今から委員会を開会いたします。
  3. 青山正一

    青山正一君 ちよつとお願いいたします。内灘問題、これはまあ非常に政治問題化しておるのでありますが、二、三日前から石川県の知事なり、或いは県会議長県会議員のかた、その他五十名近くの者が県会の決議を持つて白襷反対陳情をいたしておるわけであります。併しその真意のほどは私らの目から見まして反対しているようでもあり、或いは賛成して補償金でももらい、或いはいわゆるX費、つまり安全保障費から費用を捻出してもらつて道路を直してもらおうとか、或いは国家で以て河北潟を干拓してもらうとか、いろいろ条件が考えられているようでありますが、この地元の、私は石川県出身でありますが、地元の私でさえも果して村民が賛成しているのか、或いは反対しているのか、その真意程度はわからないのであります。併しこの漁業権補償については政府のほうでは非常にないがしろにしておる、こういうふうに私は見ておるわけでありますが、例えば昨年の十一月から今年度の三月末に至る清算も済んでいないということは、これは事実であろうと思うのであります。で、政府として漁業権補償についてどういうふうに処置しているか、又今後如何ように進めるかということについて承わりたいと思うのであります。その他、この地元内灘村以外の近辺の何と申しますか、七束村とか、或いは宇ノ気村、この近辺の漁村も大分音響のために魚がとれないのだというふうなことで騒いで陳情に来ているのであります。それで私は内灘村全般について国家の方針がどうとか、こうとかということをお聞きするのじやなしに、昨年の十一月から今年の三月末までに至る漁業権補償如何ようにして取扱つたか、その問題について長官からちよつとお聞きしたいと思います。
  4. 清井正

    政府委員清井正君) 只今内灘村の漁業権補償の問題について御質問があつたのでございますが、成るほど本年の一月から四月に至りますところの当該村におきまする漁業権補償はまだ交付をいたしておりません。この問題につきましては、私どもといたしましては無論漁業者立場をできるだけ擁護するということでございますので、どうしても内灘村の補償をせざるを得ない場合においては、できるだけの補償漁業者に与えまして、失われた漁業の経営に対しまする補償を十二分にいたしたいというふうに考えておるわけであります。そういう意味におきまして、過般より特別調達庁のほうとも十分連絡をいたしまして、調達庁のほうではたしか私数字を今記憶をいたしておりませんけれども、過去の一月四月におきます漁業権補償については一応の金額を算定いたしたようであります。併しながらその金額につきましても、未だ地元との折衝不十分な点がありまして、まだその金額最後の決定に至つていないようであります。従つてまだ交付をいたしていないという状況にあるように聞いております。その漁業権の中には無論当該内灘村の漁業権の問題もございますし、或いは内灘村に入漁しております隣村の漁業権補償もございます。又只今お話よう内灘村の隣接の市町村におきまして、射撃のために漁業が悪影響を受けるということが事実でありますれば、その事実に基きまして適当な補償をいたすことは又当然であると思います。従いまして、そういう方向で私どもといたしましては調達庁折衝いたしまして、過去のものにつきましては、できるだけ早く円満な折衝の上で漁業権補償いたしまして、なお近接町村におきまして関係ありますものにつきましても、又同様な考えから、できるだけ補償を早くいたすように取進めてもらいたいというふうに考えております。
  5. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それでは今日の議題の中でいろいろな都合もありまして、これまでに日濠漁業協定に関するいろいろな交渉折衝が進められておりますので、その中間報告をこれからお願いいたしたいと思います。速記を止めて。    午後一時五十九分速記中止    ——————————    午後二時四十一分速記開始
  6. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それでは速記を始めて下さい。
  7. 松浦清一

    松浦清一君 本月の十四日にアラフラ海に向つて白蝶貝採取に出て行つたわけですが、只今お話を聞いておりますと、濠洲との漁業条約話合過程において白蝶貝採取の問題に関する限り話合が付いたと、こういうお話なんですが、その話合は単なる話合なんでしようか、それとも暫定的な文書による協定というものが結ばれたのでしようか。それを伺いたいのです。私がそれをお伺いするのは、朝鮮沖、それから東支那海における漁船拿捕、襲撃、こういうひつきりなしに起つて来る漁船に対する非常な恐怖症と言いますか、心配をしておるものがあるので、その点の協定というものが政府政府との間において完全になされておらないならば、東支那海朝鮮沖における漁船事件と同じような危険があるのじやないかということを心配いたしておりますから、そういう危険がないように、ちやんと文書による協定がなされておるかどうかということをお伺いしたい。
  8. 永野正二

    説明員永野正二君) 只今の点は文書によらない了解といたしまして成立をいたしておるのでございます。それからその内容は、先ほど申上げましたように、日本船団の行動は今後の漁業交渉というものの内容を見定めながら統制されるということでございます。従いまして、これだけの了解ははつきり両国政府として付いておるわけでございます。
  9. 松浦清一

    松浦清一君 日米加漁業条約交渉の際には、民間における意見を聴取するために、参与でありましたか、顧問でありましたか、そういう、政府交渉機関に対する意見を聴取する機関を作つたわけですが、今度の日濠漁業条約については直接利害のある民間業界意見というものはどのようにして聴取されておりますか。
  10. 永野正二

    説明員永野正二君) 日米加漁業条約の場合は特別に漁業会議という形がとられたのでございまして日本、アメリカ合衆国及びカナダの関係政府の官吏及び業界のかた、或いは国会方面その他のいろいろなかたがたの構成を以ちまして、特別にそのための漁業会議という形がとられたのでございます。その漁業会議漁業条約原案というものができまして、その原案に基きまして両国政府が調印、批准その他の手続を行なつた、こういうことに相成つてつたのでございます。今回の日濠交渉につきましては、これは直接政府間の交渉という形で、いきなりスタートをしたわけでございます。その点が日米加の場合の三国漁業会議というような形をといつたのと少しく趣きを異にしておるわけであります。それからその交渉を行うに当りましての業界意見その他につきましては、勿論水産庁及び外務省といたしまして関係方面に十分に連絡をとつておるつもりでございまするが、なおこの会談一つメンバーとして、顧問として日本真珠貝採取株式会社の社長の栗林氏が顧問という形で列席をされておるのでございます。
  11. 松浦清一

    松浦清一君 日濠漁業条約というのは大体いつ頃できる予定でございますか。差支えなければお明かしを願いたい。
  12. 永野正二

    説明員永野正二君) これは両方の話合でございまして、先方立場先方主張というものもこの成立関係が非常にございますので、私どもといたしまして、現在これはいつ成立するであろうという見通しは立てておらないのでございますが、成るべく誠意を以て交渉いたしまして、速かに妥結ができるようにということを念願しておるのでございます。
  13. 松浦清一

    松浦清一君 この点はお明かし願えるかどうかわかりませんが、日本はだんだんと将来遠洋漁業に進出して行かなければならん立場に置かれているので、飽くまでも公海操業の自由ということを建前として私ども対処しているのですが、濠洲との交渉過程において、濠洲領海三マイル説というのはどういうことなんですか。
  14. 永野正二

    説明員永野正二君) 交渉過程というお話でございますと、今申上げられないのでございます。
  15. 森崎隆

    委員長森崎隆君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  16. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記を始めて下さい。ほかに何か……。それでは日濠漁業協定についての交渉過程の問題は一応この辺で預かりまして、次に引続きまして日韓漁業協定に関しまして岡井水産庁次長さんから中間経過報告をお願いいたします。
  17. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 日韓漁業条約関係につきましては、約三週間ほど前から分科会の形をとりまして、水産関係については双方四、五名ずつの、場合によれば四名或いは五名になる場合もありますが、水産関係及び外務省関係も合せてでありますが、向うも大体同じような形のメンバーを揃えておるようでありますが、すでに三回会合はいたしました。会合いたしまして、現在の段階は丁度土俵前の力水、塩まき、これでやつと土俵に今後上ろうという段階なのであります。従いまして具体的に申上げるようなことには話が進んでおりません。ただ第一回の会合の際に、こういうことだけは双方で申しましたのであります。この前に双方誠意を以て会談をしたのにもかかわらず、理論闘争に流れ過ぎて話がこわれたというようなことがあるので、今後は双方共成るだけ具体的な話から進めて円満に妥結を早めるよう方向へ行こうじやないかということ。それから分科会話合をしたことは一切外へ漏さんようお互いにやりましようぜというよう話合をもつてだんだん進めて来たわけでございまして、内容につきましては、これから土俵に上ろうという前捌きの段階でございまするので、格別に、まあ御不満かも知れませんが、これといつて取上げて申すほどの段階ではございません。
  18. 松浦清一

    松浦清一君 日韓会談ですね、それから日韓漁業条約ですか、その話合と全然筋を別にしてやつておるわけですか。日韓会談の中で漁業条約というものはやはり話しているわけなんですか。
  19. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) 私今度外務次官に任命せられました当院議員の小瀧でございますが、何分浅学にして何もわかりませんし、まだ着任いたしましたばかりで、十分な満足の行くようなお答をすることができないかということを虞れますが、どうぞよろしくお願いいたします。  今度の漁業分科会というものは日韓会談全体の一つ部門になるわけでありまして、今度会議を始めましたのは、たしか四月の十五日からでございまして、三遍ばかり本会議をやつて、そのあとで全部が一緒にやつても、なかなか専門的な事項もあるから話合が付かないだろうから部門五つに分けて話合をしようということになりまして、その一部が先ほど次長からお話なつ漁業関係部会であります。この前の日韓会談におきましては、全体の一部として漁業問題も取扱われましたけれども、根本的な主張が非常に違いまして、私から今更申上げるまでもないのでありますが、向うのほうは沿岸に沿つた相当広い範囲漁業に対しまして漁業管理権ようなものを認めようとするし、我がほうは飽くまで公海自由の原則の下に必要な水産資源保護の措置をその基礎の上に立つて話合をしようということを固持して来たために話合ができなかつたのでありまして、今度はそれでなしに、今次長から話がありましたように、具体的な方面から入つて行こうというので、この全体の日韓会談の一部として話合を進めておるわけであります。併しこういうように説明いたしますと、或いは誤解を招くかも知れませんが、私ども立場としては、飽くまで公海自由の原則というものは堅持しなければならない、が併し、そういう原則論だけをしておるというとこの前のようなことになるから、お互いに資料を突き合せてもつと具体的に話合をして行けば、そこにこちらの主張も貫徹するようなフオーミユラか見出し得るという考え方で進んでおるものでありまして、原則は飽くまで堅持する考えであります。併しこれは全体の会議の一部になつておりますので、他の問題との引つかかりもありまするが、併し今これに対してどういう予測をするかということは、これはちよつと危険でありますが、私限りの気持を申しますると、今朝鮮の休戦問題というものが論ぜられております。これに対してこの見通しも総理も述べておられましたし、岡崎外務大臣も述べておりまするが、大体各般の情報を総合いたしまして、何とか話合が付くのじやないかというように見えまするので、そういうようになりましたならば、この会談というものも今までよりは多少容易になつて来はしないか、そうした意味で、これからこうした全体の情勢とも睨合せて話合を進めて行くという考えでおる次第であります。
  20. 松浦清一

    松浦清一君 漁業問題が日韓会談の一分科会として取扱われておるということはわかつたのですが、この五つ部会というものは何と何とですか。
  21. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) 基本関係部会というものが第一、これを一回ばかりやりました。その次に国籍処遇関係というのがございます。これも一回これまでのところ会合いたしております。それからその次に請求権関係部会、これが二回ばかりこれまで会合いたしております。それから漁業関係部会、これは今月の二十日までで三回会談をいたしております。その次にあるのは船舶関係部会、これも三遍ばかりこれまでやつているというよう経過であります。
  22. 松浦清一

    松浦清一君 その漁業関係日本交渉委員といいますか、それはどういうかたがたが当つておられるのでございましようか。
  23. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) 日本側の全体の会議代表もいたしておりまするが、久保田代表が出ております。参議院の外務委員会専門員をしておりました久保田君。それに岡井水産庁次長、それから大戸海洋第一課長増田海洋第二課長外務省のほうは高橋条約第一課長廣田アジア局第二課長、こういう顔ぶれでございます。
  24. 松浦清一

    松浦清一君 韓国との漁業関係のいろいろな話合という問題もなかなか大変むずかしい問題だと思うのですが、今すで三回会談をされたその過程で、大邦丸の問題が取扱われたか、扱われなかつたかということを伺いたいのですが、その前にちよつとその問題に関して、丁度朝鮮休戦会談で捕虜の交換問題がなかなかむずかしくなつておりますが、大邦丸事件のみならず、日本拿捕船抑留船員等の、船やそれから抑留船員送還帰還等の問題について何か話合があつたかどうか。それから聞きたいポイントは、大邦丸事件日韓会談成立せしめるために余りやかましく取扱わんほうがいいと、こういうことがしきりに新聞で報ぜられておるわけです。で、漁業問題の話合をする過程において、その問題を取扱わないほうが全体の漁業部門条約締結のためにいいと考え日本代表団そつとしておるのか、或いはすでに日本政府から申入をやつておるわけですからして、それに対する向う回答も来ましたが、それでは不満足だというようなことで、会談過程においてその問題も並行して重視して取扱つておられるかどうか。
  25. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) この漁業会談は今後の双方漁業に関する関係を規律しようとするものでありまして、平和条約の第九条に基いて行われる会議でありまするから、当然これは先ほどおつしやいました大邦丸事件というものは会議の討議の範疇に入らないものであります。従いまして、この代表者もそうした権限を委任せられておらないのでありますから、大邦丸事件というものは漁業関係部会とは別個に外交的交渉によつて現に推し進められておるわけであります。この漁業会談があるからといつて大邦丸事件はまあそつとしておこうというよう考えは、これは全然外務当局としては持つておらないわけでありまして、これまで再三東京にあります韓国代表部申入をいたしております。この申入日本韓国側との交渉については、或いは新聞などにも出ておつたかと存じまするが、三月の十四日に代表部のほうから、こちらの抗議に対して回答が寄せられたのであります。が併し、この回答をよく検討して見まするというと、いろいろその陳述してあるところに不審な点もありまするので、向う回答というものに対する日本側の更に正式な見解の披瀝というものは先ずあととして、その事実問題についてもつと詳しく調べさせなければならないというような点がありまするために、三月の二十五日にこちら側から又韓国側申入をしております。ところがそれに対してなかなか返事が来なくて、それに対する回答はやつとこの五月十四日に来ております。ところがそれについても、こちら側から見まするといろいろ不満な点、又不明な点がありますので、この五月の二十九日に更に申入をしておるというようなのが実情でありますが、その内容については、今丁度向うとやり合つている際でありますので、もう暫らく発表を見合すように願いたいと思います。
  26. 松浦清一

    松浦清一君 大邦丸事件日本側実情調査、それから申国側実情調査というものに全然食い違いがあるのですね、我々の知る範囲では……。これは何遍文書往復をやつて見ても、日本機関調査したものと向う機関調査したものとでは、一番最後までこれは結論を見出すことができないと思う。若し結論が出ない場合に、どういう機関調査せしめて本当の真相を、この問題を解決するための真相をつかむことができるかということについてのあなたの見解は一体どう考えておられるのですか。
  27. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) 仰せの通り、これは非常に事実を基礎として論じなければならないので困難な問題と存じますけれども、併し外務当局といたしましては、とにかく向うの言うところにいろいろ不明な点、又前後矛盾しているような点も見受けられるよう考えますので、とにかくこれまで続けた交渉を更に推し進めて行つて、はつきりした法廷できめるような解決を見出し得ないにしても、外交的に何とかこちら側に有利に解決したいというので折角研究を進めておるような次第でございますから、この点一つよろしく……。(笑声
  28. 松浦清一

    松浦清一君 本当に笑い事じやないのだ。次官は何か一生懸命にやつておられるようなことを言つておられるが、私らの知つておる範囲では女書往復をやつているだけで腰を入れて話をしているようには見えないのですがね、あなたも知らんのだろうけれども……。(笑声)どういうことなんです。放つといたらどうにもならんと思うのだがね、何かそれを解決する方法というものについて、二段、三段の構えを持つているのですか、持つていないのですか。
  29. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) 外交交渉になりますと、こういう誠に靴を隔てて痒を掻くような感があるのも御尤もでございますが、併し私どもの望みをかけておりますのは、情勢がだんだん変化して来る、同時にこの日韓会談というものも漸次好転して来るということになりますれば、これは外交問題でありまするから、今までと比べまして好転して行くのではなかろうかというふうに期待しているわけなんであります。
  30. 松浦清一

    松浦清一君 誠に似ておかしな御答弁で一つ満足しませんけれども、まあそのくらいにしてやめておきましよう。一生懸命に、一つの単なる文書だけでやるのでなしに、やはり文書だけで向う言い分とこちらの言い分と張り合つて見たつて、これは解決できないことだと思うのです。日本韓国との間で双方調査ぶつ違いがあつて解決できないとすれば、他の何か国際的な機関使つてここで真相調査せしめるというよう方法を講じない限り、この問題は解決しないと思いますから、そういう方向行つて一つ考えてもらいたいと思います。
  31. 青山正一

    青山正一君 今の松浦委員の問題に関連してお聞きしたいと思いますが、この大邦丸事件文書向うに聞き合せたのは二回ですか、三回ですか。いろいろ向こうからの返答によつて、又こちらの……。
  32. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) 今までのを全部合せますと四回になります。
  33. 青山正一

    青山正一君 そうですか。最後回答に、李承晩ラインとか、それから封鎖区域を侵犯しておるというような言葉を使つておりますか。どうですかね、その事情はちよつとわかりませんか。
  34. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) 今その内容ちよつとここで御披瀝いたしかねる点をお許し願いたいと思います。
  35. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 ずつと以前にも私は質問したことがあるのですが、今日本韓国とが漁業問題について会議を始めた。そこで韓国側は御承知のよう日本にたくさんの人が入つて来ておつて日本状況は手にとるごとく向うにわかつているが、韓国漁業状況日本に果してどれだけわかつているかということを私は一点伺いたい。今日向うからは代表部日本に来ているが、日本からは確か行つておらないはずです。新聞記者行つている程度で……。韓国における漁業状態が今どういうふうになつているか。又この韓国漁業者がこの会談についてどういう考え方を持つているか、どういう主張を持つているかといつたようなことも、交渉している当局が或る程度つかんでいるかどうか。この点を先ずお伺いいたしたい。
  36. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 只今秋山議員から御指摘になつた通り向うのほうがむしろ日本の最近の事情についてはより明るいかも知れんということは承知いたしております。併し我々もその点を非常に心配いたしまして、比較的向うのほうをよく知つている業者並びにそのグループについて、我々のほうの官庁の連中でそちらのほうへ公用の都度、現に増田課長も他の用件でありまするが、主としてそういうふうな点をよく吟味し、精査するというので今出張いたしておりますようなことで、できる限り手を尽して、可能な範囲内において事情を調べたいというので折角努力はいたしております。
  37. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 ともかくものの打開にしましても、交渉にしましても、相手方状態を知らずに交渉するということは実にこれは無茶苦茶な話で、できるだけ相手方状態がわかつて、初めて交渉もやりいいし、又正鵠を得たものになつて来ると思うのでありますが、そういう意味で、私は目と鼻の間の朝鮮事情が、向うではこちらにたくさんの人がおつていろいろ調べをしようと思えば幾らも調べられる。こつちは全くつんぼ棧敷にいるような恰好で、そうして双方交渉する、非常に私はハンデイキヤツプが付いて来るのじやないかと考えます。それでそういうお尋ねをしたのでありますが、今後もこういう問題は朝鮮事情をよく知つて交渉に当ることが必要じやないかと思います。特に大邦丸事件以来、日本国民の感情は非常に悪くなつていると思うのですけれども、これは国民全体から見ると、さほど大きな問題と考えないで、水産関係者が特にそういう感じを持つていると思うのですが、従いまして、その後における朝鮮貿易というものは、水産に関する限り停頓しているはずだと私は考えます。曾つて日本に入つて来ておりました水産物が、今日本が輸入を或る程度抑えているというようなことも聞いておりますが、その結果が朝鮮如何ように現われているかということがわかつておりますか、その点を一つ伺いたい。
  38. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 只今お話にありました点は、絶対抑えておるという意味ではないのでございます。まあスムースにやつではいないということは事実なんですが、その効果如何ということにつきましては、むしろ通産省側のほうの関係者がよく知つておるのでございまして、私のほうは通産省を通じて或る程度の様相は聞いておりまするが、ちよつとそのようなことを今お答えすることはどうかと思いますので、別の機会にプライヴエートに一つお話をすることで御了承願えんですか。
  39. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記を止めて。    〔速記中止
  40. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記を始めて。
  41. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そうすると、今後向う代表は、朝鮮代表は、ずつとこつちにとどまつて継続的に開会をして行くわけですか。
  42. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 先ほど政務次官がお答え申上げましたように、前回の場合と違いまして、今回の交渉の様相は非常に熱意を持つて交渉に当られておるように我々は見受けまするし、勿論我々といたしましても、両国の関係業者の幸福のために円満なる妥結を見出したいという熱意を持つてつております。従いまして向う側もこれを解決するまで滞在するという意気込みで現在おるようでございます。
  43. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 まあ我々日本人がいろいろな交渉をする場合には、どうも気が短かくて、早く結論を出そうとする傾向が多分に現われておりますが、我々が外国の状態を見ると、朝鮮休戦会談にしても二年ぐらい引張つても平気で続けておる。そして遂に妥結を見るといつたような非常に粘り強いやり方をしておるので、この前の会談ように、ぱつぱつと開いてしまわないように、この問題は一つしつかり腰を落着けて、一年かかつても、二年かかつてもやるという骨子で一つつて頂きたい。
  44. 森崎隆

    委員長森崎隆君) ほかに御質疑ございませんですか……。それでは議題の第三に移ります。   ━━━━━━━━━━━━━
  45. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 暫定予算による水産行政上の影響に関する件、これを議題にいたしたいと思います。今日は清井水産庁長官が来られておりますので、長官のほうから一応これに関して御説明をお願いいたします。
  46. 清井正

    政府委員清井正君) 御承知の通り、四月、五月の暫定予算が第一回にきまりまして、次いで六月の暫定予算が近くまあおきめ願えると思つておるのでございますが、私どもといたしましては、四、五、六月は残念ながら暫定予算を以て事務を遂行して参らなきやならんということに相成つたわけであります。実は二十八年度の予算につきましては、私どもの事務的に大蔵省と妥結して計算いたしましたる額を、前回の委員会におきましては、すでに逐一御説明を実は申上げておつたのであります。その後こういう事情になりまして、四、五、六と三月間の暫定予算になつたのであります。御承知の通り、暫定予算の性質上新規は一切これを認めて頂くわけには行かなかつたわけでありまして、二十七年度からの予算の単なる事務的な引続きと、こういう性質の予算であります。従いまして二十八年度の予算といたしまして、私どもが新規にいろいろの事業を考えておることを曾つて御説明いたしたのでございますが、それはただ一つの例外を除きまして、全部未だ実現をいたしておりません。四月、五月及び六月の暫定予算は、極くやむを得ざるものを除いたほかは全部二十七年度の引続きの分、こういうふうに編成をされておりますので、さよう御承知おきを願いたいと思うのであります。  お手許に書類をお配りしてございますが、この一番左の端に書いてあります査定予算額と申しますのが、これが二十八年度当初に、この前に事務的に国会に御提出になり、又私どもも各委員に御説明申上げましたところの二十八年度の実は査定の予算額であつたのであります。それが査定予算額であります。その次のが四月、五月、これが一括して暫定予算として計上されたのであります。その次は只今御審議願つておりますところの六月の暫定予算額、計はその四月、五月と六月の、この三月の分の計でございます。従つてその計を最初の左の査定予算額から引きましたものが七—三の要求額という一応の数字になつておるわけでございます。従いまして仮に水産庁一般行政というところを見ますというと、当初二十八年度予算といたしまして計上いたさんといたしたものが二億二千九百万円でありましたが、その六月までの暫定で四千六百万円計上いたしておりますので、残りが一億八千二百万円ある。こういう実は数字に相成つておるわけでございます。そういたしまして、最後の総合計が一番あとの紙についております。紙が一、二、三、四と四枚ございまして、四枚目の中頃に水産庁計というのがございます。ここに査定予算額といたしまして五十七億四千八百万円というのがございます。これが当初の実は予定だつたのでありますが、その暫定予算が十五億、従つて差引四十一億がまだ残つておる。こういう計算でございます。  で、元に戻つて頂きますが、この説明と書いてございますのは、なぜこういう数字が出たかというところの数字の基礎が書いてあるのでございます。例えば水産庁一般行政に必要な経費は全体の四分の一を計上して頂くということでありまして、四—六は即ち全体の四分の一でありますから、ちやんと計算通り四分の一計算してある、こういう意味であります。そのほかに期末手当二分の一、六月末におきます公務員の手当の二分の一が入つておりますし、更に水産庁施設費といたしまして三百五十万円、これは水産研修所の建築に関する予算でありますが、この予算が入つておる、こういう意味であります。そういう趣旨の説明がずつと加わつておるのであります。項目も非常に多うございますので、一々御説明するあれもないのでございますが、特に特別なものについてだけ御説明さして頂きたいと思うのであります。  一番は、水産庁の一般行政でございまして、一般の経費でございます。  二番が漁船乗組員の養成事業、これは養成に必要なる講習、教養の経費でございまして、これは事務的なものでございまして四分の一計上されております。  その次が小型機船底曳網漁業減船整理でございまして、これは六月分に五千八百万円計上いたしまして、これは六月までに整理する予定船隻が四百六十六隻ございます。従いまして所定の、当初の計画通りこれは四百六十六隻分の整理の補助金というものを六月に計上いたすことができましたので、ここで五千八百万円という数字に相成つておるわけであります。  その次の中型機船底曳網漁業の整理転換と、北洋におきますところの中型底曳網漁業試験操業、この二つは全然新規の事業でございますので、これは暫定予算の建前上、この時期には入つておりませんので零でございます。ただ五番目の北洋における中型底曳網漁業試験操業は、ちよつと時期的に申しまして、この四—六の間にいたしたいと思つて実は予算をお願いいたしましたので、ちよつと遅れました関係上、非常に私どもとしては事務的に困惑いたしておるのでございますが、これは暫定予算の建前上いたし方ないと考えておるわけであります。  第六が北海道の未開発魚田開発、これは北海道が特殊な寒冷地でありますので、事業を早く始める必要がございますので、十二分の五だけ、五カ月分だけ計上してあります。北海道でありますからして早目に事業を実行しなければならない建前で余計計上してあるのであります。  それから七番、八番は、これは取締船の関係でございますが、これは四分の一であります。  その次九番、十番、これはいずれも地方に対しまする、主として職員の補助金を主といたしまして、その他事務費が多少あるのでございますが、いずれも四分の一でございます。  十一番が水産増殖に必要な各種補助金が計上されておつたるでございますが、これ又四分の一でありまして、新規の若干の補助金、例えば帆立貝の増産のようなものを新規として初めてお願いいたしたいと思つてつたのでありますが、これも純新規でありますので計上されておりません。今まで通りのものが計上されておるのであります。  それから内水面の漁業調整、これも内水面の漁業調整に必要な補助金でありますので、これは四分の一であります。それから十三番、これは北海道の内水面鮭鱒流刺網漁業の整理、これ又純新規でありますので計上されておりません。  その次は協同組合の指導監督、これは四分の一であります。  十五番は協同組合及び連合会の再建整備の金でございまして、ここに実は六月分として千六百万円のこれは利子補給であります。いわゆる漁業協同組合からの固定化債権に対する金融機関が金融をいたした場合に、その利子に対して国庫が補給金を出すことになつておりますので、この穴月中に支払う利子分について六月にこれを計上いたしておるのであります。  十六番は、これは事務費でございますので問題ございません。  十七、十八、十九、これはいずれも災害関係の工事費でございまして、六月に利子を今と同様に金融をいたしました金融機関に対して、政府が法律に基きまして利子補給をいたしますので、その利子補給の金が六月分の暫定予算に計上されておるのであります。  それから二十番、二十一、二十二番、これはそれぞれ事務費でありますので、特に四分の一であります。漁船損害補償は特に再保険特別会計に事務費その他を繰入れる関係上、四月、五月の暫定予算の中にちよつと大目に計上してありますが、その他は四分の一の金額でございます。  それからオツトセイ保護条約の指導監督で調査船を出しまして調査をいたす経費でございますが、これは時期が四月、五月にかけてと、十一月三月にかけての八カ月しか時期がございませんので、そのうちの四—六の分三カ月、八分の三が計上されておるのであります。  それからその次は北洋漁業に関する指導監督と取締、これは御承知の只今北洋漁業行つております事業に関し、当方からいろいろ指導監督の船を出しておりますが、それらに関する費用でございます。これは四月—八月まででありますので、即ち五カ月分の三カ月分を計上いたしました。こういうことでございます。  その次の二十五番の北洋鮭鱒漁場の開発、これは純新規でございましたが、これはいわゆる只今北洋に鮭鱒の漁業に出ておりますが、そのために政府が直接調査船を民間から雇い入れまして、北洋漁業の開発について種々調査をいたしたいということで、実は当初お願いしておつたのでありますが、これが暫定予算のために予算に計上されなかつたのであります。併し問題は極めて重要でございますし、而も又時期が早々にこれを実行いたさなければ、この予算が無意味になります関係上、これは予備費に特に計上いたしまして、五千九百五十四万五千円は、予算とは別途に予備費ということでこれは計上いたして、現在これは実行中でございます。  その次の二十六は、これは遠洋漁業に関するいろいろ指導監督の取締船の費用でありますので、これは四分の一であります。  それからその次はアラフラ海の白蝶貝採取事業の開発、これは只今御説明申上げましたところのアラフラ海の白蝶貝採取に対する取締等に必要な経費でございます。これは漁区の関係上七分の二が計上されておるのであります。  その次の二十八番が漁船の管理改善でございまして、これも四分の一であります。実は漁船漁業用の無線陸上局の設置の予算があつたのでありますけれども、これは新規でありますために計上されておりません。従前の四分の一であります。  二十九番の漁船研究室も同様であります。  三十番の水産基礎調査に必要な経費も又同様であります。  三十一番は水産研究管理指導並びに水産資源開発、これはこの前も御説明申上げたのでありますが、特に今回はいわゆる対馬暖流に関し大々的な資源の調査をいたしますほか、漁況、海況についても調査をいたしたいというふうに考えておつたのでありますが、いずれも新規でありましたので計上はいたしておりません。ただここに書いてあります通り、漁場探測調査費として四十万円ばかり計上されておるのであります。  それから最後水産業改良普及事業、これは新らしい水産に関する普及事業の経費でございますが、これ又新規の分は計上されておりませんので、従前の分が四分の一だけ計上されております。こういうことになりますので、ここで一つ区切りまして、二十二億五千九百万円という当初の計画に対して、暫定予算で四億八千七百万円ということで、上に括弧してあるのは北洋の予備費などの金額が計上されているのであります。  公共事業費といたしまして、漁港の整備事業、これが当初は二十九億八千九百万円でございましたが、九億六千七百万円が只今計上されておるのであります。第一回の四月、五月の暫定予算のときには全体の四分の一を計上いたしたのでありますが、第二回目の六月分のときには、一般内地は全体の十二分の一、北海道の寒冷地につきましては六分の一、これは事業実行の関係上、寒冷地でありますために六分の一、こういう計算で九億六千万円という数字が只今計上されておるのであります。  その次の紙は、これはそれぞれの独立の附属機関であります水産研究所、真珠養殖事業の研究所、それから北海道の鮭鱒孵化場、水産講習所、いずれも原則として四分の一というこれは計算になつております。職員の分については、期末手当が二分の一ということになつております。特に水産研究所と共に天鷹丸の無線整備とレーダー装備と書いてありますが、これは北洋のほうへ調査に出かけますので、先ほど申上げましたと同様な趣旨から特に早目にその金だけは計上されておる、こういうことでございます。  そこで先ほど申上げました想定が四、五月暫定予算で十五億、そのほかに予備金が五千九百万円、こういうことになるわけであります。下に書いてありますのは特別会計でございまするから、別段これは申上げるまでもなく、費目に必要なやむを得ない費用だけが計上されております。  簡単でございますが……。
  47. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 何か御質問ございませんか。
  48. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 ここの十七、十八、十九の災害復旧の資金に対する利子がこういうふうに一カ月分だけ計上されておるのですが、これはこういうふうに割切つて資金を融通しておるのでありますか、毎月幾らずつ貸して行く、それに対する補給金は幾らずつ、こういうふうに割切つておるものであるか、その辺がはつきりしないのですが、これによるとそういうふうに割切つて補給金額も計上されておりまするが、事実そうなつておりますか。
  49. 清井正

    政府委員清井正君) これは実は私どもで予算を作りますときに、大体貸付の計画というものを一応立てまして、そうしてその貸付計画の月別の数字に基きまして、それについての実際の利子がこのくらいかかるという計画を立てまして、その計画に基いてこれは利子補給をしなきやならん、こういうようなことで実は計画を作りました、一応の計画に基いたこれは金額でございます。御承知の通り、大体この災害の融資の利子は年に二回、四月と十月に実は払うということになつておりまして、四月末に払います分が事務的に多少遅れていまして、大体六月頃に払う段階になつておるということで実は六月分に計上しておるということでございます。無論只今御説明申上げた通り、計上額はその予定に基いた計上額でございますので、これは実際の計算に基いた額ではございません。従いまして、これが実際の融資に基きまして余りますれば無論問題ございませんが、不足したような場合におきましても、全体の予算の一部でございまするから、相互の流通その他によりまして、できるだけその実際の融資額に対して補給の利子が不足しないというふうにこれは図つて行かなければならん、こういうふうに考えております。
  50. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そうしますと、これは初め計画のときには予算の説明等において月別の計画を立てるのでありますけれども、実際融資をする場合にはその通りにはなかなか行かんと思います。或る月においては予定の額を不足する場合もあるし、或る月においてはそれ以上の融資をする場合もあるだろうと思うのですが、そうすると、そういう計画で予算を組んでおいて大体間に合いますか。
  51. 清井正

    政府委員清井正君) これは無論間に合えば結構なんでありますが、間に合わなかつた場合におきましても、これは事項で分けてございまするけれども、全体としては或る程度融通の付く予算項目になつておると思いまするから、その予算の範囲内で流用を認めて頂ければ、若し足らない場合は融通できると思います。若し万やむを得なくて流用ができなかつた場合におきましては、残念ながら七月分の予算から出すということになろうかと思うのでございます。これが若しも全体の一年間の予算でございますと、不便はございませんが、これが区切つてございますので、ちよつとそういう問題が或いは起るかもわかりません。併しこれは私のほうといたしましても、若しも不足するというようなことがありましたら、これによつて金融界に御迷惑をかけることは不本意でございますので、できるだけ予算の流用或いはその他政府部内の融通によりまして所定の利子を補給する、こういうふうに考えて行かなければならないと思います。
  52. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 今流用という話がありましたが、こういうふうに事務的にもうきつちりした予算を組んでおるのですが、流用の余地はありますか。
  53. 清井正

    政府委員清井正君) 私の申しますのは、これは例えば、ここに申しますのは二十六年の災害で千三百万、十勝沖災害で三百八十万、オホーツク海の災害で二百三十万、こういうふうに計算はなつておりますけれども、これは予算はそれぞれ別個でございませんので、それぞれ一括して災害の復興資金に対する利子補給ということで以て数字が出たのでございますから、相互の間の融通はできると思います。
  54. 青山正一

    青山正一君 今の暫定予算じやないんですが、この表に七月から三月までの要求額として額が掲げてありますが、これは査定予算額から第一次と第二次の暫定予算額を引いた数字がここに載つておるわけですが、これは大体認められますか。
  55. 清井正

    政府委員清井正君) 実はその問題でございますが、私も実はまだはつきり政府部内の方針を承わつておりませんが、七月分は暫定になるだろう、こういうふうに今聞いております。八月以降は本予算になる、本予算になる場合に、当初査定予算として事務的に計上いたしましたこの通りになるかどうかということはまだはつきりいたしておらないのであります。私どもとしては是非この当初の一応事務的にきまつたものは、少くともこの分だけは予算として計上したいと考えておりますが、まだその方針につきましてはつまびらかに存じておりません。
  56. 青山正一

    青山正一君 そうした場合に、この予算が仮に八月から三月までの要求額の中に今度新規事業が入つてようと思いますが、漁港というものは新規にそういう事業が認められますかどうですか、その見通しはわかりませんか。
  57. 清井正

    政府委員清井正君) 私どもといたしましては認められるという確信をいたしております。ただ心配になりますのは、すでに七月の暫定予算が計上されて、その間時期的にどうしてもしなければならんものが要らないんじやないかということが起りはしないか、そういうことを心配しております。そういうものにつきましては、只今事務的に折衝いたしまして、成るべくそういうことのないように、事務的に遅れたわけでありますから、当初の計画通りに事務的に進めております。漁港につきましては実は公共事業でございます。極めて重要なる予算でございますから、これは当初の予算より減るということはあるまいと信じております。
  58. 青山正一

    青山正一君 ての漁港の問題について、私どもではそれはそれでいいのですが、例えば北海道の場合において時期的に非常に気候の制限を受けておるようなところは、この八月から仮にその作業をやるにしましても、その予算だけ使われるか使われんかという問題が起きて来るのでありますが、六月の暫定予算の中に多少なりとも入れておいたらいいのじやないかと思いますが、どういうわけでそれは全然認められませんか。
  59. 清井正

    政府委員清井正君) 新規につきましては、全然これは暫定予算の性格上認められておらないのです。ただここに説明に書いてあります通り公共事業でありますために、本来ならばこれは三月分しか、十二分の三しか認められないものでありますけれども、これは只今お話もありますし、時期的に相当早く工事を始めなければならんということもありますし、或いは公共事業という特殊な性質もありますので、これは月別に割合多額に計上されております。これは時期的に勘案をされておるわけであります。新規事業というものは本予算がきまらなければこれは計上されない、さよう考えております。
  60. 松浦清一

    松浦清一君 大体この前の国会のときに承わつておりますから、特にお伺い申上げることはないのですが、資料を少し頂きたいのです。いつでもいいのですが、第二番目の漁船の乗組員養成の計画表、それから第三番目の小型機船底曳網漁業減船整理の四百六十大隻の府県別の表、それから第二十番目の漁船損害補償の極く最近の実績表、それから番号外の、一番しまいの漁港整備の最近の整備計画、それから一番最近の各府県にどれだけ行つてるかということです。
  61. 清井正

    政府委員清井正君) 暫定予算のことでございますか。
  62. 松浦清一

    松浦清一君 いや、暫定に限らず、昭和二十八年度全体としての、二十八年度予算の査定を受けたときのあれがあると思うのです。もらつておるかも知れんが、今手許にないものだから……。二十八年度全体の予算の査定を受けたときに、二十八年度の漁港の整備についての資料を大蔵省に出しておるはずなんです、それでいいのです。
  63. 清井正

    政府委員清井正君) 承知いたしました。極く簡単なものでございます。全体計画しかございませんが。
  64. 松浦清一

    松浦清一君 簡単でいいのです。何県に幾ら行つているというような……。
  65. 清井正

    政府委員清井正君) それは各県に対する交付予定というものは、この二十九億の中には実は入つていないのでございます。国全体として指定の漁港は三百港ございますから……。
  66. 松浦清一

    松浦清一君 漁港はわかつておるのですか。
  67. 清井正

    政府委員清井正君) いや、わかつておりません。
  68. 松浦清一

    松浦清一君 何港というのは……。
  69. 清井正

    政府委員清井正君) それはまだ決定しておりません。新規の分がきまりましてから、具体的に何県のどういう漁港にするかということはその後にきめるわけであります。
  70. 松浦清一

    松浦清一君 そうですが、そうするとまだ何県の何港を改修するとか何とかいうような、具体的な計画というのはきまつていないのですか。
  71. 清井正

    政府委員清井正君) まだきまつておりません。
  72. 松浦清一

    松浦清一君 予算額が正式にきまつてから、それを割当てる場合にですか。
  73. 清井正

    政府委員清井正君) そうでございます。
  74. 松浦清一

    松浦清一君 それができましたら……。それから、大体水産庁というのは指導監督行政的な性格を持つておる役所なんですが、二十二番目の海洋漁業対策委員会というのは、予算は僅かですけれども、こんなものはどこにあつてどういうことをやつておるのですかね。
  75. 清井正

    政府委員清井正君) 海洋漁業対策委員会と申しますのは、これは一応前に、講和条約の発効いたす前に、吉田ダレス書簡というのがございまして、将来の日本漁業のあり方について、吉田首相とダレス氏との間に交した交換公文がございますことは御承知の通りでございますが、それの実施のために必要な委員会を作ることが手紙の中に入つてつたのでございます。従いまして吉田ダレス書簡の今後の実施その他海洋漁業についていろいろの今後の方針等につきまして意見を伺う、こういうように諮問機関といたしまして委員会が農林の部内に設置されているわけでございます。委員のかたは極く少数でございまして、まあ海洋漁業に特殊な関係を持つておられますかた、民間のかたが確か七、八人が委員になつておられる程度でございまして、会合も、私が長官を拝命いたしましてから一度開きましたのでございますが、年に二回、三回で、その他特に重要なことがございましたら、その都度開くという程度のもので、極く内輪の諮問機関ということで動いております。
  76. 松浦清一

    松浦清一君 どういうメンバーが出ておりますか、今お持ちでなかつたあとでも一つ……、それから参議院側からどういう人が出ていますか。
  77. 清井正

    政府委員清井正君) 国会議員のかたは出ておられないと思います。
  78. 松浦清一

    松浦清一君 もう一つ。十番目の免許料、許可料の徴収の問題なんですが、予算とは別ですけれども、この予算が一番最初に査定された頃から大分問題になつてつた業界で許可料、免許料を廃止してもらいたいという声がだんだん熾烈になつて、何か全漁連の中に対策委員会か何かを作つて全国に組織的な運動を展開するのだ、こういうことで、私ども理論的に言つて免許料、許可料を徴収するということにはちよつと無理があるように思うのですが、若しこういう運動が積極的に又強力に展開され始めるということになると、水産庁はどういう態度をおとりになるのでしよう
  79. 清井正

    政府委員清井正君) これは実に私どもといたしましては、この問題を極めて重要に実は考えているわけであります。免許料、許可料の問題につきましても、只今お話がありましたような運動がありますことも私どもよく承知をいたしております。ただ私どもといたしましては、只今免許料、許可料の徴収は漁業法でちやんと成文化されておりますし、私ども免許料、許可料の徴収は、これは漁業法の施行という立場からいたしまして実施をいたして行かなければならん、実はこういうふうに考えているわけでございます。実際問題といたしまして、昨年末納入告知書を発行いたしましたけれども、残念ながらその成績は只今までのところは余り香ばしくない実は状況でございます。併し私どもといたしましては、一旦納入告知書を発行したものは総て徴収して行かなければならん立場でございますし、今後も法律を施行いたすという立場から申上げれば、当然これに引続き免許料、許可料につきましては事務的に徴収を進めて参らなければならん、こういうふうに考えているわけでございます。
  80. 松浦清一

    松浦清一君 現状では漁業法できめられているのだから、水産庁としてはやむを得んでしようが、そういう積極的な要求があつたにかかわらず、理論的にちよつと無理があるというふうに思われる。漁業法の改正を役所側のほうから積極的になさるという御意思はございませんか。
  81. 清井正

    政府委員清井正君) 只今のところそういう考えは持つておりません。
  82. 青山正一

    青山正一君 只今の免許料、許可料の問題について何か減免方針でも考えておられるのじやないですか。
  83. 清井正

    政府委員清井正君) 漁業法の法律の中にも特殊的な事情がある場合には一旦納入告知書を発しましても、発した金額につきまして、それを減免する規定がございます。従いまして私どもといたしましても、この規定を適用する関係上、減免措置を当然いたさなければならんのでありまして、もう或いは施行いたしたかもわかりませんが……。
  84. 青山正一

    青山正一君 何かそれについての大綱的な書類でもあつた一つつて頂きたいと思います。それからこの予算額を見て、新たにいろいろな項目を追加してしまつて、例えばこれに入つているか入つていないかわかりませんが、水産庁のほうの調整第二課に関係しているようないろいろな内水面の関係とか、浅海漁業ですね、あのほうの予算が非常に少いように思われるわけなんです。これはいつでも私どもが非常に心配しているわけなんですが、そういつた予算とか、それから流通関係ですね、昔は商工省などの関係にあつた市場関係の仕事が、相当商工省自体で活溌にこの予算の獲得ができたわけなんですが、農林省関係に移つてから殆んど流通関係の補助金というものは……補助といつていいか、或いはいろいろの予算ですね、そういつたものが殆んど得られないよう状態なんですが、この方面一つ積極的に水産庁自体として十分に骨折つて頂きたい。そういつた関係のものを新たに八月以降の要求額の中に加えるというわけには行かないですか。やはり一応は前にきまつた項目通りにやつて行くというような方針なんでしようか、どうなんでしようか、それは……。
  85. 清井正

    政府委員清井正君) 御意見の趣旨は十分了承いたしまするけれども、今後やはり補助額については考究をいたして行かなければならんと思うのでありまするけれども、既定のものについて更に増額をするということは、よほど特殊的な事情がない限りはちよつとむずかしいのじやないかと考えます。
  86. 青山正一

    青山正一君 今年度は駄目だと、こういうふうに解釈していいですか。
  87. 清井正

    政府委員清井正君) はい。
  88. 菊田七平

    ○菊田七平君 資料ですが、淡水産に関して調査研究のための研究所があるかかどうか、あるとすれば、どこにあるかという何か資料を一つ……。
  89. 清井正

    政府委員清井正君) いずれ又資料を差上げますけれども、淡水の問題についても、只今お話があつたのでございまするけれども、私どもといたしましても、これを重要視いたしておりまするけれども、なかなか実際問題といたしましては思うように予算が計上できないことを遺憾に考えておるのでありまするが、試験研究機関といたしましては、淡水区の試験研究所というのが只今東京都の日野に実は本部があるわけでございます。それから長野方面にも支所を持つておるのでございます。極く僅かな費用ではございますけれども関係官は一生懸命研究いたしておる、こういう状況でございますが、追つて資料その他は差上げたいと思つております。
  90. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 他に何か御質疑ございますか……。それでは今日はこれを以て散会いたします。    午後三時五十一分散会