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説明員(堀正侃君)
お話の
通り、
水害及びその後の異常天候によりまして、稲のいもち病と二化螟虫が過去にないほどの異常発生をいたしております。稲のいもち病につきましては、これは七月末日で私
どものほうで集めた
数字でありますが、全国の発生面積がいもち病が七十二万八千町歩ということにな
つております。
従つてその後の経過でこれがかなり増大していることは想像できます。で、これに対しまして都道
府県で
考えました防除計画面積は百一万四千町歩ということにな
つております。それから二化螟虫でございますが、これは六月末から七月にかけましての低温のために、二化螟虫の第一化期の発生が非常に遅れまして而も後期にたくさんの虫が出たという結果から、やはり同じく七月末口の発生面積が九十八万九千町歩ということにな
つております。で、これは推定でございますが、都道
府県で大体防除される面積は約百十万町歩から百三十万町歩
程度になるのではないかというふうに
考えております。
これに対しまして農薬の
状況でございますが、本年はいろいろの
関係、特に本年は急激に農薬の購入費が例年よりも増大したというふうなこともあり、又暫定
予算等の
関係がございまして、農薬の購入が非常に例年より遅れております。例年は大体三月頃からすでにもう稲に対する農薬の購入が始まりまして五月はその購入の山にな
つて来るのでありますが、今年は五月になりましても農薬の購入が非常に少くて、そのために一部の業者では農薬生産を差し控えるといつたふうな現象が出て来たのであります。その結果いもち病につきましては、六月までに都道
府県で、都道
府県でと申しましても、勿論都道
府県直接ではありません。農家が購入したもの、或いは組合で購入したものもあるのでありますが、全部でいもち病につきましては三十三万町歩のいもち病
対策の農薬上か購入されていなかつたのであります。ところが七月に入りましてから、いもち病の非常な大発生が予想されまして、一時に農薬の需要が殺到して来たわけでありますが、それに対しまして我々といたしましては生産業者を督励し、その他原主剤の割当に努力いたしました結果、七月にいもち病
対策用の農薬の生産できました量が大体二十八万町歩の防除農薬が十分にできたのであります。それから更に八月分といたしまして我々は約二十九万町歩を予定いたしております。そのほかすでに
地方に手持されておりました農薬がございますので、この
数字から
考えますと、大体私が
先ほど申上げました都道
府県の防除計画に、いもち病につきましては、かつかつ間に合いはせんかというふうにも
考えられるのでありますが、農薬の入手の非常なアンバランスということがございまして、うまく手配した
地方にはかなりよく行
つておりますが、
地方によりましては非常に農薬の欠乏しておる、特にいもち病に対する農薬の欠乏しておる地帯がございます。なお今年は特にいもち病の防除薬の中で水銀製剤、水銀粉剤という今年から新しく使い出した農薬に需要が殺到いたしておりますために、特にこの薬が欠乏いたしております。
それから一方二化螟虫でございますが、御承知の二化螟虫の特効薬でございますパラチオン剤が、これが今年は全部輸入いたしておりますが、この薬は大体二化螟虫に対しまして今年の輸入量で七十万町歩くらいは防除できるように
なつたのであります。この薬を我々が最初計画いたしましたときは一化期、二化期両方に使うという計画でございましたので、約五十五万町歩ぐらいの防除面積ということで推定いたしておつたのでありますが、薬剤の少くて済む第一化期に多量に使いましたために、パラチオン剤で約第一化期に七十万町歩くらいの防除がいたされたというふうに
考えております。併しこの特効薬であるパラチオン剤は殆ど第一化期に消費されまして現在ではもう殆どどこにもないというような状態でありますし、国で若干備蓄いたしておりましたものも
一つもないというような状態でございます。
従つて第二化期の
対策といたしましては、主として効果においてはややこのパラチオン剤に劣りますし、又使用の面においても多少むずかしい点があるのでありますがB・H・Cを主として
考えざるを得ない状態でございます。併しB・H・Cは大体十分な生産を挙げておりますし、国の備蓄がまだございますので、B・H・Cを使いますれば、二化螟虫の防除に大体事欠くようなことはない、かように
考えております。
農薬の
状況は大体そういうような
状況でございます。