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説明員(梶本
保邦君) 今
委員部のかたからお配りいたしました
運輸省関係被害額調というのがございますが、国鉄、私鉄、自動車、港湾、造船それから海上保安庁
関係その他の
運輸省の官署
関係の
被害額を七月末までに判明いたしました分につきまして、西日本
関係分と
和歌山、その他南近畿
地方分に関するものと分け計上いたしたものでございます。一番大きな
被害額は国鉄の六十二億、その次は港湾
関係の十億、その次が私鉄
関係の九億七千万、それから自動車
関係、こういうような順序にな
つておるわけでございます。
それからその次に半ピラの紙をお手許に差上げてあると思いますが、これが御審議を煩わしました
地方鉄道等に対する特別
措置法が実施されました場合の
補助額の
予算でございます。私鉄
関係と軽軌路線のバス
関係と軽軌路線のトラック
関係の表がここに載
つております。この中で
地方鉄道軌道
関係は、大企業のものは除いております。バスとトラックは車輌だけを計上いたしております。そのほかこの表を作りますまでに
調査が間に合いませんでしたのは、議員修正になりました郵便物を運送しておりますところの自動車に対する
補助でございます。これを急いで
調査いたして
被害額を調べてみたの査ございますが、大体全体といたしまして六百万
見当のようでございますから、二割の
補助額といたしますと、百二十万円
見当の
数字になるのじやないかというふうに考えております。この
数字は郵政省のほうから伺いました
数字でございまして、なお我々のほうとしては
地方陸運局を通じまして詳細に
数字をと
つてみたいと、かように考えております。従いまして
地方鉄道等に対する特別
措置法
関係の
補助額の
予算といたしましては、合計いたしますと、一億九千五百万円
見当のものに相成るわけでございます。
現行法によります
補助額というのは全然ございませんので、これは零でございます。
それからその次に差上げております表が港湾
関係の
補助額でございます。これはたい積土砂の排除に関する法案の中に港湾
関係をお入れ頂きましたので
調査いたしました
数字でございます。
被害県の内訳が
山口、福岡、佐賀、長崎、
熊本、大分、
和歌山、かように書いてございます。備考欄にはこの県下内における
被害を受けましたところの港の数がございます。それで大体全体といたしまして三百九十五万立メートルの土砂が堆積しておる、こういうふうに
推定いたしております。算定の基礎は大体一立メートルの土砂を排除いたしますのは三百円の単価でできると、こういう想定の下にこの八億八千八百万円という
予算をここに計上いたしました次第でございます。なお
現行法による
補助額というのがございますが、これは現在の公共
事業災害補助法によりますと、三分の二を
最低にいたしまして国が
補助することができるというふうにな
つておりますので、三分の二で行きました場合には五億九千二百万円、こういうことになるわけでございます。
現行法では五億九千二百万円、今度の
特別法で参りますと、八億八千八百万円、こういうふうな
数字にな
つて参るわけでございます。
以上が今回の法案についての
運輸省関係の
予算を御
説明申上げたわけでございますが、昨日の政府に対する
要望書に対しましてもお答え申上げたいと思います。
先ず第一に
運輸省関係の
地方官署
関係については直ちに善処するようにという、こういう御
要望でございますが、これは
大蔵省もいろいろお話があ
つたことを思いますが、全体で官署
関係は予備費が三十億しかございませんので、
只今事務的に
大蔵省と折衝を続けておる
段階でございます。なお、この中で下関と
門司と小倉と若松のこの四つの港につきましては、取あえず二千五百万円
応急復旧費として支出をして頂きまして、
只今港湾の
応急整備に着手いたしております。
それから次は国有鉄道
関係でございますが、国有鉄道全体の
被害額は約六十二億、こういうことにな
つております。なおこの席上を拝借いたしまして、今日現在の国鉄の不通箇所を御参考に申上げます。先ず九州
関係でございますが、久大線と申しまして、久留米から大分のほうへ行
つておる鉄道がございますが、この間の豊後三芳と豊後中川の間、それから引治と豊後中村の間、この間が現在不通でございますが、これは今日の十五時三十分に試運転をいたしまして、それでよければこの間は開通すると、こういう運びに相成
つております。それから矢部線でございますが、山内・黒木間がこれは十月にならなければ開通はいたさない
見込みでございます。それからもう
一つは最も問題の松浦線でございますが、これは調川と浦崎間はまだ全通に三、四カ月は要するだろう、併し八月の中旬中には何とか徒歩連絡だけでも現場のところはしたい、かように国鉄のほうとしましては
復旧に努めておる次第でございます。以上が九州
関係でございますが、南紀州
関係を申上げますならば、紀勢西線の箕島と藤並、この間が八月三十一日に開通の
見込みでございます。それから道成寺から和佐という駅がございますが、この一駅間は
只今のところはいつ開通になるか、
ちよつとはつきりした日にちを申上げることができませんのでございます。なおその他長男県の
水害だとか、各地で
水害がございまして、鉄道が一時不通になりましたが、今日現在全部開通しておる、こういう状態でございます。
なお、御
要望書の中には、早急に三十六億九千九百万円余を融資して輸送力の確保を図るように、こういうお話でございましたが、国鉄といたしましては予備費が今
年度五十億ございます。取りあえず予備支出でこれを賄いまして、追
つて補正
予算のときにこの問題をお願いしたい、かような気持で今日おるわけでございます。取りあえず予備費の五十億でこの金を支出したい、かように考えております。それから
地方鉄道と自動車、それから造船所
関係の
被害がございますが、これにつきましては、私鉄と自動車
関係は先ほど申上げましたような
被害額で、而もそれに対しては格段のお骨折によりまして、法案を通して頂いたわけでございますので、まあそれの公布によ
つて或る
程度償いができるのではないかと考えておりますが、とても追つつかないような所に対しましては、十分融資の途を考える。又
復旧の際にはレールの足りないような所に対しては、国鉄の古レールの払下げも考える。こういうふうな方法を講ずることによりまして、できるだけ早く
地方交通の
復旧を図りたい、かように考えておるわけでございます。そのほか自動車
局長とか船舶
局長、鉄道監督
局長、各
局長のほうからそれぞれ
関係方面に対しまして、いろいろ融資の斡旋をお願いし、且つ又いろいろつなぎ融資なり各方面の指定預金の制度等でいろいろ出し頂きました資金を活用するように十分に連絡して、手配をいたしておる、かような訳合にな
つております。
それから昨日衆議院の
水害地緊急特別
対策委員会のほうで附帯決議を頂戴いたしました気象台
関係でございますが、これにつきましては
只今のところ補正
予算を待ちまして、それによ
つて御
要望の線に副いたい、かように考えておるわけでございます。
なお、御
要望の中にはございませんでしたが、
運輸省の所管の中に海上保安庁
関係がございますので、お話申上げたいと思います。一番困
つておりますのは流木の処理でございます。山のほうから根こそぎ流れて参りました流木が海へ浮かび出まして、浮んでおるだけならまだ始末がいいのでございますが、それが沈んだり浮いたりいたしまして、丁度三尺ぐらい沈んだ所に船が
通りますときに、スクリユウに突き当るというようなことで実に困
つております。それで海上保安庁といたしましては、航路障害となる障害物を除去しなければなりませんので、これについて今
予算措置を講じまして、速かに除去するような方途を講じております。それも立木のことでございますから、一定の個所に停滞していてくれれば始末がいいのでございますが、それが風、潮等によりまして海岸に流れつき、又新聞紙上を賑わしておりますが、海水浴の客が立木のために困
つたというような例もあるようでございますので、沿岸に漂流してお
つて、沿岸から距離が一マイル以内の所にあります流木につきましては、これは
地方公共団体のほうで御処理を願う、それよりも沖のほうにあります流木について、航路の障害となるものについては海上保安庁で
予算をと
つてこれを除去する、こういうふうに打合をいたしまして、
只今それを実施いたしておる、こういう状態でございます。
以上でございます。