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松岡平市君 厚生並びに地方行政その他この
委員会に所属しない分野についての小
委員会の問題に関して、
衆議院の該当する小
委員会との折衝の結果を御
報告申上げます。いろいろな関係で私だけ大変
報告が遅れまして、皆様がたに御迷惑をおかけしたことを厚くお詫び申上げます。
実は御
報告申上げる点は至極簡単でございます。と申しますのは、厚生関係の小
委員会において
立法事項として取扱うべきものと定められたものは、第一は
災害救助法中の改正、第二点は伝染病予防法中の一部改正、これだけでございます。ところが
災害救助法に関しましては、御
承知のごとく
両院の
災害特別委員会において、この問題を取上げている途中、すでに先頃からこの
委員会においてもそういうことはしばしぱ聞いておりましたが、
衆議院において議員
立法で
災害救助法の一部改正が
衆議院を通過いたしております。すでに本院のほうに廻
つて来ているやに聞いておりまするが、未だそれが
法律として成立したということを聞いておりません。我々が
立法をいたします際には、
只今衆議院だけで可決された
災害救助法の改正されたものでなしに、その前の
災害救助法をもとにして必要な改正をしようということでありました。ところが
只今言うように、
衆議院だけで、その一部は改正されている。而も
参議院においてはまだ
決定をみずにお
つて、これが果して
法律として成立するや否やということは不明の状態のままであります。従
つてこの
災害救助法の一部を改正する場合に、もとの、現在
施行せられておる
法律を基礎にして改正すべきか、やがて
参議院を通過すれば
法律となるその改正された
法律を基礎にして、我々の新しい必要なる改正の
立法をなすべきかということが、ひつかか
つておりまして、これは今日なおその点において十分なる
結論が出ない、こういう状態にな
つております。併しながら、いずれにいたしましても、我々がこの
水害の
対策として必要であると信じた点については、いずれかをもとにしてできる
立法をすると、こういうことに
決定いたしております。そうしてその改正の中に含ませる点でありますが、その点において、多少の
衆議院と
参議院の間には齟齬がございまして、第一点は、現在の
法律の第三十六条の
国庫負担適用率百分の二十を超える全額に対する
国庫負担率百分の九十と
衆議院はい
つておるのを、
参議院は百分の百全額
国庫で
負担させるように考えておりましたが、この点については両小
委員会で数度に亘る折衝をし、なお又関係当局の
意見を徴し、
予算措置等に鑑みまして、
衆議院の主張する百分の九十が我々の主張してお
つた百分の百よりも実現の可能性もあり、且つ又これのほうがむしろいろいろな関係上、他との釣合上妥当であるという
結論を得ましたので、百分の九十に譲歩いたし、その他の点につきましては、
参議院と
衆議院の
意見は別に齟齬いたしておりません。ただ先ほど申しましたように、これを
立法する
措置において、もとの親法が半分改正された形にな
つておるものと、そうでないものと二つあるわけでございまして、
立法の時期はやや遅れるということを御了承願いたいと思います。
それから第二点の伝染病予防法に関しましては、これは
内容が
衆議院と
参議院の主張の間にやや食違いが出ております。その一点は、県の支弁に対する
国庫負担率を当院は十の九を主張したのに対して、
衆議院は四分の三、
市町村の支弁に対する
国庫負担について、当院は十分の九、県
負担十分の一こういうふうにしてお
つたものを、
衆議院のほうでは、
市町村の支弁に対して
国庫負担三分の二、県
負担三分の一と、やや県
負担が多くな
つております。
第三点は、伝染病院隔離病舎の
国庫補助を三分の二とするというのが
衆議院案でございまするが、当院はこれは申入事項の中に入れておりまして、別に
立法措置を講ずるということはなか
つたのでありまするが、
衆議院のほうはこれを
立法措置にすると、こういうことにな
つております。
それから第四点は、簡易水道の設置費に対して二分の一の
国庫補助をしたい。これは
衆議院のこれに関連しての新しい
立法でありまするが、当院にはさような
意見がございませんでした。
それからその次は、屎尿処理費に対して三分の二を
国庫補助するというのが
衆議院の新しい
立法の中にございます。簡易水道設置費並びに屎尿処理費に対する二分の一或いは三分の二の
国庫補助というようなものは、全然当院としては
立法措置と考えないで、いずれもこれに対しての適当なる処置を具体的に申入事項として当院は出してお
つたのを、
衆議院は
立法措置に持
つて行きたい、こういうことでありました。この点につきまして、いろいろこれも
災害救助法の場合と同じように、他のいろいろなものとの均衡並びに
予算措置というような点からも考えますし、特に又当院のほうでは、単なる申入事項にしてお
つたものを、
衆議院のほうでは、はつきりした
立法事項にしたいというようなことは、むしろこういうような
立法事項のほうが有利でもあるというようなことでありまして、これらの点については、いずれも小
委員会といたしましては、
衆議院の
意見に
賛成いたしました。
そのほかには民生関係、厚生関係におきましては、例えばこれは私のほうでなお
検討を要するというままにしておりまするが、こちらで考えていないことを、国民健康保険関係の八割を
貸付けて、二割を
国庫補助にするというようなこと、これは申入事項に向うはするというような話がありますが、まだ、こういう点につきましては、
立法事項の関係でございませんので、こちらとは十分なる最後の打合せの段階に至
つておりませんが、
只今申しましたように、
災害救助法の一部改正並びに伝染病予防法の一部改正
立法事項に属する分につきましては、
只今申しましたようなことで大体や
つて行けるのではないか。但しこのいずれにつきましても、未だなお十分なる
予算の裏付というものの交渉が妥結いたしておりません。で、昨日来私はもつぱらこの点につきまして、
衆議院の関係者と両小
委員会で成立いたしました
国庫の増額分についての
予算措置を折衝いたしております。本日大体午前中には成立して、皆様がたに御
報告申上げ得るような順序になし得ると考えておりましたが、いろいろな関係上、まだそこまで行
つておりませんが、恐らくこの点につきましては、
只今のところでは予寡
措置も十分講じ得るであろうという見込だけは立
つておりますので、その
予算措置が大丈夫だということになりましたらば、直ちに
只今申しましたような点で、各位の御賛同を願いたいと思います。そうしてこれはいずれも
衆議院側に
立法措置を委任することにいたしております。
第二点の地方行政関係でありますが、これは
衆議院と
参議院で大きな疎隔を来たしております。と申しますのは、当
委員会では、
地方公共団体のこの
災害による
負担増、収入減というものを合せて二十八年度の歳計
予算において、約百三十四億
地方公共団体が
負担が殖えるのだ、で、これを通常の方法を以ていたしますれば、もとより起債或いは
平衡交付金、
特別平衡交付金の増額等において、これを賄い得る途はないわけではない、が併しさよういたしますると、現在の
特別平衡交付金の額或いは
平衡交付金全体の額というようなものから、容易に
災害府県町村の財政救済が不可能であろうということで、各位の御
決定願いましたことは、これらの
地方公共団体には特別交付金或いは
平衡交付金の増額というようなことでなしに、
災害特別交付金を支給するような新
立法をするという
決定であります。ところが
衆議院側におきましては、さような意図を全然持
つておらん、そうしていずれも
平衡交付金若しくは
特別平衡交付金の増額によ
つて、これを処理させるということから一歩も出ないのであります。私はこの点については、飽くまでも我々この
特別委員会において得た
結論のほうが正しいと信じまして、今なお
衆議院側と折衝を続けております。交渉の難点は、不幸にしてこれに対して
予算的な
措置を講じてないということでありまして、
衆議院側は若し
参議院側にして
予算的な裏付
措置を関係当局と十分折衝できれば、もとよりその趣旨には不
賛成でない、こういう意図でありますので、特にこの点については、今なお大蔵当局或いは自治庁等と折衝いたしております。卒直に申上げまして、当院の望んでおるような特別交付金の交付という新らしい
立法をするということは、現在の段階においては非常なる困難な状況であるということを御了承願いたいと思います。そうして
委員長初め
委員各位のこの点に対する一段の御努力、又私も一生懸命や
つておりますので、この点に対する御支援を、特に問題は
予算措置如何ということだけでありまするから、この点について一段の御援助をお願い申上げたいと考えます。
あとは私のほうで、特に小
委員会で扱いましたものはこのほかにございませんが、当然私のほうの小
委員会で扱わなければならんと考えられるものでありまするが、いろいろな都合から私のほうの小
委員会では扱
つておりませんで、而も親
委員会で最後に留保事項にな
つておりました国家公務員
共済組合法の特例を設けるという
参議院側の留保のままの
意見につきまして、
衆議院側と折衝いたしました。ところが
衆議院側においては、さような意図を小
委員会として
結論として出しておらなか
つた。で、こちらのほうも留保のままにな
つておりましたし、
衆議院側としては
結論としてそこまで行
つておらんということでありましたので、その点については一応
立法事項をするという
結論にしない、そうしてこれの問題については、
衆議院側の
意見によるというと、かかる
措置を講ずるか或いは
災害国家公務員の処遇について別途の
措置を講じ得る、その点については
衆議院側で今いろいろと
予算措置等を関連さして関係当局と折衝しておるから、暫く待
つてもらいたい、いずれ向うのほうで適当な成案を得表ならば、この
共済組合の特例を認める代りになる適当なる
措置を考案する、こういうことにな
つて、今なお留保のままにな
つております。何らかの
結論を至急見出したいと考えております。
大体の状況は以上の
通りでございます。誠にどうも私は不手際でありまして、特にその
予算の
措置ということについては、
立法いたします者の責任として、当然適当なる
措置を考えておかなければならんと、私は固く信じておりまするが故に、条文の整備等々と合わして、
予算の獲得、現実に大丈夫行ける、
両院でこの分についてだけは、聞違いなしに
政府も十分同意してや
つて行けるものを作り上げたいと考えておりましたために、遅れもいたしましたし、又御
報告といたしましても、大変皆様がたに喝采をして頂けるような程度にな
つておりませんことを甚だ残念に思いまするが、
只今申しました点を御了承願いまして一応の
報告と
説明といたしたいと思います。