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1953-07-20 第16回国会 参議院 水害地緊急対策特別委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十日(月曜日)    午前十一時三十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     矢嶋 三義君    理事            秋山俊一郎君            野田 俊作君            永岡 光治君            松浦 清一君            武藤 常介君    委員            剱木 亨弘君            重政 庸徳君            高野 一夫君            谷口弥三郎君            藤野 繁雄君            松岡 平市君            河野 謙三君            島村 軍次君            林   了君            三浦 辰雄君            安部キミ子君            白井  勇君            小松 正雄君            山田 節男君            松原 一彦君   国務大臣    国 務 大 臣 大野 伴睦君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○本委員会運営に関する件 ○理事補欠選任の件 ○小委員補欠選任の件 ○小委員長の指名の件 ○水害緊急対策に関する件   —————————————
  2. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から本日の委員会開会いたします。
  3. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 本委員会も随分資料が整つて来た。一方罹災民二百万の諸君はどういう対策を具体的に出して早く自分たちに対して救つてくれるか、応急の処置をしてくれるかというので渇望しておることは想像に難くはないのであります。一日千秋の思いであろうと思います。そこで本委員会としてはもう各小委員会のほうも一応の結論は今日の昼にはまとまるということでありますので、私はこの委員会運営として明日中に一応結論を出すという目標で進んでもらいたい。それについてはこの委員会議論をされておりますように、衆議院等の連絡という問題もございます。且つ又各党内における意見の統一という問題もございます。これらのものを併せて短期間かのようにみえるけれども、今まで練りに練り、考え考えて来ただけに、明日中ぐらいを目標にそれらを一切含めてやれることができれば大変仕合せではないかとかように考えるのです。
  4. 小松正雄

    小松正雄君 只今お話に対しましては別に反対するものではなく賛成するものでありまするが、さつき委員長議運に呼ばれての御報告の中にお聞き申上げますると、近日起りました和歌山県等の災害に関する問題も合せて明日中に結論を出すというお考えでありましようか。
  5. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私は委員長が先ほど御報告がありまして、又結論はまだ議運としても出しておらないようでありますが、仮に和歌山も付託がされたとして考えても、この被害の姿というものは、あの九州五県、山口を入れた六つのうちのどの一つかのタイプに必ず合つていると思うのです。勿論その被害の原薄或いは特徴については、更に研究を続けて補足する場合があつても、あの六つの場合においての大体応急策を講ずるならば、これを和歌山に適用するという場合に、大体行くんだろうと、こうも考えているのでありますが、今私の先ほど発言した結論結論という、その応急天体決定を見たいという意味は、中心課題であります九州の五県と山口県を入れた六つ、これに対しての考え方。
  6. 小松正雄

    小松正雄君 そこで私はお願いを申上げたいことは、例えば福岡中心とした六県に対することの結論を明日までに出すということに相成りますことについては賛成でありますが、それに加えまして和歌山等の近々起りました被害県も合せてそれらに含むというようなことにお願いしたい。
  7. 島村軍次

    島村軍次君 小松さんおいでにならんから経過は御存じないですが、委員長に代つて申上げれば、一応ここでは先に九州山口を切離して結論を早く出してしまおう、あとの問題はあとで取上げようということになつております。資料なんかについてもこんがらかりますから、御賛成もあるようでありますからその意味で先に取上げて、和歌山の問題は第二に移つて結論を出して頂きたい。
  8. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 三浦君から出されました本委員会運営に関する御提案に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでございますので、さよう取計います。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  10. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。審議都合上本委員会は暫時休憩いたします。    午前十一時四十六分休憩    ——————————    午後一時五十分開会
  11. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から委員会を再開いたします。  本委員会審議の必要上、一昨日以来緒方副総理並びに大野国務相の本委員会出席要求して参りましたが、現在まで出席がございません。然るところ本委員会審議、調査の必要上、是非とも両大臣の本委員会出席が必要と、委員長理事懇談会での申合せ決定いたしましたので、本委員会決議に基いて、成規の手続によつて本日両大臣の本委員会への出席要求いたしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでございまするので、さよう取計います。  次にお諮り申上げます。寺本君が本委員会委員を辞任され武藤君が十八日再び本特別委員になられましから、通産運輸の小委員武藤君を指名し、欠員中の理事並びに通産運輸に関する小委員長に、同じく武藤君を指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでございますから、さよういたします。  暫時休憩いたします。    午後一時五十二分休憩    ——————————    午後三時五十三分開会
  14. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 委員会を再開いたします。  只今大野国務相が本委員会出席されました。近く大野国務相西日本災害対策本部に帰任されますが、帰任に先立つて大野国務相から報告を聴取いたしたいと思います。
  15. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) 私は明日の閣議終つて十一時何分かの飛行機で九州向う予定でありましたが、又々和歌山地方に大水害が発生いたしたので、それの現場を二、三日つぶさに視察をして、そうして九州に飛ぶつもりであります。今の予定では二十三日若しくは二十四日に福岡現地に入りたいと思つております。  中間報告帰りまして以来、旬日に亘つて毎日総合対策本部幹事会等出席し、或いは閣僚懇談会等出席して、私がこの前中間報告で申上げました地方民要望に応えるべく鋭意努力を続けて参りました。ところがなかな かいろいろな法律規則に捉われるようなわけで、思うようにてきぱきとこれを実行に移すことができなかつたことは甚だ遺憾といたしたのでありますが、漸く目鼻がつきまして、明日の閣議で大体の方向等決定いたしまするから、これをもたらして帰りたいと、かよに考えております。今日も閣僚懇談会を開きまして、明日の閣議決定しなければならん、させなければならんという案をいよいよ具体的なものを明日の閣議に示すために、只今小委員会を開催いたしておるようなわけでありますから、明日の閣議ではいろいろな懸案の全部とは申しませんが、大半決定を見るであろうと、かように考えております。
  16. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 是非質疑したい点がありましたら、短時間にお願いいたします。
  17. 山田節男

    山田節男君 これは先ほど委員長伺つたよう大野国務相非常にお忙がしいのですが、今日各小委員会委員長報告があつたように、大体本委員会としては、もう財政措置、それから立法措置ため結論は出ておるわけです。そこで今大野国務相が明日又福岡のほうにお立ちになるというのでありますが、大野国務相が本会議で御報告なつ現地の切なる要望事項がございます。即ち、地方財政法の改正までしなくちやいかんのではないか、災害救助法国庫負担限度の拡大であるとか、或いは熊本の泥土の排除の問題、特に営農資金の問題、中小工業の金融問題、こういつたようなものにも本委員会でも触れて、立法措置とかいろいろなことが出ておるわけでありますが、大野国務相が今度向うにお帰りになるについては、国務相がこつちに要望事項として持つて帰りなつたことは、閣議でどれとどれが結論を得て具体的にどういうふうにするのだというようにきまつて帰られるのか、この点を一つ委員会に項目でもよいからお示し願いたいと思う。
  18. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) 私は営農資金の問題、これ等も大体明日の閣議で、これは御承知通り利子補給とか、そういつた立法措置の問題もありまするが、これは衆議院議員提出で今日でも提出して頂くようにもうすでに立案ができておるだろうと思いますが或いは又中小炭鉱業者に対する救済資金、これも大体開発銀行で五億円でありまするかそれから一般市中銀行へ十億の政府資金を預託するということに金額をすでに決定はいたしておりまするが最近業者代表が上京されてそれだけでは到底スムースに廻つて行かない、つまり銀行コマーシャルベースでなければ承知をしないから、必要なところへその金が廻つて行かないという切なるお話でありましたから、私もしかく考えておりました、同感でありましたからどうしてもこれは何か考えなければ立法措置でも考えなければなるまいかと、先ほどこの問題を私から提出いたしましたところが、実は九州炭鉱のそのほうの武内礼蔵君と今朝会見した。そのときに中央商工金庫へ廻して頂ければ、比較的窓口の途が開くんじやないだろうかと、組合もできていないけれども、至急にその組合作つてその組合へ貸出すということでならば比較的スムーズに廻りはしないだろうかという要望があつたそうであります。これは先刻大蔵大臣の話なんですが、それは今までは開銀と市中銀行へ預託するということになつてつたが、それを中金へ廻すということはいいんじやないかと思うておるという意見が先ほど開陳されました。これで果して中小炭鉱者にスムーズにその資金が廻れば結構であつて、私はまだこれに対して一抹の疑問を持つておる。できるならばやはり立法措置をとつてもらつて、そうして全額とは言いませんが、国家補償、同時に利子補給といつたようなことを立法措置によつてできればそのほうが極めて有効適切ではなかろうかかように私は考えて明日の閣議ではそれを力説する考えでおります。営農資金の問題、それから繋ぎ資金の問題ですが、この間もこの委員会でもお話があつたようですが、百億円あとまだ要るから出せという、これは百億要るか、五十億要るかそれはわかりません。先ほど委員長と、これは正式の会談でありませんが、懇談申上げたときに是非まだあとの五十億も七十億も百億も要求しているのだから、これに対して何とか早く手を打てという話でありましたが政府は決してこれを出さんと大蔵大臣も言うておりません。必要があるに応じて出す、だから各県の知事、まあ西岡長崎県知事なんかも何とかもう少し出すようにということで、よろしいと、必らず不肖我々は出させるように努力するし、これは必らず、国家がこれは地方へ援助する金にない、貸出す金である、貸出す金ならば必要ならば幾ら出してもいいじやないか、五十億でも百億でも構わないというような私は考えなんですが、それでそれならばこれがためにこの必要上繋ぎ資金がこれだけ必要があるんだということを具体的にこの支出をするのでこれだけ要るんだということをはつきりした事業とこれに対する繋ぎ資金を要するということを明らかに書類によつて示してくれということを要求したんです。それがまだ一つも出て来ません、どこの知事からも私の手許には熊本県からも長崎県からも山口県からも佐賀県からも繋ぎ資金報告、こういう必要上まだとてもそれでは足りないから、もうこれだけ必要であるから出してくれというこの要求がどこからも要求が出ておりませんから、必要に応じて出そう、こう言明してありますから、具体的にこういうためにこれだけの繋ぎ資金を要するんだということさえはつきりして頂ければこれを順を追うて出せるものと確信しております。これは閣議においても大蔵大臣は言明しておるんですから、必要に応じて出そうじやないか、今漫然と出すことはどうかと思うが、こういうわけでこれだけ要るんだということが明らかになつたならば順次出そうじやないかということになつておりまするから、これは私はその通り運べるものと確信をいたしております。そのほか今私が炭鉱金庫へ二億三千万円の融資をせよというこの問題も実は政府資金をそういうようにその金庫に預託してもらいたいという要求、ところが、これは今までは直接国家がその資金をこの金庫に預託することがないそうであります。これは各県の知事が指導をして築造した金庫だそうでありますが、遺憾ながら災害地熊本県にこれがない、大変取扱上難点もあるのでありますが、併しないところは仕方がない、あるところへ出したらいいだろうというので、今これも折角努力をいたしているのでありますが、これは今の構想といたしましてはその県へ金を紐付で出してやる、この金は労働金庫へ県の責任において預託してもらわなければならん、それがために県へ融資するのだという紐付で県へ出して県が金庫へ預託するのだということにしちやどうだろうかという点、今努力を続けている最中でありますしこれも明日の閣議においても何かの結論をもたらして帰りたい、かように考えております。その他御質問がございますればお答えします。
  19. 松浦清一

    松浦清一君 只今ちよつと繋ぎ融資の問題で心強い閣議模様等も御報告頂いて非常に結構なんですが、若し地元のほうから具体的に復興の計画を立てて金を出してもらいたい、貸してもらいたいという要請があれば出すという方針に、閣議決定しているように承わつたのですが、その限度というものは、今まで百億円、百億円と言つておりますが、百億円なんですか、それとも絶対必要な具体的内容が備わつておれば、百億円以上になつて政府は適当な手を打つていいとこういうお考えなんですか、その点一つ
  20. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) その点につきましては、まだ只今申上げました通り三十億出したが、その上百億、これは漫然とただ百億、各災害県知事決定したあのときにまだ十億円が決定していないときだから、あとから知事の話には、あなたがお帰りになつてすぐ十億円出たから、あとの九十億円でいいのだという話もあつたのですが、その当時は二十億でしたから、繋ぎ資金が最初に十億出して、あとで私は現 地で独断で以て十億円出した、帰つて来てこれで足りないということで十億がまだ決定しないうちに、知事決議は百億であるから、それは知らなかつたのだが、あとは九十億でいいのかと言つたところが、これは二十億のとき百億と言つたのだから、百二十億あればいいのだから、三十億頂いたから、あと九十億でいい。その九十億でいい、百億でいいという根拠がどこにあるか、我々は判断に苦しむ。百億出しなさい、だからそれは私はほんとは幾らいるのだということがはつきりすれば、はつきりどうしても必要なことは、これは繋ぎ資金は百億越してもいいというのが私の考えだ。大蔵大臣はどう考えでおりますかといいますが、大蔵大臣は必要な金は順を逐うて出すということだけ言明しておりまして、限度幾ら出すということは閣議においてはまだお諮りになつておりません。必要に応じて出すと言つております。
  21. 松浦清一

    松浦清一君 そこで大野国務相水害が起りまして以来現地に行かれて大変御苦労なすつているところですが、只今こちらに帰つて来られてから対策本部幹事会等出席されて現地の実情に対応した措置を講ずべく御努力なすつたことはよくわかりますが、お話通りいろいろの現行法規に縛られて、現地を守つているあなたとしてはああもしなければならん、こうもしなければならんと思つても、その現行法の枠で縛られるというその障害に打ち当ると思うのですがこの点に関して私はあげ足をとるのでなしに、本当の善意意味で伺うのですが、この間も本会議であなたに対する各派の質問が行われました際に、現行法規でできなかつた場合には政治力でできるだけのことをやる、こういう御答弁をなすつたわけですが、これは念を押しますけれども、あげ足ではなくて善意で言うのですが、現行法規で縛られてどうにもならんものに対しての現地へ行かれた責任者として政治力応急措置をとられた部分というのはどのくらいございますか、若しおわかりならばお知らせ願いたい。
  22. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) 私が政治力で解決したということでございますか。
  23. 松浦清一

    松浦清一君 した部分、それからやろうとする部分
  24. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) やろうとする部分は全部政治力でやろうとするのですが、現在の法規なんかにひつかかつてできん部分政府みずからが特別立法考えてもいいが、なかなかこれは議論があるからむしろ議員立法でやつてもらいたいということで村上委員長あたりを督励して、この立法をやらせることは即ち私の政治力であるというふうに考えております。
  25. 松浦清一

    松浦清一君 もう一つ、そうすると実際問題として具体的に復旧といいますか、この応急対策というか、そういうものに手をつけようとしても今の段階では現行法規に縛られて手も足も出ないというのが実態なんでしようか。
  26. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) 手も足も出んわけじやありません。もう法規の許す範囲においてはどんどん救済の手を伸ばす、この間も熊本のどこかの学校に収容されている千人か二千人かの人が栄養失調になる虞れがあるというので、国警からの報告を受けましたから、直ちに横浜にあるところのケヤ物資でありますか、そういつた罐詰等をその日のうちに手配いたして日航便を以て現地に急送しているというようなことで、できる範囲内はどんどん、これを直ちに実行いたしております。できない部分は、どうしても法規によつてできない部分だけは、まあむろん政府から提案する立法もあるでありましようが、そんなことを待つているよりは一つ議員発案権で、立法府にあるところの議員諸君からどんどん提案してもらいたい、それをぜひやれ、やつてもらいたいと言うて私はむしろ勧誘している。そうして今これは恐らくその立法は今日の現状に鑑みて何人も反対がないと思う。これは立法さえして提出さえされれば、三日か五日を要すれば必ず通過するものと確信いたしております。政府のほうを待つよりは議員立法でやれよと言うて私は仲間の委員諸君に呼びかけている、こういつた手を打ちつつある。それがようやく実つて来て明日の閣議には或る程度九州にもたらせるおみやげが決定するのじやないか、かように考えております。
  27. 永岡光治

    永岡光治君 これは実は大野国務相が非常に熱意をもつてやられているので特に質問したいのですが、実は今日も佐賀県の県会議員かたがたが上京して、この席で非常に窮状を訴えたのです。又聞けばもうすでに栄養失調者佐賀県だけでも一万五千人出ているこういう非常に悲惨な状態になつているわけであります。それから又今ここで話が出ているのは、熊本県の県会議員各党派代表が事情を聴取して頂きたいということで来ているようでありますけれども、今大野国務相の話を聞けば百億というつなぎ融資の問題も、各地方からの具体的な必要だという資料さえ整えば私としては出す決意でいるし、政府もその方針だという話なので非常に力強いことでありますが、実際において考えた場合に、どこから突かれてもなるほど必要だという資料をまとめるにはかなり私は日数がかかるだろうと思います。従つてそれはそれとしてやがて出て来るでありましようが、出て来たものについてはこれは全額融資をする、その通り実行してもらうということは間違いないのでありますが。実はその間が問題なんであります。今日も佐賀県の話を聞いてみますと、田畑も、応援する資金は極端な表現ですがその資金は要らない。政府で土地を買つてくれ。そうすればおれのほうで急場をしのぐことが考えられるだろうという窮迫した事態になつておりますので、ここで私は具体的な資料が整うまで待つということでなく、一昨日でありましたか衆議院でも差向き五十億のつなぎ融資を工面しろということを委員会決議したようであります。そういうふうにそこまで考えているならばおおよその程度のものはという一つの目途があると思うのであります。具体的な資料が出ていなくてもこの程度のものは出せるという相当見通しがあると思いますので、実はそのことが何をおいても一番必要だと思います。そこでそういうものについて今暫定的に具体的な資料が整うまでの間或いは何がしかのここで応急つなぎ融資を出す腹がないかどうか。あるだろうと思うのであります。それはどの程度考えているのか、そのことを特に私はお聞きしたい思います。又要望いたしたいと思います。
  28. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) 全く佐賀県のお話は今初めて伺つたのですが、そういつた具体的なことを本部長たる私へどんどん陳情されるならば、これは私は是非ともやつてもらうということで閣議で力説するのでありますが、遺憾ながらそういつた今御指摘のようなことは私の耳に入つていないのであります。とにかく三十億円のつなぎ融資というので一応やつているが、必要があればどんどん地方から要請して来るだろう。衆議院委員会では成るほど五十億、これは私は委員長に聞いておりますが、五十億というのはどういうことであるか。何の根拠によつて五十億という数字が出たのかと言うと、いや、それは別に何ということではないのだ、それは百億ということを県知事要求しているから或いはその半分ぐらいでも、ということで、そういう漫然たるものだというのだから大蔵省当局としてはただ漫然としているものでは受けることができない。それで各県の知事からどうしても今直ぐにこれだけ必要だ、どうしても要るのだということをこれは直接県の行政の責任者たる知事から要請されたら一番話が早いのじやないかというふうに、こう考えて、今度現地へ行きましたらば災害県知事諸君にそのことを露骨に伝えようと思つています。幾ら出すかということは閣議でも一つもきまつておりません。どの限度までということはきめておりません。必要適切なことについてつなぎ資金はこれは当然出します。出しますということだけははつきり大蔵大臣も言明しているのであります。
  29. 永岡光治

    永岡光治君 実は恐らく地方の陳情のかたがた大野国務相のところに行つてもいない。これは探してもなかなか見つからないので話していないのだと思うのであります。そういうことをたまたまここへ来て、この部屋のここで話したのでありますが、そういう話は話として、今大野国務相の話を聞けば現地県知事の話を聞いて出す。現地で聞けば出せるのですね。
  30. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) 出すつもりであります。私はこれは成るほど必要だという場合には直ちにその要請に応えたい。かように私は決心をいたしております。
  31. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 大野国務相大変多忙のようでありますが、まだありますか。
  32. 松浦清一

    松浦清一君 これは大野国務相に御質問申上げるのは適当かどうかわかりませんが、またまた和歌山に大変な水害が起つたのでありますが、これはどういうことになりましようか、今の西日本水害対策本部で又これを一緒にやることに今日あたり閣議方針をおきめになつたかどうか。若しこの対策本部でやることになれば大野国務相西日本和歌山とを兼ねてやることになるのかどうか。
  33. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) 今日の閣議にも出ましたが、まあ九州のああいう遠隔の地と違つて和歌山には特に現地における対策本部を設けるか設けんかということは今建設大臣向うへ急速昨夜現地に着いておるはずです。その意見を聞いた上で現地対策本部を設けるかどうかということを決定しようというような非公式な話もありました。そこで又どういうことになりまするか、決定をいたしませんが、今朝新聞で散見するところによると、和歌山は、時にまあ交通の至便な点もあるし、各省の関係官をやつてそこで応急策を講じてやつて行けるのじやなかろうかというような意向のようでしたが、これはまあ戸塚建設大臣が帰つて来て、その意見に基いてやる、そういうことです。
  34. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 緊急必要事項がなかつたならば、これを以て大野国務相に対する質問疑終りたいと思います。御異議ございませんか。
  35. 松岡平市

    ○松岡平市君 私簡単に……繋ぎ融資のことでありますが、先ほど来、単に漫然と百億と言つたつて、これは話にならない。あなたは聞いてないと、こうおつしやいますが、実は少くともここには関係六県の知事福岡会議をやつて数字をまとめて、そうしてその結果、こういう事業にこう使うのでどうしても百億繋ぎ融資をほしいと、書類をここに送つて来ております。少くとも福岡現地におきましては大臣のお留守中に絶えずこういうものを現地知事と連絡して大臣に申達すべき手紙が行つていなければならないと思うのでありますが、これはもうかなり前に我々のところにこういう書類を送つて来ておるのに、大臣には何らこういう書類を出さずに、この特別委員会にだけ出したものとも考えられんのであります。私は或いは大臣が十日間余り東京においでになつた留守中に、現地対策本部へかような府県から電報がたくさん来ておりますが、繋ぎ融資を是非頼む、これは佐賀県から来ておりますがどうも全然大臣の耳に根拠のある数字が出ておらないということは、誠に我々は不思議とするのであります。そうしてこれはどういうことになつておるかわかりませんが、今お聞きしますと、大臣和歌山におつて三、四日遅れるかも知れないというようなお話のようでありますけれども、そういたしますというと、大臣現地においで下さらなければ是非一日も早くという繋ぎ融資のことは全然大臣の耳に入らんという現在の状況のようでございますが……。
  36. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) その文章私も見ましたが、それは今大蔵省で検討しておりますが、これは七月、八月までにこれをやる。但しその仕事ができるかどうかということを、専門家というか、当局というか、それが今研究して、成るほどこれだけの仕事をするにはこれだけの繋ぎ融資が要るだろうという結論を出して頂けるものと思つております。
  37. 松岡平市

    ○松岡平市君 実はこの前大臣がおいでになつてすぐきまつた十億、前の二十億に追加した十億の繋ぎ融資でございますが、これは当時の状況から非常に急いでおるものだと我々は考えて大蔵省にすぐお出しになつたらどうだということを、三日か四日に亘つてお願いしたけれども、現在そういうものはまだ必要と認めない、こういうふうな答弁を繰返しておつたようであります。結局大臣がおいでになりましたらすぐきまつたわけでございますけれども、どうも我々の今の感じでは、必要であつてもなかなか査定が非常にやかましくて、そうして容易に成るほどというふうに政府の担当機関が納得するのに非常な時間がかかるのではないか、こういう我々は危惧の念を持つておるのであります。現実にこの間から委員会においてはつきりしたことは、例えば二十八年度だけでも起債その他で賄わなければならん、市町村の起債だけでも六十何億はもう確実に自治庁長官も言つておられるのであります。そういうものを見返りにできるという数字はあるけれども、容易にお出しにならん。大臣はお聞きにならんからこれは是非もないのでありますけれども、佐賀県のごとき非常にその金がなくて困つておる。そうして又漸くやつた応急措置が又破られてしまつてあとやるのに手も足も出ない。こういうような電報がたくさん来ておるのであります。どうもそこのところか繋ぎ融資に関する我々の感じでは、大臣は必要とお認めになつておるけれども、どうも中央機関がなかなか必要と認めないので、にわかに出ないということが真相ではないかと思うのですが、如何でございましようか。
  38. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 大臣、私それに附加して伺いたいのですが、個人的に大蔵大臣も、建設大臣も、自治庁長官も今の三十億では無理なんだとこう言われておる。それに持つて来て、佐賀でも、福岡でも、熊本でも、再災害が起きて、一応架けた橋が落ちている。ですから、今日の懇談会でも、明日の閣議あたりでも大野国務大臣政治力で取りあえずこの程度の繋ぎ融資は必要だと、こういうように切り出して頂くことか必要だと思います。
  39. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) 明日の閣議でも無論これをやるつもりでおります。
  40. 松岡平市

    ○松岡平市君 大臣それを頼みますよ。
  41. 大野伴睦

    国務大臣大野伴睦君) それが大野政治力じやないか。(拍手)
  42. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 大野国務大臣に対する質疑はこれを以て終ります。速記をとめて。   (速記中止
  43. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して。  審議の都合上暫時休憩いたします。    午後四時二十七分休憩    ——————————    午後五時二十八分開会
  44. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) これより委員会を再開いたします。御諮り申上げます。先ほど懇談会のときに意見の交換をし、まとまりましたように、次の内容をもつところの決議をなし、本日政府に申入れることについてお諮り申上げたいと存じます。  なお決議の正式案文については委員長にお任せ願いたいことも併せてお諮り申上げます。内容といたしましては明日西日本災害対策本部大野国務相が東京出発帰任の途に就かれるようでございますが、災害地各県から熾烈なる要望のあるつなぎ融資追加の問題については、現在の状況では政府としては追加決定をなして大野国務相が十日に帰任するような状況にはにはないようでございます。本委員会としては再三再四なつ融資の問題について論議されたわけでございますが、本委員会としては明日大野国務相が静岡に帰任するにあたつては、取りあえず三十億円程度の繋ぎ融資の追加決定閣議においてなして、福岡現地に帰任すべきであるという内容でございます。
  45. 松浦清一

    松浦清一君 今のその内容についての表現の仕方ですがね。若しその三十億円、取りあえず三十億円ということで言いつぱなすと、衆議院が五十億円という意思決定をして参議院が三十億円という意思決定をしたように解釈される虞れがある。だから災害地の県からは早急に百億円の繋ぎ資金融資方を懇請して来ておる。本委員会もそれを適当と認めるが、取りあえずというのは、取りあえず三十億円をという、こういう内容でないと、今のような言いつぱなしだと、三十億円ということが参議院で繋ぎ融資として必要と認める数字と、こう見られる慮れがありますから、一応やはり知事諸君の希望というものを生かしておいて、そして取りあえずと、こうならなければいかん。
  46. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 了承いたしました。只今松浦君から追加された内容を含めて、只今お諮り申上げた点について御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 異議ないものと認め、さよう取計らいます。本日の委員会はこれを以て閉会いたします。    午後五時三十二分散会