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1953-10-09 第16回国会 参議院 水害地緊急対策特別委員会 閉会後第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月九日(金曜日)    午前十時五十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     矢嶋 三義君    理事            永岡 光治君            永井純一郎君            石川 清一君    委員            井上 清一君            左藤 義詮君            重政 庸徳君            谷口弥三郎君            徳川 頼貞君            松岡 平市君            上林 忠次君            新谷寅三郎君            三浦 辰雄君            安部キミ子君            白井  勇君            東   隆君   国務大臣    農 林 大 臣 保利  茂君    国 務 大 臣 緒方 竹虎君   事務局側    常任委員会専門    員       倉田 吉雄君   説明員    文部省管理局長 近藤 直人君    厚生省公衆衛生   局環境衛生部長  楠本 正康君    厚生省医務局医    務課長     内藤 誠夫君    厚生省社会局長 安田  巖君    厚生省児童局養    護課長     竹下 精紀君    厚生省保険局国   民健康保険課長  菅野 周光君    農林大臣官房長 渡部 伍良君    農林大臣官房総    務課長     奧田  孝君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水害地緊急対策に関する件   —————————————
  2. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から本日の委員会を開会いたします。  先ず農林省関係政令について聴取いたしますが、奥田総務課長要望いたしておきます。その点は、昨日本委員会政令基準は明日までに完成するという大臣答弁があつたわけであります。従つて現在大蔵省折衝もし、農林省で完成しつつある政令基準は、曾つて委員会が決議をして申入れた指定基準とどういう関連なつているかという立場から説明を求めます。
  3. 奧田孝

    説明員奧田孝君) 只今委員長からお尋ねの点についてお答え申上げます。農林省関係政令といたしまして只今準備いたしておりますのは、御承知のように米麦の売渡しの特例に関する法律施行令、それからいわゆる暫定措置に関する法律施行令と、それから第三にいわゆる堆積士砂の排除に関する特別措置法施行令と、それから第四に被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法施行令のこの四つでございますが、この四つ法律施行令については、只今関係省集まりまして、政府部内で最後的な検討をやつている段階でございます。明日その案がお示しできるという目標の下に、只今打合せをやつておりますので、本日その政令案をお示しすることができないのは甚だ残念と思いますが、そういう次第でありますので、御了承をお願い申上げておきます。
  4. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて下さい。    午前十一時四分速記中止    ——————————    午前十一時三十九分速記開始
  5. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を付けて下さい。  農林省関係政令事項に対する説明聴取並びに質問はこれを以て終了いたします。  続いて建設省石破官房長が本委員会に出席されていますので、建設省関係説明聴取いたします。  速記をとめて下さい。    午前十一時四十二分速記中止    ——————————    午後零時四十三分速記開始
  6. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。建設省関係政令案に関する聴取並びに質疑は一応これを以て終ります。  続いて文部省近藤管理局長が出席していますので、文部省関係聴取いたします。説明する前にここに提示されてある三つの案は先般出されたものと変つていないのか。それから先般出されたのは省議決定でないという話だつたが、ここに出されているのは省議決定に基くものであるかどうかこの点を明確にして要点の説明を願います。
  7. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 御説明申上げます。只今手許に差上げてございまする政令案はまだ文部省といたしまして最終決定のものではございません。その点あらかじめ御了承を得たいと思います。なおこの政令案につきまして目下大蔵省折衝中でございます。さよう御了承願います。  それでは概略政令案の要旨につきまして御説明申上げます。先ず公立教育施設災害復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置法施行令案でございますが、それと私立学校施設災害復旧に関する特別措置法施行令と御一緒に御覧願いたいと思います。これは大体同じ趣旨でできておりまするので、一緒に御覧を願いたいと思つております。  先ず第一に災害地域でございますが、第一条にございますが、私立学校につきましてはここに載つておりまするところが全部でございます。それから公立につきましてはこれは他の建設省並び農林省との関連もございますので、まだこの分につきましては明確な決定をみておりません。いずれ近いうちに災害については決定するものと考えております。  それからあと事務費割合でございますが、これは公立学校私立学校も同様でございます。百分の一であります。  それから次に問題となりますのは、設備費算定基準でございますが、設備費算定基準につきましては、これは目下大蔵省折衝中でございますので、只今手許に差上げておりまする案は一応試案でございますので、さよう御了承願いたいと思います。その折衝過程におきましては原案通り参りまするか、なかなか困難な状況にございますので折角努力いたしております。  それからちよつとここで申上げなければなりませんのは、私立学校につきましては、大学がございますので、その分につきましては公立学校と違いまして、公立の分につきましては大学がございませんので、私立学校設備費算定基準につきましては、大学も入れて考えるつもりでございます。それから補助割合等につきましては、これは法律で規定されておりますので、御承知通り公立学校につきましては普通法が三分の二に対しまして、四分の三、それから社会教育施設につきましては三分の二ということになつております。私立学校につきましては二分の一の補助でございます。なお二分の一の補助をいたしました残りにつきましては、これは私立学校振興会から貸付金をいたすことになつております。そういう趣旨立法でございます。それからあと計画書変更或いは成功認定の申請、都道府県の教育委員会事務その他につきましては、公立学校私立学校も全く同様でございます。余り問題はないかと考えます。要するに、この政令案につきましては、公立学校私立学校とも設備費基準が一番問題でございますので、その点につきまして一応試案を書いてございますが、との点につきまして目下折衝中と御了承を願います。  それから最後に、学校給食用の小麦粉或いは脱脂ミルク被害を受けたものに対しまして損失補償をいたすものでございますが、この立法に基きまして特別措置法施行令がお手許に差上げてございます。その災害地域は、ここに載つておりますところが全部でございます。その他の県からは報告がございませんので、一応これで全部と考えております。この損失補償基準、この点につきましては大体法制局のほうとも話合ができておりますので、若しきまりまするとすれば、この給食用損失補償に関する特別措置法施行令のほうが一番先にきまるのではないか、かように考えております。  以上概略政令案につきまして御説明申上げました。御質問がございますればお答え申上げます。
  8. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 局長、前に文部大臣とあなたに具体的に例を挙げて私は質問もし、要望もしたのですが、この案を見ると一向変つていない。それは公立学校設備算定基準、これは私立学校にも同様に当はまると思うのですが、とのほかに施設復旧に関する別の又法律があると思うのですが、これにも関連するのですが、一体文部省はこの案で努力しているとおつしやるのですが、参議院要望事項の中には、学校復旧は大御原形復旧建前としてやれということを特に項目を挙げて要望している。山村の学校は御承知通り五十人、百人くらいの学校が多い。そういつたのをこういつた基準でやられて、本当に復旧できると考えているか。この前には、私はもう少し基準を細かくして、小学校、中学校、それを例えば二百人以下、百人以下、五十人以下という序うにして、必要に副つたよう復旧しないと、小さな学校ではこの基準では殆んど例えば部屋にしてみれば職員室もとれない、小さくなるとオルガンが一つも買えないということになるから原形復旧どころでない、学校の形をなさないということを挙げて要望した。あなたたちはこれは十分に再検討いたしますという誠意のある御答弁があつたので、その結果を私は注目して見ておつたのですが、一向変つていないのです。どういう事情なんですか。
  9. 近藤直人

    説明員近藤直人君) お答え申上げます。この別表二の補正係数の御質問と思いますが、御指摘のように確かに少数学級の場合には、どうしても補正増をいたさなければなりませんが、ここに書いてございますように、二百九十九人以下の場合には、一・五をかけるということになつておりますが、この点につきましては、まだ大蔵省話合いが完全についておりませんが、御要望の線に副いまして、更に細かく補正係数をつけるように考えております。
  10. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そうすると何ですか、ここに出ておるのは、あなたが今御説明になつたのは、これによつて努力しておるが、これでもなお大蔵省との関係はむずかしいのだというような御説明があつたので、私更に質問しておるのですが、この政令案、今お出しなつ政令案はまだあなたのほうで、更に修正をして大蔵省折衝するだけの余地があるのですか。
  11. 近藤直人

    説明員近藤直人君) まだ折衝余地がございます。目下折衝中でございます。
  12. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そうしますと、これはほんのあなたがたの内部の試案というふうに考えられるのですが、これを持ち出し大蔵省折衝しておるのではないのですね。更に細かく割つて、小さな学校は小さな学校なりに、最小限度学校の形をなして復旧できるようには措置するというふうに、文部省は措置するということに了解して宜しうございますか。
  13. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 少数学級学校につきまして問題があるわけでございますので、自分といたしましては、そういう学校につきましても、他の学級の多い大きい学校と比較いたしまして不利でないように、要するに災害復旧費補助いたしたいと、かような趣意でございますので、この二百九十九人以下をどういうふうに救うかということにつきましては、いろいろ研究の余地がございます。要は先ほど申上げましたように、少数学級の場合でも、他の学級の場合と同様に救われる、公平に災害復旧できるというところに重点があるかと思いますので、そういう見地からなお研究いたしたい、こういうふうに考えます。
  14. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) この点明確にして下さい。この前から新谷委員少数学級のことを言われておるわけです。私冒頭にあなたの答弁のときに申上げたのですが、九月十九日付で要望事項出してあるでしよう。その要望事項の中に、例えば公立私立の差をとつたりなんかは、とつちの要望を入れておるのですね。だからここのところは参議院要望を入れた、新谷委員の言われておるような少数学級のところは入れなかつた、その理由はどこだというようなことを、こつちから要望出したこの点を基礎にして、先ず明確にして頂かなければ、次の質疑ができんと思います。
  15. 近藤直人

    説明員近藤直人君) それでは申上げますが、この前設備基準につきまして、私立学校公立学校と差をつけるととはいたしませんということを申上げましたが、只今もそういう方針で参つております。実は公立学校私立学校も、全く同様の基準で考えております。ただ公立学校につきましては、大学が今回ございませんので、大学につきましては私立学校だけにつきまして別に基準を作らねばならないと考えております。それから繰返しますが、少数学級の場合も同様の他の学級の多い学校と同様に考えてもらいたいということは全く同感でございますので、我々といたしましては二百九十九人以下が一・五ということで、全部あとはこれで少数学級は捨てて行くという考えではございませんので、少数学級も他の学級と同様に救うというふうに考えておりますが、なおこの点につきましては大蔵省話合い中でございます。
  16. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大体あなたの言われたことを忖度いたしますと、建前としては二百九十九人以下これこれというような数字なつている。併しその範囲内で生徒数の少い学校は非常に困るわけですから、その範囲内で小さい学校は小さい学校なりの学校として、最少限度設備を持ち校舎も持つて復旧のできるように要請して行く、こういう意味ですか。
  17. 近藤直人

    説明員近藤直人君) できるだけ御趣意に副いましてこの設備基準を作る場合、これは生徒数補正係数でございますので、補正係数を考慮する場合に、できるだけ少数学級もその他の学級と比較にたしまして、不利でないような、補正係数の増をするということを申上げておりますが、然らばどういうふうに増をするか、これは二百九十九人以下が一・五になつておりますが、これを更に二百人以下では一・七にするとかというようなことにつきまして、目下大蔵省話合い中でございます。さよう御了承願いたいと思います。
  18. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 もう一遍確かめますが、そうするとこれはこのままで大蔵省出したのじやなくて、例えば二百人以下は一・七とか百人以下は二とか、そういうことも含めて大蔵省交渉中なんですね。
  19. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 只今はこの案につきまして折衝いたしておりますが、その際に御指摘のような点につきましては、我々の意向十分話合つております。なお本日の御意見もございますので、更に御要望に副うように折衝いたすつもりでおります。
  20. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 もう一度確めたいのですが、あなたが誠意を持つて考えるということはよくわかるのですが、それも一つ方法ですが、しつこいようですがもう一遍確かめますが、大蔵省とは今この案で折衝している。併し今私が申上げましたような点を考慮して、更に今後大蔵省と改めて交渉するとおつしやるのか、或いは大蔵省との交渉はこれで行くのだが、あなた方の行政措置でこの係数変更について考えようと言われるのか、どんな方法でそれをおやりになるのか。これは一遍折衝されて予算がきまつてしまいますと、政令も出るとしますと、ここにはゆとりがないのです。以下とか以上とかというゆとりがないのです。あなた方恐らくこれが通ると、政令にこう書いてあるから、二百九十九人以下は一・五だとおつしやるにきまつているのです。又そうしなければ困るでしよう。ですからこういうゆとりのないものであつては困るから、案をお作りになつている過程において、変更すべきものがあれば今から変更してもらわなければ困る。従つてその点も大蔵省折衝において十分反映させなければ困るということを言つているので、どんな方法でどうされるのか、もう一遍はつきり言つて下さい。
  21. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 実はお話のございましたように、行政措置でまあやつたらどうかという意向もあるのでございます。併しながら我々といたしまして、前回のこちらの御希望もありますし、又我々もさように考えておりますのでこれは是非、更に細かく割りまして補正係数をきめてもらうということを話合つております。そういうことで今後行きたいと考えております。
  22. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) この問題はこの前の委員会新谷君から出て、それから私からも大臣なりあなたに特に要望して、大臣もあなたも再検討すると言われた。今新谷委員質問に対して一・五で大蔵省折衝されたのか、どうして新谷委員質問委員会要望があつたのに、今日出して来るプリントに、一・五を一・七に変えて来なかつたか。一・七で大蔵省折衝されなかつたのですか、どうもその点不明確だ、明確にして下さい。
  23. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 前回お話もございますので、そういうことで話合つております。ただここではそれを直さなかつた。と申しますのは、まだ交渉過程でございますので、一応前回の案をそのまま出したわけでございまして、我々の只今つておりますることは先ほど申上げましたような更にこれを細分する方向に向つて話合つております。
  24. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) いかんです、しつかりやつて下さい。
  25. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 先刻局長からのお話によりますというと、今回出されました私立学校国立学校には大学がないから、それで私立学校のほうにも出ておらん、併しこれは大いに今後交渉して、必ず出すというお話でございますが、実は前回の出されました資料のときには、私立学校に対する大学の或いは一坪幾らというようなふうの案も出ておつたのですが、これは一つできるだけ早くお出し願つて示しを願いたい。そうすれば、又我々もそれに対していろいろとお伺いすることもできますからして、是非とも急いで一つつて、見せて頂きたいと思います。  それから、なお、ついでにお伺いいたしますが、以前からこの会合のあります場合に、私立学校に対しては二分の一の補助、二分の一は融資、その融資私学振興会のほうから出す、私学振興会に対しましては今年度は十五億のあれが出ておりますが、できるならば、あの十五億というのは多数の私学がみんな希望しておるのだからして、何とかしてそれだけは別枠でやつて頂きたいというようなふうのお願いをしておつたことがあるのですが、あれはどういうふうなことになつておりますでしようか。
  26. 近藤直人

    説明員近藤直人君) お答え申上げます。先ず前段の私学に対する基準がまだはつきりしておりませんことにつきましては、只今お話申上げましたように、目下大蔵省話合中でございますので、不日決定を見ることと思つております。なお現地査定につきましては、最近係官が帰つて参りましたので、早急にまとめましてきめたい、かように考えております。  それから融資の点でございますが、前回大臣からも御説明がたしかあつたと思いますが、この本年度分私学振興会政府出資十五億のうちからこの災害関係融資するということはいたしません。これはお話通り、全私学が待望しております貸付金でございますので、これにつきましては我々は手を触れなかつたつもりでございます。然らばどういたしますかと申しますると、それは昨年政府出資いたしました三億九千万円、これは短期融資でございますので、この十月か十一月に全部還つて参りますので、或いは全部還りまするか、一部でございまするか、一応形式的には全部還つて来る予定なつておりますので、そのうちから取りあえず一億……、私立学校補助額のうち八千五百万円をこの分から出しまして一応急場を凌ぐつもりでおります。而してその急場を凌ぎましても、それはどこまでも短期融資でございますので、これは短期融資短期融資としての又使命がございますので、この八千五百万円につきましては、これは昭和二十九年の私学振興会に対する政府出資を予算要求いたします際に併せて要求いたしまして、短期融資から借りた分はこれを返済する、そういうような考え方を持つております。繰返して申上げますが、十五億の分からは出すつもりはございません。
  27. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 重ねてお伺いいたしますが、その融資はそうしますというと、一カ年の融資でございますが、これまで聞いておりましたのは、先ず今回の災害に対するのは少くとも長期で而も以前にそういうようなふうの例もあるのだから、五カ年くらいの据置で三十年間の償還期限になるというようなふうに聞いておつたのですが、今のとどうも食い違いが起りますが、そこをもう一度……。
  28. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 私も前回申上げました通り二分の一政府補助のほかに残り融資するという場合の条件といたしましては、これは前に戦災貸付金或いは経営費貸付金がございましたときと同様に、少くとも五カ年据置の三十年賦ということで行きたいと申上げました。又大臣からもさようなお答えがあつたと思いますが、只今もそういうように考えております。ただ八千五百万円は短期融資の枠から出すものでありますので、取りあえずは一カ年の短期融資という形にしておきまして、二十九年度の振興会に対する政府出資がきまりましたときにそれを切替えるということも一つ方法でございますので、そういう方法で参りまするか、或いは短期融資の分からそのまますぐ、これを先ほど申上げました長期条件ですぐ様貸すようにいたしまするか、その点につきましてはまだはつきり決定いたしておりません。いずれにいたしましても融資条件といたしましては、やはり長期での年賦でいたさねばならないというように考えております。
  29. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 もう一点重ねてお伺いいたしますが、只今お話によりますというと、八千五百万円というのが大体きまつておれば、そうすればその二分の一を八千五百万円といたしますというと一億七千万円というようなふうに、私立のほうの、これは査定でございますから或いはおきめになつたのですか、それだけで必ず行くという予定なつておるのですか。その辺を一つ……。
  30. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 私立学校被害額報告がございまして、それを更に現地係官が参りまして査定をして参つたわけでございます。それらの報告が全部まとまりませんと、はつきりした数字は申上げられませんが、一応私学側の御報告基礎にいたしましてきめたのが先ほど申上げました一億七千万円でございますので、或いはその金が多少変動があるかと思いますが、大体そんな線ではないかと思います。
  31. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 文部省に対する質疑はこれを以て終了して異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) では最後厚生省関係のほうを聴取いたします。  説明員のかたに申上げますが、現在政令の作成中と存じますが、先般本委員会に出された政令案と現在考えておるものと変つたかどうかと、それから又本委員会が決議して要望してありますが、そのどこを取入れ、どこは取入れられない状況にあるか、そういう角度から御説明願いたいと思うのであります。
  33. 安田巖

    説明員安田巖君) 社会局関係地域指定政令案について申上げますが、との前出しましたのと別段変つておりません。ただ災害救助に関する特別措置法施行令のほうで施設又は設備指定というのがございますが、この内容につきましては、まだいろいろ議論がございまして、大蔵省と今折衝しておる段階でございます。この案によりますというと、参議院、衆議院の御希望なつておるような基準にはなつておると思います。
  34. 楠本正康

    説明員楠本正康君) 伝染病予防関係簡易水道関係及び清掃施設関係につきまして政令の概要を御説明申上げます。  伝染病予防関係におきましては、実際に経費を例年以上に支出いたしましたところを選びまして、勿論こちらでお示しを頂きました先般の基準従つて出したわけでございます。その結果、お手許に差上げました資料にございますように、七県を該当として選んだわけでございます。なお、市町村合計約二千町村に上ります関係で、未だ組部市町村決定はいたしておりません。  次に簡易水道の新設及び復旧関係につきましては、現にかような法律趣旨に基きます被害のあつたものを、お示しを頂きました基準範囲内において選びましたところ、お手許に差上げました案にございますように、長野県、和歌山県、或いは奈良県等を含めた大県と相成つております。  次に清掃関係におきましては、これ又実際に被害のあつたところを基準範囲から抽出いたしました結果、お手許に差上げてありますように、合計八県が該当いたしております。  それからなお簡易水道関係におきましては、これは法律関係府県指定だけで済むことになつておりまして、市町村指定は必要がございませんので、府県関係だけで済ます見込みでございます。  それからなおこれらの政令の案につきましては、未だ大蔵省最後的な協議を終つておりませんので、一応厚生省の案としてお聞き取り願いたいと存じます。
  35. 竹下精紀

    説明員(竹下精紀君) 私どもの関係におきましては、母子福祉資金の貸付に関する特別措置法でありますが、それに関しまして皆様御承知のように、政令につきましてまだ成案を得ておりませんので差上げていない状況であります。  これにつきまして前回松岡先生より第三条の実際の運営の問題につきまして、当該県が被害を受けた地域の母子世帯に対しての貸付だけを考慮したらどうかというような有益な御示唆がございましたのでございますが、私どものほうで法制局のほうにこの点解釈の問題として如何なものであるかということを照会いたしたわけでございます。法制局のほうで検討して頂きました結果、この第三条の条文においては、それだけの分を当該県が特別会計に繰入れる金額ということでは読めないと、まあこういうような解釈でございまして、この問題につきまして更に現在検討を重ねておる現状でございます。
  36. 菅野周光

    説明員(菅野周光君) 国民健康保険の関係につきましては、すでにお届けいたしまして御研究も頂いております政令案と現在までのところ変更はございません。
  37. 内藤誠夫

    説明員(内藤誠夫君) 病院及び診療所につきます政令につきましても、かねてお配りいたしました政令案基礎といたしまして、只今大蔵省や中小企業庁と相談中でございます。
  38. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 質疑のあるかたは願います。
  39. 松岡平市

    ○松岡平市君 昨日大蔵省の主計局長との質疑応答で明らかになつたことでありますが、只今すでにもう数日中に、大蔵大臣の言うところによると、もう本月末までには補正予算を数字の上で組むという事態になつておるわけですが、その際に昨日主計局長答弁によるというと、例えば母子福祉資金の新立法によるために要する予算とか、或いは簡易水道を新設する予算とかというようなものは全然数字の上に加えていない、こういうお話でありました。それは一つにはまだそういう性質のものについて各省からのはつきりした予算の請求がないということも理由だ、こういうことで、これは私昨日非常に意外だと思つて、特にそういうものを今日計数の上に入れていないということは不都合だということで、主計局長に速かにそういう態度を改めるようにということは要望しておきましたが、厚生省におきましてはそういうふうな物的復旧費というもの以外の母子福祉資金の予算関係、或いは簡易水道新設の予算関係というようなものの交渉大蔵省とどういう言うにしておられるのか、この機会に明らかにしておいて頂きたい。
  40. 楠本正康

    説明員楠本正康君) お答えを申上げます。只今指摘のような経費につきましては、すでに大蔵省事務的に折衝もいたし、又伝えてもございます。但し強いて厳格なことを申しますれば、一応厚生省といたしまして省議を開きまして、その結果若干の査定なりを加えて、そうして最後段階大蔵省に正式に資料を出すということに相成るわけであります。この関係につきましては、政令が今まで決定いたしておりません関係で、未ださような措置はとつておらないのではなかろうか、かように考えております。
  41. 松岡平市

    ○松岡平市君 政令が確実にきまらんために予算が確定せぬ、これは尤もなことであります。なおあとお話しいたしますが、特に母子福祉資金の予算のごときについては大変困難な事情にあることも承知しておりますけれども、少くともここで大蔵大臣がこの災害復旧のために必要なる経費ということで読み上げた一千七百八十何億という数字の中には全然こういうものは入つておらないという事実を一方に考えられて、そうして一方に国の補正予算を組む財源が非常に窮屈であるということを繰返し大蔵当局は言つておる。それからすでにいろいろな質疑応答で明らかになつたのですが、大蔵省は各省に向つてすでにきまつておる本年度予算の節約を命じておる、或いは事業の切替等も要望しておる、こういうことでありますというと、これらの予算は総額において非常に多額でない。簡易水道のごときもだんだん拡つては参りますけれども、幾ら拡がつても国の支出するものは十五億か二十億にとどまる程度のものではないかと思われるし、母子福祉資金の額においてもこれはもう一遍あとで明らかにしますけれども、従来の厚生省のやり方から見れば、何十億という金にならない。そうするというと、こういうようなものは厚生省のすでに配賦された予算をやりくりして片付けろというようなふうに大蔵省に扱われる危険が非常に濃厚になつて来ますが、私たちはこういうものは若し厚生省のすでに配賦された予算において十分災害地の要望に応え得るだけの措置を講じて頂けば、かれこれ申上げる必要はないのでありまするけれども、予算の実情から見てそれらは甚だ困難なのではないかとも考えられる。そうすればこういうふうな割に目立たない、即ち災害として土木だとか、或いは農地だとかいうような非常に目立つた災害でなくて、而も実際において母子福祉資金の僅かな助力といいますか、災害罹災者に対する助力、簡易水道というような現在飲料水に困つておるものを何とかしてやらなければならんというようなことは非常に部分的であります。そういうようなものについて十分なる施設が行われないという非常に大きなものにかくれてしまうという危険があるのです。厚生省としてはこういうものについては特段に努力をして頂いて、十分大蔵当局と御折衝願いたい。我々委員会といたしましてもこういうものを特に二十七の立法のうちに取上げて立法いたしたゆえんのものをよくお考えを願つて、こういうものが簡略に取扱われないように、而して最後において予算がほんの申訳的に出るというようなことのないように、事務当局としてはもう少し月末までには補正予算が組まれるのでありますから、十分なる御努力をお願いしたいと思うのでありまするが、事務当局といたしましてこれらのものについては十分なる予算を獲得し得る余地があるかどうか。そういう見込を持つておられるか。今言うように政令基準さえきまれば、それはいいとして、取り得るという御自信があるかどうか、もう一遍お聞きしたい。
  42. 楠本正康

    説明員楠本正康君) 簡易水道の予算につきましては、現実が未だに給水車等を動員して水を飲んでおるというような極めて切迫した事情でもあり、又極めて要望の多い点でもあります。従いまして私どもといたしましては飽くまで努力をいたします決心でございます。従つてどの程度かはつきりいたしませんが、或る程度仕事ができますだけの予算は必ず獲得できるものと確信をいたしております。
  43. 松岡平市

    ○松岡平市君 部長にもう一つお尋ねしておきますが、屠殺場というもの、これは実は私が一番初め小委員長として立法の一番初めの案を作つたのでありますが、公衆衛生に関する法律の中に塵芥処理場だとか、或いは火葬場というものは入れておきましたが、屠殺場というものが入つておらないが、これに対してはどういう——、その災害はこの法律の準用を受ける府県も殖えて来るようになつて参りますが、厚生省の調査によつて屠殺場というものの復旧について何ら措置がない、どこからも方法がないような状況だと思うのでありますが、その状況を一応お話置き願いたい。
  44. 楠本正康

    説明員楠本正康君) お答え申上げます。只今松岡先生の御指摘のように屠殺場につきましては何等特例の関係がございません。併しながら実際にはその後かなりの被害が出て参つておりまして、現在すでに約八十カ所が被害を受けております。従つてこれを今更特例で処置することもできません。どうしたものかと非常に苦慮をいたしておりますが、できましたら私どもはこの法律に基かない予算措置だけでこの復興を考えたい、かように考えまして現在すでにさような趣旨で予算要求だけは大蔵省に書類で説明をしてございます。なおどうしてもこれもいかんというならば、止むを得ませんから、起債その他の財源措置でも止むを得ないのじやないかと思つておりますが、今のところは只今申上げますように約八十カ所の屠殺場につきましては、これは予算措置によつて処理いたしたい、かような所存で進んでおります。
  45. 松岡平市

    ○松岡平市君 立法措置に基かず予算措置で是非処理して頂きたいと思うのでありますが、こういうものはやはりいろいろな公衆衛生の観点からいたしましても、放つておくわけにはいかない性質のものであると思います。強く一つ事務当局においても予算措置において処理することをして頂きたい。もう一つそれがどうしても困難だというような事態であれば、これは他の火葬場とか、或いは塵芥処理場というようなものとの均衡上からもこれは放つておくわけにはいかん、かように考えます。そういうものの予算措置の大蔵省との交渉関係については、交渉過程においてその状況を当委員会報告せられんことを希望いたしておきます。  なお母子福祉資金のことについて特に先ほど私の名前を挙げてお話がありましたが、私は法律上の解釈といたしましては先ほどおつしやつた通りであると思うのであります。併し私が申上げていることは、現在の母子福祉資金の貸付においても主厚生省は各府県の組み得る予算の額というものをきめておられる、内示しておられるのじやないか、或る県は二千万円、或る県は一千十万円、細かな数字に至るまでなんらかの基準によつて示しておられる。それより以上のものは府県において特にそういう基金の会計を設定してもそれは認めない、こういうことをしておられる現実に……。従つてこの特例法においてもこれと同じような方法を講じられて、そうしてそれをどこにどう使うかは府県に委されたらよろしい、その特例法に関する限りにおいてもこれは被害状況は厚生省として十分明らかにすることができるわけでありますから、それで例えば奈良県なら奈良県はこれだけの予算を組め、これは丁度今の特例法でない法律でやつておられることを特例法において行政的に府県にやらせればいいのではないか、こういうことを私は申上げている。それでそれは今までのものも府県が組むだけのものは何千万でも組んでいいということではないのだから、特例法においても私はそういう制度でやられたらよろしい、こう申上げているわけであります。それがどうしてもできないという理由があれば、明らかにして頂きたいと思います。
  46. 竹下精紀

    説明員(竹下精紀君) お答えいたします。厚生省で今度の母子福祉の貸付金がきまりまして内示をいたしておりますが、これは私どもが一存できめたものでございませんで、やはり県のほうとも相談をいたしまして、県で大体これくらい組めるというところを抑えまして、内示したわけでございます。そういつた行政指導はいたしているわけでございますが、従いましてこのような災害のような場合に、それがどれだけ殖えるかということにつきましては、私どもといたしましても現在ちよつと予定がつかないような状況でございます。このできないと申します理由といたしましては、行政指導としましてはできると思うのでありますが、県のほうからこの法律を楯にとりまして、ここに法律に書いてあるじやないかということで来られました場合に、断わる理由が出て来ない、こういうことを心配いたしておるわけでございます。
  47. 松岡平市

    ○松岡平市君 いやそれを行政指導されて……、非常に不適当な行政指導をされればともかくですが、適当なる行政指導をされて、それに県が応じないという事態であれば、そういう県は指定されなければよろしい。県を指定するしないということは、政令指定ができるわけでありますから、事務的に実際にあなたがたが熱心にこの法律趣旨を生かそうとするならば、今までのうちにそれぞれの災害県はわかつているはずでありますから、それぞれの災害状況に応じてどこそこの県はこの限度までは必要だと思うし、この新法のためにこの程度のことは組んでもいいと思うかということをされて、それに応じないで、そうして非常に適当に、こういう法律を実際の災害の起らんところでまあ便乗して使おうというふうな県に対しては、県を指定しなければ事は済むのです。これを指定されるということで余り行政指導の内容まで立法府に伺つて説明されることは困難であろうと思うけれども、これは私は実際的においてあなたがたが今日までそういう困難があるからというので、政令基準をきめることを逡巡せられることは、いささか……私は成るほど立法の上においても相当な欠陥といいますか、不十分な点があるけれども、その分は趣旨を参酌して下すつて、私は必ずしもできないことではない、かように思うのでありますが、そういうことはできないものでしようか。
  48. 竹下精紀

    説明員(竹下精紀君) こういつた特例が従来までにございませんものですから、私どもといたしましてもできるだけ慎重に取計らいたい、かような気持でいるわけでございますが、御趣旨はよくわかつておりますので、更にもう少し検討さして頂きたいと思います。
  49. 松岡平市

    ○松岡平市君 いや、その問題はどの県を指定するか……、県だけです。これは基準を与えておりますが、大体両院で二十四の法律を適用すべき地域の大体の基準はもう明らかにしております。そうするとあなたのほうで御覧になつて、これに該当する府県というもの、災害府県の中でもう大幅に見ても小幅に見てもわかつておられると思うのです。そうすればその府県に向つて、あなたのほうでこの母子福祉資金の貸付に関する特例法を適用するならば、この限度までの資金を認めるが、これでよろしいかということは、災害状況ももうすでにこれからきまるのではなくて、もうきまつているのです。これをあなたのほうで行政的に、行政指導としておやりになることが、今までの間に十分できたと思う。それをやられたかどうか。全然そういうことをやらずに、ただ法律を前に置いて困つたつたと言つておられるのか。そういうことをやつて見たけれども、なお且つどうも立法が十分でないためにそれは困難であるとおつしやるのか、もう我々はこういう特例法をいつまでも棚ざらしにして置きたくない。一般の政令について、もう数日中にはその政令案を出揃うという際に、立法上いろいろ矛盾がある。矛盾じやない、実際上起る場合に工合が悪いのだという御説明で、我々は大変悩んでおるわけですが、行かなければ、我々は我々として、よしんばそれは多少の不都合が生じても止むを得ないと思う。私たちはここであなたがたがその政令をどこにするかということについて、委員会としての態度を今日にもきめたいと思うのでありますが、今までそういう交渉を各災害府県にされた事実があるかどうか。されてもなお且つ困難であるという御見解であるかどうか。もう一遍御説明を承わりたい。
  50. 竹下精紀

    説明員(竹下精紀君) お尋ねの点につきましては、この問題につきまして、特に各県に当りまして相談はいたしておりません。それから第二の点につきましては、この政令が出ました際には、算定の基礎といたしまして、やはりここに書いてございますように、金額のまあ三倍ということを一応繰入れることで仕事を始める関係がございますので、やはり政令に当該県を先にきめるということのほうが先決問題じやないかと、かように考えておるわけであります。
  51. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  52. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して下さい。
  53. 松岡平市

    ○松岡平市君 それではこれは政令が今のままであれば、少くとも母子福祉資金の貸付等に関する特別法については、一応今のままではすぐに出せないという事態でありますが、私はまだ各関係府県等とも打合わしておられないというような事態のままで、困つたと言つておられることについては、承服しがたいものがありますが、これは別に事務当局とお話を私個人として先ずいたして、そうしてその結論を委員会において明かにすることにいたしたいと思います。時間の都合がありますから、一応質問はその程度で打切ります。
  54. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 松岡委員質疑と重複するようですから、それは避けますが、一点だけ聞きたいのですが、環境衛生部長に聞きたいのは、今日において六月、七月の災害地で、飲料水が得られないで、町村で給水しておる所がたくさんある。これはもうその井戸はなくなつてしまつておりますし、河水なんかも水系が変つてしまつて飲料水がない。これはどう考えても簡易水道ですね、これを作つてやる以外に方法はないのです。ところが今松岡委員質問に対してお答えになつたことを聞いておりますと、簡易水道の特例法による予算要求をすでにしておられるのかおられないのか、この点非常にはつきりしない。若ししておられるとすれば何ヵ町村ぐらいを対象にしてどのくらいの金額を要求しておられるのか、これは大蔵大臣に対する私の質疑関連するので、それを明らかにして頂きたい。
  55. 楠本正康

    説明員楠本正康君) 現在まで大蔵省に連絡をしてございます簡易水道の新設に関しましては、百九十一カ所、金額にして十九億八千万円、その二分の一補助を要求いたしております。従つて要求金額は約十億と御承知願います。なお第一点の御指摘通りすでに数カ月間経過いたしましてなお且つ何らかの対策も立てられず、而も被害地におきましては依然として十町も二十町も給水車のあるところまで水を運びに行つているような状況が各地に見られております。この点は全く何とも私申し訳ないと思いまして、一日も早くこの問題を解決いたしたいと考えておりますが、場合によつたらもうどうでも結局やらなきやならん仕事は何でもすぐ手を付けてくれとまあ言いたいところだと思うのでございますが、どうもその点は誠に事務不行届でございまして申し訳ないと感じております。
  56. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今お話の中で大蔵省に連絡ということをおつしやいましたね。連絡というのは予算要求じやないのですか。予算要求じやなくて、ただ何か口頭か書面でこういつたものをお願いしますよということを言われたのか。正式に予算要求書は出してないのですか。
  57. 楠本正康

    説明員楠本正康君) これは単に簡易水道の予算に限らず、一応すべて事務的に予算内容を書きまして金額を書きましてその必要な理由を書きまして大蔵省説明もしてございますし、書いたもので渡してございます。向うからも質問を受けております。併しながら強いて正式と申しますかのことを申しますと、これは何も簡易水道に限らず、すべての災害の予算が一括して厚生省の省議で決定をいたしまして大蔵省に持込むのが正式と言えば正式でございます。形式的になるわけであります。その措置は未だとつてございませんが、恐らく二、三日中にその措置がとられることと存じます。併しながらこれは何も簡易水道に限らず、すべての予算に共通したことであります。従つて私どもといたしましては連絡と申しました意味は、当然大蔵省質問もし又こちらの書いたもので渡してあるのでございます。従つて予算はかようになつておるということを要求しておる意味と解釈いたしております。
  58. 松岡平市

    ○松岡平市君 ちよつと関連して……そうすると、それを省議で決定しないのは政令がきまらんから予算として出せないという意味でございますか。
  59. 楠本正康

    説明員楠本正康君) お答えいたします。只今お答え申上げましたように、省議におきまして政令決定し、予算の額も決定いたしましてそうして初めて正式と言えばまあ正式、形式的な正式な書類になつ大蔵省へ行くわけであります。併しその内容は勿論違うというようなものでもございませんし、従つて従来予算要求の例、特に補正予算の要求の例というようなものはかような仕方になつておりますので、さようなことに準じてこの仕事を進めておるわけでございます。
  60. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) これを以て厚生省に関係する政令に関する質疑を一応終ります。  速記をとめて下さい。    〔速記中止
  61. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記起して下さい。  暫定休憩いたします。    午後一時四十七分休憩   —————————————    午後三時三十分開会
  62. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) これより委員会を再開いたします。  先刻全員協議会でまとまりました点を、改めてお諮り申上げたいと思います。即ち本委員会は、明十日並びに来週月曜の十二日を一応委員会の開会日と予定する、その後における委員会は二十一日午前十時開会すること、次に台風十三号で災害を受けた被害府県に、災害見舞並びに調査を行うために議員派遣をすることを要求する。そのいずれの府県にどなたが派遣されるかという原案は理事会で作成し、明日全員協議会に諮つて正式要求を議長に対してなす。  以上の二点、改めて御確認願いたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) さよう決定いたします。  暫時休憩いたします。    午後三時三十二分休憩   —————————————    午後四時三十五分開会
  64. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から委員会を開会いたします。  懇談会に入ります。速記をとめて下さい。    〔速記中止
  65. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して下さい。  午前中、農林並びに建設関係政令に関する説明を政府側の説明員から聴取し、なお、委員各位から質疑を展開したわけでございますが、その結果、明確になりました土地改良区の問題、小災害の問題、それから山口県地区指定の問題等、曾つて委員会で決議しました基準と、可なり違う見解を政府側が持つているようであることが、明確になつた次第でございますが、これらの問題については、当初本委員会が決議した基準の線に沿つて、当委員会の意思決定を尊重して、最終的に政令が出されるように、今後も本委員会挙げて、その目的達成のために政府側に再考慮を促すということを、改めて確認いたしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) さよう決定いたします。  次に先刻懇談会でまとまつたことでございますが、明日の午前十時からの委員会は、成規の手続を以ちまして衆議院水害地緊急対策委員会と連合打合会を開くべく、衆議院側に申入れたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでございますから、さよう決定いたします。  次に昨日から予定しておつたことは、本日午後緒方副総理、小笠原大蔵大臣、保利農林大臣、戸塚建設大臣等の出席を要請いたしまして、最終段階にある政令並びにそれに伴う予算関係について、本委員会質疑を展開いたしたい、こういうように予定しておつたわけでございますが、未だに関係大臣の出席を得ないことは、委員長として誠に遺憾に存じます。委員各位を長くお待たせいたして、誠に恐縮に存ずる次第でございますが、事務当局にその出席方を強く要請させましたので、その経過を一応皆様方に事務当局から報告させまして、それに基いて、本日のこれからの委員会を如何ように取運ぶかということをお諮り申上げたいと存じます。  ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  68. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して下さい。  先刻休憩中に事務当局から報告のあつた通りでございます。各委員の御意見もあるようでございまするから、それに基いて決定いたしたいと思いますが、ただ委員長としては誠に遺憾千万に存じます。ということは、昨日両大臣が、本席を退席する場合に、本日のことを約束しておつたわけでございます。にもかかわらず、緒方副総理が四時四十五分になつて、初めて五時半に出席することができるというようなことがわかつた次第であり、なお大蔵大臣は腹痛を起したとの連絡であります。なお、保利農林大臣は本夕から東北の冷害地視察に出張される。従つて明日の委員会にも保利農林大臣は本委員会に出席できません。又本委員会としては農林関係の問題が山積いたしておりまするので、暫くの間でよろしいから、本委員会に出席してほしいという要請に対しまして、未だに出席がないということ、更に災害予算に最も関係の深いところの戸塚建設大臣も関西のほうへ出張中で、この段階なつて本委員会に出席を得ないということは、委員長としては誠に遺憾に存じます。先ほどの決定に基いて明日衆議院水害地緊急対策委員会と連合打合会ができるよう、早急に連絡をとりまするが、その連合打合会には各大臣が必ず出席するよう、極力本日中に要請しておきたいと存じます。  本日はこれを以て……。
  69. 松岡平市

    ○松岡平市君 私は昨日から農林省に対して、二号台風についてのちよつと簡単なことですが質問をしたいと言つて、午前中もあとでということであつたのですが、明日打合会ですか、その後にそういう機会を作つて頂けましようか、今農林省は官房長、或いは総務課長がおられるようですが、お差支えなければ、遅くなりましたけれども、この機会に、簡単なことですから質問さして頂ければ幸いだと思います。
  70. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 松岡委員の御要望もありますので、暫時質疑を継続いたします。
  71. 松岡平市

    ○松岡平市君 農林省の官房長にお伺いいたします。  二号台風の被害についてはすでに概算七億八千九百万円でしたか、そういう予算措置を講じておられて、被害地区の被害者は勿論、事務当局も大変感謝しておることを聞いております。が、ただ一つ、昨日も当委員会における陳情等においても明らかになつて、是非とれに関連して、農林省当局の考慮を促したい事案があります。と申しますのは、新らしく開拓地に入植した者の二号台風の場合における主として麦の被害について、一般の農家であれば、農業共済組合の共済保険金を支給しておる。ところが昨日ここの委員会でも、陳情者と質疑を重ねて明らかになりましたが、開拓者はいろいろな事情から農業共済の組合に加入することが今日の段階においては困難である。加入しておらなかつたということのために、何ら麦の被害について共済組合の保険金等による保護、補償を受けることができなかつた。言うまでもなく、開拓者は或いは海外からの引揚者であり、或いは失業者であるというような人々が主であります。国の食糧増産の要請に応えて、非露に困難な従来耕地として不適当であるとさえ考えられて放擲されておつたような場所に入つて営々として苦労をして、開拓に或るものは三年或るものは五年かかつて、漸く僅かな麦でもとることができたという状況にあつて、あの二号台風の災害に遭遇したので、経済上の余裕等が十分でないことは明らかであります。これに対して保護する、補助をするというような法的措置も講じてありませんが、私はこの開拓者の現在の状況、それから共済組合に加入できないという事情、而も被害を受けて、入つておる一般の農業者は相当な共済の保険金をもらつて、これらの人々は全然もらつていないということであれば、これは農林省事務当局としても、農林省として、こういう人々に対しては予算的に何らかの措置は当然お講じ下さるものと、我々は考えるのでありまするが、何らかの法律的措置をせざる限りは、予算的措置において、そういう場合に、七億八千九百何十万円かのあのときの予算措置の中なり、或いは外なりにおいて、全然措置ができないものかどうか、或いは何らかの措置ができるが、まだその措置は決定しておらんということなのか、今回の台風の場合には、米の被害等に対しても同じ事案が生ずるものが相当数あるようであります。農林省もこれら開拓者に対する、こういう場合に対する基本的な態度というものを一つ明らかにして頂きたい。
  72. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 開拓地の対策につきましては、お話通り農業共済法の適用がないのでありまして、予算を組むときにもいろいろ検討を加えたのでありますが、共済金に代る麦の損失をそのまま出すという意見もありましたけれどもいろいろ議論が出て、結局融資の利子補給を一部持ちまして五分五厘で貸すことにした、それから麦の種子代の補助を、普通の既墾地では二分の一の補助でありますが、補助率を全額にする、又菜種の共同育苗法についても普通は二分の一の補助は全額にやる、こういうふうにしたのであります。これで十分とは申せませんが、私のほうでも、開拓地の者については、できるだけのことをしたいというふうに考えておるのであります。  なお西日本の水害の場合には、地施設災害復旧の特例に関する法律の改正案で、開拓者の共同利用施設、農舎、畜舎等については九割を補助することになつているが、現在の段階では、入植の場合の補助金が相当行つておりますので、現在のところ、この程度で我慢して頂きたい、こういう矛うに考えるのであります。
  73. 松岡平市

    ○松岡平市君 幸い農林大臣もお出でになつたのでありますが、只今官房長のお話では、一通はやろうかというような話もあつたが、いろいろ議論の末、ほかのもので間に合した。現在のところではというお話ですが、これは実に気の毒なことだと思うのです。私は極く部分的に調べたのでありますが、岡山県の児島湾の干拓地、ここだけ見まして、干拓地の被害というものに対して、若し農林省査定して、被害に対して共済保険金をするといえば、約一千万円、これだけで一千万円あれば済むわけであります。八百二十町歩について、麦の被害が八割あるという計算をして見ても、一千万円あれば済むわけであります。今お話でありますけれども、利子補給、営農資金やなんかの利子補給でありましようが、これは微々たるものであり、差当り今困つているということを救済する方法には、大変ほど遠いようであります。なにか種子代といつて反当り六十円か幾らかの補助があつたようでありますが、これらは一般の農業者と別に差別がなかつた。私の調べた限りにおいては、非常に困つているということでありますが、今までの交渉で、省内においても何とか保険金に見返るだけのものを出そうじやないかというようなお話もあつたと、今官房長も言つておられるのですが、全体にいたしましても、そう大した金額にはならんと思うのです。もう全く困つている開拓者だ、ようやく麦も幾らかはとれるようになつた、その麦を二号台風でやられた。これは直ちに同じような問題は、今度の水害或いは十三号台風の場合の、米についても起るわけであります。これは如何でございましようか、何とか政治的に、金額というようなことは必要なかろうと思う、そういうことは予算の関係でも困難であろうと思うのでありますが、なにがしかはこういう特別な気の毒な開拓者を救うという意味で、共済保険金が行われていないのだから、何らかの方法を講じてやるという御意思は全然おありにならんものでしようか、重ねてお伺いします。
  74. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 開拓地のその問題については、内部において事務的には、共済制度に準ずるようなことをやつたらどうかというようなことも研究はしております。併し何を申しましても、開拓者が、熟田にならなければ作が非常にむずかしく、安定しませんので、そういつた生産物について全額に近い程度を組んで見るということは、いい制度がまだ思いつかないのであります。併しこれは放つておけませんので、更に検討を重ねて行きたいというのが、現在の段階であります。
  75. 松岡平市

    ○松岡平市君 どうでしよう、農林大臣。その開拓者の共済保険金がもらえないという部分について、それに代つて多少でも……。非勝に気の毒な関係にあるようで、昨日もここで泣いて代表者が陳情いたしましたが、何か政治的な措置で、予算措置で、多少でも一つ農林省当局として、これらの人々に親心を示して頂くという方法はないものでございましようか。
  76. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) こういう災害の場合に、従来の農家におかれても非常な困難を感ぜられるわけですから、いわんや開拓早々の開拓地の農業者の御苦労は、これはもう察するに余りあるわけでございます。ただこの農業共済の関係からは、官房長が縷々申上げますように、従つて又公平理念からいいましても、共済に加入しておられる人と、従つてその負担を負つて共済をやつておられる人と同じようにということは、これは建前は無論農業共済の面、共済制度の面からは、勿論無理であろうということは、これはおわかりのことであろうと思います。そこで開拓地の今後の健全な農家経営ということは、食糧事情に貢献して頂く上におきましても、極めて等閑に付せられないことでございますから、こういう際に、再生産ができるように、再生産が困難にならないようにということは、別途の角度からできるだけの措置を講じなければならないことは、申すまでもないわけです。只今まで取り来たりました処置が不十分だというお感じは、確かにあろうかと存じます。そうでないところに農業共済の保険金が行く、そういう経営の脆弱な開拓農に、却つてそういう制度が行われていないということには、非常な矛盾を感ずるわけでございますけれども、併しそれだけに又角度を別にして、この開拓地の再生産を確保して参りまするためには、これは不十分だと言われれば、それまででございますけれども、そういう角度から、今日までの対策を講じて来たわけでございます。ここらの事情もよくおわかりのことでございますから、とれで今後もできるだけ、私どものほうとしては、対策を講じて参りたいと存じます。そういうふうに御了解を願いたい。
  77. 永岡光治

    ○永岡光治君 農林大臣質問したいのですが、実は十三号台風が起りまして、つなぎ融資もそれで出されてありますが、勿論これらにはまだ不十分な問題がたくさんあつて、今後もつなぎ資金を出す話も聞いておりますが、問題はこれによつて、西日本水害に対するつなぎ融資とか、そういうものが非常に薄れて来るような印象を強くするわけでありまして、最近殆んど出ていないような実績だと、私は見るのでありますが、そこでそういう関係もありまして、西日本水害地は非常に困難を来たしております。特に麦播期を控えまして、営農資金の不足で非常に困つておるのですが、農林省としてこの営農資金を至急に出すような、何らかの措置を講じておられるかどうか。
  78. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 営農資金の用意は十分あるわけであります。ただこれは何と申しますか、その単位協同組合の活動の問題がありますので、組合の理事者或いは組合の町村当局等の熱心さによつて、金の流れ方が遅いようであります。それから西日本等の例を見ますと、この七、八月の福岡等の協同組合の貯金はうんと殖えておるわけなんです。前月よりは、前月よりはと殖えて来ておるわけであります。従つてこの現象は私のほうで理解するところでは、つまり被害地と非被害地、被害を軽度にこうむつたところの差額は出ておる。それから又農家の階層別の、比較的経営規模の大きいところは、まあ水害を好機に農産物が値上りして儲けておる。経営規模で農産物の売るものが少いのは困つておると、こういうことでないかと推定を下しまして、その手当をするためには、部落の連帯とか、もう少し協同組合の活動を活発にして、本当に金の欲しい小規模農家のほうに金が流れるようにやらなければいかんのじやないだろうかというので、協同組合系統機関を督励しておるのでございます。その後の被害の問題につきましても、私のほうとしましては、この間の凍霜害、二号台風及び六、七月の水害の営農資金の融通と同じようにやるから、金は心配なくある。そうして利子補給なり、その損失補償は、法律を改正するなり、新しく出して措置するから、遡つて適用することにするのだから、これは凍霜害以来、その通りつて来ておるわけですから、金がなくて再生産に支障を来たすことのないようにということは、府県を督励しておるのであります。従いまして、金が足りなくてというのは、今県或いは陳情者のかたが来られたときには、具体的にどこどこの組合で、どこどこの町村と言つて欲しい、そうすれば、こちらも具体的に手を打つから、それを抽象的に言われたのでは、手の打ちようがない、今はそういう状態にななておるのだ、こういうことを申上げておるわけであります。
  79. 永岡光治

    ○永岡光治君 それで、資金は用意してある、だから若しそういう事情があれば、いつでも出せる態勢にある、こういうことを確認いたしまして、更に質問を続けますが……。
  80. 松岡平市

    ○松岡平市君 委員長ちよつと議事進行について……。
  81. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと発言中ですから……。
  82. 永岡光治

    ○永岡光治君 実は先ほどから問題にされて、是非農林大臣の出席を求めて聞きたかつたのでありますが、実は参議院のほうで、今度の特別立法の適用地域の指定基準を決議いたしました。政府当局に申入れをしたのでありますが、その中で、いろいろ事務当局からの話を聞いて、いよいよ政令基準をきめる段階に、政府も来たやに思つておるのであります。又早急にやつてもらわなければなりませんが、その意味で問題になつ一つの案件は、それは土地改良区の問題です。これは御承知のように、町村区とは違つておりまして、何ヵ町村かに跨つて、而も全町村に必ずしも跨らない、その土地改良区というものがあるのでありまして、これは私から説明申上げるまでもないところであります。それに今度の被害です。用水路とか或いは排水路等の施設が大きな被害を受け、災害復旧をしなければなりませんので、そういうものはまあ町村とは別個に、土地改良区という一つの単位で指定したい、こういう関係から、参議院のほうでは、そうして又これは衆議院の了解も得た問題でありますが、災害復旧費の総額がその土地改良区の賦課金の総額を超えるような被害、それにはこの土地改良区を指定して、この特別立法を適用するのだ、こういう申入れをしておつたのでありますが、どうやらこれが農林省のほうではオミツトして、一応現段階では考えておる、而もそれは大体そのようなととは、私のほうの、参議院のほうの申入れによるところの第五号でありますか、第二項の第五号によつて解決できるというような趣旨説明されておつたのでありますが、必ずしもこれでも救えない性質のものじやないと思いますが、別個の問題として、これは当然考えられて然るべきだと思うのでありますが、どういうふうに措置されようとしておるのか、その点も先ず質問したいと思います。
  83. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 只今の第三項のやつは標準賦課金を超える場合、その標準賦課金はその年の標準賦課金と、こういうことになります。土地改良区の標準賦課金は大体多くて千二、三百円程度でありますので、これは一戸当り千二、三百円程度でありますので、その賦課金の性質も、維持費それから一部自己負担分の償却費からなつておると考えられます。従つてその標準賦課金より以上に復旧費がなるということで、法律適用の基準にすることについては、いろいろ検討しました結果、ほかの基準、例えば今御指摘のありました第五項ですね、農地の災害復旧費の総額を被害関係戸数で割つた一戸当り三万円を超える、その標準と相当の開きが出て来ますので、又一方用排水路施設等がやられた場合は、農地等もやられておる、従つてそれらを通算して一戸当りの被害金額を出したほうが、負担の公平を期する上から適当ではねいか、こういう考えから、農林省としましては、第五項の標準が法律適用の限界である、こういうふうに考えておつたのであります。
  84. 永岡光治

    ○永岡光治君 ところでこれは確かに第五項との関連はあるにいたしましても、考え方として、一戸当り三万円の害被ということになりますと、それに該当しない、例えば土地改良区の中の或る世帯ですが、それにいたしましても、とにかくにも異常の災害を受けておる今度の状況でありますので、必ずしも土地改良区の中における用排水路施設復旧ということにとどまらない、負担はそれだけにとどまらない。他の復旧の負担もたくさん重なつておるわけです。従つてこういう問題は、一つの別個の問題として、取上げてもらいたいというわけでありまして、今言われておるこの五項の算出の仕方によりましても、例えば農道とかいうような問題にいたしましても、一体どの程度、被害戸数の利用対象、戸数ですかを、どの程度見るかということは、非常に大きな疑問もありましようし、是非とも参議院のほうの立法としては、第三項の土地改良区の線は、この決議を尊重して、是非ともこれを実現してもらいたいと思う。
  85. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) これは端的な話が、仮に用排水路施設だけの災害であつたとしました場合、一戸当りの負担金、つまり標準賦課金ということになれば、一戸当りの負担金は千円なんです。或いは多くて千三百円なんです。それだけが法律適用の限界であるということになりますので、これはやはりお考え直しを頂かなければ、普通はとにかく従来の法律で申上げますれば、一戸当りの法律適用の限界が八万円、それを今度は三万円に下げておる。なおそれの三十分の一になりますか、ということになりますので、それは余りにも法律適用の基準としてはひどいのじやないかと、こういう矛うに考えられるのでございます。
  86. 永岡光治

    ○永岡光治君 更にその問題ですが、確かに一戸当りの負担は年間千円乃至千五百円程度であるかも知れませんが、併し復旧費ともなれば、これはやはり相当な額も要るわけです。その程度では済まされんし、勿論これは償却というものを見るのでありますから、年間に直せば或る程度のものにしかならんとは言われましても、先ほど繰返して申上げましたように、他の被害がとにかく負担が多い。従つて町村とは別な形態を持つている土地改良区の負担になる問題でありますので、これは賦課金が適当でないということになれば、又その問題についての研究はあろうかと思うのでありますが、とにもかくにもこの問題は一応土地改良区の問題として考慮しなければならん、こういうふうに私たちは考えるので、もう一度念のためそういう研究を是非とも一つしてもらいたいと思うのですが、答弁を要求いたします。
  87. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) なお、よく研究はいたしますが、今までの研究から行きますと、土地改良区が事業主体ではあるけれども、要するに各農家の負担の限界をどこにおくかということをお考え願わなければいかないと思うのでありまして、土地改良区でやる負担、それから個々の農家がですね、農地の復旧にやる負担、それらと全部一緒にして考えて、農家の総合負担が堪え得る程度であるかどうか、こういうふうなことからいたしますと、やはりこのものだけを切離して考えることは、まあ今までの研究では同じお答え以外にないと思いました。なお、よく研究いたします。従いましてこれは政令の施行が非常に急がれておりますから、願くは、実際今度は政令施行をしましてですね、補助金を出すことになつた場合に、具体的にこれを活かして、この政令を改正すべきか、或いは私どもが今まで研究したものでいいということは、政令を施行して暫く実施期間の研究に待たさして頂ければ、有難いと思います。
  88. 永岡光治

    ○永岡光治君 これはこの問題はとにかくきめるには、相当参議院も長時間を要して、而もこの結論に達した問題であるし、衆議院のほうの委員会でもこのことの項目は上つていなかつたようでありますが、その後こちらの委員会要望従つて両院一致した結論を出してほしい。従つてこの参議院の決議というものは、衆議院のほうの失業対策委員のほうとも十分連絡をとつてつてほしいという要望を申入れ、又委員長報告によれば、衆議院の委員長とも連絡をとり、議員諸公の了解を得て、参議院の主張通りにするという回答をなさつたそうでありますので、これは両院の決議という形で要望しておるのでありますから、この実現に向つて、更に一般の一つ努力を要望しておきます。
  89. 松岡平市

    ○松岡平市君 農林大臣、今夕冷害地の視察においでになるので大変お忙しいところを、まあ先ほど委員会を閉じようという瞬間においで願つたのですが、特に委員長から私にも無理に頼めというお話であつて、極く短い時間でもよろしいから曲げておいでを願つておるわけですから、専ら一つ短い時間に農林大臣に対する質疑を済まして、早く今夕の御出張に差支えないようにして差上げるようにお計い願いたいと思います。
  90. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) さよういたしたいと存じます。
  91. 白井勇

    ○白井勇君 農林大臣に一言お尋ねしたいのですが、農地の復旧の問題であります。最近のように政令もないし、政府の予算の問題等も終るわけでありましようが、政策がはつきりしないということで、農地の復旧は、従つて現場におきましては、なかなか進まないような状態にあるのであります。麦の播き付けに間に合わないことは勿論でありまするが、悪くいたしますれば、できるものも、来年の米に間に合わないというような事態があるんじやないかと思うのであります。申上げるまでもなしに、今年の凶作というもの、これは最近ない凶作であるわけでありまして、来年の食糧事情というものは、非非に憂慮すべき状態であります。従つてこの農地の復旧がうまく行かなければ、来年の食糧事情というものに、どのくらいの影響があるということはすぐおわかりでありましようし、その影響するところを、少くとも来年の末までは、これだけをかくのごとき復旧をさせるというような見通しがあるのじやなかろうかと思いますが、つまり、このまま行きますれば、私は農作物全体のことを申上げません。少くとも米麦におきまして、大体この状態をそのまま放置いたしまするならば、どれくらいの程度に当然減収があるということは、これは計算上出て来るわけでありまするし、それを少くとも初年度におきましては、初年度よりも、むしろ来年度の田植えまでは、少くもこれだけは必ずやるという御方針であるというような御計画を承わりたいと思います。
  92. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 今日ここへ私資料を持つて来ておりませんけれども、大体八月までの災害で、一応激甚ね被害を受けて植付不能の状態になつたのは、一万町歩ほどだと承知しておりますが、これはもう申上げるまでもなく、特に我が国の農村の実情からいたしまして、農家経営の零細な経営規模からいたしまして、たとえ一坪の耕地といえども、これはもう本当に農家は食糧増産とか何とか、そういうことは別としましても、自分の生活のもとを建直すために、本当に涙ぐましい努力を払つているわけであります。現に各省、御覧の通り、無理な努力を払つて頂いて、植付けを済まして頂く。そういうことで無論例外はあろうと思います。とても巨大な岩石等が一ぱい何して来ているというようなところは、もう口でどう申しましても、実際上物理的にできないところもあろうと思いますけれども、併し大多数はとにかくそう思つておりますが、国と県と市町村と農家の四者一体となつて、来年の植付けには、どうしても岡に合うようにやつて行かなければならん。又農家もそれでなければ立ち行かないことからいたしまして、政令施行或いは予算措置等が遅れて来ていることは、大変申し訳ないと思つておるわけでございます。実際からいたしますれば、十三号台風による、又相次いで起りました災害も相当深刻で大きいものでございますけれども、大多数は、八月末の水害の地帯については、どうでもこうでも来年の植付けには間に合うように、無論例外は先ほど申上げました通りあるわけでありますが、そのために特段の一つ努力を払わなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
  93. 白井勇

    ○白井勇君 その通りであれば、非常にいいわけでありますけれども、実は私なぜこういうことをお忙しい時間を割きましてお尋ねをするのかと申しますと、今日午前中、各省の、殊に農林、建設というような最も重点でありまする省の作業の進め方につきまして、いろいろと承つておる。そうしまするというと、農林省におきましては、いろいろ地区の指定等につきましても、建設省よりも更に制限を加えるというような点があるようにも考えられまするに更に又今計算されておりまする大体の国費負担六百六十億ですか、それのうち少くも来年は大体三割見当のようなものを考えておる、まあ二百億足らずのものを見ておる、こういう作業の進め方が農林省であります。ところが建設省を承つておりまするというと、やはり同じような計算をやりまして、約九百四十億の国庫負担である。それに対しまして初年度から少くも六〇%でやつて行くのだ、こういうような非常に積極的な、而も地区の指定等につきましては、両院の決議そのものによつてきめるというような、非常に積極的なものに私は受取れたのであります。今、大臣のおつしやるようなふうに、実務というものは動いていないんじやないかということを、非常に私は懸念をしたわけであります。その辺はどういうふうにお考えでありますか。
  94. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) どういう見解で、どういうことを言つておられますか。六〇%行ければ大変結構なことで、私は七〇%でも一〇〇%でもやつて頂きたい。何を好んで農林省が低率で甘んずるわけがございましようか。これは甚だお言葉でございますけれども、私としては少し理解ができないようね節もあるようでございます。この地域指定のことで、建設省のが甘くて、農林省のがからくなつている、これは特別立法立法措置を講ぜられましたときから、一般の地域指定でない、各法律ごとに地域指定が行われるようになつておりましたのですから、この法律の運用で一番大事な点は、地域指定の問題、従つて地域指定が、とちらの法律ではこの程度のところまでやつて行く。この法律ではここまでしかやつていない。こういうことになつては、立法趣意をもとるのみならず実際罹災者にとりましても割り切れないことになるわけですから、これはどこまでもバランスをとつて、これが一番大事な点である。昨日も政令の案について打合せをいたしたわけでございますが、細かいことは何でございますけれども、建設省農林省地域指定の方針態度において、私は異なるとこるはないように承知いたして、その点は特に気を使つてつたわけでございますが、著しくそとに平衡を失つておるという点が若しございましたら、それはもう決して私どもの趣意ではございませんから、御指摘を頂きますれば、更に研究いたしたいと考えます。
  95. 白井勇

    ○白井勇君 時間もないようでありますから簡単に申上げましよう。当初大臣のお答えのように、一つ農地の復旧だけにつきましては、少くも先ほどお話のように来年の田植えには間に合うということで、建設省が六割みようかどうであろうが、全部回復させるというお気持で、一つ御努力されますことを特にお願いと申上げます。
  96. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 今補正予算の問題で大体のお聞きの通りだと思いますが、今日までは孤軍奮闘やつておるわけなんでございますが、なかなか……。
  97. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 午前中、農林、建設関係で、政令の案について承わつた。そうして災害対策中央本部の緒方副総理も、それから各相も参議院の特別委員会の決議を尊重してやつたということを、大前提として述べられた。具体的に承わりますと、かなりこちらの委員会決定と食い違つている点があるので、先ほど改めて本委員会決定を尊重して、最終的に政令出して頂くということを委員会は確認したわけなんです。その立場からお伺しますから、お答え願いたいと思います。それはここにありますが、例えば建設省一つ法律が適用されますと、具体的に言えば、道がこの適用になれば橋のほうも法律を適用するという、一つ基準に達すれば、他の全部を適用するようになつておる。ところが農林省は、まだ決定ではないであろうが、例えば五項で農地だけは適用になつたが、林道、漁場、これは適用にならん場合があるかも知れん。これは農地、林道、漁場別々にやろうかという考えがあるということは、ほのかにわかつたのです。そうなりますと、白井委員が言うように、やはり農林省が、からくなる。建設省の行き方で行けば、又本委員会の行き方から行くと、或る基準があつて、これに基準が合えば、その地域の災害が大きかつたのですから、他の面もそれを適用するという行き方をするのが、その決議なんです。建設省がそれで行こうとする。ところが農林省決定していないけれども、具体的に言うならば、農地関係では適用になつたが、林道はこの基準が達していないので、林道関係は高率補助はないというような行き方を考えつつあるやに答弁が受取れた。これが一つなんです。後で答弁願います。  それから第二は、御承知のように、この基準には、地方公共団体が財政的にその復旧費に困るというので、それを救済するという意味から、災害復旧を迅速にするという意味から、我々はこういう法律を作り、こういう基準要望しておるわけであります。こういう角度から、過年度災害を非常にたくさん持つておる山口県みたいなのを特に考慮して、地域指定をすべきだという決議を出しておる。ところが政府部内の一部に、こういうふうなものはどうも受入れがたいというような見解も一部にある。これは本委員会としては容赦ならん、是非ともとり入れてもらわなければならんというわけでありますが、これは閣僚の一人として如何お考えになりますか。  それから第三番目は、これも非常に問題になつたのですが、このたびの立法では、三万から十万の間の小災害が非常にたくさんあつた、だからこれを救済するために、十万から三万の間の小災害というものを立法化した。これに対してどういうふうに考えられておるかという質問に対して、事務当局では、十万以上の復旧額は、約一割程度を農林省はやる。各県から小災害報告を取りましたかと言えば、まだ取つてないわけであります。そこで本委員会としては、各県からその小災害報告を早急に取つて、その実績に基いて予算化を考えてもらいたい。そうでなければ、小災害を特に考慮したところの立法精神というものは、全く無視されてしまう。こういう点が非常に問題になつて、先ほど改めて本委員会で確認したわけであります。その三点について御答弁頂きたいと思います。
  98. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 第一の点は、一例を挙げれば、農地は激甚な被害を受けた、林道はこの挙げております程度に達しない軽微な災害であつた、こういう場合に、農地に対して高率補助でやるならば、その村の災害はやはり大きいのだから、片一方の小さいほうの軽度の災害に対しても高率助成をせよという御趣意だろうと思います。そうでなければ、建設省よりは甘い。道路と橋は一本のものでしようから、林道の場合を言いましても、林道にも橋はありますし、それは同じだと思うのでありますが、ただ農地が非常に広くやられておる。林道がこれ以下であるという場合に、その林道に対しても高率補助をやるということは、これはそこまで来れば、特に財政力の問題、決してそれに余計な金がかかるとは私は思いませんけれども、趣意は、小災害に対しても国が高率の補助をやつて行くのだという考えになつて来るのじやないかと思うわけであります。林道なんかで標準千円とか何とか言つておりましたときであれば、これは実際必ずしも今度の立法措置に合わないわけでございますけれども、三万円という大幅に標準を下ろしたときは、それで一つの尺度にして頂いたほうが、実際実情に合うのじやないかというように、私は私なりに考えておるわけであります。それは辛いと言われれば或いは辛いかも存じません。  第二の山口県の過年度災害、これは副総理がお見えになつておるようでありますから、副総理から過年度災害をこの立法の適用の範囲に入れるということになれば、これはもう全然立法趣意から、むしろ反するようなことになるんじやないでしようか。
  99. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 過年度の災害にするんじやない。一つのどの地域に適用するかという場合に、その地方公共団体が現在……。
  100. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) これは県としては山口県は大きいかも知れませんけれども、町村等にいたして見ますれば、同様のところは、これは過年度災害復旧が延び延びになつている実情からいたしましても、相当多いわけで、これは如何かと思いますけれども、副総理がお見えになつていらつしやいますから、副総理から……。
  101. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) これは一つ官房長から詳細に……。
  102. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) これは私のほうでは一割を出したのは、九州の災害査定を見て、一応一割程度平均的に上げておけば賄えるのじやないかと、こういうのでやつておるのであります。これは府県に対する補助でありますので、府県からその申請が来なければならないので、府県を督励しておるわけですが、府県のほうとしましては、結局今度の災害が御承知のように激甚でありまして、殆んど大多数の市町村が罹災市町村なつておりますので、十万円以下のものまで、まだ査定に手が及ばないで、十万円以上の工事の設計等に、県当局が追われておるというふうに思うのであります。この一割を出しましたのは九州のやつで、被害額が四百七十億、それを三百四十億に査定したのであります。そのうち約六十億というのが十万円以下であると、こういうふうに考えられるのであります。ところがこの六十億のやつは、町村の数から申しますと、九州だけで申しますれば、被害町村と今の三万円以上の町村との比が、府県によつて、例えば佐賀等は百十五のうち百二が三万円以上になりますが、福岡等は二百五十二町村のうち百四十四が三万円以上になるのでありまして、県によつてそれぞれ差がありまして、大体九州のようなひどいところで見ましても、町村数から行くと大体半分ぐらいということになりますので、六十億を半分くらい見ておけばいいんじやないか、従つて法律補助の適用をする金額の一割くらいを見ておけば大体賄えるのじやないか、こういうのであります。実際問題としましては、今後査定が進行するにつれて、これをできるだけ間違つておれば直して行くと、こういうふうにいたしたいと思います。
  103. 永岡光治

    ○永岡光治君 農林大臣がお忙しいようですけれども、最後に、今までの質問が少しぼけているんですが、早く来年の植付に間に合わせたいとおつしやつておるけれども、少しでも来年の植付に間に合わしたいというのですから、実は初年度に出される補助が一番大切になつて来るのです。これは予算と関連があるから、まだ明確な答弁ができないのかと思うのでありますが、農林大臣として、初年度どの程度の腹組みで用意しようとされておるのか、その点だけ明確にして頂ければ、あとの審議に対して非常に好都合でありますので、その点だけ明確にして頂きたいと思つております。
  104. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 私はまあ三・五・二を五・五くらいでやつて頂ければ一番有難いわけですけれども、実際の、財政当局も非常に勉強して頂いておるようですけれども、最低三・五・二の三で行けるか、二でしなければならんかというところが、まあ私の希望ではございません、希望ではございませんが、実際の内部の悩みは、そういうところで悩んでおる状態です。それから私としては無論そういう政府の処置如何にかかわらず、工事はどんどん農家の努力によつて、或いは県の努力によつて、町村の努力によつて復旧して頂かなければならないわけです。それの政府の処置が遅れて行くということは、これは過年度災害が累積している状態を御覧頂きましても、困ることですけれども、併し、そうかと言つて、これを一遍に賄えと言つても、実際の問題としては、財政需要からいたしまして、ない実情を認めないわけには参りません。そういう点から、それじやもうほかのものを一切無視して、それだけでやれるかというと、又財政需要が必ずしも災害の需要だけではないようでございますし、そこのところを察して頂いて……。
  105. 永岡光治

    ○永岡光治君 そういうところで、当初農林大臣答弁で、何とかして来年度全部でなくてももらいたい、それでやつて行くという裏付けが、今の答弁で出て来ないのですね。つまり地方でも努力される、それは町村は言うまでもなく努力されておる、現在までに予算はとつてないが、一生懸命でやつておることは間違いない、にもかかわらず、今行詰りを来たしておることは、早く臨時国会を開いて、予算をほしい、財源をほしいというところは、そこにあると思うので、それが三になるか二になるかはわからんというような程度では、熱意のほどの裏付が出て来ないということです。こういうことは結果的には希望はするけれども、そういうことはできないという結論にしかならんと思うのです。その点はどうでしよう。
  106. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) これは私は実際に、実情を申上げておるわけでございますから、そうかと言つて何もかも犠牲にして災害だけの予算に集中しろということは、全体の面があるわけでございますから、私どもの関係の面からいたしましても、例えば農業共済の保険にしましても、米麦を合せれば相当巨額に上るわけです。こういうものに対しても、どうしても処置をしてもらわなければなりませんし、そこでこれはみんなで、国も市町村も農家も共に、やつぱりできるだけの努力と犠牲を払つて頂くほかはなかろうと思うのです。どの辺で落ちつきますか、とにかく私としてはできるだけ努力をするつもりでおります。
  107. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) そこで努力して頂けるということは、前から承わつておるわけなんですが、今ちようど予算編成期で、財源を見出さなければならんときだし、それから政令もまさに最終決定をして出そうというので、これは復旧期間とも密接な関係を持つておると思うのですが、私は農林大臣が今晩から冷害視察に出張されるというのを承わつて、まあ今から副総理にお伺いしなくちやわからんのですが、新聞で拝見した範囲内では、どうも昨日の閣僚懇談会で解決点が出たとは思つていないわけです。そういう今までの災害、冷害対策も、これから重要な問題ですが、国家において今までの災害というものが解決していない、而も復旧のそれが二になるか、三になるかというようなことも不明確だというようなときに、農林大臣は冷害対策に出張されるのは、どうも私は理解に苦しむ点があるのですが、それと合わせて申上げますが、小災害については、午前中も松岡委員から鋭く総務課長に、この問題については迫られている。九月十七日の委員会では官房長も立会の上で農地関係では十万円以下の災害の一割五分、林業関係では二割、水産関係一割程度で、一応考えているという答弁つたのですが、今日のお話合では、一割程度予算の中へ入れてあるというのは、虐待したような感じもありますので、どの程度の責任を以て最後まで解決しようという御熱意を持つていらつしやるのかという点ですね。
  108. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) こういう中に、東北の冷害地帯を視察に行くことが適当であるかどうかということも、私も非常に実は懸念をいたしておりました。併し東北地方の冷害の実情は、これは相当深刻なものがあるということは、委員皆さま御承知通りであるわけでございます。先般来、折から供米の御相談を、あの凶作の中において供出の御相談をしなければならん、冷害、被災の農家に対してどういう一体処置をとつてくれるかということに対する強い御要望、或いは御要求が出て来ております。一日延ばしに延ばして、今日になつて来ておるわけですけれども、これも大体御判断頂けまするように、昨日の御相談で、政令の大体の案を、副総理の努力によつて、ほぼ内定の線まで到達し得る段階に参りました。かたがたこの西日本の水害の災害ということにつきましても、両三日来の御相談で十分申上げ、又お願いもいたしておりまして、私としては到底、数日の時間を頂かなければ、東北地帯に出掛ける、ちよつと時期がなかろうと判断いたしましたので、出掛けることにいたしております。
  109. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 先ほどの小災害の一割五分、それから林野で二割という、私どものほうには、そういうデーターがないのです。
  110. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 九月十七日の速記録を見て下さい。私のノートにそういうふうに記録してあります。
  111. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 調べて見まするが、私はそういうデーターを持たないのですが……。
  112. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) それは或る委員から小災害をどう考えるかという質問に対して、そういう答弁がなされて、九月十七日の速記録を見た上で……。
  113. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) それでは速記録を見ます。
  114. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 保利農林大臣は先ほどお聞きの通りです。質疑ございませんね。あと副総理が出席されておりますから、質疑のあるかたは願います。
  115. 永岡光治

    ○永岡光治君 副総理にお伺いしますが、昨日閣議に出られて、昨日又こつちのほうの参議院委員会のほうで、早急に基準をきめてもらいたいし、それについて、こつちでいつも要望というものもあるし、臨時国会も早急に開いて欲しいということを要望して、それに従つていろいろ話合いをされたと思うのでありますが、昨日から今日までにいたる、現在までの経過を一つお尋ねしたいと思います。
  116. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 政令では両院できめて下さいましたし、いろいろ先般来御審議の結果、大体の目安がついて参りましたので、まだ全部とは行きませんが、建設関係、農林関係は一応昨日閣僚懇談会の機会に、みんなで意見を言い合つて、それが又両当局で整理しているはずです。これは昨日の委員会で、大蔵大臣が申上げました日限までには、大抵整うだろうと思います。それから国会のほうですが、同じようなことばかり繰返していますが、補正予算についてもなかなか財源が困難でありまして、昨日閣僚懇談会で、既定経費の中から多少とも搾り出そうというような目途の下にやつたのですが、新聞紙で御承知かと思いますが、ああいうふうな経過を辿つて、一回ではまだ結論を得ません。従つてはつきりいつ国会の召集ができるということは、まだ申上げられません。
  117. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 私は時間になるからお伺いしますが、大臣の出張というものは、総理大臣の見解でどうにもならないものですか。というのは、昨日一番大事な戸塚建設大臣が出張されて、それでどうも会議がうまく行かなかつた。今日はお聞きの通り、保利農林大臣が今から冷害視察に一週間ばかり東北に行かれる、こういうようなことで予算の目安が立つかどちか、私はまあ個人的には当面の問題を決解するために、私は総理大臣或いは副総理としては、建設大臣か農林大臣の足どめをすべきじやないかと思いますが、そういうような考えがあつたら、今行かれる保利農林大臣を足どめをして頂きたいと思うのですが、それはどういうふうにお考えになつておりますか。
  118. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 今補正予算に関連したことでおつしやるのだろうと思いますけれども、これはいずれにしても二、三日かかりますし、一応事務当局の手に移しまして、その出せる大蔵省事務当局と相談して検討してくれということになつて、保利農林大臣は多分月曜日には帰られるんじやないかと思つておりますが、その点については、余り差支えないようになつておると了解しております。
  119. 永岡光治

    ○永岡光治君 続いて質問いたします。そうすると、今委員長質問したのですが、非常に重要な時期に閣僚がどんどん出て行かれる。而もいろいろ閣僚のああいう会議を開かなければ予算がまとまらぬというのに、閣議の構成もできないということであると、一生懸命努力している気持はわかるのですが、具体的には補正予算を組む時期がだんだん遅れ、臨時国会を召集する時期がだんだんだんだん遅れてしまうという結果に、みずからが、何かこの策意という、何かまあそういう悪意には解しませんが、何かそういう地元が聞いたら極めて不快な念を抱くであろうと思うのですが、どういうものですか、そういうことは……。
  120. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) そういうわぎと延そうという作意は全然ございません。これは特に御了承願つておかなければならんのですが、この開議院運営委員会でも申上げたのですが、十月末より早くは見通しとして困難だと思う。その困難の際に、大臣がぼこぼこ出て行くのはけしからんという御意見かも知れませんが、これはさつき委員長にもお答えしたように、補正予算をきめる閣議を開くのには、一、二の大臣が抜けても差支えございません。進めて行くことはできます。それから今の財源を搾り出す問題については、昨日いろいろな意見を闘わして、その点、事務当局同士が折衝する。その間に建設大臣は確か明日あたり帰つて来るのじやないかと思います。
  121. 永岡光治

    ○永岡光治君 それは先ほど保利農林大臣答弁を聞きましても、今副総理ちよつと終いのほうをお聞きになつたと思いますが、農地の復旧はとにかく私としては一日も早くやつてもらわなければならん。来年の田植には間に合うということでは、特殊な例があるだろうけれども、そういうことで努力しているのだと、それならば、一体予算ということは非常に大事になつて来るのですが、三・五・二ではすまされん、大いに、保利農林大臣答弁を以てすれば、五・五くらいは希望として持つている。私たちとしてはそれ以上要望しておりますが、とにかくそのことも補正予算の関係でなかなか思うように行かない。その予算の重要な閣議に保利農林大臣が抜けても、緒方副総理で大体間に合うというのだと、答弁はとれるのですが、それでは一体農村の復旧について、責任はある農林大臣がいなくていいのかどうかということになると……。
  122. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) それは先般来、御審議になつている。二十四の立法に基いた政令基準、それによつて先般来の災害に対する対策は一応立つておるのです。その示めされた基準によつて政令を作ることは今やつております。その結果、国費の支出がどれだけになるかということも、昨日大蔵大臣が申上げた通りです。そこで全体の予算としてどれだけを盛り得るかということが問題になつて来るので、それには農林大臣がおられなくても、別に差衰えございません。
  123. 永岡光治

    ○永岡光治君 そうしますと、予算のめどは大体できておるということになるわけですね。
  124. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 災害費の予算のめどはできています。全体としてどれだけの被害総額、それに対して今回の立法による高率補助はどうなる、それを三〇%組めば幾ら、二〇%組めば幾らということは、昨日申上げた通りでありまして、二〇%組むか、三〇%組むかということは、ほかの必要止むを得ないものとの見合いになつて来るわけです。それは財源として関連して、そういうことになつて来ます。それで一つは今年の半分ほど経つておりますから、仮に三〇%にしても、割合に金額は今年中は少いということもありましようし、そうしてそういうことを検討して補正予算の仕上げをして行くつもりであります。
  125. 永岡光治

    ○永岡光治君 今のたまたま出ましたように、三〇%にするか、幾らにするかという程度で、大体およそ見当はついておるということならば、私は政府の肚はできておるのじやないかと思います。それでなければ、又昨日の閣議で、各省に対する一体どの程度の節約をして欲しいというような案も出て来ないのじやないかと思います。それが一点で、一体どの程度の腹ができているのか。この際、明確にしてもらいたい。数日できまるのですか。
  126. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 数日できまらんと思います。
  127. 永岡光治

    ○永岡光治君 それではまだ金額は大まかなところはわかりませんか。大まかなところはわかつておるはずであります。水害の今度の補正予算に組もうとする数字は……。
  128. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) それがまだわかりません。その財源を整えないと……。
  129. 永岡光治

    ○永岡光治君 財源を整えるということは何か知らんけれども、出してくれ、それできめるということでないと私は思います。
  130. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) それはこういうことです。例えば給与とか或いは義務教育費の富裕県に支払つた補填とか、そういうような、どうしても補正予算を組む場合には計上しなければならんものがあります。それと見合つて財源があります。その財源に限りがありますから、二〇%、三〇%、四〇%と数字が出ておりますけれども、どれを取り得るかということは、財源が一応整わないと最後的にきめられない。
  131. 永岡光治

    ○永岡光治君 そうすると、政府はまだどの程度一体財源が集まるかわからんという、今の程度の答弁で、それでは臨時国会は、昨日の答弁では十月末には開ける、大体決定的な態勢でありましようという答弁がなされておりましたが、それすら困難ではないかという印象を受けるのであります。その点はどうですか。
  132. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 殆んどと申したので、困離は困難です。それは昨日、その前に申上げたのは大蔵大臣が大体補正予算の見通しが十月末につき得るということを議運で申しておりますので、それでつけば、十一月初めには開ける。私としては災害復旧の問題が非常に気になつておるので、補正予算が整いさえすれば、少しでも早く国会を召集したいという気持でおります。その点は間違いないのでありますけれども、今数字を申上げる段階に行つておりませんが、財源の欠陥がまだ今のところ相当大きい。これをどういうふうに出そうか、今各省の既定経費の中から搾り出すというのは、仮に各省がそれを納得して搾り出してくれても、今求めておる財源の一部分にしかならん。なかなかそれでは足りません。その点が今難航しておるところなんです。
  133. 永岡光治

    ○永岡光治君 それで一つ先ほどの答弁の中に、ちよつと問題になるわけでありますが、災害も年度終りに、半分過ぎておるからそう大した金も要らんのじやないかという趣旨に聞えたので、これは大変だという印象を受けたのでありますが、予算が成立しないのは半年近くになるかも知れませんが、災害の起つたのはすでに六、七月、従つてそれに対する実際の復旧事業というものは、それぞれの省の責任においてやつておると思います。併しそのことは、予算の裏付を期待して私はやつておると思います。従つてそのような考えで、三が困難だ、或いは三が二になるかもしれないというようなことで大変だと思うし、先ほど来、しばしば問題にされております建設関係の問題、農林関係の問題で、とにもかくにも、初年度に重点を置いて欲しい。これは地方の非撒布に強い要望であります。私たちも現地を見て、その感を深くしたのでありますが、そうして閣僚の方々も恐らくこのことは否定しないだろうと思います。とすれば予算友人と言いますけれども、予算の問題については昨日から資料をもらつておりますけれども、まだ安全保障諸費にしても、保安庁経費にしても、これをかなり縮められるものが、仮に政府の立場をとるにいたしましても、あると思うのであります。そういう点から早急にとにもかくにも復旧したいという基本線を持つておられるのかどうか、それはどの程度まで考えておられるのか、そういう点をお聞きしたいと思います。
  134. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) これは昨日も同じことを申上げたと思いますが、日本のような災害の多い国では三年よりも二年、二年よりも一年、この復旧中に同じような災害が繰返されないように、成るべく早く復旧を完成したいという希望は言うまでもないのでありますが、そういう希望がありましても、結局財政的に見て、との補正予算に盛り得る限度があつて、そういう何から結局或る程度の……。それがそういういろいろな経費を集めて、府県の財政が破綻な状態、インフレーシヨンの状態になることは、これは避けなければならんので、そこで最後的にいろいろな経費をバランスを見まして、考えるより仕様がない。先ほど私非常に少く考えておるように言いますけれども、一丸言葉尻を取られても困りますけれども、それは年度が半分ばかり経つておるので、それで仮に一年なら三割のものが、二割になつても間に合うと、そういう意味のことを申上げたのであります。
  135. 永岡光治

    ○永岡光治君 どうもやつぱり答弁が余りはつきりわからないので。
  136. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 答弁が下手なので。(笑声)
  137. 永岡光治

    ○永岡光治君 一体正直のところ、それではいつ頃まとまりますか。目途はいつ頃に立つておりますか。
  138. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) この間、大蔵大臣が議院運営委員会で言つたのは月末と、こういうふうに言つております。
  139. 永岡光治

    ○永岡光治君 月末ということは……。
  140. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 十月の末です。
  141. 永岡光治

    ○永岡光治君 大蔵省のいわゆる予算調書ができて、国会に提出ができる手順ができてしまつた、そのことを意味しているのですか。
  142. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) いや、それは二十九年度の予算を見通してきめるという意味であるということを申上げたのです。それだから、大蔵省の勝手から言うと、成るべく遅い方がいいのじやないか、かれこれ考えて、月末という見通しをつけたのじやないか、大蔵大臣に質したわけではありませんけれども。
  143. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をやめて下さい。    〔速記中止
  144. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。
  145. 安部キミ子

    安部キミ子君 過日副総理は、この席上で今度の地域指定については、当然政令基準に合うように早く措置したい。過年度の災害の多いところには十分考慮して措置したいということをお話下さいましたので、私どももその言葉に大変期待をかけておりました。併しいろいろお話を承わつておりますと、政府でも財源の措置については、大変お困りのようでございますので、大変私その点は御同情申上げておるのでありますが、衆議院で先日きめましたところの地域指定では、山口県が漏れております。それで参議院ではこれは大変だというので、如何にしたら過年度の莫大な災害のある山口県を救えるかという問題につきまして、この問題だけで二時間もかかつて、このことをやつたのであります。このことが衆議院のほうではつきり規定になつていないということで、今日の建設省の当局のお話では、どうだろうという懸念があるようでございますが、過旦言明いたされました副総理のお答えを再確認して頂きたいと思いますが、如何でございましようか。
  146. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) これは今御質問の中におつしやつた通りに、衆議院のほうでこれが出ておりませんのと、それから今度の特例を当てはめるには少し無理があるので、まだきめにかかつておりません。
  147. 安部キミ子

    安部キミ子君 そこでそのおきめになつていないところに期待をかけておりますが、あの山口県は今度の基準に少々足りないのです。過年度が余りに大きいものでございます。現実の問題とすれば、この立法趣旨も明日の日に備えるための立法であると私は思います。そうであるとすれば、余りに荒れ果てた山口県の実情からして、早く何とか措置して頂かなければ、県としても困るし、国としても大きな損だと思います。何しろ金が現在ないことはわかつておりますし、全体の額にいたしますと、二百四十七億円もが、あれになつておりますので、その点十分御配慮を願いたいと思います。重ねてお願いいたす次第でございます。
  148. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) これは県として指定しまする場合、どういう数字が出るか私は存じませんが、最後の何は先ほどのお答えで今日は御容赦願いたいと思います。
  149. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 一言申上げておきますが、この点は先ほど本委員会で改めて確認いたしましたし、なお、先般決議しておりました場合に、衆議院が村上委員長参議院側の決定事項を伝達した場合に、衆議院側の村上委員長の全面的な同調を得ておりますので、念のために申上げておきます。
  150. 白井勇

    ○白井勇君 この前副総理のお話の特別立法によりまする災害の所要経費千七百四十四億円、それで例えば三〇%しか、仮に、予算を工夫しましても、出ないということは、五百億くらいですか、そういう場合にはあれですか、仮に三〇%ということになりまするというと、それはまあ具体的に申しますと、各省同じ三〇%になるということですか。
  151. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) そうじやございません。その全体の補助額の三〇%を計上するということです。
  152. 白井勇

    ○白井勇君 その場合ですね。各省のもの、やはりそれぞれ初年度におきまして三〇%、あらゆる均一に三〇%……。
  153. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) いやいや、それは法律によつて出し補助額の総計した数字、それの三〇%に当るものを今度の補正予算に計上するということなんですが、だからあれに準じたものが入つている。
  154. 白井勇

    ○白井勇君 私は如何に政府が努力いたしましても、結局これは経費の問題で一穿く今の国の財政としましては、第一線の罹災者が十分だというようなことは、なかなかできない事情にあろうと、私は思いますが、そうであればある、だけに、全体といたしまして、仮に初年度におきまして、三〇%やつて行く。こういうことになりましても、やはりその実施の場合におきましては、おのずとそこに初年度におきまして急いでやらなければならんというような重点のものというものが、政府で当然考えなければならんのじやないかと思います。一年延しても、この点だけは今日も農林大臣はこうおつしやつた。少くも来年の田植までには問に合せるものは全部間に合せる。そうしますと、その分だけは一〇〇%なんです。そうすると、必ず一方においては、全体で三〇%であつても、一〇%とか二割とかいうような恰好も出て来ます。これは当然そういうことはあつて然るべきものじやないかと私は思いますが、その辺どういうことになつておりますか。
  155. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) それは農林大臣、建設大臣、それぞれの意見なり、希望があります。併し結局予算面には、財政の全般から今の関心は、主としてインフレーシヨンの問題ですから、その問題を中心に財政的な面できめるよりしようがないと思います。但しその場合に今度の災害というものは殆んど前例のない災害であるからこれはどこまでも主力を注ぐ。実際を言いますと、今度の補正予算に盛られる災害復旧費以外のものは、これは例年出て来るようなものです。いわば補正予算は災害のために出す予算のようなものなのですから、従つて重点的に考えることは間違いありませんが、ただ全体の金額が非常に殖えて参つた場合に、先ほど申上げたような国家財政負担になるという点で、もう一ぺん考え直して最後決定しなければ、今お話なつたことは内容的にどうなるか、私すぐ判断がつきませんが……。
  156. 白井勇

    ○白井勇君 政府としましては、これはこの間からもお話のように、仮に三〇%だけは初年度やれるという財源が出たとしますければ、それを今のお話のようにインフレを注意しなければならん。更に最も効率的に充てなければならんということを、当然政府としては考えられるべきだと思います。特に災害対策本部あたりで、そういうことは各省に委せるとか、大蔵省に一任ということでなしに、このことは全体として三〇%とか、一割とか、農地の問題は一〇〇%まるまる来年はやつて行くとか、いろいろそういう操作というものが当然あるのかどうか、その点はどうなのです。
  157. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) それは法律の中にも規定してあるものがあるのじやないですか。
  158. 白井勇

    ○白井勇君 そういうものはありましようが、恐らくそのほか全体としまして、政府としてそういう趣旨があるかどうか。
  159. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) それはよくわかりませんが。
  160. 白井勇

    ○白井勇君 私は対策本部長であられる副総理にお尋ねするのであつて、少くとも只今ご心配のようないろいろな要件があれば、非常に苦しい中の財源を使うわけですから、全体として三〇%であつても、やはり重点的に必要のものにつきましては、結果から見ますれば、一〇〇%まるまる初年度で出したということがあり得るのじやないか。むしろ、そういうことを考えていらしやるのじやないだろうかというように、私は考えております。
  161. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) それは法律にはちやんとあてはめて出してありますが、政策的にもつとこの面をどうしようということは、そこの数字に直ぐに現われておるかどうか……。
  162. 白井勇

    ○白井勇君 私は数字の問題じやなしに、そういう考えでやらなければならんのじやないかということをお尋ねをしております。
  163. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) それは例えば、政府としても今の農林大臣、今の建設大臣として、一つの意見を持つておりましよう。ただそのまま予算に出るかどうか、必ずしも期待できないと思います。
  164. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 本日はこれを以つて散会いたします。    午後六時三十三分散会