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1953-10-08 第16回国会 参議院 水害地緊急対策特別委員会 閉会後第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月八日(木曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————   委員の異動 九月二十八日委員小野義夫辞任につ き、その補欠として井上清一君を議長 において指名した。 十月五日委員安部キミ子辞任につ き、その補欠として亀田得治君を議長 において指名した。 十月七日委員剱木亨弘君及び高野一夫辞任につき、その補欠として森田豊 壽君及び左藤義詮君を議長において指 名した。 本日委員松浦清一辞任につき、その 補欠として東隆君を議長において指名 した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     矢嶋 三義君    理事            永岡 光治君            永井純一郎君            石川 清一君    委員            井上 清一君            重政 庸徳君            左藤 義詮君            谷口弥三郎君            徳川 頼貞君            松岡 平市君            森田 豊壽君            新谷寅三郎君            高木 正夫君            三浦 辰雄君            亀田 得治君            白井  勇者            東   隆君   国務大臣   大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君    国 務 大 臣 緒方 竹虎君   説明員    大蔵省主計局長 森永貞一郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水害地緊急対策に関する件   —————————————
  2. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から委員会開会いたします。  本日の委員会は、先刻の全員協議会決定に基いて、初めに政府側に対する質疑を行い、その後に災害地からの陳情聴取をいたします。さよう委員会を運営して参りますので御了承願います。  本委員会は、先月二十六日開会して、そのときの決定に基いて本委員会開会した次第で、ございましてその間におきまして、政府側に本委員会として種々御要望申上げておいた次第でございます。それに基きまして、只今からその後における災害対策についての一般報告を副総理から承わりたいと存じます。
  3. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 特例法に基きます政令基準委員会でおきめ下さつて政令を先月の二十六日頃までには大体の見当をつけて、正規の内示とは行かんまでも、何らかの形で御連絡をとるということを申上げたのでありまするが、その後、当時まだ私大蔵大臣臨時代理をしておつた際でありまするが、災害額がまだ十分につかめなかつたのと、そういたしております間に、十三号台風冷害等の新たなる災害が次々に起つて参りまして、財源の点において補正予算はとにかくといたしまして、補正予算から見通した二十九年度の予算額が果してインフレの心配なく組めるかどうかということにつきまして、確たる見通しを得られませんでしたために、御約束をしておりながら政令決定が遅れましたことにつきましては、甚だ申訳なく感じております。そのために臨時国会が延びている。臨時国会につきましては、国会におきまして成規の手続によつて要請があつておりまするので、これはそれに対する準備臨時国会が開かれることに対しましての準備をなしていることは勿論でありまするが、言うまでもありませんが、只今のところ十月末までより早く開く見込が立ちかねまするので、何らかその間に繋ぎをして行かなければならないと、だんだん寒さに向つて参りまするし、麦の種子播き時期も差し迫つて参りまするし、災害地における御難渋の事情は十分に想像いたしておりますだけに、その繋ぎの点は政府資金運用部資金でありますとかう或いは災害対策予備費でありますとか、その他財源の許す限りできるだけ機宜を失わないようにやつて行くつもりでありまして、ただ、今申上げましたよう災害が次から次と起りましたために、今のところ災害対策予備費は二十億程度になつておるのでありまして、特例法によりまするその災害対策予備費以外に資金運用部からの融資は、運用部の金の集まり方も確めなければなりませんが、これは旧法による融資をすることは一向差支えない、資金の集まり方によつて、又現地の必要によりまして融通をして参りたい。衆議院におきましては、その他に委員会のほうからもいろいろな財源示唆等もありましたが、その中には止むを得ない場合にはその措置に出ることも可能であると考えられるものもありますので、国会が遅れますことに対しましては、それらの繋ぎで一応御要請に応えて参りたいさよう考えて、丁度大蔵大臣も帰つて参りましたので、今までよりは手際よく出して行くことができると考えております。  ちよつと立ち上りましたついでに数字を申上げておきますが、特別立法によりまする補助額国費としまして千七百四十四億、これを補正予算財源関係からどれだけ盛れるかというところまで漸次詰めて参つているのであります。これを例えば三〇%といたしますれば、この政令基準通りにいたしますと五百億、それから二〇%にいたしますると三百二十九億、十%にいたしますと百六十三億、こういうふうな数字が出て参ります。その点が財源と見合わせましてどういうふうに補正を組むかということなんです。このほかに御承知よう義務教育費富裕県に分配いたしましたために歳入の欠陥を生じておりまするものが四十八億それから米の価格に関係いたしまして八十幾億かの金がありまするし、それから給与ベース引上げをどういうふうに扱うかということがまだ決定しておりませんが、先だつて申しましたように、仮に中だるみだけでも直し、期末手当を〇二五入れるといたしますと、百二十幾億かの数字になると思います。そういう点で今何とか早く補正予算見込みを付けようという研究をいたしている次第でございます。
  4. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 副総理の御説明に対して質疑のある方は発言を求めて願います。
  5. 松岡平市

    松岡平市君 只今説明になりました必要な国費千七百四十四億、こういうお話でございましたが、これはただ先ほどの御説明で新立法による必要経費、かように副総理はおつしやいましたが、新立法は少くとも只今までのところでは六月並びに七月の災害だけであります。今まで政府からお話になりました数字といささか違うようでありまするが、恐らくそれには八月の三重、滋賀、或いは京都等災害に要する経費も加わつていることと考えます。或いは又すでに問題になつて、当委員会の審議の対象になつておりますいわゆる十三号台風による被害というようなものも合せて政府は計算しておられるかどうか、それらは別個の数字であるかどうかということについて十分でございませんので、それをちよつと明らかにして頂きたいと思います。
  6. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 今御質問の八月の水害、それから十三号台風も織り込んでおります。
  7. 松岡平市

    松岡平市君 加わつておりますか。
  8. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 加わつております。
  9. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今の問題ですが、この千七百四十四億という数字は、これは特別立法による補助費を含めてとございますが、特別立法による場合は勿論政令の問題が、地域の指定の問題がまあ非常な問題になつているはずなんです。ところでこの概算の場合はどういうふうな地域をお考えになつてこの概算をお組みなつたか。御承知通りにあれは災害を受けたうちの特に甚だしい所を政令には委ねているが、それを政府側が取上げて高率補助をすると、そうしてそれに洩れた公共事業関係在来法による当然その復旧経費を盛ると、こういう二段建てになつていることは御承知通りであります。そこでお聞きしたい点を重ねて申上げますと、この特別立法適用するいわゆる政令基準をおよそ……まだ恐らくおよそだろうと思いますけれども、どういうふうにお考えになつてこれをお見積りなつたか、この点一点と、そうして又十三号、或いは十三号前の和歌山、奈良、こういう地方その他の地方においても、若し六月、七月に起きたならば当然高率適用を受けるであろうというような、非常なそれにも優る被害を受けた地域がある、そういう問題については高率適用考え方をどういうふうにお考えになつていたか、先ずこの点をお聞きしたいのです。
  10. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 私が申上げました今回の特別立法によつて仮に三〇%にしますると、五百億、二〇%にしますと三百二十九億と申上げましたのは、これはあの国会でおきめになつ政令基準によりますると、大体災害地の九割近くのものが入ると思いますが、それを仮に全部入るとしての見込みがそういう数字になるのであります。それともう一つの御質問は何でしたか。
  11. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 それは六月、七月の法律であるから、新らしく京都とか或いはその他これは法律上入れなければ勿論出せないけれども、どうお考えになつて組みなつたかという……。
  12. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) それは先ほど申上げました八月の水害、十三号台風もこれによらざるを得ないだろうというので、災害費見積りとしては、全部を含めた数にいたしております。
  13. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 ちよつとこの五割、三割、一割にすればという仮定の問題ですが、そうすると、いわゆる現行のあの特別法でない在来補助に関する基本法律で出した要補助額を算定して、そうしておよそあの特別立法をかなり大幅にやるとすれば五割になるかも知れない、非常に絞れば一割になるかも知れない、こういういわゆる腰溜めでの計算だという意味であつたのでしようか。その点だけお聞きしたい。
  14. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) あの特別立法に基きました政令をそのまま実施……政令化すると申しまするか、いずれにしましてもあの特例法が全地域に及ぶと仮定いたしまして、そうしてそれの二〇%或いは三〇%というものということを申上げたのであります。
  15. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 二つほど伺いたいのですが、今お話の中で運用部資金ですがね、これ今副総理からいろいろ御説明がありましたが、実際上は災害対策本部人たち意見も聞いたんですけれども、非常に短期融資財源が枯渇しておつて長期資金の方を振り向けなければ財源はないんだと、従つてこの間の十三号台風繋ぎ資金のときは、我々その被害の実績を見て来た者からいたしますと、本当にこれは被害を頭に置いておやりになつ繋ぎ融資かどうか、まあ疑えるほどの極めて少額のもので、これは一日か二日のうちに或いはこの繋ぎ融資をおやりになる前に、各府県ともそのくらいのものはもう出してしまつて、困つておるんじやないかと思うのです。そういう点から見ると、財源がないので繋ぎ融資を非常にむしろ抑制しておられるんじやないかという心配があるのです。殊に今お話なつように、十一月頃に国会が開かれるとしますると、到底それまでは今までのよう繋ぎ融資では、こう災害が重なりますと、各府県とも県民をまあどうにか食わして行くことさえもできないんじやないかという心配があるのです。そこで数学的にも大蔵省から頂きたいと思うのですが、副総理から、繋ぎ融資財源は、国会の再開が遅れるとしてそれまでは十分あるのかどうかという見通しをお聞かせ願いたい。
  16. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 十三号台風に対しまする繋ぎ融資は、先般十二億なにがしか出しましたが、ほかに今週中に十億出す予定になつておりまするが、勿論それですべての応急措置ができるとは考えませんけれども、差当り人夫賃であるとか或いは叺代であるとか、そういうなんで九州の西日本のときの経験に鑑みまして、すぐ一遍に大きな金がなくてもいいじやないかという考えで、徐々に出しておるのでありますが、今の資金運用部の今日現在の内容を私よく存じておりませんので、いずれ後ほど大蔵当局が来て御説明申上げることができると思いますが、相当まだできるように言うておるのでございますが、私実は数字をよく存じておりません。
  17. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大蔵当局からというお話ですから、数字的な余裕財源がどのくらいあるかということはあとにしますけれども、私は副総理是非頭に置いて頂きたいと思いますことは、御承知通り相次ぐ災害で、近畿の各府県のごときは今日まだ水の中にひたつて、水がどうしても引かないというので、水の中で生活している人がたくさんにあるのです。それからもう古いことですが、六月、七月の災害におきまして一向工事が進まないものですから、まだ、飲み水も得られない、現在まだ飲料水を給水しておるというような村がたくさん残つておるのです。こういうものも結局国会開会が遅れ、従つて補助金が出ないということになりますと、勢い繋ぎ融資に頼らなければならない。これは十一月の開会だと、恐らく予算府県の手許に渡るのは十二月の末か一月頃になりはしないかと思う。実際問題とてそれまで給水を続叩け、水の中で生活をしろということは、これは私たちとしても忍びないのですね。ですから繋ぎ融資の問題は、これはまあほかの国会開会とか、補助予算の問題とかむずかしい問題がたくさんありますけれども、当面の問題としてはこれ以外にないのです。ですからもう少し災害の実態を政府でも十分御覧になつて、そういう何といいますか、我々が見るに忍びないような状態のままで放置されないように、これは副総理として特にお考え願わなければいけないことじやないかと思うのです。
  18. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 今新谷委員から御指摘の点は、政府も実は非常に心配いたしておるのでありまして、国会のほうもこの開議院運営委員会で私と大蔵大臣と呼び出されまして、いろいろ御質疑に答えながら検討いたしたのでありますが、先ほど申上げましたよう数字も大体固まつて参りましたので、実は既定経費の中からも財源を搾り出せるものがあれば搾り出したいという意味で、本日午後閣僚懇談会を開きまして、それを相談してみようと思つておるわけでありますが、もう予算もすでに半ばを過ぎておりますので、余り大きなものは期待できないかも知れませんが、その閣僚懇談会によつて既定経費の節約ができるできないにかかわらず、できるだけ大急ぎで、大蔵大臣の議運で申しました言葉によりますると、月末にはまとめ得るという話でありましたので、それがまとまればすぐにも国会お開き願つて大急ぎでできるだけ遺憾のない措置はやつて参りたいと考えております。今御指摘の点は差当り政府としましても繋ぎ融資で賄う以外にしようがないかと考えますので、この財源のことにつきまして、できるだけのことをやりたいと考えております。
  19. 永岡光治

    永岡光治君 先ほど緒方総理からの説明で、大体特別立法による補助額は千七百四十四億と推定される、それで補正としてどの程度組めるか検討中であつて、三〇%とすれば五百億、二〇%とすれば三百二十九億、一〇%とすれば百六十三億になるこういう話でありますが、これは勿論両院における立法府としての政令に対する基準要望事項を尊重されての数字と解釈しているのでありますが、それに基いて補正を今検討しているというのは、この三〇%にするか二〇%にするかによつてどうなるかということについて検討を加えておるのか、それとも政令基準に基く千七百四十四億をどの程度まで落そうかということで考えているのか、いずれのほうなんですか。それは当然私たち政令はそのまま尊重されて、ただその率を今研究していると、こう解釈しているのですが……。
  20. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) その点につきましては前々委員会からたびたび私は申上げたつもりなんでありまするが、要しまするに財源の点なんでありまして、今はつきりしている余裕財源というものは租税自然増収の約百五十億、それから剰余金の二百一億でありましたか、まあ約二百億、三百五十億しかないのであります。そこで既定経費からどれだけ搾り出せるかということもこれからやろうとしておるのでありまするが、その歳出面におきましては、この災害の問題を傭先的に考えるということは前々から申上げた通りであります。そのほかにどうしても補正に組まなければならんものが先ほど申上げました相当額ありまするので、その補正予算をどういうふうに組むか、それについては一つ考え方パーセンテージを二十にするか三十にするか十にするか、そういう点、それからもう一つの問題は地域を全地域にするかどうかということでありまするが、これは先般来委員会におきましても検討検討を重ねて来られましてひとり参議院だけでなしに、衆参両院とも一致した御意向のようでありますので、この点は今示された政令基準によるという方向に傾いております。まだ決定はしておりませんが、傾いております。従つて残るものは主なものとしましてはこのパーセンテージをどういうふうにするかということなんですが、これはいろいろいわゆる補正予算で、本予算もありまするし、金が出てもすぐ事業ができんこともありましようし、まあ大掴みに申上げて解決ができる問題じやないかさよう考えておる次第であります。
  21. 永岡光治

    永岡光治君 只今お話によつて政令基準両院の示されたその基準を尊重する建前で進んでおる、その方針に大体落付くだろうという答弁でありますので、その点はいいとして、今財源の問題で租税及びその他の剰余金を合せまして三百五十億の剰余金がある、その範囲内しか今のところ考えられないという趣旨にとれたのでありますが、先だつて委員会でも私から明確にして欲しいということで追及しておるはずでありますが、安全保障諸費というものが昭和二十七年度に予算が組まれて、五百六十億の予算でありながら、使用されたものは樺かに二十九億、それが二十八年度に約五百三十億というものがそのまま繰越されておる。これを使うならば又そういう性質のものでありますが、未定のどういうものに使うかわからん程度の極めてあいまい模糊とした内容を含んでおる項目でありますので、今地方実情を副総理は真剣に考えておるし、又私たちも状況を聞いて何とか早急にしなきやならんし、何をおいても今度の補正の問題としても或いは又二十九年度の本予算の問題としても、この治山治水から付随する対策の問題について優先的に取扱つてもらいたいということを要望しているのでありますし、緒方総理は少くとも補正予算においては優先的にこの問題を取扱うと言つておるのでありますから、私はこの予算は十分使い得るものと解釈するのでありますが、何か使えない理由があるのでありましようか、その点をお尋ねいたします。
  22. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) この問題は私ここではつきりお答えするだけの準備を持つておりません。先般小笠原大蔵大臣にもこういう意見が出たということは伝えて大臣も研究されておるはずでありますが、余り簡単にいかんような話であります。
  23. 永岡光治

    永岡光治君 それでは、その点は更に私は明確にして、なぜそれがこの水害対策経費に使えないかという明確なる説明を要求いたしまして、今答弁ができなければのちほどで結構でありますから、この点を保留して質問を続けます。  そこで今地方を廻りまして、非常に私たちが従来から心配していたことが如実に現われているのでありますが、この前の委員会でも私は緒方総理にもそのことを要求して、できるだけ努力したいという答弁を頂いたのでありますが、それはどういうことかといいますと、繋ぎ融資ということではやはり利子もつくし地方では非常に困る従つて何とか利子のつかない、いわゆる前払いようた形での対策を講じて欲しい、そのように努力するということを言つておられるのでありますが、それはどのように今まで措置されておりますか、その点をお尋ねいたしたいと思います。
  24. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) これは補助率がはつきりきまらないと概算払はできない模様であります。今の問題としては、どうも繋ぎ融資以外にやりようがないというのが大蔵省の見解であります。
  25. 永岡光治

    永岡光治君 今の答弁は、私は非常に不満だと思うのでありますが、説明の中にちよつとあつたと思うのですが、旧法範囲内のものは、当然これは特別措置でなくても支出すべき性質のものであります。査定をすでに終つているということであれば、旧法範囲内のものは私は出して然るべきだ。そのことすらやれないというのは何か理由があるのですか、在来法律で。
  26. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) これは丁度主計局長も来ましたから、主計局長からお答えするほうが確かなお答えができると思います。
  27. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 繋ぎ融資は、結局補助金を見合いに当座の応急工事等のために繋ぎ融資を出しているわけでございましてその額は約百億になつているわけでございますが、今後それをどの程度に殖やせるかという点が質問のポイントだと思います。十三号台風等につきましては、予算もまだ十分出しておりませんので、今後若干増加しなくちやならんかと存じますが、西日本和歌山近畿等災害につきましては、現行補助率の下におきまして計算いたしました補助金に見合うものは、実は大体限度まで出しているわけであります。限度と申しましても郵便貯金から運用として出しているわけでございますので、一ぱいぱいには出しておりますが、若干そこにマージンがあることはたしかでございますが、今までの実例から考えまして、この程度が精一ばいであるというところまで出しているわけでございます。尤も今後補正予算金額につきまして見通しがつき、又補助率地域等が確定して参りまして、そして今後或る程度補助金が殖やせるという見通しがつきますれば、更に繋ぎ融資を考慮する途も出て来るわけでありますが、但しその場合に考えなければならないことは、資金運用部資金金繰りの問題であります。御承知よう資金運用部資金は主として地方債その他産業資金等運用しておりますが、その余裕資金繋ぎ融資に廻しておるわけでありますが、地方債等もそろそろ計画が確定いたしまして、出して行かなければならんというよう実情になつております。現在のところは非常に金繰りが窮屈になつてつている。従いまして補助額見通しがついて参りました場合にも、非常に大きな金額を今後の繋ぎ融資に期待することは或いは困難ではないか、さよう考えております。
  28. 永岡光治

    永岡光治君 質問趣旨がおわかりになつていないようでありまして、答弁が少しぼけているので、もう一回重ねて質問いたしますが、実は地方災害復旧について、まだ臨時国会も開かれないために最終的な予算の配分ができていない。予算が成立されてないので支給されていないという建前で、繋ぎ融資で今まで災害復旧について或る程度つて来たのだけれども、繋ぎ資金が枯涸している、何とかしてやつてもらいたいということで、そこで臨時国会が開かれるまで緒方総理繋ぎ融資でやるとおつしやつている。それでは地方のほうでは利子がかかることですから困る、それでなくても実際は苦しいのですから、だから前払いと申しますか、内払いと申しますか、それが欲しいのだ、そういう形で欲しい、これは利子もつかないし、非常に有難いというので、そのことを八月から繰返し政府にお願いしている。而も今月はすでに十月です。六月の台風から申せば四カ月も過ぎようとしている。そのときに当つて未だに内払いのことが実現しないということであれば、どうも私はおかしいと思う。そこで最終段階におけるところの総額の、最終額決定査定ということはこれは予算の成立を見ないとこれだけやるという額は今のところきまらないかも知れないけれども、少くとも在来法律による適用ですね、これは今度の特別立法がなくても当然やれるのですが、査定は四カ月も経つているのだから済んだと見て差支えないと思う。だとすれば、在来法できめられた範囲内のものは当然内払いで支給されて然るべきじやないか、そのことを措置されて頂いているのかどうか、そのことを聞いているのです。
  29. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) その間にちよつと誤解をいたしまして失礼をいたしました。予算概算払は、これは公共事業費補助金についても制度上勿論できるわけでございます。但しそれには予算があることが前提でございます。それで予備費は百億ございましたが、八十億を災害救助資金或いは直轄河川その他緊急なる災害復旧の使途に使用済でございまして、今日残つております金額は僅かに二十億円でございます。そこで今後の補正予算が必要になつて来るわけでございますが、補正予算が出て参りませんと、概算払をするにも金がないというのが実情でございます。  それともう一つは、先ほど申上げましたように、査定が一部は完了いたしておりますが、公共事業関係はまだ三、四割しか済んでおりません、その確定が必要である。それから更に地域指定、政令等の内容が確定いたしまして補助額がきまらなければいかんわけでありまして、その両方の面から今日の段階では概算払をやることができない。両方と申しますのは、資金面と補助額が確定しない、この両方から概算払ができない、そういう状態でございます。
  30. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 副総理に対する質疑の展開中でありますが、只今大蔵大臣がお見えになりました。大蔵大臣が外国に出張されている間、大蔵大臣臨時代理でありました緒方総理も出席されておりますので、この際大蔵大臣から災害対策についての報告を承わりたいと思います。緒方総理並びに大蔵大臣臨時代理に対しまして、当委員会は再三委員会を開いて、その決議に基いて種々なる要望をいたして参つております。これらの点については、小笠原大蔵大臣は帰国後詳細に連絡を受けていると存じますが、従つてその線に沿つて種々災害対策をとり行つて来られたことと存じます。従つて今から大蔵大臣としてとられました災害対策につきまして、更には今後の見通しについて先ず承わりたいと思いますが、その冒頭に先ず大蔵大臣から改めて確認して頂きたいことは、大蔵大臣が外国に出張されている間、大蔵大臣臨時代理として緒方国務大臣が本委員会に汚いて答弁されたことは、当然小笠原大蔵大臣はそのまま引継がれているものと当委員会考えるわけでございますが、それを改めて確認願つた上で報告を承わりたいと存じます。
  31. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 只今委員長お話のございました緒方総理が私の渡米中代理された、その代理としての御答弁に対しましては、又御意見に対しましては、これは私はこれを全部確認をいたします。さよう御了承を願います。  それで、丁度私が帰りましてからいろいろ報告を受けましたので、爾来まだ十三号台風等はその後の調査が十分でない点等もありますが、一応とりまとめた数字等に基きましてそれぞれ対策を立てることにいたしておるのであります。すでに十二億数千万円この十三号台風に対しましては繋ぎ資金を出しましたほか、更に今数字の整理中でありますが、今明両日中に同額以上を出したいと考えておるのであります。更に必要に応じまして繋ぎ融資をいたすことは勿論であります。予算化の問題につきましては丁度皆様のお手許に行つておると思いますが、多少数字に移動があることは御了承願わなければなりませんので、私が引継いだときの数字によりますと、この五日付でありますが、更にその後のものが出て来ると思います。と申しまするのは、例えば福井県の若狭の地方とか、或いは三重県の紀州のほうの地方、或いは愛知県の一部等でも海岸地帯の分で報告が、つまり余りにひどい被害のために当面のことに追われてしまつて報告が十分できていない地方があるのでありまして、従つて数字に多少の異動があることはあらかじめ御了承を願いたいと存ずるのでございます。私が五日に承知いたしましたところでは、現在まで被害報告額として受けておるのが二千六百八十一億九千七百万円であります。それでそのほか仮にまあ冷害等のものもこれは全然含まれておりませんので、これも相当な牧字に相成ると思いますが、仮にそれを百億と一応見込んでみます。そういたしますると二千七百八十一億九千七百万円となりまするので、これが私ども受けておる報告額でございます。これに対しまして大蔵省査定をいたしますると、これが二千十一億二千八百万円となるのでございます。その大蔵省査定額に基きまして現行法でやりますると、千四百八十八億八千八百万円の補助金を要することになります。それに今度本委員会等でも二十四の特別立法が通つておりますので、これを一般に及ぼすことといたしますると、三百十億六百万円というものが加わることになりまするので、合計いたしまして千七百九十八億九千四百万円を要することになるのでありまして、かくのごとく日本のまあ災害査定金額の多いことは今までの歴史にないことと存ずるのであります。それで従いまして、この助成金、補助金等を如何にすべきかということについて今工夫をいたしておるのでございますが、一方財源等窮屈の事情は皆様がた御承知通りでありますので、それでどういうふうにこれを実施すべきかという点についていろいろ按配をいたしておるのでございます。従来の例によりますと、例えば従来はよく三・五・二、災害のあつたその年が三、次年度が五、三年度が二というふうな割合でこういうものを出しておるのでございますが、これを如何にすべきかということ等につきましては、今相談をいたしておるのであります。特にこの補正予算に盛るべき分につきましては、これは数カ月しかございませんので、多少数字が三・五・二の比率によらんことは勿論でありますが、全体の数字を睨み合わせまして、如何にすべきかということにつきまして、今毎日検討を加えつつある次第でございます。併しながらこういう必要な繋ぎ資金につきましては、これをやりまする一方、例えば災害対策予備費として百億円計上されましたものの中約八十億円は支出済でございまして約二十億円ばかりまだ手許に残つております。これも近く支出することに相成つているのであります。こういう異常な災害に対しまして皆さん方の御帯心の点もお察しいたし、又平素感謝も申上げているのであります。私といたしましても十分なことはいたしたい思つておりますが、一方財源等の関係もあり、只今のところそれではどれだけを二十八年度の補正予算に盛るべきかということについては、まだこれは相談中で決定を見ておらんという事情でございます。併し取急いでこれはきめたい、かよう考えているのであります。なおお手許にこの融資額の調べとか、或いは予備費の使用状況は差上げてございますか。
  32. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 参つております。
  33. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) それから国費所要見込額というようなものも差上げていると思いますので、一応こういうことであるということ、政府もこれに対しましては、この異常な災害克服のために最善をつくしたい決心を持つているということだけを御報告申上げさして頂きたいと存じます。
  34. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今の両大臣の発言の中に非常に重夫な問題がありますので、質疑に入る前に委員会を代表して伺います。その点は、先ほども緒方総理政令通り三〇%として五百億、二〇%なら三百二十九億、一〇%なら百六十三億というふうな三〇、二〇、一〇%の数字を上げられたわけですが、又小笠原大蔵大臣は、従来の災害復旧は三・五・二の比率で三カ年でやつておつたが、これもこの通りにやるか、それとも緒方総理が言明されましたように、ずつとおすそ分して巾広くすれば、三・五・二という従来の三カ年計画の復旧も変つて来るのではないか、こういうよう内容を含んだ発言をされているわけです。ところがごの問題については、緒方国務大臣は本委員会において再三再四委員質問に対して災害復旧は三カ年でやる、それ以上は延ばさない。従来通りの三・五・二で行くよりいたし方ない、こういうことを答弁され、更に例えば文教施設の復旧のごときは立法府の意思によつて法律の中に二カ年で復旧をしなければならんように条文化されております。そういうようなものについては立法府の意を尊重して三カ年でなくて二カ年で復旧工事は終るように努力するということも答弁されておられるわけです。そこで両大臣にここで明確にして頂きたい点は、災害復旧を三カ年計画で完遂される、これを四年とか五年とか六年とか、ずつと延ばすようなことは絶対にしないということを前委員会において緒方総理の言明された点を確認して頂きたい。小笠原大蔵大臣のさつきの御説明は、災害復旧を三カ年を、或いは四年、五年と延ばすよう考えはない意味において言明されたとは思いますけれども、ちよつと誤解される向きがありましたので、改めて御答弁お願いいたします。
  35. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 今矢嶋委員長から御指摘がありましたが、私は三・五・二ということを非常に決定的に申したようなふうにとれるのでありますが、これはもつと今までの慣例を破つて早く、或いは予算をもつと大きく、予算の割合をもつと大きくする方法はないかという御質問に対して答えたのでありまして従来のやり方以上のことはできないように思うということを申したと記憶いたしております。そういう意味で、或いは四・四・二とか、或いは二年に実施したいということに対する答えだつたと御了承願います。  それから今の文教施設等の法律に明記したもの、初年度に六割というようなことであつたと思いますが、そういうことは法律を尊重するという意味で申上げたのでございます。念のために申上げておきます。
  36. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 私が申しました意味は、三・五・二というのは従来の例である。そこでそれに沿つて行く方針であるけれども、併し今丁度緒方総理より話がありましたふうに、もつと初年度に余計出したらどうかというお話があることと、それからもう一つ予算化するときに、例えばこの二十八年度を三と見るべきかということになると、もう年度が非常に少いので、その場合いわゆる本当の一カ年と見るかどうか等の問題もあるので、そこで補正予算には三を見ることはむずかしいということを私は申上げる意味お話を申上げたのでありましてその関係について、私はその三・五・二というのが従来のやり方である。成るべくその線に沿つて行きたいが、併し補正予算その他の関係もあり、全般の予算関係もあるから、これは私一存でここで決定し得るものでなく、これは正直に申上げますと、いずれにしても予算等の閣議決定を要する次第でありますから、そういつた線で行きたいというとに変りがないということはここで申上げておきます。
  37. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 復旧期間が三カ年よりは延びないということは方針としてははつきりしている、こういうふうに了承いたします。さようでございますね。
  38. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) これは先般の衆議院の対策委員会でも、建設大臣は自分の希望なり考えとしては二年でやりたいというよう意見も出ておりまして、政府の間の意見をまだ調整しておりません。併しそれは決して特段の大臣意見を聞かれたからその大臣が言つただけで、政府意見が不統一というわけではないのでありまして、これは予算編成と同時にその意見を調整して、政府としての最終的な意見決定して行かなければならんと考えております。
  39. 永岡光治

    永岡光治君 それでは大蔵大臣もお見えになつているので、関連をして更に質問を続行いたしますが、只今主計局長答弁によりますと、在来の法規よる範囲内の支出の問題にしても、一応予算が百億の程度しか今予備費はない、そのうち八十億は使つたから二十億しかない、そういう意味補正を要しなければ出せない、こういう話であります。併しながら私はこの点は主計局長も恐らく大蔵大臣も認めておると思うのですが、地方が非常に困つてつて利子の付かない補給金を、金をもらいたいということはわかつておる。そうしますと、予算措置はできないからということであるが、これは予算措置があろうとなかろうとそういうことにかかわらず法律があれば、在来の法には特別立法がなくても当然支出すべきものだと考えるのでその分は本当は出さなければならん、この法律を以てすぐでも出さなければならんので、そういうものを考えたときに、幸い補正で組むのですから、この繋ぎ融資に対するところの利子補給、こういうものを一つ組む用意を持つておるか、当然組んで頂きたいと思つておりますが……。
  40. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 繋ぎ融資利子負担が相当嵩んでおりますことはよくわかります。できるだけ早く補助金そのものを出す必要もあるわけでありますが、先ほど申上げたように、その点その利子について財政上どういうことになるかと申しますと、これは地方財政計画の中に入れられるわけであります。そうして地方財政計画の中に入つて、結局は平衡交付金というような問題になつて来るわけでありまして、その負担が非常に堪えられないものであるということになりますれば、そちらのほうで調整する、そういう問題になろうかと存ずるのであります。
  41. 永岡光治

    永岡光治君 堪えられないものであることは、非常に困つておる水害地であるから、困つておることは事実です。だから政府補助金を出してもらい、特別立法までしようという段階ですから、これは当然いずれは平衡交付金の中に見る性質のものかも知れませんが、当然見るべきだ、その点は補正予算のときに考慮を払わるべきものだと考えてよろしいかどうか、念のために……。
  42. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 地方財政平衡交付金は現実の支出額と現実の歳入で行つておるのじやないのでありまして、標準財政収入と標準財政需要ということで行つておるわけであります。むしろその場合に、そういつた利子負担が要するに入つて来るわけでありますが、現実に各市町村が出したということを市町村別に検討して配るというような仕組でなくて、一定の基準で配るということになるのでありますから、具体的にその負担がそつくりそのまま平衡交付金で賄われたといううとに各町村別、団体別になるかどうかは疑問であります。併し全体としては地方財政計画の中で考慮せらるべきものだと存じます。
  43. 永岡光治

    永岡光治君 更に大蔵大臣にお尋ねいたしますが、只今三・五・二の問題で委員長からも質問があつて、一応初年度について三にするか……、今の答弁の中で問題になりましたので、非常に気にかかつたので質問するわけですが、年度末までにもう何カ月もないというお話ですが、確か十三号台風の問題についてはこれが起つたのは九月の下旬かも知れませんが、すでに六月、七月は予算こそ成立しないけれども、復旧事業は地元でやつておるわけで、それだけの金が行つておるわけです。而もその工事内容によつては、取りわけ農村の農地の復旧等の問題についてはできるだけ来年度の作付までに間に合せたいという希望は非常に強いわけですから、これは初年度は五乃至六くらい要求してもよい性質のものかも知れません。そういう意味で三・五・二というと、三に行かないという印象を受けては非常に困るのですが、その点は十分に考慮してやるでしようが、四年になることも結果においては出て来るかも知れませんが、そういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
  44. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 私が今申しましたように、十三号台風の遅れておる分もございます。時間的に期間の少いものもございますが、これはよく実情に即して、もう災害復旧の急なることはよくわかつております。自分も災害を受けておるのでわかつております。このことについてはよく実情に即したものを出したい、かよう考えております。いずれにしても近く予算通りますから、その節に御審議を願いたいと思いますが、御方針はよくわかつております。ただ、今申上げた通り、きちんと三になるか、或いはやり方によつては三以上出し得るか、或いはそれが欠けるかということについては、予算化するときの問題でございますので塔きりと聖げかねるのでありますが、その方針で進むことははつきり申上げておきます。
  45. 永岡光治

    永岡光治君 念のために……。そうすると私が先ほど申上げたように、三になるか四になるか、五になるか六になるか、そういう問題は地方実情として早急に復旧してもらいたい、又そういう事情であることは現実に認めておるから、そういう方針で予算補正するとき考慮すると、こういうふうに確認してよろしゆうございますか。
  46. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) そのうちで、たとえて言えば、初年度はそうやらなくても、次年度で大きくやればよいというものもございましよう。同じ復旧でも災害程度如何によつては次年度に大きくやれば早く片付くものがあるということは永岡さん御承知通りであります。これらの点を考え合せまして実情に即するようにやつて行つたらどうか、今度の災害についてはそういうふうに考えております。ただ政府の方針としては従来の三・五・二ということで進みたいということを申上げたのであります。
  47. 左藤義詮

    左藤義詮君 先ほど新谷委員から非常に現地が困つているというお話があつたのですが、これに対する繋ぎ融資をそれぞれやつておられますが、特に台風十三号につきまして十二億先日お出しになつた。今度は十億と先ほど副総理からのお話があつたのですが、只今大蔵大臣お話ですと、十二億とありますが、これは十二億に間違いありませんか。
  48. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 十億以上と実は副総理は言われたんじやないかと思いますが、この間の話は十億以上出すことにしようと、実は私この前十二億出しているのだから、それ以下じや実情が困るだろうと思つて今十二億と申上げたのでありますが、十億以上出しますから、大体十二億は出したいと考えております。
  49. 左藤義詮

    左藤義詮君 これは今明日中に御決定というお話が先ほどありましたが、大体この前十二億お出しになつた各県のそれぞれ基準がございますが、大体これの標準で明日までにはおきめになる、かように了承してよろしうございますか。
  50. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 先般出しました十二億二千万、これは二回に亙つておりますが、につきましては、台風十三号の直後に、その当時集つていました災害報告を基準にいたしまして割振りをきめたのでございますが、その後県によりましては相当被害も殖えているという所もございますし、今日までにわかり得る最近の資料を基礎にいたしまして、それを基準にして適当なる配分をいたしたいと存じております。必ずしもこの前出しましたような割合にはならないかと思います。
  51. 左藤義詮

    左藤義詮君 さよういたしますと、この前よりも、繋ぎで片がついたという所は殆んどないと思います。皆困つている所が非常に多いのでございます。それ以に福井県その他いろいろ事情がわかつて来たとしますれば、十二億よりももつと殖えなければ実情は非常に私は困ると思うのです。これだけでも非常に……まあどうにかやつたのですが、あと皆困つているわけです。それに対して第一回の分よりも、もう第回で済んだからあとはもういいだろうというようなところがありますかどうか、その実情をもつと御把握頂いて……。
  52. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) それは左藤さんのお話だが、第二回としてそれを出しますが、これを以て何ら足れりとは考えておりません。従いまして、その後の実情を私が考えて、まだずつと要り用だと考えております。従いましてこれは引続き出す考えでございまするから、さよう御了承願います。
  53. 左藤義詮

    左藤義詮君 第二回でお終いでなくて第三回、殊に補正が若し遅れますれば、相当今後そういう点にも御努力がなされるというふうに了承してよろしうございますか。
  54. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) さよう了承なさつて結構でございます。
  55. 亀田得治

    亀田得治君 大蔵大臣に御質問いたしますが、大体今月末で予算のめどがつく、こういうお話だつたと思うのですが、直ちに国会はお開きになる予定でしような。
  56. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 今月末までで補正予算の編成の見通しはつくのでありますが、単にこれは私大蔵大臣一存では今の亀田さんの御質問は御返事ができかねる事柄でございまして、大蔵省としては補正予算に対しての編成の見通しは今月末でできる、こういうことを実は申上げた次第であります。それなら補正予算ができたらすぐ国会を開くかどうかということは、これはむしろ副総理にでも御答弁願つたほうがいいのじやないか、大蔵大臣としてすぐに何することはむずかしいじやないかと思います。
  57. 亀田得治

    亀田得治君 それは勿論大蔵大臣補正予算を作ればいいのです。ところが今問題になつているのは、補正予算がどう出て来るか、これが臨時国会を開くか開かんかの焦点なんです。そういう意味で実は端的にあなたに聞いたのです。月末までに補正予算の、方針と今言われましたが、方針じやなしに、補正予算があなたのほうでできなければ政府のほうで開こうと思つてもできないわけですね。月末までに方針じやなしに具体的にちやんと数字ができますか。
  58. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 数字のとりまとめができるという見通しだということです。
  59. 亀田得治

    亀田得治君 それでは副総理にお聞きしますが、これは本当はそんなに念を押す必要はないのですが、今まで国会が随分延びておる。各地方でもこれは非常に待望しておる問題です。今の大蔵大臣答弁から行きますと、補正予算は月末でまとまる、従つて月末まとまると同時に国会を開く、まとまる日を予定をつけてでも事前にこれは召集する、そのくらいに実はやるべき私は急ぐ問題だと、こう思うのです。そうすれば十月末にはこれは開ける、十月末といえば三十日でも三十日でもどちらでもいいのですが、そういうふうに理解してよろしうございますか。
  60. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) まだ大蔵大臣補正予算見通しが文字通り見通しでありますので、はつきり日を言うことはできませんが、予算準備ができれば日でも早く臨時国会を開くこれは態勢をはつきりしたいと思います。
  61. 亀田得治

    亀田得治君 先ほど大蔵大臣は月末には数字のとりまとめも完了する、これはこういう重大な段階になつて大蔵大臣がおつしやるのですから、これは当然副総理にしても信用されていい言明だと思います。そうすれば当然これは今の状態から言つて月末には開く、こういうふうに殆んど確定的に私ども了解してよろしいと思うのですが、もう少しそこをはつきりおつしやつて頂きたい。
  62. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 殆んど確定的、殆んど決定的な情勢であると思います。
  63. 亀田得治

    亀田得治君 大蔵大臣にそれではお聞きしますが、副総理は最初に補正予算の問題についてお触れになつたときに、日本の心配されているインフレの問題とか、そういうような点も勘案して補正予算の大きさをきめたい、こういうようお話だつた。これは尤もだと思うのですが、大蔵大臣としては一体補正予算の総額をどの程度に現在考えて、これをとりまとめようとされ  ておるのですか。
  64. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) それはまだ実は補正予算数字をとりまとめておりませんので、方針だけしか申上げられませんが、方針としては、私は大体補正予算を入れても最初の一兆円の線にとめたいと思つておつたのでありますが、異常なる災害等の問題もありますので、それらの点については若干の特別な考慮もいる、こういうふうに考えておりまして、そこで多分副総理からもお話があつたことと存じますが、実はどれだけ災害対策費を見るかということが非常な重要点でございまして、その点から今各省に既定経費のうちでも成るべく延ばし得るものを、節約し得るものを節約してもらえんか、それに基いて一つこの額をきめたい、こういうところから本日もそういつた関係閣僚の懇談会を一時から開きまして、その額をとりまとめたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  65. 亀田得治

    亀田得治君 そういう既定経費に手をつけないとすれば、大蔵大臣の方針によりますと、三百億から四百億程度までしか余裕がないですね。私先ほど、三〇%であれば五百億、二〇%であれば三百二十九億、一〇%ならば百六十三億、こういう説明をこちらが別に質問をしないのにされている。私はどうもこういう例を挙げられたところを見ると、このうちの番低いところを実は考えておるのじやないか、そういうふうな気もするのですが、只今大蔵大臣のそういう御答弁等とも勘案して見ますると、ほかの既定経費がうまく節約されて出て来ればいいのですが、出て来なければ大蔵大臣のそういう予算編成方針を堅持して行く以上殆んど出ないのですね。最低の数字になつてしまうと思うのですが、その点はどうなんでしようか。少し悪く推測し過ぎておるかも知れませんが。
  66. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) これも卒直に申上げておくと、これはこの前も申上げました一兆という数字を、一兆の線は守りたいが、きちつと一〇〇、一〇〇〇、〇〇〇というもので終らなければならないものと考えてはおらない。少しくらい。の上に殖えるものがあつても、それが国民の心理に何ら影響なく行けるものであれば、誰が考えても一兆の線だということに理解のできる範囲のものならこれは考えてみたい。それを或いは数字的にやはりそれじやどこだと言われると、それは予算を編成してみなければお答えできない点で、今日からそれじや幾ら出すんだということをお尋ねになりましても、これは予算を編成する途上ですから正確に申上げられない。今私が申上げた程度で大体御理解が行くのじやないかと私は思うのですが。
  67. 亀田得治

    亀田得治君 ちよつと了解が行かない。もうあと二週間そこそこの期間ですから、大体のめどをつけなければ私はいけないと思うのです。例えば一兆円ということをあなたは言われる。少しくらい出ることはいい、少しくらい出ることの大蔵大臣としての考え方ですね、これは私あろうと思うのです。この考え方がなければ既定経費を節約してもらいたいと各省に言つたところで、各省だつて先だつて国会で天引的に相当削られたところもありますし、相当なやはり窮屈な場所もあるでしよう。だから大蔵大臣がいろいろな財政計画から見て少しくらい膨ましてもいい、この災害関係でこれだけ要るのだから、三百億とか五百億とか、これだけは大丈夫だと、こういう線をはつきり出して行かなければ私駄目だろうと思う。恐らく肚の中ではすでにきめておられるだろうと思うから私お尋ねするのですが……。それからこれは誰でも知りたがつておることだと思います。その点がはつきりしないと幾ら論議しておつても最低の線でいい加減なことになつてしまう。現在すでに国会が開かれておればこんなことは皆が堂々と討論して、それを通じてよくわかります。それが開かれておらないから私は卒直にお聞きするのですが、それは大蔵大臣として先ほど、何か事前にどの程度まで膨ますかはちよつと申上げられない、それはおわかりになるでしようというようなことでしたが、それはもう少しその点今持つておられる肚の中というものを明らかにしてもらいたい。
  68. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 私は常に申しますが、一兆円の線を守りたいと思います。併しながらその予算のいろいろ既定経費の節約その他を図つて見ても、併し必要とする災害対策費が出ぬ場合には、その場合には今申上げたように膨ましてもいいという考えは毛頭持つておりません。これはよく誤解のないようにお願いしたいと思います。膨ましてもいいとは思つていないが、これは誰が考えても一兆の線内だ、もう一遍繰返しますが、一〇〇、〇〇〇と続いた。の以下でなければならんとは思つておりません。併し誰が考えても、ちよつと上になつたところなら膨ますんじやない、線の中に隠れるよう数字であつて而も災害対策に行けるものなら、その程度のことは考えなければならん、こう思うのです。
  69. 永岡光治

    永岡光治君 禅問答みたいだ。
  70. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと待つて下さい。
  71. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 数字的にお考えを願えば私はわかると思います。
  72. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと待つて下さい。私は委員会をずつと運営して参つて委員長という責任の立場から今日両大臣答弁を承わつてつて聞くに堪えないものがあるのです。それは私は委員長として多く申したくありませんが、余りにも災害対策が進まないのと、両大臣の本日に至つてのそういう質疑応答を聞くに忍びないものがある。  従つて若干伺いますが、先ほど繋ぎ融資の問題が出ました。一応これにピリオドを打たれておりますが、この問題についても国会は延びた。先般の委員会では前払も研究しようと言つたが、前払も行われていない。それから六、七月の災害については八十四億三千万円の繋ぎ融資が出ただけで、その後一円も出ておりません。繋ぎ融資はどうして出すのかということを聞くと、先般の委員会では、大蔵省被害額の七割の二五%が融資のめどだ、こういうふうに言われております。更に大蔵大臣は衆議院の委員会では国庫負担額の五割が繋ぎ融資のめどだ、こう言われているのです。大蔵当局から出た六、七月の災害査定見込額は千十二億となつていますから、八十四億三千万円にプラスして出るということは明白なんです。更に先ほどから出ました十三号台風につきましても、これは査定見込額五百九十三億はここに資料を出されている。この五百九十三億の七割の三割としても百二十五億なんです。この百二十五億の五割を繋ぎ融資のめどとするならば、概算して五、六十億の繋ぎ融資がすぐ出るはずだ。それを十二億だけ出して、本日まで、委員会が開かれるまで一円も出さないで、今日今になつて十億以上或いは十二億くらい出ましようとか、これ切りでなくてあと若干出ますという程度のことをこの委員会に発表されておつたのでは、これは委員長として黙つて聞いておられないのです。それは大蔵大臣としては予算関係で責任の立場でお悩みがあるということはよくわかります。併しやらなければならんのですからね。近畿あたりは再災害が起つておるのですから、だからその点非常手段を講じてもこれは私はやつて頂かなければならんと思います。その点に対する答弁と、それからもう一つ、今の一兆の問題でありますが、これは十三号台風が起る前ですよ、あらゆる角度からの資料を以て本委員会委員が追及したときに、当時大蔵大臣臨時代理であられた緒方国務大臣は、小笠原大蔵大臣が外国へ行つておる、自分は留守をあずかつておる、だから自分が今ここで一兆割つてもいいとか、割らないとかいう言明ははばかる、徹頭徹尾こういう答弁をされました。併しそのときに委員が詰め寄つたときに、副総理答弁の言外には、台風十三号が起る前においても、この災害復旧を図るためには若干一兆の枠を出ることもいたし方がないというようなお気持が秘かに潜んでおると、こういうふうに我々は答弁を聞いておつたわけです。その後十三号台風が起つた。その十三号台風は、先ほど申上げましたよう査定見込額が、あなた方の査定見込額が五百九十三億ですよ。この災害の七割の三〇%として百二十五億です。これだけの災害がプラスされておる。今一兆の〇〇〇の先が少しというような相当算術的な答弁をされておつたのでは、一体六、七月の災害はどうなるのだ、八月の災害はどうなるのだ、そのあとに起つた十三号の災害復旧はできるのかどうか。これは誠に私は寒心に堪えないものがあると思うのです。これはいろいろとその国家財政上お困りのことはあると思いますけれども、これだけの災害というものは滅多に起らないことでありますし、全く我が国にとつては災難で、異常災害なんです。これはやらなければならん。どんなことをしてもやらなければならん。恐らく私は大蔵大臣はアメリカにおかれても今年の日本における災害の大きいということとその異常性ということは説明して来られたと思いますが、もう少し積極的な答弁委員諸君に与えて頂きたい。委員長として両大臣に特に要望いたします。とにかく黙つて聞くに忍びないものがある。如何でしよう
  73. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 何かちよつと聞き違いがあるのじやないかと思うのですが、さつきここで申上げた通りに、私どもはこの十二億をこれで以てピリオドを打つたなんということは毛頭申しておりません。又今日ここで委員会が開かれるから、今日、明日出すのではなくて、昨日の閣議で申しておるのでありまして、今週中にはそういう処置をとる、これは御承知通り、金というものは人夫賃に払うとか材料費を払うものであつて、一時に余計出す必要があるものじやないだんだんだんだん実状に応じて出して行けばいいので、従つて今の御質問に対しましても、更に繋ぎ融資を十二億出すが、なお足らん部分については実状に応じて出しますということを申しておりますのですから、何らピリオドを打つと、聞くに忍びんというようなことは申上げておらないつもりであります。  更に又今の一兆円の問題でありますが、これは私は数字が固まつていないのですから、固まらん数字について的確に申上げますことはまだ許されません。閣議の決定を経ておるわけではないので、ただ私がいつも一兆円の線を堅持すると言つておるけれども、こういう異常なる災害のときには確かに膨らみが必要である。ただその上で膨らむと言われると非常に何ですが、そこは俗に言う……、これは皆さんおわかりになると思う。一兆円の線の中に含まれるよう数字、それで私は殖えると言つたのは、数学的な問題で言うのではないという意味を申上げるのに言つたのでそれは的確な数字を出さねばわからんじやないかと言われればその通りでありますが、おわかりが願える方も私は相当あると思うのであります。従いまして私どもは的確な数字予算案を閣議で諮つて編成した上でお出しいたしまするが、この異常なる災害に対して何とかして災害対策に余計な金を出さなければならんと、この心持で今概定経費ですらいろいろ節減してもらいたいと言つておるのでありますから、この災害対策に対する金の出し方について私は何ら渋る気持は毛頭持つておりません。このことを御了承願いたいと思います。
  74. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 私はもう一言申上げますが、私は決して誤解していないのです。それはこの委員会繋ぎ融資の議論が一応ピリオドを打たれたと私は言つたのでありましてあと十三号台風に十二億出ることで終りだと言つたのではありません。この十二億の出し方も遅いですよ。それから六、七月の災害についても八十四億三千万出して今日まで前払もしなければ繋ぎ融資もしていないということは遅いですよ。大臣、現地に行つて市町村長や県知事に聞いてみて下さい、どうしても金が必要なんです。  それから大臣のお言葉を承わつていると、算術云々と言われますけれども、如何にも五十億か六十億程度一兆を出るような印象を受ける。これは十三号台風だけでも私が申上げるように、あなた方の査定の七割の三〇%にして百二十五億ですよ。従つて一兆出るという場合に、〇〇〇なんと言つて百億程度出て、更にさつき緒方総理が言われるように、これをずつと全国的に拡げるようなことをすれば、大災害を受けた県はどうなるのですか。膏薬貼つた程度で、再災害ということは容易に予想されるところで、極めてこれは重大なことだと思うのです。小笠原大蔵大臣のお言葉では、如何にも一兆の先に二十億か五十億か八十億ぼつつと付くような、極めて消極的な御答弁でありますので、これは決してそういうよう意味でないという今の御発言のようでありますから、それだつたら若干私は愁眉を開くのですが、余りにも消極的な御答弁なので申上げるのです。
  75. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 それに関連してお尋ねしたいのですが大体昨日或る程度各省のほうに、いわゆる既定経費の節約という周題が議せられたやに聞いておる。相当大きい額を先ずお話なつように聞いておる。大体それは総額およそ幾らぐらいを……、この年度もかなり半ばを超えて捻出するんだからよくよくのことでしよう。下手な捻出をすれば、非常に非効率的な、今までの既定経費のロスを生ずるという問題もありましよう。それを承知の上でなお且つその捻出方を鳩首御協議になるのだから、恐らく或る程度の数量は出さなければならないという問題がある。その数量がおよそ幾らという目安をつけておるかという問題と、それからもう一つ、衆議院のほうの水害委員会では、大体十日になれば政令で指定したいわゆる特定地域が大体内示ができようと、こういうふうなお話をされたそうです。恐らくそれは今日資料を頂いた大蔵省の五日附の特別措置法による場合の増加分との関連においてもうおやりになつているんだと思うのですが、果して十日にはそういうふうな段取りになりますか、この二つをお聞きしたいと思います。
  76. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつとその答弁の前に私も一つ聞き返してお尋ねいたしますが、それは新聞、ラジオで、新規の公共事業、未着手のものを中止するというようなことを報ぜられておるのですが、新規の公共事業については、前回の本委員会では、緒方総理並びに建設大臣から、新規の公共事業を中止するようなことはないと、こういうふうに言明されておりますので、その点も三浦君の答弁に併せて伺いたい。
  77. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 新規の公共事業を中止しないと私が言明したときのことを小笠原大蔵大臣承知してないと思いまするので、一言附加えさせて頂きますが、それは当時そういう方針を以て閣議に諮つたのでありますが、つまり公共事業の二十八年度分の実施予算の中から何がしかを絞り出そうという計画を立ててみたのですが、そのときの状況で、それはもうすでに通知済みであつて不可能であるということで、一応それを打切つたことは事実であります。然るにその後災害が更に又殖えて参りまして、財源に一層窮して参りました結果、もう一度同じ狙いというわけではありませんが、全般について財源を絞ることができないかということで閣僚懇談会を開いたのであります。私及び建設大臣の発言はそういう意味で申したのでありますから、この席で一応念を押しておきます。
  78. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 三浦さんの分と委員長の分についてお答えいたしますると、私どもは実は新聞なんかが、一割やればこうなるというのは、あれはやればこうなるという数字が出ておるのでありまして、それならば別に懇談会を開く必要はないので、これは実情に即したものでやらなければなりませんのと、今三浦さんの言われたように、もう年度が大分過ぎておりますので、従来のやり方のごとくには行かんと思いますが、併しこういう相次いで起つて来た大きな災害のためにできるだけ多くの財源を皆で捻出すると、こういう建前災害に対する努力をいたしたいと、かよう考えておる次第であります。従いまして数字が五—七十億にとどまるか、或いは百億に達するかということは、ちよつと各省の実情に即することでありますからはつきりと申上げにくいのでありますが、多くなればそれだけ余計災害対策費に振り向けられることになりますので、できるだけ御協力を得たいと考えておる次第であります。従いまして実情に即することですから、ここで中止するとかせんとかいうことは、これはそういうことをここで概念的に何らきめるものではございません。  それから次に政令の点についてでありますが、全部の政令が十日にできるかどうか、これは少しむずかしいのではないかと思いますが、農林省関係政令につきましては十日までにできる予定でおります。建設省関係の分も十日までにできます。なお、それは政令ができるのでありまして、地域の問題はこれはきめておるわけではありませんが、政令はできます。それに基いていろいろきめられるわけであります。政令も大体両院で御決議になつた極意に基いて作つておりますので、実はあの分を盛り込んだ分が三百十億になつておるわけであります。
  79. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 それでは一つ補足的に森永主計局長にお伺いしたいのですが、例えば政令が今大臣お話ように、府県においてはこう、町村にあつてはこうと、例えばこういうよう政令であつて、あとは補助政令とか何とかを出すと、具体的な出し方はそういうような手段になるのだと思うのでありますが、そうとしても、ここに例えば百六十二億といつたようなものをあなたのほうで概定しておりますが、その概定しておるのはどういうところから出たのか、それをちよつとお聞きすると今大臣が言われた点が更に明らかになると思うのでお聞きしたいのです。
  80. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 十日にお目にかけます政令案は、只今お話がございましたように公共事業の復旧費の補助についてはこういう基準、それから農業については、例えば一戸当りの損害が幾らというよう基準でございまして、それに基いて各省大臣が具体的に県なり市町村なりを指定されるわけです。これは恐らく各省の告示になるかと思います。そういう段取りになるかと存じます。従いまして具体的な告示ができますのには、農家の被害なり各市町村別の公共事業費の復旧費の金額なりの査定が完了しなければならないわけでございまして、それを待つて具体的に市町村なり県なりが指定される、こういう段取りになるわけです。  私どもがここにお目にかけましたものは、これは推定でございまして、被害報告は、これは各県から各省に報告があり、各省からこのまま大蔵省に報告がありましたものをその主まとつておる。それに対しまして査定は、過去三年間の報告と平均率で査定いたしております。その次に出ております現行法、これは現行法の平均負担率で、七割五分見当を政府の負担になるものとして出しております。その次の三百十億につきましては、あの法律趣旨を織込んだ場合に、仮に全域に適用されるということになるとどのくらいになるだろうかということを荒見当をつけましたものでございます。例えば公共施設については平均九割何分になるだろう。農家については何割になるだろうということを見当をつけまして、それで三百十億というのを出しておるのでございまして、現実の査定を了しない一応の推定であることを御了承頂きたいと思います。
  81. 亀田得治

    亀田得治君 さつきの問題に関連しているのですが、既定経費の節減ですね、これは先ほど議論もあつたようになかなかむずかしいと思います。ただ相当多額を期待できるのはやはり何と言つても防衛関係費だけじやないかと思います。端的に言つて……。そうしてこれは昨年のこの費用の使い方を見てもこれは想像できるわけですね。で、先ほど副総理のほうではその点の答弁を少し保留されたような恰好になつておりますが、大蔵大臣としては、既定経費の節約ということを問題にされておるときにこの問題に手を著けておられないのですか。
  82. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 御承知のごとく、この問の何といいますか、予算の修正のときに相当保安庁を大巾にやつておるのでありまして、余地があればこれは協力をしてもらいたいと思つておりますが、果して余地ありや否や、どうもはつきりいたしません。
  83. 亀田得治

    亀田得治君 非常に国の財政として金が窮屈なときでありますから、たとい保安庁関係経費として最終的に認めるとしても、使い残りが翌年度に、昨年のように非常にたくさん残つて行く、こういうようなことは今から検討すればわかると思うのです。そういう点のやり繰りはこれは当然してもいいことだと思います。これほど窮屈なときですから……そういう意味で聞いているのです。昨年の例から言つても相当私は莫大なものがあるやはり今年の年度末にはあるだろうと思いますが……。
  84. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) その答弁の前にですね、大蔵大臣、この問題についてはこの前の委員会でも問題になりましてね、そうして主計局に委員長が出掛けて資料提出を要求してあつたのがここに提出されましたが、これを御覧になつたと思うのですが、防衛関係のは、歳出予算額はこの表で、本年約千三百三十七億円でしよう。前年度の繰越が千五十五億円、合せると歳出予算現額は約二千三百九十二億円となり、それが七月末現在の残額は約千八百九十五億残つているのです。千八百九十五億、これは大きな金だと思うのですね。で、災害予算を余計組む場合はインフレ要因となつて云々ということを言われておりますが、これを若干振向けるようにすればインフレにもならないで、当面の大災害予算が組める。最も私はこれは関係方面に了解を得て手を著けるべき問題じやないかと思うのですがね。七月末現在残つているのが千八百九十五億でしよう。本年度の当初予算千三百三十七億、これ以上が残つているのですからね。これの御検討を主計局にお願いしてあつたのですが、大臣としてどういう御見解を持たれているかですね。先ず数字的なことを主計局長説明されて、あとで大蔵大臣答弁を得たいと思います。
  85. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) お手許にお配りいたしてあります表は二表ございます。一つ予算全体の執行状況でございまして、只今お話がございましたように、前年度からの繰越が千百八十九億ございまして、それと今年度の予算九千六百五十五億を加えましたものの中から、七月末までに支出いたしました金額は二千五百三十六億でございます。差引八千三百七億が残つておつたわけでございます。その中で防衛支出金、安全保障諸費、保安庁経費につきましては只今お示しの通りの現額になり、又残額があるわけでございますが、このうち防衛支出金、これは安全保障条約、行政協定によりまして、四半期ごとに払込んで行かなければならない金でございまして、二十八年度分としては全額を払込んで参る必要がございます。年度末に若干繰越額が残るにいたしましても、それは繰入れの時期的なずれが伴うものでございまして二十八年度の決算によりましては全額繰入れられるべき性質のものでございます。安全保障諸費は暫らく後にいたしまして、保安庁経費につきましては七百六十八億残つているのでございますが、これは御承知ように本年度の予算の成立が八月になりましたために、経費の支出も余り進展いたしていないのは事実でございますが、その後におきまして本年度所要の既定の計画を執行するために契約並びに支出が相当進行しているはずでございます。若干は契約が済んで支出が伸びる、或いは繰越されるというようなものがあるかとも存じますが、いずれにいたしましても、既定計画を執行いたして参りますためには必要な金額でございます。  安全保障諸費につきましては別に一枚刷りの表がお配りいたしてございます。二十七年度中で支出いたしました金額が二百五十八億ほどございまして、九月までに使いました金が八十五億、合計三百四十三億を使つておりまして、残額が二百十億余りあるのも事実でございますが、それはそこにも書いてございます通りに、今後道路関係で十二億八千五百万円、港湾の施設で三億七千六百万円、営繕関係で百八十億、通信施設で二十億円、これを全部を使う見込でございまして、年度末までには契約が完了し、又実際の施設も相当進行するものと予想されております。従いまして防衛関係経費からは目下のところは他に移、流用をするといつたような見込はないことを御了承頂きたいと思うのであります。
  86. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 只今この数字についての説明はその通りであります。併しながら多少この安全保障諸費中には今後の話合いによつて節約し得る部分があるのではないかということも考えられるのでもございます。これは御承知のごとくに、この数字で見ますとこういうふうに一応の話になつておりまするが、そんなものがありますので、若しそれをたとえ若干でもでき得れば皆災害対策のほうに振り向けたい、かよう考えておりまして、これは今後とも一つこの費目については特に十分な絞り上げをしてみたい、かよう考えております。ただそのほかの防衛支出金は御承知ようにきまつたもので何ともしようがない。保安庁の経費が遅れていることは遅れておりますけれども、これが入用のことは御承知通りでありまして若干少しでもでき得る点があればこの点だと思いまするので、今のところは少くとも余地なきようになつておりますけれども、もう少し実は絞り上げてみたいと考えております。私の心持だけを申上げておくのであります。
  87. 亀田得治

    亀田得治君 主計局長よりも幾らか積極的な答弁がございましたが、そう絞り上げられるのを遠慮する必要はない。例えばこれは年度がすでに三分の一過ぎておるときの数字だと思うのです。三分の一経過してなお且つ本年度の予算額よりもその残額が多いのです。私はこれはもう来年の三月三十一日には必ず二、三百億はどうしても残る。こういうふうに私はここで断言してもいいと思いますが、少しこういう内情を聞きましたが、必ずこれは断言できます。これは大蔵大臣のほうでそんな少しくらい絞り上げているだけじやなく、うんとよりをかけて絞つて欲しいと思います。これは余り長くなりますから希望を申上げておきます。
  88. 松岡平市

    松岡平市君 私は主計局長に伺いますが、只今までに大蔵大臣が御説明なつた千七百九十八億九千四百万円という国の負担が要るという御説明は、主として災害復旧、こういうようなことでありますが、新立法のうちには、例えば母子福祉資金の貸付等に関する特別措置法、或いは国家公務員等に対する国家公務員共済組合の給付の特例法に関する法律だとか、或いは又公衆衛生の保持に関する特別措置法だとかいうようなものがあります。そのうち災害の復旧というよりも、例えば母子福祉資金のごときは災害地の母子福祉資金を県の特別会計で作り、金額に応じて従来の一対一を一対三に殖やすというよう立法をしております。或いは公衆衛生の保持に関する特別措置では、災害飲料水が非常に困難になつて来た、水源等が変つて来て因るというようなところには、二分の一の国庫補助をして簡易水道を敷設せしめるというようなもの、公務員の共済組合の給付の特例に関するものというようなものは、これは復旧というようなものとは少し性質が違うのであります。こういうふうなものの予算等は十分考慮して計算された結果が千七百九十八億九千四百万円になつておるのかどうか。そういうものは予算が少いから、成るたけ圧縮するというようなことで、折角これは非常に大事な立法としていずれも措置したものでありまするが、そういうものについても大体すでに各計数は出ておるわけであります。例えば簡易水道のごときはこういう際だからということで、これは査定をすれば幾らでも査定のしようはあるわけであります。それでぐんぐん押付けて、殆んど立法趣旨を没却したよう予算しか計上されぬというようなことであれば、これらは同じ復旧でありながら復旧とはいささか違う性質を持つておる。母子福祉資金の貸付に関する金のごときは、先般厚生省のほうでいろいろとその内情についての説明がありましたけれども、若しこれを、予算を極端に圧縮すれば、折角立法いたしましても何ら立法趣旨災害民に徹底しないというようなこと、これは全く予算措置においてどうでもできる性質立法でありますが、これについて大蔵省は如何よう査定をされて、今読上げられた千七百幾らのうちにはどれくらいの予算をそのおのおのについて見ておるかということを主計局長から一応お話を願つて置きたいと思います。
  89. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 主計局長答弁の前に一つお諮わ申上げます。緒方総理は午後閣議もあることであるので、十分前から退席いたしたいというお申出があつているのでございます。従つて緒方総理に対する質疑は本日はこれを以て終了し、残余は明日やることにして退席を了承いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 私も実はその席へ出なければならんので、特に閣僚懇談会では予算の節約についての問題も検討いたしますので…。
  91. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) お聞きの通りでございますが、明日残余をすることにして、今日の質疑は、大蔵大臣一ついいお土産を持つて明日答弁しで頂くことにして今日は退席を了承してよろしうございますか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) さよう取計います。
  93. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 千七百九十九億という数字が出ておりますのは、目的見合の復旧に対する補助が主でございまして、只今お示しのございましたような問題につきましては中に入つておりません。目下補正予算の資料といたしまして各省からいろいろお話を承わつておる最中でございます。目下のところそれがどのくらいの金額になりますか、ちよつとここで申上げる程度に至つていないことを御了承願いたいと思います。
  94. 松岡平市

    松岡平市君 甚だ残念な御答弁であります。すでに大蔵大臣若しくは副総理から国のほうから補正予算に組むべき基準として千七百九十八億九千四百万という数字を今挙げられた。そうしてそのうちの何十パーセントを補正予算に組むかということを論議されておるが、そこの中には我々が必要欠くべからざるもの、この災害の復旧のために最も必要だと考え立法した幾つかの法律で、当然に予算措置が講ぜられなければならんもの、それも相当の金額になると思うが、大蔵省当局は何らそれをこの中に加えずに論議を進めさせておるということは、今主計局長がさように御答弁になりましたけれども、私たちはさようなことは甚だ以外に堪えない。これらは成るほど物的な災害の復旧も急ぎますが、母子が災害に会つてつておる、福祉資金が極く僅かである。それらをこの機会に困つておるから最高五万円であります、それらのものの貸付についての資金も欲しいということで、或いはそれの据置期間を頼むというような微細なことまで立法をしておるわけであります。それに要する経費等は何ら今日論議されないままで補正予算を組んで行かれるということは、万一の場合にはこれらは放つて置かれる、こういう危険もあるわけであります。これらこそ最も急ぐことである。殊に簡易水道のごときは、大体公衆衛生の保持に関する事柄として、かような洪水というよう災害に際して伝染病の予防というようなこと等についても考慮をして、特に立法したものである。これらに要する経費は全然この中に含まつておらんというようなことは、これは意外であります。速かにさようなものについては十分なる経費を、査定等も余りやかましくおつしやらずに、速かにここに組入れられて補正予算等の中に十分なる金額をお出しになることを私は要望します。それについての大蔵御当局のお考えをお聞きしたい。
  95. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) この表は、補正予算の見当をつけますために最も大口である物的被害につきましての荒見当をつけるために作つたもので、ございまして、これ以外のものを補正予算の対象に考えていないということでは全然ございません。只今お示しのございましたような事柄につきましては、議員立法趣旨を尊重いたしまして、それぞれ適当なる金額補正予算なり予備金なりで出すことについて勿論考えなければならんわけでありますが、各省との間の話合いがまだそこまで進んでいないということを申上げたわけでございまして、それがきまつて参りますれば当然こういう表にも計上すべきものでございますが、そこまでまだ話合いが進んでいなかつたということをお答えしたわけでございます。御趣旨につきましては十分尊重いたしまして善処いたしたいと思います。
  96. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 念のために申上げますが、本委員会の要求によつて建設省事務次官稲浦君、建設省文害課長水野君、農林省大臣官房総務課長奥田君、以上の方も朝から本委員会に出席されております。委員長は昼食前に質疑を終りたいと、こういうよう考えておりますので、質疑のある方はそのつもりで質疑して頂きたいと思います。
  97. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 森永主計局長にお聞きしたいのですが、この表ですが、註の1に、公共事業費関係には土地改良及び開拓等の災害を含むと、こうあつていわゆる公共事業と言われている中で何か含まないものがあるかのごとき感じがするのですが、これはどういう意味だか、それだけお聞きしたい。
  98. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 俗に公共事業と申します場合には食糧増産関係の土地改良、開拓等を除外して二つに分けて考える表が非常に多いのでございます。現に予算公共事業費と食糧増産対策費と分れております。なお、この表では便宜それを一括して計上いたしましたために、誤解がないようにということで農地関係も含むのだと、そういう趣旨をここに現わしたに過ぎません。
  99. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そうするといわゆる公共事業で、あなたの言う公共事業のほうに属する分は一括してこの中に入つておる。あなたの現在の予算は、こういうのですね。
  100. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 国費の対象になりますいわゆる広い意味公共事業費は入つております。
  101. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 主計局長ちよつと聞きますが、大蔵省査定という言葉がよく使われるのですが、一体これはいろいろ聞きますと、大蔵省地方の出先機関がやはり災害地を廻つていろいろ査定よう査定類似のようなことをやつて廻るところもあるらしい。ところが実際は災害復旧関係はやはり建設省とか農林省の専門家が行つて初めて実態の把握ができるし、それから災害の額も決定できるだろうと思うのです。それであなたのほうで査定と言われるのは各省から出て来た書類を見て査定されるのだと思いますが、地方から散発的に出て来るような財務部あたりの報告を基礎にして査定されておるのではないと思いますが、その点間違いはないでしようね。
  102. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 財務局財務部の職員が行なつておりますのは、これは査定でなくて、査定に立会つているというふうに御了承頂きたいと思います。私どものほうにも断片的な報告はいろいろございますが、これは勿論サイド、ニユースとして取扱つて参考にしている程度でございます。この表に査定見込額と書きましたのも、そういう現地の査定がまだ済んでおりません。そこで過去三カ年の報告と平均率で一応の推定を出した、そういう意味での査定見込額でございますので、その点御了承願いたいと思います。
  103. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 私から一つお伺いしたいのですが、先ほど政令基準は近々にできる、こういう答弁があつたのですが、我が委員会決定しました公共事業復旧費と標準税収入との比較、これを尊重して作業を進めているという説明ですが、この公共事業復旧費ということについては、我が委員会では定義を下してあなたのほうに渡してあるわけです。即ち公共事業復旧費は、公共土木施設災害関係、農林水産業施設災害関係、堆積土砂の排除に関する関係、公立教育施設及び病院、診療所の災害に関するもの、これらを合わしたものを公共事業復旧費とする、こういうふうに定義づけてあなたのところに申入れてあるわけですが、大蔵当局はこれを了承した上に作業を進められているのかどうか。
  104. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 只今お示しのよう基準が合理的であると存じまして、つまり病院関係等も加えたものが合理的ではないかと存じまして、かような方法で目下作業をいたしております。まだ確定はいたしておりませんが、考えは十分尊重するつもりでおります。
  105. 亀田得治

    亀田得治君 十日に政令案が出る、そういう予定のようですが、普通の状態ならば、これは政府法律趣旨を尊重して出されて結構なのですが、何分にもこれはやはり国会としても非常に重視しておるもので、この政令がどういうふうに出るかということによつては、国会立法をした趣旨が通らない場合も出て来る。そういうことが予想されるので、これは一つ事前に委員会にその案をお示しになる。そうしていろいろ御意見を聞かれる。決して政府政令を出す権限を私どもは侵そう、そういう意味じやなしに、この問題のいきさつからいつてそういうふうにされるのが非常に妥当じやないか、こういうふうに思うのですが、どうでしよう
  106. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 先ほど政令案と申上伊ましたのは、実はそういうことを考えてのことでございまして、閣議決定とか何とかいう政府の意思決定の前に両院委員会に御内示申上げたい、さよう考え方で案という字を使つたわけでございます。
  107. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  108. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をつけて下さい。  暫時休憩いたします。    午後零時三十九分休憩    —————・—————    午後二時五十二分開会
  109. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から委員会を再開いたします。  午前中緒方総理並びに小笠原大蔵大臣質疑を行い、まだ残つておりますが、これらの両大臣に対する質疑等は、先ほど全員協議会決定いたしました通り明日の午前十時から委員会を開くことにいたしたいと思います。さよう御了承願います。  なお、この際御報告申上げますが、本委員会にすでに付託されておりまする台風第十三号の被害府県から書面によつて種々陳情がなされております。それらの書類は事務局から各委員へ配付してある通りでございます。なお委員長宛に参りました写真等は本委員室の壁に貼付してある通りでございます。  なお、十三号台風直後次の方々から委員会宛に陳情電報が参つております。その内容は、台風十三号は予想外に被害が甚大であつた、何とか助けて頂きたい、こういう内容の電文でございました。福井県議会議長、福岡県八女郡災害対策本部京都府知事、二通参つております。京都府議会議長二通、和歌山県知事二通、三重県自由党支部、三重県土野市長、滋賀県知事、三重県知事、三重県議会議長各二通、奈良県議会議長京都府経済部長、滋賀県信楽町長、以上から陳情電報が参つておることを御報告申上げます。  なお、只今静岡県副知事吉岡恵一君外十四の方々から本委員会に陳情いた  したいという申出があつております。只今からこれら申入れの方々から陳情を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでございますからさよう取計います。  速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  111. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて下さい。
  112. 松岡平市

    松岡平市君 陳情を承わりたいと思うのでありますが、すでに今日の午前中副総理なり或いは大蔵大臣なりとの質疑応答の際に明らかになつように、十三号台風被害地に対しては大体政府においてももはや我々の前国会における特別立法を、政令基準等も今まで我々がここで審議をして政府に要望した線において適用するという大体の肚があるように、我々ははつきりはしませんでしたけれども、もうそういうことをちやんと予算の中にも組込んであるということを明らかにしております。従つて陳情は非常にたくさんでもあるようであります。議事進行の関係上、もうすでに映画等において一部は実状も明らかになつておりますので、成るべく簡略にして頂くようにお諮りを願いたいと田います。
  113. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) さよういたします。速記をとめて下さい。    午後二時五十七分速記中止    —————・—————    午後五時八分速記開始
  114. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をつけて下さい。愛知県知事桑原君外十五人の方々によつてなされました二時間余に亙る陳情は終りました。明日は午前十時から開会いたします。  本日はこれを以て散会いたします。    午後五時九分散会