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政府委員(
平田敬一郎君) 私から税の減免の
関係につきまして御
説明申上げたいと思います。
現在のところ、税につきましては、法令が比較的完備しておると申しますか、相当大
部分整備しておりまして、その法令をうまく運用しますれば、大体において目的を達成し得るということにな
つておる次第でございます。私
ども、運用よろしきを得まして、万全を期する考えでございます。法令の
内容をちよつと概略要点だけを申上げます。
先ず、
災害によりまして
被害を受けました納税者に対しましては、
被害の
程度に応じまして、一年を限り徴収猶予することができるという包括的な規定がございます。差当りといたしましては、この規定をできる限りうまく運用いたしまして、先ず
被害を受けた納税者の方々に対しまして、必要な徴収猶予の
措置を行う。これが第一に考えておる点でございます。
それからその次は、これは租税の
災害減免法によりまして、所得税につきましては、大体次のような減免規定があるのでございます。それは、少額所得者、即ち年所得二十五万円以下の所得者に対しましては、今年の一年の所得税を全部免除する。それから二十五万円から五十万円までの所得者に対しましては半額を免除する。それから五十万円から八十万円までのところにつきましては、二割五分を軽減する。こういう規定でございます。規定の条件といたしましては、住宅又は家財の半分をいかれた人、借家に住んでおる人でございますれば、家財だけでもいいことにな
つております。勿論
自分の家は流れないが、家財だけが流れたというような場合におきましても、この規定の適用がございます。で、浸水の
程度が相当激しいものにつきましては、大体におきまして、この規定が適用になるものといたしまして運用いたしておる次第でございます。そういたしまして今まですでに納められました源泉所得者に対しましては、上期の分を払戻しております。一月から六月までに納められました源泉所得者の場合におきましては、二十五万円以下の所得者でございますと、今年全免いたしますので、それを払戻すということに相成
つておる次第でございます。それから申告所得者の場合におきましては、丁度又予定申告が七月一杯にな
つております。従いましてこの予定申告の運用によりまして大体の
措置ができる。で、
災害によりまして
被害を受けました場合におきましては、前年度実収額によらないで、今年の
損害額を引いたところで所得を見積
つて課税するということにな
つておりまするので、その規定をうまく運用いたしまして、
実情に即するようにいたしたい、これは
災害減免法ではございません。所得税法でそのような規定に相成
つておるような次第でございます。でそれによりまして大体におきまして
被害額というか、
損害が相当大きか
つた人につきましては、見積所得から控除することによりまして、予定申告の際にそれぞれ妥当な処置ができると考えておる次第でございます。なお、勿論確定申告の際におきましては、その年の一年間の所得もわかりまするし、更に
損害額等も的確につかめますので、その際にはつきり精算いたしまして減免をするということにな
つております。で、その際におきましては所得から
被害額を控除するという所得税の行き方、それから先に申上げました住宅又は家財の半分を滅失又は毀損した場合には、極く簡単な方法で税額を軽減免除する規定がございます。そのうちいずれか有利なほうを選択できるということにな
つておりまして、その際においていずれか有利な規定を選択して頂きまして救済するということに相成る次第でございます。なお、その他の税につきましては、先ほどから申上げましたように、それぞれ徴収猶予その他の
措置によりまして、大体におきまして運用上行き得るのではないかと考えております。ただこの七月の予定申告の期限が七月一ぱいでございますので、この期限がどうも少し無理ではないか、この規定をやはり或る
程度延長したほうがいいのではないかと考えております。ただこれは地域を指定いたしまして、全般的に延長するか、或いは
被害納税者ことに延長する
措置をとるか。この辺のところは
現地の
実情を更によく調べまして、その上で近々決定する方針でございます。いずれにいたしましてもこの
措置は
国税庁長官の告示によりましてできることにな
つておりますので、その
措置よろしきを得まして、
実情に即するようにいたしたいと考えておる次第でございます。なお、法令上の点におきましても、細目の点につきましては若干補正を要する点があるかと思いますが、そういう点につきましては、
現地の意見なり
実情をよく聞きました上で、然るべき
措置を講じて参りたいと思
つておる次第でございます。なおこの減免の
関係につきましては、多く納税者の申請を必要とすることにな
つておりますが、まあこういう際におきましては、税務署に対しまして申請を待つというのではなく、こちらから積極的に調べまして、一人も漏れなく法令の適用を受けるように親切に指尋してやるように、これもすでに訓令いたしておる次第でございます。で、国税庁といたしましては、
災害直後に電報を以ちまして管轄の
局長に対しまして、法令をうまく運用して万全の
措置を講ずるようにという指令をいたしました。なお、その後更に七月の暫定
予算が成立いたしましたのですぐ、払戻金の中から他局の分を繰合せまして、先ほど申しました少額の勤労所得者の払戻金、それに対応する分といたしまして、差当り
福岡の局に一億九千万円、熊本局に約一億二千万円、合せまして三億一千万円ほどの払戻の
予算を配布いたしまして、成るべく速かに返すべきものは返すようという指令をいたしておる次第でございます。概要税の
関係といたしましては以上の
通りでございます。