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1953-07-03 第16回国会 参議院 水害地緊急対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月三日(金曜日)    午前十一時一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     矢嶋 三義君    理事            秋山俊一郎君            野田 俊作君            阿具根 登君            松浦 清一君            寺本 広作君    委員            小野 義夫君            西郷吉之助君            重政 庸徳君            藤野 繁雄君            安部キミ子君            吉田 法晴君            鈴木 強平君   国務大臣    国 務 大 臣 緒方 竹虎君   政府委員    内閣官房副長官 田中不破三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○西日本水害地被害状況の件   —————————————
  2. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から委員会を開会いたします。  このたびの災害につきまして、内閣に設置されました西日本水害総合対策中央本部のほうから、本委員会に現段階における報告をいたしたいと参つておりますのでその状況報告を承わりたいと思います。
  3. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 私から今回の西日本一帯、特に北九州地方を襲いました水害状況及びこれが対策につきまして、只今まで報告を入手しておりまするもの、又対策につきまして只今までに決定いたしたものの御報告を申上げたいと存じます。  このたびの西日本一帯、特に北九州地方襲つた豪雨は、六月二十五日以来二十九日未明まで連日降り続け、最高六百ミリ程度にも及び、明治二十二年以来六十五年ぶりの大雨でありまして、福岡佐賀熊本大分長崎の各県には特に甚大な被害を及ぼしたのであります。  河川におきましては、筑後川、遠賀川、菊池川を初めとして多数の河川が氾濫いたしまして、その直接国民生活に及ぼした被害を申上げますると、死者六百三十名、行方不明五百四十名、建物の全壊一千九百五戸、建物流失五千四百六十八戸、床上浸水十三万七千四百十七戸、水田流失一万六千三百六十九町歩水田の冠水十万四千三十町歩なつており、罹災者は百十三万一千人、世帯数では二十一万三千七百を越す状況でありまして詳細は御手許の配付資料を御参照をお願いいたしたいと存じます。  罹災各県におきましては、いち早く災害救助法を発動いたし、県市町村、警察、消防等現地政府機関国民各位協力の下に救護活動いたしております。今回は特に保安隊を全面的に救援活動に参加せしめまして、又米軍当局の全面的の協力の申出もあり、現に着々その援助を得て救援活動の成果を挙げておる次第であります。政府といたしましては、水害の激甚な報に接しますると共に、建設大臣を派遣いたし、次いで大野国務大臣本部長といたしまする現地対策本部を三十日福岡県庁内に設置いたし、中央本部総理府内に設置して連日幹事会を開き対策を練つておるような次第でございます。現在の段階では、まだ応急救助段階にありまするので、現地においてできる限りの緊急措置現地本部に任せ、その効果を期待しておるような次第であります。  現在までの主要なる対策を申上げますると、  一、堤防決壊箇所締切り工事用として予備費六億円を支出いたし、現に締切り工事を着々実施いたしております。  二、公共土木災害に対しましては、農業土木災害をも含めまして資金運用部資金上りする十億円の支出を決定いたしました。各県別割当は、福岡県が五億円、山口県が三千万円、佐賀県が一億四千万円、長崎県が三千万円熊本県が一億八千万円、大分県が一億二千万円、合計十億円という一応県別割当をいたし、詳細については現地本部実情調査と相待ちまして、最後的決定をいたす所存でございます。  三、金融措置でありまするが、金融措置につきましては、定期預金期限前の払戻し、支払手形決済期限猶予等所要措置金融機関限り実施するように通牒をいたしました。  四、各種免税措置につきましては、災害被害者に対する租税の減免徴収猶予に関する法外によりまして、所得税減免損害額の控除等でき得る限りの手配をいたしております。  五、食糧について申上げますると、一般的に申しまして絶対額そのものには今のところ心配はございません。即ち福岡長崎佐賀熊本大分の各県について、七月から十月まで政府手持現在高三一十六万六千トン、一般配給家庭用所要量が二十一万六千トン、農家保有米流出量が一万六千トン、これは推計であります。それから政府手持米損失量が、これも推計でありますが、二万トン、差引残高が一万四千トンでありまして、一般配給用及び農家前貸分といたしましては量的に心配はないつもりでございます。  なお麦の手持は相当に豊富でありまして、これ又今のところ心配はございません。繰上配給につきましては只今検討中でございます。  六、稲の苗代につきましては、苗の手配を近県より講ずると同時に、もみ植付のためにもみ種二万石輸送手配を講じております。七月二十日までに植付ができますれば、収穫減収は約二〇%程度に食いとめ得るのではないかと期待しておる次第であります。  第七といたしまして、石炭被害は、中小炭鉱百五十数ヵ所、それから山口県その他中国の分が二十カ所程度出炭減は余り大きくはありませんので、石炭の価格に大して影響はないものと予想しております。  八、電気関係被害につきましては、発電関係が三十六ヵ所停止しておりまして損害が二億円、送電関係損害が五千八百万円、配電関係損害が二億八千万円、これが復旧に二週間を要するものと認められております。  九、中小企業の救済につきましては、通産省を中心といたしまして、具体策樹立のために実情調査中でございます。  十、輸送関係といたしましては、本土九州間の陸上交通が杜絶いたしたため、下関—博多間に旅客輸送のため徳寿丸昌慶丸という船二隻を配しまして下関—門司間の旅客輸送を補強いたしております。又貨物につきましては、下関門司間現在千三百トン、平常時の輸送力二万二千トンの約六分の一に復活いたし、なお補強中でございます。根本策として関門トンネル開通以外にないのでありまして、現在国鉄技術陣金能力を挙げて復旧に努力中でありして、今のところ、七月十五日開通を目途といたしましてやつておる次第でございます。  十一、土木施設等被害額につきましては、今なお湛水しておるところもあり、交通通信施設等の障碍もありまして、的確にはまだ把握しておりませんが、出先機関並びに各県の報告を総合いたしますると、およそ筑後川ほか六河川直轄河川災害は四十八億円、直轄道路災害が六千万円、地方公共団体関係土木施設、これは道路橋梁河川等であります。その災害が二百三十七億円、都市土木施設災害が十億円合計いたしまして二百九十五億六千万円という数に上つております。目下応急復旧対策を着々進めておる次第であります。  又住宅対策といたしましては、公営住宅の増設、住宅金融公庫の特別貸付等措置を考慮いたしております。  十二、平衡交付金につきましては災害地に対し県の分三億山、市町村の分二億円、合計五億円を増額することにいたしました。  十三、保安隊活動状況につきまして、この際御報告を申上げたいのでありまするが、第四管区部隊中心とし、他管区からの増援も合せまして、幹線道路復旧発掘作業緊急物資輸送防疫給水等作業等に従事せしめ、現状作業員は七月一日現在約三千四百名となつております。  以上対策の主なるものでありまするが、その他手配細目等につきましては、必要に応じ関係各省より御説明いたさせることにしたいと存じます。  以上水害状況及び対策につきまして御報告を申上げます。
  4. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他の政府委員から補足説明ございますか。
  5. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 別にございません。
  6. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) それでは只今緒方総理報告に対して質疑のあるかたは質疑を願います。
  7. 松浦清一

    松浦清一君 只今の副総理災害現状についての御説明によりまして、現在の状況というものは大体わかつたわけでありますが、この災害復旧について、今お述べになりました政府対策だけでは、千四百億以上に上ると称されておるこの災害復旧は到底不可能であろうと考えるのですが、今やつておられる、対策立てておられますることだけで復旧見通しの立たないような部分が出て参りましたときには、相次いでどういう対策立てるお考えを持つておられますか、お伺いしたいと思います。
  8. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 只今申上げましたように、今のところはまだやつと水がひきかけた程度でありまして、災害の詳細も十分につきとめられませんので、大体応急救護をいたしておるよう状況で、現地現地対策本部を設けましたので、即決を要するものにつきましては、大体現地対策本部でやらせるつもりでありまするが、大きな問題等につきましては、いずれ現地対策本部等から詳細の報告が参りました上に、時機を失わないように、法規の許す限り、良識の許す限り、できるだけ早く対策を講じたいと考えております。
  9. 松浦清一

    松浦清一君 今お立てなつておられまする対策だけでは、只今お述べになりましたよう応急の据置でありまして、完全に被害復旧されるまでには、相当巨額の財政措置を講じなければ復旧が不可能だと思うのですが、そういう必要がだんだんと判明して来るに従つて政府は二十八年度予算以外に何か予算上の補正措置を講ずるお考えがありますかどうか、伺いたいと思います。
  10. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 御指摘ように、この災害被害は非常に大きいのでありまするが、財政関係でなしに、金融措置でできる面が相当大きくないかとも考えまするが、いずれにしましても、もう少し結論的な調査がわかりました上でないと、只今どうするということをはつきりは申上げかねます。
  11. 松浦清一

    松浦清一君 只今の御報告保安隊を三千四百名動員していろいろの復旧作業に従事せしめておるということですが、この保安隊復旧作業に従事すべき人員を更に必要に応じて増員するとか、或いはいつ頃まで、どういう状態になるまで使うとか、そういう見通しはお立てなつておりますか。
  12. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) お答え申上げます。只今の副総理からのお話でございまして、大体七月一日現在で作業員が三千四百名ということにお話があつたのでございまするが、作業員一日三千四百名と申しまするのは、御承知通りの非常な泥棒地その他の疲労困憊作業でございまするので、大体部隊によつて違いまするが、一日に二交替或いは三交替制をとつておるのでございます。従いまして只今実働人員から申しますると、これの大よそ三倍近く八千乃至九千人が今現に出動いたしておる、こういう状況でございます。そうしてなお勿論保安隊といたしましては、状況判断によりましては、他管区からの出動考えております。現在すでに昨日豊川の施設大隊、つまり工事関係保安隊でございますが、施設大隊が約九百人現地に行つておりまするし、又金沢からも一小隊出ておりまするし、或いは又久里浜の防疫隊衛生部隊ですか、これも出動いたしております。そういうふうに他管区からの救援出動ということも今回初めていたしたのでございます。そういうふうにいたしまして、状況判断によりましては、なお必要に応じて他管区からの出動保安隊では考えておるのであります。
  13. 松浦清一

    松浦清一君 今のお考えでは、どういう状態になるまでこの保安隊をお使いになるという、そういう見通しはたちませんか。
  14. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 只今のところは一応昨今までは人命救助或いは財産等保護という方面に全力を挙げておりました。で、昨今漸く冠水いたしておりましたものが水がひいて参りましたので、只今のところは、これらの応急日常生活保護並びに治安の確保という方面にも働いておりまするし、又一例を挙げますれば、最近までには国道の橋の速急架け替というような実際の橋梁作業にも、或いは道路決壊のときの応急作業にも、それぞれに従事いたしております。今後につきましては、次第にそれが一応応急的にこの被害難から逃れましたならば、あと状況を見まして、仮設的の復旧作業ということに力を注いで行くかと思われるのであります。
  15. 吉田法晴

    吉田法晴君 先ほどの松浦君の質問に関連をいたしまして、ちよつとお尋ねしておきます。現地対策本部から連絡があつて、その調査或いは意見に基いて云々というお話でありましたが、これは対策本部ができる前に、現地において建設大臣に随行をいたしました成る政府の、これは建設省関係局長でございますが、只今福岡県だけでとりましても、直轄河川災害が三十億乃至四十億くらいはあるだろう、そうしますと、今お話の、御報告の中にございました十億の配分、或いは堤防締切りに要する六億といつたような金額でも、到底これは間に合わんことは、大体の数字を見られてもわかると思うのです。そこでそのときに、これは私ども個人的に話をしたのでありまするけれども政府のほうから来られました局長にしても、これは七月暫定予算或いは二十八年度予算、一応提出された云々ということだけれども、これは事実上何と申しますか、補正と申しますか、修正と申しますか、いたさざるを得ない実情にあるということは、これは現地実情からしても、或いは今挙げました数字からも、これはおのずから明らかになつて参ると思うのであります。その点については緒方総理の御答弁がございましたけれども、事態は明らかだと思うのであります。その点について、予算措置について御修正の御意向があるかどうか、重ねて一つお尋ねしておきます。
  16. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 今御指摘通りで、これだけの災害に対しまして、今政府としていたしました措置では到底及ぶものではないのでございまするが、それを補正予算でするかどうか、まだはつきりしたことを申上げかねます。いずれにしましても、建設大臣報告によりましても、今度の河川決壊等に対する応急措置は勿論でありまするが、砂防とか改修等土木のやり方につきましても、相当考えなければならんものがあるということを言つておりまするし、これは将来建設省関係の仕事として、相当大きな予算を要することがあるかと思うのであります。いずれにしましても、非常に大きな災害でありまするだけに、将来のこともありまするし、十分の対策を講ずるつもりでおりまするが、今ここではつきり御質問のところを申上げるわけに参りません。
  17. 吉田法晴

    吉田法晴君 補正予算云々というのを待つわけには参らん実情にあると思うのであります。その点はこれは参議院、衆議院から参りました調査団等も見ております。実情承知をいたしております。私どももその点については党派を超えて協力しなければならんと思うのでありまするが、政府としても、その点は今までのよう予算を一応出しておいたから或いは云々という点にこだわらず、補正予算を待たずに処置されなければならん実情にあることだけは、御認識を頂いて御用意願いたいと思うのであります。そうしませんと、七月と申しますか、七月でなくて、あとの秋の雨季まで持つかどうか、なお申上げておきますが、遠賀川の堤防決壊いたしましたのは、数年前に震災があつて、県で仮堤防を拵えまして、その後国がやつていなかつた個所からの決壊ように私ども現地の何で承知しております。対策が遅れたことがやはり決壊の一個所の原因になつておりますし、秋のことを考えると、そのうちに補正予算修正案として用意をするということでは、これは災害が重なると考えます。その点は一つ十分御用意をお願いしておきます。  それから松浦君から保安隊のことが尋ねられましたが、これは本部ができません前の最初の話でありますが、どんどん水に漬つて参る人命を救助しなければならん。孤立し、水に流されようとしておるところに舟を用意して、救助用の舟艇を福岡県で水産組合協力して使用した。ところが保安隊指揮権と申しますか、それがどこにあるか、知事から要請をいたしましたけれども知事保安隊との関係が明らかになつておりませんために、折角福岡県で用意をいたしました舟とそれから船頭の付いておるものが更にまあ使われたわけでございます。保安隊活動について、知事要請よりも、これは保安隊顧問でありました米軍意向のほうが優先をしたという実際の結果、知事としては、これはお役に立てば、佐賀県でお役に立とうと、どこで立とうと差支えないと申しておりますが、御承知ような筑豊の氾濫から三井、三潴、山門と孤立をして、非常に危険に瀕してしまつて、そこに用意をいたしました舟が、そこへ行かないで、ほかに行つてしまつた。ほかでお役に立つたなら、まあかまいませんが、そういう弊害を生じておるのでありますが、保安隊出動について、知事要請というものをもつと認めるべきではないか。これは内閣において、知事とそれから保安隊との関係をどうしなければならんか、こういう問題だと思うのであります。実例と若干の食い違いとを申上げまして、緒方総理の所見をお伺したいと思います。
  18. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 只今までのところ、保安隊の今度の措置に関しての活動は、非常に機宜を得てよかつたという報告を聞いたわけでありまして、先ほど現地から帰つて参りました建設大臣報告の中にも、保安隊がなかつたならば、今度の災害救助についてどういう結果を来たしておつたかわからないというよう報告もありましたが、今お話よう指揮系統について食い違いがあつて、その結果、何がしか行動の敏活を欠いたようなことがあつたということを、私のほうでまだ報告が何も来ておりませんので、若しそういう事実がたしか見られましたならば、その点については、政府として無論はつきりするようにいたしたいと考えます。
  19. 吉田法晴

    吉田法晴君 私も久留米なり或いは門司等において、保安隊が非常に活動してもらつたということについて否定をするわけではありません。私どもよく事情も見て参りました。ただ最初の頃そういう指揮系統と申しますか、これは要請出動ということだと思いますが、その点の関係が明らかになつておりませんので、若干のまあ最初食い違いを生じた、こういうことであります。そこでその点についての知事要請とそれから保安隊出動という関係は、これは確立しておいて頂きたい。そうしませんと、これは今後にもそういうことがあつてはなりませんけれども、円滑を欠くという結果になりますので、そこで副総理に伺つたわけであります。なお門司等においても、死体の発掘等に非常に貢献を願つたり、或いは米軍がブルトーザーその他を以て市の清掃等に当つて頂いたのであります。堆積した泥を排除するのに協力を頂いた。その点については知つておりますが、併し、初め二百名の出動を市から県を通じて要請したけれども、途中で食い違つて最初来られたのは二名だと、こういう点もあります。これは、やつぱり要請或いは出動までの、この関係について明らかになつていなかつた、或いは食い違いがあつたということなんです。その点についてお尋ねして置きたいのは、知事要請があつたならば、保安隊出動し得る建前になつておる、或いは若しその点が足わなかつたならば直すべきだと、こういうお考えでありますのか、或いは全然別なんで、保安隊については、こういう緊急の際には知事から要請があつてもそれは別だと、こういう工合に考えられますのか、その点をお伺いしたい。
  20. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) すべて御尤もな点でありまするが、この保安隊出動に際しまして、先ほどお話の、米軍顧問の、何と言いますか、指図によつて何か不都合を生じた事実があるので、ございましようか。先ほどお話の、その顧問のほうのことを聞いて、そのために出動が遅れたという何か事実がございますか。
  21. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  22. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して。  只今保安隊に関する質疑については、改めて他日時間の関係上やることにいたしまして、他の点について質疑を続けます。
  23. 松浦清一

    松浦清一君 アメリカ駐留軍隊救難作業について、どのよう協力をされたか、具体的におわかりでございましたら、わかつておる範囲の御説明を願いたいと思います。
  24. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 現地におきまするアメリカ軍隊活動状況につきましては、まだ審かにいたしておりません。併し現地報告で見ますと、とにかく保安隊と同じように、人命救護その他に当つておることは報道されておりまするし、なお又写真筆もあるわけでございまするけれども、実際に、地区的に見まして、どの地区にどういうような、何人の出動があつた、どの附近にどういうよう出動があつたというような審かな情報は手に入れておりません。各地に亙つて活動はいたしてくれております。それから又アメリカ軍からの救援物資という方面から見ましても毛布だとか、或いは着物、衣料だとか、或いは医薬品或いはその他の衛生用具衛生薬品というものについて相当大きな量の放出をいたしてくれておりまして、それを現地にそれぞれ手配してくれております。そういうふうな概報というのは受けておりますが、各地区別その他の情報は受取つておりません。
  25. 松浦清一

    松浦清一君 その点についていずれわかると思いますから、総合してどういうことをやつてくれたかということを、この委員会で後日報告できるように御準備を願いたいと思います。
  26. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 承知いたしました。
  27. 松浦清一

    松浦清一君 それからこれは私記憶違いかも知れませんが、今日か昨日かの新聞で、政府は今度の災害に対する救援国民運動を起すと、こういうことを発表されておつたように思うのですが、間違つてつたら取消しますが、その国民運動の具体的な内容を一つ説明願いたい。
  28. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 中央本部としましてはその方針をきめまして、主として厚生省がこれに当ることになつております。けれどもこのような募金につきましては、政府自体が直接はいたしませんで、日本赤十字社を総元締にいたしまして、そうして日本赤十字社から各種団体に呼びかけて、これをいたすということにいたしております。それで新聞、或いはラジオ等の報道陣も努めて協力を願いまして、各種団体活動して頂くように、こういうふうに考えております。
  29. 松浦清一

    松浦清一君 まあ大変、前の関東の大震災に匹敵すべきような大きな被害で、まだ被害実態というものがなかなか把握できないというよう現状にあるわけでありますから、根本的な復旧対策という問題については、なかなかむずかしい問題で、政府の現在の応急対策以外に誰が考えても考えようのない現段階だと思うので、そういう問題についての質問なり意見を申述べることは保留したいと思うのですが、私どもがこの対策委員会を設けて、先ず知りたいことは、総合的なこの被害地全体の被害状況実態というものを早く把握したい、こう考えておるわけなんで、今ここにいろいろ各県別のその被害状況についての報告がありますけれども、これはまあ些細に調べれば、県別のやつはわかるのでしようが、できれば、非常に御無理かも知れませんが、総合した全体の被害状況というものの速報を、この委員会が把握できるように、事務的な作業一つ政府のほうでやつてもらいたいと思うのです。只今総理からお述べになりましたよう政府応急対策にしましても、何日か経てば政府の今やつておることについてはわかるのですが、こういうものを一つプリントにしてお廻し願いますとわかると思いますが、できるだけ早く被害実態を把握したい。それから政府の日々進行して行く対策というものを、毎日の状況において知つておきたい、こういうことを希望いたしますので、忙しいところ甚だ恐縮ですけれども、そういう資料の、まとめて見ればすぐわかるようなものをお手渡しを願いたいと思います。
  30. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 誠に御尤もな御要望でございますが、只今お話にありました通りに、今度の水害は全くの大水害でございまして、先年の利根川の氾濫のときの被害額はおよそ四百億と推定されておりますが、今度の被害額お話通りに、各県別にもおよそ見当は付けておりますが、総額で千四百億を超えるくらいに想定されまして、大体三倍以上の大水害なつている状況でございます。そして又普通の例年の台風或いは震災等の災害でございますると、二三日うちには大体災害のやや詳報がわかるのでございますが、今度は如何せん、現地そのものが交通が杜絶しておりまして、現地内での調査が、全然数日間は、水害直後の二三日間というものはできかねたわけでありますが、御承知通りに、どうしても船を出して災害調査しなければならん。ところがあの激流でございますから、モーターが付いているような船が少いという関係から、川を乗切つて、それぞれ或いは激流を乗切つて調査を進めるという段取りができませんので、従いまして、大分遅れたのでございますが、今お手許に差上げました資料が最近におきまする最も正確な資料ということに相成つたわけなんです。一応これからは水も引きまするし、陸上交通的な調査方法というものがとれますので、十分に御期待に副い得ると思います。現地をなお督励いたしておりますので、どうぞお待ち願います。
  31. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 後日、本委員会としても、それらの点について懇談協議して、政府に要望したいと思つてつたのでありますが、只今松浦君のほうから御発言のように、委員長からも特に早急にそれらの諸点について要望いたしておきます。
  32. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 昨日ですか、新聞で発表になつておる対策本部数字なんでありますが、例えば熊本県が四百億とかいうようなものは被害の総額であるかどうであるか。あれは公共事業だけではないと思つておりますが、被害の総額でありますかどうでありますか。この千四百億の内訳を或いは書いてあるのか、それをお伺いしたいと思います。
  33. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) ちよつと聞取れないところがあるのでございますが、先ほどの千四百億の内訳で、これは極く推定でございますが、申上げますると、今お話熊本が六百億と概報を受けております。そのほか福岡が五百十一億、佐賀が百二十億乃至百五十億、長崎が八億七百八十万、山口が二十八億、大分が百十二億、これで大体千三百八十億から千四百十億ぐらいの大よその被害概数を総計したものでございます。
  34. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今御説明によつてみれば、長崎県は八億というようなことになつているのですが、私などの手許に来ているのは四十億以上になつているが、八億に決定せられたところはどういうふうなところにあるのでございますか。
  35. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) これは被害が別に決定しているのでございませんので、数字も別に決定として述べたこともございませんし、これは現地からの報告をそのまま今申上げたわけなんでございまするから、先ほど申上げました通り、全くのこれは推計のものでございまして、実際は水が引きましてから、十分に活動ができるようなつてから判明することと思います。
  36. 吉田法晴

    吉田法晴君 水も八割程度と申しますか、九割程度と申しますか、いわゆる大分引いて、人命救助という段階は一応過ぎたと思います。あとは今一番問題なのは食糧、それから医薬、それから災害救助に関します緊急措置であります。すでに堤防の欠壊箇所は遠賀川等はその締切りに着工しておられる。或いは国道、或いは鉄道等は、また交通関係については残るのでございますが、これは急いで何しなければならんと思うのです。これに関連いたしまして当面問題になつておるところで、現地対策本部政府対策本部或いは昨日向うに行かれました厚生大臣等においても、その辺の事情とそれからしなきやならん措置については、大体おわかりになつておるようであります。そこで例えば今朝の新聞に出ました厚生大臣の水害緊急民生対策等に関連して、この中に例えば生業資金の補助を一割を三割まで引上げたい、或いは救助法の実施期間の六日を二十日以内まで延ばしたい、或いは国の補助率を引上げたい、緊急仮設住宅については云々、こういう対策についての考えが述べられております。ところが救助法と、それからこれらのしなければならん緊急措置との食い違いをどうするかという問題が、今当面問題になつております。例えばここにも書いてございますが、実施期間の六日、これはまあ最大限六日ということで六日まで延ばした。現地では四日は延ばせるというお話でございます。これは厚生省と対策本部と打合せの上、そういう臨時措置を願つたのだと思いますが、なおまだ現に水に漬つておる所がございます。そういう所に法で規定した六日したから打切るというわけには参らん。或いは全部浸水してしまつて米も麦も腐つてしまつた、食糧にはならん、六日が来たからといつて六日で打切るわけには行かん。そこでその適用期間の延長問題というものが起つているわけです。この措置をどういう工合になさろうとするおつもりなのか。この点については、法の改正等についても、私どもも緊急御協力を申上げねばならんと思うのですが、厚生大臣その他対策本部考えられております緊急措置についての、法の枠の拡大についてどういう措置をされようとしておりますか、一つお伺いしたいと思います。  なお、これは向うの大野本部長の話でありますが、政府手持米を支給したいという話、これはしたいという話だけで、まだされてはおらんわけです。そこで地元の各県からも要望があつたことと思いますが、食糧の、何と申しますか、放出とか、それから併せて繰上支給と申しますか、貸与も必要になつて参ると思うのであります。それをどうするか、これを一つ大体の方向だけでよろしゆうございますから、はつきりここでお示しを頂きたいと思います。
  37. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) お答え申上げます。最初お話のありました生業資金或いは住宅或いは災害救助法期限の問題、これなどにつきましては、勿論中央本部におきまして十分検討を加えておりまして、お話通りに今後の応急対策等につきましても、先例に促われずに迅速果敢に事を運びたいという劈頭からの考え方でいたしておりますのでありまするが、従いまして従来の例によりますると、お話通りに生業資金なり或いは救助の期限等につきまして、まあ相当窮屈な点があつたわけでありまするが、併し今度の水害に対しましては、この従来のやり方に倣わずに、今お話ような枠を拡げて努めて救済に当るという考え方で、恐らく今丁度その検討を加えておる真最中でありますが、一両日中には結論を得るのじやないかと、このよう考えております。  それからなお只今の食糧のお話でございまするが、これは現地本部がございまして、まあ食糧は現地に十分ありまするので、現地本部で十分、県知事その他の方々と連絡をとつて、時宜に適した処置をとるようにいたしておりまするので、実際にはそれぞれもう手配がされたことと思います。ただ、いろいろと実情に応じた対策をいたしまするために、勢い先例から外れなくちやいかんという場合も考慮されるのでありまするがその点につきましても、そういう例に拘泥しないでやるように、又やろうということでいたしております。だから多分適宜な処置がとられておることと思います。
  38. 吉田法晴

    吉田法晴君 私が挙げました範囲においては、主食とそれから何がしかの金が緊急に各世帯に行くと思います。全部水に漬つてしまつて、主食は固より寝具或いは教科書に至るまで全滅しておる。そこで主食の特配と申しますか、そういう考慮がなされ、或いは生業資金等の貸付率を引下げたい、こういう実情が出ておると思います。これも一つお急ぎ願いたいと思います。そこで問題はその急ぐについて方針を目下検討中であるということでありますが、従来の官僚式で調査をして書類をこしらえて、そうしてそれが一週間もしなければ、現物が各自に渡らんというようなことでは、これは問題が起つて参ると思う。それから又悪疫その他いろいろ問題が起つて参ると思いますので、早急に願いたいのでありますが、それの具体的な措置として、災害救助法の改正案もすぐに用意して、そして国会に出す。そうすれば、その方向で現地でも措置を願う。こういうことができると思うのでありますが、災害救助法の改正について早急に一両日中にでも改正して出すという用意があるかどうか、その点を重ねて伺います。
  39. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 只今のところは応急緊急措置ということになりまするので、災害救助法を改正して国会に提出するというところまでの考えは差当つては運んでおりません。けれども、これはどうしても法律の改正を要するようになりますれば、これは早速お願いいたさなければならんと思いますが、法律の改正よりも先に早く適当な措置を講じたいというのでいたしております。例えば先ほどの救助期間の延長等につきましても、この法律の中に特例を認められた条文もあるはずでございます。従いましてその特例を努めて利用して行くというような恰好で参り、その特例を利用してもなお且つ足らない場合はどうするかということも又考えて見なければならんと思つております。
  40. 松浦清一

    松浦清一君 今のに関連して伺いたいのですが、現地に設けられた対策本部といいますか、大野国務大臣のやつておられるあの本部大野国務大臣の権限というものは、やはり範囲が限定されておつて政府できめられた枠の範囲でだけしかやれない、そのためにこういう緊急事態が起つても、その枠以外には出られない、そういうのですか。やはり相当権限を持たしてあるわけですか。
  41. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 法規的でありませんが、総括的に、こういう災害の際でありまするから、現地で判断をして、それによつて即決的にやつてもらいたいと、こう言うております。ですから多少行過ぎがありましても、止むを得ないと思います。
  42. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) その点、私かりも重ねて緒方総理にお伺いいたしたいと思いますが、私は主として熊本を視察して帰つたんですけれども、東京へ帰つて新聞をめくつてみても、殆んど真相は伝えられていないわけです。昨日大野国務相がお出でになつて、御視察になつてびつくりされておりました。調査或いは統計資料の集計ということも大事ですが、ああいう災害段階になりますというと、ともかく一刻を争うときですからね。避難民としては、やれ前例がどうの法規がどうのと、いじくつているというようなことになりますと、非常に避難民は悲観するだろうと思うのです。私ども市役所並びに県庁に行つたときに、市と県は極力やつておるけれども、収容されておるところの避難民諸君は、手の打ち方がなまぬるい、何を県はしているかと、非常に不穏な空気があるので、収容所に行つてそれらに接するときには、そういう気持で接してほしいと、そういうことを市並びに県から承つたわけでありますが、従つて松浦君の質問に関連するわけですが、今度新例を設けて福岡対策本部を設けて大野国務相がその最高責任者として派遣されておるわけですが、政府から時宜に適した処置を勇猛果敢にやれという連絡を、私どもは至急にして頂く必要があると思いますが、如何でございましようか。
  43. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) それは大野国務大臣が出発する際にも、特に総理大臣から機宜を失わないようにという激励と申しますか、そういう口添えがありましたので、大野大臣の人柄からいつても、相当思切つてやり得ると思つております。
  44. 吉田法晴

    吉田法晴君 法の改正まで参りますかどうかというお話ですけれども、厚生大臣の言われる六日と二十日までということは、これは法の改正がなければできません。そこでこれは前例にとらわれずにやれと、或いは緒方総理から現地本部長に言われ、そしてやられる幅というものは、これは極めて小さいものです。実際に県がやつて参りますと、これは予算の問題もあると思いますが、そこでその点は急速にお願いいたしたいと思います。それから例えば現地給食をしまして、今数字を持つておりませんが、法律を見てもちよつと探し出せないのですが、一日二十何円というのですね。福岡県の衛生部長はそれを聞いてそんな給食をしたら我々は栄養失調になつてしまうぞと、こういう彌次といいますか、そういうことを漏らしておりましたが、これは本当ににぎりにたくわんということになりましよう政府米を放出したとしても。そこで一番問題なのは期間、それから生業資金等についての金額の問題ですが、これは急いで修正をする御用意を願いたいと思うのです。それからもう一つ法に関係いたしますが、例えば災害救助法の三十六条に国庫負担の規定がございます。この百分の一を超す云々ということを申しておりますが、私も実はよく災害救助法を勉強しておらないので、今やつと泥縄式に読んでおる状態なんですが、実情を申上げますと、今までの法規でいつて六億ぐらい要るだろう、これは福岡県だけで。これは半分ぐらいは県が持たなければならんということになりますと、実際に水にまだ漬つておる、打切るわけにいかん。範囲も広いからやりたくても、その面でも或いは本部長を通じて先ほどのような、前例にとらわれずにやらなければならんとか、勇猛果敢にやれと言いましても、その面でも末端にはやはりしぼつて参る点が出て来ると思います。この国庫の負担の額も、法規といいますか、前例にとらわれずに、おやり願いたいと思うのですが、そうすればやはり法規の問題が出て参ります。そこであとのいろいろ修正は必要でありますが、最小限度、生業資金にしましても期間にしましても、厚生大臣のやりたいということ自身がここにかかつて参ります。そこで修正案も私は急いで出す用意ありや否やということを伺つておりますが、これは是非一つまだ漬かり、或いは多少昨日あたりも雨が降つておるので御用意を願つて現地の指示を容易にするために、一つ御推進を願いたいと思うのです。重ねて一つの御決意だけは承わりたい、或いは緒方総理でも結構です。
  45. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 只今の救助の期限問題等については、私の記憶では何らか特例規定があつたように思うのですけれども、その点等もありますが、期限或いは負担の問題等につきまして、十分検討を只今加えておるわけでございますが、もう暫らくどういうふうな結論を我々が得ますか、暫らくお待ち願いたい、とに角努めて早く決定するつもりでおります。それであと今の条文の問題になりますので、これはあとでゆつくり一つ御相談といいますか、一緒に検討したいと思います。多分できるのじやないかと思つてつたのでありますが……。
  46. 吉田法晴

    吉田法晴君 その点、災害救助法というのは、これほどのとにかく災害を予想しなかつたと申しますか、実際に曾つてない広汎にして深刻な災害に出つくわしますと、足らん点が幾らでもございます。そこで修正案を至急に立案を願いたいと、こういうことを御承知おき願いたいのです。  それからもう一つ関連して伺いますが、現地にできております対策本部、これは政治的に現地対策本部を作つて、需要に応じ得る態勢を整えるためという政治的な配慮もある、こういうふうに思うのです。その点については感謝しなければなりませんが、災害救助法による中央協議会の組織ということが規定されておりますが、政治的な措置で、法に基く中央協議会といつたような組織はどうして作られなかつたのですか。どういう根拠に基いて対策本部が作られたかという若干の疑問を持つわけであります。この法との関係でどうなるのか、或いはどういう理由によつてそういう工合にされましたのか、その点を伺いたいと思います。
  47. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) ちよつと要点を十分に呑込みませんでしたが、災害対策本部自体としましては、先ほど副総理お話になりましたように、別に特にいろいろなことについての制限も受けずに、常識上の範囲で努めて迅速果敢にやるように、こういうふうな形で現地本部ができておるわけでありまして、従いまして別に現地本部としましても、いろいろの法規そのもの或いは皆さんのおきめ下さいました予算そのものの制肘はおのずから受けるわけであります。だからこれらの範囲はおのずからきまつておるわけでありまするが、その中で一つ努めて勇猛果敢にやりたいと、こういうことなんでございますが、従いまして例えはおきめ下さいました予算の中でも、枠の範囲ということでいろいろと考えを廻しますれば、工夫もつくわけであります。そういう点では、又今法規の点でも、法規のそれぞれの特例というふうなもの或いはその他の平時以上に許されたような非常事態の法規を、十分に適用してやつて行く、こういう考え方で行くわけなんであります。従来の先例は、おのずからそういうふうな特例特例というものを、比較的何といいますか、嫌がるというと言葉が悪いのですが、嫌がつてつてつた、そういうふうなことにはとらわれずに、一つつてもらいたい、こういうふうなことであります。又現地実情を見まして、或いはこちらの中央本部でも考えまして、どうしても法規の改正が必要だということになりますれば、又皆さんにお諮り申上げなくちやならん、こういうふうに考えております。
  48. 吉田法晴

    吉田法晴君 先例にとらわれずに、又予算の枠にもとらわれず、勇猛果敢にやつて参りたいという御趣旨は、大変結構だと思いますが、御質問申上げました中心はちよつと外れております。それは災害救助法によると、中央災害救助対策協議会を作ることができると、こういう規定になつておる。会長は内閣総理大臣、副会長は厚生大臣ですが、仮にこれが関東でこれだけの災害が起つたならば、恐らくこれを適用して、総理大臣が協議会長ですか、会長になつ対策立てられるだろうと思う。たまたま九州であつたために、関東震災以上だという概念はあつても、それだけの態勢が整えられなかつた。私のひがみかも知れませんけれども、そう思うのであります。それで折角中央対策本部というものを設けるなら、総理大臣を会長にするほどの決意をなぜしなかつたか。それから例えば情報お話が先ほど出ましたけれども、法の四条によれば、対策協議会が情報を集め云々という法的な根拠もある。或いは物資の調達その他救助についても、法的な根拠があつて、恐らくもつとやりやすいだろうと思う。そこでこういう法の根拠に基いた中央対策協議会がどうして設けられなかつたか。或いはこれとの関係をどうされるのか。或いはその辺をどういう理由でしなかつたか。或いはもつと改善をして行く決意等があるならば、それを一つ承わりたい、こういうことであります。
  49. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) そこの法律にありまする中央災害救助対策協議会、もとよりこれを設けまして結構なんであります。けれども一応考えましたところは、成るたけ早く手を打ちたいという考え方から、即座に九州の現地本部、それから又各閣僚でございますると御相談が早い、そういう点から中央本部という考え方を起しました。それで勿論その法律にありまする協議会は、御承知通りに相当大きな問題につきましての協議事項が主なものになりまするので、これはむしろ今後の復旧とか、そういうふうな方面で、或いはそういうふうな会のお力を借りなくもやならないかも知れないと存じております。併し只今のところは応急処置を主眼にしておりまして、九州の現地本部中央本部とを設けましたのです。併し今後の事態の経過に伴いまして、その法律の協議会を開いたほうがよろしいときには、直ちに開くつもりでおります。もうすでにそれは構成されておりまして、できておるのであります。だから開けばすぐ開けないことはないのであります。ところがそこの構成員を御覧下さいますると、非常にお忙しいような方々が載つておるはずでございます。従いまして応急処置の連日の作業には間に合わないわけだと思われましたので、只今ような実際的なやり方でやつております。そして最後に復旧その他の大きな問題になりましたときには、これを開かなくちやならないかとも存じております。
  50. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  51. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。
  52. 吉田法晴

    吉田法晴君 それじや今までの質問についても、なお明日にでも譲ることにいたしまして、一点だけ伺いたいのですが、それは現地の事情或いは現地対策本部、或いは西下されました関係大臣等についても、田中副長官の、先例によらず云々という決意でやつておられるようでありますが、予算の点についても、その点はそういう御精神でやつて頂いていると思うのでありますが、重ねて一つ予算の点についても先例にとらわれず、或いは災害救助の基金、その他の予算にかかわらず、勇猛果敢にやるという御決意を一つここで表明、或いは御連絡を願いたいのであります。その点如何でしよう
  53. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 予算には国会の審議を経た枠がありますので、これは余り勇猛果敢にもやれんと思いますが、まあ政府としてはできるだけのことを成るべく早急にやるということで御了承願いたいと思います。
  54. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 委員矢嶋として一、二お伺いしたいと思います。私は福岡佐賀のほうは飛行機の上でちよつと見ただけで、十分詳細に視察しておりません。熊本を主として視察いたしましたので、若干お伺いいたしたいと思うのですが、熊本市の被害状況については、政府並びに東京の新聞その他にも、真相が伝わつておりません。私見て参りまして、現在私の気持としては、とにかく今死ぬか生きるかの段階にあるあの避難民を、ともかく助けてもらいたい。この一語に尽きるのです。それでそのために政府福岡に西日本災害対策本部を設けて、大野国務相を責任者として派遣せられておるわけでございますが、この対策本部をいつまで置かれるのか。又大野国務相は第一線にいつまでおられて、責任者として適宜に緊急誤ることなくその采配を振われるのか、念のためお伺いいたしたいと思います。
  55. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 熊本方面情報につきましては、私どもが中央におつて想像していたよりも、交通機関の被害が非常に多くて現にまだ矢部川が渡河できないというよう状況にあるそうでございまするし、熊本市内の被害状況等につきましては帰つてつた建設大臣初め、実は驚いているような様子でありまするが、そういう交通機関の杜絶振りから、初めの間十分に東京の新聞社、政府にも入手できなかつたことは事実であります。でありまするが、今日では事情も十分にわかつておりまするし、これに対しては対策を機を失しないようにやろうと思つておりますので、その点は御了承をお願いしたいと存じます。  それから現地対策本部は、これは今からいつまで置くかという期限は申上げかねまするけれども、成るべく長く一応現地で、荒ごなしと言うては言葉が悪いかも知れませんが、現地でいろいろな訴えを聞いて、そこで処理できるものは成るべく現地で処理する、そのためにわざわざ国務大臣中心にした現地本部を設けまして、そうして多少常識的な何でありまするが、相当広汎な権限を与えて出したような次第であります。そういう意味で、一応水が引いたらどうというつもりはございません。相当の期間、現地対策本部を置いておくつもりであります。
  56. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 更にお伺いいたしたい点は、私曾つて大阪を襲つたキジア台風、それから岩国を流れる錦川、あれを襲つたジェーン台風、この災害視察をしたことがあるのですが、とてもそれらの比ではなくて、まさに筆舌に尽しがたいという状況です。白川の氾濫というものは、ちよつと熊本を知つている人でも説明してもわからない程度です。然るにさつきの副総理報告の中に、白川の氾濫というものが出ていないのを私は聞いて、誠に心外千万だつたのですが、私の聞き落しでしようか、それとも副総理が読まれなかつたのでしようか、実に私は心外なんですよ、如何でしよう
  57. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 私も読みながら菊池川と書いてあつて、白川がなかつたのをちよつと不思議に思つたのですが、こちらの原稿を書いてくれたかたが……。
  58. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 菊地川も若干ですが、白川の氾濫というのは、専門家が見ても想像が付かないのです。それほどの氾濫を、あれほどの被害を受けているのに、政府の責任ある報告の中に入つていないのを私は心外に思うのです。それでは政府はやはり真相を把握していないということに私はなるのじやないかと思うのです。
  59. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 万一抜けておりましたならば、それは私が書き漏らしたのであります。これは、白川の氾濫はお説の通りに全く非常に甚だしいものでございまして、勿論今朝の建設大臣報告も、筑後川或いはその他の川と一緒に白川の氾濫について十分御説明を頂いたのであります。我々の、政府の認識というものにつきましては、ほかの川に劣らず十分持つております。万一、抜けておりましたならば、これは書き漏しでございまして、私が入れなかつたのが悪いのでございます。
  60. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) それらの点については確認して一つ注意して頂きたいと思うのであります。これらの点については十分の情報が的確に入つていないという点もあつて政府としても苦心されると思うのですが、今後十分注意して頂きたいと思います。これに関連してお伺いするのですが、十億円の融資ですね。これを各県別に相当の差等を付けて出されているわけなんです。現在その災害地で欲しいのは、言葉の見舞よりは握り飯一つ、十円でも百円でも一時間でも早くもらいたい、これなんです。従つてこの十億円の融資というものは、まさに死活をかけた問題だと思うのです。これを政府はどれだけの資料を持たれてこれだけの差等を付けて出されたか、現在私の見た範囲内では熊本の、議員団のかたから明日正式に報告して頂けると思いますが、海岸堤防決壊したところなんか締切りなんか全然やつておりません。品川あたりの両岸決壊締切りが全然手が付かないで、市内をとにかく人が歩けるようにする、死体の発掘をやる、それから避難者がどこで休むか、休まる場所を作るというのであつて、これはあと雨が降つた場合に、その水を防ぐために、一つここで締切りをやろうなんという段階にはないわけですね。従つて私は十億円の配分については、どういう資料で、どういうお考えでやられたのか、その点伺いたいと思います。
  61. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 政府としましては、努めて早くこの十億円を割当てたいというので、作業をいたしたのであります。例えば被害の人口数であるとか、被害の戸数であるとか、或いは冠水の面積であるとかというふうな一応わかつておる資料につきましてこれを割当てたのであります。なお併し一応の目安で割当てまして、これは現地におきまして、現地本部がこれを実際に即するよう修正し得るということにいたしております。なお拙速を尊びました関係上、十億円という数字割当てたのでありますが、これは御承知ように、全く十億円を即日出すという形をとつたのでありまして繋ぎ資金にいたしましても、十億円では足りないということは勿論御承知通りであります。それで差当りこれを出しましたあとの追加の分の際に、又情報が的確に入るから、そのときにこれを修正ようという考えを持つております。  それから今申しましたように、現地でも若し情報が的確にわかつて、これを修正し得るなら修正ようというふうな二段構えで、差当り先ず十億円を配分したわけであります。
  62. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) その点については現地にも本部があるわけですから、十分調査に基いて時間的にも量的にも間違いがないように、更に善処して頂きたいと思うのですが、よろしうございますか。
  63. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 先ほど申しましたように、現地本部にも、これは中央での判断に基く割当であつて現地において現地本部修正して然るべきものだということも伝えてあります。
  64. 吉田法晴

    吉田法晴君 十億円の話が出ましたが、十億円の先ほどのお話では、公共土木費の融資、こういうことで、今委員長から尋ねました罹災者一つの握り飯或いは十円でも百円でもというのにはならんわけですね。そこで握り飯のほうは、これは食糧の払下げと申しますか、或いは支給ということで考えておる、これを早急にやつてもらいたいということ。  それからもう一つ、そういう十円、百円では問題になりませんけれども、何千円かの現金が入るといつたことが、罹災者に渡るようにという意味で、生業資金の貸付の枠といいますか、とにかく融資をしてもらつて現金を各県に渡して、そうして罹災者に、法的な理由等は向うで考えましようから、そういう罹災者に渡るような金の融資を一つ考えてもらいたいのです。その点は案がございますか。
  65. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) お話通りでございまして、先ほどの話題に上りました十億は直轄河川を除いておる公共土木事業、農業土木を含んでおる額でございます。従いましてお話の炊出し、その他の点の十億ではないわけでありまするが、先ほど来のお話にも出ました通りに、何はさておいても、只今応急救助、つまり炊出し、或いは着物、医薬品というふうなものが即刻の問題でありまして、これについては十分現地本部において現地側と打合せて手配がされておるわけであります。ただ、お話の金額の点等が問題になります。又少しでも早く生業資金といいますか、金を多く渡してもらいたいというお話もその通りであります。それで、その点につきましては、一両日中に決定をみるつもりで作業を促進、督励いたしております。できるだけ早く決定するつもりでございまして、数日を要するようなことは絶対にないと私は考えております。
  66. 吉田法晴

    吉田法晴君 とにかく、県なら県が活動します金ですね。物は漸次集つてつておりますが、そこで、罹災民に届くまでにやつぱり県で金が要る。そこで十億借りる云々と、或いは手形の問題等を言われましたが、県にそういう生業資金を貸付けの枠と言いますか、融資と言いますか、それを一つ急速にお願いをしたい。一両日中にということでありますが、もう罹災をしましてから、或いは連絡がついてからでも、もう何日かたつておると思う。そういう谷罹災者に届くような資金の枠を決定をして分配をしてもらいたい。こういう点を先ほど御要望申上げたのでありますがもう少し具体的に一つ御答弁を願いたいと思います。
  67. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 只今の生業関係の、或いは生活関係の資金の点でありまするか、これについての繋ぎ資金ということにつきましては、資金そのものたけから申しましたならば、現地で十分手配ができる資金を持つておるわけであります。それで、それを裏付けるものが現地では欲しい、こういうわけであります。それでこれらはそれを大馬力でやつておるわけであります。だから繋ぎ資金そのものとしては現地では困らない。だから私のほうとしては、そいつを早く裏付けてやろう、こういうわけです。
  68. 小野義夫

    ○小野義夫君 議事進行で皆さんに提案しておきたい。これは直ぐこの内容の、いわゆるどうする、こうするという施策に対する質問よりも、むしろ我我この対策委員会というものをこしらえたからには、一体対策委員というものは、現地被害状況を握つて、これに対して、対策委員は、我々固有の、いわゆるこの委員会が固有の一つの立案をしなければならんと思う。かくすべし、かくすべしと政府に要望し、或いは国会に要望するところの案を立てなくちやならん。従いまして、今当局に要望することは、決して不可ではないですけれども、これは何たつて予算とか、その他の法令の拘束を無視下るということは不可能であります。これを超越して我々がやる必要があるかないか。むしろ超越してやらなければならんというところに、この委員会の存在の意義があるのでありまするから、一体委員会は何をなすか、委員会を明日又は今日からどういう段取りで行くかということを、私は先決して頂かなければ、徒らにいろいろの要望を並べても、甚だ失礼であるけれども、官房副長官にしましても、或いは副総理にされましても、委員会の全会の意見が一致して、そこへ結論を持つて来なければ、要するにやり方はないじやないか。又我々は単独で、参議院のみが非常に力みかえつても、衆議院の同様の委員が、これ又我々と違つたような見解を持つにおいては、結局これはいわゆる困ることになるので、今論議の問題でなく、実行の方法を我々は案出するに非常に急でなければならん。このためには、私は委員会は昼夜兼行を以てやつても、さして差支えない。時間的なことを無視して、そうして私は大いにやつて頂きたいし、又理事者に特にお願いするのは、理事者としては、委員長と共に、一つ具体案をどんどん早く作つて頂くことを、私はこの際、議事の進行上お願いして置きたいと思います。
  69. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 小野君の議事の進行については、委員長考えておつた点でございまして、本委員会あとで懇談会にしまして、本委員会の運営について御協議いたしたい、こういうふうに考えておつたところでございます。吉田君まだ続きますか。
  70. 吉田法晴

    吉田法晴君 もう大体の質疑は終つたのですがね。今、早急な具体策について徒らに云々というようお話ですけれども委員会の或いは結論だとか何とかいうことは、これは何日か要します。或いは情報の収集にさえ何日か要します。ところが、現地は生きるか死ぬるかのあれをやつているのですから、早急に対策をやつてもらわなければならん。差当り出ておる線で促進するために、これは災害対策で、その災害対策の緊急の問題について政府に要望をし、そうして時間等もそれは考えながらやつておるのです。徒らにと言われても甚だ心外だと思う。それから結論と言われても、参衆両院の結論と言われても、それは結論が出るまでには相当かかります。それまでのやつを先刻からやつておる。その点は一つ御了承を願いたい。
  71. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を止めて。    〔速記中止
  72. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して下さい。吉田君の質問は明日に廻されるそうでありますから私さつき緊急にお伺いしたい点を質しておつたわけですが、もう二点だけお尋ねいたしたいと思います。その一点は、この度の災害に当つて保安隊が前例を破つて管区外へ派遣して、この災害復旧に更に遭難者の救護に当つておるということは、時宜に適した処置であつたと思うのですが、従つて感謝しておる国民があると同時に、又一部には、あの保安隊の費用を治山、治水に根本的に向けておつて頂いたら、こんなにまではならなかつただろうという声も又聞くわけです。私ここでお伺いいたしたいのは、熊本の今の実情というものは、中央の目抜街まで泥が山のごとくあつて、人も歩けないという状況です。メーン・ストリートがやつと自動車が何とか通れるという状況なんですが、あの熊本保安隊は普通科部隊でして、スコップでやつておるわけですね。従つて殆んど威力を発揮していない。一昨日の夕刻ですか、鹿屋から施設部隊の一部が来て、若干動けるようなつたのですが、これは保安隊の装備については、後日又討議研究もいたしたいと思いますけれども、当面の問題として、どこかの機械化部隊ですね。そういうものを早急に熊本市に派遣して、通信なり交通の復旧を一刻も早くはかるということが大事だと思うのですが、そういうお考は保安隊のほうにないかどうか、伺つて置きたい。
  73. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 誠に御尤もなお尋ねでございまして、実はその点、機械化部隊、つまりブルトーザーとか、或いはその他のものの出動が願わしいのであります。現地にあります分については、ブルトーザーは出動いたしておりますけれども、他管区からこれを持つて来てというのにつきまして、昨日からその輸送方法を研究いたしております。と申しまするのは、関門隧道が遮断されております関係上、あそこの運送関係もどういうふうにしたらいいか、或いはほかの貨物船でどういうふうに運んで行つたらいいか、揚げるにしてもどこに揚げられるか、或いは揚げてから先どこから動くかということを、今のところ研究いたしております。御説の通り、それで早くこれはできるものならやりたいと思つております。
  74. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) もう一つお伺いしたい点は、先般衆参の視察団が参り、それから戸塚建設大臣、それから昨日は大野国務相、山縣国務大臣が昨夕板付に着かれたようです。又新聞で拝見いたしますと、石井運輸相がお出でになる。衆議院は特別委員会の諸君もすでに出張されたということを承わつております。私昨日熊本にいたわけですが、大野国務相は十一時にお出でになるというのが、いろいろ飛行機その他の事情もあつたでしよう。県庁御到着は四時頃になつたわけです。それでその間というものは首脳部の機能がちよつと停止する状況です。現在の段階では知事は三十分でも一時間でもとにかく出動しなければならんという状況ですが、今までの災害の例からいうと、各省の次官、局長或いは主管課でそれぞれ調査々々と言つて、必要もありますが、よく出張されるわけなんですけれども、私は現在の熊本あたりの状況から言つて、大臣が一応視察されて、そして緊急に措置を講じられるということになれば、そう次々にそれぞれの局、或いは課で調査出張というのはちよつと時期をずらしたほうがいいのじやないかと思います。そうでないと、被害地の責任執行部の行動力が鈍るきらいがあるのじやないかという点を私は個人的に心配しておるのですが、それらの点について何か配慮されておるかどうか、念のために伺つておきたいと思います。
  75. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) これ又現地本部その他を設けまするときに、もうすでに政府といたしましては十分に考慮いたしました点でございます。現地に余りに視察団といいまするか、調査委員といいまするか、出動いたしますることは、これは災害地において非常に迷惑を蒙むる半面があるという点につきまして、お話通りに自粛自戒しなければならん、実際に必要員だけ現地に罷り出る、この方針を堅持いたしておるのであります。これはまあ私自身も、いつも災害県でございまして、その経験を十分承知いたしておりますので、現地本部ができましたとき、又中央本部ができましたときにも、それぞれ各省には十分その旨伝えておりますし、御承知通りに、次々と必要な業務ではございますが、出るということでありますれば、私どもとしては十分注意をいたしたいと思います。
  76. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に政府委員質問のかたございませんか。……それでは政府に対する質問は本日はこの辺で打切りたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて。    午後零時四十四分速記中止    —————・—————    午後一時零分速記開始
  78. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。  それではこれで散会します。    午後一時一分散会