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説明員(前谷重夫君)
山下委員にお答え申し上げます。
食糧の全体の需給の問題でございますが、これは御承知りように本
年度におきましては昨
年度に比べまして、昨
年度は六千六百万石の内地の生産でございましたが、御承知のように十月五日の作況によりますとほぼ五千四百万石、千二百万石
程度の生産の減少にな
つておりますので、本
年度の
食糧の需給は、特に米につきましては非常に困難なことがあることは御承知の通りでございますが、我々といたしましては、
食糧の、
米食率の現在
配給いたしておりまする切下げということは、これは最悪の場合のことでございまして、何といたしましても現在の
配給量というものは確保いたしたいということで目下いろいろ各府県とも折衝をいたしておるわけでございまして、現在まだ
食糧の需給につきましては明確な
見通しを持
つておらないわけでございます。御承知のように大体米につきましては各府県の
供出の打合せをいたしまして、そうして更に各府県における需要量の打合せをいたしまして、例年でございますと一月頃に大体
食糧需給の
見通しが立つわけでございますが、本
年度はこういう作柄でございまして、できるだけ早く各府県との間の打合せを了しまして、十一月中にでも明確な需給を立てたいということで目下検討をいたしておるのでございますが、承知のように現在までのところは大体十県
程度しか米の
供出につきましての打合せを了しておらないわけでございまして、あと目下毎日中心でございます関東地方、それからそれ以西の各県との打合せの予定にな
つておるわけでございます。いわゆる政府の義務
供出というものは、本
年度の作況によりますと相当下らぎるを得ないと思いますが、我々といたしましてはその義務
供出以外に相当量の超過
供出を期待いたしておるわけでございまして、これにつきましては第二段にもお話がございましたように、麦を以てできるだけ節米をして頂いて、
産地から出して頂くというふうな意味におきまして、農村地帯にも、特に大麦でございますが、そういうものを政府といたしましては手配をいたしまして、そうしてできるだけ農村地帯におきまする節米を図
つて頂きまして、それによ
つて更に超過
供出して頂くというふうな
措置もと
つておるわけでございます。我々としましては、現在はやはり現在の
配給量を何とかして維持いたしたいということで、その目標の下に鋭意努力をいたしておるわけでございますが、御承知のように従来から米を他府県に出すいわゆる搬出県におきましては、
米食率が
一般消費県よりも高か
つたわけでございます。これは
供出の問題もありま
すし、同時に従来からの食習慣といたしまして、その地帯は麦の生産がないわけでございまして、米麦総合
配給の
時代におきましても、麦の消費量は非常に少く、米の消費費が多いという形にな
つてお
つたわけでありますが、麦の
配給が停止されました結果、米の
配給量がその当時と同じような形で残
つておるわけでございますが、こういう際でございますので、特に作柄が減退いたしました府県につきましては、
消費地におきますと同様の
配給景によ
つて均衡を図りますと共に、又
消費地に対する県外の搬出を多くいたしたし かような観点からいたしましてそういう生産県と打合せをいたしておるわけでございます。
只今御指摘にでございました
配給量の問題につきましては、これは一部の生産県につきまして消費県なみの
配給にいたしたいということで打合せをいたしておる、その点が新聞紙上に現われたのかと存ぜられるのであります。私たちといたしましては、
消費地の
配給量については是非
一つ現行の
配給量を維持したいということで、国内の買入れ並びに外国
食糧の輸入についてもいろいろな手を打
つておるわけでございます。ただ御承知のように、この問題は非常に
影響すところ大でございまして、輸入量につきましてもこれを明確にすることが同時に海外の市価を高めることになるわけでございまして、日本の作柄が悪いということですでに少し海外の市況が上り気味であるという点もでございますので、そういう点については慎重にいたして参りたい。そうして内地の集荷と外米の集荷と相待ちまして、でき得る限り現行
配給量にしたいということで鋭意検討をいたして、おるわけでございまして、できるだけ早く明確に需給計画を立てまして、そうしてその点につきましてはつきり御報告できる機会を持ちたいと思
つておりますが、現在の
状態においてはその中間的な過渡期でございますので、その点御了承を願いたいと存ずるのであります。
第二点の粉食の普及につきましては、これは御承知のように、我が国といたしましては朝鮮、台湾を失いました現状におきまして、主食といたしましては米麦と同時にこれは確保して参りたい。その意味におきまして粉食の普及につきましては、従来も我々といたしまして力を入れて参
つたわけでございますが、特にこういう
時代でございますので、更にこれについての力を入れて参りたいと
考えておるわけでございます。具体的には、御承知のように麦につきましては政府が内麦及び外麦をもちまして、それを量的に市場の需給を安定させますることによりまして、麦の価格の安定を図
つて行くという態勢にな
つておるわけでございまして、現在の粉食につきましては、大体ほかの物資が相当
食糧関係におきましても上
つておるわけでございますが、粉につきましては大体私たちといたしましては価格が安定いたしておるように
考えておるわけでございます。政府の払下げの問題でございますが、御承知のように内地の麦を買上げまする価格と、それからその麦を払下げまする場合とにおきまして、現在におきましては特別会計において相当の赤字を出しておる
状態なのでございます。つまり内麦の買上げと、それからその払下げの間におきまして、その値幅が相当少くな
つておりますので、相当、大体三十億円見当になろうかと思いますが、その
程度のものを政府が
食糧特別会計としてコストを切
つて売却いたしておるような
状態であるわけでございます。この
統制につきましては、間接
統制でございまするが、我々といたしましては、粉食につきましては、現在工場の月産の最高能力が大体四十五万トンと
考えられておるわけでございますが、この工場能力の最大限度までは無制限に払下げる態勢をと
つておるわけでございます。従いまして、工場におきましても相当現在におきましては殆んどフル操業をいたしておる、これは地帯的には多少違いますが、
東京周辺等におきましては殆んどフル操業をいたしております。そういうふうな面からいたしまして、粉食の量的な供給については全然事を欠かないというふうに確信をいたしておる次第でございます。その価格につきましては、現在そういうふうに政府が無制限に払下げるという建前をとりますと同時に、製粉業界に話合いをいたしまして、現在の価格を
自粛的に上げないように
措置して頂くということで、現在は価格が安定いたしておると
考えるのであります。従いまして、現状におきましては。
パンなりうどんの売れ行きが相当殖えておる。併し一方におきまして、その価格は殆んど上
つてないというふうに
考えておるわけでございますが、更に具体的には、
東京都と相談いたしまして、標準店の制度を設けるというふうな形によりましても、更にこの製品価格の安定を図
つて参りたい、かように
考えておるわけでございまして、現在におきましては、現在の政府の売却価格を更にこれを引下げてや
つて参るというふうな
考え方はいたしておらないわけでございます。
第三点の強化米の点でございますが、これにつきましては、昨年末ビタ・ライス或いはプレミックスというようないろいろの方式が検討されておるわけでございまして、これについても国内的にいろいろ
研究はされてお
つたわけでございます。それに対しましては、我々は極く試験的な意味におきまして原料を
配給いたしまして試験を願
つてお
つたわけでございます。これは将来はこういうものに対しても更に矢大的に栄養の面からいたしまして強化されるということが望ましいわけでございまするが、現実の問題といたしましては、現在のような
食糧の
不足の場甘におきます
状態及びそれの価格
関係等の
関係がございまして、差当りこれを大々的にやるということは非常に困難かと存ぜられまするが、従来からまあそういう方向で検討はいたしておるわけでございます。先般新聞に出ましたものは、一応部内におきましてそういう検討をいたしておるものが一部出たわけでございまして、まだ
食糧庁といたしましても最終的に討議の終えた段階ではないわけでございます。従いまして、厚生省に対しましても正式にその
方針について打合す段階には至
つておりませんが、我々のほうでも検討を続けますと同時に、十分厚生省とも
連絡をとりましてこれの方向を定めて参りたいというふうに
考えておるわけでございます。で、原則的には、勿論栄養を添加いたしましてこういう方向に進めて参るということが必要かと
考えておるわけでございますが、先ほ
ども申上げました、本年の米の作柄の
状態、それに伴う輸入の
関係、米全体の需給
関係とも関連いたしまするし、又政府が米を
配給いたしまする場合には、御承知のように公定価格で以て
配給いたしておりますので、価格
関係、或いは消費者の負担の
関係等もございまするので、そういう需給価格についても今後十分又検討いたさなければならんのではないかと、かように
考えておる次第でございます。