運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-07-09 第16回国会 参議院 建設委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月九日(木曜日)    午後三時十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石川 清一君    理事            石井  桂君            石川 榮一君            三浦 辰雄君    委員            石坂 豊一君            小沢久太郎君            鹿島守之助君            松岡 平市君            赤木 正雄君            江田 三郎君           小笠原二三男君            田中  一君            木村禧八郎君   衆議院議員            田中 角榮君   国務大臣    建 設 大 臣 戸塚九一郎君   政府委員    建設政務次官  南  好雄君    建設省道路局長 富樫 凱一君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   —————————————   本日の会議に付した事件連合委員会開会の件 ○道路整備費財源等に関する臨時措  置法案衆議院提出)   —————————————
  2. 石川清一

    委員長石川清一君) 只今より委員会開会いたします。  本日は公報で御通知申上げました通り道路整備費財源等に関する臨時措置法案を議題といたします。本法案につきましては、去る七月二日大蔵委員会連合審査を行い、その後七月七日大蔵委員長より、特定税収入特定歳出目的に充当する目的税的な考え方は、予算編成、税制の改正等に関し、その弾力性を失わしめるのみならず、将来他の事項についても同様な問題を引起す虞れがあるから、十分考慮の上善処されたいとの申出がありました。従つて委員会としましては、大蔵委員会との連合は打切りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石川清一

    委員長石川清一君) 御異議ないようでございますので、大蔵との連合審査」は打切ることにいたします。   —————————————
  4. 石川清一

    委員長石川清一君) それでは道路整備費財源等に関する臨時措置法案の質疑をお願いいたします。
  5. 赤木正雄

    赤木正雄君 ガソリン税の中には一般自動車以外のガソリンも入つていますが、これは自動車だけのガソリンとそれ以外のガソリンと、ガソリン税はどれほどの税金において差違がありましようか。
  6. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 大体自動車で以てとつておりますガソリン税揮発油税法による税収入額の八五%乃至九〇%であります。あとの一五%乃至一〇%が輸送機関以外のガソリン消費に対する分であります。
  7. 赤木正雄

    赤木正雄君 航空用ガソリンはこれは税金がかかつていないと思いますが、或いは将来かかる時期があるかもわかりませんが、そうしますと、航空用ガソリンも、この法案が通過した場合には当然これに加わつて来る。又、そのほか、これは現在税金のかかつている生産用ガソリンですね、これもありますが、この前の国会で修正いたしましたときには、主としてこの道路に使う自動車ガソリンと、こういうふうに修正したのでありますが、その修正と言いましても修正しようとしたのですが、今度の法案ではそれは全然考えていない、やはり全ガソリンとしてありますが、その間において、航空機用ガソリンも或いは生産用ガソリンも、そのガソリンによつて入る税金はこれに加算するということを妥当とお考えになつていましようか、どうでございましようか。
  8. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは道路整備のための目的税として規定いたしたのではなく、前回の連合委員会にも申上げました通り道路費用が非常に少い。そして現在の状況におきましては、道路整備五カ年計画をやるために、その財源の一部として当該年度ガソリン税収入額と同程度ぐらいのものを盛らなければならないというのがこの法律案趣旨でありまして、道路整備費用一般財源からも勿論補充するわけでありますので、現在の状況におきましては、自動車使用するガソリンに対するガソリン税額だけを以て充てるよりも、現行ガソリン税法によつて得られるところの額を目標額と定めることで一向差支えないのではないか、こういうふうに考えております。  なお、将来航空用ガソリンその他で非常にガソリン税収入が大きくなるような場合はこの法律考えるのでなく、別の法律で以て規制せられることもあるであろうということが考えられるわけであります。  もう一つは、この法律は五カ年でありますが、この五カ年間において、莫大もなく新らしい事態においてガソリンを消費しなければならない、それによつて税収入額も非常に大きく上廻つて、この法律案そのままを公布しておるために予算編成権が大幅に拘束せられる、予算編成が殆んど不可能になるのじやないかというような場合は、当然新らしい立場から新らしい感覚でこの法律案修正がなされるのでありまして、現在の情勢におきましては、この趣旨法律案でいいのではないかという見解を持つておるわけであります。
  9. 赤木正雄

    赤木正雄君 提案者田中さんは、道路は非常に悪いから道路をよくしよう、それで道路を一番第一によくせんければならんものである、こういうふうなことをおつしやいまして、そのお考えは尤もだと思つております。併し田中さんは、同時に治水その他にも非常に御関心をお持ちのかたと私は日頃存じております。又そういうふうに万事今までやつて参りました。この間の委員会でもちよつと申したのでありますが、今回の九州地方水害、これを見ても、道路先決治水先決か、これは非常に大きな私は問題であります。でありますから、仮に道路先決というふうなお考えがあるならば、道路は大事である、それは大事である。が、それは道路が第一ということは、これは今日の日本の国情からして果してそれが正しいかどうかというふうなことは、公聴会でも開いてみればこれははつきりわかりますが、まさか道路第一主義というふうなお考えは無論お持ちになつていない、場合によつて治水道路にましてやらなければならんというお考えも十分お持ちのことと思います。これに対してこれは道路法案に非常にたくさん経費が増す、道路がよくなることは私も賛成でありますが、同時に仮に国の税収入として入る金はきまつておる、そのときに治水事業の分も水害その他に鑑みてもつともつとやらなければ、現にやらなくちやならない時期に達しておりますが、それで河川改修砂防その他の費用もこの道路費と公平に考え、やはり治水事業のほうにもつと重点を置いて行かなければならないというふうなお考えが仮にあるというふうな場合においては、この法案に対して多少修正を加えるというようなお考えはお持ちでしようかどうか。
  10. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 全く赤木さんと同じ考えを持つておるのでありまして、道路重要性を説いているのでありますが、私は道路治水砂防その他の問題と比べて、道路は優先するものだと考えておるものではありません。私自体は、国の予算編成の過去を回顧してみますときに、公共事業、なかんずく治水砂防、港湾、道路というような、国民大衆全部が利害の対象になるようなものに関しては、予算を比較的大幅に盛つてあるとは言いながら、各国の例を引くまでもなく、多少軽視されておるからこそ、道路は荒廃し、只今現地写真を見たような多くの水害が起ると私は考えております。そういう意味において、この法律案を提案いたした一環として、勿論治水事業費、なかんずく砂防等は大幅の増額をしなければならないという考えを持つております。併し私はその事業目的を達成して行く手段としてこの法律案を提案しておるわけでありますが、現在は予算編成状況を見ておりまして、この程度法律案を出しまして、当該年度ガソリン税収入額と同じ額以上のものを道路整備五カ年計画事業に盛るべきだということは、予算編成権を拘束する程度のものではなく、特に又治水事業砂防等費用増額するための支障にはならないということを考えておるわけであります。それは何故かと申しますと、或る国ではガソリン税のほかに自動車及びその部分品輸入税さえも道路にかけておりますし、世界の例を見ましても、日本が最下位の道路費しか出しておらないという状況を見まして、治水事業道路事業の軽重をこの法律によつて論ぜられるというようなことは全くないのではないか、いわゆる砂防や、治山治水費用は、この法律通つても、我々は所期目的通り十分予算内の枠を殖やして行かなければならないし、又殖やして行き得るものだと、こういうふうに考えておるものであります。
  11. 赤木正雄

    赤木正雄君 御趣旨はよくわかりましたが、併し仮に公共事業費と申しますか、公共事業費に使うお金が今までの枠が少いというような観点からして、今までの予算措置上において治水関係に十のものをとる、そうして道路関係に五の予算をとつていた。まあ今までは日本のあらゆる角度からしてそれより止むを得なかつた。併し今度これに対して道路費は今度は十になる、その場合には当然治水も今までの率において大巾に上げるべきだというふうなお考えをお持ちですかどうですか。
  12. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) その通り考えております。私は現在の予算編成状況におきまして、公共事業に対する観念一般的に低いということを考えております。勿論この法律の次に私は河川法改正考えておるわけでありますが、治山治水というような問題はその行政の統一というような段階を経ながら、治山治水事業等は大巾に予算計上しなければならない。予算に計上するというよりも非常措置として当然金があるとかないとかいうただ机上の数字だけをいじくる予算編成ではなく、去年は八十億の予備費が使われなかつたから、二十八年度の予算編成に対してはそのまま据置きの予備費八十億で賄えるのではないかというような、大蔵経済審議庁当局等のお話がありました当時、そのような考えであるから日本災害亡国を繰返しているのだと衆議院建設委員会で指摘したこともあります。その言が乾かないうちに今次の九州水害なつたわけでありまして、この処置は五、三、二の比率で三カ年間で災害復旧をやるとかやらんとかいうことは別にして、やらなければならん現実でありまして、又政府もこれが予算措置を講じておるわけであります。ただいろいろな問題で議論はせられておりますが、私は或る場合においては治山治水事業等に大巾な建設公債等手段も講ぜられなければならない。ない袖は振れないということでいつものように事務官僚答弁そのままを呑んでおる場合には、私は日本災害亡国から救われないという考えを持つておりますので、道路整備に対するこの種の手段とつたと同時に、次々と公共事業ただ枠を殖やす、窓口を殖やすというような考えではなく、より高い立場から予算編成根本に対して鋭いメスを振いつつ、又具体的な措置を講じて行きたいという信念を持つておるわけであります。
  13. 赤木正雄

    赤木正雄君 今度は政務次官にお伺いいたします。提案者は今お聞きの通りに、この道路に関する予算が殖えましても、やはり治水のほうにはもつと重点を置かなければならんということを言つておられますが、政府といたしまして、国の予算が限定されておる場合にこの法案が通過して、その結果治水事業に影響を及ぼす、言い換えれば治水事業費がだんだん現在減らなくても率が減る、そういうことは無論おわかりにならんと思いますが、政府の御意見はどうですか。
  14. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。  政府といたしましては、今日の状態においても決して私たちは満足しておるのではないのであります。治山治水利水という方面に関するまあ何と申しますか、財務当局観点が低いのだと、我々の政治力の足らないために今次のような大きな水害も起きたのでありまして、御趣旨の御質問を賜らなくても、今後におきましては治水利水方面に関しまする経費増額は勿論のこと、根本的計画を立てなければならんものだと、こういうふうに考えて、おるのでございます。
  15. 赤木正雄

    赤木正雄君 政務次官も今向うの予算委員室映画を御覧になつたと思います。私も見て来ました。あの映画の結果をみましても、福岡県の映画でしたか、河川破壊箇所は何ぼ、堤防の決壊は何カ所、死傷者は何ぼ、農地の水害何ぼ、こういうことはすつかり立派な数字が出ていましたけれども、一歩山奥のほうは何にも出てない、少しもどういう所にどういう崩壊があつたとか、何らそういうことは少しもあの映画には出てない、これが今日の治水根本の欠けておるわけなんです。そういうところに政務次官お気付なつたかどうか知りませんが、今日水害がかように起つておる原因はそこにあるのです。そこを国民一般誰も知らないということはあの映画はつきり現わしておる。それを十分御了承にならん以上は幾ら金治水におかけになつてもそれは駄目です。水害が起るのは当然です。これは田中さんもよく聞いて欲しい。丁度今見て来たあの映画は、実際世相の如何に治水観念の少いかということがはつきりわかる。これに対する政府の御意見を伺いたい。
  16. 南好雄

    政府委員南好雄君) 誠にこの方面に造詣の深い赤木さんの御意見であります。謹んで拝聴いたしておりましたが、私は大体この災害と申しますものは一種の何と申しますか、突発的に起きて来るものであります。従つて起きれば非常に関心が深まるのでありますが、起きん場合においてはとかく等閑に付せられるのであります。これは或る程度我々といたしましては、こういう問題が起きんようにすることは勿論でありますが、そのためには不断の努力を続けまして、そうして財務当局にいわゆる災害の起きないようにするための施策といたしまして、相当のいわゆる経費を出さして行くようにやつて参らなければ、何ぼそういうことを言つておりましても、起きたときに大騒ぎするようになるのでありますから、今後は一つ治水治山という方面について、今度は一ついい目前に生々しい大きな経験を持つておるのであります。この経験利用……利用と申しましては言葉が悪いのでありますが、いい目を醒してくれておるのでありますから、この時期に取上げてこの問題を根本的に解決したい。省の内外を挙げて一丸になりまして、今田中君から言われましたように、ない袖は振られんというような、誰でも言えるような、そういう予算の切り盛りをやらせないように一つ頑張つて行こうと思つております。
  17. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつとそれに関連しまして……、只今そのほうの専門家赤木さんからも御質問があつたわけですが、それに対する御答弁を聞いてみますと、これはもう天災的な突発事件のような考え方で御答弁しておるようですが、これまでの政府政策に、施策にやはり責任があつたということは政府のほうでは考えておられませんか、災害の経過においてですよ。
  18. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。  今次の災害が先ほど説明しておりましたように、一年の降雨量の半分が僅か三十時間ばかりの間に降つたという異常な原因に基くものも多分にあると私は考えておりまするが、率直に先ほど我々の政治力が従来足りなかつたためにこういう問題も起きておるんだ、これは認めて、申訳なかつたことだとお詑びしておるわけなんであります
  19. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その建設省の次官として伺うのですが、具体的に政府のそういう治山治水政策、或いは道路政策、そういうものを今度の災害との関係においてどういうところに欠陥があつたか、そういうことは御調査されておると思うのですが、それで成るほどこれは異例な降雨である、従つて非常に不可避な被害の大きさがあつたことも我々は認めます。併し若し建設省政策よろしきを得たら、その被害程度相当程度に食い止め得たのではないか、こういう点もあると思うのです。そこでもつと具体的に建設省で御研究になつているのなら、具体的にどういう点に欠陥があつたかということも一つ答弁して頂きたいと思うのです。或いは今すぐおわかりでなければ、やはり至急調査される必要があると思うのです。こういうところに欠陥があつたということをですね。今すぐ御答弁できなければあとでもいいのですが、そういう点について我々具体的に聞きたいのです、どういうところに欠陥があつたか。
  20. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。私決してその場限りの答弁をしているつもりではございません。今次の水害が僅か二日か三日雨の降つたために二千人の人命を失い、千数百億の誠に貴重な国の資料をなくしておりますことにつきまして、私たちといたしましても十分に調査いたしまして、過去の行政において欠陥がありますならば、率直に皆様方に申上げまして、そしてその欠陥の是正にともども御協力をお願いするつもりでおります。で、今如何なる点にそういう欠陥があつたか、又将来根本的に治山治水の策を立てるためにはどうしたらいいかということの、迂遠な話だとお叱りを受けるかも知れませんが、或る程度計画は持つております。恒久対策は持つてつたのでありまするが、もう一ぺんその恒久対策を再検討してみる必要があるのじやないか、ともかく今まで我々の想像していなかつたような一年の降雨量が二日か三日に一ぺんに降つて来るということもあるのでありまするから、つまり或る程度安全率では間に合わない場合が起るのだということも如実に教えておるのでありますから、根本的に従来の恒久計画を変更する必要があるというので、北九州災害第一報を受取るや、関係部署を督励いたしまして、今やつておるのであります。併し非常にむずかしいことだそうであります。計画洪水量をどの辺に抑えてやつて行くか、直轄河川だけにいたしましても七十本もあるのでありまして、国家財政の睨合せもしなければなりません。如何にいろいろ申しましても、やはりそこに財政の点も勘案しなければなりませんので、非常にむずかしい問題にはなりまするが、如何にむずかしくともこれはやつて行かなければならない問題と私考えております。督励しながら関係官庁協力いたしまして、成るべく早い機会北九州のみならず日本全土に通ずる恒久的対策というものを立てて行きたいと思つております。それと並行いたしまして、過去における行政、又過去におけるいろいろのものがどういう点で欠陥があつたのかも改めて調べております。これは決してその場限りの答弁をしておるわけではなくて、いずれそのうちに機会を見まして、皆様方に御説明申上げる時期が参ります。どうか一つ……。
  21. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私これまで予算の面からこの公共事業というものについて多少まあ関心を払つて来ていたわけです。御承知のように予算全体から見て公共事業費は非常にウエートが大きいのですね。これを如何に効率的に使うかということは、これは一番大切な問題なんです。予算全体としての効率的使用においてですね。特に公共事業費を効率的に使うということは実質的に非常に重要なわけですよ。そういう意味関心を持つてつたのですが、非常にたくさんの費用を使いながら、この使い方相当まあ問題があつたことは御承知通りだと思うのです。いろいろな、天狗橋事件というようなのは極端な例ですけれども、その他にもたくさんあると思うのです。幸い私今度建設委員になりましたから、具体的にそういうものを研究してみたいと思うのです。公共事業費を効率的に使わなければ、非常に金額が大きいのですから、これはまあ非常に問題であると思うのです。私は今後においてもこの九州災害復旧においても相当の金が要ると思うのです。相当財政資金が要ります。そういう場合の使用等についても、これはもう我々も相当これは監視しなければならんと思うのですけれども、相当長い間に亘つて相当国費が要るのでありますから、この使用についてはまさか天狗橋事件みたいのが起るとは思いませんけれども、その点について建設省としても、災害救助だからとにかくそれは思切つて出さなければなりませんが、その点十分使い方に私は注意する必要があるのじやないか、こう思うのです。そういう点についてはよほど従来いろいろな非難があつたわけですから、そういうものをよく検討される必要があるのじやないかと思うのですが、こういう点について一応まあ御意見だけ伺つておきたいと思うのです。
  22. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。先ほどもお答え申上げましたときにも申上げておきましたが、そこで私は国家財政の制約もあるということを申上げたのであります。木村さんの御指摘の通り、従来も公共事業費の全予算に対するウエイトというものは相当大きいので、今後もどの方面に使われるにいたしましても、かなりウエートが重くかかつて来るのでありまするから、そういうものの使い方につきましても十分に注意を払うようにという御注意だろうと拝承したのでありますが、勿論今までもルーズにやつておつたと私たちは思つておりませんが、完全を求める意味合いにおきまして、皆様方の御協力により、直轄事業にいたしましても、補助による公共事業にいたしましても、十分に督励いたしまして、御趣旨に背かないようにやつて参りたい。又そうして参らなければ貴重ないわゆる国費所期目的を達するように使つて参りかねるような結果にもなつて参りますので、予算もとらなきやならんが、使う場合も十分に注意して十二分の効果を挙げるようにやつて参るように考えております。
  23. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私今後具体的にもう少し……今の御答弁の中にありましたから、本当に合理的に使つているかどうかはいろいろ調査研究によつて勉強してみたいと思いますから、そうして研究した後にもう一度御質問をすることにしまして、今ほかのかたが御質問あるようですから、一応……。
  24. 江田三郎

    江田三郎君 この間配られた道路整備五カ年計画案という資料ですが、これはどこで作つたものですか。
  25. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは、前にも当委員会の要求がありましたので、私が建設省に事務的な処置をさして私も関係して作つたわけであります。
  26. 江田三郎

    江田三郎君 大体建設省のほうでも了解して出された、こういうことですか。
  27. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 建設省から資料提供を求めて大体の整理をしたわけでありますから、建設省としては一つ試案として提出したろうと思います。
  28. 江田三郎

    江田三郎君 建設省のほう……。
  29. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この法案が通過いたしますと、用意いたさなければならない五カ年計画として道路局で立てた試案でございます。
  30. 江田三郎

    江田三郎君 道路局試案ということですが、この法案が通過した場合には建設省としては大体これと大差のないような五カ年計画を立てられて閣議へ出されるわけですか。
  31. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路局といたしましてはさよう考えております。
  32. 江田三郎

    江田三郎君 予算金額等についてもほぼこの程度考えられておるわけですか。
  33. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) さようでございます。
  34. 江田三郎

    江田三郎君 道路局としてはということですが、省としてはどうなんですか。
  35. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。元来一部局の案がそのまま大体は省の案になるのでありまするけれども、問題が問題でありまするし、非常にこれは重要な案と考えております。従つて道路局がこの資料を提出いたしまして省議にかけまして、省議にかけたその結果が閣議に提出される、こういうことになつて参ります。併し元来省議にかける場合におきましても、こういういわゆる何と申しまするか、事実を基礎といたしまする資料でありますから、余り大した変化はないものと思いますが、飽くまでこれは建設省の一部局である道路局試案でございますから、これがすぐに建設省の案になるものとはここではつきりお答え申上げるわけには参りかねると思います。
  36. 江田三郎

    江田三郎君 折角資料として出して頂いて、提案者のほうはまあいいでしよう、こういう気持で出されたということになつても、それが通ろうと通るまいとあとのことはいいのでしようけれどもね。併し建設省としては、道路局のほうでこの案を出されるのに関係しておられれば、やはりほぼこれに近いもので、大体多少のことはどつちになつてもいいですよ、併し大体これに近いもので行けるのかどうかということがもつとはつきりせんと、たまたまこういうものが出たけれども、これは重要な問題だからどつちへ転ぶかわからんというような建設省の態度では、閣議の最終決定のことは別です、建設省自身がどんなふうになるかわからんということになると、ここに出された計画案というものは非常に権威のないものになつて、我々はこの法案を審議するのに少しよりどころが薄くなつて来るのですがね。その点もう少しはつきりお答えできませんか。
  37. 南好雄

    政府委員南好雄君) 私の申上げましたことが或いはそういうふうに取られたといたしましたら申訳ないのであります。私は、建設省といたしましては主管局でありまする道路局の案でありますので、而も飽くまで資料を基礎にいたしたものでありまするから、大して変化はないものだと思いまするが、これが政府の最終決定案かという御質問のように承わつたので、まだ省議にもかかつておりませんし、閣議も経ておる資料ではないと、こう申上げたのであります。
  38. 江田三郎

    江田三郎君 最終決定案じやないということだけは、これは確実なことなんですけれども、大体の建設省の省としての心がまえというものを聞きたかつたわけです。なおそれに関連して、この鋪装その他の改築及び修繕をする道路はただ「一級国道及び二級国道並びに政令で定める都道府県道その他の道路しと書いてありますが、行政協定の関係道路はこれに含まれますか。
  39. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。行政協定に関係いたしまする道路はこの中には含まれておりません。
  40. 江田三郎

    江田三郎君 これは一切含まないと、こういうことになるわけですね。
  41. 南好雄

    政府委員南好雄君) そうです。
  42. 江田三郎

    江田三郎君 それから行政協定の関係道路ではありませんが、例の弾丸道路の調査費は依然として今度も出ているはずですが、ああいう弾丸道路というようなものはどうなりますか。
  43. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは当委員会でも又衆議院委員会でも相当な問題になつたわけでありますが、私たち只今きめておりますのは、一、二級国道及び重要都道府県道の整備を早急に行いたいというのが主眼でありますから、特定の地区に限らず、全国的な道路網の整備ということを主眼にしておる関係上、俗に言われる高速度道路等はこの中に含まないということを考えております。なお、ではどういう費用でやるかというふうな御質問もあると思いますが、そういうものこそ前に本院の議決になりました有料道路法というものもありますし、私はこの法律案を作りますときには特に有料道路法で以て拾えるような道路、橋梁、隧道等も外したいということが立案の趣旨でありますので、只今質問になりました弾丸道路等は当然含まないという原則を持つております。
  44. 江田三郎

    江田三郎君 「その他の道路」というような言葉がありますからね、その点提案者のほうだけでなしに、建設省としてはつきりとしたお答を得ておきたいと思います。
  45. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。提案者が今お答えになりましたと同様であります。
  46. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この法律目的は、財源が出て来たからそれを使つてやろうという法律ではなくて、飽くまでもこれこれの道路整備しなければならんというほうが建前で、その所要財源は便宜的にこれに求めたという建前だろうと思うのです。従つてたち審議する者の立場から言えば、五カ年の間にこれだけの道路を緊急整備しなければならないという具体的な道路が挙げられなければ、私たちは審議の対象とすることはできないと考える。ただ金はこれだけ取れるのだということだけが結果として残ることを承知してこの法を通してやるわけにはいかん。この法によつてこれこれのところをこれだけに五カ年の間にするのだ、そのためにこの法を以てやつてほしいのだということでなければならんと思う。そうでないと、この法は通つたが、さて日本国中のうちのどこの道路が又どこの個所がどうなつて行くものやらは、今後の陳情、請願、先ほどから言うような政治力だとか何だとかいうようなことで、あつちに行つたりこつちに行つたりする、そうして最初はよいということで計画になつておつたものが、北九州災害だ、金が足りないからそつちのほうへ大幅に持つて行けなんということになつて偏在する。こんなことになつたら、この法の趣旨は活かされないことになつてしまう。従つて私は先ほどから論議になつております五カ年計画案なんというものでなくて、本当の計画提案者において出されて、少くともこれこれだけのものはやりたい、併し財源的には或いは足りなくなるからどこかは落ちるかも知れない、こういうふうに資料を出してもらいたい。そうしてこの法律が通つたならば、閣議決定になる建設省の原案も、提案者としてはかような趣旨を織り込むごとに今後においても努力をいたしたいと、こういうふうにやつてもらいたいと思う。そうでなかつたら、これはいいことだというので、皆お互いにもくろみがあつて通すには通したが、さて自分の考えておつたものは該当しなかつたぞというようなことになると、これはどうもうまくなかつたなというだけのことになつてしまう。私至極正直な男でございますから、(笑声)どうもその点が付帯して資料になつて、別表になつて出て、そして逐次そのどこを直せ、どこをやれということまで我々が国会としてタツチして、こんな特異な税体系を紊すようなことであつても緊急止むを得ないこととして承認する途が出て来ると思う。なぜそういうものを出しましたか。
  47. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お叱りを受けたわけでありますが、勿論お説の通りであります。この法律案は当初において大蔵委員会及び予算委員会等では道路整備のための目的税制度を作るのだというようなお考えを持つておつたようでありますが、私たちの提案の主目的は第二条が主目的であります。いわゆる建設大臣は道路整備五カ年計画を作らなければならないというのがこの法律案趣旨でありまして、第三条はそれを受けて立つており、その財源措置としてかくかくのものをしなければならない、こういうことを規定しておるわけであります。ただ細かい資料が提出されておらないというのでありますが、現在においてこの法律案を通すことによつて五カ年間において日本道路整備が完全にでき得るという問題であるのではなく、極く一部分しかできないということを当初提案理由において御説明申上げておるわけであります。なぜこれが必要であるかと申しますと、提案理由でもはつきり申上げました通り、一、二級国道及び重要都道府県道の十三万八千キロのうち僅か三〇%が一応の改良が済んだといわれておる状況であります。そして残る七〇%即ち九万六千三百キロは未改良の道路であります。而もその中には一万六千キロという自動車交通が全然できない道路が含まれておるわけであります。なお簡易舗装を含めたる要舗装部分は六千三百キロでありまして、改良済み延長は一五%しか済んでいない。こういう現状を見ますときに、大体日本道路を世界水準と言わなくとも、戦後の日本の復興、産業動脈の復興として一応その使命を達成せられるような状況になるにはどうかと言いますと、お手許に配つております通り、その総工事費はざつと計算いたしましても二兆八千百六十何億というふうな厖大なものを要求するわけであります。にもかかわらず、昭和二十七年度の予算においては僅か八十六億余万円、二十八年度に倍額と、大蔵省が道路に対しては特別処置をとつたのだという御説明でありますが、僅か百四十二億の少数でありますので、少くともこのような法律を提案いたしまして、この二兆数千億に上るところの道路改良の一助にいたしたいということを考えておるわけであります。私は十四年、十五年のこの道路整備計画というものを全般に立てまして、そして有料道路法において行われるのがどれ、新設費で賄われるものがどれであつて、残りのものを何十カ年計画でやるためにはかかる処置を講じたいということは、私としては当然この法律案を提出する前提として考えたわけでありますが、この五カ年計画案であつてさえも、而もこの法律が通過してさえも微々たる実績しか挙げられないという状況であるにもかかわらず税制を紊すものではないか、目的税制を作るものではないか、予算を拘束するものではないかという議論ばかり続出いたしまして、これは一年間も陽の目を見なかつたような状態であるので、特に五カ年間というふうに区切つて御審議を煩わしておるわけであります。勿論全体の道路計画というのは建設省に今までのものでございます。ございますものですから、この五カ年計画法によつて何とかでき得るのではないかというふうな見通しをつけたものを道路整備五カ年計画案としてお手許にお出ししてあるわけであります。勿論この案は、基礎になる数字として、一級国道にはどことどこがある、二級国道にはどことどこがあるということがあるのでありますが、まだ現在審議途中でありますので、厖大な資料をお出しいたしましても、当然省議にもかかる、この法律案が通過すれば閣議決定を求めなければならないわけでありますから、そのときにおいて政府がこの法律案趣旨に違うような処置をとらないように、衆議院建設委員会は勿論立案の責任者でありますから、できるだけ監視しつつ、これが五カ年計画案閣議決定を求めるつもりでありますが、特に審議を煩わしました参議院の建設委員会の方々にもお力をお貸し願つて、この五カ年計画案をお作りになるときにはこの法律案根本精神を紊さないように十分御監督願えればいいのではないかというので、現在の数字だけをお出ししたわけであります。
  48. 石川清一

    委員長石川清一君) ちよつと申上げたいのですが、本日大蔵大臣と主計局長は衆議院予算委員会で出席が不能でありましたので、主計局の次長は省内会議がございまして、只今大蔵省主計局主計官柏木雄介君が見えておりましたが、所用で帰りたい、こういう御意向でございます。
  49. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 今の田中さんの御説明はこれまで我々に説明して来たことと非常にどうも食い違いがあるのですよ。その点、この法律案目的は二条にあるということを強調されておるのですが……。最近田中さんはだんだん二条にあるのであるということを強調し出したのです。併しこれの真の目的は、幾度もあなたが説明された通りに、財源を確保しなければならんということが趣旨なんですよ。ですから本当は三条にあるのですね。三条にあつて、三条を実現するためには二条という裏付がなければならんから二条が出て来ているのであつて、実際の目的は三条にある。いわゆる財源確保が従来のような方法じや困るからガソリン税というものをこれに充てるというところに狙いがあるのでありまして、それなら三条は要らんじやないですか。その二条だけでは困る。三条が本当の目的なんだ。ですから本当の筋を通すというならこれは大蔵委員会にかかるべきなんです。そういう意味でこれまでこの法案の真の狙いというものを何かそらして説明されているようなんです。これは私は正しい説明の仕方ではないと、こう思いますので、又従来我々の了解して来たことと違いますので、そこのところをもう一度説明して頂きたい。
  50. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 私は前からずつと言つておりますが、表現の方法は幾らか違うかもわかりませんが、私の言つていることとは食い違いはないと、こういうふうに考えております。道路整備五カ年計画、この法律案を作りますときにも、この道路整備費財源等に関する臨時措置法案とすべきか、道路整備五カ年計画法案として三条を盛るべきかはいろいろ議論の対象になつたのであります。なつたのでありますが、遂にこうなつたわけでありまして、私どもから言いますと、どうも木村さんは三条が主だと、こういうふうにお考えになつている……。
  51. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私ではなく、実体がそうなんです。そうでなければおかしいのです。
  52. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 私の考えから行きますと、道路整備を行わなければならないという二条を承けて三条は立つているのでありまして、もつと平たく申上げますれば、ここは何も大蔵委員会でもありませんし、予算委員会でもありませんから、私もざつくばらんな気持で申上げられるとしたならば、まあこの法律案の生命は二条と三条とであつて、楯の裏表であろう、こういうふうに申上げるよりほかないであろう、こういうふうに御了承頂きたいと思います。
  53. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今木村委員からお話がありましたが、この件名から推して行くと、どうしても三条が主だと思いますね、道路整備費財源等に関する臨時措置法……、然るに第一の目的では、その金のことは一言も言つてない、道路整備目的だと言つている。ここで私は素直に、真直ぐにわき目もふらず、目的から二条が大事なんだろうと、そうしてその財源措置として便宜的に三条というものを出して来たんだと思います。そうだとするならば、五カ年計画というふうに限定されて、五カ年間だけでこの財源を使うのだからこれは大事に使わなければならないものなんだ、そうだとするならば同じ一級国道でも二級国道でも、或いはその他の地方県道において条件に当る、金さえあるなら五カ年計画の中でやりたいというものはたくさんあると思う。そうすると同じ条件にありながら五カ年計画の中に入らない、こぼれるものが必らずあると思う。そうしたらそれらのことは政府の責任で、道路局の原案或いは建設省省議で適宜取計ろう、こつちは金だけは作つてやろうと、こういうことだとそういう結果になる法案だろうと思う。そうなれば五カ年計画の中にこの道路のこの個所の改修等を入れてもらうというようなことで、あらゆる陳情、請願運動ということが行われ、或いは当該建設委員同士がその運動に狂奔するというようなことが起らないとも限らない法案だと思う。だから大体はこの法が通る前に五カ年計画とはこれこれのもくろみで、この程度の箇所を具体的にはやりたいということに計画はなつているのだと思う、そういうようなものを出してもらつておくほうが、将来紛議の種にはならんのじやないか。又道路局なりその他にだけ行政的に一切を任せてしまつて、そうしてどういうふうに五カ年間で大事な金が使われて整備されるのかも皆目見通しがつかない、こういうことでは我々としても困る。こういうまあ考えもあつて尋ねているようなわけなんです。だから厖大な資料だからまあそんなものは出さなくてもということではなくて、少くともこの道路局試案だと言われる道路整備五カ年計画において、仮に例えば一級国道、二級国道、地方道と、この三つに分けた場合においても、限られた財源なんだからこの配分の比率は大体こういう計画になつておるのだとか、そうして主たる一級国道の個所としては重点的にはこれこれの個所考えられて、その延長キロ数がこういうふうに出て来ておるのだという裏付けになるものを出して頂けば、将来幅があつて、ずれ過ぎるというようなことはなくて、大体予想されるところが工事ができて行くという安心が出る。でそういうことも資料として出せないのかどうかということを伺いたい。
  54. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。小笠原さんの只今のお説は全く御尤もでありまして、同感であります。時間的に許せば、この計画案も命じてありまして、勿論この基礎数字を出しましたのも、一、二級国道別に各所から拾い出したわけでありますから、出せないわけではございません。併し時間的に多少の余裕が必要じやないかと考えておるわけであります。私たちはこの種の法案につきまして、非常に乏しい財源の中からこういう処置をしてやるのだから、勿論資料としてあらゆるものを提供したらいいじやないかというようなお説はこの法律案に限らず、農地改良とかいろんな予算に盛られておるものの法律案審議に対しては常に御要求があるわけであります。私たちもこのような処置をして道路整備がなされるのでありますから、当然建設省の一部局が陳情の対象になつたり、その陳情に動かされ都市偏重に予算が投下されたりしてはならないと、こういう考えから非常に考えました結果、普通の事業事業費におきましても審議会の議を経て政令で定めるというのが最も強い案であります。もう一つ強い案というのは、国会の議決を経なければならないというのがございます。でございますので、国会の議決を経てばどうか、一級国道の指定をやるように内閣総理大臣が指定してはどうか、政令でこれを指定してはどうかというような議論をしたのでありますが、現在の道路状況を見て、この程度予算処置をしてやることによつてこの法律根本を乱すというようなことができるはずのものでもないし、併しそうかと言つて転ばぬ先の杖として慎重な処置を行うために、特に建設大臣は道路整備五カ年計画を作つて閣議決定を求めなければならない。そうして閣議の決定を求めれば当然内閣全般の責任でこの道路整備五カ年計画が決定するわけでありますから、その段階において我々建設委員会及び衆参両院の議員がこの問題に対する内閣の責任をおのずから明らかにせしめ得るから、この段階においてこの程度処置をすればいいのではないかというふうに閣議決定を特別に求めたわけでありますから、事情を御了承頂ければ幸甚と存じます。
  55. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では政府側にお尋ねいたしますが、この五カ年計画閣議決定したあとで、五カ年中に計画の一部変更とかそういうような閣議決定はなく、当初きめたらきめた通り最後までそれを推進して行くと、こういうことになりますか。
  56. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。閣議決定であります。従つて閣議決定が変更されない限りにおいては五カ年計画はそのまま遂行されるのであります。併しながら五年の間限られております、短いようでありますが五年の間であります。事情の変化もありましよう。或いは水害等もあるでありましよう。そういう場合に絶対変えることができないというようなことは私は考えられません。変更されて行くべきものと考えております。従つてその場合には一々閣議決定を経なければならんと、こういうことになつております。
  57. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では五カ年計画で当初御決定になつて、第三年度、第四年度に某々一級国道の某箇所が入つている、先ずこれで安心だと思つておつたものが、その後の事情によつて直前の年度で閣議決定変更で、限られた財源なために落されてしまつた、こういうようなことがあつてもいいということですか。
  58. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。小笠原さんは少し……何と申しましようか御心配のようでありますが、閣議決定の内容は恐らく私は今いろいろ案を作つておりますのを見ておりますが、何と申しますか、区間的に、場所的に行くのではなくて、何号線なら何号線というふうにして出て参るのであつて、そうしてそれが四号線なら四号線に入つておつたものが、その実施年度の前の年にそれが急に変つて行くというようなことは、今まで説明申上げましたような、殊に閣議決定されればどんなことでもできるじやないかと言われればその通りでありますけれども、実際事務当局といたしましては、計画に入つていたものが何ら理由なくして、単なる陳情とか、そういうようなことで変つて行くものでは、実際今まででもそういうことはないのであります。将来も私は恐らくないものだと思います。ただいろいろの事情で、水害その他のことでもう一遍直さなきやならんと、そういうようなことが出て来た場合に起きて来る閣議決定の変更であつて、先ほどから御質問になつておいでになるように陳情その他のことで急に一級国道の四号線が落ちてそうして八号線が入るというようなことは今までもなかつたのでありまして、恐らく将来も私はないものと考えております。
  59. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 陳情請願によつて閣議決定が途中で変更になるものだとは私も思いません。そうでなくてあなたの言うた後段の理由、災害、そういうような場合、現実に北九州なら北九州水害、それで一般道路費等では、或いは災害復旧費等では賄い切れないほどの道路の決壊がある。そういうような突発事故が起つて来ると、このほうの金もそのほうに投入するならば、これは災害復旧費は要求通りに出て来なかつたんだから、幾ばくでも災害地の道路整備ができる。だから変更して、他の一般的なところは一部我慢してもらつて、そうしてこの計画から外し、そうして災害復旧のための道路整備のほうにその部分の金を持つて行こう、そういうような意味閣議決定が変更して来る、こういうようなことが起つて来るのではないかということを私は心配するのです。そういうことはない、この問題は災害復旧や何かのために金を使われるのでなくて、全国的な計画の上に立つて閣議決定になつたものなんだから、全国的なバランスの上に立つてこれはこれの計画でやつて行くんだ、災害その他のほうは別な金を充ててやるのがもう建前なんだとはつきりおつしやつて頂けるならいいのです。そうなら閣議決定は途中で変更することはない、こういうお答えになつて来ると思うので、その辺をはつきりして頂けばいい。
  60. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。私の言い廻しが非常に悪かつたのでありますが、災害復旧はこの計画と全然別個であります。従つて災害復旧のために変つて行くというようなことはございません。災害復旧災害復旧で別個の費用で直して行く、私の申上げましたのは、何と申しますか、国道の個所において大きな災害があつてそうしてこれが廃道になるというような場合、そういうような場合に、若しもそういうようなことがあつた場合には絶対に閣議決定が変更されんかと、こういう御質問のように拝承いたしましたので、そういう場合は閣議決定がありますならばほかに変ると、こう申上げたのであります。
  61. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 もう一点駄目を押しておきますが、二級国道なり一級国道なりどんどん昇格してですね、道路審議会の答申によつて道路指定が起つて来ると思います。そうするとやはりこの金が使われる指定路線にしてもらいたいというふうに、五カ年計画決定後にそれぞれ要請が起つて来るだろうと思います。そういうような場合にはやはり取捨選別して、最初きまつたものを落して、そうして新しくこの一級国道なら一級国道に指定されたもののどつかの路線を入れる、そのような変更はないのか、この点も承わつておきます。
  62. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) ちよつと小笠原さんにお答え申上げておきますが、これは立案者といたしましてですが、有料道路法によつて予算書に年度の施行個所が掲上せられておる道路もございますが、私はこの法律案を立案いたしました本人としましては、いわゆる閣議決定を求める案は、各道路別の計画書を提出して閣議決定を求めるというようなことはなく、お手許にお出ししておりますところのいわゆる全体計画から、五カ年間に亘つて一級国道は初年度に何キロ行なつて大体どの程度、二級国道は何キロ行なつてどの程度、改修が幾ら、鋪装が幾ら、橋梁の改修が幾らということが閣議決定になるというふうに考えております。それは衆参両院で議決をせられた公営住宅建設三カ年計画乃至五カ年計画におきましても、都道府県の何県に何ぼ、何県に何ぼというふうな決定ではなく、二十八年度には総額何戸作る、二十九年度には総額何戸作る、そうして三カ年間には総額十八万戸作る、こういうふうになつておりまして、いわゆる個所の選定及び都道府県別の年次割等は当然所管の省で行うべき問題でありまして、いわゆるこの法律案通つて最初の閣議決定で以て路線面まで決定するから、あとから昇格になつたものが割込めないのではないか、いわゆる割込むためには閣議決定を変更しなければならないのではないかというようなことは全然なく、それは今までの道路行政と同じ方法によりまして、いわゆるその枠内において重要度の順位によつて工事が施行せられるというふうに考えておりますので、あなたが言われますように新しく二級国道が一級国道になつたとか、市町村道が重要都道府県道になつた場合でも、この枠が外れるというような懸念はないものと考えております。
  63. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それではどうも先ほどの南政務次官の御答弁とは大きく食い違う。さつき私は某々一級国道の某個所というように具体的に出て来るのでなければおかしいじやないかという話をしたら、南政務次官は、いや某個所というふうに個所別に出るのではなくて、某々路線というふうに出るようになつてつて、そう今も私は見ておるのでございますがということで答弁している。だから私はその建前に立つて必ずそうなるというと、割込みを策する者が政治力を以て途中でやつて来れば、閣議決定が変更されて、先にきまつたやつは外されて、あとに昇格した一級国道というような路線のどこかが入つて行くという、こういうようなことも起つて来ないものでもないんだが、そういうことはないと言明できるかというふうに今お尋ねした。そうしたら立案者、提案者のほうでは、いや、この渡されているような試案のように、ただキロ数などを分割して出すだけなんで、さてどこを具体的にどの路線を手を着けるかは、これは建設省道路局、具体的に道路局がどんどんきめて仕事をやつて行くと、こう言う。そうなれば私がさつき質問の一番初めに言つたように、これは五年間というものはあの河川改修でも何でもやる、予算分取りと同じで、そうして銘々の政治力を以て陳情、請願これ努めて、そうして本年度きまつた何千キロというものの中から自分のほうに何百キロ工事をやつてもらいたい、こういう運動が起つて来るのだ、そういう利権的な法案になるのだ、それではうまくないから、成るべく具体的な計画資料として出してもらつておくほうが間違いがなくていい。こういつたことを、又振り返つてものを言わなければならん。どちらが本当なんですか、閣議決定の内容になるのはどういうところまで閣議決定になるものなんですか、こんなものだつたら計画案なんて言つていますが、私はこんなものだけで、この上つ面からどこの路面がこうだからこれだけのキロ数になるというのでなく、上つ面のところだけからぽつつとつかんで来たこの一枚の案が計画書だ、こういうことだつたら必ずしも私はこの法案には賛成できません。どつちが本当なんですか。
  64. 南好雄

    政府委員南好雄君) 閣議決定の内容は私の考えでは恐らく一級国道何キロ、二級国道何キロ、それから重要府県道何キロ、そうして鋪装がどうだというふうになります。で、如何なる場所を鋪装すべきや、そういうようなつまり個所別なものが出て来るのじやないかと思います。而もそれをやろうとしたら大変であります。そういうことになりまするから、結局毎年何キロの一級国道が直つて行く、それから二級国道が直り、重要府県道が直る、こういうことになりまして、それは今まででもそういう道路の補修費その他につきましてはそういう筆法でやつて、そうしてきまつたものは具体的に道路局で当てはめて直して行くということになつておりまして、今回の道路五カ年計画につきましても同様そういうふうにならざるを得んと思います。なぜかと申しますと、五年間に直すべき道路の場所までも一々明細にして……。
  65. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 場所じやない、路線ですよ。
  66. 南好雄

    政府委員南好雄君) 路線と申しましても一級国道の路線はきまつております。二級国道も大体何々線、何々線というふうにきまつておりますから、それは今申上げましたように何キロ何キロというふうにして私は閣議決定に付されるものと考えております。そうしてその中からどの線を直して行くかということは毎年々々の計画になつて行く、こういうふうに考えております。
  67. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういうことだつたら何も閣議決定の必要はない、そういう一般河川改修費、砂防費、そういうふうに予算面で取つたものを、ただこの年度においてはこうだと分けてやるのと同じことなんです。これは五カ年計画なんて言つていますけれども、毎年度、毎年度ガソリン税相当額というものが推算されて、そうして見通しがついておるわけなんですから、ただ単にどこをどう直すのかもわからないで、ただ第一年度は何千キロ、第二年度は何キロと、何の根拠もなく書き連ねておいたものの、それをあとから具体的にどこかを当てはめて、三千キロなら三千キロ充たして行く、こういうような決定の仕方なら、何の閣議決定なんという重要な決定をするまでもない。そういうものなら建設省で適当にやつておいたらいいのじやないか。
  68. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。非常に重要な問題でありますから、ちよつと誤解があるようでありますから、お答え申上げておきますが、前の委員会でも問題になつたのであります。問題になりましたが、こういうふうにお考えになつて頂けばいいのであります。この法案につきまして閣議決定を求めるというのは、建設大臣提案によるところの五カ年計画の決定に対しまして閣議決定を求めるわけであります。その決定をなぜ求めるかというのは、普通から言いますと、只今お話になつたように閣議決定を求めないで建設大臣に任してもいいじやないかというのは、農林省の問題にしても砂防にしても、港湾の問題にしても皆主管大臣の専断によつて行なつております。併しこの問題は非常に大きな問題でありますので、特に慎重を期して閣議決定を求めたり又政令で定めたり、国会の承認を求めなければならないというふうな段階を考えまして、閣議決定を求めるように慎重な処置を行なつたわけであります。もう一つの理由は、いわゆるガソリン税税収入相当額だけで以て五カ年計画を行おうというのじやないのであります。お手許にありますが、五カ年計画整備事業案を作りました、その案に計算されております数字は、五カ年のガソリン税収入相当額の累計より上廻つた事業計画を立てておるわけであります。併しこのガソリン税収入額ですらとかくの議論があるのでありますから、勿論当然五カ年の長期に亘つて道路整備五カ年計画という、閣議決定を経る、非常に強い決定をなす場合には、一般予算編成状況財源の見通し、五カ年における道路費及びその他の科目との軽重等が論ぜられて、諸般の情勢から割り出された結論において五カ年計画案というのができるわけでありますから、この法律案が通れば建設大臣が五カ年計画を作ります。その五カ年計画というものは、これはもうはつきりわかつて、二兆何千億という全国道路別の直さなければならない細かい資料があるのでありますから、その中でかくかくの路線を大体この程度にしたものが総額この程度であるのでありますから、大体建設大臣の提出するところの五カ年計画はこの程度にして頂きたいという案を提出するわけであります。ところが閣議で以て只今申上げましたようにいろいろな状況を勘案して、先ず第一回にきめる閣議決定の五カ年計画案は総額三十億に押えよう、総額二千五百億に押えようということが決定するわけであります。そうしてその決定に基いて各年度において、第一年度の事業費が五百億と押えられた場合には、その五百億の中に第一級国道の事業費が幾ら、二級国道の事業費が幾らということをきめられることは、これはもうほかの法律も全部そうなつております。この委員会で以てお通しになつて頂いた有料道路法におきましても三カ年間、こういうふうになつておりまして、来年度は終るのでありますが、その年度その年度に総事業費がきまりまして、そうしてその決定に対しては、むずかしいものに対しては個所別を予算書に計上しておるものもありますが、農地改良その他の個々の計画におきましては、全然個所別を計上しておらないという場合もありますので、この法律案におきましては、大体細かい資料に基いて閣議決定で総額を決定願つて、年々歳々の予算編成時においてその閣議決定の数字が盛られるわけでありますから、その数字による内訳は予算書に掲上するような有料道路法的なものにやるか、若しくはそのほかのものにやるかということは、その年度の初めに閣議決定の金額の内訳を、建設大臣が又案を出しまして、その場合も閣議決定を求める、こういうふうに非常に慎重を期しておるわけであります。  なおそのときに割り込みがきくと悪いから、だから閣議決定を求めて、いわゆる内閣の全部の責任で個所決定を行うわけでありますから、只今までの建設大臣が専断で行なつておるような偏頗な行動を許さない、そのために閣議決定を求めておる。こういうふうに非常に慎重な処置を規定しておるわけであります。
  69. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今のお話では、閣議決定で個所別にもう決定するのだから、割り込みその他等は許さないのだと、こういう話でございましたから、そうなれば私は意見は同じなわけです。あなたが先におつしやつたのは、路線名も出ないのだ、ただキロ数だけ出るのだと、それで具体的な個々の施行は道路局のほうでやるのだ、それであなたの言う意味は、五カ年計画という総計画の総金額、総キロ数というものが決定するというときには、その五カ年中にやるだけの事業個所という根拠があつて決定になるのだと、それを第一年度にはどこをとつてやる「第二年度はどこをとつてやる、その前後の選択をして、具体的に年度の計画を立てる分だけは建設省のほうが独自にやつて行くのだと、こういう意味である、こういうことであるなら、私はそれならばそれでよろしいと了解します。どういう意味なんです。
  70. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) あなたのお考え通りなんです。私がこの法律案で規定しておりますところの閣議決定を求めるという、その閣議決定にこの法律で以て法律義務を起さしておるものは、五カ年計画を作らなければならないということであります。五カ年計画はこの法律が通つたら直ちに建設大臣が作つて、五カ年計画というものを閣議承認を得るわけであります。併し第一年度から年度々々の事業の内訳に対しましてはこの法律では規定しておりません、そこまでは厳密に、厳密に規定しておりませんが、総事業費の閣議決定を求めておるのでありますから、だからその年度々々の内訳も今の有料道路法のように閣議決定を経なければならないということをしても、それから建設大臣がその年度の内訳というものは専断で行うということは、これはまあ今までそこまで深く掘り下げた質問は初めてだつたものですから、私も新しい問題にぶつかつておるわけでありますが、閣議決定をした事業の内訳をもう一遍閣議決定を経なければならないか、若しくは建設大臣専断でやつていいのかという問題まではごの法律では規定しておりません。おりませんから、若し審議過程において、その事業の内訳も年度々々に閣議決定を経なければならないというふうに委員会の御決議があれば、結局附帯条件としてお付けになつて頂かなければならないし、で建設大臣が普通のようにしてやるのだということであれば、五カ年計画の原案が閣議決定になつておりますから、細かいことはそれに及ばない、今までのほかのものもそうしておるからというふうなお気持があれば、このままでもいいのじやないかと思います。
  71. 田中一

    田中一君 関連して……。今小笠原君の質問に対して提案者の説明は甚だ不親切で、お気付きにならないのじやないかと思うのですが、提案者はこの法案をよく読んでいらつしやらない。第二条の第二項にははつきり「建設大臣は、前項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、道路整備五箇年計画関係都道府県知事に通知しなければならない。」、従つて路線がはつきりしなければ関係都道府県には通知ができないのです。例えば何級国道のところ、御承知のように一級国道と言つても各都道府県に亘つております。従つて若しもその内訳が閣議の決定にならなければ、都道府県知事に遅滞なく通知ができない。従つてどうも提案者はこの法案をよく読んでいないじやないかという気がするのですが、その点はもつと明らかにして頂きたい。
  72. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 私が作つたものですからよく読んでおることは問題ありません。  第二の問題でありますが、この第二条につきましては、先ほども申上げました通り、第一回の閣議の五ケ年計画案というのは、一回この法律が通れば、すぐ建設大臣が五カ年計画案を出すわけであります。五カ年計画案というのは、細かい資料に基いて総額幾らというものを出して、閣議で練り合つた結果、五カ年後の財政状況考えて、この線できめようという総額がきまつたときに五カ年計画ができます。さてこれを実行に移す段になりますと、実施第一次一年度計画、第二年度になる場合には二年度計画というのは、有料道路法に言う計画と同じであります。その場合には先ほど申上げましたように、今度は予算内に枠がきまりますから、きまつた場合には当然路線名がはつきりとここに掲上されるわけであります。この路線名を選択する場合にいわゆる閣議決定を求めなければならないか、建設大臣が在来通り専断に行なつてもよろしいかという問題が残つておりますが、その問題は別にして考えた場合には、当然年度の当初においては、今度第一次の五カ年計画案によつて年度ごとの路線名ができるわけであります。その路線名を関係都道府県知事に通達するという事務処理を規定しておるだけであります。
  73. 田中一

    田中一君 これは私今の提案者の説明には満足しません。ここにはつきりと五カ年計画というものを閣議に出して決定を求める、第一次の閣議、第二次の閣議というものは考えられません。無論五カ年を通じたものが決定される、通じたものが決定される場合には、具体的な年度のものをもう一遍閣議にかけるという途はない、この五カ年計画案閣議決定をする、その閣議決定があつたときに遅滞なく道路整備五カ年計画関係都道府県知事に通知しなければならない、従つて五カ年計画そのものは、小笠原君の質疑したように、細かい路線がはつきりしなければ都道府県に通知ができないのです。一号線をきめて……一号線は御承知のように各都道府県に跨がつております。従つて今あなたが公営住宅法というものが枠できまつておる、その頭が入つておるものだから、その程度だろうというあなたの推察であつて、どうもその点ははつきりせんです。
  74. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 田中さんは少しどうもこの表現から、きつくお考えになつておるようであります。この表現そのものはまずいかも知れませんが、常識的に考えまして、五カ年計画ということで以て全国何万路線を挙げようなんていうことは殆んど不可能であります。これは今度電源開発についてこの種の法案の全部が、路線名、指定箇所を規定しておるようなものはございませんということが常識であるならば、こういう条文もそういうふうにお読みになつて頂くか、若しくは訂正して頂いていいと思います。
  75. 田中一

    田中一君 提案者を余りいじめても仕方ありませんが、この法案を素朴に解釈いたしますと私が申上げたようになるのです。従つて修正してくれとおつしやるならば、あなたが言つたような五カ年のものを具体的に出すことができない、提案者はできるような法案を出しておる。できないというお考えならば喜んで訂正いたします。
  76. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 第二条の後段によるものは削除願つても結構であります。
  77. 田中一

    田中一君 どうも提案者からあつさりと修正してくれという御意見ならば、この法律の不備ということになるのです。提案者法律の不備……、従つて衆議院における議決というものが、提案そのものが不十分であつたということが証拠付けられるわけです。そこで私が申上げますのは、そのようなミスがある或いは欠点がある法律ならば、これはなお慎重審議しなければならんと思うのです。ですから時間的に調べる時間を与えてほしいと思います。
  78. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 道路局長にお尋ねしますが、この法がこのまま通つたときに、第二条の後段の遅滞なく五カ年計画関係都道府県知事に通知しなければならないというのを、どういうふうに読取りますか、あなたは行政官として。
  79. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この五カ年計画につきましては、先ほど提案者の御説明のように解釈しておるわけでございますが、この五カ年計画につきましては一級国道、二級国道、都道府県道というふうに分けまして、五年間に改修せらるべき総延長並びに年度別の計画が載せられるべきだと思います。なおそのほかに路線名が載せられなければならんと思うのです。その路線名と申しますと、これは都道府県道になりますと、何道々々というように一々路線が載つて来ることにしなければならんと思いますが、先ほどの提案者の御説明では、そこまではなかなか行かんだろうということでありましたが、これは是非そういつたことにしなければ、路線名ぐらいは載せて行かなければならんかと考えております。といたしますと、この第二項は、五カ年計画閣議できまりますると、それはすぐ都道府県に知らせることができるわけであります。そういう意味に解釈しております。
  80. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その点は明白になつて来たので、提案者のほうが明快でないようです。そこで私はその程度にそこはしますが、そういうことになつて来ますと、この法律は第二条が目的だ、第二条がこの本筋ということであるならば、この道路局試案というもののうち、最も重大なのはどこかとなりますと、総予算類の三百八十億というのが最も重大だと思います。五年間に三百八十億をかけなければならないというところにこの法の趣旨が出て来るのじやないかと思います。提案者ガソリン税相当額を二百八十五億というふうに見ておるようでありますが、それだけで道路整備をやるのじやないと大見栄を田中さん切つておるわけです。従つて三百八十億だけの仕事を五カ年間に配分してやるのだということがこの法の目的なんだということになつて来なければならない。これは何百億になるのか、二百八十五億以上のところは、そのときの情勢々々によつてわかりませんというようなことなら、これは立法の趣旨は全然貫徹されないと思います。そこで三百八十億というのは、多少の出入りはあつても、大巾には動かない、そう考えてよろしうございますか。
  81. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) ちよつと数字が違うようでありますが、五カ年計画によりましては、大体五カ年間に二千七百億の総事業費を行いたい、そのうち千八百億近いところのガソリン税収入額相当額を盛りたいということが趣旨で……。
  82. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の申上げましたのは、見たところが悪かつたのです。訂正しておきます。
  83. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) でありまして、そのガソリン税収入額と同相当額と、私どもが今お手許に配付しました事業計画との差額というものにつきましては、閣議で以て諸般の情勢を勘案いたしまして、私たちが今考えておるこういう案が出ましても、閣議ではそのようには出せないから、ガソリン税収入額プラス三百億で以て五カ年間の計画を組んでくれと言つて決定されるか、それから五百億でそうだから二千三百億で組むのか、なお二千七百億という案を出したが、そのまま呑める情勢たから呑むかということを閣議で決定するわけであります。
  84. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると結局第二条のところが本旨なんだ、第一条の趣旨が大事なんだということでなくて、ガソリン税相当額千二百八十億というものを下廻らない金額だけは使つて道路整備をやつて行きたいということに縮まつて来るわけですね。そのときの目安にするために千二百八十億は絶対下らないぞということのために、ガソリン税というものに手をかけて来たというふうに言われても、これは弁解の余地がなくなるじやないですか。
  85. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) そういうふうにお考えで、さんざんどうも私の考えから言うと、大蔵委員の皆さんにいじめられたと考えておるのでありますが、もう少し平たく考えて行きますと、現在道路整備をしなければならないということが前提でありますし、その総額が二兆八千億もかかるのだということで、道路整備は何とかしなければいかんから、最小限ごの程度のものはやらなければいかんと、最小限の五カ年計画を、三千億近いものを組んでみて、その財源一つとしてガソリン税収入額と同相当額は盛らなければならないと、こういうふうに言つたのでありまして、又本論に戻るわけでありますが、丁度ガソリン税収入額と同相当額というものをここに出したのは、時あたかも非常に高い税金でありますので、ガソリン税の全廃運動があるのだ、もう一つ軽減運動がありますので、今どうしようかと考えておりましたところ、全国道路利用者会議としては、これを道路費として振り向けてくれるならばあえて賛成だ、徴税式な税でも五カ年間は応じましようという決議が衆参両院の皆さんのところに参つたわけであります。もう一つはそれをやつて下さるならば、或る程度の廃止運動とか減税運動はやりませんというような当時の熾烈なる要求がありましたので、その要請を入れるにも丁度いいのでありますし、又広く眼を世界に転じて見て、ほかの先進国でもガソリン税目的税としておりまして、それになお先ほど申上げましたように、自動車輸入税とか、そういうものも道路に振り替えておりますから、この段階においてこのような規定をするということはまあ一石二鳥じやないかと、こういうふうな考えでいたしたのであります。
  86. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私はあなたが大義名分を振りかざして第一条というものから真つ向上段に第二条が主眼なんだ、道路整備が飽くまで主眼なんだと言うておられるので、そのほうからどんどん考えて行けはこの第三条は要らない。要らないで五カ年計画には二千七百億なら二千七百億の金をかけてやらなければならない。ただ金額さえ入れればいい、二千七百億と、そういう法律にしてしまえばいい。何もこれはガソリン税そのものを特に徴収して来てこれに使うということでなくて、ガソリン税収入額と同相当額という金額のところを押えて来ただけのことなんですから、前とはよほど違つて来る。ガソリン税を振り向けなければならないというようなこととは違うのですから、あなたが大筋から言つておるなら、初めから五カ年計画道路整備をするのに必要な金額をここに認めて、それだけの金額は出さなければならないと、こう規定するのがこの法から言えば本筋だと思うのです。ガソリン税であろうが何税であろうが、そんなものはかまわない。一般財源からいずれ二千七百億を道路五カ年計画費用として出すのだという立法さえやればいい。それを第三条でわざわざこのガソリン税相当額をと言つておるところが眉唾物なんで、そうなつて来ると、その計画のほうはその金に見合つて適当に出て来るということになつて、どうもあやふやだ、こういうことになつて来る。だからあなたがそんなに誤解されて御心配なされておるならば、この第三条に二千七百億出せというようにして、一切こういうものを切つたほうが間違いなく二千七百億出るのですから、そのほうが却つてよいと思う。そうしないというと、ガソリン税相当額二千七百八十億、それにプラス・アルフアになるかも知れないし、ならないかも知れない。ならないほうが多いと思う。それより黙つて二千七百億でも三千億でも出せという法律を作つたほうがいいじやないですか。なぜそうしなかつたかとうか。
  87. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 只今のお説の通り私どもとしても二千七百億の事業費を一応組んでおりますので、できるならばガソリン税なんという、こんなむずかしいことを言わないで、而もガソリン税、揮発油税という字が入つておりますから、紛肴するので、而もその後には収入額と同相当額という字かありますので、非常に困つておりまして、できれば道路整備五カ年計画法としまして、政府道路整備五カ年間の費用として二千七百億を盛らなければならない、こういうふうに法律案考えたわけであります。考えたわけでありますが、これは現在のこの情勢においてなかなかどうも通りそうもないというのが、私はざつくばらんに申上げることであります。それに丁度今申しましたように、ガソリン税収入額と同相当額というのは、ガソリン税撤廃問題もありますし、いわゆるガソリン税を納めておる方々が、道路費用として目的税的なものにしてくれるならば、私どもも泣いてこの税を納めますというような熾烈な要望がございまして、こういう問題も一挙に解決でき、なお道路整備目的が貫徹できるからいいじやないかという考えから、こういうものができたものであります。もう一つ申しますと、財政を拘束したくない、いわゆる予算編成権を拘束したくないという心理があつたことを御賢察願いたいと思います。  なお一言申上げておきますが、この法律案は本当に肚を割つて申上げますが、どうもちぐはぐなことを言つておると申されますが、二条と三条は法律の盾の裏表というのが、私の本当の真情でありますから、一つ御賢察願いたいと思います。
  88. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 政府側に伺いますが、見通しとしては、この計画案の二千七百億というものよりも上廻ると思いますか、下廻ると思いますか。
  89. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。私はこの法律があつて、そうしてガソリン税相当額だけしかいわゆる五カ年計画に金が使えないというようなことになつては一大事と考えております。できるだけプラス・アルフアにしてやつて行くのが我々の義務でなかろうかと考えます。
  90. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 時間も来ましたので、最後にもう一点伺いますが、この法が通つた暁は、政府側は地方公共団体に交付する補助金、地方への補助金、これは全体の予算額の中の大体の割合というものを頭からきめて、そうして地方道を指定するような方法でおやりなりますか、それともそういうのは頭からきめるのでなく、個々に選択をやるということになりますか、私の聞いておるのは、個々に選択をやるということになりますと、補助金が殖えて行くと、一級、二級の国道の事業量は減つて来る。それとの見合はどういうふうにやつて行く御計画かという点であります。
  91. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 一級国道、二級国道、都道府県道その他の割合につきましては、五カ年計画、この割合で行きたいと思います。それから都道府県道の補助の問題でございますが、従来の府県道からの要望を積算いたしますと、これ以上のものになつておるわけであります。そこでこの取捨選択が起るわけでございますが、これは都道府県の御要望をお聞きいたしまして、その上で決定いたしたいと考えております。
  92. 田中一

    田中一君 この二十八年度の予算を見まして、先般の調査のときにも申上げたのですが、砂利道のいわゆる維持管理費というものが二十八年度予算では国庫負担が全廃されるようになつております。そうして鋪装費も二分の一から三分の一に低減されたわけであります。この道路行政の思想と、今度出したところの法案と非常な矛盾があると思うのです。そこで一体政府はどういう考えを以てこの法律がどうしても通るのだ、通つたら何もかもこれで以て来年度からカバーしてやるのだというつもりか。或いはこの法案を通したいために殊更昨年度よりも低額な補助金を二十八年度予算に盛り上げたか。この点について意図を明らかにして頂きたいと思います。
  93. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この法案通つてもらいたいために二十八年度の補助率を減らしたということは……、これも委員会で御説明したところでございますが、我々といたしましては、砂利道の補修費につきましては前年と同額以上を要求したわけでございます。又鋪装の補助率につきまして、地方道において三分の一に減らされておりますが、これも減らさないで二分の一を維持するようにお願いしたわけでございます。そういつた関係がございますので、この法案通りましたならば、その補助率については従前に倣うようにできるだけ努力いたしたいと考えております。
  94. 田中一

    田中一君 この法案の第二条には北海道だけが維持を含んでおるのであります。そうしますとこの砂利道というものは全く地方財政の全額負担になるわけなんです。それで先般の委員会でも質問したように、一体提案者政府も、砂利道の延長はどのくらいあつて、又この五カ年計画によつてそれがどのくらい是正されるのか、こういう点の見通しがあるかどうか、見通しがなければ、貧困な地方財政がますます弱つて来るのです。大きな障害になつたものはやつてもいいというふうに書いてありましたけれども、この鋪装に主眼を置いて砂利道の維持管理というものに対して、偏頗な扱い方をしておる。道路行政における一貫性がないということを言われても当局は返事できないと思うのです。従つて二十八年度において維持管理費が通つたら砂利道の負担が都道府県の負担になるという点について納得の行くような御説明を願いたいと思います。
  95. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) この問題で御質問があつたわけでありますが、改めてお答えを申上げますが、維持と修繕ということの定義の問題でありまして、いわゆる普通の砂利道に対する補修等はこれは維持と考えませんで、補修、修繕という見方で見ておりますので、地方負担というものが、こういうものをやるために砂利を入れなければならないことによつて非常に殖えるというようなことは起らないというふうに考えております。なおこの法律が公布されるために地方負担分も多少殖えて来るわけであります。事業量が殖えますから、地方の負担分、いわゆる財政の圧迫ということもありますので、大蔵当局等にも多少の意見があつたようでありますが、第四条の後段にありますように、道路の修繕に関する法律及び道路法の政令の規定にかかわらず、補助率を上げることができるという緩和規定を設けまして地方負担分の一助にもしたいというふうに考えておるわけであります。  なお北海道に対する維持というのは、これは道路法で北海道に限つては全額国で持つことになつておりますので、それを踏襲して規定したに過ぎないわけであります。
  96. 田中一

    田中一君 そうしますと、二十八年度予算に砂利道の維持管理費、これを若し二分の一負担ということに明記されておるならば、今度の法案が通つた場合に偏頗になる。従つて砂利道に対してどういう扱い方をするつもりですか。
  97. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは提案者としてではなく、私衆議院建設委員として大蔵省当局とも相当二十八年度の率の問題に対しては折衝したわけでありますし、きつと田中さんもおやりになつたと思いますが、大蔵当局の非常に強い意思によつて一方的にこういうふうに削減せられたということになるわけでありますが、二十九年度からはこういう法律が施行せられるのでありますし、いわゆる予算の枠として許さないというような大前提があれば別でありますが、少くとも道路の補修というものはこの法案通り、又少くとも在来の補助率を下つてはならない、こういうふうに行政的な面において折衝を続けて行かなければならんのじやないか、又これが三分の一から四分の一というような状態になる場合には、これは丁度政府災害復旧に対して三カ年計画を立てる、五、三、二でやるといいながら七年にも八年にもなつておるというような問題も、或る一定の定規を越す場合には、法律措置として法律をきめてこれを是正する以外にはないのでありまして、私たちはそこまでしなくても、何とか折衝によつて解決できるのじやないか、而もその折衝が二十九年度からできない場合には、改めて別に法律措置を講じなければならん、こういうふうに考えております。
  98. 田中一

    田中一君 政府はどう考えますか、実際にこの法案によれば、砂利道のことは何も触れておりません。従つてこれだけの厖大な予算を持つて来る場合に、例えば四分の三或いは二分の一というような補助率がありますけれども、事実一番延長の長い砂利道に対する何らの財政的な裏付を、千七百億予算を取つても、五カ年計画ができても、なお放置されるということはこれはどうかと思う。それはどういうふうにお考えになるか伺いたい。
  99. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これはこの法律案によりましてできる砂利道の補修というのは、修繕という問題で以て見ておりますので、この法律で解決をしております。
  100. 田中一

    田中一君 そうしますと砂利道の補修もこれに含まれておるとみなしてよろしいのですか。
  101. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) その通りです。
  102. 田中一

    田中一君 そうしますと二十八年度は同じ閣僚であるところの大蔵大臣と折衝なさつたのでしようけれども、これをなぜ全廃したのですか。これは先般道路局長からはいろいろ努力したけれどもできなかつたということですが、どうも道路行政の一貫性がないと思うのです。殊に道路鋪装の面について二分の一を三分の一に低下したということなど、政府の意図というものは全く道路行政に対する熱意を失つておるというふうに考えるのですが、その点政府はどうですか。
  103. 南好雄

    政府委員南好雄君) 誠に申訳ないのでありますが、二十八年度予算におきましては改良主義にしようというので、延長をつまり成るべくたくさんなくして行きたいというので、成るべく補助率を切下げられたというのが本当であります。で建設省当局といたしましては、いろいろの点も勘案いたしまして、地方財政に与える負担も相当強いものでありますから、随分強く頑張つたのでありますが、どうも誠に申訳ない二十八年度の予算のような結果になつてしまつたのであります。幸いこういう法案の御審議を頂いて可決して頂きますならば、そういう面におきましても大蔵当局の道路に対する考え方も直すこともできますし、今田中さんの御質問のように一貫性がないではないかというお叱りも、こういう法律の助けによつて一貫性を持たして行きたいと思つておるのでありますが、残念ながら二十八年度には刀折れ矢尽きて財務当局の申し渡しに屈したというのが、何も隠しません実際の真相でございます。
  104. 田中一

    田中一君 それでは二十八年度に削減された地方に対する補助率、こういうものもこの法案ができた暁には地方財政にプラスになるような、マイナスにならないような政策を必ず講ぜられるということを政府並びに提案者から言明して頂きたい。
  105. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 私はいつも申上げておる通り政府は常に道路重要性考えながら又地方財政の負担も軽減したいということは御同感でありますが、財政措置許さずということばかり言つておりますので、このような法案によつて政府の蒙を啓くと同時に、議院の力によつて拘束をしようというためにこの法律を出しておるのでありますから、勿論この法律が通過した暁には、下げられた補助率も当然先ほど申上げましたように上げるように努力する、上げない場合には別途法律措置を講じて、又法律義務によつて拘束をしたいと考えております。
  106. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。大体私たち政府といたしましても、提案者同様に極力やつて参りたいと思つております。
  107. 田中一

    田中一君 極力じやなくて、このマイナスを取り返すという言明をして頂きたい。地方財政には負担をかけないようにしてもらいたい。(「そんなことをしたら大蔵大臣に叱られるぞ」と呼ぶ者あり)いや、それから言明してもらわなければ困る。
  108. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。二十八年度に地方財政に与えました損害を二十九年度以降で取り返すような補助率を設けろ、こういう御趣旨だろうと思うのでありまするが、誠に御尤もの御質問のように思いまするが、なかなかこれはむずかしい問題で、二十九年度から二十八年度にやりました間違いを直して行きたい、こういうのが目下政府として精一ぱいのところでございます。どうか悪しからず……。
  109. 赤木正雄

    赤木正雄君 関連して……。これは今の政務次官のお話は非常に重大なものだと私は思う。政府はそういう考えを持つている、これはあなたが政府の一員としてお話になるときに、これは非常に大きな問題だと私は思います。少くともそういうことをおつしやるのには、大蔵大臣をここに呼んで、大蔵当局の意見を先ず聞かなければならないというのが私の一つ考えなんです。それから先ほど田中さんは、政府を鞭撻して云々とおつしやいますが、少くとも今の政府は自由党でできている政府なんです。そして我々が今の総理を出しましたと言う、その総理の下にできているところの政府、それに対して政府を鞭撻する云々というのはどうも本末顛倒していると思う、実際言うと……。そういう観点からして私の要望するのは、まだ質問はしない方針でありましたが、少くとも大蔵大臣が来てからでなくては私は質問はできないと思うのです。
  110. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 建設省予算項目には、道路と街路と分れておるのでございますが、この道路整備費云々の中には街路は含まれるのでございますか、含まれないのでございますか。
  111. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 街路といいますと、都市計画事業による街路でありますか。
  112. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 ええ。
  113. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 都市計画事業による道路は含まないつもりでございます。(「それはおかしいぞ」と呼ぶ者あり)
  114. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 これは大体ガソリン税を見合いにして出してあるのですが、都市計画の……。
  115. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 只今のは訂正いたします。都市計画道路を含みます。
  116. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 それではこの五カ年計画の中には都市計画の街路の計画も入つておるわけですか。
  117. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路局でこしらえましたこの試案の五カ年計画には無論街路を含んでおりますが、この五カ年計画では幹線に主眼を置いておりますので、街路としても幹線を考えております。即ち国道であり又都道府県道であるものは無論計画に入つておりますが、その他の市道でございましても、五大市の分は含めて考えたいと思います。
  118. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 そうしますと今後五カ年間に建設省でおやりになる道路並びに街路の計画は皆この計画の中に含まれている。つまりこれ以外に街路の計画はないと承知してよろしいのですか。
  119. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これ以外にあるわけでございます。この中に含まれまするのは、国道並びに都道府県道である街路、これは無論この計画の中に入つておりますが、それ以外の都市計画区内の街路でいろいろあるわけでございますが、その計画はこの中に含まれておりません。
  120. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 只今のお話で、どうせこれは試案でございますが、今後法律通つてちやんと五カ年計画を作るときには、都市局と通路局で、街路と道路とは分れておりますが、それは都市局と道路局だけの区別でございまして、それは一般自動車交通というものに対しては、区別はないのでございますから、一貫した計画を作る、そういうふうにして進められたいと思います。
  121. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 議事進行について委員長にお伺いしますが、大蔵大臣は本日はお見えになりますか。
  122. 石川清一

    委員長石川清一君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  123. 石川清一

    委員長石川清一君) 速記をつけて下さい。  只今建設大臣が見えましたから質疑を続行いたします。
  124. 田中一

    田中一君 建設大臣が見えられたので伺いますが、二十八年度予算に砂利道の補修費というものが全額都道府県負担になつております。それから鋪装費も今まで二分の一国庫負担のものが三分の一国庫負担になつております。従いまして地方負担はその面において増大されておると考えなければならん。大臣は現在の地方財政は黒字の県が多くてその負担に堪えられるというお考えですか、お考えでないですか。地方財政の点について御見解を伺いたいのです。
  125. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) 只今道路の維持についてのお話だつたと思いますが、私は決して地方の負担が楽であるからというふうには考えておりません。ただ本年度の予算編成するに当つて維持費が予算の上に挙げられなかつたということは非常に間違つたことじやないかと、私はかように考えておるのでございますが、これはもうすでに過ぎたことで止むを得ませんが、将来は維持費についてはもつと十分に考えて行かなければならない、こういうふうに考えております。
  126. 田中一

    田中一君 先ほど政務次官からは、本委員会に現在提案されている道路整備再建の問題、これが若し通つたならば、この面で少くとも二十九年度以降は地方財政を豊かにするような方途を講ずるという言明をしております。大臣はその言明に対してどういうふうに思つておりますか。
  127. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) このたびの案の補助率は従来よりもよくなつておると思います。なお又補修につきましても補助率を上げることもできやしないか、かように考えます。それで先ほど来政務次官がどういうふうにお答えしたか存じませんが、大体趣旨は同様に参ると考えております。
  128. 田中一

    田中一君 砂利道の補修費並びに鋪装の予算の上において地方財政の負担が過重になるということについて所管大臣と協議したことがございますか。
  129. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) 私になりましてからはその点につきまして協議したことはございません。
  130. 田中一

    田中一君 この二つの問題については地方自治庁長官は了承していると考えますか。
  131. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) よくわかりませんから、私の聞いている前で道路局長からお答えしてもらいます。
  132. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 自治庁とは補助率の問題について相談したことがございます。自治庁のほうはこの法案によつて補助率が上ることについて賛成でございます。
  133. 田中一

    田中一君 二十八年度予算で減つておるのは賛成ですか、不賛成ですか。
  134. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは自治庁も不賛成であつたのでございますけれども、前に御説明申上げましたような大蔵省の意向の結果、こういうふうになつたのであります。
  135. 田中一

    田中一君 うるさいことを申上げますけれども、三大臣にやはりここに出席して頂いて、このような道路行政のでこぼこを是正して頂いて、そうして只今議題に上つておるところの法案をすつきりと通したい、こう考えますが、これはまあ委員長から諮つて頂いてもいいけれども、私はもう少し詳しく大臣から、この法案が通つたならば道路行政はこうやるということの考え方を披瀝して頂きたいのです。
  136. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) その点については先ほども申上げたつもりでありますが、私は道路整備ということは勿論大切であるけれども、なお維持補修ということが道路整備の上から最も大切なことだというふうに考えております。本年度において、二十八年度において補修なり只今お話の砂利ですか、減つたということは、私は非常に遺憾に思つて、内輪ではこの話を聞いたときに、これは今後はこれでは非常に間違つておるのだという意見はつきり申しておるのでございます。将来はそういうふうに考えて行きたいと思つておりますが、それについて先ほどお尋ねのように、他の大臣とその点について交渉したということはございません。これは来年度の予算編成に当つて十分そういう点をはつきりして行きたい、かように考えます。
  137. 田中一

    田中一君 もう一点伺いたいのです。ちよつと法案を御覧願つてもいいのですが、提案者はこれを修正してよろしいという言明ですが、修正しますと又四、五日かかりますから、あえて大臣の言明を求めて行きたいと思うのですが、第二条の道路整備五カ年計画というものは閣議決定をしなければならん、閣議決定をしますと、建設大臣はこの閣議決定を受けますと、これを遅滞なく道路整備五カ年計画関係都道府県知事に通知しなければならん義務を生じます。従いましてこの計画というものを、五カ年全部、その路線名まで含めたものを、実際に五カ年分のものを閣議決定する勇気と準備があるかどうかをお伺いしたい。
  138. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) 年度々々でなければ今の建前としてはできないのではないかと思います。
  139. 田中一

    田中一君 それはおかしいです。
  140. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) それは併し五カ年分をきめるということになればきめられんことはないかも知れませんけれども、今の計画を立てて、その計画従つてつて行くということでいけないのでございましようか。
  141. 田中一

    田中一君 ちよつと第二条の第二項をお読み下さい。これを建設大臣はどう解釈されるか。
  142. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 議事進行。これは率直に申しますと、大臣は法案についてよくお読みになつていないと考えます。正直に申して、議員立法ですから……、従つて田中君からそう追及されても咄嗟の御返答が得られないというほうが正しいのじやないかと思うのです。それで私は、このことは建設省当局がどう考えようと、この院においてこの解釈はこういうふうにするのだぞと、こつちがきめて法を通してやるのが建前だと思うのです。我々はこうするのがいいという結論が出たら、その結論によつて法解釈を施行の後誤りなくするために記録にとどめて、これはこういう意味合いのものである、こうすべきものである、こうきめてやればいいのだと考えるのです。従つてその程度にして田中さんは別の質問をなさるなり、私のほうに渡してもらいたい。
  143. 田中一

    田中一君 今大臣が間違つて発言したのではないかと思うのですが、五カ年計画は年次ごとに計画を立てなければならないのではないか、それ以上不可能ではないかという御発言であつたように思うのです。そういう考えをお持ちになつておられるのではないかと思うから、私は大臣が困らないようにこういう質問をしているのです。大臣がそれにぶつかつて、実際に道路局長もその計画が立たないという場合に、大臣としては非常に苦境に立つのではないか、又下手なものを出しますと、良心的じやないものを立てなければならんのではないかというような心配をするものですから、大臣の立場に同情してこの質問を申上げるのです。今小笠原君の議事進行の発言のようにきめて、それを大臣に強制してもよろしいというお考えならば別です。ただ先ほど提案者から、これは変えてもよろしいという発言があつたものですから、一つ大臣の考え方を伺いたいと思つて質問したわけです。
  144. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 田中さんに申上げます。いろいろ五カ年計画案を作りましても、初年度から年度ごとにその年度における予算の内訳は当然作るわけです。これは建設大臣が作るわけでありますから、この作つた計画にはその年度に施行する道路の路線名もはつきりと出るわけであります。それが決定した場合には直ちに都道府県知事に通知をするということでありますが、この後段二項を削つてもらつた場合には、建設大臣は作つても都道府県知事に通知をしなければならないという義務を免除するだけでありますので、削つて頂いても結構だと、こう申したのですが、生かして頂いても結構です。
  145. 田中一

    田中一君 大臣の所感を伺いたいのです。
  146. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) 私がいい加減なことを申上げたわけではありませんけれども、私のほうでこれを提案したわけでもないのでありますから、やはり提案者と皆さんとでお話合いを頂いて、その結果に従うより仕方がないのではないでしようか。
  147. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 道路局長にちよつとお伺いしたいのですが、この法律が通れば、来年度から五カ年計画によつて新らしく五カ年計画に入るわけですが、現在の道路に関する構造、規格というものは現在の実情に適していない。それに対してこの前建設委員会を開いたときに道路局長は早急に改正するという御答弁であつたが、来年の計画から新しい規格によつて施行されることを希望するのでございますが、道路局長の御返事を承わりたい。
  148. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路局試案であります五カ年計画には新しい構造規格は含まれておりません。従来の規格でやる計画であります。新しい規格をできるだけ本年度中にまとめたいと思つておりますが、まとまりましたならばそれによつて五カ年計画を立てて行きたいと考えております。
  149. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 構造規格をきめるのはそう時間を取らなくてできると思うのですが、現在の交通事情はどんどん変つて来るので、古い規格でやるということは実情に即さない道路を作るということで、一刻も早くきめなくちやならん、願うならば来年度から間に合うようにして頂きたいと思いますが、重ねて道路局長の御答弁を伺いたいと思います。
  150. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 御尤もでございます。来年度から実施いたしますようにできるだけ努力いたしたいと考えます。
  151. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 大臣が御出席でございますが、このことを重ねて大臣に伺いたいと思います。
  152. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 建設大臣がお見えになつたのでお伺いしますが、この議員立法になつており、只今議題になつておる法案で、今論議がありましたように、五カ年計画を建設大臣がお立てになつて閣議決定になるのでございます。それで一年後の五カ年計画事業量或いは総予算額はどうなるかということで建設当局から資料が出ておるのでございます。その資料は御承知でございますか。
  153. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) まだ内容は私承知いたしておりません。
  154. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ではちよつと見て頂いて、この法の内容としては、ガソリン税充当額プラス一般財源を以て道路整備を五カ年間の間に成る程度やりたいというのが趣旨なんです。それで五カ年間の総計額としましてはガソリン税充当額が一千二百八十億円である。それに一般財源を加えまして、一千七百億という計画を立てたというのであります。従つて建設大臣は七千七百億という総予算額を妥当なものとして五カ年計画を立てることに努力をする、少くとも千七百億を下廻るようなことのないようにして道路整備をやらなければならんという御決意があるかどうかお伺いしたい。この決意がないとちつともこれは役に立たない立法になつてしまうので、大臣の何と申しますか、院の立法に対して協力がない限りこの法を通しても無理でございますから、それでお尋ねするわけでございます。
  155. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) 実は只今ここで見ただけでございまして、これはこの五カ年の計画道路局試案として持つておつたものでございます。併し道路整備ということについては私も努めて努力をいたさなければならんと思つておりますし、又道路局試案でありましても、一応これだけやるのでなければ、大体道路を、一級国道をきめでみたり又府県の主要幹線を含めてみても、これを少くとも事務当局で希望しているように実現しなければ、折角の財源確保も値打ちがなくなると思いまするので、私といたしましてはこの道路局試案を尊重して、できるだけの努力をいたしたいと考えております。
  156. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 戸塚建設大臣試案というものを咄嗟に見て、一分間ぐらいでもう結論を出して、千七百億程度、よしやつてやろう、努力しようという非常に期待に副つた御答弁を頂きましたが、それぐらい明敬にお考え願える大臣であるならば、先ほどの田中君が質問なつたような従来の補助率等が低下したような問題が、どうして大蔵大臣との間に折衝が破れてみじめなことになつたのですか。
  157. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) ちよつとお尋ねの意味が……実はちよつと間違えるかも知れませんが。
  158. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや、このことは離れた質問です。
  159. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) 先ほどの補修費の補助率の問題は私が就任しますずつと前の問題であつて、私は来年度には、先ほども申上げましたように補修ということが大切なんだから、その点では減つたままではいかん、折衝をしてやつて行きたいと、こう申上げたつもりでございます。
  160. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あなたのお話になつておるのは、前の解散前に出された当初予算時代に大臣でなかつたということでございますか、今度の今出ておる予算を作成する当時は大臣でなかつたということでございますか。
  161. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) いや、そういう意味ではございませんが、二十八年度の当初の予算編成する当時には私はまだ大臣になつていなかつた。今度新らしくこの内閣で予算を提出いたしまする時分には前から引続いて私はおつたのでありまするが、今回は先の予算を一応踏襲をするという建前になつておりましたので、この点については触れなかつたわけでございます。
  162. 石川清一

    委員長石川清一君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  163. 石川清一

    委員長石川清一君) 速記をつけて下さい。
  164. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私質問いたしますが、その前に、只今小笠原さんの議事進行に関する発言で、自分が出て来られないときに、出て来ないでということですが、私はこの法案に関する限りはちやんと出て来ております。ほかの議案に関して出て来られないときには、ちやんと自分の発言の権利がないというんで、一応委員長にもお任せし、そうして支障のないようにしております。その点は誤解のないように願います。何か自分だけが他の議員に迷惑をかけてまでやるという、そういうことは決して私の本意ではないのです。併し物事は筋道を通さなければならんのです。飽くまでも議員としては慎重にやらなければならない、そういう意味質問するんですから、私も徒らにこの法案を引延す意味で言うのではありませんから、質問いたします。  私が建設大臣に関する質問を終れば、大蔵大臣に質問があるのですけれども、それは採決によつて打切るならば打切られても結構です。私は一応建設大臣に質問いたしたいと思います。  建設大臣も御承知のように、この法律案は五カ年間で道路計画をやろうというんですが、最近九州災害道路なんかも非常に破壊されておるわけです。今後道路計画をやつて行く場合に、勿論仮にこの法律案が通れば、いわゆる九州災害によつて破壊された道路というものもこの法律案に織り込んで勘案して行かなければならないと思うのです。そういう場合に、こういうことを私は最近聞いたのですが、それが事実であるかどうか伺つておきたいのですが、米軍のほうで今度九州災害道路を破壊されたので、新らしく又復旧、新設したり何かする場合に、やはり軍用道路をこういう機会に建設したい。そういうような方針があるやに聞いたのですが、そういうことは建設大臣お聞きになつてないかどうか。そういう場合にやはり道路計画をやつて行くときに、政府道路計画と、そこにいろいろな支障が出て来ないかどうか、こういう点について先ず伺つておきたいのです。
  165. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) 只今のお話のことは、私は承知いたしておりません。そういうことが出て来るということが想像される場合は、今防衛道路というのでやつているのがありますから、基地との関係で、そういうものが将来出て来るかと思います。併しそれは直ちにこの道路計画と合致するかどうかはわからない。たまたま合致するようなものがあるかもわかりません。
  166. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この法律案は、この裏ずけとなる五カ年計画によると、やはり九州、特に北九州の重要産業地帯の一級国道及び二級国道を、自動車交通が可能となるように貫通し、鋪装する、こういうふうになつております。やはり今度の災害との関係が勿論出て来ると思うのです。それと今お話したいわゆる防衛道路と私は聞いたものですから、そうしますと、やはりこの計画をやる場合にいろいろな齟齬が来るのじやないか、こういう意味質問したのです。  そこでもう一つお伺いいたしたいのは、この資料として頂いたのですが、行政協定のことですね。道路計画があるわけですね。今保留になつた分、それからすでにこれを行なつた分があるのですが、これを見た場合、行政協定施設区域関係道路事業費というのは、この費用はどこから出るか、これは防衛支出金から賄えるのかどうか。
  167. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは安全保障諸費から出します。
  168. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 安全保障諸費は、これは二十八年度はないわけですね。二十八年度はない。二十七年度の繰越があるのですが、それはどうなんですか。安全保障諸費がなくなつたらそれはなくなるのですか。
  169. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 安全保障諸費から出されております行政協定の施設区域関係道路は、二十七年度におきまして第五次まで決定いたしました。その二十八年度における繰越の中から一部第六次として決定いたしました……安全保障諸費は二十八年度はございませんし、二十七年の繰越がなくなれば、この関係費用道路事業はなくなるわけであります。
  170. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この資料を拝見しますと、各府県に新設、改修、鋪装、橋梁、いろいろあるわけですね。一応まあこの安全保障諸費で新設道路を作る或いは又改修する、そうした場合に、それとの関連における道路の補修とは或いは改装というものが出て来るではないかと思うのですよ。安全保障諸費としてあるこの道路は。ところがここを作りますと、どうしても関連してほかの道路を拡げたり改修しなければならん、そういう場合の道路費というのは、これはどこから出るのですか。
  171. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 実はその安全保障諸費でやります道路関係いたしまする道路の仕事は、それは公共事業費でみなければなりませんが、この安全保障諸費でやります道路は、駐留軍の施設に関係あるものばかりでありますので、関係ある部分につきましては、大体安全保障諸費でそれをやつておるのでございます。それに関連する道路は、必要があれば公共事業費から出すということになるわけであります。
  172. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 提案者にちよつと伺いたい。先ほど行政協定関係道路費はこれに含まれない、こういうことなんですが、実際問題として行政協定関係道路ができると、それに関連して公共事業費のほうからやはり道路費としてこれが出て来る、こう思うのです。そういう場合に、これに全然それが見込まれておらない、そういうことになると、この道路計画というのはどういうことになるのですか、この点どういうふうに……。
  173. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 先ほどもお答え申上げた通り、安全保障諸費で以て賄う道路は一切この計画には盛つておらないわけであります。都道府県と市町村道がダブつておるようなところであつても、移管にならないまでは、ならない間は、工事中でありますから、安全保障諸費で以て賄つておるのであります。
  174. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この点は、私はどうしてもよく今後研究してみなければならんので、質問して置きたいのですが、いわゆる行政協定による道路事業費というのは、安全保障諸費だけから一応出て行くということになつておりますが、いわゆる防衛道路、防衛道路で、間接的にやはり公共事業費から防衛費的なものが出ておる面はないかどうかという問題なんですよ。それは成るほど公共事業費から出ておるのです。併しそれは防衛道路ができたために、そこに又それとの連絡をする道路を作らなければならん。而もそれは府県道になつたり或いはその他の道路になつておりますけれども、そういう面が相当あるのではないか。公共事業費の中に。それから道路費の中にもあるじやないか、そういうのはどの程度ウエートを持つておるのか、どのくらいのパーセンテージになるのか、何故それを伺うかというと、こういう計画を一応立てましても、そういう防衛道路的に使われるのが相当あれば、この計画に使えると思つても、この計画通りに実は使われていないのであつて、ここに防衛道路ができると、こちらの意思に反して、意思に反してこつちに使わなければならん。こういう点が出て来るところがあるし、それは公共事業費から出ておるのだから、公共事業費から出ておるのだから、又建設省道路費から出ておるのだから、この計画通りと言つても、実は防衛道路関係である、こういう関係相当あるじやないか、これは道路関係ばかりでなく、いろいろな点において、例えば国鉄の関係でも或いは電通の関係でも、いろいろ間接的ないわゆる防衛費的なものがやはりあるじやないかという意味で、特に道路関係について今伺つておるわけです。
  175. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 先ほども申上げました通り、防衛道路は防衛費から出ておるわけでありまして、目的が防衛のために必要なものにつきましては防衛費から出ておるわけでありまして、そのためにほかの道路との間に新らしく道路を作らなければならないというような場合が若しありとすれば、それは防衛道路のために作るのではなく、防衛道路からほかの目的のために使うという場合に作るのでありますから、而もその場合は、道路は新設になるわけでありますから、新設の費用はこの経費には盛つておりません。新設を除いてありますから、この計画がそれによつて崩れるというようなことはない。なお、府県道や一、二級国道と防衛道路がダブつておる場合があります。ダブつておる箇所に対しては、防衛道路のためにのみ補修費や改修費を入れるのではなく、その他の一般道路目的のために入れるのでありますから、防衛道路のために特別なる支出を行うというような事態は起らない、こういうように考えるのが正しいのではないか。
  176. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつと参考のために道路局長にお伺いして置きたい。これはデリケートな問題があると思う。はつきり確然とはわからないと思うのですがね。ここに防衛道路ができたために、そこまで頻繁にそういういわゆる駐留軍の輸送が行われる、そうするとこちらの道路がこわれる。併しそれは国費でみる。いわゆる公共事業費にそういう間接的な影響があるかどうか、それは実際問題としてですよ。私は若しそういうことも安全保障諸費から払わせるならば、やはりそつちから払わせるべきであつて、そうでないと本当の意味道路計画日本の産業を復興させるためのそういうための純粋の道路計画というものはそれだけマイナスになる、こういう考えで私は聞いておるのであつて、それは確然とは行かないけれども、そういう間接的な影響が相当あるのではないか、その点ちよつと実際問題ですから伺つて置きたい。
  177. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この行政協定関係道路の中に鋪装というのがございまするが、この鋪装というのは、主として駐留軍車輌の通るために維持困難なところの鋪装でございます。交通量の割合で駐留軍の車輌が多いというところを鋪装しておるわけでございますが、只今お尋ねのように、例えば横浜の市内のようなところは、駐留軍の重車輌が非常にたくさん通るために鋪装がこわれるというふうな間接的な問題があるわけでございます。これらについては国なり地方公共団体が金を出してやらなければなりませんから、その点については駐留軍の車輌でこわした分だけは余計な負担になるというわけでございますけれども、ああいうところは日本の交通も相当頻繁でありますし、又それらを区分けするということは非常に困難であります。そういうようなことで、我々といたしましては、そういうものを安全保障諸費から出すべきであるという要求はいたしましたけれども、その辺の区分けが非常にはつきりいたしませんが、先ほどのお尋ねで、木村先生の御心配は、安全保障諸費は今年は繰越があるけれども、これからはなくなる、なくなるから、そういうふうなために必要を生じた道路費用というものはこの計画を食うのじやないか、こういう意味だと思います。
  178. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうです。
  179. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 今要求しておりますのは、大体駐留軍の施設のためにそうした道路はことごとく網羅いたしまして要求いたしました。併しそれも全部ではありませんで、今のところ百十億ほどが認められたわけでございますが、当初の要求は百四十五億でございましたので、まあ大体のところはそれで行けるというふうな感じを持つておるわけでございます。
  180. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これはまあ確然とはわからないのは当り前ですね。はつりした数字を求めるのは無理だと思うのですが、それによつて間接的影響があるということはわかりました。  それから次に建設大臣に伺いたいのですが、この法案に関して、これはまあ議員提出法案なんですけれども、予算委員会でも大蔵委員会でも非常に別な角度からこれを問題にしているわけなんです。それは予算の審議権という問題ですね。予算委員会ではやはりそれが審議権が冒涜されるということが一つ、それから大蔵委員会のほうでは、これが一応財源目的税的に、目的税とは言いませんが、そういうように固定化して来てしまうと、今後ガソリン税を、非常に高い税ですから下げる場合、非常に弾力性がなくなる、殊に大衆税の見地から今後下げようとしてもなかなかこういうような法律案が出ると下げにくい、こういう意見があるわけです。そこで建設省立場としては、こういう財源が確保されて道路計画がどんどん行けばいいでしようが、併し大臣としての立場からいわゆる全体の政策考える場合、その予算の審議権というようなこと、それから今の税の問題です。こういう点についてどういうふうにお考えであるか、その点建設大臣としてのお考えを伺いたいと思います。
  181. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) 予算審議或いは税の性質としていろいろ御意見があるところかも知れないと思います。併しこれは臨時の立法であつて、特に日本道路の問題について皆さんが御心配になつておる点等を考慮して、絶対に審議権或いは税の性質上許すべからざるものであるというふうにも考えませんので、例外的に、私はこれをできれば道路整備財源の上から止むを得ないことだと、かように考えております。
  182. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この前向井さんが大蔵大臣のときに、これは連合委員会で伺つたのですが、そのときにやはり向井さんは、そういう目的税的にガソリン税を使うということについて余り賛成をしていないようでしたし、閣議でそういうことについて了解がまあできていないようでした。これは今度小笠原さんが大蔵大臣になられたわけですが、この点はどうなんですか、大蔵大臣と建設大臣との御意見は一致しているのか、閣議においてもそういうことは大体一致した意見になつておるのか、そういうことは当然この法律案が通るとすれば予想されるわけですが。
  183. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) まだこれは議員提案として審議せられておるのでありまして、閣議大蔵大臣と直接意見を交換したことはございませんが、大蔵大臣も、やはり議員が提案せられて成立するならばそれに従うほかないというふうに考えておられることと私は承知しております。
  184. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうなりますと非常に妙なことになつて来まして、大蔵大臣は議員の意向であるから議員の意思を尊重しなければならん。ですから議員がおきめになればいたし方がない、こういう御意見なんですが、建設委員会としてはそれでいいんです。併し大蔵委員会或いは予算委員会ではこういうやはり予算編成権を拘束することについては賛成していない。又予算委員会へ行くと又その委員会のあれを尊重するということになるので、そつちも尊重しなければならん、大蔵委員会のほうも尊重しなければならん、こういうことになつて、実にそこに矛盾が出て来るのです。そういう意味で、私はその点は議員が立法するんだからいたし方ないということにはならないのであつて、こういうことに対して建設大臣だけでなく、やはり国務大臣として予算編成という観点からいつて一応の見識というものがなければならんと思います。その点はどういうふうにお考えでありますか。
  185. 戸塚九一郎

    ○国務大臣(戸塚九一郎君) 先ほども申上げた通りでありまして、殊に委員会としては御意見がそれぞれおありかも知れませんが、結局この案が成立するためには、本会議でおきめになることだと思いますので、その結果を待つよりしようがないと思います。
  186. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでは私はもう皆さんも大分これを早く通したいという御意向があるようですから、一応大蔵大臣に対する私は質問もあるんですから保留して置きます。従つて若し質疑を採決によづて打切られて、それで議事をお進めになるならば、私はそれに対してあえて反対はいたしません。反対してもいたし方ないことであります。建設大臣については又建設委員でありますから、一応この法案が仮に通つても、問題は解決しても、いろいろ又関連して質疑できる機会がございますから、今日は私はこれで建設大臣に対する質問は終ることにいたします。
  187. 石川榮一

    石川榮一君 私は只今審議中の本法案に対する質疑はこの程度で打切られんことの動議を提出いたします。
  188. 江田三郎

    江田三郎君 ちよつとその前に、さつきの木村さんの質問に関連して一つお尋ねしたいと思います。先ほど質問のときに行政協定関係道路はこれに入らん、それは今までもその通りですが、先ほど道路局長の答弁を聞いておりますと、木村さんの言われる間接のものですね、それについて鋪補新設というのは、どうも駐留軍関係の車輌で荒される道路に多く使われるというようなお答えがありましたが、殆んどそういうことになるのですか。
  189. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 先ほどのお答えが若し間違つておりましたらお許し願いたいと思いますけれども、この五カ年計画には駐留軍車輌によつてのみ荒される道路の鋪装なり補修なりというものは入つておらないわけであります。先ほど御説明いたしましたように、間接的にはそれはあるわけでございますが、そういつた道路については日本のほうでも相当使つておるわけであります。今その安全保障諸費でやつております鋪装は、交通量が千台で、そのうち五百台以上駐留軍車輌が通るというふうなものを扱つておるわけでございますが、まあその程度にならないもの、日本の車輌が多いというふうなものはこの計画でやることはならんことになるわけであります。
  190. 江田三郎

    江田三郎君 将来防衛諸費のほうがなくなつて来るとどうなるのですか。仮に今の駐留軍の数が又殖えるというようなことがあつた場合に、この駐留軍関係の交通量が非常に多くて、鋪装しなければ通れないというような問題が起きて来ると思う。日本の交通量も非常に多いというのならいいですよ。そうではなしに、駐留軍関係の交通量が非常に多いがために鋪装しなけりやならんという問題が起きたときに、やはりこの五カ年計画のほうで出されるのですか。
  191. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 将来駐留軍の車輌が非常に多くなつて道路がこわれるというような事態が起きましたならば、これは別途に考慮をすべきものと考えられます。この計画にはそういうものは盛り込まれるべきじやないと考えます。
  192. 江田三郎

    江田三郎君 はつきりしておいて頂きたいと思うのでして、専ら主として駐留軍の車輌のためにこわれる道路の補修或いは鋪装、その他改良工事等はこの五カ年計画には入らない、こういうことなんですね。
  193. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) さようでございます。
  194. 石川榮一

    石川榮一君 先刻出しました本法案の質疑はこの程度で打切りたいことの動議を提出いたします。
  195. 田中一

    田中一君 石川君の動議に賛成いたします。
  196. 石川清一

    委員長石川清一君) 質疑打切りに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  197. 石川清一

    委員長石川清一君) 多数、質疑は打切られました。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  198. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私はこの法律案に反対いたします。  反対理由の第一は、この法律案通りますと予算の審議権が拘束されるということであります。本案提案者趣旨は了解できるのでありますが、そうして道路を早く整備しなきやならない、それに相当やはり重点財政投資を行わなけりやならんという点については決して私は反対するものじやありません。同感なんです。問題は、この財源措置をどうするかという問題ですが、これは単に道路問題だけから考えたのではいけないのであつて、やはり国策の総合的な観点から財源というものを求めなきやならない。特に二十九年度以降の日本を見ますと、これは重大な問題なんであります。御承知のように二十八年度に過去に蓄積した資金は、インベントリー・フアイナンスとして蓄積されました二千二百億を除くと殆んどもう使い果してしまうのです。二十九年度はこの財政投資というものは非常に困難な状態になります。そこで予算編成全体の上から見ると、或る特定政策なり或いは事業財源を拘束するということは、これはやはり予算というもの、財政というものを考えますと慎重に考えなきやならないわけでございます。建設的なものならばやはり公債政策というものもいいのであつて、私は必ずしも公債政策案がいかんとは考えておりません。建設的なもものならやはり公債政策もあえて反対するものではないのです。総合的に財政というものを考えなければならない場合に、目的税的なこういう財源を求めるべきではない、こういう観点から私は先ず反対しなければならないと思います。  第二の反対理由は、ガソリン税をこれに充当するということですが、ガソリン税は非常に高い税であつて、これは、戦時中非常に高い税にされまして、そういうもののやはり戦時税的なものが残つておる。これは大衆課税であつてガソリン税は転嫁税です。ガソリン税が高いというために小運送費が高くなり、輸送費が高くなるので、大衆に転嫁される。前の大蔵委員会においてガソリン税の問題について公聴会を開きました。そうして各方面からの意見が述べられましたが、この法律が通ると大衆税たるガソリン税を今後引下げることが困難である、こういうことについて相当反対論があつたのです。先ほど提案者田中氏はそういうガソリン税の撤廃乃至減税を要望する町も全部我慢して、道路費に当てるなら減税或いは撤廃運動もやめてもいい、こういうようなお話がありましたが、前に我々は公聴会でその意見を聞きましたときには反対論者のほうが多かつたのです。それは記録にございます。従つて大衆の利益を守らなければならん大衆政党に属する私としては、こういう大衆転嫁税、こういうものは引下げようとしても実際において困難になる。そういう立場からこういうところに財源を求むべきではない、他に財源を求める方法が幾らでもあるわけです。それをもつと真剣に私は考えるべきであると思う。これが私が本案に反対する第二の理由であります。  それから第三の反対理由は、この法案重点は第二条にあるように、即ち五カ年間に道路整備を急いでやるということでありますが、それならば、やはり議員提出法案である以上は、一応この法案通つてしまつてから自由党の政策によつてその中身がきめられて行くということを、例えば白紙委任状を与えるような形においてこういう法律案を出すべきじやないと思う。自由党の諸君の提案ならそれでいいが、併し社会党なら社会党の道路政策があるはずです。又改進党なら改進党の道路政策があるはずです。例えば改良を主にするとか補修を主にするとか、砂利道路についてこの政策もありましよう。こういう今後の道路政策に関して或る程度の議院がこれを制約し得るような内容がここに盛られていなければならない。この裏付として出て参りました道路五カ年計画は杜撰極まる。先ほど小笠原委員質問にありました通りただ枠を与えてしまつてあとはその中身がどうなるかわからんというような、こういう白紙委任状的なこういう法律案は私は出すべきじやないと思う。而もこれは政党的に、政略的に利用される点がたくさんあるのです。こういうことを心配するならば、何故法律案の中にこういうものを明らかにしないのか、例えば建設大臣に注文して見たり或いは建設次官に確約をさせて見たところで、法律案にそういうものを書いてなければ、大蔵省との間に意見が違つたとか或いは自治庁との間に意見が違つたということで、この法律案に意図されたようなふうに道路政策が行われることは確保できないのであります。私は議員の一人として同僚議員が出されたものに対してこれを決して非難するわけではありません。これを批判しておるわけなので、クリテイークであつてコンデムネーシヨンではないのです。よりよい法律案が出るために、私はそういうことを心から念願して討論しているのでありまして、議員みずからが自分の予算審議権を拘束するようなこういう立法を作るべきではない。又議員みずからが自分の所属する政党の道路政策というものが、他の政党の道路政策にこれが左右されてしまうというような中身において、そういう形においてこういう立法を私はすることに非常に疑問を抱くのです。今度日本の国会においては前の国会とは違つて、議員立法というものが非常に自由にできるようになりました新しい制度でありますが、それだけに議員立法というものはやはり飽くまでも議院の予算の審議権とか或いは政策が自由に貫き得るような形において私は出すべきであると思うのでありまして、以上の三点から私はこの法律案に反対せざるを得ないのであります。
  199. 石川榮一

    石川榮一君 私は本法案に賛成をするものであります。その所見を申述べたいと思います。  只今木村委員から三種の項目に亘りまして反対の意見がございました。それを一々反駁する必要はないのでありまして、要は現在の道路が如何に悪化しておるかということは何人もいなめない事実でありまして、それがために各派共同提案の形をとりまして、そうしてこれを悪道を速かにここ五年乃至十年に或る程度の改修をして参りたい。こういう念願からこの法律案を提出されたと私は思うのであります。従いましてその措置につきましてガソリン税を、目的税ではありませんが、目的上、指示はいたしませんけれども、ガソリン税に当てはまる程度のものを最小限度政府道路政策の中に織り込むべきだという強い要望をいたしておくゆえんは、今木村君が指摘されましたような不合理はありましても、この際大きくそういうような遠慮を以ちまして、両院の意向を反映いたしまして、この法律案を必要とすることに相成つた、この必要になりました理由は、予算措置の問題或いは審議権の問題等は離れまして、もつと大巾に目を大きぐ開きまして、道路の改修に重点を向けようという私は本案の狙いであろうと思います。この点につきましては私は全く同感なんです。現に治山治水の問題のごときも、一兆億にも亘ります国家予算に対して全国の治山治水費は砂防費を入れまして僅か二百九十億、三%弱であります。それ故に九州における災害、利根川のあの二十二年の災害等を呼んでおるのであります。これらの点を考えますると、建設行政としての、治山治水政策道路政策、住宅政策というものは殆んど行詰つており、現在の予算の配分におきましては断じて国民は承服できないというのが両院の意向としてこの法案を生み出したのであります。従いましてこの法案は若干の矛盾もありましよう。或いは不当な点もあるかも知れません。併し政治は生き物であります。少くともこの程度の最小限度の予算を盛らずんば日本道路は断じて守れない。これは産業経済を破壊に導くものだというような観点に立ちまして、大所高所から私はこれを提案したことに対しまして心から賛成するものであります。特に予算を拘束するということを言われましたが、治山治水にいたしましても、道路政策にいたしましても、年間の予算にのみ捉われておりまして、右往左往しております間は断じて計画性のない道路政策であり、治山治水政策であり、住宅政策であるのであります。現に多目的な総合ダムは、昨年度からもう三カ所ばかり継続をしておりまして、これは継続の事業として実施しております。これらは悪く言いますれば予算の審議権の拘束になりましよう。審議権の拘束に名をかりて国土が荒廃して、道路が荒廃してどこに日本の再建がありましようか。私はそういう点に眼を見開きまして、国会の同僚の諸君は眼を見開きまして、相共に政治をする以上は、あらゆる面を検討いたしまして、総合的に勘案しなければなりません。先ず重点的になけなし予算を投入しなければ道路政策治山政策もできないと思います。こういう観点におきましては、技術上におきましてはいろいろ大蔵省の方面から異論があるわけであります。無理からん異論でありましよう。併しそれよりも政治の大きなものを我々は背負わされております。こういう観点に立ちまして、この際木村さんにも是非そういう先ほど来のお説は御尤もでありまするが、大所高所に立つて法案に曲げて御賛成あらんことを願いまして、私は賛成の意を表します。
  200. 石川清一

    委員長石川清一君) ほかに御意見はございませんか。……ほかに御意見もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  201. 石川清一

    委員長石川清一君) 御異議がないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。道路整備費財源等に関する臨時措置法案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  202. 石川清一

    委員長石川清一君) 多数でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定しました。  なお本会議における委員長の口答報告の内容及び事後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  203. 石川清一

    委員長石川清一君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされました方は例により順次御署名を願います。   多数意見者署名     石井  桂  石川 榮一     三浦 辰雄  石坂 豊一     小沢久太郎  鹿島守之助     松岡 平市  赤木 正雄     江田 三郎 小笠原二三男     田中  一   —————————————
  204. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) この際提案者の代表といたしまして一言御挨拶を申上げます。  前国会及び本国会を通じ通算百日近い長い間御審議を賜り、その間種々御高配を頂戴いたしましたことを謹んで感謝するものであります。幸い本日本委員会で御可決賜り、近く本法案は参議院を通過し公布せられることと存じます。本法公布後の我が国道路整備には画期的成果を残すことと考えるものであります。長い期間に亘り御審議賜りたる御配慮に対して重ねて深甚の謝意を表しお礼の言葉といたす次第であります。
  205. 石川清一

    委員長石川清一君) 御署名漏れはございませんか……御署名漏れないと認めます。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十八分散会