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1953-10-12 第16回国会 参議院 建設委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月十二日(月曜日)    午後二時二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石川 清一君    理事            石井  桂君            石川 榮一君    委員            小沢久太郎君            鹿島守之助君            赤木 正雄君            江田 三郎君           小笠原二三男君            近藤 信一君            田中  一君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   説明員    農林省農地局長 平川  守君    建設政務次官  南  好雄君    建設大臣官房文    書課長     水野  岑君    建設省河川局長 米田 正文君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件  (台風十三号による被害状況に関す  る件)   —————————————
  2. 石川清一

    委員長石川清一君) 只今から委員会を開会いたします。  先般の委員会で御決定を願いました治山治水根本対策に対しまして副総理建設大臣農林大臣出席を求めて審議いたすことになつておりましたが、農林大臣供米関係東北地方出張中であり、建設大臣は健康を害しまして本日出席は不可能である。副総理皇太子殿下のお出迎えに参りましてその後連絡がつきませんので、本日は先ず建設政務次官並びに河川局長が見えておりますので、台風十三号による災害状況説明を伺いまして、以下先般の残つておりますいろいろな問題の審議を進めたいと存じます。
  3. 水野岑

    説明員水野岑君) 河川局長が間もなく参ると思いますが、その前に簡単に私から台風第十三号による被害状況につきまして御報告を申上げたいと思います。  台風十三号による土木被害の各府県被害額につきましては後刻これはお手許にお配り申上げたいと思いますが、只今府県から建設省への報告によりますと、五百四十九億円という被害額に上つております。そのうち一番被害額の多い県が京都府の九十億円でございます。それから三重県の七十七億円、それから愛知県の七十六億円、それから福井県の五十一億円、それから滋賀県が三十七億円、それから大阪が三十一億円、奈良が二十五億、和歌山が二十七億、そういうところが被害の多い県でございまして、総合計いかしまして五百四十九億、約五百五十倍見当に上る大きな被害額になつております。  それから直轄河川被害状況でございますが、お手許に一枚刷りの簡単な表を差上げてございます。直轄河川の全体の被害額といたしまして只今判明した被害額は十五億円でございます。で一番大きい被害個所淀川宇治川堤防決壊をいたしまして、その関係被害額が五億円になつております。それから紀ノ川が三億円、そういうようなところが多い被害額個所でございます。この直轄河川の十五億の被害につきましては、只今申しましたように、宇治川のように破堤をいたしました個所等につきましては応急工事を実施いたしまして、取りあえず仮締切りをする、こういう措置をすぐさまとりまして、これは先般災害対策予備費から約一億五百万円の支出が認められまして、鋭意只今緊急工事を実施しておるという状況でございます。  それから先ほど申しました地方公共団体の分の被害につきましては、政府といたしましては繋ぎ融資を緊急に貸付ける、こういう措置をとりまして、先般十二億円ばかりの繋ぎ融資を決定いたしましたが、続いて約十二億円を繋ぎ融資として増加する、こういう措置を緊急にとりまして、鋭意応急工事の促進を図つているという状況でございます。  あと河川局長から詳しく御説明申上げると思いますが取りあえず私から数字につきまして御報告申上げた次第でございます。
  4. 米田正文

    説明員米田正文君) 台風十三号につきましては、只今文書課長からお手許に配りました資料について御説明をなされたと存じますが、今度の台風は御承知のように非常な強風を伴つておりましたために、海岸が非常に被害を受けたという特徴を持つている。雨量も非常に多かつたのでありますけれども海岸附近の波浪が非常に強かつたために海岸地域、特に愛知三重海岸は殆んど全滅したと言つていいほどひどい災害を受けたのであります。特にひどかつたそういう地域については、現在従来の海岸堤防が破壊されまして数百カ所破壊いたしましたために、そこから海水が耕地に入り、而も潮のことでありまして一日二回の潮が入り、而も毎日相当な潮が入ります所はだんだん決壊口が広がつて行く、河川災害でありまするとだんだん水が減つて行くのでございまするけれども海岸では逆にだんだん決壊口が拡大をして行くというようなために、愛知三軍の両県関係者は非常にその応急対策に苦心をしてをるのでございます。先般来建設大臣も、それからつい最近は建設事務次官現地に参りまして、その状況を親しく視察をいたしておるのでございます。要するに今日の状態としては早急に仮締切りを完成することが目下の処置として必要でございます。で、県だけでは処置のできない分については中部地方建設に委託をして締切り工事表実施することにいたしております。併し現実は非常に災害程度が深いので、破壊個所はひどい所は地盤が八メートルも掘られ、而もそれが決壊口百メートル以上、百七、八十メートルにも及んでおる。これが毎日潮の出入りしている現状で、これを締切つて行くということは非常な資材を要するために、その資材集積等に時間を相当要しますので、早急にやらなければならんのでありますが、先ず大きいものについては資材集積に現在のところ主力や集中いたしております。而もなお交通杜絶状態現地に近付くには舟で行くより方法がない。而も舟も近くまでなかなか寄れないというよう非常ないろいろな困難を伴いますが、逐次破壊口から現在のととろ締切りを進めておるのでございます。大体のお話を申上げて恐縮でございますが、正確な数字ではございませんが、大体愛知県で四十キロの海岸堤防が破堤をいたしました。それから三重県で三十キロ、合せてあの海岸だけで七十キロに及ぶ破堤の個所があるというような現状でございます。その対策については今日技術者現地に差向けまして復旧設計を立てつつある。本復旧については設計を立てつある状況でございます。あと京都和歌山等も再び災害を受け、奈良もさようでございますが、福井県が意外に大きい被害を受けたのでございます。これは小浜中心とする若狭地帯が今度の降雨中心地帯であります。大体五百ミリメートル程度降雨がありましたので、被害小浜附近に集中をいたしておる状態でございます。これもまだ交通杜絶をいたしておりますが、完全な復旧というところまで行つておりませんが、差当り交通確保交通を再開するための努力をいたしておると同時に、被害個所については部分的に応急なものを、堤防等復旧をいたしておる状態でございます。京都は先ほどちよつと文書課長からもお話申上げたように、淀川の水系が非常な出水を見まして、明治以来の記録としては最大の出水をいたしたのであります。それでそのために宇治川筋左岸堤が破堤をいたしまして、旧巨椋池地帯浸水をいたしたのでございます。あそこは御承知のように旧巨椋池地帯でありますために、地盤が非常に低いために排水が非常に困難な場所で、破堤個所の仮締切りはもうすでに終つたのでございますけれども、更に引続き本復旧に掛つているととろでございますけれども、何しろ浸水地排水が非常に困難でございます。従来の設置されておりました排水機も水浸しになるというようなわけで、要は現在宇治川筋流量が減るということと、減つて来るのを待つということと、現在の浸水の水を機械的に排水するという二つの途があるのでございます。現地でもそういう方法について努力をいたしておるのでございます。特に宇治川本川の水が減るということを申しましたのは、現在琵琶湖水位が非常に高くなつておりましたために、琵琶湖南郷洗堰の水門を開けまして、一ぱい一ぱい琵琶湖の水を流しておるので、宇治川筋が、まだ現在のところ一秒間六、七百トンの水が流れておりますので、これがずつと減つて参りますと大分水位が下りますので、排水大分自然排水が非常によくなつて参るのでございます。それと、その本川水位の下るということと機械排水の両方でやつて行くより方法はないと考えております。なお大阪に参りますと、淀川筋で芥川、檜尾川という支川が破堤いたしまして、やはり淀川の右岸の地域、高槻の市を中心とする地域浸水をいたしております。これも本川水位が下らないためにまだ十分水はけをいたしておりませんが、大分引いては参りましたが、まだ完全とまでは行つておりません。これについても機械排水等措置を今講じておるのでございます。数字については只今申上げたと思いますが、総額五百四十八億という被害額になつたのでございます。  今年度はたびたびの豪雨がございまして、六月、七月、八月と豪雨がございまして、そのたびごと集計をいたしておりますが、今度の被害額は約五百五十億になつておるのでございまして、西日本災害が非常にひどいと言われましたのが三百億足らずでございましたのに比較いたしますと、今度の災害は、十三号災害というものは非常に大きかつたということでございます。先ほどのお話に附加えて申上げます。
  5. 石川清一

    委員長石川清一君) 御質疑に入る前に農林省農地局長平川守君と、林野庁の長官は出張中でありまして、林野庁治山課長塚野忠三君が見えております。
  6. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この台風十三号による土木被害額調というものの五百四十八億というのは、今後まだ殖える見込がございますか、確定している分でございますか。殖えるとするならどれくらいに総額を見込んでおられますか。
  7. 米田正文

    説明員米田正文君) これは各府県からの報告額が主になつておりまして、私どものほうで実際に査定をした数字でございません。従いまして先ほども申上げましたように、まだ現地に十分行けない、或いは行つても調べることが非常に困難だというような状態にございますので、従来からの経験から申しましても、今後殖えるであろうというような見通しでおります。併し、然らば幾ら殖えるかというような数字までは今日まだ申上げられる段階にございません。
  8. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 資料も出ておるようですが、今簡単に見てもちよつと見当がつかんのでお伺いしますが、十三号台風まで含んで本年のこの土木被害額というのは結局は総計幾らくらいになつているわけですか。
  9. 米田正文

    説明員米田正文君) 今までの総額については、この二枚綴りの表がございまして、そのあとのほうの紙に書いてありますのが、この十三号台風を除く以前の今年度分の被害額でございます。従つてその表の一番右の合計欄被害額というのがございますが、その一番下の欄で御覧になりますように八百十三億というのが今年一月からの災害額で、それに今度の約五百四十八億という災害がこれに加わることになります。
  10. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると合計千四百億になんなんとする総額でございますが、これの復旧について年度計画をも考えられて、大体大ざつぱに今のところの見通しではどういうふうに処理して行くお考えであられるか。
  11. 米田正文

    説明員米田正文君) これは今努力をして、実際の被害額の実態をつかんで正確な復旧額というものを査定いたしたいと思つて、そのほうの努力をしておりますのが一つと、今後の処置として、予算的な措置としては差当り繋ぎ融資行つて、緊急止むを得ないものは繋ぎ融資処置をして行くという方法をとる。併しそれでは勿論十分でございませんので、これらの正確な数字をできるだけ早く把握をして、それによつて予算措置をいたしたい。で、今度の臨時国会が開かれますまでにはこの被害額ももつとはつきりいたすと思いますので、今度の臨時国会でこの被害復旧予算を御審議を願いたいと思つております。
  12. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 被害額実績見合つて今度の臨時国会における補正予算なり、或いは引続く来年度予算なりというものを考えて行く、こういうことですか。それとも補正関係は大体の財源的な枠があつて、それでもう財政収入見合つた額をもらつて、その範囲で先ず一応補正において災害復旧予算を取る、それから続いて来年のやつを計画して予算を取る、こういうことですか。どういうふうにまあ数字が違つて来ても、千億を超えるこれだけの災害復旧をやつて行く場合の財政的な見通しなり計画なりというものについては、建設省はどういうふうにお考えになつておるかということ、これは国会が開かれるまでに予算をきめることはきまつておることです。私の聞いておることはそういうことじやない。
  13. 米田正文

    説明員米田正文君) これはひとり建設省の問題のみではございませんが、各省を通じての問題でありますけれども、現在各省の今までの全被害額、特に六、七月からの被害額集計をいたしております。それが私ども基本になつて、今度の臨時国会に提出する予算の基礎をそれから出すものだと思つております。
  14. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では建設省として事務的に或いは技術的に、こういう災害復旧は長くても何年くらいで完了したいということで今後計画をお組みになりますか。
  15. 米田正文

    説明員米田正文君) 御承知のように建設省としては昨年までは三カ年復旧計画というものを要求をいたしておりました。政府部内において非常に要求をいたしておりました。が、今年の災害を見ますと、非常に被害程度も激甚であり、これをいつまでも長く延ばせば延ばすほど国費の支出が殖えるような現状でございますので、建設省としては三年でやろうという今までの方針をもつと切り詰めたい、もつと短期間にやりたいという考え方で部内の折衝をいたしております。
  16. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういうふうに緊急にやりたいということで千億を超える金が必要である。一方、これはあと大臣にもお伺いしたいのですが、治山治水基本対策要綱によつて十カ年計画というやはり緊急措置をしたいと希望しておる厖大事業がある。これらと見合つて、実際従来の三年よりも短い期間に災害復旧を完了するということは現実の問題としてできるとお考えになりますか。
  17. 米田正文

    説明員米田正文君) お話のように国の全体の財政としての問題になりますと、この災害復旧を早期に完成し且つ恒久対策としての治山治水対策を、而も厖大治山治水対策声実施するということは財政的に非常な困難な問題だと思います。殊に今日の日本の現状においてそうであると思います。併し我々といたしましては、その程度がどの程度になりますかは、最後の話合いが付いてみなければわかりませんけれども、我々としては是非そういう考え方でやりたい、そういう方針是非努力をいたすというつもりでやつております。
  18. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで恒久対策としての事業との関係でございますが、今後こうした大きな災害は、単に原形復旧という形での災害復旧とその恒久的なものとを混ぜて、同じ堤防決壊個所等でも改良事業を付帯してやるというような方向が、何と申しますか、よいようにも視察した結果では見受けるのですが、やはり厳格にそれは区分してやつて行くお考えですか。
  19. 米田正文

    説明員米田正文君) 現地御覧になるとそういうふうにお考えになられるように、災害復旧と今後の改良というものは同時に施行しなければならないところが非常に多いと思います。現実に各地から出て来ておる計画もそうであります。そこで我々の処置といたしましては、災害復旧予算というものと改良費予算というものは、現在のところ画然と分れておりますので、これは災害復旧改良費予算とはどこまでも今のところは区分して行くつもりでございますけれども工事の実施は同時に実施するという方法によつて今の問題を解決して行きたいと考えております。
  20. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私十三号台風による淀川紀ノ川等は見ておりませんからわかりませんが、和歌山で起つた前の被害状況を見るというと、何と申しますか、同じ決壊した理由でも、弱い所、強い所が常識的にもう見得るような状態になつてつて、弱い所がやはり切れておるというふうにも見られる向もないでもないと思うのですが、そういうような点で、河川局としては今年のこの災害について、技術的な面で反省なり批判はないわけですか。やはりやられる所が、やられそうな所がやられたというような結果はないのですか。
  21. 米田正文

    説明員米田正文君) 災害個所の一々に関する原因その他に関する調査は現在いろいろやつておりますが、御指摘のようにやや結果論的ではありますけれども、どうも一定の現地行つて見ますと、危いというのはやはりここだつたと、現地の者もそう言つて話もしますし、我々が行つて見ましても、成るほどここは一番ウイーク・ポイントであつたというような感じの強い所が非常に多いのであります。で、今度の処置としては、勿論災害復旧とそれに伴う改良工事とマッチさしてやるつもりでおりますが、今の弱い部分というものが各所にございますので、これらは総合的に見て治山治水対策として解決したいと思つております。ただ今差当り弱い所だけを解決するというのは、弱い所が強くなりますと、これは相対的な問題で、そこに又他に弱い所ができるというようなことになつて参りますので、やはり全体としての計画として進めて参りたいと思つておりまも
  22. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それから細かいことですが、前に渡されております資料直轄河川改修事業実績調というので、この専門員室ナンバーを打つておるのでは3というナンバーのものですが、これは過去の実績はわかりますが、二十九年度以降事業費とございます部分は、この治水対策のほうで新たにこのもくろんでおる事業量に伴う金額なのでございますか。従来の既定計画に基くものの金額でございますか。
  23. 米田正文

    説明員米田正文君) お手許に差上げてございますのは、従来の計画の、今後の残りの経費でございます。
  24. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 わかりました。そうすると計画洪水量というのも、これも現在以前で計画されているやつでございますか。
  25. 米田正文

    説明員米田正文君) そうでございます。
  26. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、今度の被害状況見合つて、この計画洪水量そのものが変つて来るというふうに、根本的にこれは今後の問題として考えて行くつ又そのことに伴つて災害復旧もやつて行くと、こういうことになりますか。災害復旧災害復旧で、この既定計画洪水量で実施し、その後逐次断面を拡げるとか、何とかもつと計画洪水量を大きく見て行くと、こういうことになるのですか。
  27. 米田正文

    説明員米田正文君) これは計画洪水流量検討を今いたしておりますので、お話のように今後計画洪水流量検討をして改訂をいたしますと、当然この計画洪水流量は変つて参ります。そこで変つて来たときに今の災害復旧はそのままやるかというお話だと思いますが、これはいろいろケースがございまして、上流下流とに河川を分けて見ましても、今度計画洪水量を殖やした場合に、上流洪水調節をして、下流で影響のないこともございますし、洪水流量を殖やせば、そのまま下流も殖えるところがございます。いろいろなケースがございますが、我々としては災害復旧についてはできるだけ今後の改良及び今後の計画洪水流量の増加の線に沿つて準備をいたしたいと思つております。ただ今差当りつておるものは皆応急工事でございますから、これが全部でき上るまで待つておれませんので、応急工事の分については現状差当りつて行きたいと思つております。
  28. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 例えば今度の十三号台風による紀ノ川の船戸における最高水位六・五九メートル、計画水位が六・〇五メートル、こういうように出ていますが、その計画水位は結局前の表による計画洪水量見合つたものと考えますが、初めからもうこういうふうに従来のものは駄目なんだということがはつきりしているものについては、やつぱり緊急に応急対策としてはまあ締切る部分については従来の通り締切るとしましても、災害復旧だ、それに改良だと加わつて来る段になれば、それはもう来年度からでも緊急にこの計画洪水量のほうは建直してやつて行くと、こういう方針なのでございますか。
  29. 米田正文

    説明員米田正文君) まだ一々の具体的な例について申上げるわけではございませんが、方針としては、今お話のございましたように、今度変つた計画洪水量に副つて来年度からの災害復旧をやつて行きたいつもりでおります。
  30. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それから私ちよつとわからんのでお尋ねしますが、この災害復旧工事直轄でやると、改良工事県工事としてやると、そういうようなことはございますか。
  31. 米田正文

    説明員米田正文君) それはよくわかりませんが、それは例えば貴志川のような例ではないかと思います。紀ノ川上流でございますが、貴志川改良工事として直轄工事でやつておるところであります。でまだ実際の工事が、今度切れました丸栖には手を著けておらんのでありますが、今度災害を受けたのは県の災害で取つたのであります。これはどういうことかと申しますと、従来から直轄河川の中であつて直轄工事をやつておらないところは府県災害として取るということに内規がなつております。なぜかと申しますと、河川管理権は依然として府県知事にあるために、河川法上の建前からそういう方針をとつておるのでございますが、これはまあ規状はその通りでございます。併し近い将来において、どうもそういう点が非常にむずかしい問題を起し、且つ予算の執行にいたしましても完全なる措置がとれないきらいがございますので、近く改正をいたしたいという研究を今いたしております。
  32. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大変まあ抽象的な話ですが、直轄改良工事をやつておる。その間が、改良工事の進まなかつたところが決壊したと、その場合には県のほうが災害復旧工事をやると、こういろ場合には、改良工事の間に挾まれておりますから、原形復旧というようなことではどうにもならんので、拡げて又大きな堤防を作ると、そういう場合には地元の用地が切り取られてしまう、又土も取られてしまうというような場合があるが、さてそれについては原形復旧予算しかもらえないために補償のことはできそうもないというようなことで、地元で泣き寝入りになつているというような地方が現にあるわけですが、そういう工事やり方もあるわけですか。これは話が別段に移りますから、これだけでやめますが、そういうやり方もありますかということをお尋ねしておきます。
  33. 米田正文

    説明員米田正文君) 現在の建前ではそういう場合があります。
  34. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 この三軍愛知海岸提防決壊したと、これは非常に遺憾なことですが、これを早急復旧しなければいけないのですが、農林省とのつまり打合せはどういうふうにやつておりますか。
  35. 米田正文

    説明員米田正文君) 先だつて農林次官からも、特に愛知海岸復旧については一つ早急に研究をしようじやないかという御意見がございました。で我々としてもそのつもりでおりますが、まだ具体的に両省打合せはいたしておりません。というのは、まだ現地調査が十分行われておりませんので、今後災害復旧計画が具体的に事務的に出て参りますと両省折衝をいたすつもりでおります。
  36. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 それでは平川局長お見えになつておるようですが、農林省側でこの海岸堤防に対してはどういう報告があるか、或いはどうしておるという措置ちよつと御説明願いたいと思います。
  37. 平川守

    説明員平川守君) 今回の愛知三重或いは静岡等におきまして相当堤防決壊で、主として干拓地が非常な被害を受けております。数学的には別に資料を以て申上げますが、相当部分を占めておりますので、これに対して早急に復旧をしなければならんわけであります。根本的な海岸堤防復旧取扱い方法につきましては、先般来のいろいろな懸案の問題がございますが、今回の問題は非常に急を要しまするから、具体的に一つ個々の場合々々につい県からもいろいろ案が出で参りますので、建設省と今河川局長お話のように具体的に御相談をいたしまして、早急に事が運ぶようにいたしたいと思つております。
  38. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 まだお打合せができていないようでありますが、これは早くやりませんと、例えば査定の問題とか、いろいろな問題がある。そういう問題がありますから、これはよく打合せをやつて頂いて、早急に一つつて頂くというふうに要望いたしておきます。
  39. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは委員長にお尋ねしますが、結局今日資料を頂いたので、あと検討してもう一度やれる機会ございますか。
  40. 石川清一

    委員長石川清一君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  41. 石川清一

    委員長石川清一君) 速記をつけて下さい。
  42. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは又あとで具体的なことを検討してお尋ねしたいのですが、今日農地局長もお見えになつておるので、ちよつと視察して来たことからお尋ねしたい点がありますが、一例を挙げると、熊本県のほうの白川流域で、初めから堤防も護岸もないという川ぷちの、まあ断崖に沿うて大きな耕地がある。ところがそれが決壊し耕地が流されてしまつた。これの災害復旧ですか、何と申すのでしようか、耕地を復旧して行くという場合に、耕地々復旧するほうの部分については査定でそれは認められる。ところが実際上の問題として、護岸ができなければ耕地はできない。ところが護岸のほうは初めからないところですから災害復旧も何もない。新らしくまあそこで計画を立てて、そうして護岸でもやるということができないうちは耕地はできないのじやないかというような問題を見聞きして来たのですが、そういうようなのはこの建設省のほうではどういうふうにして速かな災害復旧をやるものなんですか。農地関係ではその護岸の分は金は出せないと……。
  43. 平川守

    説明員平川守君) これは実際問題としてそういう場面が相当あるのかと思います。ただ大体においてそういう地帯は比較的傾斜の多いところのお話だと思いますが、従来つまり河川堤防のほうから考えてみて、堤防としての重要性といいますか、その順位がまあ比較的あとであつたと、併し土地利用の面からいつて農作物を作る必要に迫られますので、或る程度の危険を冒しながら耕作をしておる。それが異常な出水のために破壊されたということであります。農地の側から申しますと、食糧増産なり或いは農家経済の立場からいたしまして、一刻も早く復旧しなければならんということでありますから、農林省のほうといたしましては、できるだけ速かにそれは元の形に復旧するという建前をとつておるのであります。ただその場合に、その個々の場所につきましては、これはどうしても堤防がなければ非常な危険を伴うというところにつきましては勿論建設省のほうにお願いをする。これは併しいわゆる災害復旧という形ではなしに、新らしく改良事業ということになるかと思いますが、その緊急性の度合、順位に応じまして建設省のほうにお願いかする、こういう建前になつております。
  44. 米田正文

    説明員米田正文君) 只今お話に関しましては、今の公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の精神では、施設のあつたものが災害を受けてそれを復旧するというのが建前になつておりますので、自然河岸は、自然河岸と申しますか、自然の状態の河岸、何もない所はまあ対象にならないのが原則でございます。ですが、まあそういうところが各地にございます。それの非常に程度のひどい所は、先ほども農地局長からお話があつたように改良工事で実施をするという方針をとつております。災害復旧の対象とはいたしておらないのであります。
  45. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでも農地のほうが災害復旧でやるのとスピードが合うわけですか改良事業のほうが……。そういうふうに共同動作をとつて実際的に災害復旧ができるというふうに御労力をして頂けるかどうかということなんです。
  46. 米田正文

    説明員米田正文君) 例えば福岡県の大根川というところがございますか、そういうところでは今のような方法をとつて大体ピツチを合しております。が個々の場合に皆完全にそうして行くかというお話になりますと、これはまあ具体的に予算の全体の枠の問題もございますので、全部が全部行くと今申上げわけにも参りませんが、趣旨としてはそういうふうに是非やらなければならんものについては、而も災害で取れないというものについては改良工事で実施をする方途を別にとつております。
  47. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それからもう一点、性質は全然違うのですが、例えば筑後川の上流のようなところで、あすこの地点はつきりわかりませんでしたが、相当大昔には何らか堰堤があつたものを、だんだん川の中心のほうに耕地をせり出して来て、それに見合つたように堤防を築いておつた。それが全部流されてしまつて、そうして堆石がごろごろしておつて災害復旧、或いは耕地を今後作るなどと言つても不可能に近い。或いは河川のほうから言うたならば、とても災害復旧というようなことで、ああいうふうに狭めた堤防を旧位置にそのまま作つて行くというようなことは、これはもう滑稽な話だと思われるような場所もあるわけですね。そういうようなところは、農地のほうとはどういう関係にして復旧をやつて行かれるわけですか。もう根本的に、応急措置やなんかということでなく、農地のほうとも話合い、現地とも話合つて河川なら河川というものを中心にして、堤防の位置や何かを変更するとかいう新らしい計画で初めからやるべきだと思われるようなところが諸所にあるようですが、そういうようなことはまあ両者の間で十分な検討を加えるというようなことで能率を上げて行くと申しますか、災害を本当に防除するというような考え方でやつて行く方法をおとりになるものですか。初めからこの計画は間違つてつたと思われるようなところが実際ありますよ。
  48. 米田正文

    説明員米田正文君) 筑後川の上流お話只今のは恐らく杷木町の上流附近じやないかと思いますが……。
  49. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この橋梁の架かつてつた所……。
  50. 米田正文

    説明員米田正文君) あの上流だと思いますが、放水路のある附近のことじやないかと思いますが……。
  51. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ええ、そうです。
  52. 米田正文

    説明員米田正文君) あれは御承知のように丁度筑後川改修計画上流区域の端になつておりまして、あの流された橋までが上流区域になつておりまして、あれから上は直轄工事区域になつておらなかつたところであります。そこであの橋から下は、区域内の分は完全な堤防計画法線というものがきまつて、その線に沿つてつてつたんですが、あの上流については実は河川堤防計画というものがなかつたというわけで、ございまして、それで私ども行つて見まして、これは早急に今度上流に区域を延長して堤防計画を新たに設定をして河川敷を決定したい、こういうために今現に調査をいたしております。近くこれはできて参ることでございますが、そうなればあそこに堤防の法線の計画が立ちますから、そうしましたら今の川尻を、どこが堤防線でどこからが農地というふうに確然として参りたいと思います。
  53. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういうふうな点は各河川について農地局のほうと共同して十分な災害復旧のための調査をやつておられるんですか。建設省としてだけ、河川という立場からだけまあ一応計画を立てようとしておられるんですか。
  54. 米田正文

    説明員米田正文君) これはそういう場合でも、それから一般の河川計画の場合でもそうですが、これは建設省として計画洪水流量をきめ、その川底の状態等を見て、川の保全上必要な計画というものはおのずから立つて参ります。そうしてそれができますと農林省関係のある諸施設等があれば、これは当該関係当局と折衝をして話をするのですが、一応河川計画そのものについては川自体からの計画を先ずきめるということにいたしております。
  55. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすれば九州のほうなどは大体建設省でも農林省でも査定は済んでいると思うんですが、どういう立場で査定したんですか。従来のものを復旧するという立場でもう査定しておるわけなんでしよう。
  56. 米田正文

    説明員米田正文君) その災害復旧との関連については従来の施設に対して災害復旧の査定を一応しております。でその建設省で査定する分と農林省で査定する分はもうおのずから限界がきまつておりますから、両省でそれぞれ査定を済ましておる。でこれは今後新らしい河川計画ができて、そのときに具体的に、じやここはもう復旧をしない、でこの金はこちらの改良工事と一緒にするというような問題を現地問題として打合わしてきめることになります。
  57. 石川榮一

    石川榮一君 農林省関係についても伺つてみたいんですが、農林省が現在まで集計されました本年度の災害総額、それは町村のものまでわかりますれば、今日配付できなければ止むを得ませんが、できましたらその資料を頂きたい。  それからもう一つは、本年度の災害は農地の災害も非常に厖大のように我々は考えております。それというのは、一つは二十六年度の災害状況によつて、私は決算の立場から山口県を一廻り廻つたんです。ところが二十六年の山口県のあの災害に対する農地の復旧はまだ殆んど完成しておるのはない。まあ大体我々の聞いているのでは三、四割程度しかできていないということを聞いている。もう一つは、村によりましては、一町村で農地災害中心にして災害復旧に要する経費が約八億円を計上しなければならん村がある。五億円、三億円程度はざらにあるというような状況のようです。そこでそういうふうな農村の財政状態を聞いてみますと、年間千五百万乃至二千万程度財政で漸く農村は維持している。その村が八億の災害を受けている。建設省方面の災害復旧費に対する補助率は相当高いのですが、農林省のほうはその率が非常に低い。従つて或る村は村負担が約一億である。二千万程度の年間財政で賄つている村が一億の災害復旧費の負担をしなければならん。それがたまたま二、三割であつたところで、不正工事として会計検査院から批難を受け、或いは工事費の補助の返上を要請されているというので、非常に怯えている町村が多い。従つてあとの五、六割というものは殆んどやる気がない、放つてしまおうと……、そういうことは結局食糧増産の建前からいいますると、殆んど背馳するような現象が各地に起つている。それは而も熟田である、美田である。こういうことを考えますと、食糧増産は農林省の重大使命であります点から考えました場合、一度にして何億というような災害を受けたような場合は、財政状態を勘案しまして、全額国庫負担をしなければならんのじやないかと私は考えております。本年の六、七月災害に対する特別立法はそういう面を取上げているようですが、これは二カ月半に過ぎないのです。二十六年の山口県の災害においては、現在の九州における災害或いは南近畿における災害に決して劣らない災害を受けている。而もそれは三年も前だ。こういうものがなまなまとしておつて、而も補助率が高いために工事ができないという現状にある。こういうことは一山口県の現状ではなくて、本年あたりこの十三号台風等によつては随分起つていると思う。ですから災害復旧金額を計上する場合におきましても、その工事がその町村が堪えられないものだつたら、これは補助費を与えても駄目だ。もう一つ監督の面から、どうも農林省にも建設省にも批難事項はあります。ありますが、農林省は特に多い。それは二十六年度災害だけを会計検査院が調べたのが、全箇所の五%を調べたということでありますが、それに対して約五百件の批難事項が出ている。国会に五百件も報告するということは、大きなものを取上げたわけですが、それから推定をして一万カ所が批難受けているということになる。これは何かというと補助率から来ている。今農林省の与えている補助率は、大体三分の二程度だと思いますが、その三分の一、或いはもつと少し上げてもらつても、入〇%程度を補助してもらいましても、もう二割ということになりますれば、五億あれば一億背負わなくちやならん、これはできない話だ。そこでその補助率の金で、補助した金で、農林省から出た金で町村は事業をやらなければならないから、業者に無理じいに安い金で押付ける。或いは町村の人たちがその補助金だけで打ち上げまして、村の財政を圧迫しない程度でやろうという無理な工事をなさるために、完全な工事ができないという現実状態にある。こういう点は農林省はどうお考えになつておりますか。二十六年度災害を……山口県にしてそうですから、この北九州並びに南近畿における工事はこの特別立法で救われましたから、これは別ですが、その後に起つております八月の災害、それから十三号台風災害、それから明年度もこういうものはあるでありましよう災害、それらのものがこれは農村を襲う。それが今の補助率で災害復旧ができるかできないか、現実の面におきましてできない事実が多い。こういう点を一つ思いをいたされまして、農地の災害復旧に関する補助率の引上げ、或いは或る程度金額を増すようにしまして、全額国庫負担するというような建前をとりませんと、美田をすべて荒廃に期しまして、食糧増産の意義を没却すると思うのです。徒らに開拓や何かにばかり狂奔しないで、美田を守り、それを培養して、而も安心して耕地が効率的に生産が上るような施策をして頂く必要があるのじやないかと思いますが、大体論でいいのですが、御所見を平川さんから伺いたい。
  58. 平川守

    説明員平川守君) 本年度の農業関係の農地及びこれに関連する農業用施設の災害による被害、これは総額従来の分が約三百億でございます。それに対しまして十三号で約三百億、これはまだ県の報告でございますけれども程度被害があつたということで、合計六百億近くなるわけでございます。それでそれに対しまして、従来の過年度災害が十分復旧できておらない、これは御指摘の通りでございまして、予算関係上、大体毎年従来の災害に対しましては約総額の二〇%程度復旧をやつておるというのが現状でございまして、従つて二十六年災でありますと、昨年までに四〇%前後が行われており、本年の予算を合せまして六〇%近くの復旧になるというような状態であるわけであります。これに対しましては先般来、建設省の御予定でありますが、大体まあ三年くらいで完成するようにしたいものだということで大蔵省といろいろ話合いになつておるわけであります。これが総額関係上圧迫を受けまして、過年度災害がそういう状態に、年平均二〇%前後というところが従来の実績になつておるわけであります。  それからこれに対する補助率の問題でございますが、従来たしか御指摘のように農地の関係が五割、農業用施設の関係が六割五分という補助率でございます。従つて村によりましては非常に大きな被害がありました場合に、非常な負担を村なり村民なりがこうむる、こういうことになつてつたのでございます。昨年来高率適用の途が開かれまして、村における被害額被害農家の戸数で割りまして、それが二戸当り八万円程度以上になるようなものにつきましては高率の適用をする、これはその超過部分に対しまして九割までの補助をするというような途が開かれまして……、併しこれは昨年以来でございまして、その前の災害についてはお話のような点もございましたわけであります。被害農家一戸について八万円参りますと、お話のような一カ村で何億というようなものは当然これに入るわけでございます。仮に極端に千戸くらいと見ましても、八千万円以上の被害は高率適用になるという制度になつておりますので、昨年以来の災害につきましてはよほどその点が緩和され、殊に本年の六、七月以降のものにつきましてはそれが更に一般的にこの高率適用が行われ得るような情勢になつております。お話の点は、今後の問題につきましてはよほど緩和されているかと思うわけであります。  ただこの監督の面についても、そういう従来の何がこれに対する一つの原動力になつておるというお話でございますが、これも確かにそういう面がよほどあるかと思います。村におきましては、卒直に申しまして、村の人に余り負担をさせずに、成るべく補助金で幾ばくも出ない程度で以て工事を完遂するのが腕のいい村長というようなことになつているようなところも相当にあるわけであります。これは私どもとしましては、或る程度そういう村として激しい災害に対しては只今のような高率適用を一面行いますと同時に、そういう会計法上の違法行為に対しましては厳重に監督をして参りたい、両々相待つてそういうことのないようにいたしたいと考えておるのでございます。何分にも農林省関係は非常に細かく且つ数の多い災害でございます。復旧工事の件数から申しましても何万件というような件数を抱え込むような状態になるのであります。この会計法上の違法なことのないように監督につきましてはいろいろと工夫をいたしておりますが、まだ万全を期しがたい状態であることは誠に遺憾でございます。御指摘のような補助率が低いためという原因による分につきましては、殊に激甚なる災害地につきましては、只今申しましたようなことで非常に補助率が上りますので、今後としてはその問題が非常に緩和されるかと思つております。
  59. 石川榮一

    石川榮一君 只今の御説明、大体二十七年度の補助率を引上げるということの措置をされたということでございますので結構なんです。その前の二十六年災、二十五年災に遡及して適用しますかしませんか、伺いたい。
  60. 平川守

    説明員平川守君) これは遡及ということはやはりむずかしいわけでございまして、遡及はいたしておりません。ただ二十五年災のごときはもう大体今年で八〇%程度補助金を出し終ります。二十六年災が只今申しましたように約六〇%程度になるわけでございます。もう残りは幾ばくもないかと思つております。
  61. 石川榮一

    石川榮一君 その二十六年災が、私聞きました山口県の、山口県を中心としての大災害、これには特別な措置を講ぜられて、二十七年度の災害ならば高率の補助もあるけれども、一年早かつたために七億、八億という災害のあつたところのものはこれは顧みられない。それは結局復旧しない。要するに復旧意欲がなくなるということになるのですが、これらの村の人たちは今度の特別立法を拡張解釈してもらいたいという意向が強いようでした。恐らくこれは困難だと思いますが、少くとも二十七年度に引上げましたその補助率を一年前、二十五年、大体済んだら二十五年はよろしいですから、二十六年度の災害の激甚なものに対しましては特別な措置をしても決して間違いじやないと思うのですけれども、止むを得なければ若干率を下げましても、何とかそれは行政措置で以てできるのじやないかと思うのですが、行政的な措置じやできませんかどうかを伺いたい。
  62. 平川守

    説明員平川守君) これは法律ではつきりきまつておりますので、行政措置だけではできかねるわけでございます。若しそれをいたしまするとすればやはり法律の改正が必要になつて参るわけでございます。
  63. 石川榮一

    石川榮一君 そうすると二十六年災は今どのくらい残つておりますか、金額
  64. 平川守

    説明員平川守君) 只今ちよつと数字を記憶いたしておりません。併し要するに総額の六〇%程度を、総額で今まで出ておるわけでございます。ちよつと調べましてお答えいたしだいと思います。
  65. 石川榮一

    石川榮一君 それじや希望して置きますが、至急にその山口県下における大災害の町村等の工事状況並びに財政的な負担能力等をお調べなさいまして、どうしてもそういう大きな災害の所が年々残つておるということであれば、農林省のほうでその法律の一部を改正して、二十七年度災と同じように扱うような御処置が願えますかどうかお伺いいたします
  66. 平川守

    説明員平川守君) これは実は御承知のように高率適用をいたすかということにつきましては、各村の何といいますか、非常に深い関心を持つところでございまして、なかなかこの線が非常に我々のところでも引きにくいのでございます。非常に範囲が広くなつて参りますと、やはり財政上の相当の負担を引き起すわけでございます。そこのところがななかか引きにくいのでございまして、只今はつきりと法律改正の提案をするということまで申上げかねるのでございますが、なおよく研究をさして頂きたい。
  67. 江田三郎

    ○江田三郎君 今度の災害の直接の問題ではないのですけれども、丁度農地局長河川局長とがおられるからお聞きしたいのですが、というのは例の地盤沈下の対策で、河川改修のほうとからんで河川改修のこの土砂を以て地盤沈下の地上げをして行くと、こういうことがあの木曾川の下流あたりでやられるようですが、そういう方式は今後もどしどしとつて行かれるのかどうか。
  68. 米田正文

    説明員米田正文君) 私どもはそういう方針を今後ますます一つ強化して行きたいと思つております。今木曾川の例が出ましたが、近くは利根川でも一部そういうことをやりたいと思つております。川の状態は大体において川底が非常に上つておりますので、今後浚渫をして行くということの又河川改修上必要になつて行く一面、地盤沈下もそうですが、従来の沼沢地等もありますので、それらを浚渫土砂を利用して埋め立てて行くというようなことを是非やりたい。でこれは今後農地局と我々のほうで十分な連絡をとつてそういう事業を進めたいと考えております。
  69. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 これは浚渫土砂でありませんが、東北冷害の問題について質問いたします。政務次官がおられまするからちよつと伺いたいのですが、東北の冷害で相当農家の現金収入がないのですが、これは農林省で営農的方面とか何かでもいろいろ対策を講じられているでしようが、賃金の形で現金収入を増すために、例えば昔やつた公共土木事業というようなことを建設省のほうでお考えになつているかいないか。我々としては当然やつているだろうというような考えですが、ちよつとその点お伺いいたします。
  70. 南好雄

    説明員(南好雄君) 先般来東北地方の冷害について種々の陳情を承わつております。その間においてそういう御希望も出ておりますので、政府部内におきまして今後行われる公共事業について特別の留意をして、成るべくそういう地方に均霑をしてやるように今種々調査中であります。
  71. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私、この間或る県の災害地に行つて見たのですが、これは小さい河川で、普通その河川の横に道路があつて、その道路のすぐそばに耕地があるようなところ、耕地の畦といいますか、畦が道路へ関連して来る部分ですが、それがこの前に破壊して、これはその農地災害で補助の仕事をしてもらつた。今度はやはりその場所が破壊されていますが、それは河川沿いなんで、今度は同じ場所ですが、それは河川災害として補助を受ける、こういうふうに言つている。まあ見方によつては何もこれは言うことはない。我々はみな河川災害と思いますが、そういうような災害に対して、或いは農林省災害復旧対策、或いは建設省災害復旧対策など、非常に不可思議千万なんです。その間の協定とはういうふうに農地局と河川局でなつておりますか。これは一つの例を挙げましたが、そういう箇所はたくさん例があると思います。これはどういうふうな協定をお立てになつているのか、或いはお立てになるのか、御意見を伺いたいと思います。
  72. 米田正文

    説明員米田正文君) 私ども実はそのケースを知らないのでございますけれども、一般的には我々のほうは公共土木施設の災害復旧をやることになつております。農林省は農地等の災害復旧をやることになつておりますので、その間公共土木施設として見るか、農地として見るか、その区分の判然としないものはやはりあるのではないかと思います。そういう場合に現地に行つた査定官が、これはその府県なら府県について府県の実情から公共土木施設として見るかでその都度判定をしておるのでございまして、今両省で別に取極めをいたしたものはございません。現地の査定官にその辺の判定を一任いたしております。
  73. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 無論私のお話をいたしている例は、これは町村河川ですが、従つてその町村河川沿いの道でありますから町村道と言つたほうが適確だろうと思います。併し町村河川の、或いは町村道でも、見方によつてはその公共の用に供する、これは査定官の任意の考えでどちらでもいいのだ。或いは農林省の農地局のほうで災害復旧をしてもいい、或いは建設関係災害復旧をしてもいい、そういうような見方もあります。ありましようが、何かそこに一定の線を画しておおきにならないと非常に、或いは河川局のほうで災害査定に、河川に漏れたから今度はそれを農林省のほうで、農地局の災害の対象に取上げてもらう。金は普通の金が要るのですから、町村工事にしても要るのですから、一方の省で捨てたものを一方の省では査定する。こんな不可思議なことはない。だから相当の何か計画をお立てになるべきだと思う。この点はどうですか。
  74. 米田正文

    説明員米田正文君) よくそういう例があるということか聞かされます。で、今のような例については、私は町村道であれは当然公共土木施設であります。それから農地を、どういうふうな状態になつておるか、そこはよくわかりませんけれども、私どもとしてはそれは公共土木施設としてもとれたのだろうと思いますが、ただ問題になるのは、規模の問題等で、査定官としてどうもとりがたいというようなことになつたのかも知れませんが、今度の場合は規模が相当大きくなつたということで、土木施設としてとつたのじやないかと思います。御指摘のような点については一つなお又よく研究いたします。
  75. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 もう一つ、やはり災害に関連して。実は小さい河川沿いの道路で、我々が見ても、これはすぐ復旧しないと耕作にも取入れにも困るというようなことで、地元の人が自力でそれを仮に復旧した。ところが町村長は、これは困つたことをしてくれた、町長、ではなぜこれが悪い、いや、こういうように復旧してしまうと災害の対象にならん、だからこれは困る。私はこれはとんでもないことだと思う。成るほど災害査定官によつてはもう個人の力でも災害復旧したのだから災害の対象にとらないかも知れませんけれども、若しもそのままに放置しておくならば、災害査定官が行くまでにまだ災害の場所が大きくなるし、もう一つはこれは農地の方面から行きますと、一日も早く仮にでも復旧して何とか用に供しなければ困るのです。でありますからそういう場合には私はむしろ、よし部落の人がそれを復旧していても、奨励して、災害復旧の対象におとりになるのが私は適当だと思う。併しすでに復旧しているから対象にしない。こういうふうな指導精神を持つ町村長では私は困ると思う。それは災害査定官がそういう考えを今までしたためにそういうふうな町村長は考えを持つた、これは非常に大きな問題です。些細な問題でありながら実は大きな問題でありますから、これは河川局長としては今度の災害対策に対して査定に行く人の気持も、私は自分の考えが間違つているか知れませんが、自分としては私の考えは正しいと思います。部落の人が自力で以て復旧しておる、これは併し災害の対象になるものならば、当然対象として査定官がおとりになるのが当然だと思います。こういうふうに指導なさるのが当然だと思いますが、どうでしようか。
  76. 米田正文

    説明員米田正文君) 御趣旨は誠に同感でございます。一面その災害復旧の制度ができて以来自分でやれるところはなかなかやらないというような風潮ができておりまして、ちよつと気を付ければ大きい災害を未然に防ぐことができるような場合でもなかなかやらないというような傾向を生んでおるような事態もありまして、只今のようにそれを地元の者が復旧をしてくれたということは、我々として是非そういう方針に副つて強力に進みたいと思つております。例えば今日のような大災害が連続し、災害の額が累増して来ておる実情においては、国費だけでこれを復旧して行くということは非常に困難なことでございますので、できるだけ地元の人々の自主的な復旧を期待したい。併しそれだからといつて今のお話のように自分でやつたものは全然国が面倒を見ないというようなことはいけないので、その点は一つ査定官にも今後注意をいたしたいと思つております。
  77. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今局長おつしやつておりますが、自分でやつたものは知らん顔、これをされたら大変なことです。むしろ奨励する意味で、それがないように奨励するように、自分がやつても、部落の人がやつても、災害の対象になるべきものならば災害の対象として国の補助でやるとか、県が何とか補助をする、そういう奨励といつたようなことをやつて頂きたいと思います。  それから河川局長お話の中にもありますが、やはり我々は、建設省のほうで災害査定の対象にならないことにしてしまつた、だからそれを今度は農林省のほうの災害査定の対象として調べ上げて行く、これは随分ほうぼうへ行き耳にもするわけです。これはあなたのほうの耳にも恐らく入つているデータはあろうと思います。具体的には指摘しませんが、同じ国のやる補助ですからそういう間違つたことのないように一つ統一してほしい、一般の人から見ると非常に変なものですから……。その点をお願いいたします。
  78. 近藤信一

    ○近藤信一君 河川局長に、二、三御質問しますが、これは先ほどの小笠原委員の質問と関連するかもわかりませんが、十三号台風河川局長もこの間愛知県の現地視察に行かれてよくわかつていると思いますが、これはやはりあの海岸線一帯がずたずたにされまして、そうしてこれは原状復旧と、こういうことでなければ到底いけないということは、先ほど河川局長も言われたわけでございますが、それと同時に今度の災害の大きかつたことは、あの知多、三河、更に伊勢のほうに対しては地盤沈下の問題、それと関連して今度特に災害が大きかつたのじやないか。将来これを原状復旧すると同時に、地盤沈下に対する対策、これらを併せてどのようにお考えになつておられるか、ちよつとお尋ねしたいと思います。
  79. 米田正文

    説明員米田正文君) 今度の災害は結局高潮でございますけれども、その原因をなしておるものは地盤沈下のために従来の堤防計画よりもずつと下つてつたというような点、或いはまあもともと堤防が低かつたということ、或いは堤防自体の構造が非常に脆弱であつたということ、まあいろいろございますが、特に今度の地区は地盤沈下をしておつたという理由が大きな一つの理由でございます。  で、現在恒久対策として治山治水対策をやつておりますけれども、これはひとり川だけの問題じやない、やはり海に対する防護という問題も治山治水対策に入れるべきだという建設省としての考え方で、実は十五日に治山治水協議会があるのでございますが、今お手許に差上げておりますものに更に海岸関係の高潮防護の関係を追加することにして、その線に沿つて今後この対策を実施したい、かように考えております。
  80. 近藤信一

    ○近藤信一君 それは先ほど河川局長から、先ず堤防決壊した所は、小さなところから工事をやる、かかりつつあるわけでございますが、私どもも昨日現場を若干見て来ましたのですが、やはり小さなところはそんなに被害がなくして、やはり大きなところで被害が大きい。現在でも一日に二回づつ満潮のときには潮に浸つて、そうしてまだ家に住めない、皆避難している。そういうような状態でこれが長く放置されることになると、そこの住民は非常に不安になつて、食う物もなく、保有米もなくなつてしまう。こういう状態で、これを早く何とか対策を立てなければ、この問題で住民に対しては大きな不安を生ずるし、又そこからいろいろな問題が出て来ると思うのです。この点河川局長は早くやりたいと言われるが、どんなところで早くやつて頂けるのか、一応の見通し……。
  81. 米田正文

    説明員米田正文君) 私どもの所管いたします分野としては、この復旧を早急にやらなければならん責任を持つております。ただ併し復旧については、第一に復旧計画の問題と、次に復旧資金の問題、こういうふうになると思うのであります。そこで復旧計画を先ず今検討いたしており、全体といたしましては復旧計画検討いたしておるという段階でございます。今私どもからも技術者現地に派遣いたしまして、潮の高さ、それに堪え得る構造を如何にすべきかという問題を検討中でございます。  で、これができますと、或いは平行してと申上げたほうがいいかも知れませんが、予算措置を同時に講じて行くというのでございまして、現在我々が考えておりますのは、大体災害工事を三カ年計画程度で完成をしたいという大まかなもくろみを持つておりまして、今復旧計画については差当りの仮締切りをやることでございますけれども、大きいところを実は先にやるべきでありますけれども、何しろこれには相当資材を要することで、それらを運搬するという、資材のあり場所、或いはそれを運搬する方法等にまだ時日を要しておるので、先だつても或る一カ所の資材を運搬するだけでも半年かかるという状態でございまして、全体としてはなかなか相当資材を要しますので、早急すぐというわけには参らん実情でございます。併しこれは工事を成るべく早くという意味で全体計画一つ立てたい。なおあれは果して県だけで実施ができるかどうか、県の力でできるかどうかという点も今検討いたしておるのでございまして、大阪の防潮堤、いわゆる高潮の対策については、これは大阪府、市というものが相当な陣容も持つておりますので、資金力も持つておりますので、大阪については大阪に任せて、大阪で現在施行中でありますけれども、今度の愛知三重関係は、両県で果してできるかどうかという点を今考慮いたしておる次第でございます。
  82. 近藤信一

    ○近藤信一君 いま一つ、これは河川局関係じやないかもわかりませんが、今度名古屋の南区で切れました堤防の問題ですが、これは私有地でもない、又国有地でもない、これは貯木場に沿つた道路というか堤防というか、こういう所で、これは常に潮の満潮になるとあそこは危い、危いが、これを直すと言つて、民間のほうに直せと言つても、これは民間の、民有地でございますので、これを補強するということが簡単になされない。そういうような所があるのだが、これに対しては、今度それが切れたわけですが、それで南区一帯その附近が水浸しになつたのですが、そういうような所に対して何か河川局として、建設省としてそれらに対する何かの措置があるのですか。
  83. 米田正文

    説明員米田正文君) 私現地を知らないので具体的にお話できませんけれども、恐らく公共施設としての海岸堤防の施設があるのに、途中の貯木場等の私有施設が中に挾まつておるという場合じやないかと思います。これは全体の今後改良計画を立ててやります場合には、全体ができましても、その貯木場の分だけが脆弱な所が残つておるということになると、折角の全体計画が徒労に帰するというようなことになるかも知れませんので、具体的な問題わかりませんが、それらについてはこれも同時に適切な手段を講ずることにいたしたいと思います。具体的にわかりませんので、よく的確にお答えできませんけれども……。
  84. 近藤信一

    ○近藤信一君 それは一つ一遍調査して頂いて、そして何らか講ずる措置があれば講じて頂きたい。将来又不安が生ずるといけませんから。
  85. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 本日緒方副総理お見えになるような見通しがつきましたか。
  86. 石川清一

    委員長石川清一君) さつきから連絡をしておるのでございますが、水害対策委員会のほうからもまだ副総理、何も連絡がない、委員長からこういうような話がありましたし、私のほうでも副総理が官邸に来ましたら直ぐ連絡を委員部のほうへしてもらうように依頼をしておきましたが、まだ何の返事もありません。
  87. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは本日はこの程度にすることにして、緒方副総理のおいでになつて治山治水関係基本的な質疑は明日に廻すということで日程を進めて頂くようにお願いします。
  88. 江田三郎

    ○江田三郎君 そのことで、明日やつてもらつてもいいのですけれども農林省のほうもそのときに、明日出て来られるのですか。若しそうでなければ、農地局長が見えているから治山治水に関して農地局長に若干伺う点があるのですが、明日見えるならそれでもいいのですけれども……。
  89. 石川清一

    委員長石川清一君) 私も少ししたいと思つていたのですが、農地局長にお尋ねしますが、明日出られますか。
  90. 平川守

    説明員平川守君) よろしうございます。
  91. 石川清一

    委員長石川清一君) それでは私からちよつと資料をお願いしたいのですが、今度の政府の治水の根本対策ですが、一応二百二万町歩が浸水の予定される面積になつておりまして、毎年五十万町歩ぐらい被害をしておるというこういう数字が出ておるのです。それで今までの水害その他で、昭和二十一年以降農地が水害その他天災のために流失、埋没した面積はどのくらいあるか、年次別に、そうしてその復旧状況はどのように進んでおるか、それと復旧した反当の単価といいますか、復旧質は反当どのくらいずつになつてかかつておるか。いま一つは、土地收用法の適用される、第三条の三十数項目ありますが、河川の敷地に変つたとか或いはダムの水没地になつたとか、そういう面積も一応お調べ願いたい。それと農地局で開拓計画を進めておる、毎年入植した反別でなくて、開墾されておる反別と、その開墾に、まあ土地が大体でき上るまでに要しておる反当費用、これを出して頂きたい。
  92. 平川守

    説明員平川守君) わかりました。
  93. 石川清一

    委員長石川清一君) これは資料のお願いですが、あとちよつと質問したいのですが、先ほどから質疑がありましたように、今年度の冷害は特に山村の而も河川の渓谷地帯が冷害の被害が高いと、こういうふうに言われておる。大体そういうような河川は全部町村河川でありまして、農地と堤防が大体同じような形になつておる。そこで最近起つておる救農土木事業は、仮に行うとしたら三十町歩以上の団地、こういうものを中心にして行うとしたら土地改良の救農土木事業を行うのか、それとも今のような町村の潅漑溝や或いは町村河川堤防等河川局と相談の上で今までの災害に鑑みて救農土木事業をやるとしたらやるのか、そういう話を進めておるか、その点についてお考えなり、今の政府方針があつたらお聞かせ願いたい。
  94. 平川守

    説明員平川守君) 資料の点は承知いたしました。  それから救農土木事業というようなことについて只今考えておりますのは、農林省関係といたしましては、主として小規模の区画整理でありますとか、その他各村に関係いたしますような小規模の事業であります。ただこれにつきましては従来大蔵省との話合いで二十町歩までを限度とする、それ以下の小さいものは国の補助対象にしないというようになつておるわけです。今回の救農土木事業を行います際にはそれでは少し程度が高過ぎるではないか、山間部であるだけにもう少し小規模のものでも補助対象にしたいと、こういう考えを持つております。但しこれについては何分大蔵省との話合いの問題でありまして、まだ決定いたしておりません。  それからお話のような河川堤防とか或いは道路とかいつたようなものについては、これは建設省のほうの問題になりますので、建設省のほうとも御連絡申上げまして、若しそういう救農土木事業としてふさわしいような工事でそういう種類のものがありますならば、建設省のほうでお考えを願えば結構でありますということで、今建設省のほうにお話はいたしております。  それから誠に申訳ございませんが、先ほどの石川委員長の御質問に対しまして私ちよつと間違つたお答えをいたしまして、実は高率適用の法律でございますが、これは昨年制定されましたのでありましたが、やはりお話の山口の問題が非常に問題でありましたために、二十六年災にも適用するということにいたしておりました。それで二十六年災の総額が約二百三十億でございまして、それに対して本年までに支出をいたします補助金の合計は百三十七億でございます。ただ山口県の場合に数カ村非常に激甚な御指摘のような所がございまして、これは只今の高率適用をいたしましてもなお且つその残りの一割何がしの負担が大変であるということのために、非常に今問題になつておるという村が数カ村ございますので、恐らく御指摘の村はその村であろうかと思うのであります。一般的には先ほど申しましたような事情で、大体二百三十億に対しまして百三十七億くらいの費用が出まして復旧が進んでおるわけでございます。ただその数カ村だけは一村で何億というような御指摘のような状態であります。高率適用をいたしますけれどもなお且つその残りの一割何がしの負担について非常に問題である。こういう状況になつております。
  95. 石川清一

    委員長石川清一君) 質疑のある方もございますが、明日副総理出席を求めまして、治山治水根本対策について御審議願うと同時に、具体的な問題も、農地局長も見えるそうでございますので、関係省に亙つて審議いたしたいと思います。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  96. 石川清一

    委員長石川清一君) 速記を始めて。  本日はこれで散会いたします。    午後三時五十三分散会