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石川榮一君
農林省関係についても伺
つてみたいんですが、
農林省が現在まで
集計されました本年度の
災害の
総額、それは町村のものまでわかりますれば、今日配付できなければ止むを得ませんが、できましたらその
資料を頂きたい。
それからもう
一つは、本年度の
災害は農地の
災害も非常に
厖大のように我々は
考えております。それというのは、
一つは二十六年度の
災害の
状況によ
つて、私は決算の立場から山口県を一廻り廻
つたんです。ところが二十六年の山口県のあの
災害に対する農地の
復旧はまだ殆んど完成しておるのはない。まあ大体我々の聞いているのでは三、四割
程度しかできていないということを聞いている。もう
一つは、村によりましては、一町村で農地
災害を
中心にして
災害復旧に要する経費が約八億円を計上しなければならん村がある。五億円、三億円
程度はざらにあるというような
状況のようです。そこでそういうふうな農村の
財政状態を聞いてみますと、年間千五百万乃至二千万
程度の
財政で漸く農村は維持している。その村が八億の
災害を受けている。
建設省方面の
災害復旧費に対する補助率は
相当高いのですが、
農林省のほうはその率が非常に低い。
従つて或る村は村負担が約一億である。二千万
程度の年間
財政で賄
つている村が一億の
災害復旧費の負担をしなければならん。それがたまたま二、三割であ
つたところで、不正
工事として会計検査院から批難を受け、或いは
工事費の補助の返上を要請されているというので、非常に怯えている町村が多い。
従つてあとの五、六割というものは殆んどやる気がない、放
つてしまおうと……、そういうことは結局食糧増産の
建前からいいますると、殆んど背馳するような現象が各地に起
つている。それは而も熟田である、美田である。こういうことを
考えますと、食糧増産は
農林省の重大使命であります点から
考えました場合、一度にして何億というような
災害を受けたような場合は、
財政状態を勘案しまして、全額国庫負担をしなければならんのじやないかと私は
考えております。本年の六、七月
災害に対する特別立法はそういう面を取上げているようですが、これは二カ月半に過ぎないのです。二十六年の山口県の
災害においては、現在の九州における
災害或いは南近畿における
災害に決して劣らない
災害を受けている。而もそれは三年も前だ。こういうものがなまなまとしてお
つて、而も補助率が高いために
工事ができないという
現状にある。こういうことは一山口県の
現状ではなくて、本年あたりこの十三
号台風等によ
つては随分起
つていると思う。ですから
災害復旧の
金額を計上する場合におきましても、その
工事がその町村が堪えられないものだ
つたら、これは補助費を与えても駄目だ。もう
一つ監督の面から、どうも
農林省にも
建設省にも批難事項はあります。ありますが、
農林省は特に多い。それは二十六年度
災害だけを会計検査院が調べたのが、全箇所の五%を調べたということでありますが、それに対して約五百件の批難事項が出ている。
国会に五百件も
報告するということは、大きなものを取上げたわけですが、それから推定をして一万カ所が批難受けているということになる。これは何かというと補助率から来ている。今
農林省の与えている補助率は、大体三分の二
程度だと思いますが、その三分の一、或いはもつと少し上げてもら
つても、入〇%
程度を補助してもらいましても、もう二割ということになりますれば、五億あれば一億背負わなくちやならん、これはできない話だ。そこでその補助率の金で、補助した金で、
農林省から出た金で町村は
事業をやらなければならないから、業者に無理じいに安い金で押付ける。或いは町村の人たちがその補助金だけで打ち上げまして、村の
財政を圧迫しない
程度でやろうという無理な
工事をなさるために、完全な
工事ができないという
現実の
状態にある。こういう点は
農林省はどうお
考えにな
つておりますか。二十六年度
災害を……山口県にしてそうですから、この北九州並びに南近畿における
工事はこの特別立法で救われましたから、これは別ですが、その後に起
つております八月の
災害、それから十三
号台風の
災害、それから明年度もこういうものはあるでありましよう
災害、それらのものがこれは農村を襲う。それが今の補助率で
災害復旧ができるかできないか、
現実の面におきましてできない事実が多い。こういう点を
一つ思いをいたされまして、農地の
災害復旧に関する補助率の引上げ、或いは或る
程度の
金額を増すようにしまして、全額国庫負担するというような
建前をとりませんと、美田をすべて荒廃に期しまして、食糧増産の意義を没却すると思うのです。徒らに開拓や何かにばかり狂奔しないで、美田を守り、それを培養して、而も安心して耕地が効率的に生産が上るような施策をして頂く必要があるのじやないかと思いますが、大体論でいいのですが、御所見を
平川さんから伺いたい。