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1953-06-23 第16回国会 参議院 決算委員会決算審査に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年六月二十三日(火曜日)    午前十時四十三分開会   ————————————— 昭和二十八年六月十八日決算委員長に おいて小委員を左の通り指名した。            植竹 春彦君            谷口弥三郎君            長谷山行毅君            松平 勇雄君            宮澤 喜一君            宮田 重文君            飯島連次郎君            奥 むめお君            大倉 精一君            永岡 光治君            東   隆君            山田 節男君            菊田 七平君            平林 太一君            鈴木 強平君 同日決算委員長は左の者を委員長に指 名した。    委員長     谷口弥三郎君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     谷口弥三郎君    委員            植竹 春彦君            松平 勇雄君            宮田 重文君            大倉 精一君            東   隆君            菊田 七平君            平林 太一君   —————————————   事務局側    常任委員会専門    員       森 莊三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十五年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十五年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十五年度政府関係機関収入支  出決算内閣提出)  (架空経理関係批難事項に関する  件)   —————————————
  2. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それでは只今から小委員会を開催いたします。  本日の小委員会は、二十五年度の決算審査に関する小委員会でございまするが、どういう方法で今後進んだらよろしゆうございましようか、先ずそれをお諮りしたいと思います。実は今年二月四日の委員会決議によりまして、架空経理に関する小委員会が設けられるようになりまして、小委員会で数回いろいろと協議をいたしたわけでありますが、その結果大体いろいろのまとまつた案もできたのでありますが、それの大要を読み上げて、それについて御討議を願うようにいたしたほうがよろしゆうございましようか。それとも全体をいま一度初めからやり直して審議したほうがよろしゆうございましようか。それらについて先ず第一番に皆さんの御意見を付いたいと思います。如何いたしましようか。或いは前の小委員会報告でも一応読み上げてみまして、大体取上げたところをお聞きを願つて、それについて御討議を頂くようにいたしましようか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  3. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それではさようにいたしたいと思います。一応専門員のほうでお読みを願います。
  4. 森莊三郎

    専門員森莊三郎君) 本日下書をして参りましたものが二通ございますので、先ず最初は表紙のついておりません、はうをお取上げを願いたいと存じます。  決算審査に関する小委員長報告(案)  本小委員会は、本年二月四日の委員会決議により、昭和二十五年度決算検査報告中にある架空経理事案審議を付託され、二月二十六日以来 回にわたつて関係各省及び会計検査院等から関係者出席を求め、慎重審議を重ねた。その審議経過及び結果につき報告する。  一、事案内容   小委員会架空経理事案として採択したものは、法務府一件、大蔵省十件、文部省二件、厚生省五件、農林省一件、郵政省一件、電気通信省十三件、労働省二件、建設省三十六件、経済安定本部三件、日本国有鉄道一件、合計七十五件である。これら七十五件を便宜上左の四項に分類する。   (一)国税庁関係検査番号一〇五乃至二二)   これは四国税局及び四十一税務署で、昭和二十四年二月から二十六年九月までの間に、自動車使用料委託費、会場借上料旅費、その他の架空名義により一千七百余万円を支出し、これを食糧費接待費物品購入代修理費自動車使用料債務返済、その他に使用し、なお残金大十余万円を保有していたのであるが、その内、食糧費及び接待費に充てたのが一千余万円に達するものである。    この種の架空経理終戦後における税務行政混乱に興し、往々にして行われていたもののようであり、現に昭和二十四年度決算検査報告中に三件(検査番号二九五、二九六、二九七、)が指摘されているのであるが、昭和二十五年度の会計検査院実地検査において特に注意を加えられたので、今回かくも多数の案件指摘されるに至つたものである。国税庁関係会計検査院実地検査すべき箇所は六百十九箇所であるが、二十五年度においてはその約四〇%にあたる二百十一箇所(金額による比率は七〇%乃至八〇%)の奥地検査を行い、一千七百余万円の架空経理指摘するに至つたものである。    会計検査院からの批難について、国税庁長官大蔵大臣宛で左の趣旨始末書昭和三十七年三月二十六日付)を提出している。   「今般国税庁管下の四国税局、四十一税務署における架空支出等については、その大部分占むる食糧費への流用に充てたものであるが、その当時における税務実情より察するに、税務行政執行上止むを得ざるに出でたる支出なることにも拘わらず、本庁として正規予算措置を講ぜざりしことに起因するものであると認められる。税務行政実情より、当時斯くの如き事態を生起すべきを想像しながら、小官として之に対して充分なる対策を講じ得ざりしことは、全く小官の不徳且つ無能の致すところ……。その責任は全く小官にあるのであつて管下職員責任を追求することは、その当を得ざるものと考え……」。    この架空経理の内、この二年半の間に食糧費及び接待費支出された金額は一千六十八万余円であるが、昭和二十五年度における国税庁全体の正規予算額は、交際費及び会議費合せて六千六百五十万円であり、これを本庁、十一国税局、五百三税務署に配分するから、一税務署当り十万円以下と計算される。而して、これらの経費は、多くは税務吏員打合会密造酒取締関係の会合、検察庁警察署、市町村、農工商業団体、その他との打合会等に使用されたものであり、而も実施部局たる税務署において多く事件を起していることから見て、予算配賦実情に添わなかつたものと察せられる節のあることは、会計検査院におい   ても認めているところである。    国税庁においては会計検査院指摘に鑑み、予算の適正なる配付、部内監査励行経費緊縮等に努めることとした結果、昭和二十六年度の会計検査院検査においては、架空経理は三百九十万円に減少した。   (二)電気通信省関係検査掛号七三四乃至七四五)    電気通信省施設局建設部が、昭和二十五年度中に施行した電信電話工事は九十九件、その工事費約五億円(多に貯蔵品使用額約十四億円)である。会計検査院がその実地検査を始めたとき、某々二地方において架空経理の行われている心証を得たが、たまたま同省の内部監査により同様の事実が他の地方にも行われている旨の報告を受けたので、これが全国的傾向であるという推定の下に、両者協力して熱心に調査の結果、合計四十二箇所において、その金額四千一百余万円に上る架空経理の事実を発見するに至つたものである。その内容は、直営工事を施行したとしておきながら、案はこれを業者に請負わせて施行したものがあり、なお、その外に架空の賃金、旅費需品費付掛等により捻出した現金を以て、建設部本部人夫賃等財源に提供したり、部内外折衝費現場職員慰労費、諸手当等に使用したもの等である。    本件は、建設部長資金渡官更に資金を交付し、工事長をしてその資金を以て工事を施行させたものであるが、このような事態を発生した事由を考察すると、連合国軍司令部の命令により、同建設部昭和二十二年に日本電信電話工事株式会社の業務を統合し、会社職員の大部分をそのまま建設部職員としているものであり、会社当時において工事出来形が設計の図面及び仕様書に相違することがなければ、工事費予定額範囲内で任意に経費を使用できた便法を踏襲して、官庁の予算統制及び経理規程を軽んじたことに基因し、建設部本部で定員以上に職員を使用し、その財源を各工事現場工事費中に求めたり、また各工事現場において地方官公署との折衝、その他部内職員の激励、慰労等にみだり経費を使用する弊風を馴致したことによるものと認められる、というのである。    電気通信省においては、これらの不祥事件の発生に鑑み、直にその弊風刷新に努力し、それぞれ一定の規準を設けてその遵守を励行することとし、特に内部監査を厳密にしている。その結果、昭和二十大印度においては、前年度に未確認として保留されていた二件を除き、新たに架空経理事件を生じたものは一件もない、という。   (三)建設省関係検査番号八三三乃至八六三)    建設省直営工事関係架空経理の行われていることについては、すでに昭和二十四年度の決算検査報告に数件(検査番号六一五乃至六一七)が指摘されているが、会計検査院においては之が全国的傾向のものであるとの推定の下に、二十五年度には建設省管下百四十二工事事務所中四十七事務所実地検査したところ、内三十一箇所で合計全額約四億五千万円に上る架空経理の事実を発見したのである。その方法架空労力費材料費修理費その他の名義支出に立てて現金手許に保有し、これを工事請負代労力費材料費、諸手当修理費、その他の使途に自由に使用したもので、検査当時の手許残金は、約三千六百万円であつた。これらの事案についても、前に電気通信省関係で記したと同じく、その現金はおおむね国の工事労力費資材購入費等に還元されているが、左の如きものは予算外使途又は予算以上に使用されたものである。    給料諸手当  一千四百六十余万円    職員厚生費  八百五十余万円    食糧費     三百十余万円    本局送金   二百三十余万円    河川読本代   百二十余万円   これらの不当経理が行われるに至つた根本原因は、関係職員遵法精神の欠けていること、一般官紀弛緩していることにあるが、併しながら工事現場技術家工事第一主義に走るために、知らず識らずの裡に会計法規を軽視する傾向を生ずることは、実際問題として考慮に加えなければならぬ実情にあると思われる。なお、当時は継続費制度のなかつたこと、直営工事につき予算の繰越しが困難であつたこと、公共事業の認証が予算配賦を遅らせること、等の隘路が自から正規経理を紊す誘因であつたことも争われない。幸にも今や法制の改革によつて、これらの隘路は除去せられ、また当局においても内部監査励行管下職員会議又は講習等を通じて、架空経理の全滅を期するよう努力した。その結果、昭和二十六年度においては会計検査院実地検査六十一箇所の内、十八箇所において架空経理事案指摘されたが、その大部分は過去の名残であつて、新たに生じた事件は極めて少く、大体においてこの弊風は一掃されたという。   (四)その他の事件    以上三項に抽出したもの以外の諸案件は、各省等にわたり、その内容も種々であるが、その大部分は種々なる架空名義支出によつて現金を保有し、之を自由に使用しているもので、特に著しい使途食糧費即ち、会議費及び接待費の類である。中には収入金をそのまま流用して、自由な用途にあてているものもある。これらの原因は主として関係職員遵法精神の欠如であり、官紀弛緩にあると認められる。  二、審議の結果    以上の諸案件を通観するに、終戦後における一般社会情勢混乱につれて、公務員綱紀弛緩遵法精神の薄弱、会計法規軽視等の諸原因が重なつて、自から経理紊乱を生ずるに至つたものと思われる。従つて各省等においては、講習会の開設その他の手段によつて経理事務担当者会計法規の徹底並びに一般教養の向上に努め、他方には各省等における内部監察制度の整備によつて非違事件を未発に防止すべきであり、一たび違反者を生じたる後においては、一罰百戒、信賞必罰の精神によつて行政処分を厳重且つ適切ならしむべきである。   併しながら一面、現在公務員待遇は幾分か改善の道に向つたとは言いながら、なお未だ往時の水準に達せざること遠き憾があるから、速かにその待遇改善し、安んじてその職務に専心せしめ得るよう、最善の考慮を払うべきである。衣食足りて礼節を知り、倉廩満ちて栄辱を知る。吏道の刷新精神的であると共に、物質的であることをも必要とする。架空経理事案の多くが、食糧費接待費等を中心とすることは、今日の世相を如実に反映するものである。    なお、予算配賦を始め、予算制度の運用に最大の注意を払い、機宜の処置を敏活に行い、以て国費効率的使用を確実にする必要がある。  以上を以て報告を終る。
  5. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) お手許に差上げてあります第一の報告内容は今のように読んだのですが、なお、ついでに次のほうを読みましようか。これについて先に御検討頂きましようか。
  6. 東隆

    東隆君 読んで頂いた、はうがいいのではないですか。
  7. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) ではそのようにいたします。    〔森専門員朗読〕   第六管区海上保安本部不当経理事件に関する審査経過及び結果を報告する。  一、審査経過    本件は、本年二月二十四日の委員会に瞬いて審査を付託されたものであつて、以後本日までに四回小委員会を開き、その間会計検査院長検事総長代理呉市警察署長代理)、海上保安庁長官、元第六管区海上保安本部長吉田日出男等より本件に関する諸般の事項を聴取した上、本件に対する処置について協議行なつた。    なお、審査の詳細については会議録を参照せられたい。  二、事件内容    本件は単一の事件ではなく、広島市所存第六管区海上保安本部において、昭和二十三年から二十七年に亘り多数の者による各種の不当行為が相次いで行われて来たものであるが、事件の数は、呉市警察署において捜査完了のもの、未着手のもの合せて十六件、最高検察庁においては報告を受けているもの八件、海上保安庁においては調査したもの十件となつており、これらを綜合して内容の大体明らかになつているもの十件について、その概要を示せば次の通りである。   1 職員宿舎不当購入事件(不起訴)     昭和二十三、四年頃職員宿舎六棟価格二百六十三万円のものを、傭船料旅費灯台修理費船舶補修費等の名目による架空支出金その他をもつて購入し、これを職員個人名儀に登記しているという事件。   2 制服代金費消事件(不起訴)     昭和二十三年五月から二十五年六月の間にわいて、海上保安官制服を斡旋購入するについて職員から集めた代金四十八万九千円を一時接待費等に費消したという事件上であつて、その穴埋めとしてのちにしるします(5)及び(6)のスクラップ横領代金の一部を充当しているもの。   3 灯台備船空修理代金不当使用事件(不起訴)     昭和二十六年一月、白石灯台に配置の見廻船の修理川原造船所に行わしめたように文書を偽造して代金十万円を支出し、これを接待費等に使用したという事件。   4 浮標設置空工事代金不当使用事件(不起訴)     昭和二十六年一月、伊予灘北航路浮標四十六基の設置工事に当り、うち二十六基を深田サルページ株式会社に行わしめ、残り二十基を直営行つたのに、これを全部同社に行わしめたように文書を偽造して二十基分の代金二百三十二万円を不当に支出し、直営工事資材代金その他に使用したという事件。   5 徳山警備救難所スクラップ横領事件起訴)     昭和二十六年六月、徳山備救難所にあつたリスト外スクラップ六〇トンを正規手続によらないで、広瀬産業株式会社に四十万円で払下げ、その代金クラブ敷地購入代金制服代金費消事件穴埋め接待費その他に使用したという事件。   6 鯛尾倉庫スクラップ横領事件起訴)     昭和二十六年十一月及び二十七年四月、鯛尾分室の倉庫にあつたリスト外スクラップ一二トンを正規手続によらないで、広瀬産業株式会社払下げ代金三十二万五千円を制服代金費消事件穴埋め接待費その他に使用したという事件。   7 海上保安訓練所構内スクラップ窃盗事件起訴)     昭和二十六年九月から二十七年二月の間において、海上保安訓練所構内にあつた中国財務局所管ケーブル線スクラップ等三一トン時価百七十五万円のものを、同所清掃作業請負つていた久間貢等が持出したのを、同所職員が黙認し賛助したという事件。   8 油絵購入代金詐取事件(不起訴)     昭和二十七年三月、以前から同本部にあつた油絵五枚を佐藤商会佐藤利夫から、新規に購入したこととして、代金六万円を不当に支出し、うち六千円を佐藤に与え、五万四千円を元本部長吉田日出男に交付したという事件。   9 物品架空購入代金不当使用事件(不起訴)     昭和二十七年三月、リスト外のペイント及びコールタールを新規に購入したこととして代金八万四千六百円不当に支出し、これを自動車購入諸雑費、食料油罐詰医薬品等在庫不足高補充費等に使用したという事件。   10 石炭水増納入代金詐取事件起訴)    昭和二十七年五月、芸南石炭会社から石炭を購入するに当り、実際の納入額は一八七トンであるのに、二〇〇トンの納入があつたように文書を偽造し、差引一三トン分の代金十万三千七百四十円を補給課長木戸武二三が詐取したという事件。  三、審査の結果    本件審査した結果、小委員会としては会計検査院並びに運輸大臣に対し、決算委員会の名において次のような要望を発する必要があるものと認める。   1 会計検査院長に対する要望    本件昭和二十三年以来逐次発生したものであり、現地においては同本部乱脈状態について相当風評もあつた模様である。事件の一部には単なる贈収賄に属するものもあるが、スクラップの盗難、横領等国有物件の管理よろしきを得ないもの、又は架空物品購入架空工事代金支出簿経理紊乱しているもの、乃至はこれらの不当経理による資金をもつて職員宿舎を購入し、これを個人名義としているもの等、会計検査院が当然指摘の対象とすべき事件が含まれている。     然るにこれを決算検査報告について見るに、二十五年度及び二十六年度においては、全くこれを取り上げていない。これに対しては、会計検査院の現在の陣容においては必ずしも全般の実地検査に十分でなく、機宜重点的にこれを行なつている関係上、網の目を洩れたものであり、遺憾であるとの趣旨の説明があつたので、既往のものについてはその事情を諒とするが、此の機会において、二十七年度に発生した事件については勿論、二十六年度以前の事件についても可能なものについては、十分なる検査を実行されたい。関係帳簿類は目下呉市警察署に押収されている由であるが、必要によりこれを借覧する等、成るべく速かに検査の実を挙げ、その結果を報告せられることを要望する。   2 運輸大臣に対する要望     海上保安庁並びに各地海上保安本部について、かねてより、必ずしもその綱紀が厳正を保たれていないかの風評がある。たまたま今回広島市所在第六管区海上保安本部における過去数年間に亘る一連の汚職事件呉市警察署の取調を機として明かにされたが、これらの事件うちには、固有物件横領架空名義による国費支出、その他直接間接に国損を招来し、一面会計経理を甚しく紊乱しているものがある。     決算委員会においては、海上保安庁長官に対し、本件につき    口頭をもつて警告を与え、速かに善後処置を講ずべきことを要求したのであるが、この際所管大臣たる運輸大臣において左記のような処置をとられることを要望する。      記  一、海上保安庁職員、殊に幹部職員において今後一層自粛自戒以つて既往風評を払拭するに努めしめること。  二、調査の結果明らかになつ事件関係職員に対しては、起訴された者については公判の結果を待つとするも、それ以外の者については速かに厳正なる懲戒処分等を実行すること。  三、懲戒処分等に当つては、その範囲事務取扱に当つた職員にとどむることなく、決定又は監督の任に当つた職員について特に厳格にその責任を問うこととし、以つて網紀粛正の実を挙ぐるよう措置すること。  四、経理紊乱機構制度等の欠陥に基くと認められるものについては、速かにこれが改善措置を講ずること。  五、不当の経理によつて捻出した資金を以つて購入し、職員個人名義を以つて登記している宿舎については、速かに事実に適合した処置をなすこと。  以上。
  8. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 只今読み上げましたこの二つの件は、前の小委員会において審議いたしました大体の要項でございますが、この件につきまして、何か御質疑がありますならどうぞ。
  9. 平林太一

    平林太一君 これは今専門員から朗読された決算審査に関する小委員会報告(案)、この内容については数点、この決算委員会のいわゆる決算審査使命上、甚だ趣旨に相違背するようなものがあるので、これを二、三指摘しまして、私の意見を申上げておきます。  第一は、始末書であります。国税庁長官大蔵大臣宛て始末書昭和二十七年三月二十六日附を以て提出した書類であります。これを一読いたしますと、「今般国税庁管下の四国税局、四十一税務署における架空支出等については、その大部分占むる食糧費への流用に充てたものであるが、その当時における税務実情より察するに、税務行政執行上止むを得ざるに出でたろ支出なることにも拘わらず、本庁として正規予算措置を講ぜざりしことに起因するものであると認められる。税務行政実情より、当時斯くの如き事態を生起すべきを想像しながら、小官として之に対して充分なる対策を講じ得ざりしことは、全く小官の不徳且つ無能の致すところ……。その責任は全く小官にあるのであつて管下職員責任を追及することは、その当を得ざるものと考え……。」これは国税庁長官始末書として何らこれは反省をいたしていない。この内容を見ますと、却つてこういうことを肯定しておる、国税庁長官が。そして、小官がその責任を負うのだと、国税庁長官がその任を負つてどうするのだ。一体それほど国税庁長官の存在というものを過大評価しておるところに、こういう事件を発生することを考えなくちやならん。でありますから、こういうことは、管下でしたことは当然のことなんだ、事情止むを得ないことなんだ、併し手続上その他の、そういう手続上のような問題で、一つ手違いとしてこれは起つたのだ、その手違い所管である国税庁長官責任である、こういうふうに解釈上されるわけであつて、事実そういう性格を帯びておる。今日の国の公務員最高の指導すべき地位にある者がこういう考えを持つておるから、いわゆるこういうような事件が絶えないわけだ。何らこれは反省をいたしておりません。でありますから、この点に対しましては、決算委員会といたしましては、国税庁長官を改めて招致いたしまして、これを出したときの国税庁長官はこれはよろしいが、従つてこれは現在の国税庁長官、又今後もありますから、これを呼びまして、この真意を厳重に質して、そうしてこういうようなことにするところの根本的な措置考えて、ここで反省させなくては、これは決算委員会使命が何らその意義をなさないということを第一に申上げておきます。それでありますから、委員長、これに対しまして正式に取扱いますまでに、一度これを出した、いわゆる何と言いますか、当時の始末書を出した、昭和二十七年三月二十六日現在の国税庁長官がどこに行つていますか、それを呼びまして、現在の国税庁長官、これも呼びまして、十分一つこれはこういうものを出した本人の気持を質す必要があります。  それから最終の報告書の末尾に、「以上の諸案件を通観するに、終戦後における一般社会情勢混乱につれて、公務員綱紀弛緩遵法精神の薄弱、会計法規軽視等の諸原因が重なつて、みずから経理紊乱を生ずるに至つたものと思われる。従つて各省等においては、講習会の開設その他の手段によつて経理事務担当者会計法規の徹底並びに一般教養の向上に努め、他方には各省等における内部監察制度の整備によつて非違事件を未発に防止すべきであり、一たび違反者を生じたる後においては、一罰百戒、信賞必罰の精神によつて行政処分を厳重且つ適切ならしむべきである。非常に私これはいいと思います。併しこれはこれでよいのであつて、その次において、「併しながら一面、現在公務員待遇は幾分か改善の道に向つたとは言いながら、なお未だ往時の水準に達せざること遠き憾があるから、速かにその待遇改善し、安んじてその職務に専心せしめ得るよう、最善の考慮を払うべきである。衣食足りて礼節を知り、倉廩満ちて栄辱を知る。吏道の刷新精神的であると共に、物質的であることをも必要とする。架空経理事案の多くが、食糧費接待費等を中心とすることは、今日の世相を如実に反映するものである。」とにかく決算委員会としては、こういうことに対しては別に他の方法によつてこれはこういう表現なり或いはこういう処置が講ぜられるべきじやないか、折角決算委員決算審査の目的をここに具体的ならしめ、最後にこういうことを言つたのであれば、決算委員会自体が又これを何といいますか、いろいろ緩和するような、非常に決算審査の根本義というものをみずから自繩自縛の結果に陥れるようなことを非常にに慣れるのであります、私といたしましては。なぜかと申しますれば、こういうことは、又別にそういうそれぞれ公務員待遇向上その他のことは別に、これはいたしますかり、決算委員会としてはどこまでも決算審査使命を、甚だあれではあるが、個人的には忍び難いものがあるが、冷厳、厳重にこれをいたすことによつてこれを進めることが極めて私は妥当と思います。いわゆる国家公務員の問題については、食料費、接待費等を中心とするからこれはいけない。実は今日国の公務員そのものが、地方実情等をみても、地方の料亭、或いは食糧接待をいたすような機関を最も利用しているのは公務員である。地方の住民というものは、一年かかつても足を運ぶことのできないような場所へいわゆる公務員であることによつてこれがしばしばそういう所に足繁く行く。地方によりますると、殆んど地方の県庁でありますとか、或いは国の関係で言いますと税務署でありますとか、とにかくそういう機関というようなものの職員が最大の得意先になつているという実情である。従つてこれは私から言いますれば、昔の諺ではありませんが、「汝の俸、汝の祿、民の膏にして民の脂なり、下民は虐げられ易く上天は欺きがたし」という、民を虐げているのは今日依然として国家最高の地位にあるところの国家公務員というものがいわゆる大衆を虐げている。そうして自分の俸給、自分の祿というものはみなこれは民の膏血の結晶であるということ全然考えない。そういう点は、決算の私は審査の上において十分にそういうことを中心に置いてこれは処理いたすべきであると思う。それであるから、この点はむしろ私自身といたしましては、今申上げました通り、最後の項は必要はないということを申上げます。  それから一番終いに、「なお、予算配賦を始め、予算制度の運用に最大の注意を払い、機宜の処置を敏活に行い、ということでありますが、機宜の処置を敏活に行うということは、考え方によつてはやはり不正不当な架空経費を何かその機宜よろしきを得て合法的にやるというような錯覚を起し得るようなことがあり得ないとも限らない。この点ももう少し字句のあれをいたされるようにいたして、これに対するこのまとめをなされたいと私は第一に考えておりますが、ただ国税庁長官がかような審査の爼上に上るということは容易ならないことである。いわゆる行政庁の性格として、国税庁のそれが而も先刻言つたように国税庁長官が我々に始末書内容を示したということは言語道断である。これは厳重に、これは本人を招致してこの場所においてこれに対するところの根本的の問題として、懲戒或いは厳重なるいわゆるこれに対するところの処置を、この場所でこれはよろしいのでありますので、司法上のことは別でありますが、こういうことに対してはよろしいのでありますので、今の報告に対してそれだけのことを申上げておきます。  それから取りあえずの処置としては、国税庁長官を次回に招致して、これに対する本人の真意を十分に聴取して、それに対して又こちらから適当の処置を出すということをいたしたいと思います。ですからその二点を要求いたしておきます。
  10. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それだけですね……。只今平林委員からの申出に申されましたように、国税庁長官を呼びまして、そうしてこの点について次回において質問をするという御提議でありますが、如何ですか。
  11. 平林太一

    平林太一君 甚だ何でございますが、国税庁長官を招請して責任を追及することは、「管下職員責任を追及することは、その当を得ざるものと考え……」そうして小官責任を負う、これは何たる不遜の言動であるか、非常に私は考えざるを得ない。こういうことは、こういう考えであるから、何か自分が一人言葉の上で責任を負えば一切のことは何だという、そういうような自分というものを非常に何か……、ただ国税庁という役所の中に入つて、その管轄に隷属したりまりこの補助機関、それらの関係人だけを集めて如何に彼らがその中において官僚独善の専横を極めておるかということを如実に暴露したものである。これは速記録にとどめるために、一つ書いておいてもらいたい。
  12. 大倉精一

    大倉精一君 今の平林さんの国税庁長官を要求するということはわかりますが、その他の関係始末書ということを書いてあるが、これは国税庁長官がみずから始末書を害いたものですか。或いは決算委員長としてこういうものを要求したのですか。
  13. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) ちよつと速記をとめて下さい。    午前十一時三十九分速記中止    —————・—————    午後零時十二分速記開始
  14. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それでは速記を始めて下さい。いろいろ御意見拝聴いたしましたが、この二つの書き上げてございます報告に対して、どういうようなふうに最後の運営をいたしたらよろしうございましようか。それについてどうぞ御意見をお述べ願いたいと思います。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  15. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 速記を始めて下さい。  それではこの報告書につきまして、第二ページから第三ページにかけて害いてありますところの国税庁長官大蔵大臣宛の書簡、この部分を削除いたします。  又最後の「審議の結果」といいますところに文章を少し前後いたしまして、「以上の諸案件を通観するに」というところへ、終いのほうの三行、「一面現在の公務員待遇は幾分……」という三行ほどを入れて修正をいたします。  なおそのほかに、(四)のところの「その他の事件」の最後の一行のところについては、字句の修正をするという程度にしてよろしうございましようか、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それではさように修正をいたしまして、そうしてその修正をしましたのを、小委員長名で決算委員長報告害を差上げるようにして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それからなお先刻す申しましたが、海上保安庁に関する部分報告書、これも同様でよろしうございましようか……もう一度ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  18. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それでは速記を始めて下さい。  第六管区海上保安本部不当経理事件報告はこのままでよろしうございましようか。この報告に対して何か又別に御意見ございますならどうぞ。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それでは御異議ないものと認めまして、これを委員会のほうに小委員長報告といたして出すことにいたしますから、さよう御承知おき願います。  それでは本日はこれで散会することにいたします。    午後零時二十二分散会