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1953-08-10 第16回国会 参議院 議院運営委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年八月十日(月曜日)    午前十時八分開会   —————————————   委員の異動 本日委員田畑金光辞任につき、その 補欠として戸叶武君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     草葉 隆圓君    理事      寺尾  豊君            杉山 昌作君           小笠原二三男君            相馬 助治君            松浦 定義君    委員            石村 幸作君            加藤 武徳君            劔木 亨弘君            松岡 平市君            横川 信夫君            赤木 正雄君            加賀山之雄君            上林 忠次君            江田 三郎君            菊川 孝夫君            大和 与一君            戸叶  武君            松浦 清一君   —————————————    議長      河井 彌八君    副議長     重宗 雄三君   —————————————   衆議院議員    議院運営委員長 菅家 喜六君            荒木萬壽夫君   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    参     事    (事務次長)  河野 義克君    参     事    (記録部長)  小野寺五一君    参     事    (警務部長)  丹羽 寒月君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (庶務部長)  佐藤 忠雄君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○委員辞任及び補欠選任の件 ○協同組合による金融事業に関する法  律等の一部を改正する法律案継続  審査要求の件 ○議員外国派遣に関する件 ○当面の外交政策に関する緊急質問の  件 ○国会法の一部を改正する法律案(衆  議院提出)   —————————————
  2. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 開会いたします。  常任委員辞任及び補欠に関する仕1をお諮りいたします。
  3. 河野義克

    参事河野義克君) 日本社会党第四控室から文部委員成瀬幡治君、内閣委員高田なほ子君、厚生委員の一竹中勝男君、労働委員の阿具根登君がそれぞれ辞任せられて、文部委員高田なほ子君、内閣委員成瀬幡治君、厚生委員に阿具根登君、労働委員竹中勝男君を後任として指名せられたいというお申出がありました。自由党から、人事委員加藤武徳君、法務委員青木一男君、厚生委員大谷瑩潤君、同じく槻原亨君、労働委員田中啓一君、文部委員剱木亨弘君がそれぞれ辞任せられて、人事委員青木一男君、法務委員加藤武徳君、厚生委員田中啓一君、同じく剱木亨弘労働委員大谷瑩潤君文部委員槻原亨君を後任として指名せられたいというお申出がありました。緑風会から、人事委員高瀬荘太郎君、内閣委員山川良一君が辞任せられて、人事委員山川良一君、内閣委員高瀬荘太郎君を後任として指名せられたいというお申出がありました。
  4. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今事務次長から申上げました通り決することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 異議ないものと認めます。さよう決定いたします。   —————————————
  6. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 継続審査要求に関する件をお諮りいたします。
  7. 宮坂完孝

    参事宮坂完孝君) 大蔵委員長大矢半次郎君から、協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、継続審査要求書が提出されております。  理由は、本法律案は、会期迫つた七月三十日本委員会に付託され、且つ金融制度検討すべき余地が多く、慎重審議を要するものであり、今会期中に審査を終了することは困難であるので、閉会中も継続して審査したい。こういう理由でございます。
  8. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今大蔵委員長申出継続審査要求書を承認することに御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 異議ないものと認めます。承認することに決定いたしました。   —————————————
  10. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 次に議員外国派遣に関する件をお諮サいたします。  議員外国派遣につきましては、かねぐ理事会におきまして御懇談を頂いておつたのでありますが、この際、欧米各国における議会運営実情視察並びに貿易事情調査のため五名、東南アジア各国政治経済並びに文化事情調査視察のため六名ずつ二班計十二名を派遣することといたしたいと存じまするが、御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 異議ないものと認めます。派遣下ることに決定いたしました。  つきましては、派遣議員人選等につきましては議長に御一任いたしたいと存じまするが、さよう取運ぶことに御異議はございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 異議ないものと認めます。さよう決定いたしました。
  13. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 緊急質問に関する件をお諮りいたします。
  14. 芥川治

    事務総長芥川治君) 只今社会党第四控室羽生三七君から、当面の外交政策に関する緊急質問、時間は十五分、要求大臣総理外務大臣の御要求が出ております。
  15. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは誠に抽象的な問題のように聞えますが、ダレス・吉田総理会談、或いはマレンコフの対日平和条約問題等、当直の国交情勢について最近の動きが非常に激しい動きを示しておりますので、この際閉会前に、総理並びに外務大臣に、そうした外交問題について所見を質したいということでございます。従つて何とぞ御同意願うようにお願いしたいと思います。
  16. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 他に、御発言はございませんか。
  17. 加藤武徳

    加藤武徳君 会期末に緊急質問の件につきましては、私は好ましくないと思います。小笠原君の只今発言、成るほどダレス等もやつて参りまして、外交政策等に対しまして動きがあるということは了承いたしますが、一昨々日も岡崎外務大臣MSA交渉に関しまする、経過等も聞き、各党代表質問もあつたわけでありまして、この質問中に当面の外交政策等について触れられた箇所も相当あつたように私は記憶しております。従いましてこれらの一こと等を勘案いたし、なお且つ先ほど来の小委員会で、本日は早く本会議を終ろうという各党意見等をも考慮に入れまして、でき得べくんば、社会党第四控室緊急質問は御遠慮を願えればと思います。
  18. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 MSAの問題は、これは聞くには聞いたが、十分聞いたということになるかならんかは、いろいろ観点があるだろうと思いますから、そういう交渉の技術的な問題を聞いておるのと、今回緊急質問をしようということとは、問題のケースは全然別でございます。即ちダレス会談による保安隊増強等に関しての政府所見がその後変更があるのかないのか。或いは朝鮮休戦会談後の政治会議等日本代表として出席が可能であるのかないのか。或いは朝鮮休戦による極東情勢変化等について吉田総理としてどういう問題の把握のされ方をしておるのかどうか。或いはマレンコフの対日平和問題についてのちらほら現われておる件に対して、日本政府としてどういう考えを持つておるのかどうか。それらの点は新しいケースでありますし、今の日本政府としての外交問題の中心ともなるであろうと思われる点なので、これを一つ国民に明らかにしない。ダレス会談についても、日本政府としてはその後何ら記者会見その他で発表もしておらない。こういうようなことでは、国民は何も知り得ないのであります。従つてこういう問題を緊急質問しようということこそが議員とし填の問題のつかまえ方としては妥当なものであると私は考えますし、本日十一時半から、例えば本会議を開くとしましても、たかだか十五分の緊急質問答弁が十分あつたとしましても二十五分、継続審査案件の可決は五分もかからんのでありまして、十二時には終る予定になると考えるのであります。従つてまげて御承認願うようにお願いしたい。
  19. 加藤武徳

    加藤武徳君 これ又意見が対立しそうになつて参りましたが、私は一昨日の、外務大臣MSAの問題に関しまする交渉経過報告に対する各党質問で、只今羽生君から要求の当面の外交政策に対しまする問題に、他の会派殆んどお触れになつておられるという工合に了解をいたしておるわけです。成るほどダレス氏との会談は、その後に起つた問題だという御意見もございましよう。或いは朝鮮休戦会談等には、十分触れておらなかつたというような御意見もございましようが、御要求案件に関しては、私は一昨日大体結了いたしておるという工合考えるわけで、私、先ほどの意見を出しましたようにお取計らいを願いたいと思います。
  20. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 加藤君は、どういう意味で言つておるのか。MSA中間報告MSA中間報告で、技術的な問題でございます。それについて質問者が、いろいろ外交問題を問題点として展開せられたという点はあるでしようけれども答弁は、依然MSAの問題に関して技術的な答弁に終つておるわけなんで、羽生君が本日伺いたいということは、その後のダレス会談等によつて日本政府外交政策なり、或いは国内問題としては保安隊問題等について、変化があるのかないのか。或いは極東情勢について、見通しはどうなつて、施策を考えておるのか。それらの点を問題点として承りたいということで、てんで問題は別なんです。だから、そういうことで前にも何か外交問題は聞いたのだから、外交問題はやめなさいという論理は成り立たない。  まあ、この際、吉田総理出席しない。或いは岡崎外務大臣が都合が悪いとか。こういう技術的な問題があるならば、もうそれは新しい問題として考え合つてもいいでしようが、緊急質問そのものについては、かれこれ言うことなしに交渉に応じられたいと思います。
  21. 加藤武徳

    加藤武徳君 我が党の主張は、先ほど申上げた通りでありますが、併し運営委員会の全体の空気がどういうふうな状況にあるかという点については、委員長におかれて、その点を把握なさいまして、議事を進めて頂きたいと思います。
  22. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止
  23. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 速記をつけて。  それでは緊急質問只今事務総長から御説明申上げました羽生三七君の当面の外交政策に関する緊急質問は、これを認めることに御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。   —————————————
  25. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 次に、国会法の一部を改正する法律案議題といたします。  先ず提案者でありまする衆院議員荒木萬壽夫君が提案者を代表して御出席願つておりまするので、荒木萬壽夫君から、御説明を承わりたいと思います。
  26. 荒木萬壽夫

    衆議院議員荒木萬壽夫君) 改進党の荒木でございます。  只今議題となつておりまする国会法改正案に関しまして、発議者の一人としまして、簡単にその理由を申上げたいと存じます。御質問通り、元の警察予備隊が今保安隊と銘打つて保安庁所管の下に、水陸両面に相当の機構内容をもつておることは御案内通りでございますが、私ども見解に従えば、この保安庁所管事項は、政府側の御説明が如何にありましようとも、国家警察自治体警察にあらざる、政府側説明を以てしまするならば保安機構であると言われておりますけれども、実質はまさに警察以外のものであり、我々の見解に従えば、貧弱ではございますけれども国家防衛機構であり、或いは軍隊であり、海軍力の貧弱なものであると認め得るかと存ずるのであります。そういう私ども立場だけからの見解は一応別といたしましても、独立国になりました日本といたしまして、国土を如何にして防衛するかということは、国民的な関心事であろかうと思います。  従いましてこの保安隊が御案内のごとく国経費の二割に相当するぐらいの経費も使つておることにも鑑みまして、更には政府側の言明によりましても、だんだんとこれを増強して行くのだというがごとく窺われるわけでございますが、そのような分量的にも国費の相当な部分を占め、質的に見ましても、軍備ということに賛否いずれの態度をとりましようとも、これが国家的、国民的な立場から慎重に取扱われ、審議せられて行くべきものと心得ますそういうような見地から私どもといたしましては、この春の党大会以来その取扱い国会審議の上にも慎重に重大視して取扱つて行くべきものと心得まして、国会防衛に関する常任委員会を特に設置する必要を認めまして、天下に公表して参つたような次第でございます。  そこで、この国会の当初から各党にも御相談いたしまして、正式に御提案申上げたいと思いながら、だんだんと日数がたつて参りまして、会期末に参りまして、一見慌しく御審議をお願いするようになりましたことはこの経過は、実は恐縮に存じておりますけれども、事柄の国家的、民族的な重大性からいたしましても、又国会国民の負託に応えるという立場における審議の慎重を期するという立場からも、この国会において、特にお取上げを願いたいと思つて衆議院提案をして多数の御賛同を得て、参議院の御審議を願う段取になつたような次第でございます。  実を申上げますと参議院側から国会法改正、特に常任委員会制度につきましての御検討を願うに当つて、今まで衆議院と御折衝相成つたことを仄聞いたしますけれども、そういう過程から考えましても、実はその意味において或る程度躊躇しておつたことは事実でございますけれども、だんだんと政府側態度といたしましても、保安隊増強のほうに足を踏み入れられつつあるやにも心得まするし、更には又、MSA交渉も具体的に日程に上つて参りましたし、衆議院におきましても、MSA交渉に関する中間報告を求めるというような態度等から考え合せましても、躊躇できない。更にはダレス国務長官が、昨日でございましたか、一昨日でございましたかやつて来まして、政治的ゼスチユアとしては、いろいろ言われますけれども、実質的には、保安隊乃至は日本の国防の問題、防衛の問題に絡んでわざわざやつて来る。更に朝鮮休戦会談の成立以後の諸問題を考え合せて見ましても、何としても国家防衛に関連する問題が、今日の政治的国民的関心事であることは申すまでもございませんので、いろいろ御遠慮申上げねばならない筋合いもよく存じてはおりましたものの、又それ故にこそ、提案の遅れたことのお叱りを受けねばなりませんが、少くともこの国会において御審議頂いて、国会のこの方面に対する審議の体制を整えておいて、衆議院側考え方としましては、国会閉会になりましても、以上申上げたような、皆さまの御承知のような国家防衛に関する現下の、更に今後の起り得べき諸情勢等を考慮いたしまして、継続審議しつつ、次の臨時国会乃至は通常国会を迎えるべきである。そういうふうな考え方から提案し、御審議を願い、本日も又推参いたしまして、蛇足ながら以上のことを提案理由として申上げるような次第でございます。  重ねて申上げますが、会期押迫つてこういうことになりました事情は、以上申上げる通りでございます。くどいようですけれども防衛に関する、或いは軍備に関する賛否いずれもありましようとも、国家的に、国民的に、国会を通じて、常に政府側の動向を直視し、若しくは督励するというふうな態度は、国会として当然に必要であろうかとも存ずるのであります。どうぞ以上の提案理由並びに事情を御掛酌頂きまして、いろいろの御意見等もあり得るとは思いますけれども皆さまの御賛同をお願い申上げたいと思う次第でございます。
  27. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今提案理由説明国会法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院では修正議決をされております。修正の点につきまして、菅家議院運営委員長がお見えになつておりますので、修正の点を御説明願います。
  28. 菅家喜六

    衆議院議員菅家喜六君) 私は、衆議院議院運営委員長菅家でございます。  只今荒木君から、提案趣旨弁明があつたのであります。この案件衆議院委員会に付議いたしまして、種々なる議論があつたことは新聞で御承知のことと思います。提案者のほうにおいても、防衛委員会という名前には別段拘泥しないというお話でありましたが、大体この委員会所管する事項は、保安庁所管事務と解すべきでありますので、防衛委員会保安委員会のほうが適当ではないかというように意見がまとまりまして、保安委員会というように修正いたしました。特別に修正に深い意味というようなことはなかつたのでありますが、これを取扱いました自由党の坪川君が今日まだ見えておりませんので、私委員長としてその審議を主宰いたしました関係上、お伺いいたしました。荒木君から詳細に申上げましたので、一つ衆議院運営委員会においても、会期迫つてこの一部改正法律案が出たのでありますが、すでに議運においても、或いは国会法改正の議があるやに承つておりますが、衆議院としても、次の国会までには国会法改正したいというので、小委員会が設けられまして、著々進んでおりますので、その際にこれはやつてもよろしいのではないかという意見も出まして、例えば都政委員会電通委員会懲罰委員会、これらも議運検討する必要があるのじやないかという強い意見もありましたが、結論的には、今荒木君が御説明になりましたごとく、休会中でも一つ、この委員会継続審議を行なつてMSAその他保安庁関係する事項を、全体の国会法改正を見ざる以前にも急速にやりたいという強い提案者の御意向もありましたので、最終的には、ただ字句の修正だけを認めた次第であります。  何とぞ適切なる御審議によつて会期が一日限りになつたので、非常に御迷惑とは存じますが、一つ議事を進められんことをお願い申上げる次第であります。
  29. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 只今提案理由並びに修正案修正趣旨について伺いましたが、私質問をする前に、委員長にお取扱いについて希望を申し添えておきます。  国会法改正につきましては、私は両院に亘ることでございまするから、形式両院の意思が合致した上で、そういうものは改正せらるべきであるという強い希望を持つております。然るところ、先般参議院から全般に亘り、二百五十人の参議院議員は、十分な運営審査のできるような常任委員会制度改正案衆議院側に送付いたしました場合に、衆議院側においては、にべなくこれを葬り去つたのでございまするが、その場合両院議運打合せを開いたとき、衆議院側主張としては、両院それぞれ小委員を挙げて、根本的な国会法改正について審議し、その案を持ち寄つて協議の上、一致した国会法改正をやつていくように進めよう。こういうことで、その後二、三回の国会と共に、この議院運営委員会としては、国会法改正小委員会を設けて、よりより研究もし、衆議院側とも打合せをしようというふうに議が進んで参つてつたはずであります。でその点とこの問題とは、何ら関係なく扱われておるという点に、我々は一つの問題を持つのであります。  それから第二の問題としましては、こういう国会法改正が、院の運営は数の多少にかかわらず、政党政派の集りでできておるのでございまするから、各会派意向というものがそこに相集つて、一会派党等の単独の提案というようなことではなしに行われるのが望ましいというふうに私は考えておりますので、この点から考えましても、これは、一会派発議賛成を得て、本院のほうにもこの予備審査等が、要請されて来ておつたよう考えるのであるります。この点も、いささか今後の国会法改正という建前からいうと、こういうやり方を仮りに許すとして、将来院の運営上、先例となることがないのかどうかという点についても、私は常に違つた見解を持つております。  又この第三点としましては、それほど強い御主張であるならば、会期が八十日以上もあるこのときにおいて、どうして、我々の院のほうにも御相談つて、そうして両院が動いて、これを物にするならするという動きを示さずに、いわゆる会期延長になつてから、こういうことが議題に提供せられ、又々これが再延長になつて、問題にせられる。こういうような運営の仕方は、国会法というものの改正の問題である限り、私たちとしてはいささか慎重でないということで、これも又強い異なつ見解を持つております。少くともこういうものは、今国会当初から、或る会派が、大会等において党議を決して、主張せられておるとするならば、各会派の間に、問題とせられ、他院との間の問題ともせられて、総合的な検討の上に、御提案なされるのが望ましかつたのではないかというふうに、私は第三の点として非常に異なつ見解を持つております。  而もこれは形式論士のことでございまするが、内容に立至つて保安委員会を置かなければ、保安上の問題について十分な審議ができないという論理で若しも御提案になるとしますならば、今の内閣委員会等常任委員会制度では不十分であるという裏打ちがあつて、初めてそういうことが言えると思うのでございまして、この点においても、参議院としましては必ずしも同意見であるというふうには参らない幾多の問題点があると考えます。併し私はここで強くこの法案審議するに当つて考えなければならないのは、参議院としましては、保安委員会を置くということが内容として政治的に扱われるということについては、強いこれは反省を加えなければならない。あくまでも国会運営立場から、国会法改正という建前で、一常任委員会を起すかとうかという問題は、他の常任委員会制度と絡んで総合的に考えなければならない。ただ単に内容として望ましいものであるからとして、これを委員会制度の中に組込むのであるというようなことには、単に部分として、そういう考え方には参らんものがあると考えるのであります。  従いまして私たちとしましてはこの提案理由並びに趣旨弁明を伺いました以上、会派に持ち帰つて十分相談もしたいし、今後の、もう時間的に余裕のない今日の段階においても、理事会その他においても十分な検討を加えられて審議を慎重にしなければ、悔いを将来に残す問題であると考えますので、他院発議者その他のかたがたには、甚だ相済まんわけでございまするけれども、この扱いについて研究せられんがために、暫時休憩をし、会派会派相談し、理事会等委員長としてお開きになるならば、理事会でこの扱い方について、会派意向をおまとめになるように、切に希望いたします。  従つてあえて質問は申上げません。
  30. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) ちよつとお諮りいたしますが、只今お聞きの通りに、提案理由並びに趣旨の御説明がございましたが、これから直ちに質疑に入るという段階の前に、只今小笠原君の御意見にもありました御希望もありました通り、ここで会期は本日で終りでございます。この法案慎重審議取扱い方について、一応御懇談をし填取運ぶほうが、却て円滑に進むのではないかと思いますが如何でございますか。
  31. 相馬助治

    相馬助治君 小笠原君の意見は、ここで懇談要求していないと思います。事は重大であるから、仮にこれを取扱うというにしろ取扱わないというにしろ、とにかくここに提案されているのですから、意見はとにかくとして何か取扱わなければならない。その場合には会派意向を一応取りまとめて来たい。こういうことだと思います。私はそれを強く要求します。  というのは、前に本院は、全会一致を以て国会法改正して衆議院に持ち込んだときに、各党派から衆議院に話をつけることを我々は約束した。そうして約束して衆議院に持ち込んだときに、問題を起したのが右派社会党と改進党なんです。私はいたく面目を失墜して、衆議院に行つてその間の事情を話して、どうやら了解を得た。そのとき私は廊下で、改進党の某氏より、参議院は良識をわきまえない。国会法が一院の意思によつてなされるというなら、やれるならやつて見ろ。こういう恫喝に似たことを言われて、私自身が言われたのでなくて、本院みんなが言われたのですから、私は何ら驚かないが、そのおつしやつておることは、誠に正当なので、私は頭を下げて、御尤もでございますと言つて帰つて参りました。私はこれらを今日思い出して仇をとろうなどという気持は更にない。だからこそ私は、やはりこの問題は、党に帰つて衆議院側においては、どういう党派としては態度をとつたのか、寝耳に水ですからわからない、私は。それから又、参議院の我が会派としては、この問題をどう取扱うか。それからもう一つは、プライヴエートにではあるけれども、一昨日議運理事会を開いて、私は草葉委員長のこの話を初めて聞いたのであるが、この前に議運委員長としては関係衆議院委員長とどのような話合いがあつたのか。これは自由党の問題とせずに、私たちは、草葉委員長が本院を代表して何らかの話をしているならば、俗な言葉で言えば、顔を立てなければならん。それらの事情を確めて我が会派態度をきめたいので、私はここに懇談会の必要を認めない。若し懇談会をするというならば、懇談会に話す材料を持たなければならない。懇談会を開く前に休憩をされんことを希望する。
  32. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 この問題は実は緑風会ではもう態度がきまつています。先ほど申された通り今日は十二時に終ろうという観点でありますから、理事会をなさるなら、その時間を諮つてほしい。
  33. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) ちよつと皆さんに申上げます。  私が御懇談を申上げたいというのは、今のように休憩を直ちにするとか、それから休憩中に理事会を開くという御懇談をここで申上げたい。こういう意味であります。
  34. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の主張は、直ちに理事会を開き、一方は会派相談の上、理事者に御連絡があつて、十一時半から本会議になりますから、これは今、懇談会においてあげるべきである、継続審査すべきである、そのままにそつとして温めましよう、この三つしか案がないと思う。その案が十時なら十時、十一時なら十一時、十一時十五分頃までにきまつたとするならば、改めて議運を開いて、その結論だけを生み出せばよい。その結論を出すために理事会を一応開いたがよい。  こういうことであります。
  35. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 他に御発言もないようでありますから、暫時この問題については休憩をいたしまして、直ちに理事会を開きたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それでは本問題は理事会で御検討の上、更に議運でお諮りすることになります。   —————————————
  37. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) なお休憩前、もう一つお諮りすることがあります。常任委員辞任及び補欠に関する任の追加が出ましたから、お諮りをいたします。
  38. 河野義克

    参事河野義克君) 日本社会党第二控室から、議院運営委員の田畑金光君、予算委員戸叶武君がそれぞれ辞任せられて、議院運業委員戸叶武君、予算委員に田畑金光君を後任として指名せられたいとのお申出がございました。又厚生委員の山下義信君、外務委員加藤シヅエ君が辞任せられて、後任として厚生委員加藤シヅエ君、外務委員に山下義信君を指名せられたいとの申出がございました。緑風会から、厚生委員の廣瀬久忠君、法務委員の中山福藏君が辞任せられて、厚生委員に中山福藏君、法務委員に廣瀬久忠君を後任として指名せられたいという御申出がございました。
  39. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今事務次長が御報告申上げました通り申出通りに決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 御異議ないものと認めて、さよう決定いたします。  暫時、休憩いたします。    午前十時四十九分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた