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1953-10-06 第16回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月六日(火曜日)    午前十一時五十八分開会   —————————————   委員の異動 八月十一日委員江田三郎君及び戸叶武辞任につき、その補欠として藤田進 君及び田畑金光君を議長において指名 した。 九月十七日委員千田正辞任につき、 その補欠として鈴木一君を議長におい て指名した。 十月五日委員藤田進君及び寺本広作辞任につき、その補欠として江田三郎 君及び石川清一君を議長において指名 した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     草葉 隆圓君    理事            寺尾  豊君            赤木 正雄君           小笠原二三男君            松浦 清一君    委員            剱木 亨弘君            榊原  亨君            松岡 平市君            横川 信夫君            江田 三郎君            田畑 金光君            石川 清一君            鈴木  一君   —————————————    副議長     重宗 雄三君   —————————————   国務大臣   大 蔵 大 臣 小笠原九郎君   国 務 大 臣  緒方 竹虎君   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    参     事    (事務次長)  河野 義克君    参     事    (警務部長)  丹羽 寒月君    参     事    (庶務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (委員部第一課    長)      小沢 俊郎君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君   説明員    内閣官房長官  福永 健司君   参考人    愛知県副知事  森   勇君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事辞任及び補欠選任の件 ○庶務関係小委員辞任及び補欠選任  の件 ○臨時国会召集等に関する件   —————————————
  2. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 開会いたします。  本日は、閉会中誠に御多忙のところを御参集頂きまして恐縮に存じます。先般来各派それぞれの御要望の次第もございまして、最近における災害等に関連し、なお今後の本院の運営等につきまして御協議をお願い申上げたいと存じまして、この委員会を本日開会することに相成つた次第でございます。  先ず理事辞任及び補欠に関する件をお諮りいたします。なお庶務小委員辞任及び補欠に関しまする件も併せてお諮りを申上げます。
  3. 小沢俊郎

    参事小沢俊郎君) 緑風会から、理事杉山昌作君が辞任されまして補欠赤木正雄君、改進党から、庶務関係小委員松浦定義君が辞任されまして、後任石川清一君、日本社会党第二控室から、理事相馬助治君が辞任されまして、後任松浦清一君、庶務関係小委員相馬助治君が辞任されまして、後任松浦清一君、無所属クラブから、庶務関係小委員鈴木一君、これは千田さんが委員辞任されておりますので、その後任でございます。  以上が推薦されております。
  4. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 速記をとめて。    〔速記中止
  5. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 速記を始めて。  それでは、只今報告申上げました通り理事及び小委員辞任及び補欠はこれを了承することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 御異議ないものと認めます。   —————————————
  7. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 次に、政府のほうの出席を要求いたしておりまするが、本日は閣議等関係で、もう少し時間を延ばして頂きたいという連絡がありましたので、暫くの間休憩をいたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そのことは結論としては仕様のないことですが、時間的にいつ頃、休憩後の本委員会を再開できるか、見通しをお伺いしたい。
  9. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 大体、今の私の見通しといたしましては、一時頃開会をいたし、なお二時頃になりますと、副総理出席をする。一時頃には官房長官出席をいたしたいという大体の見通しでございます。その程度で御了承を願いたいと存じます。
  10. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では、官房長官には一時頃出席して頂けるという前提で、その頃まで休憩をすることに異議はございませんが、緒方総理出席を求めております際に、補正予算等見通しについては副総理としてお答え願えない場合があろうかと考えますので、大蔵大臣も併せて出席方委員長要請しておきます。
  11. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 了承いたしました。  それでは午後の開会時間は、今御希望の点もございますので、成るべく速やかに開くことに御了承を頂いて、時間は多少は前後いたすかも知れませんが、その点は御了承頂きたいと存じます。   —————————————
  12. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) なお追加といたしまして、庶務小委員の変更の要求が出ておりますから、お諮りを申上げます。
  13. 小沢俊郎

    参事小沢俊郎君) 自由党から、庶務関係小委員加藤武徳君が辞任されまして、後任松岡平市君を推薦されております。
  14. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今報告のように承認いたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 御異議ないものと認めます。  それでは暫時休憩をいたしまして、成るべく早く開くように手配をいたしたいと存じます。  暫時休憩をいたします。    午後零時五分休憩    ——————————    午後二時十三分開会
  16. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 休憩前に引続いて開会いたします。  午前中お話し申上げましたように、今後の本院の運営につきまして、これから御協議を頂きたいと存じます。
  17. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 緒方総理並びに大蔵大臣出席でございますので、二、三新聞紙上で伝わる点を正式に参議院という立場で政府にお伺いしたいと考える次第でございます。  先ず衆議院のほうとしては、成規の手続をふんで国会早期召集要請しておるようでございますし、参議院議長が、たびたびの新聞談話等水害或いは冷害等に関する緊急対策のため臨時国会召集を要求し、参議院といえども会派としても要望があるところであるわけですが、いつ頃臨時国会お開きになるもくろみで御準備なすつておられるのか、先ず緒方総理からお伺いしたい。
  18. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 衆議院のほうでは、最初九月末に臨時国会を開くようにという決議がありまして、その後十月末に開けという要請があつた政府といたしましても、西日本を初め災害対策が非常に急を要しますので、できるだけ早く臨時国会を開いて頂いて、その対策をきめたいという気持はあるのでございますが、災害だけにつきましても、次から次と災害が起つて参りますし、その他補正予算を作りまするについて、昭和二十九年度の予算見通しを一応立てないというと、補正予算の組みにくい事情等もありまするために、一口に申しますると、予算財源を見出すのに苦しんで、予算編成見通しがまだ立たない。そのために、今のところでは十月末の開会は困難なように思います。十一月に入るのではないかと考えております。この程度見通しを持つております。
  19. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 もつと具体的にお尋ねをしたいのですが、十一月に入つて、少くともいつ頃までには召集したいというおもくろみで現在おられるのかお伺いしたい。
  20. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 主として災害でありますが、それが次々に重なりましたために、初めもくろんでおつた予定が、少しずつ動いて参つたのであります。今のところでは十一月の半ばまでには召集して行きたい。それまでには臨時国会に臨む準備を何とかしてしたい。こういうつもりであります。
  21. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 通常国会は一番遅い時期でも、いつ頃までには開かなければならないと政府はお考えですか。いわゆる百五十日の会期を持つ通常国会を始める時期は、遅くともいつの日より前でなければならないとお考えになつているかどうか。というのは、臨時国会期間ということが、会期延長というようなことの仮にあるような短期間国会召集をしても、いつまでも延ばせないというような問題が通常国会と絡んで起つて来ると考えます。で来年の三月三十一日で通常国会を終りたいということであれば、十二月の初旬において少くとも通常国会が開かれることになります。そうすれば十一月の初旬に臨時国会お開きなつたといたしましても、実質審議期間というものが、半月程度しかないわけだ。その前後と申しますよりは、その時分に、開会式その他召集日もございましようから、或いは施政方針演説等もございましようから、それらを除きまして補正予算審議、これだけを考えましても、正味両院において十五日もないのではないだろうかというように考えられる。で、政府は大丈夫それでやれるのだということの技術的な御見解の表明がなければ、参議院として院の運営上支障を来たす。こういうことで、何も今政府追及のための質問をしているのじやなくて、参議院運営自体見通しをつけるためにお尋ねしているわけです。
  22. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 臨時国会召集する必要の一番最たるものは災害対策でありまして、この災害対策につきましては、先般来衆議院におきましても参議院におきましても、水害緊急対策委員会が開かれて、この審議の模様を見ておりましても、これこそ本当に超党派的に議事が進められておりますし、その予算でありましたならば、あまり議論がなく、割合に短期間審議ができるのじやないかというつもりで実はおるのでございます。今小笠原委員から御質問なつたように、突き詰めて何日というところまでまだ考えておりません。主たる問題が災害対策であるだけに、而も災害対策に対する両院意向超党派的にまとまつているということが考えられますだけに、これにはあまり時間を要しないのじやないかというふうに考えております。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは内容立入つてお伺いしなければならんことになるのですが、私はそれに入る前に、もつと今の問題を突き詰めてお尋ねしておきたいのですが、そうしますと、今度の補正予算災害、いわゆる水害冷害、これに関してだけの補正予算、こういうことになるのでございますか。それとも今新聞紙上等で言われている保安庁法律改正に伴う自衛力その他の論議になつている問題に絡む補正予算というようなものは出て来ないのでございますか。
  24. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 防衛力増強と申しておりまする事項、それに伴う予算は、補正予算でなくていいと思います。それから法律案としまして保安庁法改正、これも新聞紙上に謳われておりますが、まだ政府で決定しておるわけではありません。仮に決定いたしましても、これは臨時国会審議をお願いしなくてもいいのじやないかと考えます。
  25. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで事情は相当明らかになりましたが、それにしましても、緒方総理の先ほどの御答弁にもありました通り補正予算は二十九年度の一般予算との見合いでできるという関係からいたしますと、今度の補正予算国会における審議の大綱的な論議は、来年までも見通し財政計画ということに集中せられる。こういうことになれば、防衛力漸増の問題も当然議論としては起つて来るであろうと考えられますが、その点は、超党派的になつておりません関係から言いますと、二週間なり、或いはせいぜい十七、八日ぐらいの実質審議国会において、衆議院において政治的な論議が行われる場合に、参議院予算審議がどういう状態になるかということを考えると、少くとも国会審議に待つという限りにおいては、予算の従来までの経緯から見まして四十日、せいぜい詰めまして補正予算であるからと言つても三十日の実質審議を持たなければ、各種のトラブルが起つて来るのではないかと私は考えておりますが、そういう点については、もう検討ができない。もう短かい時間しかないなら、短かい時間で努力して頂くんだ。こういうような考えでございますか。私の質問二つに分れております。
  26. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) ちよつと二つというと……
  27. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 単に水害冷害だけで超党派予算だと、表面はそうなつてつても、論議は誠に日本の運命を左右するような重要な論議が行われるであろう。そうなれば審議の時間はとられるであろう。そういうことはないというお考えなのか、或いは実質審議期間というものが少くとも一カ月或いは四十日必要とするであろうという参議院側要請に対しては、政府はどういうお考えを持つておられるか。
  28. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 仮に補正予算内容がどうでありましようとも、国会でどういう問題について論議されるかということは、これは政府のほうでかれこれ申上げる筋はない。従いまして例えば補正予算にない防衛力増強について論議が行われることも予想されますけれども、ただ通常国会も時期的に差迫つておりますことと、もう一つは、災害対策の仕上げが時間的に急ぎます事情等から、これは国会との間に、事前の御了解ができて余り長い時間を必要としないようになり得るのではないかという期待を持つておるのであります。
  29. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 残念ながらそれだけの御答弁では、実際審議するほうの側としては、政府意向によつて審議期間が制約せられ、又それが延いては審議権までも制約せらるるという結果になる点を救済する途はない。又それで大丈夫なんだというふうに緒方さんから言われて納得するというわけには行かんのであります。即ち只今災害と申しましても、それが仮に水害だけであるとなれば、又問題があるのですが、私は冷害に伴う予算措置も当然これに含まれると考えます。そうしますと、水害関係では水害対策特別委員会があつて、今までも特別立法もあり、それに伴う政令の公布、地域の指定、これらによつて一応見合う金を出せるとしましても、現在衆議院で開かれておるこれらの委員会においても、総額、総予算関係については、国会政府側と必ずしも意見が一致していない。今後いろいろな段階を経て、或る種の政府案というものが作られるでございましよう。ましても冷害のほうの関係になると、国会においてもこの対策について具体的な何らかの施策を検討するための余裕もなければ、こういう委員会も十分な委員会の活動として行われておらん。従つてこの意味においては、超党派であるかないかは今日一概に結論を下すことはできない。そういう点から考えると、参議院として、例えば参議院審議のために衆議院が余計予算審議機会を持つという場合が従来ありますから、それを考えたばかりでも、最低参議院において二週間なら二週間、半月なら半月予算審議機会を持ちたい。そういうふうな国会召集になるような運びをしてもらいたい。こういう要請があつたとしますならば、政府としては、それをどういうふうに受取るのか。その点をはつきりお答え願つておきたい。
  30. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) そのほかにも、例えば奄美大島問題等で、どうしても十一月初めに国会召集せんければならんような事情も起るかも知れない。政府としても、先ほど一番遅くなつていつ頃の見当かというお尋ねでありましたから、十一月中頃と、こう申上げたのでありますが、臨時国会に臨む補正予算準備が整いますれば、政府としても余りあわただしい御審議にならんように、できるだけ国会の御希望に副うて早目に開会したいという気持を持つているわけです。衆議院のほうで二回も決議がありまして、その決議に今までのところ、はつきりしたお答えをしておりませんけれども、十一月半ばより遅れては、臨時国会召集する以上、それより遅れては意味をなさない。それを最後のめどとしているのであります。それよりも早く絶対にできんとは考えておりません。又そういう必要が起ることもあるのではないかと、実は懸念いたしておるのであります。
  31. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、参議院等の今の技術的なこの予算審議等日程を組むに当つて、最小限度必要だと思われる日程が組めるように、政府もどうせ国会お開きになるならば、今後一段と努力してもらうということで御了承願えますか。
  32. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 大体、今小笠原委員から御質問になつた通り気持でおるのですが、この場に大蔵大臣も見えておりますので、補正予算見通しがいつ頃つくかということをお話申上げて、それによつて更に私の答弁の裏書をしてもらつたら……まあ、できるかできないか、何か……。
  33. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では緒方さんでも大蔵大臣でも、どちらの御答弁でもようございますが、要するに、二十九年度の予算なり、或いはその裏付けになる財政計画そのものが立てられなければ、補正予算も確定し得ないと。御尤もだろうと考えます。  そうすると、今問題になつておる防衛力漸増、それに関連するMSA援助、これらのものが確定しない限りは、補正予算は組めないという態度政府は持しておられるのかどうか。お伺いしたい。
  34. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 予算について申上げますと、大体、災害が非常に巨額に上りまして、今一応、私どものほうで報告を受けておる額だけで二千六百八十一億に達するのであります。そのうちには冷害を見ておりません。仮に更に百億の災害があるとしますと、これは極くラフに見たのでありますが、今までの報告を受けておるのは二千六百八十一億九千七百万受けておる。これに百億入れると二千七百八十一億というふうになるのであります。これを大蔵省で査定をいたしまして、査定いたしますると、二千十一億二千八百万円ということになるのであります。そうしますると、現行、現在の法律に基きまする補助金はなんぼあるかというと、千四百八十八億八千八百万円というのを要しまするところへ、先般、何と言いますか、特例法が二十四ばかり、法律通りましたので、あれに基きましてやりますると、更に三百十億ほど殖えることになりますので、結局千七百九十八億九千四百万円というものが災害費用として見込まれることになるのであります。  そこで、御説のように、大体災害は百億くらいあつたら足りるであろう。百億も余裕を見ておつたのが、実はこういうふうに巨額に要ることになるのでありますが、これをつまり補正でどれだけ出すか、二十九年度予算でどれだけ出すか、或いは三十年度でどれだけ出すか。これは一度に出すのではないので、それらの復旧事業の進行に伴つて出すわけでありますから、或いは更に三年、三年半に見るか、そういうようなめどもつて、これについて検討を加えつつある次第であります。実はできるだけ災害復旧は急いだがよいことは申すまでもありませんので、できるだけ急ぎたいのでありますが、御承知のように、非常に財源関係が窮屈でございまして、従つて財源関係を今折角検討しておるのでございまするが、何分にも窮屈な点から、苦心いたしておりまして、従つて災害費用をどれだけこの補正予算に盛り得るかということは、次の二十九年度にどれだけ盛るかということで御同意を得ないとこれはいかないので、その点について、今いろいろ数字を出して苦心いたしておるところでございます。  私どもといたしましてはどういうことがあつて赤字公債その他によることはこれは許されませんので、何とか災害のことについてはいろいろ、是非ともこの災害のことはやらなければなりませんので、実は昨日も次官会議、本日も閣議等で、既定経費についても節減して災害に振向けてもらいたいということを頼んでおりまして、これについても、例えば一率に天引をやればできるでありましようが、今までやりたがつても、大分今年は、年度を過ぎて来ておりますので、そういうことはなかなかやり難い点から、実情に即したものをやらなければなりませんので、今日も各省にそれの提出方を即急に出してもらいたいということを求めておるような次第でございます。そんなこと等で私ども大体補正予算が今月一ぱいにはできるであろう。こういうふうに見通しております。  なお申上げますと、これは十三号の台風等も例えば福井県の若狭等は、通信関係で全然遅れておつたということで昨今続々殖えて参つております。少しひどい。その通信関係で壊されたところの損害が非常に大きいものが続々出て来ております。そこに丁度さつきお話のあつた冷害というものが、これはなかなか大きいので、これに対しても相当なことをやらなければいかない。その点で実はこれも私は率直に申しますと、私はこう金がないところへ災害が多いので、どうして財源を出そうかと思つて、実は苦心をいたしておる次第でございます。併しできるだけ災害に振向けなければなりませんので、何としてもこの点は早く財源を出したいと思つております。そんなことで遅れておりますが、この補正予算はこの月一ぱいには是非見たい。  なおこれは少し私は出過ぎたことを申して甚だ工合が悪いかも知れませんが、実は何と申しますか、予算編成には、御承知の三党協調というのがあつて、あの結果、修正を受けた部分もございます。従いましてそれらに対しても、一応の、政府のやるときには了解が要るのではないかというふうにも、これは私一存の考えでございますが、了解も要るのではないかと考えておりますので、そういう点からも実は手間取るということを私は率直に申上げまして御了解を願いたいと思うのであります。
  35. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では、基本的な問題に遡つて答弁をお願いする前に、今の答弁の中で了解も要るのではないかということは、いわゆる前の関係もありますし、最近の重光、吉田会談ということもあるし、結局具体的には大蔵大臣個人のお考えとしまして、少し、これらのほうのどれでございますかは私はわかりませんが、他会派との間にも、或る種の話合いを進めなくちやいかんというお気持でおられる。こういうことでございますか。
  36. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 一応原案ができましたら、取りまとめの上において、こういうふうなものができるがということはお話申上げなければならないと私は実は考えておりますが、いわゆる閣議にお諮りしたわけではございませんので、私はさつき申上げました通り、出過ぎた話になるかも知れませんが、と申上げたのはそれでございます。
  37. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういうふうに出過ぎた話になれば、私たちは別に出過ぎたとは思わん、率直にこのお考えを表明願うほうが手早くていいので、そこで私はさつきお尋ねいたしましたこのMSA援助を受けるとか受けないとかいうことは、公式には私政府態度はわからんのでございますが、この補正予算を組む財政上の見通しから言えば、臨時国会においては政府所信というものは明らかにされなければならない段階になるだろうと考えますが、そう承知しておいてよろしゆうございますか。
  38. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) この補正予算、直接にはMSAの問題は何ら関係のあることは上つておりません。又上ることはございません。けれども、次の、例えば今お話申上げました災害対策費用等が変つて来るのは、いろいろな点に影響いたしますので、こういう問題についてお尋ねがあることも、これは自然じやないかというふうに考えます。
  39. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その場合には、又政府としての所信を明らかにしておかなければならんように、財政計画としてはそのことも見込んでお考えになるという取運びになつて行くのではないだろうかと、こういう点をお尋ねしておるわけであります。
  40. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 二十八年度の補正には、何らその点は考えておりません。二十九年度の分につきましては、二十九年度の予算に関連を持ちますのでこれは大体この月末くらいになると見通しがつくのじやないか、見通しがつくものならば、それで立てたいと、こう思つております。
  41. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこで、それでは今度の補正予算としては、大蔵大臣が言明せられておる通り先ほど成立なつ予算と合せて一兆億円は超えない。こういうことについては今日においても言明できますか。
  42. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 私は一兆億円の線を堅持したいと考えておりますが、その後御承知のごとくに災害が相当大きくなつておりますし、災害対策を取急いでやらなければならん部分等もございますので、まあ私の言葉が非常に不適当かも知れませんが、きちんと一兆というところで線を書いて、それ以上少しも殖えないという意味でない。一兆という太い線の中の線に隠れる程度だと私は思いますが、一兆という太い線の中にそれが隠れるという程度のところで災害対策費を少しでも余計盛りたいと、こう実は考えております。更に言葉をちよつと換えて申しますと、百億なり五十億殖えた。五十億殖えたじやないか、百億殖えたじやないかというふうな、それまでは考えておりませんと私は申したいのであります。
  43. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大変率直な御意見で私よくわかりますが、まあそれが一兆五十億円も隠れるということもございましようし、一兆九千億円も一兆の中に隠れるわけでございますが、これはまあ常識で、いろいろ圧縮したお考えでおやりになるだろうと思いますが、そこでそれなら、補正予算自体としては、総額は幾らくらいを今のところでは見込んで、圧縮したいとお考になつておられますか。
  44. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) その数字は、まだ実はきめられておりませんが、主としてきめられないのは、災害対策をどれだけ今年に計上するか、補正予算にどれだけ計上するか、二十八年度にどれだけ入れるか、二十九年度にはどれだけ入れるかという、あれができませんのと、これも財源さえあれば、これはできるだけ高くしたいのでありますが、財源が窮屈で財源がございません。その関係から、今申上げた通り既定経費の中でもできるだけ圧縮してもらつて、捻出してもらつて、これを振り向けてもらいたい。かように考えておりますものですから、まだどれだけを見るかという数字は出しておりません。ただ申上げ得ることは、仮に一兆という線だと、残りは三百五十億しか残つておりませんが、三百五十億だけでは足らない。これではむずかしい。これだけは申上げておきます。これは、それ以上出ると思つております。
  45. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで、ただ単に二十九年度の財源見通しをつけられて、そして三ヵ年なり四ヵ年なりに災害復旧費を振り向けて行くというような点であれば、今資料は出ておるわけでありますし、来年度の推定も大体立つわけでありましようから、これは大体今月末までかかるむずかしい問題とは私は思いません。私は問題は、財源としていわゆる税収なり、或いは何と申しますか、雑収入なり、従来あるものだけ予想するのでなくて、MSA援助というような、こういう国際的な援助資金というか、そういうものの見通しが確定しなければ、来年度以降の予算が立てられない。又復旧費を繰延べて行つて、来年どれだけ使えるという見通しも立たない。こういうふうなところに問題があるのではないかというふうに受取つておるのでありますが、それらとは関係なしに、単に従来の財源関係だけで、こういう補正予算は組めないという状態で困難を来たしておるのですか。
  46. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 補正予算というのは、在来のもので困難を実は来たしておるのでございますが、二十九年度の予算を作りますについても、御承知のように今年は二百億円減税国債というのをやりましたが、これは皆さんに御約束申しました通り、あれは来年はやりませんけれども財源関係で或る程度の国債は発行しなければならないと思います。それは三百億になるか、五百億になるか、七百億になるかは今検討中でありますが、それはやはり市場で消化するということを待たなければなりませんので、その点についてもどれだけの消化力があるか、その消化力は一方ではどういうような工合に銀行預金が殖えて行くか、その殖えて行く何パーセントを向け得るものとすればこうなる、又振り向け得るためにはどういう措置が必要かという問題とも併せ考えてやつて行きたい。例えて言いますと、預金の増加を七千億と見ましてその一割を、例えばいろいろな方法によつて公債に振り向けられるものと、こうなりますれば七百億の消化はでき得る。又六千億になるとすれば六百億にしかならないということになりまするけれども、そういつたいろいろな見通しも立てなければならん困難な点もございます。従つてあらゆる資料を集めて、これは予算は皆さんに御審議をお願い申上げなければなりませんので、御審議願う際に、成るほど、これはこういう考えならば無理もないというふうに予算を御協力が願えるようにやりたいと思つて今折角やつております。
  47. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうも私のお尋ねするところに乗つて答弁願えないので、何のために持つてつて専門的な御意見だけをおつしやるのか、私は専門的な御意見を承つておるのではない。この前の国会MSA援助は受けたいと思う。そうしてこのMSA援助は経済援助である。そういうことを期待する。こう言つておりまして、それが将来の国の財政計画なり何なりにプラスになるのだというお見込でこれを受けるという筋合いのことは、国会においては明らかになつておることなんだ。だから私は、それとの見通しをお考えにならなければならない関係から池田特使のようなかたなり、大蔵大臣のようなかたが、わざわざアメリカまでおいでになつていろいろの御折衝があつたものと考え、それが結論的に時間的ズレを見せて遅れておる関係から、補正予算が来年度以降の財政計画見通して立てられるという状態からいつて補正予算は確定して来ないのだというふうに私たちは認識しておるわけなんです。で、そういうことはないのだ。MSA援助というものと国家予算とは、本年の補正予算には無論表面には出ないし、来年も関係はないのだ。こういうことであるならばあるでもいいわけで、その点ははつきりお聞かせ願つておきたい。
  48. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 二十八年度の補正予算に入れないことは申上げた通りであります。二十九年度の分については、今ちよつとお話があつてMSAは経済援助云々というお話がありましたが、私はどなたがそういう答弁をしたか存じませんが、私ども承知しておりますのは、御承知通りMSA援助は軍事援助であつて、その軍事援助の中身がどういうことかということについては、まだはつきりしない。例えて言えば、あなたも御記憶になつておるだろうと思うが、向うからつまり完成兵器をくれるか、それとも一部完成兵器であるのか、日本で注文をすることになるか、或いは更に進んで域外買付までやつてくれるか、そういうことまでまだわからないというふうに外務大臣は答弁をしたように承知しており、私は実はそんな工合に承知しておるのであります。従つてこのMSA内容がまだきまつておらんことは、まあ私ども何も聞いておりませんし、又そのことについて、アメリカで話をされている等の事実から見ても、こちらのほうで以て、日本のほうで以て何がどうとか、第何条は何々ということはきまつているようだが、実質のところはきまつていないことは、大体お聞き及びになつていることだと思います。それによつて予算に影響する分も勿論出て来るだろうと存じます。それも恐らく、もう遠からず行けるのだろうと私は見ております。
  49. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは外務大臣が、本会議における中間報告における一般質問において、経済援助であることを期待する。こういうことで御答弁になつている。こういうふうに私は記憶しているのであります。而も今大蔵大臣から御答弁なつたように、軍事援助であるか、技術援助であるか、或いは域外買付ということで行けるのか。それは今のところさつぱりわからんというようなことであつて、初めから軍事援助であつたのだ、あるのだ、ということは政府としてわかつてつたということであれば、これは私たち初めてお聞きすることなんです。この点はよその会派においても、それは衆議院においても参議院においても、追及したところなんです。ところが軍事援助だというふうには、直接そういう軍事援助だというふうには御答弁はなかつたわけなんです。今大蔵大臣の御答弁で、その点だけは明らかになつて来た。
  50. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 私の答弁で明らかになつたということであれば、私は誤解しているかも知れませんから、その点は訂正するほかはありませんが、お取消をするほかはありませんが、ただ私が承知しているところでは、完成兵器で来るということは言つておりましたから、完成兵器で来るか、それとも一部分そういういわゆる特需その他のことをするか、それとも域外買付等をするか等について、日本としてはできるだけ日本の経済を助ける意味での援助を望んでいるということを聞いたので、完成兵器で来る場合には、これは明らかに軍事援助以外にはないと思つたから、そういう言葉を使つたのですが、軍事援助という言葉は非常に語弊があるが、若し軍事という言葉がいいかどうか、これは誤解かも知れませんが、これは私の言葉の使い方が悪いのでありますが、ただ私の感じたままを申した。この点について誤りがあれば、これは今の答弁を、小笠原は新らしいことを言い出したというのではこれは困りますから、これは答弁を統一して頂きたいというふうに願いたいと思います。
  51. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) なお大蔵大臣は、先ほどから衆議院水害委員会のほうから再三督促をされているようでありますから、成るべく大蔵大臣の御質問を先に……。
  52. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は、今の大蔵大臣の御答弁は、これは率直な御答弁で事態を明らかにさせるために事実を事実として御答えになつただけで、私は至極結構だと思います。それはその通りのことだと考えております。  そこでもう時間がございませんから、この程度にいたしますが、そうしますとこの補正予算は、今月末までにはできる。そうして緒方さんのほうのお話では、補正予算ができれば国会は開けるということですから、今月末にこの予算ができるというお見通しならば、その今月末に予算ができた直後において国会は開かれるというふうに了承してよろしゆうございますか。
  53. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 今の見通しは、今月末までにできる。今まで政府で非常に苦慮して参りましたのは、災害が次から次と殖えて参つて数字の基礎が動いて参る。それで衆議院からたびたび決議があつたにも拘わらず実はその決議を受け入れることができずに参つたのであります。今大蔵大臣の申しましたように、補正予算ができれば臨時国会に臨む政府側準備はできるわけであります。
  54. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは、これは緒方さんにお尋ねしますが、今度の災害というのは、水害のほかに冷害関係対策のための予算も出ますか。
  55. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 政府では西日本災害が一番早かつたので、水害対策本部を政府内に作りまして、次に起りました近畿地方の災害にも対処いたしておつたのであります。その後東北、北海道の冷害が、我々東京で予想しておつたよりも非常に深酷なものがあるということになりまして、段々事情がわかつて参りました結果、水害対策本部というものを臨時対策本部というふうに変えて、そのほうの臨時の対策をやつておりますが、それに関連しまして、今まで研究いたしましたところ、法律によらなければ措置のできないものが二つほどある。そういうものも無論臨時国会に提出いたしたいと考えております。
  56. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 官房長官おいでですからお尋ねしますが、その旅費工面中の吉田総理は工面ができて、アメリカかヨーロツパかのほうにお廻りになるということはほぼ確定的なような新聞報道がありますが、この点はやはり次期国会召集にからんで来ますから、どういうふうになつているのか、正式にお尋ねしておきたい。
  57. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) ちよつと御質問の前に、大蔵大臣に御質問がありましたら、先に申上げましたように、再三督促が来ているようでございますが、災害対策のほうへ、副総理も同様でございます。
  58. 田畑金光

    田畑金光君 副総理お尋ねいたします。  先ほどのお話の中で災害予算のほかに、どうしても臨時国会に出さねばならん大きな二つ法律がある。こういうようなお話があつたわけです。臨時国会で取上げられる一つの問題としては、奄美大島復帰受入れの体制等も当然に予測されていたわけでありますが、この点は臨時国会において法律的な措置をすれば受入れることができるようになつているのかどうか。この点について一つお尋ねいたします。
  59. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) まだそこまで参つておりません。
  60. 田畑金光

    田畑金光君 そういたしますと、先般ダレス国務長官の声明に基いて奄美大島グループの復帰というのは、国民一般が近い将来にある。こう信頼しているわけであります。新聞等の報道でも十一月一日受入れる時期になるというようなことも報道されていたわけでありますが、そういたしますと、今のお話では、単に今度の臨時国会等において法律的な措置をやつて受入れの体制を作つておくに過ぎないのだ。外交交渉等においてはその問題についてはまだ進展していないのだ。こういうような御趣旨なんでありますか。
  61. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 私の申しますのは、未だそこまで行つていないということで、私どもも十一月の一日或いはその頃引渡しの準備が整うように聞いている。それがはつきりと何日になるか承知いたしておりませんので、そういうことから、その何が整えば猶予なく国会の決定を要するものは決定しなければならん。さように考えている。そういう意味であります。
  62. 田畑金光

    田畑金光君 そういたしますと、準備ができるかできないかという問題は、アメリカ側のお話でありますかそれとも同時に我が日本においても、そのような受入れ体制ができるならば、若しそれが十一月初旬において両者符合するならば、いつでも引継ができるというようなことになるのかどうか、その辺の政府との話合いがどうなつているか、御説明願いたいと思います。
  63. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 準備ができれば、いつでも受入れ等ができることになつております。
  64. 田畑金光

    田畑金光君 そういたしますならば、結局日本政府において受入れの準備ができるかどうかという問題が、この問題の重大な解決の時期を決定することになろうと思います。従いまして臨時国会政府がいつ開くか、召集するかと、こういうふうな問題が、奄美大島の復帰受入れ態勢ができるかどうかということになつて来るわけでありますが、臨時国会召集できないというのが、今補正予算の問題に関連して参つたわけですが、いわゆる政府の事務の渋滞の結果、奄美大島の受入れ態勢も、自然に延期せざるを得ない。こういうことになつて来ようと思うのであります。そういう点について、政府はどう考えておられるのか。
  65. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 政府の事務の渋滞の結果でなく、現地の事情でございます。先ほど私が申上げましたのは、今の政府見通しとして、一番遅くなつた場合にいつ頃になるかという御質問に対して、十一月の中頃よりも遅らすわけに行かんだろう、併しながら奄美大島等の問題が急に渉りました場合に、多少とも繰上げる場合が起らんとも限らないということを申上げたのであります。
  66. 田畑金光

    田畑金光君 現地の事務の処理の如何が渋滞の原因になつているというようなお話でありまするが、現地には、すでに政府のほうといたしましても関係者を派遣されて、その受入れ態勢について、先般来折角努力中であると、こう聞いているわけであります。従いましてこの問題は、現地たる大島というより結局政府のほうで現在やつておられることなんでありますから、政府の事務の渋滞が結果において受入れを遅延さしておるんだということになるのでありますが、その点どういうことになりましようか。
  67. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 只今、現在の事情は私承知しておりませんが、それは双方共に決して怠つているのでなくて、遅滞なく仕事を進めていると考えます。
  68. 田畑金光

    田畑金光君 まあそういうような重大な奄美大島の復帰の問題のできるか否かという問題も、臨時国会にかかつておりまするし、先ほど来小笠原君の質問に対する御答弁等を見ましても、又大蔵大臣の御説明では、月末までには補正予算見通しができるんだと、こういうことになつて参りますると、一体、それではなぜなお十五日以前に国会召集ができないのだと、こういうことになつて参ろうと思います。従いまして私たち察するところ、問題は一にMSA援助のアメリカ側との交渉がまだ見通しがつかない。こういうような点に臨時国会召集が非常に延び延びになつている根本的な原因があると我々は観察するのであります。こういうような点についてMSA援助の交渉が目途がつかない。或いは又防衛計画について話合いがつかなければ、結局臨時国会召集は、それがためにずるずると延びざるを得ない結果にならうと思うのでありますが、その点について明確に政府所信を伺つておきたいと思います。
  69. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 臨時国会召集につきましては、すでに成規国会からの要求がありますので、これを取止めにすることはございません。  補正予算につきましては先ほど大蔵大臣から申上げた通りでありますが、これも今までいろんな数字が動いて来るためにだんだん遅れて参つたような次第で、はつきりと十月一ぱい補正予算ができれば、臨時国会召集し得ることは先ほど申上げた通りであります。これはもう間違いないものであります。
  70. 松岡平市

    松岡平市君 大蔵大臣にちよつと私質問いたします。  さつき災害対策についての予算の説明の中に、新らしい、新立法によつて予算措置をしなければならないものが三百何がし億かあるということでありましたが、この計算の基礎は、大体政令のあの法律の施行する場所というものについて、基準を衆議院或いは参議院、それぞれ特別委員会を開いて政府要望しておりますが、それらの要望によつて計算して三百何がし億円と、こういうことになつているのでありますか。
  71. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 松岡さんのお話の通りであります。
  72. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それでは大蔵大臣緒方総理とは、衆議院委員会で再三督促をいたしておりまするので、以上で御了承頂きます。
  73. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 御答弁なつたことについては、ここまで質疑したことまではわかつておりますが、内容については了承しておりません。  それで、はつきりしておきたいのですが、大蔵大臣は、十月の下旬までには予算を作成できる見通しがあると御言明になつておる。それから緒方さんのほうは大蔵大臣のほうの補正予算さえできれば国会を開くんだとおつしやつておられる。従つて今月下旬に予算ができないというような情勢になるような場合には、政府のほうから今度は逆に積極的に議運を開いて頂き、事情を説明したいと、こういうふうにやつて頂きたい。ただ逃げ腰になつて、こつちから出て来てもらいたいと言うと、工合が悪かつたりするようなことであつてはいかんことだと思うのです。その点だけ念のために申上げておきます。
  74. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それでは、官房長官に対する先の小笠原君の御質問に対する御答弁を願います。
  75. 福永健司

    説明員(福永健司君) 先刻小笠原さんのお尋ね総理の渡欧につきましては、現在もなお……この用語が適当であるかどうかは別といたしまして、新聞等に旅費工面中という言葉が現れました、この言葉をそのままお使いになつて質問になつたのでございますが、なお旅費工面中という事情に変りはございません。
  76. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 国会用語として、旅費工面中ということは通らんことなんです。具体的には、それは何を指しておるんですか。どういうことなんですか。総理としては先ずおいでになりたいということを前提にして、政府もまた総理を派遣したいということを前提として物をお考えになつておられるのか。そうして又その旅費の工面中という内容は何であるか。この点は臨時国会の時期を見通しをつけるためにも、参議院としては重要でございますから、新聞用語でないところで御答弁願いたい。
  77. 福永健司

    説明員(福永健司君) 先ず、そのどういう意味かというお話でございますが、これはどうも、私も十分正確に表現することはちよつとむずかしいと思うのでございますが、これは私がそうではないかと思う意味で申上げるので、そういう意味に御了承頂きたいと思いますが、諸般の政治情勢等が、今自分が出かけて行つても差支えない、又使命を達成するのにいい状況である、というようなことが望ましいという意味において、そういう情勢であるかどうかというようなことを考えての言葉ではないかと、こういうように私は解釈をいたしておるわけでございます。
  78. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで総理としては、おいでになりたいという御希望を持つての話かどうか。
  79. 福永健司

    説明員(福永健司君) 只今申しましたように、事情がまあ望ましいような事情であるならば行きたい、行くべきである。こういうように考えており、又政府その他でも、人によつて若干は違いますが、積極的にできるだけ早く行くことがいいんだというように考えている人もおりまするし、まあ昨今の諸般の情勢から、そう簡単に行くべきでないというように考えている人もあるわけでございます。さような点で、必ずしもすでに一致した結論に至つているという域ではないと私は見ておる次第であります。
  80. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 諸般の政治情勢とは、端的に言えば、自由党の欲する政局の安定であろうと考えますが、さてそれならば政局が安定したならば、総理としてはお出掛になるということは、アメリカに行かれるという場合には、何が目的でお行きになるのか。この点を御答弁願いたい。
  81. 福永健司

    説明員(福永健司君) これも又私の申しますことが直ちに総理考えていることであるかどうか、完全に私が代弁するというようなことになるかどうかということにつきましては、私も十分の自信がないのでございますが、アメリカに参ります意味につきましては、大きな意味の国際儀礼というように解釈を私はいたしております。終戦後の数年間の日米関係等に徴しまして、長く政治に携わつておりました責任者としての吉田総理がいろいろな意味で向うへも敬意を表し、一層友好親善関係に進むというような使命を担うべきである、こういうように考えているのではないか。こう解釈いたします。
  82. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そのことによつて時期的には、先ほど大蔵大臣なり緒方総理がおつしやつたような国会早期開会ということに支障は来たさないというもくろみ日程をお考えでございますか。
  83. 福永健司

    説明員(福永健司君) 国会をできるだけ速かに開きまして、諸般の施策を進めなければならないということは、これは非常に大事なことでございますので、それやこれや関連させて考えておるわけでございます。もとより国会審議ということにつきましては大いに重点をおいて考えておる次第でございます。
  84. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 新聞で伝えられるところによると、約三週間くらいの海外出張というのでございますが、先ほどの御答弁にあるように十月下旬に予算もでき国会が開けるという状態になるといたします場合には、この日程を以てするならば、今日の旅費の工面の状況から言うて、来月に越えるのではないかと考えられますが、そういうことのないようにということかどうか。ということは取りも直さず総理の渡米なり渡欧なりというものによつて補正予算国会が遅れるという状態が起つて来るという場合には、どつちのほうを重点として政府考えるべきであるというふうに考えておるのか。この点をお尋ねしたい。
  85. 福永健司

    説明員(福永健司君) もとより国会審議ということは、これは非常に大事なことでございますので、この点につきましては、只今御指摘のように政府といたしましても、特に重点をおきたい。こう考えておるわけでございます。何日とかどうとかいうことがいろいろ伝わつておりますが、現実に日程等を組んでどうこうしたというような計画を進めるところまでは、実際のところまだ至つていないのでございます。私の見ておるところでは、どうも報道のほうが少し先に具体的なような表現で伝わつておりますが、そこまで実際は行つていないように私は見ておるわけでございます。従いまして果して臨時国会前に参ることになるかどうかということはまだ決定的な見通しは困難というように私は見ておる次第でございます。
  86. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いろいろ新聞で見てもわからんような七面倒くさい表現で、何をやろうとしておるのかも国民には明快にならんような報道であつては、迷惑至極だと思う。官房長官をして何らか匂わしたり或いは新聞発表するところから尾ひれがついて来るのだろうと考えるので、その報道があいまいであるというものの根源は、私は官房長官にあると思う。官房長官はあいまいであると思うものならば、黙して語らず、又具体化しているものならば、具体化しているということを、その段階に応じてはつきりスポークスマンとして発表すれば何ら疑心暗鬼を生じないだろうと考える。で少くともこの水害なり冷害なりの問題で国を挙げて困難な事情になつておるときに、アメリカに行くとか或いはヨーロツパに行くとか行かんとか、そういうことをいろいろ揣摩臆測せられて報道せられる。そうして政府も或いは国会も十分この国民の要望に応えるというための対策を立てるのに、非常に怠慢であると申しますか、時期的なズレを見せておる。こういうようなことは、政府の常識としておかしいと考える。長官としましては、まあ総理の問題はその程度にしますが、結局各種の問題を睨み合つて早期国会召集せよというこの希望というものは、単に衆参の議員なり一、二会派ばかりの希望ではなくて、多数の災害によつて影響された国民の声なんだということを十分御認識頂いて、本当に真剣にまじめに、一日でも早く国会を開くというようなことのために画策せられておるのかどうかということは我々疑問とするところなんだ。来月に越えます、なんというようなこと、或いは中旬でございます、なんというようなことは、我々としては承認できないことだ。あなたも官房長官になられて、ここに来ていろいろ会期なり或いは会期延長等の問題等でもお尋ねした場合において、言われた通りの時期よりも先に始まつたことはないのだな。遅れるというのが、もう常識なんだ。努めてさよういたします、と言うて頭だけ下げておれば、ずるずる延びて行つても、まあ既成事実がそれを認めさして行くという状態になるのだというふうに、口悪く言うならば、高をくくつておるような状態がございますが、少くとも緒方総理にも話しましたが、参議院運営から言うて、補正予算審議するということになれば半月以上の最低の日数は要するのだ。それだけの日程はとれるような会期をもつて国会を開かなければ困るんだ。こういうことだけは重々長官として御認識願つておきたい。  そうするとすれば、それが了解せらるるとすれば、少くとも十一月の一日以後においてこの国会を開かれては困る。少くとも十二月十日前に補正予算国会が済むのでなければ、これはもう通常国会にぶつかつてしまう。そういうところで制約されては十分な国会審議というものは果されない。こういう点も御了解を願つておきたいと思う。如何ですか。
  87. 福永健司

    説明員(福永健司君) 只今お話の、いろいろの点につきましては、これはよく服膺して善処をしなければならんと存じます。臨時国会召集期日等につきましては、先刻来副総理及び大蔵大臣から、いろいろ申上げましたことによつて了解を頂きたいと存じます。お話の趣旨の点につきましては、それぞれ閣議等におきましても、私から報告いたしまして、できるだけ御趣旨に副うように善処をいたしたいと存じます。
  88. 鈴木一

    鈴木一君 私この間ラジオの放送を聞いたのでありますが、首相がアメリカに行くについて旅費の工面中だというようなお話を聞いて、これは新聞記者のほうが間違つたか、官房長官のほうが選挙違反で頭が少し変になつたのじやないかという、そういう感じを持つたのですが、一国の首相が外国に行くについて旅費の工面中だというようなふざけた発表などはないと思うのですよ。問題は小笠原君の発言で尽きていると思うのです。もう少しはつきり問題の所在点を国民に知らせるのが政府の使命だと思うのですが、今後こうしたやり方については、議員の一人として、又国民の一人として、非常な不満と言いますか、あきれ返つたというような感じを私は持つておるのですが、恐らく国民の大半もそういう感じを持つておると思うのです。そういう点については、権威ある政府のスポークスマンですから、もう少し注意してもらいたいと思うのです。余りふざけた何じやなしに……。
  89. 福永健司

    説明員(福永健司君) 決してふざけているものではございません。言葉は受取り方によつていろいろ何でございますが、明確を欠いたように言われますが、先ほども申上げておりまする通り、明確にいつ行くとか行かないとかはつきり言えない状況でございます。それからいろいろのことが伝えられておるわけでございますが、私自体も、渡米等につきまして、私のほうからいろいろ言つていることは殆んどないのでございます。ただどうだと伺われますので、まだはつきりいたしませんというように申しております。そういう場合におきまして、はつきりしてないということに対しまして、それぞれやはりいろいろな見当をつけられる。その見当によりまして、積極的に、行くであろうと報ぜられる新聞等もございますし、又当分行かないだろうというようにも報ぜられる場合等もございます。そこに新聞によりまして若干のニユアンスが違うというようなことも起り得るわけでございまして、この種の問題につきまして、そういうようなことで誤解を生じておりますことは遺憾だと思いますが、できるだけ政府のスポークスマンといたしましては、すべてのことにはつきりし得ることは努めてはつきりいたして行きたいと思います。この問題に関する限りにおきましては、どうもはつきり言えるという状況になつていないという点は御了承頂きたいと思います。
  90. 鈴木一

    鈴木一君 むずかしいということは認めますけれども、行くなら行く、行かないなら行かない、或いは、又未定だということでいいと思うのです。いろいろ智慧をしぼつたのでありましようが、まるで漫才か落語の話のような、ああいう表現はやめてもらいたいと思います。
  91. 田畑金光

    田畑金光君 私も、今鈴木君からお話がありましたが、非常に外で見ていて、現政府のやつていること、或いは現政府における閣僚の態度等を見ると、非常にこれは残念に考えるわけなんです。今の官房長官の話を聞いておりましても、単に総理から何らかのお声掛りがなければ総理の意思も忖度することはできない。みずから内閣のスポークスマンとして積極的な意思表示も意見具申もできないで、ひたすら総理の心境を兢々として推測しておるに過ぎない。これが結局現在の政界を、或いは政治を暗くならしめている大きな原因ではないかと思う。元来、本年は正に凶害の年である。災害の年である。従つて当面の政治の問題は、如何に国民のこの災害から来る生活困窮に対して政治的な解決の途を図るかということが当面の政治の問題だと思う。而も奄美大島の復帰の問題も控えている。受入れ態勢は我が国はできていない。臨時国会は開かれないで、法律的な措置が開かれないからできないところに問題がある。こういうことを考えたときに、政府は積極的にみずから進んで臨時国会を開くべき熱意を示すベきであるけれども、何らのこれに対する努力のあとも見られない。ただこういう委員会に来て政府の言うことを聞いていると、その場限りの言いのがれ、責任のがれの表現で逃げて行つて、例えば行政機構の改革、行政整理の問題等総理から鶴の一声で出されると、各閣僚拳々服膺してその作業をやつている。こういう国民生活の安定の問題なんか第二第三にして、総理の声がかからなければ各閣僚とも何ら積極的な政治的な手を打つてない。今の官房長官答弁を見ても、正にその通りなんです。これではとても、国民のための政治なのか、吉田総理の独断的な意思に基く政治なのかわからない。こういうような点を考えたときに、新聞等でいろいろな揣摩憶測とか、新聞報道で行き過ぎた記事が時たま出るのだとかいうお話だが、これは政府自身の私は責任であると、こう考える。  この際一つお尋ねしたいことは、政府は先ず国民生活安定のための問題として、当面災害対策の問題或いは奄美大島の受入れ等、こういう重大な問題を控えているのだが、閣議において或いは政府全体の意向としては、こういう問題を取上げて速かに臨時国会を開くべきであるというような意思決定がなされているのか。それとも私がさつき副総理お尋ねいたしましたが、MSA援助、防衛力の強化の見通しのつかん限りは、アメリカの意思決定或いは承認を得るまでは、臨時国会は開かんのだ、こういうような肚でおるのかどうか。もう少し明確な政府の立場というものを一つはつきりしてもらいたいと思う。
  92. 福永健司

    説明員(福永健司君) いろいろの御注意は伺つておきます。だが、例えば奄美大島につきましても、御承知通り政府も、又国民も、挙げてできるだけ速かに復帰をさせたいということで希望もし努力もいたして参つたわけでございます。政府が怠慢で、ために遅れているというようにとれるお言葉もございましたが、政府といたしましてもできるだけのことはやつておる次第でございますが、現地に派遣いたしました調査団も、第一回の者はすでに帰つて参りましたのでございますが、現地その他の折衝等の都合で、まだ十一月一日にはちよつと困難ではなかろうかという見通しでございまして、怠慢のゆえの遅延ということではないのでございます。従いまして政府といたしましては、十一月一日に本当に返還が行われるというようにすべてが進捗いたします場合においては、これは国会はできるだけ速かに開いて、率直に申しますならば、十月中に何日か掛けて、十一月一日に返還されるのに処するようにしなければならんわけでございまして、そういうことも考慮いたしまして、従来補正予算等の諸般の作業が若干遅れるにしても、そういう問題からするならば、今御指摘のようにその問題で国会を、補正予算の提出が若干遅れても、それより前に召集するというようなことも、もとより考慮いたしておつたわけでございます。ところが実際の諸般の折衝、諸般の折衝と申しますのは、現地においてもやつておりますし、東京においてもいろいろやつております見通しから行きまして、ちよつと十一月一日では困難というような状況になつております。でございますから、副総理の申しますように、そういつた事態が急転回をしてというような場合におきましては、又これに善処するように、できるだけ速かにその意味での国会召集の日を早めなければならんということは、只今といえどもその熱意は私どもは持つておる次第でございます。
  93. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 田畑君でも誰でも疑問に思うことは、政府が、怠慢でいることではございません。ところが、ちよつと総理が行き兼ねるような事態になりまして、十一月の一日には間に合わないようである。が併し、それが九天直下解決すれば、間に合うようにもなる。何を言つているのか私たちは聾棧敷でいるのでわからんが、具体的にその問題点というのは何だかそれを話してもらえば、ははあというふうにわかるわけなんですが、何ですか、それは……。
  94. 福永健司

    説明員(福永健司君) 只今の点は、最初に調査団等を出しましたときには、でき得べくんば話のありました十一月一日、即ち今まで言われております最初の、一番早い機会でございますが、それに間に合えば一番いいのだというので、そういう意味での調査団等をやつたわけでございますが、現地に行つて、沖縄のほうと折衝したりいたしました経過から見まして、十一月一日ではまだ困難だというような報告も受けておるわけであります。そういうような点からいたしまして、十一月一日に返還されるということは困難ではないかと、こう思つておる次第でございます。どういう点と申しますと、私その点正確に一々申上げ得ないのでございますが、事務的に非常にいろいろの問題がございます。これらを包括いたしましての事情ということに御了承頂きたいと思います。
  95. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは奄美大島を管理しておられる米軍と申しますか、米国のほうの関係で、ちよつと時期的にそれでは困るのだという事態が起つておるということですか。
  96. 福永健司

    説明員(福永健司君) いろいろの折衝が、それまでには全部完了というところまでは行きがたいということでございます。
  97. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 向うとしては十一月一日には引渡していいのだということは確定しているわけですか。これはただ単に事務的な手続ができた時期においてやればいいのだというふうになつているわけですか。どつちなんですか。
  98. 福永健司

    説明員(福永健司君) いろいろなことが全部完了する、即ち引渡し体制、受入れの体制、これが全部完璧な姿になれば、十一月一日以降できるだけ速かに返還しようということになつているように私どもは理解をいたしております。
  99. 江田三郎

    江田三郎君 聞いておつても一向わからんのですよ、何を答えているのか。いろいろのことをいろいろに言うだけで、いろいろの結論が出ていろいろに解釈されている。そういうことを何遍聞いたつて仕方がないのですが、さつき大蔵大臣のほうは、今月中に災害を含めた補正予算ができると言い、そして官房長官も、吉田総理大臣の儀礼的な、あなたの言われる儀礼的な渡米なり渡欧なりによつて国会召集を遅らさないようにという小笠原君の言うことを十分服膺いたしまして、ということなんですから、その面からの障害はない。奄美大島の問題は、事務的なことがどうあろうと、今度の国会召集奄美大島だけのために開くわけじやない。大体は、災害の問題が一番大きい問題でしよう。そうするとあらゆる条件を、あなたが言ういろいろな問題をいろいろに考えても、今月中に臨時国会は開けないという積極的な理由はないわけですね。
  100. 福永健司

    説明員(福永健司君) 御承知通り小笠原大蔵大臣が言いましたのは、予算の諸般の作業が済んで結論が出るのが今月中という意味と私解釈いたしますが、国会召集いたしますまでには、議案等も勿論完成さしておかなければなりませんので、大蔵大臣が申しました結論が出てからも、御承知通り事務的に、やはりそれから若干日は印刷その他にかかるという事情は御承知通りでございまして、そういうような意味を加味して恐らく副総理小笠原大蔵大臣の申します今月中に予算結論が出るということと若干の日のずれを言つたのではないかと、私は先ほど聞いておりまして、そういう解釈をいたしております。
  101. 江田三郎

    江田三郎君 若し今のように印刷の関係とか何とかということなら、そんなものはやろうと思えば直ぐできるわけです。そうすると副総理の言うように、そういう場合も、十一月の半ば頃ということにはならんわけです。一体あなたがた何人か出て来て、問題をわからんようにわからんように持つて行こうとしているのじやないですかね。或いはそうでなしに、我々にここで言えない何かまだ隠れた大きな問題があるのか。MSAの理由かと言えば、そうでもないようた。渡米を聞いてみると、これはまあ官房長官の解釈では儀礼的渡米のように思う。何にも理由はないじやないですか。法案の印刷だとか何だとか、災害も今始まつたことじやないのですから、災害の政令なんかも、もうきまつているということですから、そんなことはもう今からでも直ぐ法案なんというものは整理できるじやないか。ただ数字の問題があるけれども、数字の問題も大蔵大臣が今月中にできるのだと言つている。それをなおあなたがたのほうで、はつきりできないという理由は何があるのですか。
  102. 田畑金光

    田畑金光君 ちよつと関連いたしますが、今のお話の通り、どうも答弁を聞けば聞くほど、どれを取つていいのか不可解に堪えない。先ほどの副総理答弁では、臨時国会召集が遅れるのは、実体としては補正予算編成が間に合わないのだというようなお話であります。従つて大蔵大臣答弁によると、月末までには補正予算についてはめどがつくということになつて来るならば、当然に臨時国会召集の時期というものは、いつ頃までにはできるのだと言うことが出て来ようと思うのであります。  それから又私の質問に対しまして、今官房長官奄美大島の返還の問題を中心として答弁なさつたのであります。その答弁によると事務的な処理さえつけば、いつでも受入れられるのだ。この点から申しても臨時国会召集の時期はどうなければならんかということはおのずから出て来ようと思います。で、我々今考えても臨時国会というものは奄美大島の返還の問題だけじやない。又災害対策の問題だけでもない。これらを含めた重大な政治的な問題に当面している。従つてこれらの諸般の問題を考えたとき、十一月早々には当然にこれは開かなくちやならんし、開き得る条件にあるのだということになつて来ると、荏苒として十一月の半ば頃だというような政府答弁というものは我々としては非常にわかりにくい。  若し今のお話のように、単に印刷に廻すとか、事務的な都合のために日を要するとするならば、それがなぜ二週間もかからなければならないのか。若し又政府のほうにおいて実際に災害問題の対策が緊急を要する。或いは奄美大島の返還の問題が緊急を要するとするならば、今月の下旬から来月にかけて当然にこれは召集するのだということが明確に言明されて然るべきと思うのだが、どういう所に一体副総理答弁官房長官答弁と食い違うのか。こういうような点には閣議において政府において、何らの方針が確立されていないのかどうか、この点を明確に一つ、官房長官答弁願いたいと思うのであります。
  103. 福永健司

    説明員(福永健司君) 閣議におきましても、まだ何月に召集するかということは結論を出してはおりません。で、食い違いというようにお話があつたのでございますが、私は実は小笠原さんの言われる、つまり十月中に結論が得られるというような意味の表現のように先ほど聞いておつたのであります。一方緒方さんは十一月中頃という言葉を使われました。そこに若干の日の違いがあります。そういうことの一つとして、まあ結論を得ても、それから計数整理、印刷等につきましては、実際問題といたしまして過去に幾たびか経験いたしておりますが、この前の国会にも、実は私こちらに参りまして、できるだけ早くいたしますということで予算の提出等に、印刷も昼夜兼行でやつてもらいましたような事情もあつたのでございます。今度もさようなこともできるだけ速かにやらなければならないと思いますが、これは二人の言われたことを、私がその日の若干のずれを説明するのに、それが直ちに今の日の違い、それくらいは違うのだという説明にはならんと思います。たしかならんと思います。もつとその間が接近してよいように私自身も考えますが、これはまあ私の見方でございますが、いずれにしましても補正予算のほうが早くできれば、できるだけ速かに召集すべきものだということに私ども考えておる次第であります。
  104. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 さつき私は、技術的に参議院としては半月以上の最低の予算審議期間を持つように国会を開くようにしなくちやならんということを言つた場合に、よく服膺して云々ということで、これは承知しておると私は思つた。それが承知されるとすれば、少くとも衆議院のほうはそれ以上の日程を持つていないというと、実際参議院に廻つて来ても、この前の国会であれだけ約束しておつたことでも、参議院予算審議は遅れた。それから言えば、政府政府の都合だけで国会召集をして、限られた日程を以て国会は何でもかんでも審議すればいいのだというようなやり方でなく、やはりこれは立法府の立場というものも、こういう主張がある限りは認めて、最低一カ月なら一カ月というものが、国会が開かれるというような状態にならなくちやならんだろうということで申上げて、それが大蔵大臣のほうでは、補正予算のほうの問題が決着することが今月末だと見通しを付けて作業を進めていると言い、緒方さんのほうは、大蔵大臣のこの予算ができれば、他の問題は今国会として大きな問題はあるわけでもないから、それで大蔵大臣に聞いてくれ。こういうことで出た問題だ。  そこでさつきから、ほかに大きな問題があるだろう、あるだろうと言うが、あるのですよ。けれども、私たちはそれは聞きたくないから黙つて聞かないでおるだけのことである。何も吉田さんが渡米するために旅費の工面が必要なだけでなくて、国会対策上旅費の工面が必要なわけでしようが、いわゆる改進党なら改進党との間に、大蔵大臣もさつき個人的な意見だとおつしやつたように、予算についての了解も得られるような話合いも改進党との間に進めなければならん。その進める前に基本的に改進党との間に政局安定について、防衛力の漸増だろうが、急増だろうが、実際懸案の問題について恰好がつかなければ、早期国会召集は困難という見通しを立てて全力を注いでおるのでしよう。そのことが大きな障害になつておるのだろうと思うのですが、我々はそういうことは聞かない。聞かないで、時期的なただ技術的な問題を聞いておるので、そうして腹の中では、ここで十一月中旬だと言う人もあれば、十月下旬には大体見込が立つと言う人もあれば、こういう不統一なことであれば、政局安定の見通しについても、各閣僚は不統一だ、見通しについて……。それから官房長官もその中をとつたような恰好で、十月下旬から印刷その他で、いずれは十一月に越えるだろう。併しそれは中旬ということでは少しずれ過ぎておる。私もどうも統一していないように思うなんという、誰かよその人のようなことを言い出したりしておる。  で、端的に伺いますが、この改進党工作が、渡米を控えての政局安定は、いつ頃までにその工作が完了するという見通しですか。そのほうが早いですよ、早期国会を開くということの見通しを聞くのには……。そう聞かれると、そんなことは私存じませんと言うだけのことだろうと思う、官房長官は……。だからそこのところをはつきり見通しを付けて、この際大蔵大臣もそう言えば、或いは緒方総理もそう言つておるのだから、官房長官は、私としては十月下旬、遅くとも十一月早々に国会を開くように努力したいとばんと言つて、そつちの工作は自由にしたらいいじやないか。この点だけを最後的に一言聞いておく。そのほうが早い。言われる答弁を聞いて、それで今日は私は終りとする。(「明確な答弁をやれ」と呼ぶ者あり)
  105. 福永健司

    説明員(福永健司君) どうも、何日ということは閣議等もやつておりませんので申上げにくいのでありますが、(「閣議は生き物だよ」と呼ぶ者あり)いろいろ皆さんのお話の点も伝えまして、できるだけ閣議等でも、正確にいつ頃召集するかということの見解の統一もいたしたいと思います。その際只今のお話のような御趣旨も十分に伝えておきたいと思います。
  106. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それでは、ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止
  107. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 速記を始めて。  それでは本日の大体の御相談申上ぐベきことは、これを以て終了いたしたと思いますが……。
  108. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 政府側に対しての質疑は私後で……。  それで、私意見が一つあるわけでございます。それでこの意見については、前の庶務小委員会でも、私は唐突な議題とすることを避けまして、各会派においても相談して意見を出してもらいたいということを申上げておいたのですが、ところが今のこの政府答弁から見まして、私は基本的には、やはり早期国会召集せよという要請参議院としてもすべきではなかろうかというふうに考えます。で、この点は、先ほどからの質疑の過程で明らかになつたように、協力して頂ければ、少くとも十月下旬には一切の作業を完了して、十一月の一日から国会を開いて行くということは不可能ではないのではないか。こう考えますので、衆議院としても、議長を通じて国会早期召集について政府に申入れ等もいたしております。が、案文等は、事務当局で正規に練つて頂いて諮つて頂きたいと思いますが、少くとも水害冷害、こういう災害対策樹立のために、時期は十月下旬には少くとも国会を開くと、或いは十一月一日から国会を開くということでもようございますが、そういうような要請をする手続をとるべきではないか。そうなれば、閉会中の議院運営委員会で、そういうことの権限如何という問題も又起ると思います。それで若しも権限上差支えがないという場合の一案としては、この議運で決定をし、議長の職権において早期国会召集要請を是非する。若しも権限上如何かと思われる点がございますならば、会派の勢力を見て、そうして会派の勢力によつて四分の一以上議員数が構成せられるという状態を見ましたならば、その手続によつて要請をするなり、これは私は手続には、まあ法律上のことはわかりませんけれども、二通りあるのではないかと思います。それでどつちの方法をとるかということは、十分会派事情もあつて検討を要することでございましようから、強いて私は即戦即決、この問題に結論を出せとは申しません。けれども、早期国会召集要請をすべきであるということは、議題として扱つて頂きたい。扱えない問題であるという法律上の問題があるならば、各派交渉会としてこの問題に結論が得られるように善処して頂く。これが第一点。  それから第二の点といたしましては、それにしましても、十一月からの国会になり、或いは十一月中旬からの国会になるという情勢である場合に、参議院としましては、衆議院も最近頻繁に水害冷害のための委員会を開いておりますが、特に当院としては、このことについてはもつと善処せらるるように調査をすべきではないかと考えます。ところが閉会中でありますと、議員の出席常ならずというような状態もあり、各人の予定もあるために、三日とか四日とか短期な委員会召集して結論が得られる、或いは完全に政府との間に意見の一致をみられるというような域にまでは達しない。その日その日、言葉は俗で恐縮ですが、ごまかした単なる説明なり、或いは報告なり、質疑なりで済んでしまつて、国民の要望に応えるということには遥かに遠いように思う。  従つて私は、こうなりましたら、参議院としましては、大体十月の十五日から、二十日なら二十日までの間の適当な時期をとつて、今月の何日頃から、大体五日間なら五日間程度は、関係常任委員会はそれは一斉に委員会を開いて、そして対策を樹立し、政府を鞭撻すべきである。こういうふうな申合せでもできることであれば、これは各派交渉会の性格を持つ議運として、それが仮に行き過ぎであるというなら、これも各派交渉会で申合せをして、そして議長要請し、議長は常任委員長にそうしたことを要請する。各会派は常任委員長を持つておりますし理事を持つておりまするから、各常任委員会で自主的な相談の上、時期を揃えて水害冷害に関する関係委員会を開いてもらえるならば、会派対策樹立もでき、そのときにおいて十分な論議もでき、国会としては結論が得られる。こういうふうにも思つているんです。これは法律的に、手続上各種の問題があろうと思いますから、事務当局に十分意見を聞いてなし得る方法をとつてでも、実質的に私の考えるようなことが実現されることを希望しているわけです。これは議運のかただけでの相談ではまとまらんことでありましようから、会派意向というものも持ち寄つて結論が得られるようにいたすベきであろう。  この二点について、私は議運ということでいいならば、議運の議題にすることを提案いたしますし、それができないというならば、各派交渉会に切替えて相談して頂くように、特段に自由党さん或いは大会派緑風会さんのほうに御相談を申上げます。
  109. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今小笠原君の御意見に対しまして、先ずこれを法律的な事務的な検討を、事務次長から一応見解を承わることにいたします。
  110. 河野義克

    参事(河野義克君) 今小笠原さんのおつしやつたことは、二点に分れると存じますが、そのうちの第二の点、つまり或る特定の時期から成るベく各委員会、或いは水害冷害等関係のある各委員会は一斉に開いて云々というお話でありますが、これは議院運営委員会として、そういうことが望ましいという意思決定をなさることはできないことではないと存じます。それでただそれが直ちに法上の効果を持つとか或いは常任委員会を拘束するということにはならないと存じますが、議院運営委員会が各派の交渉という機能を持つておる関係において、議院運営委員会の意思を各常任委員長が尊重されてそれに従われるであろうという状態が出て来るというだけの実際的な効果があるだろうと思いますが、そしてそういうことを御相談なさることが必ずしもできないということはなかろうかと思います。勿論それは各派交渉会という恰好で開くこともできないことは無論ないと思います。  それから第一点の、国会の或る時期における召集を議院運営委員会として要求するということにつきましては、これに反して相当疑義があると思います。憲法の五十三条は「いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を」と、その前を受けて臨時国会でありますが、臨時国会の「召集を決定しなければならない。」ということになつております。換言いたしますれば、参議院の場合には参議院の議員の定数の四分の一、六十三名以上のかたが臨時国会召集を要求せられるならば、時期的にはともかく、開かなければならないということについては、法上政府が拘束せられると現在解釈せられております。そうして憲法が明文を以て総議員の四分の一にそういう権限を与えている以上、それ以外の方法において明文がない場合において、例えば議院運営委員会において、そういう決議をしたということの場合において、憲法上そういう法的な効果を持つとは言い難いと思います。又そういうふうな法的な方法が規定されておりますから、閉会中の議院運営委員会において、そういう法的な効果を持たない決議をなさることは妥当であるまいということも言われ得ると思います。  それじや各派交渉会という問題になりますが、これも端的に申しますれば、議員の四分の一以上を構成し得る会派が、議長主宰と、そういうことでなしに、お話合いになつて連合して出されれば、それだけの法的な効果が直ちにあるわけでありますが、そのくらいのものが、普通の途だろうと思います。これを議長が主宰せられるということについては、若干の疑問があるかとも思いますが、そこらの点も十分ここで御相談願つておきめ頂いたらいいと思います。議院運営委員会で議決されるということが妥当でないというところまでは、法的に或いは事務的に申し得られると思います。
  111. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は、早期国会召集の議決を議院運営委員会でやることは妥当でないという言葉であれば、それはその通りだと私は考える。妥当であるとかないとかという範疇でなくて、法律的な効果という部面から言えば、私は事務局長の言う通りだと。ただ政治的な扱いとして、議院運営委員会の各派交渉会というような考え方も濃厚にあると思う。而も各会派が全会一致する。これは要請であるということで反対がない。こういうような形にある場合においては、院として、議長としても、これを押して政府要請するというようなことは、私は政治的な扱いとしては何ら差支えないと考えております。で、ただ法律上効果があるからと言つても、それは単に開かなければならないことを決定するだけのことでありまして、始まる時期が如何ようであろうと、それは政府の勝手だ。四分の一以上の要求があれば、それを院の意向としては十月下旬早々に開いてもらいたい、十一月の上旬早々に開いてもらいたいが、こういうところまで附帯して政府要請するということであれば、私は全会一致の意向として結論が出るならばですよ、出るならば、これを議長から政府に伝え強く要請するということのほうが、効果としては、今の政治情勢から言つてはあるのじやないかというふうにも考えます。  で、そういう扱いになるんだということになれば如何ですか。
  112. 河野義克

    参事(河野義克君) 小笠原さんのおつしやいましたように、法的な効果がない。それは申上げた通りでありますが、そういうことを扱つても、妥当でないということは必ずしも言えないのじやないか。且つ実際的にはそれのほうが効果があるのじやないかという段になりますと、私が申上げたことも御参考にして頂いて、皆さんが十分にここで御相談を願つたほうがいいと思います。私といたしましてすでに妥当という言葉を使つておるように、それは法上できないというふうには考えないで、ただ法規の問題でやかましく言えば、議院運営委員会としては議院運営に関する事項を所管しており、且つ本日、本委員会が持たれたゆえんのものは、議院運営委員会が継続審査として議院運営に関する審査という事項を継続審査しておるという、普通から言えばちよつとおかしいのでありますが、そういうことで開き得るわけでありまして、一方参議院規則に議院運営委員会と図書館運営委員会は何どきでも開き得るというような規定と、かたがた併せて、そういう継続審査事項を持つているので本日委員会を開き得たわけであります。  それで臨時国会召集する、或いは召集を要求するということは、議院運営に関する事項であるというようなことに考えて行つて、それが法上できないことではないということも言えると思います。ただ法的な効果とか、いろいろな問題にもまあありますし、それが妥当であるかないかというようなことにつきましては、前段申上げましたように、ここで十分議員の皆さんで御検討願いたいと思います。
  113. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は法律上継続審査になつておる議院運営に関する調査という問題から、それが早期臨時国会召集結論を出して外部に働きかけるというようなことは、法律上如何かという意見については、又私は異なる見解を持つています。私はそういうこと自身が、院の運営と申しますか、それが運営というなら、又院の活動ということをも一つの範疇に入るのじやないかと思うので、今の情勢において、そういうこともできないのだということになれば、国会の自主性というものはどこにもないように思う。院の運営、院の活動を促進すると申しますか、旺盛にすると申しますか、そういう意味から言つても、私は早期国会召集という結論をこの議運として出すことは必ずしも法律上いけないことだとは考えない。ただ私は飽くまでもこれは拘束ができる、相手を拘束するものだとは考えないという点において政治的な扱いを要すると思う。だからその点については、どこかの特定の会派がそれは私は話に乗らぬというようなことになれば、多数を以つてこれを決するというような問題にはなり得ないものかどうかというふうに慎重には考えるわけです。従つて私としては各派交渉会なら交渉会という形ででも全会一致、よかろうという意向が出たら、それに基いて院の代表をするものは議長なんだから、議長政府に政治的に要請をするということは私は何ら差支えないことである、而もそのことが相手に対して法律的な効果として拘束することができない以上は、私はそれぐらいのことやつてやれないことはない。  それから四分の一以上の要請ということについても、各派交渉会で話して、私はその話に乗らせる、乗せるまで、よほどのものになつたときは、四分の一六十三名なり、四名なりまとまる会派があれば、それの手続をとつて要請する、これはこれで私はいいと思う。  いずれにせよ、目的とするところは、私はここに端的にお伺いしたいことは、早期に議院としては国会召集してもらわなければならないのか。政府にそれは任してよろしいとするのか。この点についてだけは、それぞれの会派においても責任を持つて話合いをしてもらいたい。いやその必要はないんだということであれば、我々は効果が上らんことなんだから、別途の方法を以てするか、端的に言えば寺尾さんのほうでその形式的な、そういう扱いを各派交渉なり何なりというようなものでやつて行くことについて、本部のほうからお叱りとか、各般の障害があるとするのか、まあ水害冷害についての緊急処理の都合上、国会を早期に開くという態度ならいいんじやないかということになるのか。こういう点は相談して頂きたいと思います。
  114. 寺尾豊

    ○寺尾豊君 私はやはり事務次長の法的見解は見解として、それを反駁する僕はそれほど玄人ではないけれども、常識論から言うと、現下の客観情勢等から考えて、小笠原君の説に私は全く同感です。議院運営を我々が責任を持つておる。先ほど来言われた通りなんです。それが今の客観情勢で、而も議長を通じて各会派を代表するお互いができるだけ早く議会を開いてくれ、国会を開いてくれということは、これが言えなかつたら、議院運営委員会として何の信念があるか、私はこういう見解をいささか私は、法的根拠は明かにはできませんが、先ほどの次長の見解とは、私は常識的に違う。  こういつた点について法制局長の一つ意見を聞いてみたい。
  115. 奧野健一

    ○法制局長(奧野健一君) 今、次長からもお話があつたのですけれども、私は議院運営という広い意味から言うと、早期国会召集希望するといつたようなことはやはりやつてもいいんじやないか。更に法律的に政府を拘束するというようなことは、勿論憲法五十三条によらなければならないと思いますが、そういつたような希望、意思の表明といつたようなことをやりまして、政治的な意味において議長を通じて申入れをするといつたようなことは、やはり広い意味の議院の運営ということで、政治的にいつて禁止されている事項というようなことではないのじやないかと思います。
  116. 田畑金光

    田畑金光君 私は、先ほど自由党の寺尾氏の御意見がありましたが、この御意見に私も全く同感でありまして、憲法五十三条の問題は、一つの対立というものが前提となつて、例えば四分の一以上という一つの条件が附せられておるのだ。こう法律的な解釈をせざるを得ないのじやないかと思います。ただ現在のような客観的な情勢と申しますか、各会派が満場一致、臨時国会召集すべきであると、こういうような客観的な条件が成熟している以上は、本委員会においてそのような決定をなして政府に申入れること、可当然これは議運としてもやらなければならんことだし、やり得る権限内にあると考えているわけであります。この問題に関しましては、例えば当面の問題である冷害地帯の出身の国会議員等が寄り寄り集まつておりまするが、これは、もはや党派の問題ではなくして、当然に臨時国会早期召集政府に申入れるべきである。こういうような決定を見ておるわけでありまして、私は、やはりそういうような一つの客観的な条件等も考えましたときに、法律的にはとにかくといたしまして、少くとも政治的な価値、こういうような面から見ますならば、本委員会において、早期臨時国会召集の申入れを政府になすことを決定すべきである。決定して頂きたい。又当然なし得る措置であろうと考えます。
  117. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  118. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 速記を始めて下さい。  それでは、本日のいろいろの問題につきまして、なお議院運営上、本日は随分遅くなりましたので、更に各派の態度を御決定を頂く意味におきまして、明日午前十一時から開会いたしたいと思いますが、御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それでは本日は、これを以て散会いたします。    午後四時三十八分散会