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1953-07-20 第16回国会 参議院 議院運営・建設連合委員会 第2号 公式Web版

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  1. 中央機関施設整備促進法案(衆議院 (会議録情報)

    昭和二十八年七月二十日(月曜日)    午後二時二十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。   議院運営委員    委員長     草葉 隆圓君    理事            寺尾  豊君            杉山 昌作君            相馬 助治君    委員            石村 幸作君            上原 正吉君            加藤 武徳君            剱木 亨弘君            赤木 正雄君            加賀山之雄君            上林 忠次君            菊川 孝夫君            最上 英子君            千田  正君   建設委員    委員長     石川 清一君    理事            石井  桂君            石川 榮一君            三浦 辰雄君    委員            小沢久太郎君            高木 正夫君   —————————————    副議長     重宗 雄三君   —————————————   衆議院議員            今村 忠助君   政府委員    首都建設政務次    官       木村 守江君    首都建設委員会    事務局長    町田  保君   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    参     事    (事務次長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (庶務部長)  佐藤 忠雄君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   衆議院    参     事    (第二部長)  鮫島 真男君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○中央機関施設整備促進法案衆議院  提出)   —————————————
  2. 委員長(草葉隆圓君)(草葉隆圓)

    委員長草葉隆圓君) 中央機関施設整備促進法案につきまして、議運並びに建設連合委員会只今より開催いたします。
  3. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 私は、先ず以て提案者質問がありますが、提案者がまだ見えていませんから、時間の都合上、関係政務次官が見えていますから、政務次官にお尋ねします。  土地収用法に対して、政務次官のお考えを伺いたい。
  4. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) お答え申上げます。  この土地収用法の、いわゆるこの法案提出いたしました理由は、極めて突如でありまして、而も穏当を欠くというような御非難の点もあろうかと思われますが、かような状態に立ち至りました経過を簡単に申上げまして、御了解を得たいと考えております。  御承知よう中央官衙地区整備に関する計画は、首都建設委員会におきまして昨年の七月九日に官報を以て告示いたしたのであります。ところがこの中央官衙地区の中の国会の周辺の問題につきましては、当議運庶務小委員会において、参議院の営繕に関する係より十五国会の終りに報告がありまして我々参議院庶務小委員といたしましても、これを満場一致承認いたしたのであります。それは御承知よう霞ヶ関中央官衙地区整備地区といたしまして、霞ヶ関の半分程度は大体国会中心とした敷地でありまして、この国会中心とした敷地の中には、国会として相応しいよう建築物をしようというようなことでありまして、それには御承知よう国会センターというものを作るというような御報告がありまして、これを承認するに至つたのであります。  ところが最近になりまして、突如として只今のこの通用門の入口の近所に、砂防協会会館というものが建つというような、建築認定申請が東京都にあつたということを聞きまして私どもは実は愕然といたしたのであります。それは何故かと申しますと、先に首都建設委員会におきまして中央官衙地域整備に関する計画として発表しており、又国会におきましても、国会センターの最も大事な部分として、我々国会議員が承認しておつたのでありまして、そこに恒久的な、而も国会よりも、もつと堂々たるような高い建物を建てるということにつきましては、どう考えましても、国会の尊厳の上から考えまして、又首都建設委員会の私、一責任者といたしましても、このまま黙過することはでき得ないというよう考えを以ちまして、どうしても、いわゆる建築認可申請者でありますところの、その責任者の一人でありまする赤木さんに対しましては、これは私個人として一応お話を申上げまして、建設省といたしましても、次官を通じて、赤木さんにはお話を申上げたのであります。ところがどうしてもなかなか聞き入れてくれないというような事情に立至りましたので、どうしてもこれはやめてもらう以外に方法はないということになりまして、極めて皆様方納得でき得ないようなことであるかも知れませんけれども、かよう法案によつてでも、この地歩を確保いたしまして、そうして中央官衙地区整備に関する計画を全ういたしたいと考えるのが私の考えであり、又提案者考えでもあり、又我々が曾つては、議運庶務小委員の一人といたしまして、こういう計画を立てました一人の委員としての責任でもあろうと考えておる次第でありまして、その点御了承の上御審議を願いたいと考えておるのであります。
  5. 委員長(草葉隆圓君)(草葉隆圓)

    委員長草葉隆圓君) なお提案者今村忠助君が只今お見えになりました。御出席になりましたので、御報告申上げます。
  6. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 先ほどの私の質問に対して、政務次官がなんらお答えになつていません。従つてそれを重ねて聞きますが、折角提案者が見えましたから、提案者に一言私お伺いしたい。  私の先ずお伺いしたいのは、民主主義と言えば、最大公約数万事を決定することかも知れないけれども、併し無理を押して最大公約数で決定する必要はない。無理をして最大公約数で決定をすれば、いわゆるフアツシヨです。これはいわゆる皆様前憲法時代に、日本を戦争に持つて行かした一つの原因である。こういうことも肯けるのであります。従つて一つ法案をやるという場合には、無理のないように、殊に強引に万事を処置すべきものではない。これが私民主主義のルールだと思います。  これに対して提案者意見を承わりたい。
  7. 衆議院議員(今村忠助君)(今村忠助)

    衆議院議員今村忠助君) 私も、さよう考えております。
  8. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 私の考え提案者考えと全く一致していますから、この点は私も非常に諒といたします。次に政務次官に承わりますが、土地収用法に対する、土地収用法とは、どういう観念を以て発布したのか。先ず工地収用法に対する政務次官のお考えを承わりたい。
  9. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 只今の御質問でありまするが、実はこの法案は、土地収用法にかけるよりも、都市計画法によつてつたほうがいいのじやないかというような説もありましたが、御承知ように、都市計画法によりますと、いわゆる他人権限を強力に制限するような恰好になつて参りますので、それよりは、土地収用法によつて、いわゆる首都建設委員会中央官衙区域というものを事業認定によつて、いわゆる土地収用法によつて土地収用する方法が最も妥当ではないかというよう考えから、私どもは成るべく他人権利を制限しないよう方法考えまして、かよう方法考えたのでありまして、勿論私はこれは提案者じやありませんが、ちよつと提案者よう説明をしましたが、私は、そういう考えじやないかと考えております。
  10. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 私は土地収用法精神を聞いております。今政務次官お話は、土地収用法精神は少しもお話になつていないのみならず、土地収用法によると、権限を以て他人権利を云々とおつしやいましたが、先ずその間に不合理な点があります。もう一度政務次官に、土地収用法とはどういう精神でできておるものか。それを承わりたい。
  11. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 土地収用法に対する答弁は、私からすべきものじやないと考えますから、答弁いたしません。
  12. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 この法案土地収用法と非常に密接な関係がありますから、答弁は、これは政務次官がなさるべきものと思います。委員長、然るべくお取計らい願います。
  13. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 私は、この法案提案者ではありません。
  14. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 この法案提案者はほかにいましても、この法案首都建設委員会とは密接な関係がありますから、関連して政務次官に伺います。
  15. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) この法案首都建設委員会のいわゆる中央官衙区域の問題につきましては、関係のあることは御承知通りであります。私はこの法案通過上つて、少くとも首都建設委員会といたしまして、決定した方針の通りに、一応官衙区域を設定いたして行きたいと考えております。併しながらこの法案は飽くまでも私ども提出いたしたものではありませんので、いろいろ詳細の点につきましては提案者が参つておりますから、御質問下さるようにお願いいたします。
  16. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 私は仄聞するのに、政務次官は、この法案是非とも通過させねばならん。こういうことを方々で言つておられたことをよく承知しております。その観点から、若しこの法案提案者でなくても、関連していますから、御答弁なさるのが至当だと思います。
  17. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 只今赤木先生から申されました通り、私は首都建設政務次官といたしまして、この法案以外でも、若しも首部建設委員会計画を遂行する方法があつたたらば、どんな方法にでもよりまして、いわゆる首都建設委員会で立てました計画を遂行いたして参りたいと考えております。ところが、首部建設委員会計画を遂行して参りまするために、最も穏当で最も適切なる方法は、この方法以外にはないと考えたのであります。特に先ほど申上げました通り、私どもは、この問題の解決につきましては、こういうよう法律を作る前に、いわゆる紳士的な話合いによつて、若しも決定できるならば決定いたしたいと考えたのではありまするが、御承知ようにこの中央官衙地区において問題になりました砂防協会会館問題打開の取下げはなく、その他一万八千坪近い土地がありまするので、そういうよう土地を確保して、所期目的を遂げたいというよう考え方から、この法案通過によりまして、而して私どもの責務を遂行いたしたいと考えておる次第であります。
  18. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 政務次官は、最も穏当に目的を達するためにこの法案出した。こういうふうな御答弁で、この土地収用法については少しも御答弁がない。その精神については……。そこで土地収用法を御承知ないのですか。
  19. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 私は、そういう質問に対しては答弁する必要がありません。
  20. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 若しも、少しでも政務次官土地収用法声承知になるならば、今のような御答弁はできないはずなんです。と申しますのは、土地収用法は、もつと穏当な方法首都建設委員会目的通りにできるのです。それ声不穏当方法目的を達しようとするのがこの法なのです。この間の相違はおわかりがないのですか。
  21. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) ちよつと只今質問の趣旨が、私はわかりませんが……。
  22. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 もう一遍言います。土地収用法ならば、もつと穏当の方法目的通りにできる。併し不穏当方法目的を達しようとなさるのが、この今提出法律なのです。こういうふうに言つているのです。
  23. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 只今の御質問ですが、これはちよつと赤木さん的を外れておりはしないかと思うのですが、これは私に聞くべきじやなくて、提案者に聞くべきじやないかと思うのですが、私といたしましては、どういう法案によつてでもよろしい。最も妥当な最も穏当な方法によつて首都建設委員会としての使命を全うするような結果を得られればそれでいいというよう考えを持つておるのでおりまするが、幸いにこういうよう法案が出ましたので、その法案によつてでも、速かに通過してもらつてども所期目的を貫徹いたしたいと考えておる次第であります。赤木さんの言うところによりますと、この法案よりも、もつと穏健な妥当な方法によつて土地収用することができるのだというような話をなさつておりますが、土地収用するということにつきましては、私はみんな同じじやないかというよう考えも持つておりますので、どうぞ、こういうことは赤木さんのような専門的な知識のあるかたがたにとりましては、非常に不可解な不穏当よう法案考えられるかも知れませんけれども、いずれにいたしましても、最初から私が申しております通り、こんな法案でも出して、そうして今差迫つた急場をしのがざるを得ないというような私ども考え方も御了承願いたいと思います。
  24. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 私はなぜこの法案不穏当と申しますかというと、木村政務次官お話しても、要するに土地収用法を十分御理解になつていないと解釈するから、止むを得ないから、私は言いますが、仮にこの法案土地収用法規定している土地収用に対する認定土地認定にすぎない。この法案によつては、土地収用はできない。仮に今あなたがこの法案出して、これを通過させましても、どんどん事業者仕事ができるのです。なぜ仕事ができるかというならば、土地収用には認定とそれから無論、事業者はどういうふうに仕事をするかという計画を十分に出しまして、そこで初めて土地収用ができるのです。それはいつなさるか知りませんが、この法案はいわゆる土地収用法特殊方法言つてもいい。土地収用認定だけを定めた法案です。これをやつて、いわゆる土地収用法による認定の手続を略して、認定に代る法案作つたにすぎないのです。でありますから、この法案を作りましても、土地収用ができるか。それは何らわからない。来年仕事をなされば、そのときに土地収用法を適用できましようが、或いは十年先二十年先、それまでに土地収用に、事業計画をお出しにならなければ、何ら土地収用はできない。だからその間に仮に企業者自分土地に家を建てようと思つたら、差支えなしに建て得るのであります。そういうようなことのできる法案である。それを私は言うのであります。でありますから、何もこの法案をお出しにならなくても、土地収用法でも、十分目的を達しようと思えばできる。それをなさらないところに、どういうわけが判るのか、その点から、今政務次官のおつしやつたことは全然当つていない。いわゆる無理な法案をお出しになつているに過ぎない。  言い換えるならば、さつき提案者民主主義によつて成るべくうまく法案を作る。而もフアツシヨにならないよう法案を作るのだ。その精神に、或いは反しはせぬか。殊に国会、而も議員立法たる限りにおいては、なお更無理のない法案を出すのがお互いの責任だと思う。その責任観念からみましても、無理にこの法案をお出しにならなくても、土地収用法でも十分目的が達し得るのであります。これを私は伺いたい。
  25. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 先ず質問をする前にお聞きしたいのですが、首都建設委員会公告第十一号の三地区四十八万一千九百坪、この中には、民有地というものがどのくらい入つているのですか。それを一先ず聞かせて頂きたい。
  26. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 只今の御質問を先にお答え申上げます。霞ヶ関地区においては一万八千九百十二坪、大手町地区、代官町地区においては民有地が全然ありません。従つて四十八万一千九百坪のうち民有地というものは一万八千九百十二坪ということになります。  それから先ほどの赤木先生の御質問でありまするが、赤木先生は、土地収用法によれば全然簡単に処理できるのではないか。こういうよう法案を作る必要がないというような御質問でありますが、これは赤木先生の御意見として有難く拝聴しておきます。
  27. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 この問題の法案第四条に問題がある。四条の「みたす」というのですね。この四条と、それから附則の第二項によつて昭和二十七年首都建設委員会公告第十一号に掲げてある三地区、一万八千九百十二坪という民有地を含んだこの三地区土地に対しては、土地収用法による事業認定があつたものとみなされると、こういうことになつておるわけですね。それで建設大臣が具体的な個所の個々事業について事業認定をする代りに、今度の今審議中の法律を以て事業認定の効果を与えたい。これがただ一つのむしろ目的なんです。この法律は。それで、ところが首都建設委員会は、首都建設法第四条の規定によつて首都建設の大局に立つて中央官衙の規模及びその配置について十分な調査の上、権威を以てこの十一号の公告出して、そうして首都建設計画のうち、中央官衙地区整備に関する計画公告しているわけです。だが、これは首都建設に必要な施設計画、それから事業の単なる基準なるものであつて、何らこれが即認定的なものじやないわけです。だから建設法第十条でも、木村さんがさつき妙な答弁をされたが、建設法の第十条では、国それから都内の関係地方公共団体及び関係事業者は、その事業協力及び援助を与えなければならないと言つて規定しているに過ぎない。実は、御援助しなさいと、こういうよう精神規定と言いますか、協力方をその法律の条文で語つておるにしか過ぎない。そうして而も公告のうち四というところを御覧になると、その計画の実施の項の中には、「ハ」として「必要に応じ民有地買収土地整理等を実施すること。」と言つてある。これならば、いわゆるこれを土台としての土地収用に入るただ単なるいわゆる基準的な段取り、出発の門を立てただけなんです。  だが、さつき申しましたように、ここに審議している問題は、第四条と附則で、つまりこの地区については、全部事業認定が済んだということにしてしまいたいのだ。してしまうのだというところを、さつきから赤木さんが問題にしている。土地収用法精神はどういうふうにあなたはお考えになるのか。或いは提案者に対して、新らしい今日の民主主義時代においては、土地収用についてどう考えるか。民主的にやるべきだと思うが、と言つたところが、提案者代表は、民主的に勿論やるべきだと言つたら、赤本質問者は、私と同感です。こう言つておる。ちつとも同感じやないだろうと思う。あれは赤木さん同感なんと言つたが、嘘だ。同感なんだつたら、こんな立法をするはずがない。これはさつきから問題に出ておるように、一つ官庁の一方的な都合によつて、全部そこの辺は網をかぶしてしまうという問題に繋がると言うか、そのものなんだ。こういうことを言われても、なお且つこれは土地収容という問題について、非常に公平な、而もおだやかな態度であるという返事ができますか。その点を一つ伺いたい、提案者から。
  28. 衆議院議員(今村忠助君)(今村忠助)

    衆議院議員今村忠助君) 私が公平だと申した基礎的なものは、この問題が庶務小委員会にかけられまして、各党から出ておる委員かたがたに御相談申上げ、これをどういうふうにいたすべきかと諮つた際に、満場一致、意見が一致したのでありまして、極く少数の反対さえもなかつたから、これは民主的に希望もし、立法することに賛成された。こういう立場で申したものであります。
  29. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 どうも余り、提案者代表今村さんにしつこくお尋ねしては、却つて失礼かも知れません。今の御答弁、相当な多数会派がお集まりになり聞くが如くんば、全会派集まつて立法に携わつておる。ところが今日これが問題になつて、とやかくやかましく言われておることに対して、答弁をしなければならないお立場については、私は全く何と申しますか、同情申上げるし、しておるのですけれども、その当時私の薄々聞いておる話では、必要止むを得なかつた当時の状況と今日の状況とは違つておるという、とにかく直接的には問題があるわけなんです。その関係の、問題であつたこの土地所有者は、そこに建築をしようと思つていた。そうしてその認可が自動的に発動されるのは、もう真近である。だからその建築に着手されたのでは、事極めて面倒である。若し首都全体の調和のある設計をし、配置をする場合に、非常なそこが重要なポイントであるから、とにかく先ず何とかしなければならないとかいうことが非常に大きく映つていたために、当時として私は、こういつたこともついつい考えたのではなかろうかというふうな想像もするのです。  けれども、そうだからといつて、先ほどお聞きいたしますように、この中に含まれておる民有地一万八千九百十二坪の所有人たちに対して、一体この法律はどうだろうか。収用法に示しておるよう個々のケースによつて事業認定をさせる。そうしてその事業認定によつて土地細目公告されて、そうして而も一方においては、今日、本院で審議しておる土地収用法の一部改正の法案の中には、どうも土地収用というものを、すぐ収用委員会に持つて行くことは、必ずしも当を得ていないのじやないか。もう一つその手前の段階として斡旋委員会というものを作つてそうして土地事業をやる人と、事業をやることによつて被害被害言つては語弊がありますが、その土地を提供し、或いはその影響を受ける人たちの間に、斡旋委員会を作ろうではないかという法案が今審議されておる。そういうよう土地強制収用、取得という問題については、非常な個人利益権利に関することであるから、鄭重にしなければならないという際に、而も国会議員がその当時非常に関心を持たなければならない土地つたかも知れないけれども、これを機会に一万八千坪余りに当るものを、全体に対して、もう土地事業認定というものはしなくてもよいのだ。この土地はいつでも発動すれば、土地収用はいつでもできるのだ。こういうよう関係にまで飛躍をさして行く。私はここに最も問題か多くあると思うのです。  この点については、どういうふうにお考えになられますか。
  30. 衆議院議員(今村忠助君)(今村忠助)

    衆議院議員今村忠助君) これは、過日説明の際にちよつと申し加えてあつたのでありますが、この法律を必要とする一つの動機が、砂防会館建設という問題にあつたということは事実でありますが、当時この議会の事務側にいろいろ説明を聞きますと、国会図書館を建てようという予定地買収に当つても、実はやはり民有地がありまして、折衝に非常に困難を感じておる。場合によつては実現できない虞れさえあるのだということと、もう一つ現在衆議院で、自動車車庫の増設をいたしておるのでありますが、そのやはり一部に民有地がありまして、是非ともそれを買受けなければ、いろいろな点において不便であるというような問題がすでにあるから、是非ともかよう法律によつて国会センターと一口に言うよう施設を完備したいのだ。こういう要望がありまして、この法律を作るようにという議が決したのであります。そこでこの一万八千九百十二坪という坪数全部を利用するとしないとを問わず、買取るというのではないと思うのでありまして、何か国会なり、ここに掲げられておりまする官庁計画を立てまして、必要止むを得ないという分で民有地があつた際に、もとよりいろいろの折衝があることと思いますが、それが実用される場合においては、この法律によつてまあ公共施設が完備できるようにして参りたい。こういうよう考えておるものと信じておるのであります。
  31. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 私は、この首都とし、そうして中央機関として適正な配置、便利な配置に、それぞれの地区でうまくできるということは、もとより願うことで、これについて、とやかく言うわけじやないのです。私の言おうとすることは、土地収用し又使用するという問題については、余りに国が勝手がましい、非常にいわゆる人の所有権自分の一方的な都合だけから、非常に強権を発動してやり過ぎるというその方便を、この法律というものは与えるという点に、非常に疑問を持つたためにお尋ねをしているのです。  で、土地収用法は、この起業者に対して、極めて厳格な条件を要求しておるのでございます。他人土地を強制的に使用或いは収用するためにはこれは当然な要求であつて収用法の二十条を御覧になればよくわかる。又この十八条と施行規則の第三条は、事業認定申請には事業計画書と、それから起業地及び事業計画を表示する図面を必ず添付させることを必要としておるし、一方建設大臣又は知事は事業の具体的な計画等、その使おうとする土地等を十分彼我対応せしめて調査の上に事業認定するのであつて、この際この場合においては、国の事業についてであるからと言つて、簡易に失するということはちつとも書いてありません。当然国の事業についても同様に、厳格にこれが認定されるべき性質のものだ、だからまだ具体化していない将来の計画のために事業認定するということは、およそこの収用法では考えられていない。これが今日土地というものを強制的に、公益のためだけに限つてであるが、収用し使用するところの一つの許された法律なんですね。  それに対して今度の法律というものは、そうでなく、この中央機関を設置するためには、もうそういう個々の設計だとか、個々事業内容などはどうでもいい。先ず国の中央機関の整備が何よりも優先的に確保されなければならない。関係所有者土地の私権、所有権のごときものは、まあ二の次、こういう思想からできておるものと言わなければならん。これはもう断じて皆さんも御承知通り提案者首都建設委員会の人も皆御存じだから、これについてあえて答弁を求めないが、若しこれがそうでないというならお伺いいたしますが……。  続いて質問を続けたい。これは事業認定に代るわけなんですが、三年以内にですよ……。三カ年との関係は、どうなんですか。この点を先ず小さく区切つてお伺いいたしましよう
  32. 衆議院議員(今村忠助君)(今村忠助)

    衆議院議員今村忠助君) 前段の御質問の向きは、つまり私たち長い間民主主義確立のためにいささか努力して来た者から申しますれば、御趣旨のほど十分わかるのでありますが、それでも、なお且つ私は国会センターというものを確立して行くということが民主主義立場からもよいのではないかという立場から、自分は小委員長として、これに賛意を表したのであります。あとの法律につきましては、我々法律に詳しくないものでありますから、当時衆議院の法制局をして、各方面にいろいろ連繋をとらしめ、完全な法律を作るように命じて、この法律案を作らしたのであります。この中の内容については、是非起草に当つた法制局の者から説明いたさせたいと思いますから、御了承願います。
  33. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 ちよつと関連して……。先ほど三浦委員質問の中に、この土地収用法施行規則の第三条の届出をし……御承知通り土地収用するのには、先ず認定が要りますが、認定には、少くとも事業計画の概要、事業の開始及び完成の時期、事業に要する経費及びその財源、事業の施行を必要とする公益上の理由、事業に必要な土地等の面積、数量等の概数並びにこれらを必要とする理由、起業地等を当該事業に用いることが相当であり、又は土地等の適正且つ合理的な利用に寄与することになる理由云々というふうに、具体的の懸案が全部揃つて、初めて土地収用認定ができるのであります。  つまりこの法案は、土地収用に最も大事な且つ土地収用精神に合うところの事業認定に必要な書類を全部略して認定しておるのであります。それを今、今村提案者ように、この土地が中央センターとして必要だからこういう法案を出す。成るほどこの法案は、表面見たときには法案としての形は整つていますよ。併し根本的に土地収用法精神と合致しておるか。これを先ず私は衆議院のこれを立案した人に聞きたい。
  34. 衆議院法制局参事(鮫島真男君)(鮫島真男)

    衆議院法制局参事(鮫島真男君) 第一の三浦委員の御質問にお答えいたします。御質問の趣旨は、土地収用法第二十九条によりまして、普通の場合でございますと、事業認定の告示があつてから、三年以内に土地細目の公告申請がないときには、その効力を失うという規定がございまして、この規定の適用があるかどうかというふうな御質問の趣旨に拝聴いたしたのでございます。これはこの第二十九条の規定は、適用があるという考えでございます。と申しますのは、この法律では、先ほど来お話のございましたように、事業認定が終つたものとみなすということでございまして、そうしてそのほかのことにつきましては、この法律案の第三条の二項におきまして土地収用法を適用するということでございますので、この事業認定のところまでは、土地収用法の例外をなしておりますが、その認定以後のことにつきましては、土地収用法が適用されますので、この二十九条の適用はあるものと考えております。  それから次に赤木委員の御質問にお答えいたします。  この法律の趣旨は、先ほど来お話ございましたように、その立案に至るまでの事情において緊急なものがあるということでございましたので、土地収用法の例外を作るというのが、この法律案の第一の目的であつたわけでございまして、従つてその緊急性の限度において土地収用法の例外を作つたわけでございまして、従いましてその範囲内におきましては土地収用法精神の例外をなしているわけでございます。
  35. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 この二十九条を適用するだろうということは、これは当然だろうと思う。  そこで次にお伺いしたいために、それを確めたわけですが、一体こういつた勢いで、中央機関というものの設置をひどく御推進なさる。これも結構である。見方によれば結構である。そこでこの配置関係であるとか、或いは予算の関係ですね。こういうものは相当にできているのかどうか。これは建設関係官庁営繕審議会との関連もお聞きしたいんですが、先ず提案者それから首都建設のお二人のかたにお聞きしたいんですが、どのくらいこれに対する配置関係或いは予算の関係、而も三年以内、三年たてば、折角すつたもんだで、この問題通るか通らんか知らんけれども、非常に国民に不安と或いは国会の横暴を叫ばれるかも知れないこの法律を通すからには、三カ年以内に、恐らくこれが具体的なあれを持つておられるのだろうと思う。今の二十九条との関連と三カ年以内、その点について御説明を願いたい。
  36. 衆議院議員(今村忠助君)(今村忠助)

    衆議院議員今村忠助君) 衆議院庶務小委員会では、この問題が議せられる前に、国会センターとしての計画案が事務局の側から提案されまして、それに基いて将来、順次財政上の事情が許す限り完備、整備して行きたいということは、一応申合せてあつたので、その後にこの話が出まして、これが実現には、やはり民有地等を買取ることができなければ大きな支障であるということであつて、現にそれが一つではなく三つまでも事例があるということで、我々はそうだとするならば、ここで一つよう法律によつて、将来理想通りに実現できるようにすることがいいというのできめたのであります。  但しそれが三年以内に実現するかどうか。本当は、我々は一時も早いことを希望しておりますが、国力、殊に財政面の事情に基くものでありますから、一概に、我々で決定的に申上げるわけには参らんと思います。
  37. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 先ほどの御質問でありまするが、御承知よう首都建設委員会におきましては、中央官衙地区整備に関する計画の大綱を立案いたしまして、これを各庁の営繕係いわゆる営繕審議会並びに衆参両議院の営繕旅の審議を経まして、而してこれを決定して官房に提出しような次第でありまして、かような点につきましては、各省並びに両院の了解を十分に得たわけだと考えております。
  38. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 それは、今の公告十一条に関しての手続である。つまり漠然と、この三地区ですよ、公告ようということについて、当然これはやつたでしよう。私のお聞きしたいのは、それより一歩踏み込んで具体的にこの三年間のいわゆる認定有効期間の間に、どういういわゆる中央機関の設置に関して計画をお持ちであるか。恐らくお持ちだろう。お持ちであれば、それを聞くし、恐らく持つているとすれば、更に進んで官庁営繕審議会に或いは出したかも知れない。とすれば、その資料を頂きたいということで、お聞きしたのです。  ということは、一体こういうふうに認定なつちまえば、収用法御覧になればわかるように、土地所有者はこの土地細目の公告があるまでは、自由にその土地の使用というもの或いは収益ということはできるんですよ。できることはできるんだけれども、いついかなるときに、この使用収益について土地収用法にひつかけられるか。いわゆる非常に不安の中にこの使用が許されるというような、制限の中に使用が許されるという問題なんです。だから、その進行が近いうちどしどしやつてくれるならば、それでも全体の公益利益のために諦める部分もあるかも知れないけれども、そうでなくて、ただ網を被せて五年、十年と経つたということであり、そうして而もそれが使いたい土地を思うように使わないでいたとするならば、それに対する補償は、一体どうするのです。  こういうことをお聞きしたい。
  39. 衆議院議員(今村忠助君)(今村忠助)

    衆議院議員今村忠助君) 私は、役人したことがないのでありまして、役所のことは三浦先生のほうが詳しいと思うのであります。従つてこの役所あたりの庁舎の問題を計画して、何年後ぐらいに実現するかということになりますと、私はおよそどの程度のものかということの判断がつかないのであります。ただ我々としては、現在申す通り、できれば一日も早くそうしたい。特に私は現在あります衆議院の議員会館のごときは、誠に不便極まるものであつて、これができたために、委員会も本会議も開会が遅れているように思うのであります。これはどうしても委員庁舎を一つにして、委員会の会議室も庁舎の中にあつて、而も委員長以下全部が同じフロアなり、同じセクシヨンというか、地区にいるようにして、委員会の審議というものをもう少し速かにすべきではないかということを日頃考えもし、主張もしているのであります。  そうなりますと、どうしても委員会庁舎のごときは、一ときも早く実は改築したいのでありまして、そういう点も力説したことなども一つの理由となつて、議会センターの設置というようなことを事務局では計画したものであります。そういうふうに考えて参りますと、私たちは一ときも早くこれらの実現を期しているものでありますが、先ほども申すように、敗戦後の日本の経済財政状態でありますから、議会だけが理想的にというわけにも参らんだろうと、こう考えている。殊に私は、この公けのために土地、建物その他等を収用するという場合におけるいわゆる行政機関のこれが買取りというものに対する価格、或いは賠償等については、どうも従来低きに過ぎたように思うのでありまして、現に私のほうでは、発電所を設置するということで、土地収用問題も幾つか各地に起きておりますが、皆これを何と言いますか、喜ばない大きな一つの理由は、政府とか国とかいう名において買入価格が安いというようなことが一つの欠点であろうかと考えるのでありまして、さような面は、又別の問題として、これに付随することではありますけれども、やはり行政面にも訴えて、もう少し国とか公のこういう面に対する犠牲というものを苛酷に要求しないようにするのが、民主的だと私は多年考えているのであります。  従つて私は、過般も申上げたのでありますが、砂防会館土地国会の必要ということでこれを買受けるとするならば、何があつて砂防協会事業というものからみても、もつといい所を国会としても考えなければならんのではないか。で直接その衝に当つておるものには、いわゆる計画しておる坪数に匹敵するものを探せ、何か事務局側では、元の女子学習院跡が二百何坪ということでありますけれども、それでは坪数が狭いというように聞き及んでおりますので、どうしても計画通りの坪数をやはり用意する必要があるのではないかというふうに事務的には申して、公のために犠牲になる面にはできるだけのことをすべきであるということを私は主張しておるのでございます。
  40. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 関連して……。  今村さんが、砂防協会事業に関して非常に御苦労なさつていることは感謝いたしまするが、併し先ほど三浦議員の質問した通りに、土地収用法には、少くとも事業そのものは具体的に計画されて行くべきものだということ。先ほど衆議院の法制局のほうのお話に、これは土地収容の特殊な法案、私もそういうふうに解釈いたしております。特殊な法案にしましても、私権は私権、殊に今土地収用において如何に私権を害するか。そのために先ほど三浦委員お話通り、今度は斡旋委員を作ろうと。そこまで言つているのであります。それにはまだ、国家事業でありながら、或いは希望はしたけれども、いつ仕事ができるかわからない。その予算も成立していない。そういうもの。即ち三年以内に予算ができるか、或いは遂に十年経つても予算ができないか。そういうわけのわからないものを、今この特殊立法によつて土地収用認定にしまして、その間に土地所有者のこうむる被害は、これはどういうふうにして認定されるか。  私はこれはこの法案通過しましたら、建設大臣の所管になつて来ますから、その点は、もう一度改めて建設大臣の所見を承わりますが、一応提案者の本当の心からのお気持を承わりたい。
  41. 衆議院議員(今村忠助君)(今村忠助)

    衆議院議員今村忠助君) 先ほど申しました通り、我々には一日も速かに議会センターというようなものも確立したいと考えておりますけれども、それは今言う国家財政との関係にあるのでありまするし、国会のみがこれらの施設を完備するという一方的なこともいたしかねる点もあろうかと思うものでございますから、これが三年以内にどうというようなことは一応我々とじても考えられないのであります。併し今の建設は、昔の家屋の建設とは違つて、殊に又御計画砂防会館のごときは、大規模のものでありますから、仮にこれができ上つたとしまして、五年ののち、いよいよ議会センターとして仮に委員会庁舎というようなものが実施建設に当るというような場合が来たといたしましても、非常な大きないわゆる永久建築でありますと、仮りにそれから土地収用し、建物を買取り、それを又国会都合のいいように作り直すとか、建築し、或いは崩してすぐ建てるというようなことは大変なことであろうと一応考えるのであります。折角御計画ではありますけれども、一方私たち国会にいつまで籍があるかわからんことでありますけれども国会のために又今最高機関としての、立法機関としての立場と言いますか、これらのものを考えて理想的なものをやはりその衝に当つておる我々としては計画も努力もいたしておくべきであろう。こう考えてこの法律の作成に賛成もし、進んで提案の説明にも当つたようなわけでありまして、先ほど申すようにこれによつて受ける側の被害と言いますか、犠牲というものに対しては、やはり私は、国なり公共機関は十分のことをしなければならない。従来国とか公という名において、個人に犠牲を強いておるものが多かつたのではないか。封建的だと言われるのは、むしろそういうような点が言われて然るべきだと、私個人は強く考えておるのであります  従つて砂防協会或いは砂防会館建設する側の人たちの受ける幾多の負担の面、殊に経済の面については、当然十分なことをすべきであるというふうに私は考えているのであります。これは先ほど来繰返すことになるのでありますが、我々はできるだけのことは、いわゆる側面ではありましても要望いたしたいと、こう考えておるのであります。
  42. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 立法された衆議院の法制局のかたにお伺いします。  この法案は、収用法の特殊の法案というように解釈していいのですか。而も土地収用法の根本精神に反して、つまり私権を余りに圧迫しているという点は、今申す通り事業計画も何もなしに認定さしてしまうということに対して、立法者としてこれが本当に土地収用法に、まあ表の上は何ら違反していないとしても、土地収用法精神に合致している法案と解釈できますか。
  43. 衆議院法制局参事(鮫島真男君)(鮫島真男)

    衆議院法制局参事(鮫島真男君) この法律案におきまする一つの眼点といたしまするところの首都建設委員会で作成します計画は、これは一官庁一つの公の仕事として作成した計画であります。  それから又只今土地収用法との関係でございますが、この土地収用、何と言いますか、土地収用して使用しますにつきましては、時間的な余裕がありまする場合、そういう場合には、やはりこの土地収用法に準拠して参るのが適当であることは言うまでもないことと思います。即ち先ほどもちよつと申上げたのでございまするが、土地収用法によつてその土地収用し使用するのに間に合わないような緊急な事情があるという関係で、その緊急事態に処するために、土地収用法の例外として  この法律ができたのでございまして結局その土地収用法の例外を作ることと、それからこの法律を必要とする緊急性とのバランスの問題に結局は帰するのじやないかと思うのであります。
  44. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 くどくど言うようでございますが、この法案ができても、殊に事業がきまるまでは、個々土地所有者は家を建てようと思えば建てられる。何ら支障なしにできます。或いはここ一カ月のうちに事業がきまれば、その間においてでもできるだけ使用させる。或いは三年間たつて若し本案に適当するよう事業計画ができるとすれば、その間、仕事ができます。そういうようなことを考えているならば、何もこの法案をお出しになつても、緊急性を欠くか欠かんかというような問題とは別なのでありまして、それを少くとも立法者としては、十分御検討の上されているはずであります。然るに緊急性という場合には、土地収用法精神に反している。そこが非常に大きな問題だと思うのであります。そこはどう考えますか。
  45. 衆議院法制局参事(鮫島真男君)(鮫島真男)

    衆議院法制局参事(鮫島真男君) 繰返して申すようでございますが、結局土地収用法を適用しては間に合わない事態がある。その事態に対処するための措置を講じたのがこの法律でございまして従いまして結局土地収用法の例外をなしていることは、これは明白でありまして、その例外を設けられたということは、この法律案が必要である、その状態とを比較しまして勘案しなければならないと。そういう状態がございませんければ、これは勿論土地収用法によつて行くのが正しいのでございましてただ土地収用法により得ない事態に処するために、この法律案が作成されたんでございますから、この土地収用法に対して或る程度の例外が設けられたということは、これはやむを得ないことと考えます。
  46. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 関連して。  えらい苦しい答弁をなさるが、これはこの法案を立案されたときに、この法案を出さないと、土地収用法では間に合わない。そういうことをお考えの上でなすつたんですか。どこが間に合わないのです。仮にこの法案をお出しになつても、事業が決まらなければ、どんどん家が建てられるじやないですか。同じことじやないですか。
  47. 衆議院法制局参事(鮫島真男君)(鮫島真男)

    衆議院法制局参事(鮫島真男君) この法律案が通過いたしますれば、事業認定があつたものと見なされまして、その後は土地細目の公知にだんだんに入つて行くわけでございまして、決してこの法律案が出て、すぐにできないじやないかということはないと思うのであります。  それから又、先ほど提案者からも申上げたのでございますが、少くともこの国会につきまして、このモータープールとか、それから図書館の関係とか、その他について、そういう考えは持つているというふうに拝承しておるのでございます。
  48. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 だから私はそういうような点から言つてもですよ、これは何といつても、或る意味から言つて、非常に国の側の、或いは中央官衙を早く今まで作りたいという、その気持はわかるし同感だがその余りにやりすぎる一つの欠陥を包含しておるというのが私の観察なんです。  だが、前から私がお尋ねしておる問題にお答えがない。いわゆる中央官衙計画については、どこまで進んでおられるかをお聞きしていたんですよ。
  49. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 懇談会にしたら。
  50. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 何でもいいよ。ちよつと回答を聞きたいんだ。まだ回答してないのがあるから。  中央官衙のつまり、それのお答えを願いたい。
  51. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 先ほどお答え申上げました通り首都建設委員会におきましては、中央官衙整備計画の大綱を決定いたしまして、そうして各省この営繕係並びに衆参両院の営繕の係りの、いわゆる営繕審議会を経まして、そうして告示するに至つた次第でございまして、その細目につきましては、お手許に挙げました地図にございますが、大体かような設計の経過にまで至つておりますが、これはまだ決定というわけには行つておりません。
  52. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 お手許にあるというのは、これだろうと思うのですが。
  53. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) この大きいの。
  54. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 そうすると、これは聞きたのですが、これは官庁営繕審議会にもう諮問をされたのですか。されないのですか。いわゆる正規の官庁営繕審議会に。
  55. 政府委員(町田保君)(町田保)

    政府委員(町田保君) 本案は、区域だけ先ほど政務次官答弁ように、全員の意見が一致いたしまして公告いたしましたが、その道路計画、それから建物の配置計画等については目下営繕審議会で急いで審議中でございまして、その意見によつてきまる段取りになつております。
  56. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 まだ、お聞きしますると極めてこれは審議中のことに属して、どういうふうな答申が来るかどうか。その答申に基いて建設大臣がどういうふうな断を下されるかどうかわからない段階にあるものと考えられますが、そうなつて来ると、話は一番最初に遡つて一つお聞きしたいのですが、この民有地一万八千九百十二坪のうち、国が、或いは中央機関が使わなければならないと考えている、今研究中の段階ではあつて考えておられる面積は、どのくらいあるでしようか。
  57. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 御承知ように四十八万一千九百坪、これを全部ほしいというよう計画を立てております。従つて、この民有地の一万八千九百十二坪、これの土地も全部買上げたいというよう考えを持つております。
  58. 三浦辰雄君(三浦辰雄)

    三浦辰雄君 それはますますこの法案の審査は慎重にしたければならんことを明らかにしている点でございますが、併せてお伺いしたいのです。  国有財産には、御承知通りに行政財産と普通財産とに分れている。そして普通財産というものは、いろいろと売却、譲与もできるが、行政財産については、なかなかできない。これらについても御研究されたと思うのですが、先ず大まかにこの区域の中の国有地とは言うけれども、その中に行政財産としてどのくらいあるか。普通財産がどのくらいあるか。ここで数字でおわかりにならなければ、この次に資料をお願いをしたいと存じます。  私は、先ほど今村提案者代表のほうから、三浦君は官庁にいたから、私は民間にいたのだから官庁のほうの関係のやつはわからないというお話がたとえ話に出ました。私も官界に相当長く職を食んではおつたのであります。それだけに私は官庁にいたというその立場から見ても、この法律というものは、曽つて今日まで見られなかつた、余りに官庁色鮮濃的なものであつて、民間の事情に、非常に通じていられる今村さん初め皆様がたが、勇躍これをお出しになる勇気に実は驚いている。それだけに、私は一面においてどうしてもこれを通さなければたらないという必要さがあるのであろうとも思う。その必要さというものを、どういうふうな必要さがあるかということを、どうぞ、今でもいいんですが、若し資料がなければ次の機会に、その必要さ、どうしてもこれをやつぱり出すべきだという必要さを一つ御明示を願いたい。そうでなければこの全体の公告された三地区を、而もことごとく官の、或いは中央機関の使用を目標としているこの中央官衙施設整備促進法というものは、非常な問題を含んでいるということを、私はどうしても申上げなければなりません。  これで一まず打切ります。答が得られるついででいいんです。
  59. 政府委員(町田保君)(町田保)

    政府委員(町田保君) 只今の普通財産と行政財産のことは、只今手許に資料がございませんから、次回までに調べて出したいと思います。ただこの計画をいたしました四十八万坪余りの、中央官衙地区の中で、霞ヶ関地区につきましては、三十二万八千五百坪でございますが、その中で道路の面積が六万五百七十三坪それからその他の国有地、これが今の行政財産か普通財産かはつきりいたしませんが、二十四万九千十五坪でございます。そして差引き一万八千九百十二坪でございます。それから大手町地区におきましては、総面積が五万一千四百坪でございますが、その中に道路面積が八千六百坪ございます。それから国有地が四万二千八百坪ございます。民有地はございません。それから代官町地区のほうは、総面積十万二千坪でございますが、その中で道路面積が一万五千百坪ございます。国有地は八万六千九百坪で、これも民有地はございません。  大体そういう状況でございます。
  60. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 昭和四年の公告によりますと、都市計画に基いた道路がついております。又昭和二十一年四月六日から五月二十五日にやはり道路の公告があります。それは無論今お示しになつている首都官衙地区計画図の中央官衙地区の部分に属すると私は了承しますが、これによりますと、こういうことを書いてある、計画道路の制限地区建設地区基準法四十四条第二項に、「都市計画として決定して内閣の認可を受けた路面においては、左の各号に該当する建築物で、容易に移転し、除去することができるものでなければ建築してはならない。一、階数が二以下で且つ地階を有しないこと。二、主要構造部は木造鉄骨造り、コンクリートブロツク造りその他これに類する構造であること。」こういうふうに、はりきりこれはもう内閣できめたものです。内閣でそういうふうにきめて、恐らくこの中央官衙地区における多くの住んでおる人は、こういうふうにきめられた規定によつて現在家を建てている。それが今度は今お示しになつているこの案を見ますと、大分変つて来た。一体これはどうするのですか。折角内閣がお示しになつて、それに準拠して家を建てている者が、又こういうふうに、さつき三浦さんの質問通りに、決定したことではない、併しこれを決定的のものとしてきめて、法案が作成されたならば、今まで建てている人が昭和二十一年以来、内閣のお示しになつたそれに基いて建てているものが、それもこれも御破算になつてしまう。これは一体そういうことまでよく御承知になつたのですか、その点を一つ。  実は、私もあの土地に家を建てるときに、現に東京都のほうから、道路計画を以て、これに合致しているかどうか全部お調べになつて、そろしてこれが合致している。そこまでもう許可をもらつているのです。それでこの昭和二十一年にお出しなつたものがたしか生きているはずなんです。
  61. 政府委員(町田保君)(町田保)

    政府委員(町田保君) 只今の点でございますが、昭和四年に道路の決定が告示になつておるのでございますが、終戦後東京が全部焼野が原になりましたので、新らしい構想の下に都市計画を建てるというので、昭和二十一年の六月に、それ以前の計画を一応消しまして、新らしい道路計画を告示いたしたのであります。ただそのときに細道路網と呼んでおりますが、局部的の路線とまだ新らしい、これに代るべき計画の立案ができていないものが若干残つているのでございます。それは特にその計画が立つたら消すということであつたのでございまして、丁度この議会を中心といたします区域については、昭和四年に告示した細道路網計画が現在も残つております。併しこれは当時私が戦災復興院におつたのでございますが、特にこれを残したのは、この附近を新らしい構想の下に整備するということの漠然たる企画と申しますか、目論見が出て来て、併し具体的に容易にでき得なかつたので、残つておるわけでございます。この点は、新らしい中央官衙地区ができる際に変更されるべきではなかろうかというふうに考えておるわけであります。
  62. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 いずれにしても二十一年の四月六日から五月二十五日の公告路線は生きておるのでありますから、その線も只今あるはずで、私は一度それをこの図面の上に詳細に、これを返しますから、お書き入れを願います。これは今でなくて、この次の機会までに。
  63. 石井桂君(石井桂)

    ○石井桂君 この告示された時期は、先ほど聞き洩らしましたが、いつでございますか。
  64. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 昨年の七月六日です。
  65. 石井桂君(石井桂)

    ○石井桂君 私はこういう官衛計画が、一日も早くできることを望む者の一人でありますけれども赤木さんの御関係のことはまあさて措いて、頭の中で除いて置いて、考えてみたい。  大体都市計画とか、こういう計画のものは、計画ができたらば直ちに実行に移れるようにしなければ、もう何百年かかつても都市計画といううのはできなくなるんです。私はまあ都市計画建設関係で三十年やつて参りましたが、いつでも紙に書いた計画に終るのが、今までの都市計画です。従つてこういう計画ができましたならば、勇敢に、まあ余り無理しちやいけませんが、勇敢に実現することに努力することが一番肝要だと思います。そうでなければ、こういうふうな計画はお立てにならんほうがいい、こういうふうに考えておる。併し今聞きますと、昨年の七月に計画なすつたものであれば、その間どうして、どういうふうにして今日まで送つておいでになりましたか。若しこの法規が出なかつたら、どういうふうにしてこの計画を達成するように工夫しておいでになつたかをお聞きしたいのです。今議会開会中に問題が起つた具体的の問題は防げるりです。併し若し一年も前に計画があるならば、あらゆる手段はあつたろうと思う。或いは土地収用法を準用するとか何とかの方法も適用してもらうという方法もあつたろうと思うのですが、どうして今日まで長引いてしまつたかという経過をお聞きしたいのです。
  66. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 只今の御質問ですが、御承知ように私は最近首都建設政務次官というものになつたので、詳細はわかりませんが、聞くところによりますと、この計画首都建設委員会で立てまして、そうしてこれの実行方法を各省の方々並びに両院の営繕課の方に勧告いたしまして、この実行をまあ迫つているような状態でありまするが、御承知よう首都建設委員会法には、これを法的に裏付ける何らの力もありません。ただ勧告することに止まつておりまするので、それ以上は、勧告する以外に方法はないという状態であります。ところが御承知ように、まあ先ほどの三浦委員からの質問にも関連いたしまするが、すぐ国会センターとして、首都建設委員会が決定いたし、又議運庶務小委員会におきましても承認いたしました場所に、先ほどの砂防会館というものが建築認可申請出して、而も七月三日でしたか、七月三日までには、確認しなければいけないというよう建築基準法によつて、そういう状態になつておりまするものですから、それをとめまして、どうしても国会センターとして中央官衙地域整備というような点から考えましても、こういうよう法案によらなければいけないというような状態になつたのであります。この法案につきましては、こういう急がなかつたならば、もつと穏便なよりよき法案考えられると思いまするが、そういう手段は、私どもといたしましては相当とつたつもりでありまするが、こういう法案を出さざるを得なくなつたということを御了承願いたいと思います。
  67. 石井桂君(石井桂)

    ○石井桂君 例えば、まだ御意見が出ないのかも知れませんが、都市計画法とか或いは建築基準法関係法律なり、そういうようなものがなぜ出なかつたか。例えば都市計画関係でも民間の権利を非常に抑制している法律が随分あります。東京都で何千万坪という防火地域というものを指定している。そのうちには鉄筋でなければ家は建てられないということを平気でやつているのです。これは公共の福祉のためにやつている。その何千万坪の中に入つた家は、もう木造では建てられないのですね。併しそれにもちつとも補償も何もないのです。それから郊外にも、何千万坪というものがあつて、緑地地域というのがあつて、そこの所は、一割しか家が立たない。これにも補償がない。それから空地地区というのがあつて、これは延べ坪何坪しか立てられないという規定があつて、これにも補償がない。都市計画関係は、都市をうまくやろうというので、ずい分民衆のいろいろな権利を抑制している。  そういうことを考えますと、たまたま砂防会館を持ち出すから問題になるので、砂防会館一つ頭から取つて考えて見ると、公の福祉のためで、いい計画であれば、私はそう問題はなかつたのではないか。ただ手段として都市計画法なり建築基準法の関係法令を活用してなぜできなかつたのだろうか。昨年例えば会官神域とか、そういうものに指定して、そうしてそこで取締りができなかつたかどうか。できるように思うのです。それが今日まで及んだのは、やはりまあ、いろいろな事情がおありになるでしようとは思うけれども、どうも人が立てようとした足元から法律がひよつと出て来るというところに無理があるので、そうでなければ、私は随分よく、各方面から、この法律は育成されてよいものになつただろうと思います。死んだ子供の年を数えるようでおかしいのですけれども、そういう意味におきまして私は首都建設の一部でありますから、多少私権の抑制になつても仕方がないと思いますけれども、それにつけてもこの法律の犠牲になるかたの救助方法というのは、提案者の言われるように、もつと真面目に、具体的によくお考えになつてとつ組んで頂かないと、なかなかおいそれと引下れないのではないかと思うのです。  重ねて申上げますが、都市計画関係の既定の成果というものは、やはり十分練られた案で、迅速にこれを効果ができるようにやりませんと、これは本当に都市計画なんてものは、出来上らない。だからそういう面において、もつとこの法規がよくなるということであれば、この機会によくして、そうして納得の行くようにして行きたいと思うのでございますが。
  68. 政府委員(木村守江君)(木村守江)

    政府委員木村守江君) 只今お話でありますが、御承知よう首都建設委員会法ですか。これには、或いは建築基準法とか或いは都市計画法に要するよう権限が何らないのです。それででき得べくんばこういうよう法案の裏付けによつて、少しでも実行力のあるような恰好にいたしたいというのが私たちの考えの一端であります。
  69. 委員長(草葉隆圓君)(草葉隆圓)

    委員長草葉隆圓君) ちよつと、速記を止めて下さい。     〔速記中止〕
  70. 委員長(草葉隆圓君)(草葉隆圓)

    委員長草葉隆圓君) 速記を始めて下さい。  まだ御審議が尽きないようでございますから、連合委員会を次回、明後水曜午後一時ということで一応いたしまして……。
  71. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 私は建設大臣を要求しておりますから、明後水曜日に、建設大臣は岡山から帰りましようか。
  72. 委員長(草葉隆圓君)(草葉隆圓)

    委員長草葉隆圓君) それは今のところわかりませんが、或いはこういう災害ですから、災害地に或いは出張等のことも、これも起り得るかも知れないという懸念をいたします。
  73. 赤木正雄君(赤木正雄)

    赤木正雄君 議運の皆さんに御迷惑はおかけいたしませんが、建設大臣がすべての責任を背負うのですから、最後に、どうしても建設大臣に来てもらわないと困る。だから私は建設大臣の御出席のときに……私に関する限りは少くとも委員会を開いて頂きたいと思います。
  74. 委員長(草葉隆圓君)(草葉隆圓)

    委員長草葉隆圓君) お答えいたしますが、御希望の点は、十分連絡いたします。併し御承知ような情勢でありますから、或いは災害地等への出張がありまする場合には、止むを得ない場合もあり得るかとも懸念をいたします。併し御希望の点は、十分連絡をいたします。  それでは本日は、これで散会いたします。     午後四時九分散会