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政府委員(小室恒夫君) 大分一般的なむずかしいお尋ねでございますが、丁度
只今外資導入に関する一般的な資料を
ちよつと持
つて参りましたので、それを先ずお手許に差上げてから御
説明いたしたいと思います。そのお手許に差上げた資料の第一ページ目の大きな表が外資導入額の総括表ということにな
つておりますが、これはまあ過去数年外資の入
つて参りました件数なり、或いは投資額なりを、投資の形態別にまとめたものでございますが、一番下の欄に二十五、二十六、二十七年、二十八年の投資額を総計した欄がございますが、この株式投資というところを見ましても、
日本円にして百八億ぐらいでございます。それから又貸付金投資というものを見ましても、
日本円にして百六十四億、まあそんなわけで総額として、合計として二百七十五億、ドルに換算して七千六百万ドル、まあ丸三年間の間に七千六百万ドルというようなくらいのものでございますから、過去において、外資の導入が
日本の
経済に大きな影響を及ぼしたということは、なかなか言えまいと思います。又日米
通商航海条約ができたからと申しまして、直ちにそれが外資導入を今までと違
つた規模で以て実現するというようなことに直ぐになるとは私は考えません。我が国の
経済が資本が不足しておりまして、特に長期的な資本というようなものは格別不足しておりまして、重要産業でも致府資金などに依存する度合も非常に大きいし、又不当に銀行その他の外部の借入金に依存している
状況は御承知の
通りでございますから、この資本の不足を健全な外資導入によ
つて、できるだけ穴埋めして行くということは、これは私ども通商産業を担当している立場から言えば、最も望ましいことだと考えております。ただ今申しましたような
程度の過去における外資導入でもありますし、差当
つて直ちに
日本経済にどういうふうな大きな影響を現わして来るかということは予測もしがたいし、又そんな大きな影響は急には来ないだろうと
思つておる次第でございます。
それから資料のついでに
ちよつと申上げますが、技術導入の
状況というのが、その次、二ページ目にございまして、更に技術導入の効果の概観、まあ概観というのも恥しいくらいな非常に簡単なことだございますが、これは
委員のほうから、通産省で外資白書というものをまとめておるそうだがというお尋ねでございました。その外資白書とい名前は、これは新聞のほうでつけた名前かと思いますが、私どものほうで過去において技術導入を相当件数や
つておりますので、その実施
状況について、この際、調べたらいいじやないかということで、事務当局において目下調査中のものでございまして、まだ原稿としてもまとま
つたものじやございませんが、その中で
ちよつと目星しいものを拾
つて見たということでございます。個々に捉えて言えば、例えば電気通信省の
関係で、小さな真空管、今まで
日本でできなを
つたものが、技術
援助の結果できるように
なつたとか、或いは塩化ビニールのようなものでも、風呂敷や何か消費財など割合に目立
つておりますが、そうじやなくて、電線の被覆に使うような生産財
方面などで新しい用途が技術導入の結果として拓かれて来た。或いはまあ輸出産業
関係では、
国内でも使われておりますけれども、例のサンフオライズ、綿布の伸び縮みをなくす加工の
やり方でありますが、サンフオライズの製品が非常に輸出でもよく出ておりまして、これはもうすでに八十万ドルばかりの外貨を
現実にその面で稼いでいるようなことにな
つておりますが、そういう
一つ一つのものを捉えて見るというと、相当技術導入の効果も上
つておりますし、我が国の遅れた技術水準の引上げに役に立
つていると思いますが、併しこれも又過去数年漸く手をつけたばかりでありまして、技術導入の契約は結んだが、まだ実施
段階に入
つていないものもございますし、又機械等の据付はや
つたが、今日まで本格的に生産に入
つていないものがある。まあ今日までのところは端緒的な
段階であると言わざるを得ないと思います。まあ資料の
説明を兼ねてお答え申上げました。