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委員長(
佐藤尚武君) 今朝私が申しましたことを繰返して申上げたいと思うのでありますが、何となれば、少し私一個で責任を引受けるにしては余り重過ぎると思いますので皆様方にお諮りいたすわけであります。と申しまするのは、皆様すでに御
承知の
通りに、この会期が延長されるかどうかということはまだきまらないもようであります。或いは数十分乃至は数時間のうちにきまるかも知れませんが、会期が延長に
なつた場合は勿論これは問題ございません。この
条約の審議を更に続行するだけの余裕ができて来るわけでありまするから問題ないのでありますが、不幸にして会期延長にならなか
つたという場合を想像いたしますと、少し私のこれから申上げる心配が出て来るのであります。即ちこの
条約は本日中に
委員会を上げてそうして本会議に上程しなければ参議院の
承認は得られなか
つたということにな
つてしまいます。そうしますると衆議院の
承認はあ
つたのでありまするが、参議院の
承認がなか
つたためにこの
条約に対する国会の
承認が与えられなか
つた、即ち政府は
批准をすることはできなか
つた、
条約は
従つて成立しない。こういうような大きな問題にまで発展して行くわけでありますので、さて然らばこの
条約を成立させるかさせないかということ、これは皆様方の勿論各会派の態度によ
つてきまるわけでありまするけれども、それが右になるか左になるかということを今すぐさまにでもきめて頂かなければ、先ほど申しましたように今日中にこの
条約を本会議に上程するわけに行かない、こういうようなことになるのであります。果してそれで皆様方も仕方がないというふうにお考えになるかどうか。皆様方の御意向を私は存じないでおいてただ成行に任して、流れるから流れ放しということにしておきますれば、これは
委員長としても非常に大きな責任を負わなければなりませんので、皆様方に改めてお諮りするわけであります。このまま
質疑を続行しまして本会議が始まるときまで参りますか。本会議が始まりましたならば私はこの
委員会はもはや定足数を持つということは不可能だろうと思います。そうなれば先ほど申しましたよう、この
条約はこの会期中にはできないということになるわけであります。その点どういうふうに取運ぶのかよろしいでありましようか、これを
一つ皆さん方にお諮りを申上げてそうしてきめたいと思います。