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一松政二君 具体的な事例を私は示して欲しいと思うのです。一応
法律を審議しておりますから、そういう抽象的なことでなくして、私はそういう貿易上なり、海運政策の問題から言えば、一応政府というものは統一意思がなければならん。事務当局だけでものを
考えて、そうして事務当局で解決しなければ、大臣では、大臣が一方には許可権があり、一方に許可がないと、
日本の国政がうまく行かないというようなことになれば、何か
関係のあるものはすべて共管にせなければうまく行かないというのでは、私は政府の下に政府があるような気がして、それは
却つて面白くないのじやないかと思うのです。従来許可権は私
どもから
考えれば憲法違反であると思うのだが、一応曲りなりにも政令があ
つて、その政令よ
つて許可権を持
つてお
つたわけなんです。四月二十八日までは少くとも有効であ
つたのです。それで、そのときに輸出して問題があ
つたということは、少しそいつは
却つて納得が行かない。許可権があ
つてそうして問題を起した。だから許可権があ
つてもなくても問題を起すことになると同じことに
なつちやう。なか
つたからこういうものが欲しいというならわかるのですよ。けれ
ども、あ
つたときにですね、あ
つたときに問題を起しているのだから、今丁度ないのだから、なければ困るという言い方にな
つてお
つて、その点がどうしても納得行かないのですが、そこで五百トン以上の船を何艘輸出して、それがどういう結果にな
つておるか、それから通産省としては、ただ単にこの
法律を通すためのばつを合わすのでなくして、私は真に、政府として二つ意思があるわけがないのですよ、どこかで
調整し得れば、どこかで
調整しておればやたらに事務当局が縄張り争いをするようなことは私は成るべく避けて欲しい。でありますから、五百トンというところに目安をおいたことは、主として朝鮮との
関係のように
運輸省では言
つておる。従
つてその具体的な事例がなければ、私はその点はどうも納得が行きかねる。今までや
つてお
つたの、だ、四月二十八日までは。それから今申しました五、六、七と丁度三カ月間、今ないのです。今失効しちや
つてないのだが、ないのでどういう支障が起
つたかその間に輸出があ
つたかどうか。これも
一つ至急調べて、会期も切迫しておりますから、至急調べてそういう事例を明らかに示して頂きたい。この三カ月の間に、
法律が失効してもうすでに三カ月になるのです。その三カ月間に輸出船が事実においてどしどし契約されたのか、或いは失効したために非常な支障が起
つておるか、若し四月二十八日以前にそういう問題があ
つて、そういう問題があ
つたとすれば、これは私は許可権を持
つていながら、
運輸省が職務怠慢と言わざるを得ん。そういうことを言えばみずからの首をくくるような
説明の仕方にな
つて来ると私は
考える。でありますから、そいつは具体的な事例を通産省として、どういうことで通産省だけでやれば問題があ
つたのか。ただ抽象的の概念でなくして
一つお示し願いたい。
それからもう
一つは、朝鮮との問題じやなくして、一般のヨーロツパ或いは殆んど今日は世界的ですから、世界的にいわゆる世界航路に向
つて行く大型のタンカー又は
貨物船、或いは又客船とか鉱石の
輸送船、曳船その他の船ですね、こういう船の輸出についての引合いは、実際問題としては輸出の成約がきま
つてしま
つてから、私は造船所から法令に基いて、若しこの法案が通
つたらば、
運輸省に許可の出願をすることだろうと思うのです。輸出するまでの、輸出する手続の、輸出の完了が、輸出の引合いの過程においては許可の申請などあるべきじやない。引合いの過程でありますから。そうして引合いをしてしま
つて、具体的に値段がきま
つてそうして向うから信用状を開いて初めてこつちも安心して準備が整えられて、そのときにおいて初めて
運輸省に、私はこの法案が通過すれば、許可の申請をしなければならん、こうなると思うのです。具体的な手続から言えば。そういう場合に
運輸省としては、当然許可するでしよう。当然許可しなけりやならんものを許可制度にしておくことは私は意味がないことであると思うのです。無用な煩瑣の手続である。そういう場合に今日通産省は為替の
関係からこれの相談にあずかり得る当局であるわけです。で、必ずこれだけの船がいついつかのデリヴアリーで、いつから起工して何カ月以内に受渡しにな
つて、どういう条件で売渡されるか、誠にいいことであるとして通産省は私は喜んでサポートして、それをできるだけ成約させるようにするだろうと思うのですよ。そうしてでき
上つた結果を改めて又通産省に許可を申請しなけりやならんことは、私は二重の手続であり、同じ政府の中で一方で、而もそれは外国に売渡して外国で働く船であるから、
日本の経済圏と何ら
関係はないわけです。今五百トンのことを私伺
つたのは、五百トン或いは千トンか二千トン
程度の朝鮮、台湾、琉球の近海で働く船については一応の
考え方があると思
つたから、それは具体的に事例を示してもらいたい。それから輸出船について、今日の海運
業者の実情でありますから、船の引合いがある場合に、これは貿易
業者が多分引合うでしよう、実際の手続上の問題としては。造船所はそういう引合いは結局条件のいい早くきまるものからやるのですから、同時に何艘の船も引合
つているわけです。その中から条件の一番いいものを選り出して造船所としては受けたいのですから、船を何艘引合いがあ
つたといういわゆる連絡が
運輸省にどうせありますから、船
会社としても、或いは造船所としてもあるから、こういう船の引合いを受けているというようなことは、これは座談でも或いは事務的でも一応、模様の報告は求めなくてもするでしよう。併し義務として、そういう具体的にでき
上つた船を一々又今度は、通産省で一応管轄しておるものを、
運輸省に許可願を出さなければ建造に着手ができないということになると思うのです、実際問題としては。併しそんなことをしては間に合わないから、輸出船がきま
つた瞬間からそれだけの準備は私はすると思う。手続のほうはあとから遅れて来るわけです。そうして手続をした時に、外国と契約をして信用状も来ている。
運輸省で仮に横槍を入れようとしても入れようはないと思うし、又この法案では横槍を入るべき何らの根拠は私はないと思うのです。そういう
法律案をここに提出されておるので、私は非常に意外に
思つているわけです。そういう場合の通産省としての
考え方を
一つ承わりたいわけです。