○
政府委員(
細田吉藏君)
ちよつと
資料が遅れておりますので、
最初に概略を申上げまして、後ほど
資料で又詳しく申上げたいと思います。
最初に
関門隧道の
状況でございますが、
関門隧道の
排水につきましては、私
ども大臣のお供をして見て参
つたのであります。
最初排水の
段取りをつけますまでかなり時間的にかか
つたようでございます。と申しますことは、私
どもが当初考えておりましたよりも
パイプの据付け等がかなり困難な、何といいましようか、消防の
ポンプ据付けにすぐにでも行くというようなわけには参らない。
距離といたしましても
相当な
距離でございます。
パイプも短い
パイプを、而もかなり重い鉄管の
パイプを吊るというような
作業、それにかなり狭い所で
作業をしなければならないというようなことにな
つておりますので、もう本格的に始まりまして一昨日昨日と非常な減水を見ておる
状況でございます。今朝現在で申上げますと、前に約二キロの間に亙
つて浸水をいたしてお
つたということを申上げたのでございますが、この量が約九万トンでございます。それが今朝現在で約二万トン出ておりまして、七万トン
程度残
つておるのでございます。で、今後大体一万五千トン
程度一日はけて行くという
状況でございまして、まあ十一日頃には水のほうについては引けるのではないかという
見通しを持
つております。数字的にはこれまで
ポンプが逐次増加して参
つておりますので、これまでの日数の
計算と今後の
計算とは違
つて参るわけでございまして、非常に大量に出始めましたのは、私
どもの参りましたのは一昨日でございますが、一昨日
あたりからやや本格的に動き始めて参りまして、逐次増加をして行くという形にな
つておるのでございます。
問題は、水を出すだけの
計算は比較的楽にできるのでございますが、
只今のところは掘りまして、水を出しました
あとからすぐ
線路の清掃をいたしております。いろいろ瓶でありますとか、下駄でありますとか、いろいろなものが入
つております。そういうものを掃除をいたします。それから泥が溜ま
つておるもの、今のところは泥が非常に少いのでありますが、そういうものも清掃して、逐次水が引いて行くに
従つてや
つて参つております。又坑内の
電気関係の
作業なんかにつきましても、水が引くにつれまして並行的に
作業を進めて参
つております。ただ問題はだんだん
真中へ両方から攻めて参るわけでありますが、最健だんだん深い所へ達するにつれて、
パイプを延ばして行かなければならんという
作業が、揚水の
能率が上れば上るだけ、
パイプの継ぎ足しの
作業というものは殖えて来るわけであります。その点が問題でありますのと、それからもつと基本的にはどれだけ
土砂が入
つておるか。これをどういうふうにして持出すかというようなことにつきまして、まだ
はつきりした
見通しが立
つておらないのでございまして、そういう点で十五日
開通するということについては、
はつきり十五日は絶対大丈夫ということを言い得る
段階まで来ておらないのであります。ただ
現地といたしましても、十五日には是非とも
開通いたさせたいということで
努力をいたしておりますし、又
大臣にも見て来て頂いたようなわけであります。
勿論十五日は不可能ということは絶対出ておりません。不確かな要素があるわけでございますけれ
ども、これにつきましては何とか十五日に
開通いたしたい、こういうことで考えておる次第でございます。それから現在
ポンプは十一台で五百馬力稼動いたしております。
それからなお申し落しましたが、
隧道を
開通させます最後の
段階に来まして、いろいろ
線路をきれいにする
仕事、或いは
パイプを撤去する
作業とか、或いは
電気関係の
作業、
そういつたものが非常に狭い所で競合いたしまするので、その辺をよほどうまくやらないとごたごたして
仕事が混乱して、そのために
開通が
延びるんじやないかということも現地では非常に心配いたしておりまして、そういうものの
段取りにつきまして、
鉄道内部で
関係するところは非常に多いのでございますが、十分な
計画を立てて、
連絡を密にしてやりたいということを申してお
つたようなわけであります。いろいろ細かい、どういうふうにや
つておるというような
資料はございますが、極くあらましを申上げますと、そういう
状況でございます。
それから
関門間の十五日
開通といたしましても、
関門間の
輸送力が御案内の通り非常に減
つておるわけでございます。
旅客につきましては、ほぼ平常に近い
状況まで一応
連絡船で捌けておるのであります。と申しますことは、数字的に申上げますと、
関門間通過の
人員が、四日には一万二千六百人通
つております。それから五日には一万六千三百人
関門を通
つておるのでございます。本年四月一日
平均が一万五千五百人でございます。ですから四月の一日
平均よりは五日はすでに上廻
つておるという人数でございますが、五日はただ日曜でありますのと、
災害関係で人の動きも更にあるというようなことを考えますと、四月の一日
平均より必ずしも高い数字であると
言つていいかどうか疑問でございますが、いずれにいたしましても、四月一日の
平均一万五千五百人に対して五日は一万六千三百人という
人員がすでに渡
つておりますので、不便の問題は別といたしまして、
旅客の
輸送につきましては
関門間の大体力といたして
はついておるというふうに考えておるのであります。
問題は、荷物並びに
貨物でございまして、
貨物の
能力は非常に小さいのでございます。大体私、昨日も
門司の
鉄道監理局並びにこちら側の広島の
鉄道監理局と
相談をいたしまして、
貨物の
輸送力増強について協議して参
つたのでございますが、現在の
能力並びに将来の見込について申上げますと、現在はこういう形にな
つております。いずれも一日分でございますが、
関門丸と申しまして
平素自動車航送をいたしております昔の
関門の航送船でございますが、この
自動車連絡、
自動車を航送いたすもので
小口を約三百トンの
計画でございます。実績はこれよりやや下廻
つておりますけれ
ども、三百トンの
能力、それから艀の
積替えでございますが、これは
国有鉄道の
責任におきまして艀に
積替える。
両端で
積替えをいたすと、日本通運に下請を請負わさせておるわけであります。勿論
国鉄の全
責任において
運賃等はそのままでや
つておるわけであります。
無賃のものは
無賃でや
つておるわけでございますが、これが
車扱いで四十車、六百トンという
計画をいたしております。それから
機帆船、これは
国有鉄道所有の
機帆船でございますが、二隻を使用いたしまして、大体
車扱い七十トンの
計画をいたしております。このほかに
宗谷丸、これは
貨物船でございます。これを
下関、博多間に四日に一往復いたしております。それで千トンの積荷をいたしまして一日に二百五十トン、これを合せますと
小口が三百トンと
車扱いが約手二百トン、合計千五百トンくらいな
能力になるわけでございます。又この
能力は
相当厳重にや
つておりますからこれだけのものは
はつきりしております。併し
平素下りの
貨物がどれくらいあるかと申しますと、最近でもやはり一万トン
程度ございます。
能力としましてはもつとあるわけでございますが、
下りは空車を入れておりますような
関係で、大体一万トン
程度の
貨物を常時送
つておるわけでございますが、これに対しまして千五百トンということでございますから、勿論
能力的には問題にならないわけでございます。私
ども参りまして何とかこれを少しでも増強するということで
方法がないかということをいろいろ考えたのでありますが、一番現在隘路にな
つておりますのは
荷揚力のほうであります。
鉄道の
輸送力は
両端ともついておりますし、船につきましては、これはないとは申せませんで、あるわけであります。一番問題は両港における
荷揚力の
問顯でございますが、これにつきましても、
鉄道並びに
海運局、或いは
関係の
業界等、
相当努力をして頂きまして、逐次上
つて参るという
方向にあるのでございまして、先に申しました
車扱いの四十車六百トン、
艀輸送は六十
車程度にはもう直ちに上げ得るという話でございました。そういたしますと、
只今申上げました約千五百トンに対してすぐ三百トン
程度増加できる。併しこの六十車これだけでなく、更にもつと増強するというような点について
努力を
要請して参
つたような次第であります。問題はただこういうふうに
輸送力が非常に少いわけでございますが、一方この
救恤品関係の
物資ですが、これもいろんな
関係から実際まだ余り出ておりません。
下関に
滞貨があるか知らんと
思つて私
ども参つたのでございますが、実は
救恤品の
滞貨というものはないのでございます。全然今のところないのでございます。そこで私の
現地で聞きましたところでは、今日例の農林省で御提案になりました種籾が百
車下関に到着することにな
つております。これは早急に渡さなければいけない。これはかなり大量にまとま
つた救恤関係の品物でございます。結論的に言いますと、本日の百
車あたりを初めとしましてこれから殺到して来るんじやないかというふうに考えておるのでございまして、十五日仮に
開通といたしますと、ここ一週間ほどの間は
相当なピークが出るんじやないかと思う。
従つてこの一週間というものにつきましては、
全力を挙げて
輸送力を増強して、まあ
一般の
物資はともかくとして、
救恤品については何とか
関門間をあらゆる
方法を講じて渡してもらうように、渡すという
方向で
一つ考えてもらいたい。で、
現地でも
海運局長並びに
海上保安本部長、それから
監理局長、西部の
国有鉄道総支配人、
そういつたかたにお集まりを願いまして、
只今申しましたような線で
関門鉄道開通まで何とか
一つ、少くとも
救恤物資については遺憾のないようにしようと、一週間かそこらの問題でありますが、
全力を挙げてやりたいと
思つて、又や
つてもらうように我々は要望して参
つたような次第でございます。
それから若干
現地で問題にな
つて参つておりますのは、
救恤以外の問題でも、
石炭の問題でございます。
新聞にこれはこちらも出たかと思いますが、炭鉱の被害が非常に大きく
つて出炭ががた落ちになるというようなことも聞いておりまして、私
ども実は
輸送の側から見ますと、
石炭が出なければ緩和するわけでありますが、本当に
石炭が出ておれば大変だというふうに考え、又そういう情報がありましたので、本当に出ないのかと
思つてお
つたのであります。ところが
現地で伺
つて見ますと、
新聞に出たのがどうも間違いのようでございまして、
大手筋の
石炭はどんどん出し得る態勢にあるようでございます。それで
筑豊炭の
輸送の
要請は非常に強いものがあります。特にこれは
需要者の側と申しますよりは、貯炭が山元にございまして、
あと掘
つても先のものを、溜ま
つておるものを
輸送しなければ置場がない。
従つて水害はこう
むつていなくて採れるんだけれ
ども、掘るのをやめなきやいかんというような
事態から、非常に
要請が強いようでございます。これにつきましては、
筑豊の
石炭列車は
平素二十四本あるのでございますが、これを五日には五本、六日には十三本動かしております。約
半数ちよつとでございますが、この
程度旅客列車を欠かしまして
貨物物列車を入れております。
単線の部分がございますので、そういう形にいたしておるのでございます。これも
筑豊線の
複線開通ということをできるだけ急ぎまして、
港頭へ
石炭を出すということを成るべく早くやりたいというふうに考えておる次第でございます。
大体以上申上げまして、何かはかにいろいろございましたら、御
質問お伺いしたいと思います。