運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-08-07 第16回国会 衆議院 郵政委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年八月七日(金曜日)     午後二時一分開議  出席委員    委員長 田中織之進君    理事 羽田武嗣郎君 理事 船越  弘君    理事 大高  康君 理事 片島  港君    理事 吉田 賢一君 理事 濱地 文平君       小林 絹治君    坂田 英一君       武知 勇記君    伊東 岩男君       井手 以誠君    土井 直作君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君         郵政政務次官  飯塚 定輔君         郵政事務官         (経理局長)  中村 俊一君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   福田  勝君         大蔵事務官         (主計官)   谷川  宏君         専  門  員 稲田  穰君         専  門  員 山戸 利生君     —————————————  本日の会議に付した事件  郵政行政に関する件     —————————————
  2. 田中織之進

    田中委員長 これより開会いたします。  郵政行政に関する件について前会に引続き質疑を許します。
  3. 船越弘

    船越委員 昨日この収入印紙の売りさばき手数料、あるいは郵便切手の売りさばき手数料の問題についていろいろ質疑行つたのでありますが、その中で私がまだ納得のできない点がございますので、簡単に数点お伺いいたしたいと思うのであります。  まず第一番に郵政当局の方へお伺いいたしたいのでありますが、収入印紙三分の手数料で、郵政当局が売りさばき人にお渡しになつておる手数料が五千円までの金額が五分、五千円を越え五万円までが三分、そうして最低一分という手数料をお支払いなつておるようでありますが、収入印紙の三分の手数料大蔵省からおとりになつて、それを売りさばき人にいろいろこういうふうに三段階にわけて手数料をお支払いなつておりますが、特別会計内部においては、収支のバランスはどういう状態なつておりますか、お伺いいたしたいと思います。
  4. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 特別会計の中では御承知のように収入印紙切手はがき両方とも合せまして、売りさばき高に対して今なされたような率で支払つておるのであります。つまり郵政省の方で負担いたします切手はがき分とそれから収入印紙の分とは、二十六年ごろの実績によりますと、六割三分に対する三割七分という比率になつております。そこで現在大蔵省から収入印紙の売りさばきの手数料として三分もらつておりますものを、こちらで支払つております手数料と、それから郵政局、本省、それに普通郵便局特定郵便局、これは手数料は払つておりませんで、実際にそれに要する人件費物件費、それから切手収入印紙運送費、そういうような実費をまかなつて、大体償つておるように私ども考えております。
  5. 船越弘

    船越委員 大蔵当局の方にお尋ねいたすのですが、この三分の手数料はいつごろからおきめになつておられるのでありますか。
  6. 河野一之

    河野(一)政府委員 これは昭和二十三年度から始めておつたと思います。
  7. 船越弘

    船越委員 その以前は幾らの手数料でございましたか。
  8. 河野一之

    河野(一)政府委員 手数料なしであります。
  9. 船越弘

    船越委員 手数料なしというと、どういうふうなことになつておるのですか。特別会計内部は、どういうふうになつておるのですか。
  10. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 ひとつ速記をおとめくださつて……。
  11. 田中織之進

    田中委員長 速記をやめて……。     〔速記中止
  12. 田中織之進

    田中委員長 速記を始めて。
  13. 船越弘

    船越委員 大分わかつたような気がいたしますが、しからば現在やつておられる三分の手数料というものについて、売りさばき人に手数料がどのくらいかかるか、あるいはそれを現金を持つて行つて郵便局から売りさばき人が持ち帰るのでありますが、それの金利がどのくらいかかるか、いろいろなことを御検討なさつて三分をおきめになつたのでございましようが、その根拠をお聞かせ願いたい。
  14. 河野一之

    河野(一)政府委員 これもあるいは郵政省の方からお答え願つた方が適切かとも思うのでありますが、大体三分ということを考えます場合に、実費がどの程度になるであろうというようなこと、それから沿革的な理由をとつて考えておつたと思います。それからことにこれは先ほど申し上げたことなんですが、これがもともとが民間の方に売りさばくということで、郵便局は無手数料といつたような考え方であつたものですから、その辺が、割合その他について必ずしも十分な検討が遂げられたものとも思われないのであります。いわば沿革的な理由で三%になつておるというふうに率直に申し上げた方がいいのではないかと思うのです。税なんかのことを考えてみますと、現在税金に対する徴税費の割合が二・五%、このごろでは少上低くなつておりまして二男くらいでありますが、そこに一種の徴税費という考え方が加わつてつたのではないか、こう思うわけであります。
  15. 船越弘

    船越委員 その点についての中村さんの御所見ちよつと承りたいと思います。
  16. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 私の方もそうこまかい原価計算までして交渉したことではないと存じておりますが、その取引高税印紙、これがたしか三分何がしかだと思いますが、この取引高印紙を権衡がとれておるというようなことで、私ども了承しておるのもその一つ根拠ではないかと思います。
  17. 船越弘

    船越委員 郵政当局の以前の御答弁の中に、この売りさばき人は、こういう印紙あるいは切手類を売るということが、その店舗の信用保持の上に非常に大きな影響があるのだ、だから手数料は安くても、喜んでそういう人々は売つているという意味お話つたのであります。現在のような経済情勢下においてはほとんどそういう意味はなくなつておると思う。実際に売りさばき人が売つておるところの状態を見ますと、手数料のないものはもう切手印紙という言葉さえあつて切手印紙みたいなものですから、私の方は手数料はございませんというような言葉さえあるくらい現在は手数料が少いということが彼らの通り言葉なつておるのであります。しかも今のような経済情勢下においては、この切手印紙を売つておるということが、信用保持ために決してなつておらぬ、その証拠には以前こういうものを売つておられた人々はほとんどやめられました。次から次へかわつて行つておる。しかも一般国民はこの切手印紙を買いに行きましても、思うように必要な印紙切手が手に入らないものがたくさんある。私は広島県のいなかでございますが、いなかにはそういうことが非常にたくさんあるのでございます。それで売りさばき手数料を幾分でも値上げをすることによつて、売りさばき人の国民に対するサービスをよりよくせしめる必要があるのではないか、それにはこの収入印紙の三分という問題も生れて参りましたので、大蔵当局の御足労を願つたのでございますが、この収入印紙の売りさばき手数料にもやはり脱金がかかつて来ておるのであります。しかも二十三年から三分ということに御決定になつたらしいのでありますが、二十三年当時から現在までに至るところの経済情勢相当かわつて来ている。税金の面におきましても、あるいはいろいろな諸物価の面におきましても 非常に大きな隔たりがあるのであります。郵政当局といたしましては、大体三分の手数料をもらつて特別会計内部の面からすると、これはとんとんであるというふうにお考えなつておられますけれども特別会計内部ではとんとんになつておるかもしれませんが、売りさばき人、あるいは国民の側からいたしますと、非常にそれがために不便を感じている。また一面におきましては、日雇い労務者健康保険印紙なんかは五分の手数料なつております。同じく失業保険印紙も五分の手数料というふうな状況になつて来ておりますので、何とかこれは御検討が願いたいと思うのでありますが、大蔵当局並びに郵政当局の御所見をお伺いいたしたいのであります。
  18. 河野一之

    河野(一)政府委員 船越さんのおつしやいますような点、まことにごもつともな点があると思うのであります。実は先ほど申し上げましたのは、沿革的な理由相当大きな要素を占めていると申し上げたのでありますが、これは実費計算をいたして、はたして赤字であるのか、あるいはどの程度利益を——もちろん郵政会計が昔のような一般会計の中でありますならば別でありますが、これが特別会計で企業の採算ということを見るということになりますと、いろいろな要素が出て来ると思うのであります。それから民間につきましても、これを売りさばくについて必要経費がどうなつているかというような点、それに対してどのくらいの利益を見たらいいのか、ことに相当印紙を持つ、切手を持つということになりますと、そこに資金を要して、その金利計算というようなものもあるわけであります。実ははなはだ申訳ないのでありますが、そういう点の原価計算に対する検討が、これは国の会計の全体についておしかりを受けているのでありますが、実はよくできていません。そこで御指摘を受けました失業保険収入印紙は五%でございまして、これは御承知のように職業安定所で一々張りますもので、非常に小額のものであります。ところが収入印紙となりますと、受取証書に対して五円、三円のものを張りますほかに、登録税などというものは相当大きなものがあるというようなことで、ここでそういつた点を考えて、実は三%ということであり、実行上は五千円までは五%というようになつているのだと思うのであります。御参考までに申しますと、二十三年の当時は八千四百万円の手数料の数字であつたものが、二十八年には五億一千万円ということで、約六倍程度なつているわけであります。物価関係もございますが、一応収入としては相当つており、手数料の支出もふえてはいるわけです。しかしこれが個々の業態の実態に照らして、これではたしてまかなえているかどうか、あるいは五千円を越えるものについては三%で、最高一万一千百円で切るといつた程度がいいかどうか。これはおつしやるまでもなく、検討を要することだと思います。御趣旨の点は非常にごもつともな点もありますが、いろいろな点を考えまして、そういつた資料を十分検討して妥当な結論を得たいと私としては考える次第でございます。
  19. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 この問題につきましては、すでに政務次官からお答えがあつたと存じますが、今船越委員からお話のありましたように、この問題は売りさばき人に対する手数料の問題と、一般国民方々が売りさばき所へ行つて必要なはがきなり収入印紙なり切手なりが間々買い受けられない、こういう不便に対する二つの面から考究をしなければならない。そこで売りさばき手数料の問題も同時に売りさばき所に常に一定印紙が常備されておる方法としてどういう方法をとつたらいいか、たとえばタバコのように持込み配給をする必要があるかどうか、それをやるとすればどういう方法でやるかというようないろいろ問題があると思いますので、そういう計画を検討いたしました結果、どれくらいの経費がかかるかということを見まして、私どもの方で案ができましたならば大蔵省と打合せをいたしまして御趣旨に沿うような方向に持つて行きたい、このように考えております。
  20. 船越弘

    船越委員 大分私も納得が行つたような気がいたしますが、最後大蔵当局方々にお願いいたしておきたい。と申し上げますのは、わずかこの手数料の問題だけで、本委員会はこれで三回開いておる。それは大蔵当局の御臨席がなかつたためであります。それがため同僚委員方々に非常に御迷惑をかけておる。また委員長にもいろいろお骨折りを願つておる。それで、私は問題があるかと思いまして、わざわざ衆議院要覧というものを持つて来ておる。都合によつてこれで成規手続をとつて、ぜひとも大蔵当局を呼んでもらおう、こういうふうな考えまでいたしておつたのであります。昨日谷川主計官がお見えになれはこういうことは全部わかるというお話でおいでになつた。その谷川主計官にお尋ねいたしますと、要領を得ない、わからないのであります。そうして委員長からたびたび大蔵当局にお願いしておつた。にもかかわらず言を左右にして出て来られなかつたのであります。こういうことは、これは当委員会はかりではございませんけれども、われわれは少くとも国民代表でございます。この売りさばき人も約七万人余りおります。また売りさばき人だけの代表ではなくして、国民が非常に不便を感じておるから、私は質問をいたしました。その国民に対しましても、ぜひともそういう態度をおとりにならず、できれば万障繰合せて御臨席が願いたい。正規の手続をとつたり何かしなくてもぜひとも出ていただくようにお願いしたい。特に郵政委員会で今後こういう問題がございまして御臨席が願えないというときには、いよいよ最後手続きをとりたいと思います。ぜひともそういうふうにお願いいたしておきたいと思います。
  21. 河野一之

    河野(一)政府委員 いろいろ手違いもございまして、私がお伺いいたしませんでおしかりを受けましてまことに申訳ない次第であります。今後におきましては十分注意いたしまして御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
  22. 田中織之進

    田中委員長 これて先般来持越しの収入印紙取扱い手数料等の問題についての質疑終つたのであります。  この際委員長から大蔵省側にお願いしておきます。これはすぐでなくてけつこうでありますが、ちようど郵政職員のうち公労法適用を受けておる諸君に対する調停案が出ております。会期もなお延長になるやに伝えられておりますけれども、今会期中その問題についての調査はなかなかむずかしいと思つておりますが、当然次期国会においても問題になると思いますので、その審議のために、大蔵省関係公労法適用を受けておる現業官庁があると思います。そうした関係諸君給与頭打ち問題等関係資料がお取調べの上でさましたら本委員会に御送付願いたいと思います。
  23. 河野一之

    河野(一)政府委員 頭打ち関係に関する資料は、大蔵省関係では印刷局造幣局、専売も多少ございますが、そういう資料は取調べておりますので、至急提出申し上げることにいたします。
  24. 田中織之進

    田中委員長 今申し上げましたように、会期のさらに若干の延長も伝えられておりますけれども、本委員会は一応これをもつて終了いたしたいと思います。本会期委員長に就任いたしまして、じみな本委員会所管事項につきまして、委員皆さん方から熱心の御審査をいただきましたことを委員長として厚く御礼を申し上げます。  なおただいま大蔵省側へ希望申し上げました郵政職員の新しい調停案問題等についての調査も、残つておるわけであります。閉会中に委員派遣によつて実地調査等をされる関係もありますので、十分現業の第一線の諸君給与関係、そういうようなことについても御調査を願いまして、次期国会においてこれらの調停案給与改善問題等についての委員会としての意見をできればまとめたいと思いますので、御研究を願いたいと思います。  なお公労法適用関係公社等につきましては、定員法との関係国家公務員定員からわくをはずした等の問題もありますし、郵政職員のうち公労法適用職員について定員法わくからはずしてもらいたいというような要望もありますので、この点については専門員諸君を煩わして委員長の方でも研究を進めておりますが、いずれこれは先般の請願の審査にあたりましても、定員わくで縛られてせつかく要望が入れられないというような面もありますので、こうした現業官庁定員の面は国家公務員としての定員の中へ入れて行く方が適当であるかどうかというようなことについても、あわせてひとつ研究願いたいということを委員長から希望申し上げておきます。
  25. 船越弘

    船越委員 いろいろ定員法の問題などの研究もしろというお話でございますが、この際お伺いいたしておきたいのは、電通、郵政一つ常任委員会を持ちたいというような問題が各派で話合いされておるということであります。その点について何か委員長の方で御検討なさつたことがありますか。
  26. 田中織之進

    田中委員長 これは国会法改正問題に関連いたします。御承知のように国会常任委員会は各行政省別ということに原則としてなつております。その関係からいたしまして、電気通信省が廃止になつておる段階において、電電公社行成機関としての所管省郵政省なつておる関係から、これを一元化すべきであるという意見が出ておることは委員長承知いたしておりますが、最近における国会法改正の問題で、特にその点の意見が持ち上つておることは伺つておりますが、はたして会期も本日中で終るか、またたとい延長になるといたしましても、二、三日のことと思いますので、この国会でそれが実現するかどうかということについてはわかりかねておるような次第であります。各行政省別委員会という考え方もあるようでありますけれども、たとえば農林委員会水産委員会というものも現にあるわけでありまして、近く設置を伝えられて、改進党から議員立法という形で提案を見ておる防衛委員会設置の問題も出ておりますので、必ずしもまだ原則的な問題も確定しておらないのではないか、委員長はさように理解いたしております。  この際飯塚政務次官より発言を求められておりますのでこれを許します。飯塚郵政政務次官
  27. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 先ほど委員長から今国会中における委員会に対してのごあいさつがありましたので、当局として一言申し上げたいと思います。  実は大臣が出まして申し上げるのがほんとうでありますけれども、かわつて私から申し上げますが、今度の会期中は特に本委員会にお願いいたしました郵便法の一部改正による小包料金改正の問題、さらに郵便物託送問題等、かなり難航を予測されたのでありますけれども委員長初め委員各位の熱心なる御検討と御支援によりまして、無事両案ともに通過いたしましたことを、私どもといたしまして心から御礼を申し上げる次第でございます。  なお電電公社職員との賃金是正の問題に関しましては、一方ならぬ御支援によりましてその目的を達しましたので、郵政従業員といたしましても非常に感謝を申し上げておる次第でありまするから、あわせて御礼を申し上げましてごあいさつといたしたいと思います。
  28. 田中織之進

    田中委員長 本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時三十六分散会