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1953-06-30 第16回国会 衆議院 郵政委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年六月三十日(火曜日)     午後二時十二分開議  出席委員    委員長 田中 織之進君    理事 大上  司君 理事 羽田武嗣郎君    理事 船越  弘君 理事 大高  康君    理事 片島  港君 理事 吉田 賢一君       小林 絹治君    武知 勇記君       伊東 岩男君    櫻内 義雄君       佐々木更三君    土井 直作君  出席政府委員         郵政政務次官  飯塚 定輔君         郵政事務官         (大臣官房人事         部長)     八藤 東禧君         郵政事務官         (郵務局長)  松井 一郎君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      白根 玉喜君  委員外出席者         郵政事務官         (貯金局第一業         務課長)    畠山 一郎君     ————————————— 六月二十九日  綾部市内に無集配特定郵便局設置の請願(大石  ヨシエ君紹介)(第一九七三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  郵便物運送委託法の一部を改正する法律案(内  閣提出第八〇号)  郵政行政に関する件     —————————————
  2. 田中織之進

    田中委員長 これより開会いたします。  この際お諮りいたします。郵政行政に関する件について、本日の日程に追加して調査を進めたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中織之進

    田中委員長 御異議なしと認めまして、それでは郵政行政に関する件について調査を進めることにいたします。  なおこの際、今般の九州地方水害に関し、通信関係も相当被害を受けたようであり、これが復旧水害対策実施上きわめて緊要と認められますので、政府側よりその状況及び郵政省として今次水書に対する対策をそれぞれ実施中のことと思いまするので、その間の事情等を御報告願いたいと思います。簡易保険局長
  4. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 途中ですけれども、それは郵政全体の説明ですか、それとも保険局だけですか。
  5. 田中織之進

    田中委員長 郵政全体の説明を求めておるのですけれども、まだ関係政府委員が見えておりませんので、第一に保険局関係でそれぞれ対策を講じておる点もあると思いますので、その部分から御説明を願いたいと思います。
  6. 白根玉喜

    白根政府委員 今回の水害にあたりまして、郵政全般にわたりましての被害状況並びに対策につきましては、私主管ではございませんので、いずれ御報告を申し上げることに相なると存ずるのでございますが、さしむき簡易保険局自体といたしまして、今度の水害に対しどういう対策を講じておるかにつきまして、御説明申し上げたいと存じます。  まず保険局罹災状況につきましては、実は郵便局がどのくらい水びたしになりまして、たとえば保険原簿がどのくらい流失して、どういう被害があつたということにつきましては、ただいまの段階でははつきりいたしておらないのでございまして、急速人を派してただいま調査中でございます。従いまして被害状況自体につきましては、まだ詳しい御報告ができないことを残念に存じておる次第でございます。ただ郵政局は別といたしまして、九州地方には私の方の直轄の福岡地方簡易保険局というのがございますが、その庁舎自体につきましては、被害はほとんどなかつた模様でございます。ただ午前中に電報が参つたところによりますと、職員のうちで罹災を受けておる者の人数といたしましては、三百人程度ある模様でございます。状況は、実はその程度報告する程度でございまして、たいへん遺憾に存ずるのであります。  しからばこのたびの水害に対しまして、私どもとしていかなる対策を打つべきものであるかということにつきまして、いろいろ研究いたしましたところ、三点あると存ずるのであります。一点は従業員に対する対策はどうであるか、二点は事業水害に伴う影響をどうして克服するか、復活するかという面と、それからいま一面、私どもの方といたしましては、今年度に至りまして運用を再開いたしておる次第でございます。地方公共団体等に対する復旧に対しまして、融資その他によつて何か貢献する必要があるのではなかろうか、そこに対してどう処置するかという問題であろうと存じておる次第でございます。  従業員に対する関係といたしましては、いずれ人事部その他で一般的なことを御説明申し上げることに相なると思いますが、罹災程度に応じまして共済組合による非常貸付をやると同時に、できるだけ官の力によりまして補助する方法を考えたら、どうかということで、今本省にも復興対策に対する応急の機構をつくりまして、せつかく整備中でございます。  次は事業の面、加入者に対する面でございますが、簡易保険におきましては、かような水書なり火災を受けた加入者に対しまして、便宜の措置によりましてできるだけ金の面において急場をしのぐ方法非常措置を講じて従来とも参つておるのでございまして、言いかえますと、加入者に対して非常貸付という制度を従来とつておるわけであります。これは契約者貸付の際におきましては、中央まで参りまして原簿関係等も照査いたしましてお貸しすることになつておりますが、かような非常事態におきましては、郵便局ほんとうに簡易な手続で非常貸付をやるごとに相なつております。その制度を、このたびにおきましても十分活用するように、郵政局通達済みでございます。そういうようなことをやつております。なお事業復興整備につきましては、原簿が流失したり、あるいは、汚損したりしたような際に対する非常の措置につきまして、郵政局中心にいたしまして、かようなときにはいつでもやらしておるのでございますが、それもこの際相当異常な被害でございますので、それに対応する施設を十分やらせるために、本省からも人を派して、その整備事務をやらせる準備を整えておる次第でございます。  次は罹災府県、市町村に対する応急的な融資措置の面についてでございますが、この点につきましては、大蔵省自治庁とも緊密な連絡をとりまして、昨日大蔵省の方からは資金課長がおいでになつておる模様でございますが、本日は自治庁からも参りますし、私の方からも運用課長現地に派遣いたしまして、応急的な融資限度並びに措置について現地と緊密な連絡をとりつつ、中央でも速急やるような話合いをただいまやりつつあるとこでごごい余す。その点どの程度ということをただいままだお知らせする段階ではございませんが、できるだけ機宜の措置をやりたいという気持をもちまして、目下関係庁と具体的な折衝を進むる段階に至つている次第でございます。  はなはだ簡単ではございますが、簡易保険局関係におきます罹災状況並びにただいままでの考え方に基く対策の一部を御報告申し上げた次第でございます。
  7. 田中織之進

    田中委員長 それでは郵政省全般についての被害状況その他について、松井郵務局長より御報告願います。
  8. 松井一郎

    松井政府委員 今般の北九州関係水害につきましては、ただいままでのところまだ通信連絡その他が非常に不完全でございまして、私どもも詳細な状況はつきりと把握する状態には、残念ながら立ち至つておりません。しかしいろいろ入つて来る情報を総合いたしますと、相当被害範囲は大きく、また深刻なようであります。そこでけさほどは大野国務大臣一行が、今回福岡に西日本の水害対策本部が設置せられますので、これの連絡のために私どもの方の板野郵務局次長を初めとして、二、三人の関係官がそちらへ参つた次第であります。従つてごく最近のうちにほんとうのしつかりとした状況がつかめるのではないかと期待しておる次第でございます。ただ現在までに入りました情報を総合いたしますと、大体皆さん方新聞紙上等で御承知通りでありまして、熊本中心とする部面、あるいは久留米市内日田市内門司市内小倉市内こいうふうなところ、矢部川、筑後川、遠賀川といつたような流域を中心こして、非常に大きな氾濫が起つております。大体その区域内にある局舎は、大小とりまぜて二百局くらいあるわけでありますが、その個々の局舎状況については、残念ながら今日までまだつまびらかになつておりません。熊本郵政局自身につきましても、床上の浸水が五尺もあるというような情報が入つております。  大体の郵便物状況につきましては、交通機関が一時に杜絶した関係上、各地に積滞を生じたのでありますが、幸い昨日から山陽線も全通いたしましたので、中間駅にありました郵便物の積滞をどんどん下関方面に向つて、現在配送を続けております。けさほど下関には郵袋にして大体二千四百箇ばかりのものがたまつているそうであります。しかし下関はそういうものの保管場所が非常にゆつくりありますので、かつまた九州方面における各交通網が刻々と開通されておりますので、この積滞はそう心配することはないのではないかと思つております。そしてここへ来たものは現在のところ日豊線——門司からずつと大分を通じて鹿児島へ行く線でございますが、これが生きておりますので、大体熊本、宮崎、鹿児島方面へ行く郵便物は全部これを使つております。ただこういうものを使いましても、おのずから処理量に限界がありますので、一般的な小包というものの処理だけは、しばらく引受を停止しております。何にしても郵政省としては第一種、第二種の通信連絡というものを確保することが先決問題でありまして、多数の従業員がみずから罹災しながら、かつこの方面における配達をやつて行くということには、今後非常な困難が予想せられるのでありますが、何としてもこの一種、二種の配達ということに全力を注いで行きたい、かように考えておる次第であります。  なお郵政省自身従業員罹災者につきましては、これもあわせて行わなければ、とうてい業務の円滑な運行はできないわけでありまして、この面については、法規に定められているあらゆる施策を迅速にやらすということのほか、できるだけ従業員自身復興に役立つような物資その他も調達いたしまして、現地にこれもまた関係官を逐次派遣しておるというのがただいまの現状でございます。
  9. 田中織之進

    田中委員長 それではただいま御報告になりました北九州水害状況について御質疑があれば……。
  10. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 保険局長に、これはちよつと幼稚な質問ですが承りたい。被害加入者対策の分につきましては、郵便局の窓口で急速に貸付を実行されることはまことにけつこうなんだが、大体これはどのくらいの割合においてなし得るのですか。割合というのは払込み金額との割合ですが、それと総計はどのくらいになりましようか。その辺の数字を聞かしてもらいたいと思います。
  11. 白根玉喜

    白根政府委員 非常貸付の際におきましては、保険料をかけた金額はわかります。加入後何箇年たつたという年限もわかります。それから保険金額もわかります。従いまして、その際にもしここで解約したら還付金が幾ら出るかという額を限度にいたしているのでございます。従いまして十年満期の場合と、それから十五年満期の場合と、また加入後一年の場合、二年の場合、三年の場合というのでいろいろ違うのでございまして、従つて画一的に最高限度とうということは、保険種類によつて違うわけでありまして、また総額の面につきましては、罹災者のお気持によりまして、非常貸付を御希望する人の数によつてまた違うわけでございまして、御質問の、どのくらいの金額になるかということは、実は私の方からは推定もちよつとむずかしい状況であります。
  12. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは既払い保険料に対して、最高どのくらいまで貸せるのですか。
  13. 白根玉喜

    白根政府委員 保険契約では、最高保険金額といたしましては御承知のように法律で八万円になつておりますので、それで割合というのは契約によつていろいろ違うのでございます。ただこういう非常災害のときとか、伝染病で人がおなくなりになつたときには、還付金倍額支払いということも考えられます。従いまして最高というのはちよつと申し上げかねます。
  14. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、たとえば証拠物件、通帳とかそういうものを紛失した人が多数にあるだろうと思います。あるいはそういうものが一時見つからぬこともあるだろうと思います。そういう非常措置は適当にとるようになるのですか。
  15. 白根玉喜

    白根政府委員 建前といたしましては、何かの証拠物件がなければならないことになつておりますけれども、しかしながら実際面といたしましては、その地域の人に対しまして保険契約募集に参つたり、集金に参つたりしておるわけでございますので、建前から行けば証明力がなければと言われますけれども、実際問題としては加入者の万々の証拠力はほとんどない場合でも、ある程度人柄その他を見まして非常払いをやつておるのが実情でございます。
  16. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その際やはり一定方針をお示しになつておかぬと、末端は非常に混乱するだろうと思います。たとえば通いを失つた、あるいは原簿も見つからぬというような場合でも、何らかの証明があれば、人聞証明とか証明書があれば、この人にどういう種類のどれだけの保険を何ほどかけたものを所持しておるか、こういつたようなものは証明があればなお貸し付けてよいというような、一つの方針とか基準とかをお示しになつておるかいなか、またそれは適当に、臨機措置なら臨機措置らしく、方針示しておかねばなるまいと思いまするが、そういうことについての用意はしておられるかどうか。
  17. 白根玉喜

    白根政府委員 実はこの種の災害には毎々あるわけでございまして、その際におきまして非常貸付をした際に、初めはおつしやるように相当混乱があ  つたわけであります。しかしながら日本のような災害の多い国で、だんだん当路者もなれて参りまして、従いまして一定の標準ができているわけであります。証明力があるときは非常払いをするように、こう書いてございますが、その証明力というのは物的証明力ではなくても、実際募集者なり集金人信憑性があれば、慣行としてやつていいような建前になつておるわけなんです。
  18. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますると、その募集人なりあるいは従事しておる公務員の方なり、あるいは相手方なり、そういう方面において大体信用し得るという程度の何らかが示されれば、それに対して貸付をする、こういうことが従来がら慣行になつておる、あるいは災害の多い国だからなれておるというものの、このたびの九州は空前の災害と思いますから、今までの災害に比べて一層証明力が不足する場合が多々あるだろうといます。そういう場合に相当な日時を空費するということになつては、また臨機措置に適しませんので、そういうものについては従来の慣例があれば、慣例をさらに一層活用し得るような方針が示されてしかるべきだとわれわれは考えるのですが、それについてはいかがですか。
  19. 白根玉喜

    白根政府委員 震災の際におきましても、静岡の大火のときにおきましても、おつしやるような事態が出たわけでございます。初めのうちは証明力ということを相当強く言つてつたわけでございますが、慣行上、それによつて加入者の方が別に虚偽のこともおつしやつておらない模様がわかつて参りまして、従いましておつしやるような気持でやるようにということは、従来の例もそうなつておるのでございます。だからおつしやる通りにやるようになつておるのでございます。
  20. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なつておりますが、この際保険局として、郵政省として、何らか通達とかあるいは命令とか、何かをなさつておるのですか、しないでもいいのですか。
  21. 白根玉喜

    白根政府委員 それで実は業務課の人間を現地に派遣いたしまして、特殊の非常災害でもございますので、その面を含んで、今先生がおつしやいました気持でやるように指導するようにということで、人を派することになつております。
  22. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もう一点、災害を受けた地方公共団体への応急融資の問題ですが、これは大蔵省なり自治庁なりと具体的には折衝中のようなお話を今承りましたが、これについてはやはり急ぐべき問題であると同時に、また災害対策本部もできておることであるから、それらとにらみ合せて具体化するかとも想像するのでありますけれども、どれほどのものが動くとか、あるいは何かの基準でも浮び上つたものがもうあるのでしようか、あるいは今のところはまつたく五里霧中であるのでしようか、その辺はどうなんでしようか。
  23. 白根玉喜

    白根政府委員 応急的融資限度をどこべ置くかという問題につきましては、現地事情も聞かなければならないし、またこちらの中央でも研究といつてはおかしいのですが、大体今お互いに話合い中であります。短期融資につきましても、短期でございますので、そのあとで補助金その他の見合いの関係もございますし、さればといつてコンクリートにならなければ短期融資ができないというのもいかがかと思いますので、従つてさしむき現地責任課長三者とも出しまして、それから本省は三者で話合いをいたしまして、できるだけ早くわくを決定いたしたいという段階でございまして、残念でございますが、今何億になるかということの段階でないことを遺憾に存じておる次第であります。
  24. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 郵務局長にお伺いいたしたいと思います。郵便物ではなくて、一般小包の扱いを打切る、こういう御説明がありましたが、これはどの区域もしくは時間的な期間、それらはどうなるか、その辺につきまして伺いたい。
  25. 松井一郎

    松井政府委員 私ども小包引受を停止いたしましたのは、福岡県、佐賀県、熊本県、大体この三県の分をやつたわけであります。大分県も一部は水害の地区になつているようでありますが、まだ情報はつきりいたしません。どうもこれも小包輸送関係が、主としてそういう集中局分配をやつておりますので、あまりこまかくわけ得られない、一応こういう形で停止しております。しかしもちろんこれは現地情報がわかり次第、一日も早く解除いたしたいと思つております。まだただいまのところ、いつからこれを解除できるかという見通しはちよとつきかねる状況であります。
  26. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 停止はいつ始めましたか。
  27. 松井一郎

    松井政府委員 昨日からそれをすることにいたしたのであります。
  28. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 やはり小包かくのごとき重大な災害のときには、鉄道郵便その他一切の輸送力をあげて協力するという態勢にならなければいかぬと思うのです。災害を受けた人々は、おそらく食糧などは相当困難を来しているだろうと思います。それでこまかいところへ末端にまで神経のごとくに通つて物資を補給してあげるという道は、郵政省におきましてもこの際重大な責任があると思います。なるほどそれは災害を受けた従業員が努力をなさる両方の仕事になるので、えらいだろうけれども、これは国民一般同じことで、その他民間の者も同様でありますので、すみやかにこれは解除する。そうして非常事態ならば非常事態らしく、郵政省小包輸送事業は一層活発に、有機的に機能を発揮されなければならぬ。平常時だけ法律をやかましく言つて、非常時になつたらストツプしてしまう、そういうことでは郵政ほんとう小包を扱うべき態勢ではないと思います。ですからどんな困難がありましても的確を期して、一日もすみやかにこれは解除するという方針に出てほしいと思います。
  29. 松井一郎

    松井政府委員 お言葉の通り、私ども非常災害のときにも全力をあげて、使命を完遂いたしたいと考えておりますのですが、何さま現実の輸送力配達力、そういうものが非常に制約されている。そういう場合に一体郵政省として第一義的に取扱わなければならぬのは何であるかということは、おのずからそこに順序もあろうかと思います。十のものが十出せない場合に、一応何を優先するかということを考えますると、何と申しましても安否通信中心とした通信におのずから重点が置かれると思います。これはほかの機関では大体できない性質を持つているのであります。小包ももちろん大事でありますが、これは鉄道その他の交通機関をもつていただく部面もありますので、とりあえず、救急時においては、まず第一に一種、二種の通信の方から先に打開して行きたい。もちろんこれは見通しがつきますれば、おつしやる通り一日も早く小包輸送を開始したいと考えておる次第であります。
  30. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはたいへん根本に触れた問題でありまして、安否を知るとか知らないとかいうことは、たとえばお見舞の手紙とか、あるいはこうだああだというようなことはむしろ付随的な問題であります。だから安否の問題よりも、私は生活に必要な最低限の物資を受取るということが、災害者のためには一番大きな問題だろうと思います。そこで郵政事務当局において安否中心主義にこれを優先せしむる、物資は第二義に置く、そういう判断を下すということは、私は本来の立場じやないと思います。これはやはり災害に臨み、郵政事業は何を優先さすべきかということを、省議において協議しなければいかぬと思うのです。私どもはやはり物の方が大事だと思います。一般参考資料あるいは電信電話等の、この非常の事態に対応する通信磁能の発揮を要することはもちろんでございますけれども、今の安否の問題が、生活の必需な物資の問題とかいことであれば、常識から考えても後立が優先すべきだということは当然だと思います。でありますので、はたして今のお説のごとくであれば、これは郵政省省議においてよく御検討になつて、急速にいずれを中心とすべきやという方針について、新たに御協議あつてしかるべきと思いますが、いかがですか。
  31. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 ただいま吉田さんのお話のごとく、非常災害においては、いずれを先にするかということは第一に考えなければならない問題でありますけれども郵便事業の本来起りましたときからの考え方としては、今松井局長から申し上げたことであります。けれどもただいまのお説のごとく、非常災害の場合にはどうするか。ただ現在の場合としては鉄道の荷物、郵便小包現地に発送して、この災害によつて非常な御迷惑を受けておる方がたくさんございます。その上さらに今度小包現地に送るごとによつて、またかえつて混乱を来すおそれがあるので、一時の便法としてこの措置をとつたのでありますから、その点はあなたのお説も十分われわれ考えておる次第であります。
  32. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もう一点だけ伺つておきたい。郵便物が相当積滞したらしいのですが、この積滞はどういう状況でありましようか。先ほど処理についての御説明はやや伺つたのでありますけれども、これについて一応承つておきます。
  33. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 私どもは実は小包に関する疏通の制限というようなものは、なるべくやりたくないのであります。万全の措置をとつて、何か災害があればすぐにそういう制限措置をとれば、積滞の事態も防げ得ると思うのでありますが、大体その辺の情報については最後まで見送つてつたのであります。きのうに至りまして、どうしても下関の積滞ということが予想されて参りましたので、やむを得ず先ほど申しましたような小包制限をとつたのでありますが、これは突発的な災害でありまして、それまでに各地から送られて来ておりましたものが、中間の汽車の休止とか、また不通とかいつた事態のために起きたのであります。そういう現象のために起きておりますが、もちろん小包の方は昨日から一応停止しております。この積滞は今後そうふえる見通しはないだろうと思つております。
  34. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この席上ではどうかと思いますが、電信電話災害状況について、おわかりの範囲でお聞かせいただければたいへんけつこうだと思います。
  35. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 直接担当官が見えておりませんので、その報告を受けた範囲で申しますが、非常に大きな災害でありますために、どれだけ不通になつておるか、どれだけが使い得るかということさえ、まだはつきりわかつておりませんけれども、現在は小郡から福岡に対して、また福岡から熊本、あるいは鹿児島に対して、超短波の無電の利用が現在一番有効に使われておるような報告でございます。その他は福岡から熊本に参りましても、熊本の無電局から市内の電信電話に対する連絡は、まだたくさん浸水しておるものでありますから、これがはつきり判明しておりません。大体熊本が一番被害が多いようで、七千の電話のうち四千くらいが被害を受けている状態であります。
  36. 田中織之進

    田中委員長 この点について御質疑はございませんか——。なければ次に移ります。     —————————————
  37. 田中織之進

    田中委員長 次に郵便物運送委託法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。質疑は通告順によりこれを許します。吉田賢一君。
  38. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 質疑に入ります前に、少し資料を提出していただきまして、私が研究いたして次の機会に質問させていただきたいと思います。  現在随意契約の相手方になつております日本郵便逓送株式会社との関係を明瞭にしておきたいと思いますので、これの契約の日あるいは契約が何回もかわつているならば、その更新しました都度の契約実行の状況、それから日本郵便逓送の内容、会社の財産目録、最近の貸借対照表、損益計算書、郵政省から受取つておるところの金額状況、要するにこの契約の相手方になつておる唯一のものらしいのだが、これについて知り得る一切の資料をひとつ出していただきまして、これを郵政省との関係についてよく検討してみた上で、本件について質問したいと思いますので、資料の提出方をおはからい願いたいと思います。
  39. 田中織之進

    田中委員長 ただいま吉田委員より御要求のありました資料を提出していただきたいと思います。次回の委員会までに提出していただくことができますか。
  40. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 はい。
  41. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なるべく早く、委員会のその日の朝というのでは、われわれそれを調査する期間がなくなりますから、前もつてとつおのおのの手に配付されるように願いたいと思います。
  42. 片島港

    ○片島委員 大体吉田委員の要求でいいと思うのですが、さらに日本逓送のみならず、そのほかにもこれを請負つおるところが若干あるやに聞いておりますし、さらにまた日本逓送株式会社が最初発足しました当初は、郵便の輸送のみをやつてつたかのごとく記憶しております。それがだんだんと取集めやら配達などにまで拡張しておるように、この改正案で見受けるのであります。こういう変遷、どうしてそういうふうになつて来たのか、この問題は特に全国の郵便物輸送、一部の取集め、配達、こういつたものを一括して随意契約ということになると、独占的にあの日本逓送にやらせるという、まことに重大な問題であります。そういう点についてはもう少し親切な資料をいただいて、私は非常に疑問の点がたくさんありますけれども、さらにそういうものを研究した末で、次の委員会から質問をいたしたいと思います。
  43. 田中織之進

    田中委員長 ほかに資料の要求がなければ、これらの資料の提出を待つて本案に対する資疑に入りたいと思います。  本日はこの程度で散会いたします。     午後二時五十三分散会