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1953-06-30 第16回国会 衆議院 郵政委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十八年六月三十日(火曜日) 午後二時十二分
開議
出席委員
委員長
田中
織之進君
理事
大上 司君
理事
羽田武嗣郎
君
理事
船越 弘君
理事
大高 康君
理事
片島 港君
理事
吉田
賢一君 小林
絹治
君
武知
勇記君 伊東 岩男君 櫻内 義雄君 佐々木更三君 土井 直作君
出席政府委員
郵政政務次官
飯塚
定輔君
郵政事務官
(
大臣官房人事
部長) 八藤
東禧君
郵政事務官
(
郵務局長
)
松井
一郎
君
郵政事務官
(
簡易保険局
長)
白根
玉喜君
委員外
の
出席者
郵政事務官
(
貯金局
第一業
務課長
) 畠山
一郎
君
—————————————
六月二十九日
綾部市内
に無
集配特定郵便局設置
の請願(大石 ヨシエ君紹介)(第一九七三号) の審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の会議に付した事件
郵便物運送委託法
の一部を改正する
法律案
(内 閣提出第八〇号)
郵政行政
に関する件
—————————————
田中織之進
1
○
田中委員長
これより開会いたします。 この際お諮りいたします。
郵政行政
に関する件について、本日の日程に追加して
調査
を進めたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
田中織之進
2
○
田中委員長
御
異議
なしと認めまして、それでは
郵政行政
に関する件について
調査
を進めることにいたします。 なおこの際、今般の
九州地方
の
水害
に関し、
通信関係
も相当
被害
を受けたようであり、これが
復旧
は
水害対策実施
上きわめて緊要と認められますので、
政府側
よりその
状況
及び
郵政省
として今次
水書
に対する
対策
をそれぞれ
実施
中のことと思いまするので、その間の
事情等
を御
報告
願いたいと思います。
簡易保険局長
。
吉田賢一
3
○
吉田
(賢)
委員
途中ですけれ
ども
、それは
郵政
全体の
説明
ですか、それとも
保険局
だけですか。
田中織之進
4
○
田中委員長
郵政
全体の
説明
を求めておるのですけれ
ども
、まだ
関係
の
政府委員
が見えておりませんので、第一に
保険局関係
でそれぞれ
対策
を講じておる点もあると思いますので、その部分から御
説明
を願いたいと思います。
白根玉喜
5
○
白根政府委員
今回の
水害
にあたりまして、
郵政全般
にわたりましての
被害状況
並びに
対策
につきましては、私主管ではございませんので、いずれ御
報告
を申し上げることに相なると存ずるのでございますが、さしむき
簡易保険局自体
といたしまして、今度の
水害
に対しどういう
対策
を講じておるかにつきまして、御
説明
申し上げたいと存じます。 まず
保険局
の
罹災状況
につきましては、実は
郵便局
がどのくらい水びたしになりまして、たとえば
保険
の
原簿
がどのくらい流失して、どういう
被害
があ
つた
ということにつきましては、ただいまの
段階
では
はつ
きりいたしておらないのでございまして、
急速人
を派してただいま
調査
中でございます。従いまして
被害状況自体
につきましては、まだ詳しい御
報告
ができないことを残念に存じておる次第でございます。ただ
郵政局
は別といたしまして、
九州地方
には私の方の直轄の
福岡地方簡易保険局
というのがございますが、その
庁舎自体
につきましては、
被害
はほとんどなか
つた
模様
でございます。ただ午前中に電報が参
つた
ところによりますと、職員のうちで
罹災
を受けておる者の人数といたしましては、三百人
程度
ある
模様
でございます。
状況
は、実はその
程度
御
報告
する
程度
でございまして、たいへん遺憾に存ずるのであります。 しからばこのたびの
水害
に対しまして、私
ども
としていかなる
対策
を打つべきものであるかということにつきまして、いろいろ研究いたしましたところ、三点あると存ずるのであります。一点は
従業員
に対する
対策
はどうであるか、二点は
事業
の
水害
に伴う影響をどうして克服するか、復活するかという面と、それからいま一面、私
ども
の方といたしましては、今年度に至りまして
運用
を再開いたしておる次第でございます。
地方公共団体等
に対する
復旧
に対しまして、
融資
その他によ
つて
何か貢献する必要があるのではなかろうか、そこに対してどう処置するかという問題であろうと存じておる次第でございます。
従業員
に対する
関係
といたしましては、いずれ
人事部
その他で
一般
的なことを御
説明
申し上げることに相なると思いますが、
罹災
の
程度
に応じまして
共済組合
による
非常貸付
をやると同時に、できるだけ官の力によりまして補助する
方法
を考えたら、どうかということで、今
本省
にも
復興対策
に対する
応急
の機構をつくりまして、
せつかく整備
中でございます。 次は
事業
の面、
加入者
に対する面でございますが、
簡易保険
におきましては、かような
水書
なり火災を受けた
加入者
に対しまして、便宜の
措置
によりましてできるだけ金の面において急場をしのぐ
方法
、
非常措置
を講じて従来とも参
つて
おるのでございまして、言いかえますと、
加入者
に対して
非常貸付
という
制度
を従来と
つて
おるわけであります。これは
契約者
の
貸付
の際におきましては、
中央
まで参りまして
原簿
の
関係等
も照査いたしましてお貸しすることにな
つて
おりますが、かような
非常事態
におきましては、
郵便局
で
ほんとう
に簡易な手続で
非常貸付
をやるごとに相な
つて
おります。その
制度
を、このたびにおきましても十分活用するように、
郵政局
に
通達済み
でございます。そういうようなことをや
つて
おります。なお
事業
の
復興
、
整備
につきましては、
原簿
が流失したり、あるいは、汚損したりしたような際に対する非常の
措置
につきまして、
郵政局
を
中心
にいたしまして、かようなときにはいつでもやらしておるのでございますが、それもこの際相当異常な
被害
でございますので、それに対応する施設を十分やらせるために、
本省
からも人を派して、その
整備事務
をやらせる準備を整えておる次第でございます。 次は
罹災府県
、市町村に対する
応急
的な
融資措置
の面についてでございますが、この点につきましては、
大蔵省
、
自治庁
とも緊密な
連絡
をとりまして、昨日
大蔵省
の方からは
資金課長
がおいでにな
つて
おる
模様
でございますが、本日は
自治庁
からも参りますし、私の方からも
運用課長
を
現地
に派遣いたしまして、
応急
的な
融資
の
限度
並びに
措置
について
現地
と緊密な
連絡
をとりつつ、
中央
でも速急やるような
話合い
をただいまやりつつあるとこでごごい余す。その点どの
程度
ということをただいままだお知らせする
段階
ではございませんが、できるだけ機宜の
措置
をやりたいという
気持
をもちまして、
目下関係庁
と具体的な
折衝
を進むる
段階
に至
つて
いる次第でございます。 はなはだ簡単ではございますが、
簡易保険局関係
におきます
罹災状況
並びにただいままでの
考え方
に基く
対策
の一部を御
報告
申し上げた次第でございます。
田中織之進
6
○
田中委員長
それでは
郵政省全般
についての
被害状況
その他について、
松井郵務局長
より御
報告
願います。
松井一郎
7
○
松井政府委員
今般の
北九州関係
の
水害
につきましては、ただいままでのところまだ
通信連絡
その他が非常に不完全でございまして、私
ども
も詳細な
状況
を
はつ
きりと把握する状態には、残念ながら立ち至
つて
おりません。しかしいろいろ入
つて
来る
情報
を総合いたしますと、相当
被害
の
範囲
は大きく、また深刻なようであります。そこで
けさ
ほどは
大野国務大臣一行
が、今回
福岡
に西日本の
水害対策本部
が設置せられますので、これの
連絡
のために私
ども
の方の
板野郵務局次長
を初めとして、二、三人の
関係官
がそちらへ参
つた
次第であります。
従つて
ごく最近のうちに
ほんとう
のしつかりとした
状況
がつかめるのではないかと期待しておる次第でございます。ただ現在までに入りました
情報
を総合いたしますと、大体
皆さん方新聞紙上等
で御
承知
の
通り
でありまして、
熊本
を
中心
とする
部面
、あるいは
久留米市内
、
日田市内
、
門司市内
、
小倉市内
こいうふうなところ、矢部川、筑後川、遠賀川とい
つた
ような流域を
中心
こして、非常に大きな氾濫が起
つて
おります。大体その
区域
内にある
局舎
は、大小とりまぜて二百局くらいあるわけでありますが、その個々の
局舎
の
状況
については、残念ながら今日までまだつまびらかにな
つて
おりません。
熊本郵政局自身
につきましても、床上の浸水が五尺もあるというような
情報
が入
つて
おります。 大体の
郵便物
の
状況
につきましては、
交通機関
が一時に杜絶した
関係
上、
各地
に積滞を生じたのでありますが、幸い昨日から
山陽線
も全通いたしましたので、
中間
駅にありました
郵便物
の積滞をどんどん
下関方面
に向
つて
、現在配送を続けております。
けさ
ほど
下関
には郵袋にして大体二千四百箇ばかりのものがたま
つて
いるそうであります。しかし
下関
はそういうものの
保管場所
が非常にゆつくりありますので、かつまた
九州方面
における各
交通網
が刻々と開通されておりますので、この積滞はそう心配することはないのではないかと思
つて
おります。そしてここへ来たものは現在のところ
日豊線——門司
からずつと
大分
を通じて
鹿児島
へ行く線でございますが、これが生きておりますので、大体
熊本
、宮崎、
鹿児島方面
へ行く
郵便物
は全部これを使
つて
おります。ただこういうものを使いましても、おのずから
処理量
に限界がありますので、
一般
的な
小包
というものの
処理
だけは、しばらく
引受
を停止しております。何にしても
郵政省
としては第一種、第二種の
通信連絡
というものを確保することが先決問題でありまして、多数の
従業員
がみずから
罹災
しながら、かつこの
方面
における
配達
をや
つて
行くということには、今後非常な困難が予想せられるのでありますが、何としてもこの一種、二種の
配達
ということに
全力
を注いで行きたい、かように考えておる次第であります。 なお
郵政省自身
の
従業員
の
罹災者
につきましては、これもあわせて行わなければ、とうてい
業務
の円滑な運行はできないわけでありまして、この面については、法規に定められているあらゆる施策を迅速にやらすということのほか、できるだけ
従業員自身
の
復興
に役立つような
物資
その他も調達いたしまして、
現地
にこれもまた
関係官
を逐次派遣しておるというのがただいまの現状でございます。
田中織之進
8
○
田中委員長
それではただいま御
報告
になりました
北九州
の
水害
の
状況
について御質疑があれば……。
吉田賢一
9
○
吉田
(賢)
委員
保険局長
に、これ
はちよ
つと幼稚な
質問
ですが承りたい。
被害加入者
の
対策
の分につきましては、
郵便局
の窓口で急速に
貸付
を実行されることはまことに
けつ
こうなんだが、大体これはどのくらいの
割合
においてなし得るのですか。
割合
というのは払込み
金額
との
割合
ですが、それと総計はどのくらいになりましようか。その辺の数字を聞かしてもらいたいと思います。
白根玉喜
10
○
白根政府委員
非常貸付
の際におきましては、
保険料
をかけた
金額
はわかります。
加入
後何箇年た
つた
という年限もわかります。それから
保険金額
もわかります。従いまして、その際にもしここで解約したら
還付金
が幾ら出るかという額を
限度
にいたしているのでございます。従いまして十年
満期
の場合と、それから十五年
満期
の場合と、また
加入
後一年の場合、二年の場合、三年の場合というのでいろいろ違うのでございまして、
従つて
画一的に
最高限度
とうということは、
保険
の
種類
によ
つて
違うわけでありまして、また総額の面につきましては、
罹災者
のお
気持
によりまして、
非常貸付
を御希望する人の数によ
つて
また違うわけでございまして、御
質問
の、どのくらいの
金額
になるかということは、実は私の方からは
推定もち
よつとむずかしい
状況
であります。
吉田賢一
11
○
吉田
(賢)
委員
それでは
既払い保険料
に対して、
最高
どのくらいまで貸せるのですか。
白根玉喜
12
○
白根政府委員
保険契約
では、
最高
の
保険金額
といたしましては御
承知
のように
法律
で八万円にな
つて
おりますので、それで
割合
というのは契約によ
つて
いろいろ違うのでございます。ただこういう
非常災害
のときとか、
伝染病
で人がおなくなりに
なつ
たときには、
還付金
の
倍額支払い
ということも考えられます。従いまして
最高
というの
はちよ
つと申し上げかねます。
吉田賢一
13
○
吉田
(賢)
委員
そうしますと、たとえば
証拠物件
、通帳とかそういうものを紛失した人が多数にあるだろうと思います。あるいはそういうものが一時見つからぬこともあるだろうと思います。そういう
非常措置
は適当にとるようになるのですか。
白根玉喜
14
○
白根政府委員
建前
といたしましては、何かの
証拠物件
がなければならないことにな
つて
おりますけれ
ども
、しかしながら実際面といたしましては、その地域の人に対しまして
保険契約
を
募集
に参
つた
り、
集金
に参
つた
りしておるわけでございますので、
建前
から行けば
証明力
がなければと言われますけれ
ども
、実際問題としては
加入者
の万々の
証拠力
はほとんどない場合でも、ある
程度
人柄その他を見まして
非常払い
をや
つて
おるのが実情でございます。
吉田賢一
15
○
吉田
(賢)
委員
その際やはり
一定
の
方針
をお
示し
にな
つて
おかぬと、
末端
は非常に混乱するだろうと思います。たとえば通いを
失つた
、あるいは
原簿
も見つからぬというような場合でも、何らかの
証明
があれば、
人聞
の
証明
とか
証明書
があれば、この人にどういう
種類
のどれだけの
保険
を何ほどかけたものを所持しておるか、こうい
つた
ようなものは
証明
があればなお貸し付けてよいというような、一つの
方針
とか
基準
とかをお
示し
にな
つて
おるかいなか、またそれは適当に、
臨機
の
措置
なら
臨機
の
措置
らしく、
方針
を
示し
ておかねばなるまいと思いまするが、そういうことについての用意はしておられるかどうか。
白根玉喜
16
○
白根政府委員
実はこの種の
災害
には毎々あるわけでございまして、その際におきまして
非常貸付
をした際に、初めはおつしやるように
相当混乱
があ
つた
わけであります。しかしながら日本のような
災害
の多い国で、だんだん
当路者
もなれて参りまして、従いまして
一定
の標準ができているわけであります。
証明力
があるときは
非常払い
をするように、こう書いてございますが、その
証明力
というのは
物的証明力
ではなくても、実際
募集者
なり
集金人
が
信憑性
があれば、
慣行
としてや
つて
いいような
建前
にな
つて
おるわけなんです。
吉田賢一
17
○
吉田
(賢)
委員
そうしますると、その
募集人
なりあるいは従事しておる公務員の方なり、あるいは相手方なり、そういう
方面
において大体信用し得るという
程度
の何らかが示されれば、それに対して
貸付
をする、こういうことが従来
がら慣行
にな
つて
おる、あるいは
災害
の多い国だからなれておるというものの、このたびの
九州
は空前の
災害
と思いますから、今までの
災害
に比べて一層
証明力
が不足する場合が多々あるだろうといます。そういう場合に相当な日時を空費するということにな
つて
は、また
臨機
の
措置
に適しませんので、そういうものについては従来の
慣例
があれば、
慣例
をさらに一層活用し得るような
方針
が示されてしかるべきだとわれわれは考えるのですが、それについてはいかがですか。
白根玉喜
18
○
白根政府委員
震災の際におきましても、静岡の大火のときにおきましても、おつしやるような
事態
が出たわけでございます。初めのうちは
証明力
ということを相当強く
言つて
お
つた
わけでございますが、
慣行
上、それによ
つて加入者
の方が別に虚偽のこともおつしや
つて
おらない
模様
がわか
つて
参りまして、従いましておつしやるような
気持
でやるようにということは、従来の例もそうな
つて
おるのでございます。だからおつしやる
通り
にやるようにな
つて
おるのでございます。
吉田賢一
19
○
吉田
(賢)
委員
な
つて
おりますが、この際
保険局
として、
郵政省
として、何らか
通達
とかあるいは命令とか、何かをなさ
つて
おるのですか、しないでもいいのですか。
白根玉喜
20
○
白根政府委員
それで実は
業務課
の人間を
現地
に派遣いたしまして、特殊の
非常災害
でもございますので、その面を含んで、今先生がおつしやいました
気持
でやるように指導するようにということで、人を派することにな
つて
おります。
吉田賢一
21
○
吉田
(賢)
委員
もう一点、
災害
を受けた
地方公共団体
への
応急
の
融資
の問題ですが、これは
大蔵省
なり
自治庁
なりと具体的には
折衝
中のような
お話
を今承りましたが、これについてはやはり急ぐべき問題であると同時に、また
災害対策
の
本部
もできておることであるから、それらとにらみ合せて具体化するかとも想像するのでありますけれ
ども
、どれほどのものが動くとか、あるいは何かの
基準
でも浮び上
つた
ものがもうあるのでしようか、あるいは今のところはま
つた
く五里霧中であるのでしようか、その辺はどうなんでしようか。
白根玉喜
22
○
白根政府委員
応急的融資
の
限度
をどこべ置くかという問題につきましては、
現地
の
事情
も聞かなければならないし、またこちらの
中央
でも
研究といつて
はおかしいのですが、大体今お互いに
話合い
中であります。
短期融資
につきましても、
短期
でございますので、そのあとで
補助金
その他の見合いの
関係
もございますし、さればとい
つて
コンクリートにならなければ
短期融資
ができないというのもいかがかと思いますので、
従つて
さしむき
現地
に
責任課長
三者とも出しまして、それから
本省
は三者で
話合い
をいたしまして、できるだけ早くわくを決定いたしたいという
段階
でございまして、残念でございますが、今何億になるかということの
段階
でないことを遺憾に存じておる次第であります。
吉田賢一
23
○
吉田
(賢)
委員
郵務局長
にお伺いいたしたいと思います。
郵便物
ではなくて、
一般
の
小包
の扱いを打切る、こういう御
説明
がありましたが、これはどの
区域
もしくは時間的な期間、それらはどうなるか、その辺につきまして伺いたい。
松井一郎
24
○
松井政府委員
私
ども
が
小包
の
引受
を停止いたしましたのは、
福岡
県、佐賀県、
熊本
県、大体この三県の分をや
つた
わけであります。
大分
県も一部は
水害
の地区にな
つて
いるようでありますが、まだ
情報
が
はつ
きりいたしません。どうもこれも
小包
の
輸送
の
関係
が、主としてそういう
集中局分配
をや
つて
おりますので、あまりこま
かく
わけ得られない、一応こういう形で停止しております。しかしもちろんこれは
現地
の
情報
がわかり次第、一日も早く解除いたしたいと思
つて
おります。まだただいまのところ、いつからこれを解除できるかという
見通しはちよ
つ
とつ
きかねる
状況
であります。
吉田賢一
25
○
吉田
(賢)
委員
停止はいつ始めましたか。
松井一郎
26
○
松井政府委員
昨日からそれをすることにいたしたのであります。
吉田賢一
27
○
吉田
(賢)
委員
やはり
小包
は
かく
のごとき重大な
災害
のときには、
鉄道郵便
その他一切の
輸送力
をあげて協力するという
態勢
にならなければいかぬと思うのです。
災害
を受けた人々は、おそらく食糧などは相当困難を来しているだろうと思います。それでこまかいところへ
末端
にまで神経のごと
くに通つて
、
物資
を補給してあげるという道は、
郵政省
におきましてもこの際重大な
責任
があると思います。なるほどそれは
災害
を受けた
従業員
が努力をなさる両方の仕事になるので、えらいだろうけれ
ども
、これは
国民一般
同じことで、その他民間の者も同様でありますので、すみやかにこれは解除する。そうして
非常事態
ならば
非常事態
らしく、
郵政省
の
小包輸送
の
事業
は一層活発に、有機的に機能を発揮されなければならぬ。平常時だけ
法律
をやかましく
言つて
、非常時に
なつ
たらストツプしてしまう、そういうことでは
郵政
の
ほんとう
の
小包
を扱うべき
態勢
ではないと思います。ですからどんな困難がありましても的確を期して、一日もすみやかにこれは解除するという
方針
に出てほしいと思います。
松井一郎
28
○
松井政府委員
お言葉の
通り
、私
ども非常災害
のときにも
全力
をあげて、使命を完遂いたしたいと考えておりますのですが、何さま現実の
輸送力
、
配達力
、そういうものが非常に制約されている。そういう場合に
一体郵政省
として第一義的に取扱わなければならぬのは何であるかということは、おのずからそこに順序もあろうかと思います。十のものが十出せない場合に、一応何を優先するかということを考えますると、何と申しましても
安否通信
を
中心
とした
通信
におのずから重点が置かれると思います。これはほかの
機関
では大体できない性質を持
つて
いるのであります。
小包
ももちろん大事でありますが、これは
鉄道
その他の
交通機関
をも
つて
いただく
部面
もありますので、とりあえず、救急時においては、まず第一に一種、二種の
通信
の方から先に打開して行きたい。もちろんこれは
見通し
がつきますれば、おつしやる
通り
一日も早く
小包
の
輸送
を開始したいと考えておる次第であります。
吉田賢一
29
○
吉田
(賢)
委員
これはたいへん根本に触れた問題でありまして、
安否
を知るとか知らないとかいうことは、たとえばお見舞の手紙とか、あるいはこうだああだというようなことはむしろ付随的な問題であります。だから
安否
の問題よりも、私は
生活
に必要な最低限の
物資
を受取るということが、
災害者
のためには一番大きな問題だろうと思います。そこで
郵政事務当局
において
安否中心主義
にこれを優先せしむる、
物資
は第二義に置く、そういう判断を下すということは、私は本来の立場じやないと思います。これはやはり
災害
に臨み、
郵政事業
は何を優先さすべきかということを、
省議
において協議しなければいかぬと思うのです。私
ども
はやはり物の方が大事だと思います。
一般
の
参考資料
あるいは
電信電話等
の、この非常の
事態
に対応する
通信磁能
の発揮を要することはもちろんでございますけれ
ども
、今の
安否
の問題が、
生活
の必需な
物資
の問題とかいことであれば、常識から考えても
後立
が優先すべきだということは当然だと思います。でありますので、はたして今のお説のごとくであれば、これは
郵政省
の
省議
においてよく御検討にな
つて
、急速にいずれを
中心
とすべきやという
方針
について、新たに御協議あ
つて
しかるべきと思いますが、いかがですか。
飯塚定輔
30
○
飯塚政府委員
ただいま
吉田
さんの
お話
のごとく、
非常災害
においては、いずれを先にするかということは第一に考えなければならない問題でありますけれ
ども
、
郵便事業
の本来起りましたときからの
考え方
としては、今
松井局長
から申し上げたことであります。けれ
ども
ただいまのお説のごとく、
非常災害
の場合にはどうするか。ただ現在の場合としては
鉄道
の荷物、
郵便小包
を
現地
に発送して、この
災害
によ
つて
非常な御迷惑を受けておる方がたくさんございます。その上さらに今度
小包
を
現地
に送るごとによ
つて
、またかえ
つて混乱
を来すおそれがあるので、一時の便法としてこの
措置
をと
つたの
でありますから、その点はあなたのお説も十分われわれ考えておる次第であります。
吉田賢一
31
○
吉田
(賢)
委員
もう一点だけ伺
つて
おきたい。
郵便物
が相当積滞したらしいのですが、この積滞はどういう
状況
でありましようか。
先ほど処理
についての御
説明
はやや
伺つたの
でありますけれ
ども
、これについて一応承
つて
おきます。
飯塚定輔
32
○
飯塚政府委員
私
ども
は実は
小包
に関する疏通の
制限
というようなものは、なるべくやりたくないのであります。万全の
措置
をと
つて
、何か
災害
があればすぐにそういう
制限措置
をとれば、積滞の
事態
も防げ得ると思うのでありますが、大体その辺の
情報
については最後まで見送
つて
お
つたの
であります。きのうに至りまして、どうしても
下関
の積滞ということが予想されて参りましたので、やむを得ず先ほど申しましたような
小包制限
をと
つたの
でありますが、これは突発的な
災害
でありまして、それまでに
各地
から送られて来ておりましたものが、
中間
の汽車の休止とか、また
不通
とかい
つた
事態
のために起きたのであります。そういう現象のために起きておりますが、もちろん
小包
の方は昨日から一応停止しております。この積滞は今後そうふえる
見通し
はないだろうと思
つて
おります。
吉田賢一
33
○
吉田
(賢)
委員
この席上ではどうかと思いますが、
電信電話
の
災害状況
について、おわかりの
範囲
でお聞かせいただければたいへん
けつ
こうだと思います。
飯塚定輔
34
○
飯塚政府委員
直接
担当官
が見えておりませんので、その
報告
を受けた
範囲
で申しますが、非常に大きな
災害
でありますために、どれだけ
不通
にな
つて
おるか、どれだけが使い得るかということさえ、まだ
はつ
きりわか
つて
おりませんけれ
ども
、現在は小郡から
福岡
に対して、また
福岡
から
熊本
、あるいは
鹿児島
に対して、超短波の無電の利用が現在一番有効に使われておるような
報告
でございます。その他は
福岡
から
熊本
に参りましても、
熊本
の無電局から市内の
電信電話
に対する
連絡
は、まだたくさん浸水しておるものでありますから、これが
はつ
きり判明しておりません。大体
熊本
が一番
被害
が多いようで、七千の電話のうち四千くらいが
被害
を受けている状態であります。
田中織之進
35
○
田中委員長
この点について御質疑はございませんか——。なければ次に移ります。
—————————————
田中織之進
36
○
田中委員長
次に
郵便物運送委託法
の一部を改正する
法律案
を議題とし、質疑に入ります。質疑は通告順によりこれを許します。
吉田
賢一君。
吉田賢一
37
○
吉田
(賢)
委員
質疑に入ります前に、少し資料を提出していただきまして、私が研究いたして次の機会に
質問
させていただきたいと思います。 現在随意契約の相手方にな
つて
おります日本郵便逓送株式会社との
関係
を明瞭にしておきたいと思いますので、これの契約の日あるいは契約が何回もかわ
つて
いるならば、その更新しました都度の契約実行の
状況
、それから日本郵便逓送の内容、会社の財産目録、最近の貸借対照表、損益計算書、
郵政省
から受取
つて
おるところの
金額
の
状況
、要するにこの契約の相手方にな
つて
おる唯一のものらしいのだが、これについて知り得る一切の資料をひ
とつ
出していただきまして、これを
郵政省
との
関係
についてよく検討してみた上で、本件について
質問
したいと思いますので、資料の提出方をおはからい願いたいと思います。
田中織之進
38
○
田中委員長
ただいま
吉田
委員
より御要求のありました資料を提出していただきたいと思います。次回の
委員会
までに提出していただくことができますか。
飯塚定輔
39
○
飯塚政府委員
はい。
吉田賢一
40
○
吉田
(賢)
委員
なるべく早く、
委員会
のその日の朝というのでは、われわれそれを
調査
する期間がなくなりますから、前も
つて
ひ
とつ
おのおのの手に配付されるように願いたいと思います。
片島港
41
○片島
委員
大体
吉田
委員
の要求でいいと思うのですが、さらに日本逓送のみならず、そのほかにもこれを請負つおるところが若干あるやに聞いておりますし、さらにまた日本逓送株式会社が最初発足しました当初は、郵便の
輸送
のみをや
つて
お
つた
かのごとく記憶しております。それがだんだんと取集めやら
配達
などにまで拡張しておるように、この改正案で見受けるのであります。こういう変遷、どうしてそういうふうにな
つて
来たのか、この問題は特に全国の
郵便物
の
輸送
、一部の取集め、
配達
、こうい
つた
ものを一括して随意契約ということになると、独占的にあの日本逓送にやらせるという、まことに重大な問題であります。そういう点についてはもう少し親切な資料をいただいて、私は非常に疑問の点がたくさんありますけれ
ども
、さらにそういうものを研究した末で、次の
委員会
から
質問
をいたしたいと思います。
田中織之進
42
○
田中委員長
ほかに資料の要求がなければ、これらの資料の提出を待
つて
本案に対する資疑に入りたいと思います。 本日はこの
程度
で散会いたします。 午後二時五十三分散会