運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-08-04 第16回国会 衆議院 本会議 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年八月四日(火曜日)  議事日程 第三十五号     午後一時開議  第一 地方税法の一部を改正する法律案内閣提出)  第二 地方自治法の一部を改正する法律案内閣提出)  第三 地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う関係法令整理に関する法律案内閣提出)  第四 財団法人労働科学研究所に対する国有財産譲与に関する法律案橋本龍伍君外七名提出)  第五 労働金庫法案参議院提出)  第六 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案水産委員長提出)  第七 協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案千葉三郎君外十一名提出)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  議員篠田弘作君を懲罰委員会に付するの動議今澄勇君外二十四名提出)  議員森三樹二君を懲罰委員会に付するの動議田渕光一提出)  議員長正路君、同伊藤卯四郎君を懲罰委員会に付するの動議田中元提出)  日程第一 地方税法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第二 地方自治法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第三 地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う関係法令整理に関する法律案内閣事提出)  日程第四 財団法人労働科学研究所に対する国有財産譲与に関する法律案橋本龍伍君外七名提出)  日程第五 労働金庫法案参議院提出)  日程第六 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案水産委員長提出)  日程第七 協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案千葉三郎君外十一提出)  小笠原諸島より引揚げさせられた元住民の帰郷に関する決議案宇都宮徳馬君外八十九名提出)  第二次世界大戦影響を受けた二業所有権保護に関する日本国ドイツ連邦共和国との間の協定批准ついで承認を求めるの件  第二次世界大戦影響を受けた工事業所有権保護に関する日本国スイス連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件  国際民間航空条約への加入について承認を求めるの件  国際航空業務通過協定の受諾について承認を求めるの件  国際電気通信条約批准について承認を求めるの件  国家公務員等退職手当暫定措置法案千葉三郎君外二十四名提出)  日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協   定の実施に伴う国有財産管理に関する法律の一部を改正する法律案岡良一君外二十六名提出)  公職選挙法の一部を改正する法律案両院協議会成案  昭和二十八年度における国会議員の秘書の期末手当の支給の特例に関する法律案議院運営委員長提出)  国会職員法等の一部を改正する法律案議院運営委員長提出)  衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案議院運営委員長提出)  災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)     午後三時二十五分開議
  2. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今澄勇君外二十四名より、成規賛成を得て、議員篠田弘作君を懲罰委員会に付するの動議提出されております。また、田測光一君より、成規賛成を得て、議員森三樹二君を懲罰委員会に付するの動議提出されております。また、田中元君より、成規賛成を得て、議員長正路君、同伊藤卯四郎君を懲罰委員会に付するの動議提出されております。右三動議を一括して議題といたします。  懲罰動議討論を用いずして採決をいたすのであります。よつて、ただちに採決いたします。三動議可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて動議はいずれも可決されました。      ————◇—————
  5. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第一、地方税法の一部を改正する法律案日程第二、地方自治法の一部を改正する法律案日程第三、地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う関係法令整理に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員長中井一夫君。     〔中井一夫登壇
  6. 中井一夫

    中井一夫君 ただいま議題となりました三つの法案につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  まず、地方税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案は、地方税制運営現況にかんがみ、個人の事業税及び特別所得税について基礎控除の額を引上げ課税標準除外規定拡大合理化等措置を講ずるほか、市町村民税税率制限合理化し、自動車税及び入湯税税率物価水準に合せて調整するとともに、鉱区税等徴収方法を強化するための規定整備をはかる等、さしあたり必要な改正を加えようとするものであります。  本法案は、六月二十五日本委員会に付託せられ、七月三十日質疑終了、八日二日、日本社会党両派共同提案修正案並び自由党両派改進党との三党共同提案修正案提出されたのであります。  まず、自由党両派及び改進党の共同提案にかかる修正案の概要を申し上げます。第一は、事業税及び特別所得税について、教科書供給事業非課税とし、助産婦業装蹄師業、その他あんま業等医業に類する業務税率を引下げ、クリーニング業特別所得税の第二種業務に改めること。第二は、入場税において特定主催者の行う催しで免税の扱いを受けるものに、一定の条件のもとで映画を加え得ることとし、かつ文化財保護法助成される文化財の公開を免税とすること。第三は、自動車税について、原案は一事に五割引上げを行おうとしているのを、車の種類に応じて四割から十割までの差等をつけて引上げることとし、かつ積雪のため一定期間車の運行を休止せざるを得ない地域において税率軽減を行うこと。第四は、狩猟者税について、狩猟を業とする者としからざる者との間に税率差等をつけること。第五は、固定資産税について、信用金庫の事務所及び農業協同組合健康保険組合等の病院、診療所非課税とし、一定外国航路船舶及び日本航空会社所有航空機に対し一定期間税率軽減特例を設け、国鉄等の公社、日本放送協会等固定資産のうち、直接本来の事業の用に供しないものには固定資産税を課することとすること。第六は、電気ガス税非課税項目中に塩化ビニール等を加えること。これがその修正案内容であります。  次に、日本社会党両派共同提案にかかる修正案について申し上げます。その内容の一部は、ただいま申し上げました自由党両派及び改進党の修正案全体とまつたく共通するものでありますので、これを除くその余の部分についてのみ申述べます。すなわち、その部分は、まず市町村民税において、第一に、給与所得にかかる所得割について一定割合控除を行う特例を設けること。第二に、政府原案にあります所得割課税の第一方式に対する改正条項を削除して現行法通りとすること。第三に、法人税割標準税率を百分の十五に、また制限税率を百分の十八に引上げること。次に、事業税及び特別所得税につきまして、収益の帰属する者が単なる名義人である場合、実質的な収益享受者納税義務者となし得るという政府原案改正規定を削除すること。最後に、入場税及び遊興飲食税について、徴収金を保全するため特別徴収義務者担保提供を命じ得るとするところの政府原案改正規定を削除すること。大要以上の通りであります。  両修正案は、原案一括討論を行い、採決に入りましたところ、両修正案共通部分、すなわち自由党両派改進党との共同修正案賛成総員可決日本社会党両派修正案中、この共通部分を除いた修正部分賛成少数否決可決なつ共通部分を除く原案賛成多数をもつて可決せられました。よつて本案修正可決すべきものと決した次第であります。  次に、地方自治法の一部を改正する法律案につき申し上げます。  本案は、法令の制定及び改廃に伴い、地方公共団体が処理しなければならない事務等を掲げた別表に所要の改正を加えるとともに、市町村教育委員会現況に顧み、その附則第六条を改正し、暫定的に市町村助役免許状を有する者に限り教育長を兼ねることができるものとすること等を内容とするものであります。  本案は、六月二十五日本委員会に付託せられ、慎重審議をいたしましたが、附則第六条の改正点のほかは多くの異論を見なかつたのであります。七月三十日質疑終了、七月三十一日、本案に対し二つの修正案提出されました。すなわち、修正案の第一は、自由党両派及び改進党の三党共同提案によるものでありまして附則第六条の改正点を改め、市町村助役教育長となり得る資格の有無を問わず教育長を兼任し得ることとし、その有効期限昭和二十九年三月三十一日までとすることとせんとするものであります。第二の修正案は、日本社会党両派共同提案によるものでありましてこれまた附則第六条の改正点に関するものでありますが、すなわちこの改正条項を削除し、市町村助役は、教育長となり得る資格を有する者といえども、教育長を兼任することはできないこととするものであります。  次いで討論採決、第二の修正案賛成少数否決、第一の修正案賛成多数で可決、またこの修正部分を除く原案賛成多数をもつて可決せられました。よつて本案修正議決すべきものと決せられた次第であります。  最後に、地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う関係法令整理に関する法律案について申し上げます。  本案は、地方自治法の一部を改正する法律施行に伴い、現に効力を有する法令規定で、改正後の地方自治法規定に塞いで法律またはこれに基く政令規定しなければならないものを総理府令、省令その他の政令以外の命令で定めることを認めているものについて、改正後の地方自治法規定に適合するように、これらの法令規定整備をはかろうとするものであります。  本案は、六月二十五日本委員会に付託せられ、七月三十日質疑終了、翌七月三十一日討論を省略して採決に付し、賛成総員をもつて本案可決すべきものと決定された次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  7. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。北山愛郎君。     〔北山愛郎登壇
  8. 北山愛郎

    北山愛郎君 私は、日本社会党を代表しまして、地方税法の一部改正法律案原案に対して反対の意を表明し、かつ社会党両派提案いたしました修正の趣旨に基きましての自由党両派並びに改進党の三派の提案する修正案には賛意を表する次第でございます。  政府原案反対する第一の理由は、地方税制度の中における重大な欠陥に対しては何らの改善を政府原案は加えておりません。かえつて原案によつて現行制度のもとにますます増税の道を開き、その矛盾と不公正とをさらに拡大せんとしていることであります。すでに、地方税制は、いわゆる応益原則、すなわち住民利益を受ける限りにおいて地方団体の経費を負担せねばならぬとするという旧時代の思想の上に立つて富める者も貧しい者も同率あるいは同額の税を負担する考え方に立つており、これは上も下も同一率事業税固定資産税あるいは入場税遊興飲食税その他自動車自転車等物件税にはつきりと現われているのでありまして、この応益原則を新しい応能原則に移すことが基本的課題として残つているのであります。しかるに、昭和二十五年、シヤウプ勧告に基きまとて、資本蓄積という美しい名のもとに行われたいわゆるシヤウプ税制改革によつて、中央、地方を通じ法人及び富裕者が大きな減税をやつたしわ寄せといたしまして、市町村民税固定資産税等におきまして三倍、四倍の大増税となつて以来、苛酷にして不公平きわまりない地方税に対する大衆の不満と怨嗟はちまたに満ち、納税の意欲は低下し、滞納は増大し、地方自治基礎を危うくするに至つたのであります。  その主要なる点を申し上げますれば、第一に、市町村民税における不公平、特に給与所得者事業所得者との不均衡であり、会社の社長や重役をやつて相当な生活をしている者が最低の税額であるのに反して、薄給の給料生活者が数千円ないし数万円の住民税に苦しみ、地方農村におきましては、学校の教職員あるいは会社職員等が、納税番付の上ではその村の上の方を占めているという事実は、至るところに見られるのでありまして、しかも、給与はうそもごまかしもできず、給料が本人に渡る前に源泉で差引かれるこれらの給与所得者は、所得税はもとより、市町村民税においてもきわめて不当なる処遇を受けていることは、今日明白なる事実であります。(拍手昭和二十五年の改革によりまして、税務署の決定する所得税額あるいは課税所得金額を基準とする、いわゆる所得税附加税的な市町村民税に切りかえられだときに、全国の市町村においては、ただちにはげしい住民大衆抗議が起りました。それまで秘密、主義によつて隠されておつたところの所得税の不公平が暴露され、市町村当局は、まつたく大衆抗議の前に困つてしまつて税務署へ行つて聞け、われわれには責任がないというようなことを言うほかはなかつたのであります。地方税法第三百十三条こそは、この意味におきまして、市町村民税所得税に右へならえをさせることによつて法人あるいは高額所得者利益を、国税の面のみならず、地方税制のうちでも保護する規定であつたと申しても過言ではありません。  固定資産税におきましても、従来の地租、家屋税におきまして、昭和二十五年に、三倍の四百七十億円という厖大な額にはね上りました。これが昭和二十七年には七百二十五億円、また昭和二十八年度には、さらに昨年に比しまして八十億以上の増収を政府は企図しておるのであります。しかも、この固定資産税は、市町村の役場における、専門的な知識のない、いわゆる評価員のずさんな評価に基いて、毎年見積りを高くして、そうして増税に次ぐ増税をやつておるのが現実であります。農民に対する固定資産税につきましても、田畑等耕地は、水利費やその他の耕地管理費というものが莫大にかかる。その上に出て来る収穫は安い公定価格をもつて買い上げられる。このような農民耕地に高い固定資産税をかけておる。また家屋につきましても、わが国の家屋大半は、固定資産税というようなりつぱな名前をつけるのには、まことにふさわしくない、事実、これを解体して移転し得るような、いわゆる動産にしかすぎないというものがその大半を占めておるのであります。しかるに、この不完全な、不合理な、しかも不便な一般の住宅に対して、高い税負担をかけておるのであります。  また、事業税におきましても、市町村民税あるいは所得税に加えまして、二重三重の重い税金重圧を加えて、もつて中小企業者を苦しめ、現在商工業者をして、このような事態では、自分の商売に精を出すよりも、専門家を置いて税金の戦術に専心いたす方が家業の足しになる、かように申させておるくらいでございます。  これら幾多の点において不合理欠陥を蔵しておる地方税制を一日も早く改善せしめることこそ、勤労大衆農民中小企業者のひとしく渇望する喫緊の問題と言わなければなりません。しかるに、政府原案は、この点に何ら解れることなく、逆に弾圧によつつて増税を企図しておる。すなわち、三百十三条第一項の、市町村民税標準税率百分の十八というものを撤廃して、その結果として、本年度においで六十一億円の市町村民税増税を見込んでおります。地方行政委員会質疑にも明らかな通り地方自治庁自身が、給与所得事業所得との不均衡を認め、これを是正するのには所得税法改正のほかはないと嘆息しておるにもかかわらず、今回その不当なる事実をそのままに放置しておいて、さらにこれを改悪しようとするがごときは、われわれの絶対に承認し得ないところでございます。(拍手)  われわれは、これに対し、第三百十三条第一項の改正規定を削除するとともに、応急の措置として、月収二万円未満の給与所得者には、その所得割分について、税額の一五%に相当するものを減額せんとするところの提案をいたしたのでありまして、これによつて三十六億円の減税給与所得者に与えんとするものであります。また、同時に、法人に対しましては、法人税割標準税率を一二・五%から一五%に引上げ負担の公平をはからんとしたのであります。政府の資料によりましても、市町村民税徴収見込率におきまして給与所得の方は九五%、しかるに事業所得の方は八五%、その間に一割の差があるのであります。すなわち、毎年々々給与所得者の方が一割以上多くの税金を納めておる。こういう点から見ましても、かようなわれわれ社会党両派提案はまさに妥当であると言わなければなりません。  また、政府原案には、単に徴税を容易にするという目的をもつて住民の権利を抑圧し、民主主義を破壊する二、三の規定があるのであります。すなわち、第十六条七における入場税遊興飲食税特別徴収義務者たる映画館、旅館、料理店等に、あらかじめ担保提供せしめる規定であります。これらの特別徴収義務者は、税の取立ての請負をやつておるものではございません。ありがたくもない税金徴収義務づけられておるものにすぎないのでありまして、これにさらに担保を要求するがごときは、きわめて非民主的なる暴挙と言わなければなりません。(拍手)  また、政府原案には、七百四十二条の二及び第七百七十六条の二のごとき、いわゆる実質課税規定があります。これは、所得税法の今回の改正案第三条の二に照応するものでありまして、いわゆる事業税特別所得税につきまして、事業資産名義人以外の実際の収益を受けるものに課税することができるという規定であります。一応ごもつとものように聞えるのでありますが、これまた政府徴収確保の一方的利便から、名義人以外の関係者連帯責任を負わせるにひとしい、きあめて濫用の危険のある規定と言わなければなりません。すでに現行税制のうちにも、推定課税等税務当局が職権をもつて納税義務者に押しつける独善的な便宜主義が存在するに加えまして、この実質課税制度は、さらに重税と冷酷な税務当局措置に泣く中小企業を恐怖せしめつつある事実は、見のがすことのできないところでございます。納税は、国、公共団体国民との間の闘争でありては断じていけません。必ず両者の間をつなぐ民主的なモラルの上に厳固として立つものでなければならぬのであります。しかるに、政府原案は、納税者の公平を維持し、国民の善意と納得によつて納税民主化を確立する努力をまつたく放棄して、権力によつて増税せんとする企図を露骨に示しておるものでありまして、この反動的なやり方に対して、社会正義弱者擁護の立場に立つて断固とし、て反対するものであります。(拍手)  われわれの修正案には、以上申し上げました諸点以外に、自由党両派並びに改進党の提案する修正点の全部を包含しておるものであり、その共通なる諸項目については、公益上その他の理由によりまして、次善の案として賛意を惜しむものではございません。しかしながら、そのうちには外航船舶並びに航空機等に対する固定資産税軽減等、暫定的な処置等に限らなければならない、将来は別の方法によつて、これの助成策その他の方法を考えなければならぬ、いつまでも地方団体の方の負担においてこれらの事業助成をやるということが適切でない部面もあるのでありまして、これはすみやかに別途の方法に切りかえることを要望してやみません。  私は、自由、改進党三派の修正案のうちに、最も重要な問題である市町村民税における不合理是正が含まれておらないことを、きわめて遺憾とするものであります。地方行政委員会におきましては、両派自由党あるいは改進党の委員諸君も、給与所得者のきわめて不利な状態に強い共感を示されまして、小委員会におきましては、その協議の過程において八十五億円の給与所得者に対する減税試案を作成したのでありましたが、私はこれらの同僚諸君正義感と良識に敬意を表するものであります。しかしながら、同時に、法人税引上げに関連いたしまして、これが、当然のこととは言いながらも、大資本高額所得者利益擁護を基本的な任務とする自由、改進両党の阻止するところとなつたこと、われわれの案に同調することができなかつたということは、まことに遺憾とするところでございます。  われわれは、今日この瞬間におきましても、広汎な勤労者大衆中小企業者がきわめて不当なる地方税重圧に悩み苦しんでおる事実をごまかしてはなりません。同時に、それを救うことのできるのは、この国会政府処置あるのみであることも、国民の代表として忘れてはならないのであります。(拍手)今日われわれが何もしなければ、あすもあさつて大衆の苦しみは続いて行くことを銘記していただきたいのでございます。われわれは、この切実なる国民現実を前にして、社会党両派修正案が遂に否決されたことをきわめて遺憾とすると同時に、今後ともこの不合理是正のために断固として闘う決意を披瀝いたしまして、私の討論を終ることにいたします。(拍手
  9. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 門司亮君。     〔門司亮登壇
  10. 門司亮

    門司亮君 私は、ただいま議題になつておりまする地方税法の一部を改正する法律案に対しまして、社会党を代表いたしまして反対意思表示をするものであります。  すなわち、政府原案の第十六条の七項は、先ほど北山君からも反対の意見が開陳されたのでございまするが、これは、特定徴税義務者に対してあらかじめ税相当額のものを担保として提出せしめようとするものでございます。日本憲法の二十九条には、明らかに財産権は侵してはならないということが書いてあるのであります。さらに敷衍いたしまして、この財産権も、法律の定めるところによつて公共のためにはやむを得ないというような字句を使つておる。私どもは、この国民財産権を侵してはならないという余文と、さらに三十条にありまする納税義務との関連性を考えて参りまするときに、納税義務は当然でございまするが、しかし、徴税義務者と申し上げましても、その徴税をする事実が発生しなければ、私は、徴税義務者としてこれに担保提供せしめるということは、明らかに財産権を侵害するものであるということを言わなければなりません。(拍手)すなわち、税法には、御承知のように、もし憲法三十条に定めておりまする納税義務を怠つている者に対しましては、明らかに財産権に侵害を加える、あるいは抑制を加えて差押え処置をとり、さらにこれを競売するの権限を与えているということは御存じの通りである。でありますがやえに、差押え競売権限を越えた担保権提供は、明らかに憲法二十九条違反であるということを断定しなければならぬ(拍手)私は、かくのごとき税を保全することのための行過ぎの法案だ対しましては、少くとも憲法を守る上において、日本国民の名において、これに反対しなければならないと思うのであります。  さらに、三百十三条における住民税事標準税率の改訂でございまするが、これは、皆さんも御承知通り現行住民税徴収の中に、第二項の規定に事おいて、いわゆる所得税総額の対象となるべきものについては、一応その百分の十までを徴収することができるという規定を設け、さらに、第一項には、前年度納めた所得税の百分の十八を標準税率として、百分の二十まで徴収することのできるという法律現行法に存在しているのであります。しかるに、現在の地方の自治体の状況は非常に財政が困難であるということと同時に、農村における所得税関係から、地方公共団体の八五%が第二項の規定において徴収していることもまた事実でございます。残りの一五%程度というものは、多くの勤労者をかかえた大都市等によりまして、もし第二項の徴収をいたして参りまするならば、きわめて零細な所得者に対しましても税が課せられるというような危険性がございまするので、住民のきわめて強い反撃のあることのために、この住民反撃をごまかすことのために今回の改正が行われて、百分の十八の制限税率を撤廃して、第二項の税額を越えない範囲においてこれを徴収することができるという内容でございましよう。従つて、明らかにこれは、この三百十三条の規定にようて、住民税は三十数億の増徴が行われるという案であることに間違いはないのであります。私どもは、今日地方財政の貧困は十分了承はいたしておりまするが、しかしながら、地方財政の充実による地方住民の家計の上に大きな影響を与えては断じてなりません。従つて、われわれは、かくのごとき増徴案に対しましては、断固として反対をせざるを得ないのであります。  なお、七百四十二条の二並びに七百七十六条の二項につきましては、先ほど北山君から申し上げられましたので、私はこれ以上反対の意見を申し上げる必要はないと思いまするが、いずれにいたしましても、今回の地方税漢の改正は、あげて国民大衆に対して憲法を侵害しておるところの苛斂誅求の増税あるいは増徴の案であるということに間違いはないのであります。従つて、一括いたしまして、かくのごとき理論の上に立つて反対せざるを得ないのであります。  なおまた、自由党あるいは改進党、さらに鳩自党で提案されて参りました修正案内容に対しましては、私どもとまつたく合致するものがございまするので、これにとやかく申し上げるわけではございませんが、しかしながら、協議の過程の上におけるわれわれの当然の主張でありまする、勤労階級が源泉徴収においてきわめて苛酷の取扱いを受けておるということは御存じの通りである。しかも、政府原案によりまするならば、さらに政府の本年度の地方財政計画の内容を見てみまするならば、申告納税に対して捕捉事率九五%を見、源泉徴収に対して捕捉率わずかに九〇%を見ておるというところに大きなごまかしがある。源泉徴収を受けまする勤労階級は、どこに一〇%の捕捉が困難であるか。われわれは、かくのごときごまかしのこの財政計画のもとに徴収されて参りまする勤労階級の、理論的にも実際的にも非常に多くを背負つておりまする住民税所得割の軽減のために、本税において勤労控除を認めておりますと同様に、地方税におきましても、これまた勤労控除を認めるということが正しい意見であるとして、その主張をして参つたのであります。しかも、その財源とするところは、三十六億内外の減税に相なるでございましようが、これの財源措置といたしましては、現在、現行法におきまして、前年度の所得税の百分の十八を標準税率として一般の勤労階級は徴収されておる。しかるに、法人に対しましては百分の一二・五を標準税率とし、さらに制限税率を百分の十五に規定いたしておりますときに、個人と法人との間について、同じ所得割に対してきわめて不均衡がございますので、これを是正いたしまして、いわゆる法人に対して制限税率を百分の十五から百分の十八に引上げることにおいて、ここに三十六億の税金の財源を得て、しこうまして地方財政に影響のないようにすることを、最も正しい意見としてわれわれは主張し参つたのでございます。(拍手)しかるに、このわれわれの、財政的に何らの影響を持たず、きわめて理論の通つた問題が通過し得なかつたということは、あげて自由党あるいは改進党の資本家擁護の本性の現われであるということを、われわれは見のがしてはなりません。(拍手)私どもは、税の負担はあくまでも均衡でなければならない、あくまでも国民大衆の理解と納得の上に、厳正に、適正なる税制をしがなければならないということを主眼といたします場合に、かくのごときことを申し上げるのであります。  以上は地方税法に対します反対の趣旨であります。  さらに、自治法の一部改正に対しましては、御存じのように、修正案によりますれば、附則六条によつて、全国の市町村において教育長の任務を助役が兼任することができるという趣旨でございます。しかるに、一方、地方自治法あるいは地方公務員法等の規定を参酌いたして参りますならば、助役は特別職であつて兼職は禁じられているはずであります。これは、執行部におります者が同じような教育長という執行部に対しましてその席を同じゆうするということは、行政の運営の上にきわめて混迷を来すからであります。自由党、改進党からなるこの修正案は、あえてこの混迷を犯そうとするのである。私はここにはつきり申し上げておく。教育委員会制度がきわめて不合理であり、かつわが国の自治体の実情に即しないものであるということは、諸君も御承知通りである。にもかかわらず、自由党の絶対多数の横暴によつて、今日全国の市町村にその教育委員会制度施行せられ、しこうして、本年三月三十一日限りにおいて暫定措置が打切られております以上は、本年四月一日からは、全国の市町村に対して完全に教育長を設置しなければならないということは、法律の命ずるところであります。しかるに、この措置は何らとられておらない。単に措置がとられておらないだけではない。本年度の地方財政平衡交付金の内容を見て参りますときに、全国八千八百幾つの教育長を設置しなければならないにもかかわらず、予算措置といたしましては、わずかにその半数だけが平衡交付金の内容に見積られておるという事実であります。私は、自由党にして、もし真に教育委員会法が是であつて、この法律施行を完全に行おうとするならば、かりに実際の教育長選任に対して無理があるということをわれわれが是認いたしましても、財政的措置だけは完全に行うということが正しい行き方ではないかと考えるのであります。(拍手)財政措置も行わずして、しこうして今日の助役がこれを兼任するということは、先ほど申し上げました通り、同じ執行部におります者が両またかけておいて、教育行政と町村行政とが混同するの危険性をあえて犯そうとする、きわめて愚劣きわまりない案であるということを言わなければなりません。(拍手)  もし自由党にして、政府にして良心があるならば、潔くこの市町村教育委員会法を撤回するの意思を表明すべきであるということをここに申し上げまして、私は両案に対しまする反対意思表示をするものであります。(拍手
  11. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) これにて討論は終局いたしました。  まず、日程第一及び第二の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  12. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り決しました。(拍手)  次に、日程第三につき採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  14. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第四、財団法人労働科学研究所に対する国有財産譲与に関する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員会理事原田憲君。     〔原田憲君登壇
  15. 原田憲

    ○原田憲君 ただいま上程になりました、橋本龍伍君外七名提出にかかる財団法人労働科学研究所に対する国有財産譲与に関する法律案について、本案の概要及び委員会における審査の結果を簡単に御報告申し上げます。  御承知通り財団法人労働科学研究所は、民間学術研究団体として政府より助成金を受けている団体でございます。しかして、同財団の施設及び動産については、元来、同財団が、日本学術振興会等の援助を受けつつ、東京都世田谷区祖師谷の現住所に建設したものでございますが、戦時中大日本産業報国会に統合されたのでありまして、敗戦につれて同会が解散せられ、その結果の当然の措置として、この財産が国に没収されたのでございます。しかしながら、労働科学研究の重要性にかんがみ、引続き政府の行政財産のまま、実質上のこの研究担当者の一団に使用を許され、その後若干の名称事を変更などを経て、現在財団法人労働科学研究所として終始一貫これを借用し続けて来ているのであります。その管理は形式上文部大臣及び国立国会図書館長がこれに当つていることになつておりますが、これがために研究事業の運営発展上種々の支障を来している次第でございます。  本案は、労働科学に関する研究及び調査の事業の発達に寄与せしめるために、さきに申し述べました経緯をも参酌いたしまして、今日わが国随一の労働科学研究機関たる財団法人労働科学研究所に当該財産譲与し得ることとするものであります。附則において、譲与の際現に国として使用しておる国立統計数理研究所等の使用部分については、引続き暫定的に無償で現状のまま国が使用する旨を規定して、無用の混乱を避けることといたしたのであります。以上が本案の概要でございます。  本案は、去る七月二十九日当委員会に付託となり、三十一日慎重審査をいたしました上、討論を省略して採決の結果、全会一致をもつて原案通り可決いたした次第でございます。  右御報告申し上げます。(拍手
  16. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  18. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第五、労働金庫法案議題といたします。委員長の報告を求めます。労働委員会理事山花秀雄君。     〔山花秀雄君登壇
  19. 山花秀雄

    ○山花秀雄君 ただいま議題となりました労働金庫法案につきまして、労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案参議院提出法律案でありまして、昭和二十五年岡山県において岡山県勤労者信用協同組合が発足し、以来今日までに北海道、東京、神奈川、大阪、兵庫等、すでに二十九都道府県にいわゆる労働金庫の設立を見ておるのであります。労働者が、自主的組織により、従来の金融体系において等閑に付せられていた労働者の生活資金金融の道を開いて来たのでありますが、そのための独自の法律がなく、中小企業協同組合法に基く信用協同組合として設立運営され、現在に及んだのであります。この際、いわゆる労働金庫が今日の段階にまで達しておる以上、その健全な発達をばかり、その基礎を明確にし、監督の適正を期するために、本来の性格に即した独自の法律を制定しようとするものであります。  本委員会は、七月十七日本案を参議院より受領、付託されましたので、七月二十日、提出者、参議院議員上條愛一君より提案理由の説明を聴取いたし、爾後慎重なる審査を続け、七月三十一日質疑終了し、自由党持永委員より、労働金庫は労働者の金融機関であつて、庶民金融機関の最も重要なるものであり、これが適正なる運営をはかり、健全な発達を遂げ得るかどうかということについて重大な関心を持つものである、従つて関係大臣においては、十分なる措置を講じ、監督上万遺憾なきを期するようにという希望意見が述べられたのであります。  かくして、討論を省略し採決の結果、全会一致をもつて原案通わ可決すべきものと決定した次第であります。  以上御報告を申し上げます。(拍手
  20. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  22. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第六は委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。  日程第六、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。水産委員長田口長治郎君。     〔田口長治郎君登壇
  24. 田口長治郎

    ○田口長治郎君 ただいま議題となりました農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案について、提案理由を御説明申し上げます。  わが国の水産業は、今や沿岸漁業から沖合い漁業へ、沖合い漁業からさらに遠洋漁業へと、公海漁業への躍進の途上にあるのでございますが、今後大いに栄養食品の増産による国民生活の改善、漁獲物の輸出振興による外貨の獲得に資せんとする重大なるときであります。しかるに、沖合いあるいは遠洋漁業に従事する漁船の現状は、まことに遺憾の点が多々あるのであります。すなわち、非能率的な老朽船が大半であり、しかも他面においては漁場の拡大による漁船の大型化が強く要望せられ、これが代船の建造ば業界の切実なる問題となつておるのであります。従来、これが施策、特に長期融資の道は、他産業に比較いたしまして、とかく等閑に付せられがちであつたので、現状のままに放置いたしますときは、日本漁業発展のため犬なる支障を来すおそれがあるのであります。これがため、本案は農林漁業金融金庫法の一部を改正して、漁船の建造等に対しまして、利率の最高八分、償還期限十五年とする低利長期の資金融通の道を講じようとするものであります。  本案の起草については、水産金融に関する小委員会において熱心なる研究を重ね、去る七月二十八日の水産委員会において、同小委員長から、以上御説明いたしました通りの結論を得たとの報告があり、次いで七月三十一日の当委員会において、小委員会案の通り全会一致をもつて成案の決定を見た次第でございます。  なお、本法の施行については、中小漁業者に限るべきである等五項目にわたつて政府に対する要望を付することに、委員会において決定いたした次第でございます。これらの詳細につきましては会議録によつて承知願います。  以上御報告を終ります。(拍手
  25. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案可決いたしました。      ————◇—————
  27. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第七、協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事内藤友明君。     〔内藤友明君登壇
  28. 内藤友明

    ○内藤友明君 ただいま議題となりました協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会にお捗る審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  この法律案は、千葉大蔵委員長外十一名提出法律案でありまして、信用協同組合が行う金融を一層円滑にいたしますために、大蔵大臣の認可を受けまして、同組合が同組合員以外の者の預金業務を行うことができることにいたそうとするものでありまして、この場合におきましては、監督権も大蔵大臣に移管することになつております。  本案につきましては、去る七月三十日提案者から提案理由の説明を聴取いたしまして、質疑を省略し、福田赳男君から付帯決議を付して賛成の旨の討論がありまして後、起立多数をもつて附帯決議を付して可決すべきものと決した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  29. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案委員長の報告ば可決であります。本案委員長報告の通句決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  30. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 起立多数。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  31. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、宇都宮徳馬君外八十九名提出、小笠原諸島より引揚げさせられた元住民の帰郷に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略しこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  32. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  小笠原諸島より引揚げさせられた元佳局の帰郷に関する決議案議題とい     〔宇郡宮徳馬君登壇
  34. 宇都宮徳馬

    宇都宮徳馬君 ただいま議題となりました、小笠原諸島より引揚げさせられた元住民の帰郷に関する決議案提案の趣旨を、各党を代表いたしまして簡単に説明いたします。  まず決議案の全文を朗読いたします。   小笠原諸島より引揚げさせられた元住民の帰郷に関する決議案   本院は、しばしば小笠原諸島、沖繩諸島、奄美大島、歯舞及び色丹島等の完全なる復帰並びに内地同等の取扱いをうけることについて、国民の熱望にこたえ、政府に対し、すみやかに適切な措置を講ずべきことを要望した。   しかるに、これらの諸島中、ひとり、小笠原諸島の全住民七千七百余名は、昭和十九年七月、旧日本軍の強制分散疎開命令を受けて内地に移住を余儀なくされ、内地各地に分散居住したまま独立後の今日に及ぶも、帰郷が許されず今に及んでいる。小笠原元住民は、父祖が営々として築き上げた財産のすべてを放置してきたのであるが、内地移住後の環境の変化に伴い、生活は困窮への一路をたどり、流浪の旅の生活を続けている。帰島の上、父祖の業を再建せんとする当然の希望やみがたきものあり、この数年間、生活の一切をかけて帰郷の達成を願つている実情であり、このまま座視することを得ないものと認められる。又元住民の帰島によつて荒廃せる農地及び放置せられた漁業の復興が日本経済に寄与し得る事情も無視することはできない。   よつて本院は、すみやかに政府が、小笠原諸島元住民の帰郷のため必要なあらゆる措置を講ずることを要望する。   右決議する。  小笠原諸島は、昭和十九年全住民の強制引揚げが行われる前は、約四千の農民が、一千町歩以上の耕地の上で、甘庶、冬期蔬菜、果実等を生産し、また農民とほとんど同数の漁民が、かつお、まぐろ、さんご等の漁獲に従事し、昭和十五年には五十万貫の水揚高を算したのでございます。しかるに、戦況の逼迫によりまして、彼ら農漁民は引揚げを余儀なくされ、その後当然アメリカ合衆国軍隊の占領するところとなつたのでありまするが、軍事上の理由を口実に、元住民の帰還が許されない状態でございます。しかしながら、硫黄島を除く父島、母島等は、必ずしも元住民の帰郷を絶対に許さない事情には置かれていないようでございます。元住民は、父祖の墳墓の地、長年働きなれた海の上で働きたいという、きわめて当然の熱望に燃えております。また、現在の漂浪民にもひとしい生活に深い悲嘆の情を抱いているのでありますから、政府は、一層の配慮をもつて、一日も早く小笠原諸島の元住民が、そのあこがれる郷土に帰還できるよう、しつかりした措置をとつてほしいということを要望する次第でございます。これはひとり小笠原諸島の元住民の悲願であるだけではなく、日本国民の要望と存ずるのでございます。  何とぞ各位の御賛同を得まして、全会一致お取上げあらんことをお願いする次第でございます。(拍手
  35. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案可決いたしました。  この際外務大臣から発言を求められております。これを許します。外務大臣岡崎勝男君。     〔国務大臣岡崎勝男君登壇
  37. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) ただいまの御決議にもありました通り、小笠原諸島より戦時中に強制疎開された旧島島が、本土において生活の根拠を失つて困難な生活を行つていることは、政府としましても同情にたえないところであります。これら旧島民の帰還促進については、政府において、昨年の平和条約交渉当時より、累次にわたつて米国側に要請して来たのであります。しかしながら、米国側としましても種々の事情がありまして、今日までいまだ帰島が実現していないのであります。政府としましては、朝鮮の休戦等の新しい情勢にもかんがみまして、旧島民の熱烈な帰島の気持を体し、かつ、ただいまの御決議の趣旨に従いまして、さらに積極的に努力をいたす所存であります。(拍手)      ————◇—————
  38. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、第二次世界大戦影響を受けた工業所有権の保護に関する日本国ドイツ連邦共和国との間の協定批准について承認を求めるの件、第二次世界大戦影響を受けた工業所有権の保護に関する日本国スイス連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件、国際民間航空条約への加入について承認を求めるの件、国際航空業務通過協定の受諾について承認を求めるの件、国際電気通信条約批准について承認を求めるの件、右五件を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  39. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  第二次世界大戦影響を受けた工業所有権の保護に関する日本国ドイツ連邦共和国との間の協定批准について承認を求めるの件、第二次世界大戦影響を受けた工業所有権の保護に関する日本国スイス連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件、国際民間航空条約への加入について承認を求めるの件、国際航空業務通過協定の受諾について承認を求めるの件、国際電気通信条約批准について承認を求めるの件、右五件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長上塚司君。     〔上塚司君登壇
  41. 上塚司

    ○上塚司君 ただいま議題となりました工業所有権の保護に関する二協定、国際航空に関する一条約、一協定並びに国際電気通信条約について、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報盾申し上げます。  まず、工業所有権の保護に関する日本とドイツ並びに日本とスイスとの両協定につき御説明申し上げます。  第二次世界大戦と、これに引続き日独両国が占領下にありましたため、約十年間は日本とドイツとの間及び日本とスイスとの間の通信連絡は異常状態に置かれ、その結果として、相手国における工業所有権の登録出願またはすでに取得した工業所有権の保存のための措置をとることができなかつた次第であります。そこで、これらの権利を相互的基礎に立つて保護するために、ドイツ連邦共和国並びにスイス連邦政府は、それぞれ協定の締結をわが国に申し入れて参りましたので、ドイツについては、本年四月にドイツから参りました使節団との間に交渉が進められ、五月八日に、またスイスについては、在日スイス公使との間に交渉が行われ、六月二十五日に、両協定案にそれぞれ署名を了しました。  この二つの協定は、その内容において、工業所有権の特許または登録の出願のための優先期間の延長及び遡及効を伴う商標権の存続期間め更新を定め、さらにスイスとの協定においては、消滅したる工業所有権の回復をも定めており、わが国の独立回復後、両国との間に締結いたします最初の正式協定であり、両国間の伝統的な技術提携関係を再建するに大きな役割を果すものと思われます。  次に、国際民間航空条約について御説明申し上げます。この条約の目的とするところは、安全かつ秩序ある国際民間航空の発達と、機会均等主義に基く健全かつ経済的な国際航空業務の運営とをはかることにありましてその内容においては、国際民間航空及び国際航空運送の一般的原則を定めるほか、国際民間航空機関を設立することを定めております。わが国がこの条約に加入するためには、加入に先だつて加入承認の申請を行い、その申請が国際連合総会により承認せられ、国際民間航空事機関総会の五分の四の賛成投票、及び今次大戦中わが国によつて侵略され、または攻撃された国の同意により承認されることが条件となつております。わが国は、サンフランシスコ平和条約の際の宣言に基いて、昨年八月に加入承認の申請を行いましたところ、国際連合総会及び国際民間航空機関総会によつて承認され、また、すべての被侵略国十一箇国の同意が得られましたので、この条約に加入しようとするものであります。  次に、国際航空業務通過協定について御説明申し上げます。この協定の目的とするところは、前述の条約と相まつて、国際民間航空の運営を円滑にするため、国際航空における原則の一つであるいわゆる空の自由、すなわち他国の領域における無着陸横断飛行の特権、及び他国の領域での運輸以外の目的で着陸する特権を相互に保障することであります。わが国は、サンフランシスコ平和条約の際に行つた宣言において、国際民間航空条約へ加入した後、なるべくすみやかにこの協定を受諾する旨の意思を明らかにいたしました。よつて、この条約への加入と同時に、この協定を受諾することにより、二つの分野における国際協調に寄与するとともに、わが国の国際民間航空の発展に資せんとするものであります。  終りに、国際電気通信条約について御説明申し上げます。この条約は、内容において、現行条約と同様、国際電気通信連合の構成及び組織を定め、また電気通信に関する一般規定及び無線通信に関する特別規定等を掲げており、現行条約実施の経験にかんがみ、今日の事態に適応した改善が加えられております。この条約は明年一月一日から実施されることになつておりますので、わが国としても、この条約を批准し、国際電気通信業務の円滑化をはかり、またこの分野において国際協力の実をあげんとするものであります。  以上述べました二条約、三協定に関する五案件は、七月十七日及び二十五日にそれぞれ本委員会に付託せられ、七月二十一日より八月四日にわたり委員会を開き、審議を重ねましたが、その詳細については委員会議録事に譲ります。  政府当局の説明に次いで、質疑応答が行われ、討論を省略して採決の結果、これら五案件はいずれも全会一致をもつて承認すべきものと議決せられました。  この段御報告申し上げます。(拍手
  42. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 五件を一括して採決いたします。事五件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて五件とも委員長報告の通り承認するに決しました。      ————◇—————
  44. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、千葉三郎君外二十四名提出国家公務員等退職手当暫定措置法案岡良一君外二十六名提出日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う国有財産管理に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  45. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  国家公務員等退職手当暫定措置法案日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う国有財産管理に関する事法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事佐藤觀次郎君。     〔佐藤觀次郎君登壇
  47. 佐藤觀次郎

    ○佐藤觀次郎君 ただいま議題となりました二法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律は、本年七月三十一日限りでその効力を失うこととなりますので、これを八月一日以降におきましてもその効力を持たせることとするとともに、退職手当の支給額、動続期間の計算等につきましても所要の改正を行いますため、さきに政府より同法の一部を改正する法律案提出いたされたのであります。これに対しまして、大蔵委員会におきましては、慎重審議の結果、去る七月三十日開かれました本会議の席上御報告のありました通り、全会一致をもつて国鉄等公共企業体職員及び旧陸海軍人等の退職手当につきまして、政府原案に若干の修正を加えまして議決いたしたのでありますが、この法律案は、御承知通り、不幸にして七月三十一日までに成立を見るに至りませんでした。かくして、遂に国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律は同日をもつて協力を失い、従いまして、右改正案も自然消滅の形となりましたので、ここに新たに、以上申し述べました修正案及び修正部分を除いた政府原案を一本にとりまとめまして、本法案提出いたされた次第であります。  本案につきましては、本日提案者内藤友明君より提案理由の説明を聴取し、質疑を省略して、ただちに討論に入りましたところ、社会党を代表して不肖佐藤委員は、附帯決議を付して賛成の旨討論しました。  次いで採決いたしましたところ、本案は起立総員をもつて原案通り可決いたしました。なお、不肖佐藤委員提出の附帯決議案も起立総員をもつて決定いたしました。  次に、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う国有財産管理に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案は、岡良一君外二十六名の提出によるものでありまして、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う国有財産管理に関する法律規定によりまして国有財産の使用を許そうとするときには、その処分が適正に行われるように、内閣総理大臣はあらかじめ関係行政機関の長、関係のある都道府県及び市町村の長、並びに学識経験者の意見を聞かなければならないことにいたそうとするのでありますが、本案につきましては福田委員より修正案提出されまして、ささいな国有財産の使用についてまでこのような手続をふませることは不必要かり不適当と認められますので、政令をもつてこの改正規定の適用を受ける国有財産の範囲を限定することに改めることにいたしたのであります。  本案につきましては、審議の結果、本日質疑を打司り、原案及び修正案を一括し討論に入りましたところ、改進党を代表して内藤委員は、福田委員より提出された修正案中、政令で定める固有の財産しにおける政令の範囲は、きわめて短期間の一時使用または小規模にして、かつ小地域にのみ関係を有するもの等を除いたもの以外とせられたいとの春日一幸委員の希望意見を十分尊重するという条件を付して賛成する旨討論せられました。  次いで採決いたしましたところ、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも起立総員をもつて可決し、よつて本案修正議決いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  48. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 両案を一括して採決いたします。両案中、国家公務員等退職手当暫定措置法案委員長の報告は可決でありまして、他の一案の委員長の報告は修正であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありま事せんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————
  50. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の、緊急動議提出いたします。すなわち、公職選挙法の一部を改正する法律案両院協議会成案議題となし、この際両院協議協議委員議長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  51. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  公職選挙法の一部を改正する法律案両院協議会事成案を議題といたします。両院協議協議委員議長の報告を求めます。田嶋好文君。     〔田嶋好文君登壇
  53. 田嶋好文

    ○田嶋好文君 ただいま議題と相なりました公職選挙法の一部を改正する法律案両院協議会成案について、両院協議会における経過及び結果について御報告いたします。  衆議院の協議委員の互選によりまして、協議委員議長には不肖私、副議長、には高瀬傳君が当選いたしました。なお、参議院の協議委員議長には堀末治君、副議長には島村軍次君が当選されました。  協議会は、七月三十一日会議を開きましてから、今日まで数日にわたり協議を続けて参りまして成案を得たのでありますが、まずここに成案を朗読いたします。   公職選挙法の一部を改正する法律案両院協議会成案   参議院議決案第二百五条の改正に関する部分のうち「次の二項を加える」を「次の三項を加える」に改め、第三項の改正規定中「当該選挙の当日一部無効に係る区域において投票できる者であつた者」を「選挙の一部無効に係る区域における選挙人」に改め、第三項の改正規定の次に次の一項を加える。  4 前項の選挙の一部無効に係る区域における選挙人とは、第二項の規定による決定、裁決又は判決の直前(判決の場合にあつては高等裁判所の判決の基本たる口頭弁論終結の直前)に当該選挙の一部無効に係る区域において行われた選挙の当日投票できる者であつた者とする。  参議院議決案第二百九条の改正規定中「第二項及び第三項」を第二項から第四項まで」に改める。  参議院議決案附則第一項中「昭和二十八年八月一日」を、公布の日に改め、第二百五条第二項及び第三項及びに」を「第二百五条第二項から第四項まで及び」に改める。  その他は参議院議決の通りとする。  本協議会におきまして問題となりました点は、選挙の一部無効の場合に当選に異動を生ずるおそれのない者をいかにして確定するかという点でありました。従来、選挙管理委員会または裁判所におきまして、選挙の一部無効の決定、裁決または判決がありますと、すべての当選人は当選を失うごとになり、再選挙をしても当選に異動を生ずるおそれのない人もすべて再選挙をしなければなりませんので、この不便を避け、当選に異動を生ずるおそれのない者は当選を失わないことにするという点につきましては、両院とも異議はありませんでしたので、その具体的方法につきまして、参議院の議決案を中心として協議を進めた次第であります。  その際問題となりました点は、第一に、投票の結果によらず、選挙管理委員会または裁判所における決定、裁決または判決によつて当選が確定されるということは、選挙の本旨にもとり、憲法違反ではないかという点でありましたが、この点につきましては、当選が確定される人については、選挙管理委員会または裁判所が決定、裁決または判決するといつても当選を確認するだけのものであるから、憲法には違反しないとの結論に達しました。  また、参議院の議決案によりますと、再選挙において落選した者の得票数が、選挙管理委員会または裁判所において当選とされた者の得票数より多くなる場合が予想され、あたかも選挙民の意思に反するがごとき結果を生ずるおそれがある点が指摘されました。この点は、一票を争う地方議会の議員の選挙などの場合におきましては、なかなか理論だけでは納得が行きかねる向きもあることと思われますので、選挙管理委員会または裁判所が当選を確定する場合には、その決定、裁決または判決の直前、その一部無効の区域で行われた選挙において投票できる者であつた人を基準とすることにいたした次第であります。  以上をもつて御報告といたします。(拍手
  54. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本成案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本成案は可決いたしました。      ————◇—————
  56. 荒舩清十郎

    ○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、議院運営委員長提出昭和二十八年度における国会議員の秘書の期末手当の支給の特例に関する法律案国会職員法等の一部を改正する法律案及び衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案の三案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  57. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  昭和二十八年度における国会議員の秘書の期末手当の支給の特例に関する法律案国会職員法等の一部を改正する法律案衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案、右三案を一括して議題といたします。提出者の趣旨弁明を求めます。議院運営委員今村忠助君。     〔今村忠助君登壇
  59. 今村忠助

    ○今村忠助君 ただいま議題となりました昭和二十八年度における国会議員の秘書の期末手当の支給の特例に関する法律案国会職員法等の一部を改正する法律案及び衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案の三件につき、提案理由を簡単に御説明申し上げます。  まず、昭和二十八年度における国会場議員の秘書の期末手当の支給の特例に関する法律案について申し上げますれば、本案は、今回国家公務員に対し、本年末に支給すべき期末手当の一部を繰上げて支給することとなりましたので、これに対応して、議長、副議長及び議員の秘書に対し、その在職期間に応じ、国家公務員と同じ割合で、本年十二月十五日に支給すべき期末手当のうち、その一部を今回臨時に支給しようとするものであります。  次に、国会職員法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。各議院の議長または副議長の秘書事務をつかさどる者を参事といたすことにしましてこれに伴い、国会職員法においてその職務の特殊性を考慮し、同法における服務、分限等の関係条項を整理し、さらに、議院事務局法において、議長または副議長の秘書事務をつかさどる参事の任免の根拠を規定しようとするものであります。  最後に、衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案について御説明申し上げます。増員の内訳は、速記者及び議員宿舎要員として、参事四人、主事十五人をそれぞれ八月以降増員するとともに、新たに設けました議長または副議長の秘書事務をつかさどる参事の定員を四人と規定しようとするものであります。  以上三件は議院運営委員会において検討の上起案したものであります、から、何とぞ御賛成あらんことを希望いたします。
  60. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 三案を一括して採決いたします。三案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて三案はいずれも可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  62. 荒舩清十郎

    ○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  63. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。事事     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程に追加せられました。  災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事内藤友明君。     〔内藤友明君登壇
  65. 内藤友明

    ○内藤友明君 ただいま議題となりました災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会審議の経過及び結果について御報告申し上げます。  この法律案の趣旨及び内容につきまして申し上げます。最近西日本等に発生した風水害の実情等に顧み、今回さらに酒税、砂糖消費税、物品税、揮発油税及び骨牌税について、次に述べるような措置を講ずることにより、災害による被害者の救済措置の推進に資することにしたのであります。すなわち、これらの税が課せられた物品で販売業者等の所持するものが災害を受けた場合においては、災害を受けた販売業者等の損失をその物品の製造者等が補償した限度内において、災害を受けた物品に課せられた酒税、砂糖消費事税等に相当する金額を、その製造者が災害のあつた日以後に納付する酒税、砂糖消費税等の税額から控除することとしているのであります。なお、この法律は、最近において西日本に発生した風水害により災害を受けた酒類等にも適用するため、昭和二十八年六月二十日以後の災害にかかる酒類等についても適用することとしているのであります。以上が本法律案の大要であります。  この法律案は、本日政府委員より説明を聴取し、次いで討論を省略し、ただちに採決に入りましたところ、全会一致で原案通り可決いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  66. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十六分散会