○佐竹(晴)
委員 鑑別所に参りますと、深く門をとざしてお
つて、番人がおる。入
つて参りますと、面会にしてもいろいろ厳重な受付その他を経て、本人に会いましてもこれに付添人がついておる。その付添いをしておる職員などは、刑務所へ行
つて刑務所の職員がついておると何らかわりがありません。それと同一の気持であります。また彼らを囲
つておるところもまるきり何か留置場か何かのような感じ以外の何ものでもありません。それからたれかを引出して参りますと、他の窓から指さしてあれはどうやらしよるというようなことで盛んにや
つておるのであります。先生たちの間ではこの二十八日間、何と申しますか、身柄を確保しております間に少年らの間でずいぶん悪いことをやりとりします。相当悪い感化を受けております。青年というものは非常に感受性の強いものでありまして、悪い者がたくさんおるところへも
つてい
つて二、三人のあまりひどくない者が参りますと、悪い多数の者に感化されまして、一月くらいの間に別な悪い者に相当感染されて、悪いことを覚えて帰
つて来る者が多いのであります。
従つてこれらについてはよほどお考えいただきませんと、かえ
つて悪い結果を生ずるおそれがあるのであります。
それからいま一つは一
少年法の適用でありますが、どの被告も
少年法の適用を非常にきらいます。そこでたとえば、もう二月か三月すれば成年になるということになりますと、その被告は弁護人に向
つて何とか引延ばしてください、私が成年にな
つて判決を受けることのできるようにしてください。特に一年ないし三年などという
判決を受けるというと、たいがい三年やられるとい
つたような気持が先生たちはするのでしよう。成年であ
つたならばたいがい一年で済んで来るところを、少年なるがゆえに一年以上三年にな
つておる。むしろ今日の実際の実例は成年に科する一年に値するところの
犯罪事実があ
つた場合においては、少年についてはそれに対して一年以上三年、少年の方が
負担が非常に重いという結果を呈しております。従いまして少年というものは非常に
少年法の適用を受けることをきら
つておるのが
実情でありますので、こうい
つたことなどの少年に及ぼします影響などもたいへんあろうと思います。鑑別所の
関係、
少年法の適用などについて十分ひ
とつ御考慮願いたいということを希望いたしまして、私はこの
程度でやめておきます。