○辻原委員 非常に時間が過ぎておりますが、せつかくの
機会でありますから、若干昨日の
教育方針の問題について
大臣にただしておきたい点がありますので、
質問いたしたいと思います。ただいまも
世耕委員からいろいろな御
意見が出ましたが、私は一昨日来のすわり込みの問題につきましては、確かにいろいろな見解があると思います。しかしながら問題は、私も昨日からじつと聞いてお
つたわけでありますが、起
つた結果に立
つて、その結果論について物事を判断せられる点が非常に多いと思う。確かに物事を判断される場合に、結果に立
つて物事を考えるということは一応の順序でありましよう。しかしながら結果だけを見てその問題の処理、その問題の対策を考えられたときに、応々にしてそれが全般的な本質的な対策でなか
つたということは、過去において幾多の事例もあると思います。われわれの記憶によ
つてみましても、大きな問題から言いましたならば、か
つての米騒動あるいは古く言い伝えられております百姓一揆にしましても、すべて問題が起
つて、それに対して圧迫し、鎮圧するという対策がはたして全般的な対策であ
つたかどうかということについては、歴史の教えるところだと思います。私は、非
常識たという御
意見、きのうからたびたび聞きました。一般的
常識をも
つて言いましたならば、確かに非
常識であるかもしれません。しかしながら何がゆえにこのような非
常識をやらなければならぬかということについての論争は、残念ながらこの
委員会においてはなか
つたということも、私は皆さんに御記憶願いたいと思います。
私は二つの問題があると思います。一つは、先ほども他の委員の方から御
意見があり、今
世耕委員からも
意見が出されましたように、
大臣が大胆率直に物事を考えられるという
行動力をお持ちになるならば、潮目新聞の天声人語にあるごとく、気軽に立
つて会
つてやる
——多数押しかけて来たから、多数暴力だとおつしやいます。もちろん二人以上を多数とすれば、十人も二十人も多数かもわかりません。しかしながら一国の
大臣ともあろうものが、わずか五十人や百人で多数と言われるならば、あまりにも腹が小さいと申し上げざるを得ない。従
つてこういう問題について、まず結果論を説かれる前一に、いま少し気軽に立
つて、よし、わしが話をする、話せばわかるというこの
気持をなぜお持ちにならなか
つたかということについて、
大臣のお考えを承りたいことが一点。
第二の問題は、この種の問題は、やはり
教育問題であります。
行動面についてはいろいろ御
意見がありましようけれども、昨日も
お話がありましたように、これは
大臣としては、その政治生命にもかかわるような当面の重要な問題である。対岸の火の問題ではないのであります。なぜこの問題について、かくかく積極的に解決に努力しておるということを天下に表明されないか。私はかかる
大臣の見解を残念ながら一回も承
つたこともないのであります。もちろん
内閣の方針だとおつしやればそれまででありますけれども、これは政治問題化しておる大きな問題でありまして、新任早々とはいえ、
大臣のとられた
行動について鮮明にされ、あるいはそれを伝える
機会を積極的に設ける、こういうお心組みがありましたならば、私はこの問題についてお伺いすることはなか
つたのではないかと思う。確かにこの種の問題は起
つておりましよう。しかしながら今まで起
つた問題については、私は警察権を発動したというようなことは聞かないのであります。私は警察権の発動ということは、これは事のいかんがいかがあろうとも、事
文教の殿堂であります。またこれは
教育行政の問題であります。
教育行政の中に警察力を借りてこれを解決しようとした、かようなことはまことに残念であります。こういうことをやるということは、これは他力本願であります、極言すれば、他力本願でも
つて物事を解決して行く、こういう考え方に立
つて行政あるいは政治を行うから、ここに吉田
内閣は絶えず警察官の動員をはからなければならず、それによ
つてもなおかつ国内治安の維持が行われないという
根本的問題があると思う。もちろん人間である以上、あるいは警察力ということも考えるかもしれませんけれども、翻
つてこうした問題については、やはり
根本的に、何がゆえにこういう問題が起るので拠るか、何がゆえにこういう非
常識な
行動をとらしめているのであるかということを、大局的見地に立
つて考えられて、そうして今後対策を講じていたたきたい、こういうことを
大臣に要望いたすと同時に、今後の
大臣のお考えを聞きたいのであります。
同時に私が伝え聞くところによれば、
——これはうそではございません。日教組に対する連絡係を
文部省は設定いたしております。この連絡係を称するに、部内においては日教組係保安官と称しておるという事実があるのであります。私はこういうような感覚でも
つて労働対策を考えるところに大きな誤謬があると思う。この種の問題は単なる陳情なり、取締りという問題ではなくして、ともに腹を割
つて教育行政を推進して行くというところに問題の本質があるのである。それを何が暴徒のごとく、あるいは不逞のやからという考え方でも
つて常日ころ考えられておる点に、最も大きな
文教行政の誤謬があるということを私は指摘し出ておきたい。この問題について
大臣の正しい、
——現象的な問題をとらまえた
意見ではなくしこれ今後の問題の大局に立
つてのお考えをお伺いいたしたい