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1953-10-26 第16回国会 衆議院 農林委員会造林及び治山治水に関する小委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年十月二十六日(月曜日) 午前十一時五十分
開議
出席小委員
小
委員長
川俣
清音君 平野 三郎君 松岡 俊三君
吉川
久衛
君 小
委員外
の
出席者
農林委員長
井出一太郎
君
林野庁長官
柴田
栄君 農 林 技 官 (
林野庁指導部
長)
藤村
重任君 専 門 員 難波 理平君 専 門 員 藤井 信君
—————————————
十月二十六日 小
委員加藤高藏
君同日小
委員辞任
につき、その 補欠として
吉川久衛
君が
委員長
の指名で小
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
冷害地
における
治山事業等
に関する件
—————————————
川俣清音
1
○
川俣委員長
これより
会議
を開きます。
臨時国会
を前にいたしまして、
林野庁
の
冷害対策
に対する
方針
もほぼ確定しておられるかと思うのでありまするが、
冷害地一帯
の
農民
から、今日こそ
国有林野
が率先して
冷害地
のために努力すべきであるという
要望
が強く出ております。これに対して
林野庁
も、
薪炭林
の
払下げ等
につきまして、すでに通牒を出されたり、御配慮にな
つて
おるようでありますが、まだ受持つべき
林道
の、
国有地
内における
奥地開発林道
または
民有地開発林道等
について、もう少し具体的に
説明
を
願つて
、
冷害地
の
農民
に安心を与えたいと思うのであります。また聞くところによりますと、
炭がま
の
補助
が大
規模
な
削減
を受けておるようでありますが、これらに対しましても、当小
委員会
といたしまして非常に関心の深いところでありますので、これらの点について、
林野庁当局
の御
説明
を願いたいと思います。
藤村重任
2
○
藤村説明員
私は
林野庁
の
指導部長
の
藤村
でございます。
長官
は間もなくお見えになりますけれ
ども
、時間の
関係
もあるかと思いますので、私がかわりまして
冷害対策
の、特に
林野関係
の
内容
を申し上げまして、御参考に供したいと思います。
林野庁
といたしましては、
北海道
、
東北地方
を
主体
といたしまする今までにないはなはだしい
冷害
に対して、何とかして
地元
の方々の
救済
と申しますか、特に
経済
上の
内容
をゆたかにする
意味合い
の
対策
をいろいろ考究いたして参りまして、今次
補正予算
に関しまする
計画
を立てまして、
大蔵省
にそれぞれ現在
折衝
を続けておる次第でございます。その
内容
の概要について御
説明
申し上げます。
民有林関係
におきましては、特に
冷害地方
に対しまして、できるだけ
地元
に金を落すというようなことから、また特殊の資材をたくさん使わないで、特に
労務関係
の
内容
を多分に持
つて
いる
事業
、そこに重点的に指向する。あるいは
既定
の
計画
を少し広げたり、あるいは繰上げ施工をいたしまして、できるだけそういう
意味合い
の
仕事
を増して行きたい。こういうふうな
考え
から取上げましたのが、
一つ
は山の道、すなわち
林道
を特にその
地帯
において
主体
にしたい。この
冷害対策林道
の
考え方
は、現在
既定予算
でや
つて
おります
林道
の
継続事業
を
主体
にいたしまして、なお幾分現在の
補助林道
の
わく
をはみ出ても、それよりやや小
規模
のものもこの中に取上げて行く。このような
考え
から、
冷害対策林道
の
予算
を組みまして、
要求
をいたしております。その額は、当初
計画
いたしましたのは、
林道予算
といたしまして
国費
約六億九千万円でございます。なおそのほかに、
冷害地帯
におきます山くずれ等の
修復
のための
治山事業
、それから、これは
冷害
を緩和するために非常に必要でございます
海岸防風林
、
海岸砂地
の
造林
というようなものを
主体
といたします
冷害対策
の
治山事業
というものを組みまして、
総額国費
として約三億五千万円、
合計林道
と合せますと十億の
予算
を一応つく
つて要求
をいたしたわけであります。この
民有林
の
補助金
に
関係
いたしますものは、
大蔵省
の
予算
の
編成等
の
段階
におきましては、いろいろ紆余曲折を経ておりまして、必ずしもまだ十分の目鼻はつかみ得ない
状態
でございますか、
冷害対策
に関する総
わく
で、
農林省
の
考え
ておりますのと
大蔵省
の
考え
とが、まだ十分の一致を見ていない
状態
でございますのでわかりませんけれ
ども
、その
冷害対策予算
の中の
仕組み
もだんだん再検討されて参りまして、現在のところは、他に
既定予算
の節約というような問題もございまして、それとのからみ合いなどの
関係
もあり、一応現在、先ほど申し上げました
林道
並びに
治山関係
の
既定予算
の
削減
を受けておりますので、
冷害地方
に対しては、できるだけその
削減
の度を少くし、場合によりましてはそれをしないで、できるだけ
地元投資
を多くする。こういう
意味合い
から、
冷害
の
予算
を強く
要求
いたしている次第でございます。
林道関係
は、特に
山間部
の
労力
を
主体
にいたしている
仕事
でございますので、最も
冷害対策
としては好適な
事業
と思いまして、強く
要求
いたしておりますが、
冷害地方
の、
災害
をある
程度
受けたところのものに対しては、
冷害対策
としての
災害復旧費
というものも中に
考え
て、そしてこれに対してもいくらか
資金
的な
考え
をする。それから純然たる、
災害
を除いた
ほんとう
の
意味合い
の
冷害
だけの
対策
としての
林道
を別途に
考え
るというようなことで、現在は
仕組み
を進められております。それで現在の
段階
を申し上げますと、
林道
の
冷害対策
としては、
災害復旧
のものとして約一億、それから
災害
を受けていない
冷害対策
の
林道
として約二億、
合計
三億の
冷害対策
の
林道
が一応見通されつつある
現状
でございます。これは
現状
からいたしますと非常に少いのでありまして、私
たち
は、
既定計画
も遂行し得ないので非常に憂えております。なお
海岸地帯
の
海岸砂地造林
を
主体
にして、
山間部
の山くずれ等の
修復
をいたします
災害地帯
の
治山事業
につきましても非常に
削減
を受けておりまして、現在のところこれは非常に少く、三千万円
程度
が見通されておる
状態
でございます。従いまして、
林野庁関係
の
民有林
の
災害対策
の
資金計画
約十億は、
内容
は多少かえましたけれ
ども
、総体としてはそれの四分の一以下、二億四千万円
程度
が現在見通されつつある
現状
でございまして、なお強くもともとの
計画
を遂行するための
予算
をぜひ認めてもらうように
折衝
を
継続
中でございます。 なおそのほかに特に
民有林
の
冷害地帯
の
仕事
といたしまして、
製炭事業
が非常に益んな
地帯
が多うございますので、特に冬の
農山
村の
仕事
として、この
製炭事業
の基盤をなします
炭がま
に対して、できるだけこれを
補助金政策
の線に浮かび上らせて、か
つて
昭和
九年でございますか、
冷害対策
として取上げられた例もございますので、できるだけ今度の
冷害対策
の中に強くこれを打出したいというようなことで、
炭がま
の
補助金
を
要求
いたして参つた次第でございます。これは
炭がま
三万一千基を
対象
にして、
内地
では単価二万円、
北海道
では五万円の
内容
をもつた
炭がま
の
助成
を
要求
して参りましたが、現在の階段ではなかなか認められかねるというような悲観的な
状態
でございますので、特に
冷害地帯農山
村の
経済援助
のために、これは
最後
まで
要求
を続けて参りたい、こう思いまして、目下なお
折衝
中でございます。 そのほかに
国有林関係
におきましては、
特別会計
の中でやはり
林道
、
治山
、それから
造林
に対する——特にこれは
撫育枝打ち等
を
主体
にしておりますが、八億の
冷害地帯農山
村の
事業
を
内容
といたしました
冷害対策費
も
折衝
を続けております。現在の
冷害対策
に対します大きな
わく
といいますか、約四十億を
対象
にして、
農林省
はいろいろな案をつく
つて
おりますが、
大蔵省
では四十億の中に
融資
の
資金
も入れるというような
意向
もございますし、ただいま申し上げましたのは、一応
大蔵省
の
意向
に基いた四十億の中で三十億が
補助金
、あと十億が
融資
の
資金
、そういう
一つ
の
計画
に基いた
内容
と私
たち
は承知して、先ほど申し上げますように、まだ
折衝
を
継続
中でございます。以上簡単でございますけれ
ども
御
説明
申し上げます。
吉川久衛
3
○
吉川
(久)
委員
今御
説明
を伺いまして、
大蔵省
との
折衝
が非常に困難なようでございますが、特にその中で
お尋ね
をいたしておきたいことは、
国有林関係
の
林道
、
治山等
を中心とする
冷害対策事業費
を八億と言われましたが、これはもう少しその
内容
を具体的にお教えを願いたいこと、それから
炭がま
の問題が
大蔵省
との
折衝
が非常にむずかしいといいますが、
大蔵省
はどういう主張でありますのか、むしろ
大蔵省
をきよう呼んで、ここで尋ねるのが
ほんとう
だと思いますが、
林野庁
の今日までの
交渉
の経緯、そのむずかしい点をお伺いをしておきたいと思います。
藤村重任
4
○
藤村説明員
ただいま
お尋ね
にあずかりました点について御
説明
を申し上げます。
国有林
の
冷害対策
の
内容
といたしましては、ただいま
補正予算
の
経費
約八億と申し上げましたが、その
内容
をいま少しく御
説明
申し上げますと、
冷害地帯
に対する
林道事業
でございます。この
林道事業
は、現在までございます
林道
の
修繕
を
主体
にいたしまして、多少
改良等
を加えて参ります。新設はいろいろの
関係
で、あまり大きな実施ができかねる点もございますので、
修繕
を
主体
にした
林道
の費用でございますが、これは総
経費
二億で
計画
をいたしております。なお
造林事業
でございますが、この
造林
も時期等の
関係
もございますので、現在ございます
人工造林地
の
撫育
を
主体
的な
内容
にいたして参り、多少
撫育
に必要な補導あるいは
防火線
の開設、
修復
、また場所によりましては地ごしらえのための雑木の整理というようなものを
内容
といたしまして、
造林
の
経費
といたしまして四億八千万円、なおそのほか
治山事業
でございますが、この
治山事業
も、
主体
は、
治山事業
を遂行いたしますための
準備作業
と申しますか、いろいろ
材料
の収集とか、そういうものを
主体
的な
仕事
といたしまして、総
経費
四千万円でございます。なお
官行造林
の
事業
でございますが、これは先ほど申し上げました
造林事業
の
内容
とほとんど
内容
を一にいたしております。そのほか
林産物
の処分に関するものでございますが、これは
冷害地帯
の
薪炭原木
の
払下げ
を、現在のところ三百五十万石ほどを
対象
にいたしておりますので、これに関するいろいろの
調査
が必要でございますので、その
調査
を
主体
にいたしまして組んでおりますが、総
経費
一千万円、なおそのほかに
製品
に関するものでございますが、これはおもに
運材
でございます。この
運材
を
主体
にした
製品
一億二千万円、以上
合計
いたしまして、
補正予算
の
経費
として、
冷害対策費
八億になるわけでございます。これが
国有林
の
冷害対策
の
内容
でございます。
炭がま
は、先ほど申し上げましたように、三万一千基を
対象
にして、
補助金
の
要求
をいたして参
つて
おりますが、現在のところ、なかなか
大蔵省
の方では認めがたいというように承
つて
おります。
大蔵省
でなかなか
炭がま
の
補助金
を認めがたいというような具体的なはつきりした
理由
は、私
たち
もつかみ得ない
状態
でございまして、まあ
補助率
の
関係
もございますが、全体としての
炭がま
に対する
補助金
の
わく
の問題が、ほかの
事業
との
関係等
から、
冷害対策費
の
わく
内でどういうふうなことでこれを処理して行くかという問題が、現在
削減
されておる
主体
的な課題にな
つて
いるように存じております。その
炭がま
を
補助
する
予算
の
内容等
の検討が、まだ必ずしも詳細な
折衝段階
には入
つて
いない
状態
でありますので、これはもうしばらく時間がた
つて
行けば、あるいはまだ獲得し得る余裕があるのではなかろうかと、私
たち
は推測いたしておるのであります。
吉川久衛
5
○
吉川
(久)
委員
炭がま
の問題について、
大蔵省
とまだ
交渉
の
過程
にあ
つて
、
部長
のおつしやることが
大蔵省
に悪い
影響
があ
つて
はというので、非常に慎重に、しかも抽象的なお答えでございましたが、私にはよく想像はできるのでございます。しかし私
たち
も、場合によ
つて
は
大蔵省
と
折衝
する用意がございますので、
ほんとう
はお聞かせ願えたら、どういう
理由
かがあらかじめわか
つて
おりますと、私
たち
の
交渉
にも役立つと
思つたの
でございますが、そこまで
お尋ね
するのは無理でございましようから、おきましよう。 そこで
林産物
の処理についてでございますが、この
薪炭林
の
払下げ
もありましようが、これについて営林署が直接この
事業
を実施して、その
地元
の山村の
冷害
を受けた住民に対して、
収入
の
方法
を講ずるというような問題もあろうと思うのでございますが、そういうような御
計画
がありますか。なぜそういうことが
考え
られるかといいますと、救農的な
事業
として、一どきにこれをやるようになると思いますが、そうなりますと、
製炭
の
価格
に
影響
をいたしまして、非常に骨を
折つて炭
は焼いたが、値段はべらぼうに下
つて
しまつたというようなことにな
つて
は、
せつかく
の
救農事業
がその所期の目的を達成できないというようなことになりますので、そういうものを県で買い上げておくなり、あるいは
林野庁
が買い上げておくなりできない場合には、
林野庁
が
直営
をして、
製炭
をして、それを
平均売り
をするというような
措置
を講ずるならば、
価格
の維持ができるのではないかと思うのでございますが、その辺について何かお
考え
がございましたら……。
柴田栄
6
○
柴田説明員
増産
というような声もございますので、それに対しまして、あるいは
価格
を売りたたかれるという御
懸念等
から、何か
国有林
で処理する
方法
はないかという
お話
だと存じます。私
ども
もその点は非常に心配いたしまして、一応
炭がま
の
助成
をいたします場合に、
集荷
の問題をも考慮いたしまして、
協同組合
で一括処理するということによりまして、
協同組合
に一応全部
集荷
して、値くずれ等を考慮して、あるいは
備蓄等
も
考え
るということで、
融資
をあわせて
考え
る。あるいは
国有林
といたしましても、
製品費
の方におきまして、従来も
直営製炭事業
をいたしておりますので、そこらで吸収できるものはできるだけ増加吸収いたしまして、
労賃
の
収入
の形で働いていただくというようなことも一部
考え
たいということで、
計画
はいたしておりますが、全体の
薪炭
の
需給
の情勢を
考え
ますと、全国的には必ずしもそれほど大きな
増産
にはならないと思われるのでございます。最近までの六月以降における
水害地方
の減産は、かなりその後の大都市の
集荷
に
影響
を見せておりますので、全国的な
需給
から言いますと、年度当初
計画
いたしました二百万トンをほぼ確保するという
程度
までしか参らぬのではないか。ただ時期的なずれという問題があるので、多少地方的にストツクする、こういうことになるというふうに
考え
ておりますが、現在のところ、
国有林
が増加
払下げ
しますものを、全部一応炭にして
集荷
するという
方法
は、なかなか
国有林
のみでは困難だと思
つて
おりますので、主として
協同組合
を通じて
集荷
、それから
販売等
の
方法
を
金融措置
で
考え
て参りたい。それに対する
融資
の
利子補給
を一部
計画
させていただいておる、こういう
程度
でおりますことを御承知願いたいと思います。
川俣清音
7
○
川俣委員長
それでは
委員長
からも
お尋ね
しますが、
農林委員会
といたしまして、
林道
について約九億
程度
を
要望
いたしたい、こういう案を持
つて
おるわけでありますが、この
林道
について九億というのは、非常に厖大であ
つて
、こなし得ないのではないかというような議論もないわけではありません。しかしながら
農林委員会
といたしましては、大体
林道
に動員される者が、五百万ないし六百万の動員が、
就労延べ人員
にして可能である。可能であるばかりではなくして、ぜひとも就業させなければならない、こう
考え
て参りますと、九億でもなお足りないのでありまして、私
ども
は当初
関係府県
に対して、千五百ぐらいの路線、また
キロ
にいたしまして千五百くらいの
キロ数
を要する工事を仕上げたい、こういう強い
要望
を持
つて
お
つたの
でありますが、それを時局柄幾分
削減
いたしましてもなお九億を要する、こういうふうに
考え
ておるのでありますが、これは
林野庁
としてごらんにな
つて
、これだけの
仕事
ができないというふうにお
考え
になりますかどうか、この点をさらに
確め
ておきたいと思います。
柴田栄
8
○
柴田説明員
私
ども
といたしましては、当初には、今回の
冷害地域
は主として
山つき
の
地域
ということで、ぜひともこの際に
山つき
に
仕事
を多く見つけて、
賃金収入
の
方法
を
考え
ていただきたい。その際には
林道事業
が一番よろしいということで
相当額
の
計画
をいたしたわけでありますが、その
計画
の
主体
は、従来の
補助
・
基準
と申しますか、一応
大蔵省
ととりかわしております
補助対象
というものの
基準
を設けておりまして、
奥地林道
におきましては一千
町歩
以上、
延長幾ら
、あるいは
民有林開発林道
につきましては
一団地
百
町歩
以上、
延長
一
キロ
以上というふうな
基準
を設けてや
つて
おりますので、従来百
町歩
前後の
一団地
で、一
キロ
以内の道をつけましても非常に効果を現わすと思われるようなものが
補助対象
にな
つて
おらない。しかしそれは今回のごとき場合には一年で完成させ得て、ただちに
需給
にも利用させ得るということで、これを
計画
いたしましたので、これを
対象
とし得るといたしますれば、ただいま
お話
の
総額
は決して消化し得ないものではないと私
ども
は
考え
ておるわけでございますが、今日までの
予算折衝
の経過から申し上げますと、従来の
対象林道
において
継続事業
の可能なものだけということに限定されておりますので、これは
公共事業全般
をさような
方針
で
考え
るということで、原則的な問題ということで
大蔵省
が非常に強く主張しておられますので、さようなもので今回の
救済
をかねた
仕事
にすると申しますと、
奥地林道
のごときはほとんど時期的に
対象
になり得ない。しかも
民有林開発林道
は、比較的さような制限のために量が少い。なおこれを
継続
的に実施するという分量が非常に少いということで、どうしても
計画
にならないというのが
現状
でございますので、ただいま申し上げましたように
程度
を引下げ、しかも一年で完成して、有効に利用できるという
林道
まで幅を広めていただけるということになれば、有効な消化は十分可能であると私は
考え
ております。
川俣清音
9
○
川俣委員長
さらに
お尋ね
したいのですが、
農林委員会
、特にこの小
委員員
は、今
長官
の
説明
のありましたように、今まで恵まれておりません小
団地
の
林道
がむしろ必要である、こういう
考え
に立
つて
おるわけであります。なぜかと申しますると、いまさら
説明
の要はないと思いますけれ
ども
、このたびの
冷害
は非常な広汎な
地域
にわた
つて
、しかも高
冷地
が一番被害を受けておりまして、この高
冷冷害地
に対しまして最も適切な
処置
としては、小
団地
の
林道修理
その他の
計画
が最も必要であるのでありまして、これが一番公平な分配となると思うのであります。大きな
規模
の
林道
になりますると、
予算
が大きくてもこれが一般に公平にわたるわけではなくして、ある
部分
に集中されるということになりますと、最も
冷害対策
として
就労人員
をどうして勤労させるかということが、この
冷害対策
の基本でありますので、小
団地
について、あくまで小
団地
の
林道補助
を
要望
する声が高いのでありまして、
政府
及び
大蔵省
は、
新規事業
だということでこういう小
団地
の
林道
に対し非常に
理解
がないのでありますが、
委員会
といたしましては
委員諸君
の熱烈な
要望
にこたえて、ぜひとも
林野庁
を通じて
政府
に
要望
したいところでありますが、もう一度これについての御意見を伺いたいと思います。
柴田栄
10
○
柴田説明員
私
ども
は終始今回の
冷害対策
として
考え
る場合に、ただいま
お話
の
通り
のことが最も有効であり、かつ従来残された部面といたしまして適切であるという
考え
で主張し続けて参
つて
おりますが、ひとり私
ども
の
仕事
ばかりではなく、
建設農地等
も同一の
方針基準
で相談をするのだという態度で、
大蔵省
は強く主張しておられますので、この原則を例外的に打ち破るということは、現
段階
においては、私
ども
の力では非常に困離に逢着しておるということを、率直に申し上げざるを得ないという
段階
でございます。
川俣清音
11
○
川俣委員長
委員
の皆さんにお諮りいたしますが、これは
委員会
の強い
要望
でありますので、ここで
要望
を表現し、これに対して
政府
が適切な
処置
をとらない場合においては、われわれはあらためて
政府
にこの点を
臨時国会
において夢呈するということにして、この点はこれで一応打切
つて
おきましようか。
吉川久衛
12
○
吉川
(久)
委員
小
規模
の
土地改良
の問題について
基準団地
の問題がいろいろに論議された結果、二十
町歩
以上というのを五
町歩
にというのが、
農林委員会
の強い
要望
でありました。これとつり合いのとれるような
林道
についても
措置
を講ずべしということは、かねてから強く
要望
して来た問題でございますから、本
委員会
においても、ぜひこの問題をとりまとめて
要望
されんことを私は望みます。
柴田栄
13
○
柴田説明員
なおちよつとつけ加えさしていただきますが、
基準
を引下げて
救農事業
をする施設ということで、今回特に
臨時救農施設
の
経費
を含めるという施策は入れていただいておりますが、それがただいま
お話
のありました、従来の
基準
を引下げるというようなことをも加味して、全体の
仕事量
を適正に配分して
就労
の機会を与えるという
対象
にはな
つて
おると思われますので、全然考慮されていないというわけではないと思いますが、その
総額
は現
段階
におきましては四億五千万円を一応認められておるという
程度
でございますので、私
ども
が当初
計画
いたしましたものとは、
農地
その他の
関係等
を
考え
合せまして、ほど遠いものであるということをつけ加えさしていただきたいと思います。
川俣清音
14
○
川俣委員長
長官
お聞きの
通り
、本
委員会
では今
吉川委員
より発言のありましたように、強い
要望
を持
つて
おることを
十分政府
にお伝えを
願つて
、もしもこの
要望
にこたえるだけの
処置
がとれなかつた場合においては、
臨時国会
において
修正等
が行われることがあるということを、あらかじめ御通告申し上げておきたいと思います。 次に
炭がま
の問題ですが、この
炭がま
の
補助
を
農林委員会
は二分の一にしてほしいという
要望
を持
つて
おりますが、これに対するお
考え方
をひとつ御答弁願いたいと思います。と申しますのは、
農林委員会
では、
冷害対策
で今まで
薪炭事業
を比較的や
つて
おらなかつたようなこともありますので、
補助
をやることによ
つて増産
に寄与させなければならないのじやないか、こういうところから
補助率
を、三分の一を二分の一にいたしたい、こういう
考え方
でありますので、その点を御
理解
の上で御答弁願いたいと思います。
柴田栄
15
○
柴田説明員
お説の
通り
、今回の
冷害対策
といたしましての
製炭事業
の増強に対処いたしまする
炭がま
の
助成
の
関係
は、従来必ずしも
製炭
を業としてや
つて
おられなかつた方
たち
にも御参加を願う、あるいは
新規
に
炭がま
を増加して、
増産
を地方的にはか
つて
いただく、こういう
考え方
で出発いたしましたので、私
ども
といたしましても、大体
内地
一基二万円、
北海道一基
五万円という
規模
の
炭がま
を構築するといたしまして、その二分の一ということで
要求
をいたしましたが、
構築費
の大
部分
は
労賃
になる、
材料費
は
内地等
におきましては約四分の一という
程度
になりまして、その他はほとんど全部
労賃
ということになるというので、
労賃
への
補助
というのは
自家労力等
を相当活用できるという場合に不当であるという
大蔵省
の
意向
が非常に強く、しかし私
ども
といたしましては、
目家労力
でまかない得るものは、そのうちの
労力費
、全体のこれまた三分の一
程度
ということになりまするので、どうしても二分の一が不可能ならば三分の一ということでぜひお願いしたいということで、
折衝過程
において三分の一まで折れざるを得ないというので、三分の一で
要求
を続けて参つた次第でございまするが、
最後
の
段階
に参りまして、あくまで
労賃
を
対象
とすることは従来も
補助対象
として取扱われたことがないというような御見解で、現
段階
におきましては四分の一という
補助率
にな
つて
おるような次第でございます。ただ
開拓者
に対しましてのみ三分の一ということが認められておるという
段階
でございますので、これまた私
ども折衝過程
において非常に難渋を続けておるという実情を申し上げたいと存じます。
吉川久衛
16
○
吉川
(久)
委員
ただいまの
炭がま
の問題でございますが、
内地
二万円、
北海道
五万円というこの差はどういう
基準
でございますか。私は
規模
の問題であろうと思うのでございますが、私
たち
の
考え
では、
内地
は三万円くらいが妥当じやないと思うのでございます。それから普通の場合と違いまして、
冷害対策
ということで、特に炭を焼かなければならないというような地方は寒冷
地帯
で、ほとんどは青立ちで全然現金
収入
の道がない所でございます。そういう所へ特別のあたたかい配慮をしようというのでございますから、
労賃
が相当かかるからこれには
補助
をしなくてもよろしいとか、あるいはする場合にはきわめて低い
補助
でいいのであるというような
考え方
では、
冷害対策
にならないと思うのでございますから、この点は私
ども
はぜひとも二分の一でなければならない、こういうように
考え
ているのでございますが、この辺に対する
長官
のお
考え
をいま一度伺いたいと思います。
柴田栄
17
○
柴田説明員
炭がま
一基当りの単位二万円というものは低過ぎるではないかという
お話
でございますが、これは地方によりましては——もちろんこれは基礎を算出いたしておりまするが、
規模
の問題でございまするので、地方によりましてはこれでは少し低いと申しますか、従来の慣習によりまする
規模
がもつと大きいというところも出ると思いまするが、
東北地方
一帯を
考え
ますと、大体一基一回の出炭量五十俵というのは平均あるいは多少平均以上ということになる
程度
の
規模
と存じますので、私
ども
の見解としては、一応一基当りはこの
程度
で妥当ではないか、かように
考え
ておりますが、
補助率
の問題に関しましては、まことに
吉川委員
の御説の
通り
、私
ども
も
労賃
が
主体
だとは申しながら、みずからの
労力
をただちに金にかえなければその日の生活に困るというような状況に対処するために、私
ども
は当然
労賃
の一部もこの際は
救済
を兼ねて
補助対象
にしていただくべきだというふうに
考え
て、
折衝
を続けて参つたわけでございますが、
補助
の原則からい
つて
賃金に対する
補助
はまことに困るという一点張りで、なかなかこれが認められないという
現状
でございまして、これにはいささか苦慮いたしておるという状況でございます。
川俣清音
18
○
川俣委員長
委員長
からさらに
お尋ね
いたしますが、これが自家
労賃
であるならばまた問題でありますが、かなり他人の
労力
を借りてかまを築かなければならないということになりますと、普通の年でありますならば、かまができて炭を焼いてからあと払いをするというようなことも可能なのでありますが、その日の生活に追われております今日の
冷害地
においては、一日働けば一日すぐ賃金としてもらわなければならないというのが、
冷害地
の今度の特徴であります。それを強く
吉川委員
が表現しておられたわけですが、まつたくその
収入
がないところにかまを築くのでありますから、日払をしなければならない。これが例年でありますならば、日払いでなくても済むのでありますが、
冷害地
という特殊事情に基く
対策
でありますので、
大蔵省
の見解をぜひとも是正させて、少くとも二分の一の
補助
まで引上げなければならない、こう思うのですが、これもまた実情に即して
委員諸君
が熱望しているところでありまして、
委員
が熱望するということよりも、今日の高冷
地帯
における
農民
の窮状を見て、このままに放任できないという切実な
要望
だと思いますので、この点についても
委員会
が強く
要望
していることを、
政府
にさらにお伝えを願いたいのであります。この点につきましても、われわれは
臨時国会
等において当然
修正等
の
処置
に出なければならないということを御通告いたしておきます。
吉川久衛
19
○
吉川
(久)
委員
先ほど
長官
から、炭の
価格
の安定のために農協に
集荷
、販売をできるだけさせるようにしたいという
お話
がありました。私非常に、適切なお
考え
だと思うのでございますが、ただいま御案内の
通り
、農協はこの
冷害
の
影響
を受けまして
資金
的に非常に弱
つて
おります。それに対して
長官
は
融資
の
措置
を講じたい、それには
利子補給
等について
考え
たい、こういうお言葉でございましたが、これは
林野庁
の会計からそういう
措置
がとられるのでございますか、それとも他の一般の
融資
に対する
利子補給
の制度の中でお
考え
になるのでございますか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。
柴田栄
20
○
柴田説明員
もちろん
林野庁
でのみ
処置
する
方法
はございませんが、一般の
融資
に対しまする
利子補給
として
予算
を
要求
いたしておりますので、それによ
つて
利子補給
をお願いするということで
計画
を立てております。それに対応いたしまして、さしあたりの
融資
として中金に
交渉
いたしまして、現在
構築費
の
融資
、あるいは原木代その他の
経費
を約十五億大体
お話
がついておりますので、
政府
融資
というものが決定いたしますれば、これを振りかえてその
利子補給
を
考え
る、かようなことで考慮いたしております。
川俣清音
21
○
川俣委員長
もう
一つ
お尋ね
しておきます。
林野庁
の独立会計の中で行われまする救農的な
冷害対策
としての
事業
が約八億とあるという
説明
がありましたが、これもまた常に松岡
委員
から主張されておるところでありますが、今日の
国有林野
は、いわゆる山間僻地の
農民
とともに育
つて
来たのであるから、こういう
冷害
のときにこそもつと手厚い援護の
処置
をなすべきであるという強い
要望
があるわけであります。これにこたえるにこれだけの
予算
では、今日まで
国有林野
を保育し、愛護して参りました住民に対する
処置
としては、非常に薄いような気がするの下あります。もつと増額が可能じやないかと思いますが、これに対する御意見はどうですか。
柴田栄
22
○
柴田説明員
冷害対策
といたしましての増額は八億
程度
ということになりまするが、
既定計画
によります
事業
が特に
東北地方
には相当残
つて
おりまするので、それらを組み合せますると、私
ども
といたしましては、一応消化可能の
国有林
事業
といたしましては、絹当限度まで
計画
したつもりでおるわけでございまするが、なお消化できるということに
なつ
た場合に、はたしてこれが組めるかどうか、こういう問題は、依然として独立採算の範囲内において実施しなければならないということになりますので、財源等がどうなるかという点も検討いたさなければならないと思いまするが、もし消化可能ならば、現在においてはまだ多少の限度は
計画
し得る、かようには
考え
ておりまするが、一応
地元
を
対象
として
救済
事業
をできるだけ
考え
る。ただこの際増伐という問題は、
製炭
資材等につきましても
計画
ないことを
対象
としなければならないという今日、
国有林
の
直営
伐採におきましては、できる限り増伐は避けて参りたいという
考え方
を持
つて
おりますので、その面での
仕事
の増強はちよつと困難だと思
つて
おります。たとえば
林道
の修理であるとか、あるいは
造林
地の手入れであるとか、
治山事業
として海岸等で
処置
できる問題であるとか等につきましては、もし可能ならば多少の増強も
計画
し得ると私
ども
は
考え
ております。
川俣清音
23
○
川俣委員長
それではきようはこれにて散会することにいたします。 午後零時四十七分散会