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1953-10-05 第16回国会 衆議院 農林委員会造林及び治山治水に関する小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本小
委員
は
昭和
二十八年九月四日(金曜日)
委員
長の
指名
で次の
通り
選任された。 小枝 一雄君 平野 三郎君
福田
喜東
君
松岡
俊三
君
加藤
高藏君
芳賀
貢君
川俣
清音
君
安藤
覺君 同 日
川俣清音
君が
委員長
の
指名
で小
委員長
に選任さ れた。 ――
―――――――――――
会議
昭和
二十八年十月五日(月曜日) 午前十一時二十八分
開議
出席小委員
小
委員長
川俣
清音
君
福田
喜東
君
松岡
俊三
君
加藤
高藏君
芳賀
貢君
安藤
覺君 小
委員外
の
出席者
農林委員長
井出一太郎
君 農 林 技 官 (
林野庁指導部
長)
藤村
重任君 農 林 技 官 (
林野庁業務部
業務課長
) 山崎 斉君 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件
造林
及び
治山治水
に関する件 ――
―――――――――――
川俣清音
1
○
川俣委員長
それでは
造林
及び
治山治水小委員会
を開会いたします。
造林
及び
治山治水
の小
委員会
は、前にありました
林業
の小
委員会
を引継ぎまして、
治山治水小委員会
をつく
つた
のでありますが、
農林委員長
から私が小
委員長
の
指名
を受けましたので、これから開会いたします。私ふなれでございますけれども、
治山治水
の
根本対策
を
農林委員会
といたしまして、すみやかに樹立しなければならないと
考え
るのであります。もちろん
建設省関係
の
治山治水対策
もいろいろ研究されておるようでありますけれども、
農林委員会
といたしましては、
農林委員会
の職分に従いまして、最も
農林委員会
の中で重要な
林業
を受持
つて
おりますために、この面からいたしましても、この
委員会
においてすみやかに
治山治水
の
恒久対策
、
緊急対策
を講じて行きたいと思うのであります。戦後における
日本経済
の復興に伴いまして、
日本
の
木材需要
はますます
増加
の一途をたど
つて
おるにかかわらず、
生産
及び
植林
、ともにこれに伴わないのであります。
従つて
、
需要
の不均衡は年々深刻化いたしております。戦時における
緊急需要
、戦後における
復旧資材
として、要請せられるままに過伐し、
森林
は著しく
荒廃
いたしまして、毎年一千億以上に及ぶ
風水害
の有力な一因とな
つて
おるようであります。このような
森林
の
荒廃
、
木材
の
需給圧迫
の
現状
をこのまま放任いたしておきますならば、
国土
の
荒廃
は極度に達し、
国民生活
の
圧迫
とな
つて
現われるであろうと思われます。この面におきまして、
林野庁
におきましても
治山治水恒久対策
を講ぜられておるようでありますが、さらにこの
委員会
におきまして
林野庁
の立てましたこの
治山治水恒久対策
を再検討いたしまして、すみやかにこの
委員会
において結論を出しまして、本
委員会
に諮り、大蔵省、
関係方面
へ要請いたしたいと思う次第であります。 まず第一に
林野庁
の
治山治水
緊急、
根本
両
対策
を御
説明
願いたいと思います。
藤村重任
2
○
藤村説明員
本日は
林野庁長官
が不幸にして不在でございますので、私
指導部長
の
藤村
でございますけれども、かわりまして
治山治水基本対策要綱
の
内容
を御
説明
申し上げます。 ただいま
委員長
から
お話
がございましたように、最近
日本
の
風水害
は非常にひんぴんと起りまして、それに原因いたします
山林
の問題が非常に大きな
重み
を持
つて
参
つて
おりますが、一方にはこれも
委員長
の仰せのように、非常に
木材
の
需給関係
が逼迫いたしておりますので、
山林
の
生産
の面と
保全
の面とをいかように調整して
行つて
、そして
国民経済
の
要望
にこたえ、あるいは
社会福祉
に貢献するかというようなことを総合的に検討いたしまして、先般農林省として
治山治水基本対策要綱
の線を一応出したわけでございます。ただいまお手元に差上げておりますのがその
要綱
でございますが、これの
内容
をかいつまんで御
説明
申し上げます。 別にこれを朗読いたしませんで、
説明
をお聞き願いたいと思いますが、このねらいどころは、単に
治山治水といつて
も、
土地そのもの
の
保全
と
土地
の持つ
生産力
とを
両方
かねて
考え
なければ、山の
管理経営
としての成果は得られないのでございますので、そういう
基本
的な
考え
をもとにいたしまして立案をいたしております。しかし当面の課題が水を治める問題を解決するところに
重点
がございますので、どこまでも
土地
を
保全
するというところに
重点
を置いて
考え
ております。従いまして一応制度的に
考え
ますと、現在
森林法
で制定いたされております
保安林行政
を中心にいたしまして、それに一般的な
経済林
を協力せしめるというような形で
考え
を進めて参
つて
おります。それで御
承知
のように、
日本
は非常に険峻な山ばかりでございまして、また外国に比較して類例のない雨並びに雪の多い
国柄
でございます上に、毎年長雨があり、台風が襲
つて
参るのでございます。このために
日本
の
水資源
は豊富でございますけれども、一方それが過剰になりまして、毎年
水害
という形で水の処理に困
つて
おるというのが
実情
でございます。この雨の降り方は、
中央気象台
の
資料
によりますと、
日本
の
国土
の約三割が二千ミリ以上の
年降雨量
を持
つて
おるということでございます。こういうふうな非常に多雨な、しかも
山林
の多い
国柄
はほかにございませんので、特別の
考慮
をする必要があるわけでございます。それで一方
土地
の
利用
からいいますと、
国土
の六八%の
傾斜面
を
木材生産
として、
森林資源
として培養
維持
しておりますが、これを
経済
的にのみ活用することは、今の
保全
の面から十分でございませのんで、ある
土地利用
の
制限
を加えて、
両方
の目的を達成するということに相なるわけでございます。そのために
特定
の
地域
に対しましては、
公用制限
をいたしまして、私の
考え
のままに自由に木林を
伐採
したり、あるいは
土地
の形質を変更するようなことがないようにいたしたい、これが
保安林
を
設定
いたします
基本
になるわけでございます。しかも
特定
の人でなくて、不
特定
な多数の
国民
の
方々
にその
利益
を受けていただくということは、
保安林
を
設定
する社会的な要件になりますので、その
両方
のことを
考え
まして、
日本
の
山林
中、
公益
上重要な
河川
を特に
重点
的に
考え
る必要がある。その重要な
水源
を特に山としては
保全
上
考慮
して、
管理
あるいは経営する必要があるというような線が出るわけでございます。それでいろいろ
治山治水
の
対策
を
考え
まする
重点
を、
社会的並び
に自然的な、あるいは
経済
的な
考慮
から、特に重要な
河川
を選び、その上流の
水源地帯
に
特定
の手当をいたしたい、こういうことがこのたび
治山治水対策
を
考え
まする
基本線
にな
つて
おるのであります。 現在
日本
の
保安林
は約二百五十万
町歩
ほどございますけれども、その
内容
は必ずしも十分ではございませんので、さらに現在の
保安林
を再検討いたしまして、その適正な
配置
と適正な
内容
を持つように今後いたして参りたい。なおそれと
関連
いたしますその周囲の
経済林
も、
十分計画性
を持
つた
取扱い方をいたしまして、そうして水並びに
国土
の
保全
に協力せしめることが必要であるというようなことが出て参ります。こういう一応の
土地
の
利用
の面から
公用制限
をいたしますが、特に
事業
的にこれを
考え
ますと、特に
公益
上必要な地区に対しては、これは
国民
全部がこの
利益
を受けますので、また
国民
全部がそれに対してある
程度
の義務と申しますか、サービスをしなければならないという
反対給付
の点が出て参りますので、財政的に
相当重み
のある
仕事
を中に組み入れて行きたい、その
仕事
の対象となりますものは、山くずれ等を直します、あるいは山くずれの起りかか
つて
いる所を起らないように予防いたします
治山事業
、及び現在木がまだはえておりません、あるいは以前に
伐採
されまして、
造林
をすべくしてまだ植
つて
いない所、あるいは今後
伐採
されまして再び
造林
をしなければならぬ所、そういうような所はすみやかに
植林
をいたしまして、
森林
の
内容
を拡充して行く、こういう
造林事業
、これも
相当
重点
的にや
つて
行きたいと思うわけであります。 なお、現在の
日本
の山は約六割ほどしか
開発
されておりませんので、四割は未
開発
のいわば包蔵されている
資源
でございます。従いまして、
木材
の
需要
の方からいえば、現在
既開発
の面に
伐採
が集中されておりますので、
奥地
の未
開発
を
開発
しまして、できるだけ過伐の
圧迫
を平均さして行きたい、こういうことのために
奥地
の
開発施設
をこれに織り込んでございます。これが
林道計画
でございます。 こういうふうな
事業
を総合的に取入れて、しかも
計画
的に
実行
に移すようにいたしたいというわけでございますが、なお現在の
日本
の雨の量というのが十分把握されておりませんで、特に山地の
水源地帯
の
雨量
が非常に不
確定
でございますので、その
受入れ態勢
を整うべき流域の
対策
か
資料
的に欠陥を持
つて
おるわけでございます。従いまして、特に
山岳地帯
の
雨量
の
観測
を、
一つ
の
基礎資料
としてどうしても今後
仕事
として進めて行きたい、こういう
森林気象観測事業
をこの
仕事
の中に組み入れております。 以上のような
仕事
を
行つて
行くわけでございますが、特に
山林
は、ただ単にそういう
事業
のみを単独にあるいは各個にやるだけでは、いろいろの
土地所有
の
関係
あるいは資産の
内容等
からいいまして十分でございませんので、総合的に
伐採
の
計画性
とか、あるいは現在の税制にもし修正を要すべきところがあれば修正するとか、現在実施しております
伐採調整資金制度
の拡充をはかるとか、あるいは
木材
の
需給
の安定をはかるための外材の輸入、あるいは非常に
木材
の
需給
の面で問題がございます
消費面
の
合理化
をもつと進めて行く、こういう総合的なことも
考え
ながら、先ほど申し上げました
事業
を遂行して行きたい、こういうのがこのたびの
治山治水対策
の大体の
考え方
でございます。 なおこの
事業
の数字的な
内容等
はここに書いてありますものをごらん願いまして、また御
質問等
があればお答え申し上げたいと思うわけであります。 一応以上
説明
申し上げます。
川俣清音
3
○
川俣委員長
何かこれに
関連
して御
意見
がございませんか。
松岡
さん。
松岡俊三
4
○
松岡委員
この
保安林
の
設定
、まことに
けつ
こうでありまするが、現在のものと、新たに
指定地域
になる
増加
の
保安林
の
国有
、
民有
を別にして、その
配分
の
面積
と
地域
が各
県別
にわかりますか。
藤村重任
5
○
藤村説明員
現在の
既設保安林
の
府県別配分表
はございます。なお、今後それをどういうふうにすればいいかというのは、これは
一つ
の案として今
作業
はいたしておりますが、これを
確定
いたしますのは、
森林法
に基きます
法律
上の手続を経てやらなければ
指定
の
確定
はいたしませんので、今後
調査
とともに漸次決定いたして参ることになると思うわけでございまして、現在は一応
作業
の目安として、
調査資料
という
程度
で持
つて
いる
程度
でございます。
松岡俊三
6
○
松岡委員
私は各
県別
の
保安林
を知りたい、この
内容
を詳細に知りたい。それから、ただいまもよく御
説明
がありましたが、
森林伐採
の
合理性強化
という問題がありますが、この中に「特に、
奥地林
の
開発伐採
に対しては、
保全的搬出方式
によると共に、該
施設
の
維持
を完うせしめる。」という問題がありますけれども、私の調べた
昭和
二十六年度の
林野庁
の
国有林野特別会計決算
を見れば、
青森営林局管内
には九十七万九千
町歩
の
国有林
があり、
大阪営林局管内
には十九万四千
町歩
ある。そうして、
青森営林局
の管轄内において、
林道
の
施設
に二億四千五百八十六万円を使
つて
おる。
大阪営林局
の
管内
では二億二千五百十九万円を使
つて
おり、
面積
にすれば約四分の一、五分の一に近いものであるが、
青森営林局
は
林道
の
施設
にはわずかに二千万円しか多く使
つて
いない。こういう
あんばい
で、「特に、
奥地林
の
開発伐採
に対しては、
保全的搬出方式
による」
云々
というようなことと矛盾しないで、過去においてどういうことをや
つて
おるか。私はこれを明らかにして行かなければならぬと思うのであります。同時にこの
保安林
の問題もその
通り
で、青森、
秋田
、
前橋
の三
営林局
の
国有林
の
面積
の集計で、
北海道
を除いたところの
全国
の
国有林
の
面積
を割
つて
みますと、四割九分六厘にな
つて
おることは、
林野庁
としてよく御
承知
のはずです。こういう
あんばい
については、今度
保安林
を
設定
する、
増加
するについても、当然ここに触れるものだと思うのであります。こういう点についてどんなふうにお
考え
にな
つて
いらつしやるか。こんなふうな五分の一の
面積
に対して一億四千万円と二億二千万円、わずかに三千万円しか
林道費
で多く使
つて
おらない。これでは
ほんとう
に
国有林
を正確に今日までや
つて
来たかということは問題です。そうして今度は洪水が出た。こういうことになりますと、私はここにまた
林野庁
の
書類
を出さざるを得ないのです。
林野庁
の
調査書課
で出しておるものを見ると、そもそも
国有林
を
設定
する当時、非常な困難な
仕事
であ
つた
ろう。「その衝に当
つた者
の
考え方
の違いや、村の
挙証方法
の巧拙などで不公平の
処置
があ
つた
ろうことは想像せられるところである。」はつきりこう
言つて
おる。「これがために、不当に
民有地
と定められたところは不問きにされ、不当に官林に編入されたところについては、処分の
是正方
を
政府
に迫る者が続出し」た。こうな
つて
おる。
東北方面
から続出したこの
書類
は山をなすと
言つて
も過言でないほどにある。ほとんどしかしそれが解決されておらない。これに反して、
西南戦争
の前後において、
東北
と同様に、
地租設定
の上から、この
国有林
を
調査
に行
つた
ときに、
宮崎
県と鹿児島県の問題は、
東北
の方では
唯々諾々
としてその言う
通り
に聞いておるけれども、そのときは
調査
ができないで帰されておる。あばれられて
調査
ができなくて、帰
つて
おる。そしてそれがずつと継続されて、今度は
宮崎
県は明治三十三年四月十二日林第九三七号をも
つて
、九百
町歩
返しておる。こんなにごたごたしたものを九百
町歩
返しておる。さらに
昭和
二十年十月十五日、林第一三九八六号の
林野局
の訓令をも
つて
七百
町歩
返しておる。
藩閥政府
の力の偉大たるところにおいては、このように返しておる。そうして
明治維新
当時にその衝に当
つた者
は、不当に
民有林
に編入されたところから、これの補償、
訂正方
が続出するほどに出願しても、問題が解決されないで、今日に至
つて
おる。そうして
北海道
を除いた
全国
の
面積
のうち、
四川九分
六厘を
東北
六県に――
前橋営林局
の群馬及び新潟を入れたところのものを合せると、それだけの
面積
を持
つて
おる。そうして、その
施設
を見れば、そのようにな
つて
おる。
秋田営林局管内
のごときは、
収入
が二十九億九千八百四十九万円である。そしてその
支出
は、二十億千七百七十七万円にな
つて
いる。九億八千万円だけは
秋田
から持
つて
行つて
おる。
支出
せずして余しておる。これをずつと集計しますと、たいへんなことになります。こういうことは、
林野庁
ではよくわか
つて
いるはずです。そうして今のように不当に
民有林
に編入されたものは不問に付されておる。
民有林
として今日まで
相当
な
生産
をし、働きをしておる。ところが不幸にして、今回
水書
にあ
つた
。その
水書
に対して
治山
の
対策
を講ずる。まことに国家のために不祥なことでありますけれども、こういう
あんばい
にな
つて
おる。ところが
東北
の
方面
は
国有林
としてや
つて
お
つた
から、それほどの
水害
はないというようなことをおつしやるかもしれないけれども、
半面
においては
明治維新
から八十年間
国有林
としてみんな持たれてお
つた
ために、目の前に――ねこにかつおぶしでも見せておるようなぐあいで、
犯罪人
が
東北
にどのくらい山の盗伐のためにあ
つた
かということは、
林野庁
では
統計
でよくおわかりでしよう。こういうように罪人をつくり、
生産
はなさしめないようにし、そうしてその
調査
、はその衝に当
つた者
の
見込みいかん
によ
つて
や
つた
であろうからして不公平は免れないだろうと、はつきりしたことを
言つて
いる。そうして
昭和
の今日においても、その
収入
よりも
支出
が少くて黒字を出しているというありさまである。そこのところにさらにまた
保安林
を
設定
する。その
保安林
は
全国
の県内にどう
配置
するのか、この
保安林
の
設定
がどういう所に使われるのだか、
設定
されるんだか、これをよく明らかにせなければ、いずれの日にか、
東北大県
の
明治維新
当時の
賊軍たる
がゆえに、こういう広大なる
面積
を持
つて
おるものがそのままになる。大
東亜戦争
による
戦犯者
さえもが許される今日において、こういう不当なことがまだあることを
林野庁
ではどういう
あんばい
にお
考え
にな
つて
おるか。
委員長
においてはわれわれと同一の
考え
を多分持
つて
いらつしやると思う。こういうことをして、
治山治水
の本質に
東北人
をして
ほんとう
に感奮興起せしめて山を愛するというところに行かしめることができますか、どうですか。貧弱なる
東北
、あるいは
平衡交付金
その他において助けなければならぬというような
東北
に、
半面
において
秋田営林局管内
だけで、
秋田
、山形県だけで二十六年度の
決算
においては九億八千万円
支出
から残しておる、
収入
をあげて
支出
からこれだけ残している。この残しておるものを還元して
施設
を十分にしてお
つた
ならば、まだまだいいところもあるだろうけれども、還元しない、ほかの方に使
つて
おる。こういう点について、
東北
には今度は
水害
があまりなか
つた
というのは、ひとえに
国有林
を今日まで温存して来た
政府
の非常なる努力であろうということも一面からうかがわれますけれども、一面においては、その当時
東北人
に一向
生産
に十分力を用いせしめないで、今日にな
つて
から
国有林処置
の
臨時措置法
によ
つて
高い金で払い下げている。今回の
冷害
が
東北
に特段にひどいことは御
承知
の
通り
であります。そうして
冷害地
はほとんど
山間部
が多い。その
山間部
はすぐ裏山から
国有林
にな
つて
おるところがすごぶる多い。これらに対して
原木
の
処置
はやはり
原価
で払い下げようとする。しかしながら現金をまるつきり持たないところの
冷害地
の
山間部
の
東北
の者は、はたして
原木
を払い下げられても代金を支払うことができない、金がない。この金のない
山間部
の者に対してどういうぐあいにして今回の
処置
をなされようとするのか。
原木代
を無償でやるか、あるいは延納を許すのか、あるいはその
原価
はどういう算定でも
つて
やるかというような方針を、
東北
の
冷害
の
関係
からいうても、上についても、われわれは十分に明らかにしてほしいのであります。これを御答弁を願いたい。
藤村重任
7
○
藤村説明員
この
要綱
に書いてあります
森林伐採
の
合理化
の
内容
でございますが、これは現在の
日本
の
国有林
並びに
民有林
を総合的に
考え
て書かれておるわけであります。現在の
国有林
の
既開発
と未
開発
の割合は、
既開発
が
国有林
において三五%であります。従いまして未
開発
は六五%に相なります。
民有林
におきましては、
既開発
の
森林
が六六%でありまして、未
開発
の
森林
は三四%であります。このように、
国有林
並びに
民有休
の
森林
の
開発
の進み方が
違つて参
つて
おります。従いまして特に
民有林
においては、
奥地
の未
開発
に対する
伐採
がある
程度
強い
圧迫
をも
つて
進んで行かざるを得ないという
状態
でございますが、この未
開発
の
地域
は、比較的山のけわしい
地域
に
相当
いたしますので、いたずらな、あまり
計画
的でない
伐採
をそのまま続けて参りますと、かえ
つて
あとで
治山
のため
支出
をして山を出して行く金の方が非常に不
経済
に
考え
られますので、あらかじめこれを、
伐採
するときに、山を痛めないような、
森林
を破壊しないような
伐採方法
、あるいは
搬出方法
をも
つて
実行
して行く力がいいわけであります。従いましてこの
奥地
の未
開発
の、特に
民有林
の
伐採
、
搬出
の
施設
に対しては、特に現在の土し
ゆら等
の
方法
がございますので、その山を非常に痛めるような
伐採搬出
の
方法
をある
程度
やめまして、
索道
あるいは
鉄線運搬等
、あるいは機械による
集材等
をできるだけ励行せしめるように、その
実行
の用意のための
予算措置
もあわせて
考え
ておるわけであります。これが
森林伐採
の、特に
奥地
の
開発
に対する、この
要綱
に盛られておる
内容
でございます。 なお
保安林設定
の
地域的配分
は、現在の
配分
は
統計
上公表してございますが、今後の
保安林
の
合理的配置
に伴う
計画
は、先ほど御
説明
申し上げました
通り
、まだ
作業
の案としてしかございませんので、今後
法律
に基く
指定
によ
つて漸次決定
を見るわけでありますが、大体
考え
といたしましては、現在
公益
上そのまま放任できないような、
山林
の
荒廃
が非常にひどく、しかも中流並びにに下流の
社会公共性
の大きい所に当然
重点
が向けられて
行つて
、総合的に
考え
まして
既設
並びに今後の
保安林
の
配置
がその
配置計画
が完了しましたあかつきに、適正になるように
考え
て行きたい。こういうことに相なると思います。 なお
国有林
の
金国的配分
の不適正、あるいは
地域
的な
投資等
の
関係
についての御指摘がございましたが、これは
保安林
の、ただいま申し上げましたような
地域
的な
配分
の
現状
並びに
計画
とともに、ある
程度
総合的に
考え
て行かなければならぬと
考え
ております。なお
地域
的な
施設
対する
投資
、これは先ほど触れました現在の
国有林
の
開発
の
状態
並びに
個有林
が現在使命を果しております
国土保全
上の
実情等
を
考え
て、やはり
経済効果等
もにらみ合せながら
国民経済
上最も有効な
施設
の
投資
ということが
考え
られると思いますが、特に
東北
に対してのいろいろの御
意見
は、十分今後の施策の参考にさせていただきたいと思います。
川俣清音
8
○
川俣委員長
委員長
からちよつとお尋ねしておきますが、今
松岡委員
からの御
質問
にありました
国有林
及び
一般民有林
の
林道
に対する
計画
を
各局別
に、あるいは
県別
でも
けつ
こうですが、お持ちでしたらお出し願いたい。 次に
林道
による山の
荒廃
というようなことも問題にな
つて
来ておりますけれども、一方において
林道
は
山間地域
の
交通
の面からも
林道
の
要望
が
相当
大きいと思うのです。いわゆる
森林
の
伐採
の
合理化
から行くと、
鉄索等
による
運材
ということも最も合理的に
考え
られますけれども、一方において、この
山間地
における
交通網
の整備という
意味
からも、あるいは
国有林
から来る副業の
利用
という面からも、
林道
がやはり
考え
られると思うのでありまして、単に
合理化
の
強化
という面からのみで
鉄索
というようなことは、地方の
実情
に合わないような点もあるのじやないかと思うのですが、この点はどうなんですか。
藤村重任
9
○
藤村説明員
ただいま
お話
のございました
林道
の
計画
の
考え方
でございますが、現在
国有林
の
山林事業
の中の
施設
としては、一応
林産物
の
搬出
の
計画
に基きまして主体的に
考え
、あるいは
実行
の面でそれの
維持管理
、あるいは
施設
の場合に、地元の
方々
のいろいろの労力的な、あるいはその他の面の御協力を願うという
意味
のことは十分
考え
て参
つて
おります。
一般民有林
の
林道
につきましては、現在一応
奥地林道
並びに
一般民有林開発施設
の
林道
にわけまして、
補助率
の厚いのと厚くないのと
予算
上区別いたして
補助事業
として実施いたしておりますが、これは一般
交通網
的な
施設
といたしましては、
建設省
の
道路計画
との
関連
も出て参りますし、
道路法
の
関係
もございまして、
十分実行
にあたりましては、
一般道路
と
関連
をも
つて
その
効果
のあるようにいたしますが、
予算
上あるいは
事業
の
計画
とそれらの資金的な裏づけという
意味合い
からは、
財務当局
との
話合い
、あるいは
建設省
との
話合い
の上から、一応
交通網
的な
意味合い
をのけた
林産物
の
搬出施設
というようなことで実施をいたしております。
松岡俊三
10
○
松岡委員
私のお尋ねしようと思
つた
ことを
委員長
によ
つて
指摘されたのは、その一部でありますが、過去を私はいつまでも固執するわけではないけれども、先ほど申し上げた
実情
にあることをも
つて
、この
通り
で行くとしたならばたいへんなことになるから、私は特にさつき発言した次第です。
委員長
はこの
道路
の
実情
をよく知
つて
おるから、今のようなお尋ねをなさ
つた
次第ですが、それについて今回は
冷害
があるのであります。この
保安林
及び
伐採
の
合理的云々
ということについては、
冷害
をまだそれほどに思わない当時の
計画
じやないかと私は思うのです。
冷害
と別個にしようというのか、
冷害
もこれに加味して
考え
るのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。ただいまの御
説明
のようなぐあいに、
索道
をつく
つた
り何かして
奥地
開発
をするということはたいへん
けつ
こうなことでありますけれども、そうすれば
冷害
を受けたところのものが大した労力だけで現金
収入
の道がなくなる。現に山形県の最上郡東小国村は、裏の山から
国有林
を持
つて
お
つて
、全然現金
収入
がない。ことに宮城県境の堺田
方面
のごときは、四十六戸が収穫皆無であ
つて
、自分のところには薪炭
伐採
の材料がひとつもない。隣の宮城県、いわゆる
秋田
の
営林局
ではなくて、宮城の
営林局
管内
に出張
つて
行かなければ薪炭林が少しもないというようなあの村では、
林道
建設の
予算
がすでになくな
つて
おる。
冷害
がはなはだしいところにあるにもかかわらず、もう
林道
も建設の金がないことは御
承知
だろうと思うのですが、すでに
予算
が
一つ
もない。その他
東北
では各地にあるだろうと思う。それがすなわち先ほど申し上げたように、二十六年度の
決算
に現われているところを見ればはつきりわかる。それを今回は
冷害
と相にらみ合せて、どういう
あんばい
に
林道
建設等によ
つて
奥地
開発
をやるか。今の
交通網
の
関係
もありましようけれども、同時に現金
収入
の道を講じなければできない。これをどんなふうにお
考え
にな
つて
おるのか、
委員長
もお尋ねがありましたが、私はこの
計画
は
冷害
と何らの
関連
を持たないで、関西
方面
の
水害
によ
つて
編み出されたものだから、それをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
藤村重任
11
○
藤村説明員
ここに提出いたしました
治山治水基本対策要綱
は、現在非常に大きな問題にな
つて
おりますところの
北海道
、
東北
地方の
冷害
と特に
関係
はございません。その以前におきまして一応内閣でその
対策
がいろいろ考究されておりまして、
資料
としてこれが出て参
つて
おりますので、この
基本
対策
要綱
も臨時的な
緊急対策
というよりは、
基本
的な
恒久対策
として
考え
て行く線でございます。今
松岡
先生の御指摘になりました北
日本
の
冷害
は、これと別個に現在いろいろ農林省あるいは大蔵省に対して研究というか、いろいろ
対策
の案をつく
つて
現在折衝中でございます。まだ具体的にどの
程度
というような線は出ておりませんが、大体
施設
のための実施に伴
つて
、
冷害
対策
として十分
考え
なくてはならぬというようなことは、その
冷害
対策
の一部として考究をいたしております。なお現在までございましたいろいろの
事業
の
実行
に伴いましては、できるだけ
予算
の実施を早くするとか、あるいはその一部を可能の限度で大きくするとかいうようなことで、
冷害地
方の
方々
のことを
考慮
に入れて現在事務的に進めております。これはもうしばらくいたしますと、また御報告をいたします段階になると思
つて
おります。
松岡俊三
12
○
松岡委員
そうすると八月二十五日の
治山治水基本対策要綱
によ
つて
や
つた
ものであ
つて
、
昭和
九年にも匹敵すべき
冷害
が、最も
国有林
の
面積
の多い地方にはなはだしくな
つて
おるという
実情
に対しては、これに敵応すべく
林道
その他
冷害
が出ているところの
東北
民に現金
収入
の道を与える十分なる
予算措置
を講ずる下心だということを承
つて
、了承するのでありますが、このことは幾たびも言うようでありますけれども、
林野庁
の
国有林
が特別会計にな
つて
から、二十二年以来今日まで七年間に急増して、六十億からもうすでに三百億を突破しているような
予算
にな
つて
おる。この
予算
の中において、今のようなぐあいにあまりにもでこぼこがある。これを
冷害
の実績にかんがみて、画期的な
施設
をお
考え
願わなければならないと思うのであります。ことに
東北人
に対して
治山治水
を
ほんとう
に思わしめるようになる、いわゆる愛山の思想を抱かしむるには、ある
程度
全国
の
国有林
、各県の
国有林
に対して、――あまりにも
東北
のみに多い
国有林
に、何らかの特別な措置を講ずる必要が私はあると信ずる。これがなければ
東北人
は
ほんとう
の愛山思想が勃然として起るとは私には思われない。今日まで長い間
国有林
によ
つて
助けられたというよりも、はるかに虐遇を受けておるということは、断言して私ははばからぬ。実績がこれを物語
つて
いるのである。こういう点から、
東北
から
収入
を得ているところのものを全部これを還元する
意味
で
実行
されても、なお八十年間の長い間慮遇されたものをとうてい償い得るものではありません。今度の
冷害
を機として、
東北
の
国有林
に対する画期的な、適切なる
施設
をお
考え
願わなければならぬが、これについてのお
考え
はいかがでございますか。
藤村重任
13
○
藤村説明員
ただいま
お話
のございました、特に
東北
に対して
冷害
等を
考慮
に入れながら
施設
に対する
投資
を十分にせよというような御
意見
は、ま
つた
く同感でございます。ただいま考究中でございます
冷害
対策
、特に
国有林
といたしましても、
林道
あるいは
造林
、
治山
等の
事業
費を十分その中に
考え
、あるいは
東北
地方の災害復旧費についても特にその点を
考え
ております。いずれ、先ほど申し上げましたように、もう少し具体的になれば御報告を申し上げ得ると思います。
松岡俊三
14
○
松岡委員
昨今盛んに
東北
の
営林局
長がみずから出張をされて、各地において
保安林
の必要なることを、きわめて幼稚な
東北人
に向
つて
説いております。私が数字をあげて今月までの実績を述べて、
東北
の
国有林
は
明治維新
以来かようなる
状態
にあることを各地で述べてから、一層こういう
あんばい
に
保安林
についてのことを説いて歩いている。
東北
国有林
を正しい軌道に上らせんければならぬと私が言うてから、一層こういう行動をと
つて
おるように思う。何だか私のや
つて
いることに対して反抗的な態度をと
つて
いるようで、少しも八十年の過去を内省しているような行動とは、私は思われない。まことに残念なことである。これはさらに
東北
の参衆両院議員がこぞ
つて
、また
東北
の六県の民衆がこぞ
つて
、
東北
の
国有林
問題を、今回を契機として画期的な、
根本
的改正をなそうとしておる次第でありますから、過去にこだわらずして、
林野庁
当局においてはこの際画期的な
処置
を講ぜられ、明年
臨時措置法
が期限満了になる機会でもありますので、この機会に、ぜひとも重ねて
根本
的な施策を
東北
の
国有林
についてなされるように希望いたします。
川俣清音
15
○
川俣委員長
委員長
からなおお尋ねしておきますが、
松岡委員
から今
冷害
対策
の問題が出ましたが、農林省の九月二十八日の
冷害
対策
要綱
によりますと「
国有林
野特別会計
事業
については、新規に追加
事業
を実施するとともに、特に薪炭林の払下については特別の措置を講ずる。」こうな
つて
おります。また「炭がまの設置その他副業の拡充については営農資金に準ずる資金的措置を講ずるとともに、必要な国庫助成の措置を行う。」これが
林野庁
に
関係
した
冷害
対策
要綱
ですが、今問題になりました
山間地
の
冷害
が一番ひどいのであるから、
山間地域
の
冷害
対策
としては、
林道
を大きな公共
事業
として取上げなければならぬと思うのですが、これが入
つて
いなか
つた
のはどういうわけでしようか。
藤村重任
16
○
藤村説明員
これは字句の整理をいたしますときに、今
委員長
の申されましたような文章にな
つて
おりますが、
民有林
の方では、一応現在二十八年度の公共
事業
並びに過年度災害の復旧
事業
あるいは
施設
のための
法律
による
施設
等が現在動いておりますので、ある
程度
それを
考慮
して行きたいという意図もございましたが、その後、今おつしや
つた
ような
林道
等を中に入れて
考え
た方がやはりよかろう、あるいは炭がまの助成といいますか、特殊融資というようなことと
関連
して、炭の
搬出
の
作業
道、こういうようなものがさらに手軽く、比較的山村の
事業
としても可能な
事業
であるというようなことから
考慮
はいたしております。まだ資金等の
関係
ははつきりいたしませんが、できれば中に入れようという意図は、この間から話しております。そういう点で御了承願いたいと思います。
川俣清音
17
○
川俣委員長
もう
一つ
お尋ねいたしますが、薪炭林の払下げも
けつ
こうですけれども、一面において山地被覆というようなことを
考え
られているときに、これが大量に払い下げられるとは
考え
られない。そうすると、公共
事業
としての救農
事業
としては、
林道
がもつと高く
要綱
の中に出て来なければならぬはずだと思う。その
意味
でもう一度
考慮
されなければならぬと思うのです。 次に今の
指導部長
の御
説明
によりますと、
保安林
の整備拡充に、造
植林
の積極化、三、林相の改良四、
森林伐採
の合理性の
強化
五、
奥地林
の
開発
というようなことが主になりまして、次に
森林気象観測事業
、それに伴うところの
森林
の
伐採
規則の完遂を期するため
林業
税制の適正化、
伐採調整資金制度
の拡充をはかるとともに、
木材
需給
の安定をはかるため
木材
の輸入、
木材
利用
合理化
等の措置があわせて講じられなければならない。この問題に、もう
一つ
、牧野の改良によるところの造植地の拡大が
考え
られなければならぬと思うのです。もう
一つ
は、十三号台風による被害を見ますと、海岸の防風林、防災林の急速な造
植林
が必要にな
つて
おるのじやないかと思うのですが、この点に関してどんな御
意見
ですか、御答弁願いたいと思います。
藤村重任
18
○
藤村説明員
十三号台風に基く高潮等の海岸に与えました被害あるいは海岸防災林の
効果
等は、今御指摘になりました
通り
、非常に顕著でございますので、これは、
治山事業
計画
の中で防災林の造成という項の中で
考え
ているわけであります。 なおもう
一つ
の牧野改良に伴う
植林
でございますが、これは、現在はいろいろ畜産の方の
関係
もございますので、
造林事業
の中で、再
造林
するほかに、
造林
面積
の拡大
計画
としてどのくらい
考え
るかという問題がございますが、この
要綱
で
考え
ておりますのは、天然林あるいは粗悪な矮林等を一応対象にいたしまして、
造林
の拡大
計画
の
内容
を樹立いたしておりますが、現在の牧野、それの改良に基く
土地利用
としては、はつきり数量的に現在抑え切れない面がございますので、今後そういう具体的な案等を畜産局とよく
考え
まして、この数字的な修正をいたして参りたい、かように
考え
ております。
川俣清音
19
○
川俣委員長
もう
一つ
お尋ねしますが、牧野の改良によ
つて
、将来
相当
発展するであろう有畜農家の飼料を満たし得るはずなんです。現在のところで言うと、いわゆる
森林
地区を
伐採
して牧野を拡張して行くという方向にだんだん今
行つて
おる。さなきだにその牧野が開畑されて行くということで、ますます牧野の
面積
が縮小する、
森林
にだんだん食い込んで行く傾向になる。これは一方
治山治水
の上から、
森林
が山から里へ下
つて
来なければならない。そのときに間にはさま
つて
おる牧野のあり方としては、牧野を改良して行くということが、これはよほど努めて行かないと、上にだんだん侵して行くというと言葉としては適当ではないと思いますけれども、
森林
が
荒廃
して行く傾向になる。だからいかにして
植林
を
計画
して
行つて
も、牧野に押されて行く。これは自然に押されて来ると思うのです。それでやはり牧野の改良ということで押えて行かないと、ただ
林野庁
だけが
植林
だということでだんだん里の方へ来るということは、少し困難にな
つて
来るのではないか。この点をやはり畜産局とよく打合されて、牧野の改良には
植林
と同じような努力を相ま
つて
払わないといかぬと思うのですが、この点についてはどうですか。
藤村重任
20
○
藤村説明員
ただいまの
委員長
の御
意見
にはま
つた
く同感でございます。現在
日本
の原野
面積
は、
統計
上から申しますと百二十万
町歩
ないし百五十万
町歩
と言われておりますが、農家
経済
として畜産の重要なことは、あるいは
国民
栄養として重要なことは申すまでもございませんので、これをさらに発展せしめる。その基礎として優良飼料の確保といいまするか、あわせて牧野、
土地
生産力
の
合理化
あるいは効用のために、
土地利用
をさらに高度化する手段として、私たちは現在牧野を改良する
方法
として、できるだけ草
資源
の
内容
を再検討し、それによ
つて
単位
面積
当りの収量を上げる。あるいはそれによ
つて
荒廃
して行く牧野をできるだけさらに
内容
を充実せしめて
保全
維持
して行く、こういうことで現地でもよく打合せて進めております。特に
東北
地方も
相当
の原野がございますし、この近くには、箱根に非常に広い採草地、あるいは九州の阿蘇から久住にかけました非常に広い原野、こういうものが非常に狭い
日本
でまだ十分活用されないでおりますので、これは総合的
土地利用
の高度化の面から、牧野の実質的な充実と、それによる
森林資源
の造成を、無理がないように、両産業ができるだけ発展するような線で具体的に
話合い
をして行きたい。特に畜産局とも時々そういう
話合い
をいたしておりますから、現地でも
土地利用
の新しい技術の導入によ
つて
、御趣旨のように進めて行きたい、こういうふうに
考え
ております。
川俣清音
21
○
川俣委員長
次に、お尋ねいたしますけれども、こうして参りますと、何か
治山
造
植林
整備法とか、そういう立法措置によらなければ、十分
治山治水
の
根本対策
が軌道に乗らないとも思われますが、その点はどうですか。
藤村重任
22
○
藤村説明員
この
治山治水基本対策要綱
に盛りましたいろいろな
事業
は、一部では制度的に確立しなければ十分成果をあげ得ない、一部には資金
計画
の十分の裏づけがなければできないという面がございます。特に
保安林
等は現在
森林法
でうた
つて
おりますが、必ずしもあれで十分でないという線もございますので、できれば、まだ
法律
案の名称は
確定
はいたしておりませんが、
保安林
緊急整備実施
要綱
といいますか、あるいはもう少し範囲を広げ、
森林
保全
法といいますか、何かそういうふうな
意味合い
を
内容
にした
法律
案を現在研究いたしております。これも明年度の
予算
の
関係
もございますので、ある
程度
急がなければならないのでありますが、現在の
考え
では、できればこの冬の通常国会くらいまでには御審議をお願いしたいというような目標をも
つて
、現在考究いたしております。
松岡俊三
23
○
松岡委員
私はこの
要綱
については同意を表するものでありますが、通常国会に当局として
法律
案を提出しようという下心があるということがわか
つた
のであります。そのときにわれわれは十分な審議をいたしますが、それにつけても私は、あえて条件というのじやありません。けれども先ほど申し上あげたようなぐあいに、
国有林
臨時措置法
が期限が明年で切れるのであります。そのときにどういうことを当局は
国有林
に対してやるか。私は
全国
の
国有林
の問題について言うのじやありません。
東北
の
国有林
に、この
要綱
をこれから進める上において、どういう
考え
を持
つて
おるか。なお念のためにお尋ねしておきます。
藤村重任
24
○
藤村説明員
この
要綱
の実施に伴う
地域
的な具体案は、まだこれがコンクリートのものでもございませんし、特に
東北
だけを取上げまして
内容
をお示しするという現段階ではございませんので、
全国
を十分
地域
的に
考慮
いたしまして、この裏づけといいますか、具体案の作成をいたす段階になり、あるいは
予算
等の裏づけを得まして実施する段階になりますときには、さらにまた詳細な御
説明
をいたす機会があるかと思
つて
おります。
松岡俊三
25
○
松岡委員
先般の
委員会
において、農林大臣は、明らかに
明治維新
当時の歴史に照して、
東北
の
国有林
については、
全国
の
国土
開発
の上に照して、特に
考慮
するということを言明しておる次第であります。この
要綱
をきめるについて、ただいまのように、まだコンクリートにな
つて
おりませんことはもちろんですけれども、これをつくる上において、農林大臣の言明に即して、当局が
国有林
の問題についてこのときに
ほんとう
にや
つて
いただかなければ、幾たびも申すように、
東北人
の愛山、愛林の思想に非常な影響を来すものだということを特に銘記して、この案を今後
処置
していただきたいと思う。これ以上の言明は無理かと思いますから、これだけを申し上げます。 最後に
委員長
に、先ほど申し上げたように、この
保安林
の各県の分布、これは
林道
その他の
施設
と相ま
つて
、
関連
するものでありますから、各県の分布の点を
資料
として御提出くださるようにお願いいたします。私は
要綱
にはきわめて賛成でありますけれども、これだけを申し上げます。
芳賀貢
26
○
芳賀
委員
二、三点お伺いします。第一点は、
計画
要綱
によると、これを年次的な
計画
で推進して行くためにも、
相当
巨額の経費がかかるのです。たとえば
昭和
二十九年度に行う国庫の
支出
金だけでも、五百七十八億もかかるということになると、この
計画
に対する可能性の問題が出て来ると思うわけですが、これに対して林野当局としては、どういうような確信を持
つて
おられるかという点と、またこの
計画
がいろいろな情勢によ
つて
圧縮されたような場合においては、まず順位としてどういう
事業
を
重点
的に取上げてや
つて
行くか、そういう点をひとつお伺いしたい。 それからもう
一つ
は、この
事業
を推進するためには
国有林
の特別会計があるわけです。こういう
一つ
の
事業
が形態を整えて進行されて行く場合においては、当然今後においても、
国有林
から生ずる
事業
の
収入
は、ある
程度
上昇するというふうにも見られるわけでありますが、そういう
収入
の面において、どういうような趨勢をたどるかという点もお伺いしたいのであります。 それから、先ほど
松岡委員
からも御発言がありましたけれども、
東北
地方、
北海道
等の
国有林
が、分布の上からも非常に大きな地積を占めておるところの地帯に対する
一つ
の救農的な
意味
において、農林当局においても
要綱
に示しておるわけでありますが、こういう場合に、ただ薪炭林を払い下げるというようなことも
一つ
の
方法
ではあるけれども、それと同時に、そういう救農的な
意味
の費用を投ずる場合において、でき得れば加速度的に
植林
というような
仕事
もあわせて行うことも、将来に備える
一つ
の積極的な
方法
ではないかと思うのであります。薪炭林の払下げとか
林道
も大事でありますが、こういう救農の
意味
において
植林
等を積極的にやるというような構想があるかどうか。 それから、非常に
森林資源
が枯渇しており、過伐したような場合においては大きな災害が生ずるわけであ
つて
、こういう場合においては、
国有林
の払下げの
計画
の上においても、今までのように公売、
指名
入札、特売の比率が二・二・六というような形をいつまでも続けて行かれるお
考え
であるかどうか。あるいは一定の材積の中において、
計画
を充実するだけの林野払下げの
収入
をあげるためには、払下げの
方法
においても、もう少し合理性を持たせるようなことも必要でないかと思うわけでありますが、そういうような点についても、具体的にどのようなお
考え
を持
つて
おられるか、お伺いしたいのであります。 最後に場今後の
保安林
の整備
計画
等に対しては、
民有林
に対しても
相当
大きな数字の増殖を
考え
ておられるようでありますが、これは
民有林
の場合においては、今後の農業の面からい
つて
、食糧増産等の面において、できるだけ開墾を進めて増反しなければならぬというような面も出て来ますし、そういう場合において、
民有林
等の
保安林
を確保して、それをまたふやして行くというような場合における耕地と林野との限界が、どういうふうにかわ
つて
行くかというふうな点も出て来るわけでありますが、以上のような点に対して御
説明
を願いたいのであります。
藤村重任
27
○
藤村説明員
この
要綱
の実施に伴う資金確保の面は、御指摘の
通り
、これは非常に大きくございますので、この
通り
実現できるか、私たちも苦慮いたしております。特に
治山治水対策
と申しますと、単に林野だけではできませんので、
建設省
の
河川
局の
仕事
とも緊密な連絡をと
つて
成果を上げる必要がございますので、御
承知
のように、内閣に
設定
されました
治山治水対策
協議会におきましても、特に両者の一応の
基本
対策
に基く資金の面を、種々の角度から幹事会において検討せられております。
財務当局
では非常に見通しが苦しいようでありますが、現在の
日本
の
国土
不安定な
状態
、特に
水害
等が非常に多いというための被害も非常に大きくございますので、できるだけこの原案の実施に必要な資金の捻出を希望はいたしておりますが、いろいろそれぞれの立場の
関係
もございましようから、場協議会でさらにこの案の具体的な
内容
について、両省の案を持ち寄
つて
、突き合せて
計画
を検討もし、それに必要な資金がはたしてどのくらいであるかという検討も合せてするというようなことで、別途にそういう研究をいたされております。私たちといたしましては、こういう案に基く二十九年度の
予算
は、一応農林省といたしましては、会計の万で検討を加えてやや修正をいたしまして、大蔵省に今提出をいたしておるのであります。私たちも必ずしもこの案がこのまま出るかどうかについては一抹の不安は持
つて
おりますが、できれば
計画
通り
に実施したいという希望を持
つて
おります。もしこの資金
計画
がこの
事業
計画
にマッチしないときに、どういうふうな見通しをするかという御
質問
につきましては、まだその時期でないと思いますので、私たちは一応この案の
実行
に必要な資金を、できるだけ
財務当局
の理解を得たいという努力をいたしておるということで御了承願いたい。 なお
国有林
野
事業
特別会計の
収入
は、いろいろ
木材
の値上り等の
関係
もありまして、だんだん有利にな
つて
来ておりますので、できれば現在の
国有林
の資産
内容
を充実せしむるように、充実させて
投資
をや
つて
行きたい。しかしこの
収入
の趨勢というものは、なかなか見通しがつきかねると思いますが、この問題は一般
木材
物価の国際間の
関連
、あるいは国内的には時局的なこの間の
水害
等の特殊な条件の発生等もあると思いますが、なかなか見通しは困難と思います。現在のところでは、まず年度内等はそう極端に下ることはなく、まあ横ばい
程度
ではなかろうかというようなことを
考え
ております。特に
北海道
、
東北
地方の
国有林
の多いところの救農
対策
としては
植林
等を、将来のことも
考慮
しながらや
つた
らというような御
意見
はま
つた
く御同感でございます。これは現在の
森林
の
実情
から申しましても、あるいは地元の
収入
源といたしましても、将来を
考え
、あるいは現在を
考慮
して、できるだけ
収入
の再
投資
というような
意味合い
で大蔵省の認めます最大限でこれは
実行
をして行きたい。 なお
国有林
の払下げの問題はまことに遺憾でございますが、私直接その
関係
の責任者でございませんので、この次の機会に申し上げさしていただきます。
保安林
の
計画
と開墾との
関係
は、終戦後緊急開拓
事業
に
関連
して、いろいろ林野開墾の問題もございましたので、その基準に基きまして科学的に、
ほんとう
に
土地
生産力
の上るような線で
考え
て行きたい。特に
日本
の耕地
面積
の拡大というものは食糧
対策
上重大でございますので、十分
考慮
いたす必要はございますが、せつかく開墾したものが台風等の
関係
で無になるのもこれはも
つた
いないことてございますので、できるだけ
土地
の合理的
利用
という線で、よく現地を見ながらこれを実施して行きたい。また
保安林
を拡張するというようなことで、林野開墾に直接
圧迫
を加えるというようなことは、私たちの現在の案を進めております段階では多分ないだろうと
考え
ております。ただ
奥地
の
ほんとう
の山村で焼畑、切りかえ畑等がございますが、これは農林省として
土地利用
の面、食糧増産の面から
計画
的に進めておるものとは切り離して
考え
る面もございますので、必ずしも
計画
的でなく、現地の
状態
であまり
保全
にさしつかえのないような
方法
を講じながら、山村の
方々
の実態に即してこれを
実行
して行きたい、かように
考え
ております。
芳賀貢
28
○
芳賀
委員
最後の点でありますが、この点は戦後の緊急開拓や何かによ
つて
、それが
ほんとう
に農耕適地であるかどうかというような将来の見きわめを持たないで、どんどん開拓者を入れて、そうして山を切
つて
それを
一つ
の生活のかてにさせたり何かしてお
つた
けれども、その後農業経営として自立できないというようなことで、その
土地
を放棄してまた山をおりたというような実例がずいぶん多いわけであります。だからこういう点に対しては、林野当局の方ではできるだけ
森林
を守
つて
、しかもそれを一定の水準より減らさないようにしたいという意向を持
つて
おられますし、また農地局等においては、なかなかそういう一旦農耕地としたような所が不適地であるというような場合においては、それを改廃するという手続等に対してはスムースに行かぬとい場合が多い。こういう点は今後適応性というものを十分によく
両方
の分野においても
考え
られて、そうして今言われたような線で進めてもらいたいということは、これは現地においても常に
要望
されておる点であると思うのであります。この点だけ特につけ加えておきます。
川俣清音
29
○
川俣委員長
それでは午後から業務部長にもおいで願うし、農地
関係
もおいでになりますから、二時から続行いたしたいと思います。 午前はこれで休憩いたします。 午後零時五十九分休憩 ――――◇――――― 午後三時十三分
開議
川俣清音
30
○
川俣委員長
午前中に引続き
会議
を開きます。 午前中の
芳賀
委員
の御
質問
に対しまして、
林野庁
の業務部の山崎
業務課長
が出席しております。
芳賀貢
31
○
芳賀
委員
午前中私が発言した問題でありますが、
国有林
の払下げの場合に、今までの経緯を見ると、その払下げの
一つ
の方針といいましようか、全体の二割を公入札、それから二割を
指名
、競争入札、あとの六割は特売というような形にな
つて
おるわけですが、これらの
方法
の
内容
を検討した場合において、必ずしも適正であるとも言えない点もあると思うのでありますが、林野当局において、この払下げの方針等についてどのような御見解を持
つて
おられるか、お伺いしたいと思います。
山崎斉
32
○山崎
説明
員 本日業務部長が伺うべきところ、お昼ころから出張いたしておりますので、失礼いたします。先ほどの御
質問
でありますが、御存じのように
国有林
の経営といたしましては、その
国有林
の所在する地元の産業及び民生安定という一面ときわめて密接な
関係
を持ちながら、平生の業務並びに
管理
という面を遂行して行かなければならぬという
関係
に立
つて
おるのでありまして、そういう見地からいたしまして、
国有林
の売払いを公売その他の
方法
によりまして、そのときそのときの
木材
の
需給
の状況によりまして、あるいはまた将来の値上りというふうな面に大きい思惑などが入るという形態におきまして価格が決定され、あるいはまたその材がそれぞれ近い消費都市その他の
方面
に、加工せられないままで輸送されるというような事態を招来しますと、地元の産業並びに民生の安定に大きい支障を来すという事情にありますので、そういう
関連
から
考え
まして、特売、随意契約という制度を大きくと
つて
おるわけであります。
国有林
といたしまして、今後こういう制度につきましても、新しい
木材
産業の動向、価格の動向という点を十分検討しながら、それぞれ今後とも適正な
方法
によ
つて
適正な用途に売り払
つて
行くという
方法
を十分に検討いたしたい、こういうように
考え
ておる次第でございます。
芳賀貢
33
○
芳賀
委員
一つ
の
事業
のバランスをと
つて
行くというためには、従来とられたような
方法
も否定することはできないかもしれませんけれども、ただ過去の払下げをした業績を見ると、特売に類するものと公売
指名
入札との価格差が非常に多いということ、御
承知
のように
国有林
というものは、これは
国民
全体が享有すべき財産であるので、この国家の財産の払下げにあた
つて
、
特定
の実績を持
つた
ものに非常に有利な価格で常に払下げをするということの正当性といいますか、そういう点については、やはり
相当
の批判が出て来ると思います。しかもそれが大企業に類するような
一つ
の独占の力によ
つて
常に払下げが占められておるということになると、これらの点については今後大いに改善すべき点があると思います。さらに払下げによ
つて
一定の
収入
を上げるという場合においては、不当に高く払い下げをすることは避けなければなりませんけれども、適正な、合理的な価格で、しかもこれを普遍的に、機会均等のもとに払い下げをするという方向は、どうしても今後とられる必要があるのではないかと
考え
るのですが、そういう点について、一度に飛躍的に切りかえるということはできないとしても、漸進的にこれを改善するお
考え
があるかどうか、あるとすればどういうふうな方向にこれを進めて行くか、そういう点をお伺いしたいと思います。
山崎斉
34
○山崎
説明
員 お答えいたします。御指摘のありましたように、随意契約で売り払います場合と競争入札によ
つて
売払います場合に、価格の差がかなり生ずる、また現に生じておるという事例はあるのでありまして、特に
東北
地方
方面
におきましてそういう傾向があるということは、私たちとしても十分認識しておるところであります。随意契約をいたします場合に、
国有林
といたしまして、市場価格というものをもとにしまして、それから計算して売払いしておるのでありますが、その計算の因子といたしまして、
相当
めんどうな、しかも精細な試験びきその他の
方法
をと
つて
いるのでありまして、これらがそれぞれの
木材
の
需給
状況というものによりまして、
内容
的に変更が生ずるということに伴いまして、算定の結果現われます売払い価格が、公売その他の
方法
による売払い価格と差を生ずるという事態が現実に起きておるのでありまして、この点につきましては、そのときどきの市場の状況というものをさらに精細に、迅速に把握しまして、価格の矛盾のないような措置を、現在すでに
関係
者それぞれ集りまして検討中であります。公売と特売の売払いの方針の問題につきましては、御指摘のありましたように、
林野庁
といたしましても、
国民
全般に広く普偏する、機会均等の機会を与えるということと、地元産業なり、民生の安生と、
両方
の要請にこたえるために、どの
程度
の数量割合にならなければならないかというふうな点につきましても、現在とり急ぎ検討中でありまして、漸次これを改訂して行きたいというふうに
考え
ておるのでありますが、数字的に、あるいはパーセントでどういうふうになるという点につきましては、まだ検討中でありまして、はつきりした結論まで到達していない状況でありますので、御了承願いたいと思います。
芳賀貢
35
○
芳賀
委員
特に十六国会会においては、
国有林
の払下げ等に対しても一箇年の延納を認めるというような
法律
も通過しておりますので、そういう点からいたしましても、地方における中小企業等に対しても、十分これを育成して、将来実績主義だけに偏しないような形で、この売払いとか、あるいは
事業
が行われるように、ぜひ進めてもらいたいというふうに希望するものであります。
山崎斉
36
○山崎
説明
員 今御発言のありましたような方向に従いまして、できるだけわれわれも努力したい、こう
考え
ております。
川俣清音
37
○
川俣委員長
委員長
からちよつとお尋ねしたいのですが、公入札と
指名
入札との間においては、大体二割見当の差があり、また
指名
入札と随契の間に二割
程度
あるということになると、公入札と随契との間に四割くらいの開きが出るのではないかと思われますが、もしそういう結果になりますると、
ほんとう
に
民有林
の
木材
に対する影響も
相当
大きいと思うのですが、
民有林
を育成
強化
する、保護して行く、こういう建前を
林野庁
がと
つて
おられるのですが、この点の矛盾を将来どう解決されますか。
山崎斉
38
○山崎
説明
員 その点は非常に政策的なむずかしい問題でありまして、私から決定的なものを申し上げるという問題ではないように思うのでありますか、おつしやいました
通り
、公入札、
指名
入札、随意契約それぞれにある
程度
の価格上の差があるということは、いなめない事実と私たちも認めておるのでありますが、そういう
国有林
の価格
状態
が
民有林
材の価格に非常に大きい影響があるのじやないかという御
質問
だと思うのでありますが、
国有林
といたしましては、御存じの
通り
、大体現在
生産
しておりますのが
民有林
材と比較するような大きさ、形質の材木がないのでありまして、やはり
国有林
といたしまして
生産
しております
木材
は、天然林から
生産
されます年令の高い、いいものを
生産
しておりますし、
民有林
といたしましては、小さな
造林
心地から出発いたしました
造林
木が
計画
されているというような形態にな
つて
おるのでありまして、そういう点から一方
国有林
としましても、また
民有林
と同じに
生産
しております
造林
地から出発しました材につきましては、先ほど先生がおつしやられましたような差は現実に私たちはないというふうに
考え
ておりまして、
民有林
材と直接大きい
関連
を持つというふうな経緯にはないのではないかというふうに
考え
ておるのであります。
川俣清音
39
○
川俣委員長
一応そういうふうに見られないわけでもないけれども、結局この
木材
の
需給
が非常に困難な場合であるからして、あえて
民有林
を
圧迫
しないとも表現できると思うのですが、しかし何にしてもいわゆる天然林を主要な
生産
といたしているために、これが価格を随契において非常に安く払い下げるということになりますと、やはり民材の
相当
な
圧迫
になると思うのですが、もちろん性質が違うから
圧迫
にならないという御
説明
ですけれども、これはもとより優秀なものを価格安に払い下げるということは、やはり民材の
圧迫
だと思うのです。そういう
意味
からも今後
民有林
がなかなか採算が合わないと言われているときに、一面民材の保護からい
つて
も、随契によるところの払下げについては、
相当
の
考慮
を要するのではないか。問題はただ
木材
価格の安定、いわゆる投機的な非常に浮動のある価格ということになると、
木材
の持つところの、長年月かか
つて
生産
されるという特質を持つ
植林
事業
でありますから、価格が非常に不安定になるということは、造
植林
のために必ずしも好ましくないことは明瞭だと思うのです。また
国民生活
の上からも、最も
国民生活
に
関係
の深い
木材
の価格が非常に変動が大きいということも、これももちろん
国民生活
を
圧迫
することになる。それと同時に、やはり
民有林
を十分長い眼で見て育てて行くという面からい
つて
、
民有林
と競争するような
林野庁
の施策というものは、この際
相当
再検討を要するのではないかと思われるのですが、この点についてはひとつ
林野庁
においても御
考慮
願いたい。 次に今度の
冷害
対策
の中に、炭がまの設置その他副業の樹立については、営農資金に準ずる資金的措置を講ずるとともに必要な国庫補助の措置を行う、こういうことにな
つて
おりますが、これについて詳しく御
説明
が願いたい。
山崎斉
40
○山崎
説明
員
冷害
対策
といたしまして薪炭林を
国有林
から払い下げまして、これを製炭することによ
つて
賃金収得をはかるということは、これは非情に重要な問題と
考え
ております。
国有林
といたしましては、本年度内に追加の
事業
といたしまして三百六十万石
程度
の薪炭林を払い下げたい、こういうふうに
考え
ておるのであります。その三百六十万石という石数は、
冷害地
方におきまして経営的に売
つて
おりますものの約三分の一に当る数量でありまして、これによ
つて
かなりの貢献をするものと
考え
ておる次第であります。これらに対します築造の助成の問題は、これは実は業務課ではないのでありますが、
昭和
の九年ごろでありましたか、やはり
冷害
の問題が起りまして、この場合に、炭がまの構築助成金としまして必要な経費の四分の一
程度
を助成しておる例があるのであります。それに大体思想を同じくした行き方によりまして、国庫の助成をお願いいたしたい、こういうふうな
考え方
でおる次第であります。
川俣清音
41
○
川俣委員長
次に、今度やはり
冷害
対策
として、特に薪炭林の払下げについては特別の措置を講ずる、こういうことにな
つて
おりますが、どの
程度
の薪炭林の払下げを行われる予定でありますか。各
県別
にもし明らかになりまするならば、その御指示を願いたいし、まだそれほどまで具体化されていなければ
現状
のままでも
けつ
こうです。 もう
一つ
問題は、薪炭林の払下げは、
冷害
対策
として最も必要なことではありまするけれども、一方において、山腹の修理等を行わなければならぬ場合に、薪炭林の払下によ
つて
ますます山が荒れるというふうなことにな
つて
も、林野行政の上から見て遺憾なことだと思うのですか、薪炭林を払い下げる場合に、町村あたりに
植林
の奨励と相ま
つて
併行的に払い下げるというような
考え方
ですか、
植林
とは別個に薪炭林を払い下げるというような
計画
ですか、その点について承りたい。
山崎斉
42
○山崎
説明
員 薪炭林の払下げにつきましては、
国有林
といたしまして、
北海道
の五つの
営林局
におきまして約九十万石
程度
のものを予定しておるのであります。青森の
営林局
におきまして七十万石、
秋田
の
営林局
管内
におきまして七十万石、それから
前橋
の
営林局
管内
におきまし八十万石、長野の
営林局
管内
におきまして三十五万石、名古屋
営林局
におきまして五万石、これらをトータルしまして三百五十万石と予定しておるのであります。これらは
国有林
経営の見地から行きますと、二十九年度に製炭しようというふうに予定しておりましたものの約三分の一
程度
になるのでありまして、これらの
伐採
跡地につきましては、
国有林
といたしましては、来二十九年度の秋ないし三十年の春あたりにすぐ
造林
したい、こういうふうに
考え
ておる次第であります。
川俣清音
43
○
川俣委員長
今のは
伐採
跡地にすぐ
造林
する、こういうことですが、
国有林
の多いところと少いところとあると思います。そういうところは、
伐採
跡地に
植林
して山腹の同腹をはかることも
一つ
の
方法
だと思いますが、そればかりではなく、町村の
民有休
あるいは公有林についても、これだけ薪炭林を払い下げるから、その何分の一かに当るところに
植林
させるというような積極的な政策がやはり加味さるべきではないかと思いますが、こういう点についてはどういうふうにお
考え
にな
つて
おりますか。
山崎斉
44
○山崎
説明
員 その点につきましては、
民有林
としましては、これに伴います
造林
の
事業
はやはり三十九年度の
予算
として
考え
なければいかぬじやないかというように
考え
られますので、二十九年度の一般公共
事業
費におきます
造林事業
に対して補助金的な
予算
が組まれることに伴
つて
実施さるべきものじやなかろうかというふうに
考え
ておりまして、この点は
民有林
関係
の方におきまして十分織込んだ
計画
にな
つて
おる、こういうように
考え
ておる次第であります。
井出一太郎
45
○井出
農林委員長
今回の災害にあたりまして、あちらこちら
国有林
の地帯を見てまわりました。私の見聞したところは、ごく限定はされておりますが、こういうふうなことがありはしないかと思うので、林野当局は御認識にな
つて
おられるかどうか伺
つて
みたいのです。それは、
国有林
の経営はきわめて厳格な施業案のもとに行われておりまして、それはそれなりに
けつ
こうであります。そしてその施業案を遵守してしつかり守
つて
いられるということはわかるのですが、近ごろの独立採算制という建前から、全体の施業
計画
には即しておるけれども、その中で比較的採算に乗る里山を
伐採
しまして、めんどうな奥山の方があとまわしにされておる。これは
民有林
にも同様なことが言えますが、最も厳格であるべき
国有林
の中にもそういうことがありまして、全体の重荷が里山にかか
つて
おる、それがために崩壊箇所などが随所に見受けられるというような例を見て参
つた
のですが、こういう点どうお
考え
になりますか。
山崎斉
46
○山崎
説明
員
お話
のありました
通り
、終戦後
国有林
が特別会計になりまして――
木材
価格、薪炭価格とともに公定価格の制度のもとに経営の運営をしておりました当時は、
国有林
経営といたしましても、自分で独立採算の建前で歩むということに非常に困難を感じてお
つた
のでありますが、それに合せまして、やはり当時といたしましては、
奥地
の
開発
に伴
つて
生産
されましたぶなその他の広葉樹の売れ行き、あるいは価格がきわめて思わしくなか
つた
というような
関係
からいたしまして、里山の、しかも針葉樹地帯に
伐採
が集中される、加重されるということが、二十六年度ごろまで大体継続して行われたわけでありますが、二十六年の末並びに二十七年度、二十八年度となるに至りまして、
木材
需給
の
関係
から、広葉樹に対する
需要
も大きく喚起されまして、特に最近に至りましては、ぶな材に対する
需要
は今までにないような活況を呈しておるのであります。こういう点からいたしまして、
国有林
といたしましても、今後里山の
伐採
を減少して、
奥地林
の
開発
に進んで行くというところに
重点
を移すことができる事態に立至りましたし、今後ともそういう
方法
を強力に進めて行きたい、こういうふうに
考え
ている次第であります。
井出一太郎
47
○井出
農林委員長
私の見ました一例ですが、たとえば木曽の読書村、あるいは上松町、あのあたりにおいて木曽川に大きな崩壊が出て参りまして、一時は川の流れをとめる、あるいは人命の殺傷もあ
つた
というふうな例などは、私がさきに述べました長い間の里山重荷の結果だというふうに思うのであります。当局も率直にそういう点を認められまして、今後の施策の参考に供していただきたいと思います。 それからただいまぶな山の
開発
の話が出ましたが、これはもつと早く手を打たなければならないところでありまして、ことに梱包材、箱材として使われる林木の量というものは千数百万石に上るというふうにも聞いております。これらは奥山に産するぶな等をも
つて
今後
利用
の道が開ける、こうも
考え
ますが、全般的に
木材
の
利用
合理化
といいますか、たとえば箱材などはダンボールの箱で行けるべき部分は、それで今後やる。そうしますと、おそらく
木材
の量は五分の一ないし十分の一ぐらい節約できるというふうに
承知
をいたしておりますが、現在
林野庁
はそれを奨励するようないかなる施策をと
つて
いらつしやいますか、またそのお見込み、そういう点をちよつと承
つて
おきたいと思います。
山崎斉
48
○山崎
説明
員
木材
の
利用
合理化
に関しましては、先ほど先生から
お話
がありましたように、
奥地
から
生産
されますぶなにいたしましても、現在
東北
地方におきましては、松にかわる材料としまして、りんご箱
方面
に、あるいはまた魚箱という
方面
に大きく進出しておるのでありまして、今後ぶなの
利用
開発
という面に、この包装用材としての用途が
開発
されたということは、非常に大きい価値があるものだと私たちは
考え
ておる次第であります。 それと、現在といたしまして、包装用材につきまして特に
考え
ておりますのは、ぶなその他の広葉樹を原料としますたん板を使
つた
包装箱というものがアメリカにおいて非常に機械化され、しかもコストが安いというようなことに伴いまして、この設備を
開発
銀行その他の方から融資をあつせんいたしまして、そういうものの設立が遅くとも本年中には二工場
程度
できるというふうな情勢にな
つて
おるのであります。 それからダンボールにつきましては、林総協その他の
方面
の援助を得まして、啓蒙、宣伝に努めておるのでありますが、何といたしましても、現在の
日本
といたしましては、都市にそういうものが集まりました場合に、雨に当らないために必要な倉庫
施設
が非常に不足しておるというところに、ダンボール普及の大きい隘路があるように
考え
ておりまして、こういう点につきましても、
関係方面
と協力いたしまして、進出して行かなければならぬというように
考え
ておる次第であります。
木材
の
利用
合理化
全般の問題につきましては、一昨年でありましたか、
木材
利用
合理化
対策
というものが閣議決定とな
つた
のでありまして、それを骨子といたしまして、
関係
官庁と随時協議会を持ち、これの推進をはか
つて
おるのでありますが、最近また、最近の情勢に応じた
利用
合理化
対策
を、
経済
審議庁が中心にな
つて
つくりまして、
関係
官庁の御協力を得るとともに、もう一度閣議の決定までこれを持
つて
行つて
、もう一度必要な助成措置、あるいは融資の措置というものを講じて行きたいという進み方に現在な
つて
おります。
井出一太郎
49
○井出
農林委員長
今回
冷害
凶作の問題で各地を歩いてみますと、
一つ
の大きなテーマとして、
国有林
木の廉価払下げというような問題がどこからも出ております。今回の
政府
の企図せられておる
対策
要綱
の中にもそれは盛られておりますが、このことは
国有林
に大きくしわがよ
つて
参りまして、いろんな面から
国有林
を目がけて、その
冷害
対策
のみならず、これに便乗しようというような手合いも出て来るやに思うのであります。それで現在ございます
国有林
野整備
臨時措置法
でありますか、これは時限立法であ
つて
、たしか明年六月ですか、期限が切れますが、そのあとは
林野庁
としてはさらに継続をされる御意思であろうと思いますが、この点を伺うと同町に、あの
臨時措置法
なるものは、
林野庁
の立場から言いますと、外ぼり
程度
は手をつけさしても、内ぼりまでには触れられたくないというような意図が盛られておるのだという世の批判もございます。こういう時期で、
国有林
がやはりひとつ大きな期待にこたえていただいて、
東北
地方などにおきましては、
東北
の貧困は
国有林
に胚胎するのだとさえ民衆の感覚が
行つて
おる。これはりくつではなくて、
一つ
の感情だと思うのですが、よほどその間手ぎわをよくお扱いにな
つて
いただきたいと思うのであります。
臨時措置法
を継続するという場合には、今までのように皮を切らせて肉までは届かぬという
程度
ではなくて、もう少し抜本的な、
臨時措置法
にあらざる
基本
的な
考え方
を発展されておるかどうか、これをひとつ伺いたい。
山崎斉
50
○山崎
説明
員
冷害
対策
その他の場合におきまして、
国有林
に資材の払下げが期待されておるのでありますが、
冷害
につきましては
関係
市町村その他県と十分連絡のもとに、この
冷害
対策
という趣旨にもとるような行き方というものはしないようにということを、特に強く注意してや
つて
行きたいと
考え
ておる次第であります。
国有林
野臨時整備でありますか、これに対しましては来年六月に一応の期間も過ぎるのでありますが、その後どういうようにするかという問題につきましては、
林野庁
といたしましても、すで従前からいろいろ研究はしておるのでありまして、
根本
的な林野整備という方向に進まなければならないのじやないかという点で、
関係
の有識者の
方々
の御参集をいただきまして、早急に現在検討を加えつつある次第であります。これが時間的にすぐ臨時措置について行われるかどうかという点につきましては、あらためてまた長官なり部長からお返事いたしたいと
考え
る次第でございますが、臨時措置と併行しまして、現在におきましては共有林、部分林の制度というものを積極的に推進して、地元産業の振興に貢献したいということで、現在すでにもう
東北方面
特に青森、
秋田
の両
営林局
におきましては、これを急速に啓蒙し普及しておるという段階に立ち至
つて
おりますことを御了承願いたいと思います。
井出一太郎
51
○井出
農林委員長
私はいたずらに
国有林
を目のかたきにして、何でもかでもこいつは開放すべきだという立場には決して立
つて
おらないつもりであります。やはり
日本
の
治山治水
という大きな見地から
考え
ますると、
国有林
が果して来た役割、こういうものも十分評価をいたしているつもりであります。そこで
臨時措置法
も、あと日限がわずかにな
つて
来ておりますし、一方町村合併促進法というようなものなどもできて、こうい
つた
角度から、また
国有林
に目をつけるというふうな線もありますので、やはり
根本
的にもう一ぺん整備をして立法する段階だと思います。これはいずれ長官なり林政部長なりにお伺いをしたいと思
つて
おります。 そこでもう一点、
民有林
関係
において、
林業
の
基本
的な団体は
森林
組合である。これは申すまでもなく課長も十分御認識でございましようが、この春あたりから、林野行政全般という建前で、
民有林
復興の一助としては
森林
組合を
強化
するのだ、こういう線が出ており、それには
国有林
にも御協力を願うのだ。この建前からできましたのが
国有林
の間伐材の地元
森林
組合への払下げという問題であります。これは
国有林
の持
つて
いる間伐に対する高度な技術を民間に普及徹底せしめるという
意味
も持
つて
おりまするし、また同時に
森林
組合の育成
強化
にも大いに寄与するだろうと思うのでありまして、この
計画
はただいまどの
程度
になされ、しかもそれは末端へ十分普及徹底しておりましようかどうか。私の知る範囲では、地方の営林署においては率先して協力をしておる向きもございます。そうかといいまして、
森林
組合側の要請をま
つた
く受付けない。
林野庁
なり
営林局
なりから通牒は流されておるに違いないのですが、まだどうもそういうものは来ておらぬというふうに言を左右にして、それをひた隠しにしておるというような営林署もなきにしもあらずというように聞いております。この辺の消息をひとつ伺いますとともに、この
森林
組合育成
強化
に対する
林野庁
の御方針をあわせ伺いたいのであります。
山崎斉
52
○山崎
説明
員
森林
組合の育成
強化
に資するために、
国有林
といたしましても、
造林
地間伐材を
森林
組合に払い下げるということを本年度から開始したのでありますが、今井出先生が言われますように、
営林局
あるいはその末端におきましてこの趣旨を十分に理解しないで、円滑を欠いたという点が間々あ
つた
かと思うのでありますが、この点につきましては、先般各
営林局
の
事業
部長の打合せ会がありまして、その際に業務部長並びに私から、各
営林局
事業
部長には十分その趣旨と
考え方
、やり方というような点を口頭で話してありますので、今後はそういう不円滑な点はなくなるのじやないかというふうに
考え
ておる次第であります。
林野庁
といたしましては、新たに公文書をも
つて
各
営林局
に通知するという措置は現在講じてないのでありまして、先般の部長
会議
を
利用
して、十分話を徹底させた方がいいじやないだろうかという
考え方
に基いてこれはや
つて
おりますので、その点御了承をお願いしたいと思います。
福田喜東
53
○
福田
(喜)
委員
それについてちよつとお尋ねしますが、二十八年六月十七日のあの通牒でございます。あれはどういうふうな扱いにな
つて
おるのでございましようか。県信連に対する扱いは大分
民有林
の系統で物議をかもしておるようでありまして、今はなはだありがたい御発言がありましたが、県信連と単位組合とは、それはなるほど地元という点においては違いもありましようし、営林署の立場からい
つて
も
国有林
の立場からい
つて
も違いがありましようが、県信連はあの扱い方は少し行過ぎじやないか、その扱い方についてその後態度の御変更がないかどうか、あれをそのまま
維持
して行かれるかどうかをお伺いしたい。
山崎斉
54
○山崎
説明
員 先ほど
お話
のありました六月幾日かの通牒という点につきましては、いろいろ
考え方
のいかんによりまして、あの通牒を解釈をする上においているく問題点があるというふうに私たちも従前からお伺いしてお
つた
のでありまして、要は
林野庁
といたしましては、末端の
森林
組合中心にこれの
事業
を推進して行きたい。そして現実の
仕事
を
森林
組合にや
つて
いただくということが、この
事業
を今後末長く継続して行くという点がら見て、どうしても必要じやないのだろうかという点で
考え
ておるのでありまして、単に
森林
組合に対しまして、また単に
森林
組合に技術員その他の方がおられまして、その
事業
に対して県信連が
経済
的あるいはその他の
方面
において御援助いただくということに対しては、われわれとしては何らそれを拘束する、あるいは拒否するとい
つた
ふうな意思ではなか
つた
のであります。その点に対していろいろな
考え
違いが出たのじやないかというふうに解釈しております。
福田喜東
55
○
福田
(喜)
委員
今課長さんの
お話
まことにごもつこもでございまして、もしそうであるとするならば、あの通牒もその趣旨のもとに、さらに改めていただきまして、少くとも地元の単位組合と県信連と一緒になりまして、たとえば地元の組合に払い下げておいて、金融面は県信連が中金の支所なりと連携を保
つて
やるというふうな、そういう分担の
仕事
を定めていただいたならば、県信連一本という場合におきましてはいろいろ難点もありましよう。地元の単位組合と共同してやるという場合においては、今の課長さんの
お話
はまことに筋の通
つた
もつともな話だと思いますし、われわれもそうあ
つて
しかるべきだと
考え
ます。あの通牒をそのまま平たく読みますと、県信連を排除せよというふうに読めますが、
意味
がそうでないとおつしやるのでありますからありがたい仕合せでございまして、その
意味
の
通り
に改めていただきたいことを
要望
してお願い申し上げます。 それから、あれは県信連と単位組合と一緒にな
つて
――これはあなたのところの部長さんにもお願いしたのですが、共同して
仕事
を分担して、何と
言つて
も現在の単位組合というのは融資能力といいますか、資金面におきましては融資の能力がないのですから、これは県信連において担当して、そうして一緒にな
つて
、共同してやる、こういうふうな建前でや
つた
ならば非常にうまく行くのじやないかと思いますが、おそらくそういう限度まであなたのところは排除する
意味
ではなかろう、私はそう解釈しておりますが、もしそうであるならば、また再び通牒なり
会議
を開くなりして改めていただきませんと、今井出
農林委員長
が言われたように、末端で時折り間違
つた
ことをや
つて
おりますから、ひとつお改めいただくようにお願いしたいと思います。
山崎斉
56
○山崎
説明
員 その点につきましてはいろいろ問題があるということを聞いておりましたので、先般の
事業
部長の打合会におきましては、そういうことを十分徹底するように話しておりますので、今後は今までいろいろごたごたしたそういう問題は、大体なくなるのじやないかというふうに
考え
ております。
松岡俊三
57
○
松岡委員
けさお聞きにならないと思いますが、一昨日長官に申し上げ、きようまた速達で参
つた
陳情書を差上げました。山形県最上郡東小国村堺田四十五戸部落のちようど宮城県境のところが非常に高冷地で、収穫皆無、ところが今日まではそこは製炭で暮しておる。その製炭の箇所がもう
秋田営林局管内
にはないのです。ところが宮城県の方だと、八キロぐらい来なければできないところから、宮城県の方からはそこに製炭にちつとも来ない所なのです。それをこちらの方に
冷害
対策
として、堺田の四十五戸部落はもうすぐに雪が来ますから、製炭材がないというので、村会の決議で先ほど陳情書を差上げました。また一昨日長官には、私が現実をこの間自由党の
冷害
対策
本部の特派員としてよく視察して来て、いかにももつともだということがよくわか
つた
ので申し上げておきましたが、早急にこれを
青森営林局管内
ですからそこのところをこちらの方からしかるべくおつしや
つて
いただかなければできないことだと思いますので、陳情書をよくごらんくださいまして、おとといは長官は、あそこの事情がよくわか
つて
いるから許可すると
言つて
おられましたが、あらためて村会の決議で村長及び議長から、部落民四十五戸が連盟して、先ほど払下げのお願いをしております。
山崎斉
58
○山崎
説明
員 先生から
お話
のありました件につきましては、長官からも本日連絡がありまして、早急に検討を進めておるのでありますが、今宮城県でどれくらいという点ははつきりわからないのでありますが、
青森営林局
といたしまして七十万石
程度
の薪炭立木を
冷害
対策
用として追加して払い下げるという
計画
がありますので、そのうちから
お話
の方に対しましては十分や
つて
行けるものだと
考え
ておりますので、早急に進めたいと
考え
ております。
松岡俊三
59
○
松岡委員
あそこはたいへんと雪が深いところですから、今月の二十三日ころにはもう雪が来ます。収穫皆無のところですから、ただいまのことをすぐ電報で知らせれば生活の支援ができて、さぞかし四十五戸も安堵することと思いますから、どうぞ落胆せしめないように御善処方をお願いします。 私はこれで終ります。
川俣清音
60
○
川俣委員長
ちよつと
委員長
からお尋ねしますが、さつきの薪炭林の払下げ三百五十万石は追加ですか。
山崎斉
61
○山崎
説明
員 それは年々一定の
計画
に基いて払い下げております。ほかに
冷害
対策
として特に追加して三百五十万石払下げをやる、こういう
考え
でおります。
松岡俊三
62
○
松岡委員
現金ではないのですか。
山崎斉
63
○山崎
説明
員 その点につきましては、県庁その他の
方面
と打合せしまして、延納その他の
方法
が講じ得るのではないかというふうに
考え
られます。
松岡俊三
64
○
松岡委員
どうかこの点、
委員長
よく
実情
を御
承知
なんですから、ま
つた
く現金がないというので、協同組合にも金がない。どこにも金がないですから、現金
収入
がないのですから、その点
原木
を安くするか、あるいは無償くらいの
程度
に押えくださるものとは思いますけれども、現金の方の延納の点は十分
委員長
においても御交渉くだまるようにお願いします。
川俣清音
65
○
川俣委員長
次会は
農林委員会
のあとに日程をつくることにいたしたいと思います。公報をも
つて
お知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時七分散会