○川俣
委員 林業に関する小
委員会の中間
報告を申し上げたいと思います。
林業小
委員会は去る大月三十日設置せられましたが、爾来六回にわたり小
委員会を開会いたし、林野行政が当面いたしております
治山治水対策、国有林、民有林の造成並びに今般水害による災害復旧及び本年度林野庁
予算案等の基本的重要問題を初め、当時
地方行政
委員会において
審議中であつた町村合併促進
法案中の、合併町村に対する国有林野払下げまたは交換等に関する問題、国有林材払下金一箇年猶予の問題等、さらに本年一月以降懸案とな
つておりました林野庁職員の給与改訂問題等、すみやかに解決すべき緊急課題につきまして、林野庁より
説明を求め、さらに必要に応じ詳細な資料の
提出をも求めました上、慎重な検討を加えますとともに、さらに二十八年度
予算案につきましても
説明を求めます等、林野行政の根本的あり方につきまして、農林
委員としての独自の
立場から
審議をいたし、御出席の各
委員から終始活発な積極的な
意見が関陳せられました。その結果、小
委員会といたしまして一応の結論を得ましたので、ここに
審議の経過を御
報告申し上げたいと存じます。
現在全国の林野面積は三千四百万
町歩でありまして、国土全面積のおよそ六七%を占めておりますが、そのうち造林を要するものが全国で四百六十六万
町歩ありますので、これが造林をすみやかに行わなければなりませんが、その間無立木地百三十万
町歩、山くずれ等の荒廃山地約五十八万
町歩、合せて百六十九万
町歩が危険な山地でありまして、全林野の七%に当
つております
状況で、これらの危険な山地に対しては特に緊急に造林及び治山施設を行い健全な森林に育成しなければなりません。なおこのほかに瘠悪林地二十万
町歩がありまして、これまた同様優良な森林への転換をはからなければなりません。また現在の人工林は四百万
町歩で全体の二〇%に当
つておりますが、木材需給の逼迫にかんがみましてこれを二倍の八百万
町歩に早急に増加して行く必要がございます。さらに最近におきまする水害の被害が特に激烈をきわめておりますのは、降雨量が大であることばかりではなく、その上さらに濫伐のため山が荒廃している結果災害を特に過大ならしめているのでありまして、そのことは今般の西日本の水害におきまして、優良な森林
地帯においては災害が非常に僅少であつた事実によ
つても十分察知できるのであります。それゆえ、以上のごとき最近の水害並びに森林の
現状を総合的に観察いたしますると、
治山治水対策として、水源
地帯の保安林を思いきり拡充強化しなければ中下流の保全は絶対に期し得ないのでありますので、保安林強化のため、これに必要な法制的
措置をいたす必要が痛感いたされます。この保安林整備強化に関連し、国有林野の適正な配置と運営に関しましても今後根本的再検討を加え、国有林の使命達成上遺憾なきを期する必要があります。
さらに国土保全を通じ、森林資源の
確保をはかるため、治山事業と造林事業とを画期的に企画強行することが、不可欠の要件でありまするとともに、森林の破壊を防止するため
計画伐採を励行する必要があります。
以上、緊要なる山林事業を確実に行い、その
効果をあげるためには、所要の法制的
処置と十分なる
予算的
処置とがなければ不可能でありますので、その
確保を期する必要があります。なおこれに要する経費は総額で約千六百億円
程度に上るものと推定されますが、さしあたり明二十九年度は公共事業四百億、一般会計四十億
程度はぜひ
確保する必要がございます。
次に、国有林の立木、用材の払下げについても
改善を要する旨の
意見が
提出されましたが、さらに検討を加えることといたしました。さらに坑木及びパルプ材として幼齢林が新しい森林法に反して伐採される等の行為があるから、適当な
処置を考慮すべきであるとの
意見を強く提示されました。
さらに町村合併促進
法案成立のあかつきにおきましては、第十七条の適用について特に慎重を期すべきであるとの強い御
意見が各
委員から
提出されました。さらにこれら
治山治水対策に関する検討の結論に基き、
治山治水対策確立に関する決議案文を本小
委員会にて作成の上、各
委員を通じてそれぞれの党にお諮り願い、その結果御賛成を得ましたので、これを本
会議の決議といたすことといたしました。さらに
治山治水根本
対策樹立の上から造林のあり方について、国政
調査を求めたいとの小
委員会一致の要望がありました。
以上御
報告を申し上げまして、
委員長のおとりはからいを願いたい次第であります。
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