○川俣委員
大臣のそういう御
答弁があると、もう
一つお尋ねしなければなりませんが、今の資本主義社会においては、会社の経営を合理化するというと、自由に操短ができるということが最も望ましい経営であると
考えられておるわけです。これはほかの繊維ものでも同じです。化学繊維が植物繊維よりも会社の能率を上げ得るのは、操短が自由にできるという方向に持
つて行かれておるからであります。
従つて会社の経営を健全ならしめるということになりますと、操短が自由にできる、操短によ
つて会社が打撃を受けないような
方法を講じて行くことがねらいになるわけです。二百四、五十万トンの計画が徐々になされて行くかといえばそうじやない、もしもほんとうに国際
価格に対抗できるようになるとしますならば、三百万トン計画なんというものは
考えられていいはずでありますが、今通産省が合理化を慫慂いたしておりますけれ
ども、会社の受入れとしては二百四十万トン、五十万トンが限度である、あるいは将来それより下るかもしれない。そういう場合における操短の合理化を
考えて行こうというところに、会社の
考え方があると見なければなりません。これを五百万トンも、あるいは三百万トンもつくるということになりますと、その会社はおそらく株がたたかれまして、経営困難に陥りましよう。従いましてこれは株価を推持しながら、資金のやりくりを
考えながら合理化をするということになると、適当な
生産高を
考えて行くということが合理化の一歩だとこう
考えられておると見なければなりません。そこであるいはエコノミスト等によりましても、輸出の引合いが盛んになれば、この会社というものはたとい赤字であ
つても、
国内の
硫安が必ずしもそれに相応して引下らぬところから見て、
国内における
需要というものが盛んにな
つて、
国内から上
つて来るところの
硫安で採算がとれるという
見方を株式
市場ではいたしております。これは通産省が何と説明いたしましても、輸出によ
つて会社が赤字にならないで経営が健全にな
つて行つておるということは二、三の会社の例ばかりではありません。通産省は出血輸出だということを言われますけれ
ども、株式
市場から見るとそれは何ら出血輸出にはな
つていないのです。ここへ会社の人なりあるいは山一証券の人なりを呼んで、この会社が出血輸出かどうかということを聞いてごらんなさい、出血輸出だ
つたら明日にでも株は下りますよ、そう言わないです。ただ通産省や経審は、会社がその経営が困難だといわれるものだから、赤字であろうとこう言うが、株式
市場からいうとちつとも赤字ではない、ほんとうに会社が赤字であればもつと株価が下らなければならぬはずだが、輸出によ
つて何も痛手をこうむらぬで、むしろそれによ
つて会社の経営が好転するという
見方が行われておるのですが、そのようなところから見て参りますと、
日本の
肥料経営者がそういうべらぼうなことを
考えることはないと
大臣は言われておりますけれ
ども、そうじやないのです、ここに私は問題があると思う。
日本の産業からいうとあるいは合理化が必要であるかもしれません、しかし
硫安から見ると必ずしも工場内の合理化というものは好ましいものでないという見解を私はとるのでありますが、私の見解について
大臣はいかにお
考えにな
つておりますか。この
程度で打切りまして、あとは御勉強願
つて御
答弁くださ
つてもよろしゆうございます。