○谷垣
政府委員 あるいはお手元にまだ届いていないかもしれませんが、早急にお手元に届くことと思いますが、その
資料にしるしてございますけれ
ども、今連合会に対しまする信連あるいは中金等の金融機関からいたしまする固定しました債権は百四十四億
程度に
なつております。これの金利の負担が実は非常に膨大に上るわけでありまして、この再建整備をいたしました二十六年、二十七年の
実績、損益の状況、事業の
内容等を
検討いたしまして、損金――これは固定しました債権でありますから、損金と一概に申すわけに参りませんが、損金はそれより若干下まわることになると思いますけれ
ども、それの損失の補填をするということは、なかなか短期間には達成し得ないものであるというふうに私たちは考えておるわけであります。なぜそういう損金が生じたかという原因等につきましては、いろいろ原因があろうと思います。たとえば農業会から引継ぎましたいろいろな財産の評価が十分でなか
つたり、あるいはまた終戦後引続きましてのいろいろな資材の困窮をいたしておりました当時に、末端に配給いたしますためにかかえましたところのいろいろな農機具等の資材は、その後の経済状況の
変化によりまして、連合会が抱きかかえたまま、不良品として残
つておるというような、いろいろな
事情がございます。あるいはまた、統制経済から切りかわりました当時におきましての売掛金の損失というような問題もございます。いろいろな問題があるのでありまして、これらを振り返
つて見まして、
協同組合の内部におきまする経営のやり方、あるいは経営を担当しておりまする
理事者のいろいろな能力の
問題等々につきましては、十分戒心をして改善をすべき点が多いと実は考えております。そのために再建整備法を出すのであります。それと並行いたしまして、今までや
つておりませんところの国の検査をいたしまして、そしてそういうような収支の状況を明らかにし、あるいは経営その他に関しましての
一つの
基準を示しまして、それにのつと
つて改善策が行われるように示唆をいたし、あるいはまた新しい経理
基準等を示しまして、
一つのモデルの形を示す。また経営を担当いたしておりますところの
理事でありますとかあるいは職員の再訓練、と申しますと語弊がありますが、そういう諸君の経営の能力を高めるような方針、そういうようなことに努めて今まで参
つたわけでございます。ことに再建整備の場合におきましては、固定しました資本と欠損とに見合いますだけの自己資本の充実が、
一つの再建整備の大きな眼目に
なつておりまして、自己資本の過小という問題があ
つたのでありまして、その点につきまして出資の増加を促進いたしたのは事実でございます。そのためにこの
協同組合の系統組織であります連合会の出資増加が、単協の負担という形に
なつて現われて参
つたわけであります。またもちろん単協自体におきましても、その出資金が過小でありますところは、出資の増加をいたしております。そういう形で、出資金の増加というような形が、再建整備の場合にかなり強い形に
なつて現われましたことは、御指摘の適りであります。しかしこれは
協同組合を全体といたしましての、一本にいだしましたところの組織系統の必然的な
一つの
方向であり、また自己資本の過小ということを訂正することが、健全な経理をいたしまするやはり基本的な、
一つの大切なやり方であるというふうに考えておりますので、そういう
方向に進んで行
つたわけでございます。もちろんこのたびの促進法を進めて行きまする場合におきましても、これはときには出資の増加という形に
なつて参る場合もあろうと思いますけれ
ども、これは要するに国が補助金を出したりなんかいたしますことは、どつちかと申しますと、
協同組合全体としての
一つの立直りに対する促進剤、さそい水とでも申すべき筋のものでありまして、連合会の組織員である単協あるいは単協を通じましての農民の諸君が、皆一体と
なつて
協同組合の連合会の建直しに一奮発していただく、県も地方におきまする農業行政の
中心として援助をする、信連あるいは中金等におきましても、これは各県の
事情によりましていろいろの
事情があろうかと思いますけれ
ども、従来のいろいろ援助というものに、できればもう一気張りの援助をいたして、そういうような全体の態勢が、単に出資金の増加であるとかあるいは金銭的な援助であるとかということにとどまりませずに、健全な系統利用であるというように、あるいはまた、ひいては経営事務の能力をもう少し発揮するような
方向へ持
つて行くとかいうような、全農業を打
つて一丸といたしましての態勢に持
つて行く
一つの促進剤といたしたい、かような実は
考え方で促進法の御
審議を願
つておるのでありまして、決して単に単協の出資増加のみにこの問題をしわ寄せするというような考えは持
つておりません。
また連合会の経営形態、県連の経営形態というものはこれでいいかという点の御指摘でございますが、これはすでに県連の単位におきまするかなり数の多い、乱立傾向にありました連合会が、逐次現在合併の機運に動きまして、かなり事業連の主体でありますところの販連あるいは購連系統の合併が実現いたしておる状況でございます。もちろん信用事業をいたしておりまする信連との合併問題は、これは十分に
論議を尽さなければならぬ点が残
つておりますけれ
ども、県単位の各連合会が、できるだけ
一つに合併をいたして、その力を
一つにして強ま
つて行くということにつきましては、私たちもその
方向が正しいと考えておるわけでありまして、そういうふうな指導方針をも
つてや
つて行くべきである。また別途御
審議を願
つておりまする
協同組合の中央会等のものができ上りましたならば、そういうものを
中心といたしまして、
協同組合内部におきまする自主的な動きとしてそういう
方向を進めて行きたい、かように考えておる次第であります、