○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいま御
指摘のように、テレビジヨンの本放送を開始しましてから、特に受像機の普及
状態は
予定よりも約二箇月程度遅れ、ているように存じます。もつともこの原因としましては、受像機の出まわりがおそか
つた、あるいはその
価格がまだ
一般大衆に急速に普及するほど廉価に
なつていない、あるいはまた一面にはプログラムの問題もあるかと存じますが、私らとしましては、必ずしも将来のテレビジヨンの普及
状態について悲観的な観測を持
つておりません。今申し上げましたように、二箇月あるいはその前後の
期間遅れているというような
状態でありますが、最近御案内のように、国産の受像機も非常に出まわ
つて参りまして、ブラウン管の大きさで一インチ一万円というようなところへもすでに来つつあるようであります。そういう点からいいますと、今後割合に順調にたど
つてくれるのではなかろうかと、やや希望的な観測もございますけれ
ども、思
つておるわけであります。また近く民間テレビ放送もスタートするようであります。そうなりますれば、
一般の方々のテレビジヨンに対する関心はより一層盛り上るわけでありまして、そういう点から考えましても必ずしも普及が常に予想より下まわ
つておるというようなことになるわけでもないのではなかろうかと思
つております。もつともテレビジヨンは日本だけではなしに、先進といいますか、先にテレビジヨン放送を実施しております外国の例を見ましても、最初はその普及の度合いが低く、かつ普及の
増加割合が少うございます。これは先ほど申し上げましたように、テレビジヨンの受像機の
価格あるいはまた放送する方の準備態勢、そういう点がいろいろ影響するのだろりと思いますが、ある段階に来ますと非常に順調に、あるいは急速に普及し、行くようであります。日本も同じよりな道程をたどるのではなかろうかと思
つております。なお
協会のテレビジヨン放送の実施につきましては、
お話かございましたように、現在のところは
収支が償
つておりません。これは先取当
国会の御承認を得ましたテレビジヨン関係の
予算の御審議の際にも申し上げましたように、少くともここ三年間あるいは五年間の間は赤字であるということを、算定の中に十分に
入れまして計画を立てて、それによ
つてや
つておるわけでございまして、一応テレビジヨンとラジオとの関係も今御
指摘がありましたように、別会計にはつきりその点の線を引きまして、三年ないし五年の
長期計画のもとに実施をされております。先ほど申し上げましたように、現在のところにおきましては、二、三箇月程度の遅れはございますけれ
ども、先ほど申し上げましたようなことから、さほど悲願的なことばかりではないのではなかろうかと思
つておる次第であります。