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金光政府委員 それでは私より、ただいま当
委員会において御
審査をお願いしております
有線電気通信法案、
公衆電気通信法案及び両法の
施行法案、三
法案につきまして
逐条説明にかえまして、
内容の重要な点につきまして御
説明を申し上げたいと存じます。
現在
有線電気通信関係につきましてのわが国の
基本法は、すでに御承知のごとく
電信法、
電信線電話線建設条例、
電信電話料金法とい
つたものがこの
基本法規と相
なつておるわけでありまするが、そのうちで
電信法につきましては
明治三十三年の
法律でありますし、また
電信線電話線建設条例に至りましては
明治二十三年、旧
帝国議会開会前の
法律でございます。かかる
状態で、これら
基本法は現在新
憲法下におきましては、その
内容におきまして
相当修正を要する点があるということで、この際これら
有線電信電話に関しまする
基本法についての根本的な
改案をいたすことといたしまして、ただいま御提出申し上げましたような三
法案の形に、今回はこれを整理統合いたした次第でございます。そこで従来の
電信法におきましては、一方におきまして
有線電信電話に対しまする
監督、
規律の
規定をその
内容に持ちますと同時に、
公衆の一般的に
利用いたします
電信電話についての
利用関係の基本的な
関係を、同じ
法律の中で律してお
つたのでございますが、この
二つのものはその性質から見まして
相当相違がありますので、この際は、ただいま申しましたような
有線電気通信に関する
監督、
規律の
法律を
一つと、それから
日本電電公社及び
国際電信電話株式会社の行います
公衆電気通信業務に対しまする
業務関係の
基本法律を
一つ、それからこの両
法案を施行するに必要な経過的な
措置及び
関係法令の
整理等を
制定いたしました両法の
施行法案、こういう
三つの形にいたした次第でございます。
そこでまず
有線電気通信法の
内容につきまして、最初に御
説明申し上げたいと存じます。この
有線電気通信法の
制定の
基本方針といたしましては、従来の
電信法が
電信電話の
政府専掌、官営の
方針を貫きますと同時に、
私設の
電信電話につきましては極度にこの
設置範囲を
制限してお
つたのでございます。そのために本来ならばその
事業遂行上当然
専用の
電気通信設備を施設したいというような
事業につきましても、これらの
設置が認められない。あるいは
農山漁村等の非常な辺鄙な
地域におきまして、従来
国営時代におきましては、当然これは
政府においてそれらの
地域についての
電信電話サービスも実施すべきでありますが、
予算その他の
関係で、それらの
地域の
電信電話の便益を与えることができない、さればとい
つてこれらの
地域におきます
住民等によります
設備等も一切認めないとい
つたような建前に
なつてお
つたわけでございますが、今回はこれらの
方針を一擲いたしまして、
私設の
有線電気通信設備につきましても、その
設置を
原則として自由とする。しかし一方におきまして
公衆電気通信の
一元化をそこなうという面からの制約ということは当然考えるべきでございますので、
公衆電気通信業務につきましては、主として
国内電気通信業務につきましては
日本電信電話公社、
国際電気通信業務につきましては
国際電信電話株式会社の独占的の経営を認める。しかしその独占を侵害するようなおそれのない
私設の
有線電気通信設備につきましては、これをできるだけ自由にする。しかしそれらの
設備のうちにおきましても、その
設備の
共同設置とか、
設備相互間の
接続とか、あるいは
他人通信の
媒介等のごとき、
公衆通信類似の行為につきましては、これは
所要の
制限を加える必要かありますので、それらについての
制限をなすということにいたしたのであります。
次に第二点といたしまして、これらの
私設の
有線電気通信の
設備の
設置につきましては、特にこの
法律によりまして
制限を加えるべき点は何かと申しますと、他の
通信に
妨害を与えないということがまず
一つであります。それから次に
人体に
危害を及ぼしたり、あるいは
物件に
損傷を与えたりしないことということが
一つ、これの
二つと、先ほど申しましたような
公衆電気通信業務についての
一元性をそこなわぬという、この
三つの要請を満たし得ればそれでよいのではないか。そこで
設備的に見て他の
通信に
妨害を与えるとか、あるいは
人体、
物件に
危害、
損傷を与えるということにつきましては、その
設備の
設置及び維持につきまして
必要最小限度の
技術基準を定める。その
技術基準によりまして、できるだけ
施設者が自分で自律してこの
技術基準を守るということを
基本方針としたのであります。
第三に、これらによりまして定められた
設備の
設置及び
使用に関する
規律の保持につきましては、ただいま申し上げましたように、できるだけ
施設者の自律にまちまして、
許可だとか
届出等の行政的な
措置というようなものをできるだけ少くする。これによりまして
行政簡素化の趣旨に沿うということを考えた次第でございます。以上
三つの
基本方針に基きまして、この
有線電気通信法を
制定いたしたわけでございます。
次に、この
法案のおもな
内容を御
説明申し上げたいと思います。
第一に、まず
有線電気通信法で
規律する
対象は何かということを明かにしたわけでございます。
有線電気通信設備としてこの
法律で
規律する
対象といたしましては、導体を
利用して
電磁的方式によ
つて、符号、音響または映像を送受する一切の
有線電気通信設備というものの
対象を明らかにし、それと同時に本来の
有線電気通信設備ではございませんが、これに非常に類似しております
信号設備の技術的な面につきましては、やはりこの
有線電気通信法の
対象に入れることといたしたのでございます。
次に、
私設の
有線電気通信設備の
設置につきましては、先ほど
基本方針で申し上げましたように、従来の
電信法におきましては非常にこの
範囲を
制限してお
つたのでございますが、今回は一人の
専用に供するために単独で
設置する
設備である限りにおきましては、
公衆電気通信系の、
一元化をそこなうおそれがありませんので、現在の
社会経済情勢から見まして、これをできるだけ自由にするということといたしたのであります。しかしながら一人以外の者、たとえば
共同で
設置する者ということになりますと、これを無放任にいたすことになれば、
公衆通信の
一元化という問題と関連が出て参りますので、
原則として禁止するが、一
構内等の
設備だとかあるいは
有線放送の
設備につきましては、それらの
公衆通信の
一元化をそこなうおそれがありませんので、これを自由に
設置することを認める。しかしそれ以外の、たとえば
共同で行う
業務だとか、あるいは非常に緊密な
関係を有する
業務に
使用するために、
共同で二人以上の
設置するもの、そういう
設備、あるいは
公社の
電話加入区域に属さないような
農山漁村等の辺鄙な
地域、これをこの
法律では
特定地域設備と称しておりますが、これらの
地域に
設置されます
設備というものにつきましては、
郵政大臣の
許可を受けて
設置をするということといたした次第でございます。
次にこの
設備をいよいよつくりまして、それを
使用する場合における
制限といたしましては、
私設の
有線電気通信設備をつくりました場合に、
二つ以上の
設備の
接続ということが行われ得るわけでございますが、この
接続につきましては、ただいまの二人以上の人が
共同で
設置するものと、結局
接続した後における形は同様でございますので、ただいま申し上げましたと同様に、一
構内等の
設備あるいは
有線放送の
設備相互間におきましては、これを自由にする、あるいは
非常事態等におきましては、
郵政大臣が
命令をして
緊急通信を行うために
接続をさせるというような場合におきましては当然でありますが、それ以外の
共同業務であるとか、あるいは
緊急業務に必要な
設備の
接続等につきましては、
共同設置と同様に、
郵政大臣の
許可を必要とするということにいたしたわけであります。
その他
他人の
通信を
媒介する、あるいはその
設備を
他人の
通信に
利用させるというようなことにつきましては、現在の
電信法におきましては
主務大臣の
命令があ
つた場合以外は認められておりませんが、今回のこの
法案におきましては、
非常事態におきまして
郵政大臣が
命令して
緊急通信を行わせる必要がある場合、あるいはただいま申しましたような
接続を許された者
相互間の
通信、その他
法令に基きまして
通信を行う場合、あるいはその
設備が
特定地域の
設備または
有線放送設備である場合、これらの場合につきましてのみ、
他人の
通信の
媒介あるいは
他人の
通信の用に供するということを認めることといたした次第でございます。
次に第四点といたしまして先ほど申し上げましたような
設備の技術的な
根拠といたしまして、
混信等の
設備相互間の
妨害、あるいは
人体または
物件等に対する
危害、
損傷を未然に防止する、あるいはこれを排除するために
必要最小限度の
技術基準を設けるごとといたしたわけでございます。この
法案におきましては、ただいま申し上げましたような
基本方針のみを定めまして、技術的なこまかな
基準につきましては、これを
政令にゆだねることといたした次第でございます。
第五といたしましては、これらの
技術基準に基きまして
設置をされました
設備につきましては、もしその
設備が
技術基準に合致しないために、他の
通信に
妨害を与える、あるいは
人体に
危害を与える、あるいは
物件に
損傷を与えるとい
つたような場合におきましては、必要な
限度におきまして
郵政大臣が
設備の
使用の停止または改造、
修理等の
措置を命じ得ることといたした次第でございます。また先ほど申し上げましたような
共同設置、
接続、
他人使用の
許可等につきましては、その
設備が
許可の条件に適合しなく
なつた場合におきましては、
郵政大臣はその
許可を取消すということができ得ることといたした次第でございます。
第六といたしまして、先ほど申し上げましたような
共同設置、
接続等に関連いたしまして、
許可あるいは
認可等の
行政処分があるわけでございますが、これらの
行政処分中、不当な
行政処分の
救済をはかるために、
異議の
申立ての道を開き、また
行政処分の公正を期するため、
許可の取消しを行う場合あるいは
異議の
申立てを受理した場合におきましては、公開による聴聞を行うことといたしまして、権利の
保護について万全を期した次第でございます。
第七に、先ほど申しましたように本来の
有線電気通信設備ではございませんが、これに非常に類似し、または他の
通信にも
妨害を与えるおそれがございます
信号設備につきましては、やはり
技術基準及びこれに関連した技術的な
事項については当然これを準用する必要がございますので、それらに必要な
所要の
規定を設けた次第でございます。
以上が、
有線電気通信法の
内容のおもな
事項でございます。
次に引続き
公衆電気通信法の
内容について、主要な点を御
説明申し上げたいと存じます。
先ほど
有線電気通信法の
説明で申しましたごとく、現在の
公衆電気通信業務につきましての
基本法といたしましては
電信法、それから
電信線電話線建設条令及び
電信電話料金法、それとごく一部ではございますが、
電波法によりまして現在なお一部の効力が認められております
無線電信法、これらのものがこの
公衆電気通信業務についての
根拠の
法規に
なつておるわけでございます。ところが先ほども申しましたようにこの
法律が
制定後
相当年次を経ております。また現在この
法律におきましては
電信電話の基本的な
サービスにつきましても、すべてこれを
政令にゆだねております。これらの点から見まして、現在の新しい
情勢から見て適当でないということで、この際
公衆電気通信法を
制定することといたした次第でございます。
そこでこの
公衆電気通信法の
制定の
基本方針を、まずも
つて御
説明申し上げたいと存じます。
第一点といたしまして、この
公衆電気通信法は、
有線及び
無線を通じまして
公衆電気通信業務に関する基本的な
法律といたした次第でございます。たとい
電報電話が
有線で送られましようが、あるいは
無線で送られましようが、
公衆通信サービスとして見た場合には、それらの手段にかかわらず、この
二つの
有線、
無線の両方を通じて、
公衆電気通信法の
適用を受けることといたした次第でございます。
第二点といたしまして、現在の
電信法におきましては
事業保護のために各種の特権的な
規定だとか、あるいは
罰則等が設けられておりますが、新
憲法の精神に即応いたしまして、これらの
事項をできるだけ廃止し、
事業の
特殊性から見まして
必要最小限度のもののみを存置させることといたした次第でございます。
第三点といたしまして、
公社の
公衆電気通信設備の
建設及び保存につきましては、必要な
公用負担は
土地收用法の
規定によることを
原則とするわけでございますが、
公社が
建設保存しております線路につきましては、その
設備が
全国に散在し、かつ
厖大な数に上
つておりますので、
土地收用法によることが困難でございますので、特にその
特例等を設けまして、
土地等の
使用等に関する手続をこの
法律に
規定いたした次第でございますが、現行の
電信線電話線建設条令に比較いたしまして、その
規定を民主化し、かつ適当な補償をなすことといたした次第でございます。
第四点といたしまして、現在
命令によりまして
規定をされております
電信電話の基本的な
サービスのうちで、特に
法律で
規定することを適当と認められるものにつきましては、これらの
規定を
公衆電気通信法に取入れることといたしました。付属的の
サービスにつきましては、
公社においてその
内容を
制定し得ることといたした次第でございます。
第五といたしましては、
料金につきましては、主要な
料金につきましては
法律でこれを定めることといたしまして、その他の付属的な
料金につきましては、
郵政大臣の
認可を受けて
公社または会社がこれを定めることといたした次第でございます。
第六といたしまして、
国際電気通信業務につきましては、別途
国際電気通信条約その他の
付属規定がございますので、それらの
規定に
規定がございますればこの
法律が
適用されませんが、それらの
条約等に
規定がない場合には、当然この
法律の
適用を受けるということを明らかにしたわけでございます。
次に
法案の
内容につきまして、主要なるものを逐次御
説明申し上げたいと思います。この
法案は第一章より第八章にまでわた
つておりますが、まず第一章の総則におきましては、新
憲法に
規定しております国民の法のもとにおける平等、表現の自由、
通信の
秘密の
確保を保障するために、
公衆電気通信サービスの提供及び
利用につきまして、この
法案の中にさらに
利用の公平、検閲の禁止、
秘密の
確保につきまして必要な
規定を設けた次第でございます。
第二に
非常災害時におきまして、
公衆電気通信サービスの全部を提供することができない場合におきましては、
重要通信を
確保するために、その
業務の一部を停止し得る
根拠を設けた次第でございます。
第三に現在におきましても、
電信電話の
業務の全部を
公社の手で行
つているのではないのでありまして、一部郵政省の
特定郵便局にその
業務を委託しておりますが、これらの
根拠が現在の
法律にございませんので、この
公衆電気通信法に、
郵便局に委託できるという
根拠を置くわけでございます。
第四といたしまして、ただいまの
郵便局に委託のできない場合等におきまして、一例を申しますれば、たとえば
国有鉄道あるいは
地方鉄道、
漁業無線局等におきましても、
電気通信設備があります際に、
公社の定める条件に適合し、また
公社が
郵政大臣の
認可を受けて定める条件に適合するものにつきましては、
電信電話サービスの一部分を委託し得る、あるいは
料金の収納につきまして市中銀行等に委託ができるという
根拠を定めた次第でございます。
次に今回国際
電信電話会社ができましたことによりまして、主たる国際
通信業務は同会社が行うことと相
なつたわけでございますが、この
法律の建前から申しますと、
国際電気通信業務は、会社と
公社と両方行い得ることと相なるわけでございますが、それらの同一
地域におきまする
サービスを、両者の競争
状態に置くことはおもしろくないわけでございますので、それぞれの行います
国際電気通信業務の
範囲は、
政令でこれを定めることといたした次第でございます。そういたしまして
政令で定められまして、それぞれの国際
通信業務につきましては、分担が定まりました後におきまして、それぞれの
業務の全部を
公社または会社自身でなし得ない場合があるわけでございますので、それらのものにつきましては、さらに
相互にそれらの
業務の一部を委託し得ることといたした次第でございます。
なお国際電気
通信の
業務の
範囲につきまして、一応われわれの考えておりますことは、
公社の行います
国際電気通信業務は、西南諸島、沖繩向けの
通信、及び船舶を相手といたします
無線局、海岸局と称しておりますが、この海岸局が外国船舶を相手といたします外国
通信を行いますわけで、その他の欧米各地あるいはアジア
方面、大洋州
方面に対する国際
通信は、あげてこれを国際電気
通信株式会社をして行わしめることといたしたいと存じている次第でございます。
最後に、先ほど
方針の方でも申し上げましたが、国民の
通信利用の自由を保障し、また国民の負担を除くために、現行法できめられております特権的な
規定はこれを廃止するということにいたした次第であります。
第二章は、電報に関する
規定でございますが、この電報に関します
規定は、現行の省令の電報規則で定められておりますものとま
つたく同様でございます。そのうちの主要
事項のみを
法律で定めることといたした次第でございます。
第三章は、
電話に関する
規定でございます。この第三章中主要なる
規定を、条項についてのみ御
説明申し上げたいと存じます。まず第一に加入
電話の
利用関係につきましては、
法律上従来からとかく疑問の点があ
つたのでございますが、今回はこれを私法上の契約
関係といたしまして、従来の疑点を一掃することといたした次第であります。また従来は法人格のない社団または財団等の加入についても、加入者たる地位を認めてお
つたのでございますが、今回は加入
関係を明らかにするために、これらのものについては加入者たるの地位を認めないことといたしたのでございます。
次に従来単独
電話、
共同電話等の
電話機の
設置場所は、加入者の住所、居所あるいは
業務に
使用する場所ということに限定し、特に官公署あるいは法人名義でそれらの
職員の
住宅に
設置するものにつきましては、高級
職員等に限定してお
つたわけでございますが、今回は加入者の
使用人あるいは加入者が行う
事業に従事する
職員であれば、別に高級
職員と限定せず、だれでも官公署あるいは法人名義等の
電話を
設置し得ることといたした次第であります。
次に構内の交換
電話、従来の増設
電話、略称でPBXと申しておりますが、このPBXにつきましては、従来ビルディング等に
設置されておりますものにつきましては、やはりビルディング内の同一構内、Aという会社ならAという会社のみしか、このPBXを
利用し得ないことといたしてお
つたのでございますが、現在の
電話事情等から見まして、同一ビルデイング内にありますBという会社につきましても、Aの会社の内線
電話機の
利用を認めることといたした次第であります。もちろんこの場合におきましては、これらのB会社の
利用ということをあらかじめ
公社と契約して、明らかにしておくということを必要としておるわけでございます。
次に現在の
電話需要から見まして、加入申込みの全部に応じ切れませんので、現在や
つております優先受理
基準、優先的に受理するという
方針は、この
法律施行後といえども存続するということにいたしておる次第であります。
それから昭和二十四年にポツダム
政令が出まして、同年の二月十五日以降に
設置されましたいわゆる新
電話につきましては、加入権の譲渡を禁止してお
つたわけでございます。ところが昨年十月二十四日をもちましてこのポツダム
政令が失効になりました。そこでこの失効に伴いまして、昭和二十四年二月十五日以降に
設置されました新
電話についても、譲渡禁止を解除いたしたわけでございますが、この
方針は、この
法律においても踏襲することといたした次第であります。しかしながらこれらの譲渡を自由にすることに伴いまして、投機的あるいは射利的な加入申込み等が
相当予想されますので、これを抑制するために、
電話加入権を譲渡した人は、その譲渡した日から一年以内に新たにその同じ加入区域におきまして、新しく
電話の申込みをした場合におきましては、その申込みを場合によ
つては承諾しないことがあり得るということを
根拠に置いたわけでございます。
市外
通話につきましては、特別に御
説明申し上げるようなことはございません。現行の制度と大体同様でございます。
第四章は
公衆電気通信設備の
専用関係についての
規定でございます。これらの
専用線につきましても、大体
電話の加入とほぼ同様の制度をこの
専用に取入れておりまして、特別に御
説明申し上げるようなこともございません。
第五章は
料金についての
規定でございます。現在
電報電話の各種
サービスにつきましての
料金は、
電信電話料金法中に細大漏らさずこれを
規定しているわけでございます。ただ例外といたしまして、国際電報及び国際
電話の
料金につきましては、
郵政大臣の
認可料金に
なつております。ところが
公社、あるいは会社となりまして、これらの
料金につきましてすべてこれを法定するということはいかがかと思われますので、通常電報の
料金あるいは加入
電話使用料等、その
利用が非常に広汎であり、また普遍的であり、国民経済にも大きな影響を及ぼすもの、あるいはその収入が非常に多額に上るというような
料金につきましては、従来通り
法律で定めることといたしますが、その他の
サービスに対する
料金につきましては、
公社または会社が
郵政大臣の
認可を受けて定めることといたした次第であります。
国際電気
通信関係の
料金につきましては、金フランあるいは外国通貨等でその
料金が定められておりますが、これを邦貨に換算いたしまして国内の
料金を定めるわけでございます。その場合につきましては、やはり
郵政大臣の
認可を受けるということといたした次第であります。
それから次に
料金の返還でございますが、現在におきましても
サービスが非常に遅れるとい
つたような場合につきましては、
料金の返還を認めておるわけでございますが、この
法案におきましては現在よりもさらに返還の
範囲を拡げるということといたしておるわけでございます。
第六章は土地の
使用についてでございます。現在土地の
使用につきましては、
電信線電話線建設条例というものが定められておるわけでございますが、現在の
規定は公共の福祉というものを非常に重く見ましたために、私人の財産権等については若干その
保護に欠ける点がございます。そのために今回は公共の福祉の
確保と財産権の尊重ということを適当に調整するということによりまして、
電信電話線路に必要な土地の
使用について、おおむね次のようなことを定めることといたした次第であります。なお
電信電話線路に関する土地の
使用についてのこれらの特権的な
規定は、これは
公社のみがその
適用を受けるわけでございます。国際
電信電話会社にはその
適用はございません。
まず第一点といたしましては
公社は現在におきましては無
制限に線路及び空中線等を
建設するために土地、建物等の
使用をいたしますが、今回は土地の
利用を著しく妨げない
限度において
使用するということを
基本方針といたした次第であります。
次に
土地等を
使用します権利の存続期間につきましては、現行法におきましてはその
制限がないわけでございます。一応無期限ということに
なつておるわけでありますが、今回は電柱等につきましては十五年、その他の堅固な建造物につきましては五十年ということに定めたわけでございます。
それから
土地等の
使用につきましては、今回は
土地等の権利者等と一応協議をいたしますが、協議が整わないときには都道府県知事の裁定を求めることといたした次第であります。
それから
土地等の
使用についての損失補償につきましては、御承知のごとく現在の
電信線電話線建設条例によりますと、電柱一本につき四銭ということに
なつておるわけでございますが、今回はこれらの補償につきましては、線路及び土地の種類ごとに
政令をも
つて具体的にその対価を定めることといたした次第であります。
次に植物の伐除あるいは立入り
使用等の場合の補償につきましても、やはりこれは実費補償を
原則といたしまして、それらの権利者との間の協議ということにし、その協議の整わない場合におきましては、やはり都道府県知事の裁定をなし得ることといたしたわけであります。
次に水底線路につきましては、漁業権との調整の問題があるわけでありますが、これらの
規定を置きまして、都道府県知事にそれらの調整をなし得ることといたさせた次第であります
第七章は雑則の
規定でございます。そのうちでまず従來いわゆる増設
電話、PBXにつきましては、その
設備の
設置及び保存は
公社がなすことを
原則といたしまして、加入者の
事業の性質上、
公社による
設置保存が不適当である場合等の特別の場合に限りまして、加入者等の自営を認めていたのでございますが、
利用者の要望等にかんがみまして、今回は
公社以外に、加入者等におきましてもその
設置及び保存をなし得ることといたした次第でございます。ただこの
設置及び保存につきまして自由にいたすということになりますと、単に
設置者のみならず、一般の
公衆電気通信業務にも支障を及ぼすおそれがございますので、その
設置及び保存につきましては、支障を防止するために必要な
限度におきまして、
公社が
郵政大臣の
認可を受けて定めます
技術基準に適合するものであること、及び工事に従事する者は郵政省令の定めるところによりまして、
公社が認定する資格を有する者でなければならないことといたした次第でございます。
なお
利用者の利便をはかりますために、
私設の
有線電気通信設備につきましても、例外的に
公衆電気通信設備への
接続を認めるごとといたした次第でございます。
次に
公社または会社が外国の
通信事業者と国際電気
通信事業に関します協定あるいは契約等を締結する場合におきましては、その締結、変更等につきまして
郵政大臣の
認可を受けることといたした次第であります。
もう
一つ、従来は
電信電話の取扱いにつきましては、一切
損害賠償の責に任じない、いわゆる賠償無責任の
方針を堅持して参
つたわけでございますが、一切の賠償に任じないということは、現在の社会
情勢から見て妥当を欠きます。しかし一方におきまして、瞬間的に大量の
通信を取扱わなければならない
業務の性質上から見まして、民法の一般
原則によるということも妥当でないわけでございますので、これらの点を勘案いたしまして、限定賠償の
方針をとることといたした次第でございます。そこで、その
サービスを提供すべき場合におきまして、その
サービスを提供しなか
つたことによ
つて利用者に加えた
損害が、不可抗力または
利用者の故意もしくは過失に基かない場合であ
つて、電報の遅延及び不達、照合電報の
通信文における誤り、加入
電話の不通によ
つて生じた
損害につきましては、その
料金額の五倍を
限度といたしまして賠償することといたした次第でございます。
第八章は罰則でございます。罰則につきましては、
公衆電気通信業務運行の
確保、
通信の
秘密の
確保、
公衆電気通信設備の
保護、あるいは
公社または会社の
職員の本法違反の防止に備えるための、
必要最小限度の
規定にとどめた次第でございます。
次に先ほど申しました
法律で定めるべき主要な
料金につきまして、別表でその金額を定めたわけであります。これにつきましては、先般大臣から提案理由の
説明の際に申し上げましたように、この
料金額に、現行
料金収入に対しまして二五%の増収をはかるため、必要な
所要の改訂を加えたわけでございますが、
料金改訂につきましては、
説明の便宜上最後に譲ることといたしまして、引続き両法の
施行法案の
内容について先に御
説明申し上げたいと存じます。
両法の
施行法案につきましては、冒頭に申し上げましたように、
有線電気通信法及び
公衆電気通信法を施行するにあたりまして、現行の
法令との関連における経過的の
規定、及び関連
法令の
内容の改廃等を
内容といたしたものでございまして、今回この両
法案の施行に伴いまして、
電信線電話線建設条例、
電信法、
電信電話料金法の三法は当然廃止になるわけであります。なお両
法案の施行期日をこの
施行法案の中で定めておりますが、両法の施行は一応八月一日を予定しておる次第でございます。
次にこの
内容のごく主要なものについて申し上げたいと存じます、まず第一といたしましては、
明治時代におきましては、
電話の申込みは加入申込みの登記の順番によ
つて開通いたしてお
つたわけであります。ところが
予算の不足によりまして、この申込みの順番による開通ができませんので、この申込み登記の制度と並行いたしまして、
電話設備に要します費用だとか、あるいは
物件の寄付、あるいは一定の
至急開通料を支払うことを条件といたしました開通制度を並用して参りました。そのためにこの申込み登記によります順番開通の方は、われわれと加入者増設がはかどらない。このために申込みがだんだんとたまるばかりでございましたので、大正八年に至りまして、この順番開通による申込みをストップしたのであります。その後におきましても、細々ながらもこの開通はいたして参
つたのでございますが、遂に昭和十一年だ
つたと存じますが、この開通を中止いたしまして今日に至
つておるわけでございます。これらの申込み登記をなされた積滞の申込みが、原簿上約十二万あるわけでございます。ところがこの十二万のものにつきましては、その後多年を経過しております。その間におきまして、震災あるいは戦災等を経て参
つておるわけでございますので、これらの申込みというものが、現在においてはたしてどれだけ真実の申込みがあるかどうかということについての整理もいたされておらないのでございます。今回電気
通信法を根本的に改正するこの機会におきまして、これらの積滞の申込みを一応洗い直しましてそれによりまして、残
つたこの申込みにつきましては、公益優先によります受理をそこなわない
範囲におきまして、できるだけすみやかにこれを架設するという
方針をとることといたした次第であります。
次に、現在はPBXにつきましては、その
設置及び保存を
公社が行うことといたしておりますが、先ほど
公衆法で御
説明いたしましたように、今後は
利用者の
設置及び保存をも認めることといたしましたので、現在加入者が
設置いたしておりまして、
公社が保存をいたしておりますような
設備につきましては、この機会におきまして加入者の意思を尊重いたしまして
公社が従来通り委託を受けてやるか、あるいはこの際みずからが保存するかのいずれかを選択せしめる余地を与えることといたした次第であります。
それから今申し上げましたPBXというのは、従来の甲種増設
電話機でありますが、それ以外に乙種増設
電話機、いわゆる転換機によ
つて接続される
電話機がございます。これは現在
公社が保存しておりますが、今後もこれは
公社が
設置及び保存をするということといたしたいと存じております。
それからこの
関係法令の改正等のうちで、現在
電話設備費負担
臨時措置法という
法律がございますが、この中で現在PBXを
設置せんとする場合におきましては、その
設置者がPBXの
設置に要します実費を全部
設備負担金の形で
公社に納め、しかもその財産権は
公社に所属するという建前に
なつておりますが、今回PBXに私営を認めるということにいたしたのと関連いたしまして、今後におけるPBXを
公社に申し込む人につきましては、その
設置に要する実費は、今後は
電信電話債券の引受という形に変更いたしたいと考えておるわけでございます。
以上がこの施行法における重要な点であります。
以上、三
法案のごく概要を御
説明申し上げたわけでございますが、引続きまして、
公衆電気通信法の別表に掲げられております
料金額のうちで、今回の二五%の
料金改訂につきましてのごく概要を、あわせて御
説明申し上げたいと存じます。
今回のこの
料金改訂につきましては、本年度におきましては八月一日からの実施を予定いたしております。八月以降来年の三月までの本年度内八箇月分の
料金収入といたしましては、一応現行
料金におきまして五百二十八億の収入が見込まれるわけでございますが、これの約二五%の増収、すなわち百三十四億というものをこの際はかることとしての値上げを企図しておるわけでございます。なお二五%の増収をはかるための平年額によります増収は約二百億と相なります。
まず電報の方から申し上げますと、電報につきましては、これは前回提出いたしました一割の値上げ案の場合と同様でございまして、市外の電報料のみについてこれを行います。
市内電報料あるいは翌日配達電報料等については値上げをいたしません。市外電報料につきましても、基本料現在十字まで五十円のものを六十円に値上げするだけにとどめまして、累加料の五字増すごと現在十円をと
つておりますが、この累加料につきましてはすえ置きといたします。これによりますと、現在の電報の一通当りの平均字数は二三・五字と相
なつております。二三・五字と申しますと、現在の
料金で申し上げますと七十八円になります。これが今回の値上げによりまして八十八円と相なりまして、その平均の一通当りの字数で計算いたしますと、ここにありますように値上げ率は一三%と相なるわけでございます。電報につきましてはそれだけでございます。他のものはすべて値上げをいたしません。
次に
電話料金でございますが、
電話料金につきましては、度数制の局と均一制の局とにわかれるのでありますが、度数制の局につきましては従来の度数料一度ごとに五円をと
つてお
つたわけでございますが、今回はこれを十円といたすことといたしたわけでございます。それと関連いたしまして従来の基本料は、
電話を一度も使わなくとも必ず徴収してお
つたわけでございますが、今回は最低度数料の制度を加味いたしまして、この基本料の中で一月の
使用度数六十度までの分につきましては、この基本料の中にこれを加えたわけでございます。これで参りますと具体的の例をあげますと、東京の事務用の
電話で申し上げますと、現在は基本料は五百四十円でございます。この基本料の五百四十円で、現在の東京の一加入者の平均
通話度数は一日八・八度でございます。これで計算いたしますと、現在の負担は一加入につきまして千八百六十円でございます。これをただいまの最低度数料を加味いたしました新しい基本料九百円と、それからあと八・八度の一度ごと十円の度数料で計算いたしますと二千八百三十円、約五二%の値上げということに相なるわけでございます。なお大阪で申し上げますと、約四五%ということに相なります。
なお従来は加入者の数によりまして
電話局の種別をつけておるのでありますが、加入者五万以上のものにつきましては、これを一級局として全部を一律に扱
つてお
つたわけでございます。ところが現在におきましては、すでに東京の加入者数は二十三万に相
なつております、また大阪は現在約八方であります。同じ一級局におきましてもこれほど差があります。
利用価値の面あるいは経費の面から申しまして、これを同一に律するということはかえ
つておかしいわけでございます。今回は一級局の刻み方を改めましで、新一級局と申しますのは加入者二十五万以上のものを申します。新二級局は加入者数十五万から二十五万まで、新三級局は加入者数五万から十五万までというように、現在までの一級局を三段階にわけたわけでございます。
それから従来は度数制の局につきましては、
住宅用と事務用とによりまして基本料の差をつけたわけでございます。東京におきましては事務用が基本料五百四十円に対しまして、
住宅用は三百八十円というようにしてお
つたわけでございます。ところが今回この最低度数料をとりますことによりまして、基本料に事務用と
住宅用の区別をつけるということがあまり意味がないということになりましたので、この際この区別を廃止することといたした次第であります。現在におきましては
住宅用におきましては、一月の
電話度数が東京におきましても約六十度でございまして、それで計算いたしますと現在東京におきましては三百八十円の基本料と六十度の一度数五円で、度数料は三百円、計六百八十円のものが、今回は九百円、六十度分までは基本料に含まれますので九百円となる、それで計算しますと値上率は三二・四%と相なるわけであります。もう
一つは度数制の局につきましては、従来は大口
利用者は全部PBXを
利用しておられるわけであります。PBXに収容されております加入
電話につきましては、基本料のさらに五割の加算額をと
つてお
つたわけでございます。ところが今回はこの度数料を五円から十円に値上げするということにいたしましたので、大口の
利用者に対する負担を若干調整する見地から、この加算額の五割のものを廃止することといたした次第でございます。
以上によりまして、度数制局の基本料と
使用料を合せました平均の値上率は五三%に相なるわけでございます。均一制の局につきましては、新しい五級局、昔の三級局というものは、度数制の局と均一制の局とが同じ三級局の中で並存しております、そこでこの同じ三級局の度数制の局の
料金とそれから均一制の局の
使用料は、大体バランスされることが必要でございますので、ただいま申しましたような平均の
通話度数で計算いたしました度数制局の
使用料とバランスさせまして、新しい五級局以下の
料金を定めたわけでございます。
なお均一制の局につきましては、従来事務用と
住宅用の区別がもちろんあ
つたわけでございますが、これにつきましては今回もこれの区別をなくすということになりますと、
住宅用の加入者の負担が一挙に増加いたしますので、従前同様におおむね事務用の
使用料の約六割見当の
料金を
住宅用の
料金と定めたわけでございます。
公衆電話料につきましては、これは度数料を十円にしたこととあわせまして、また一方硬貨の採用というようなこととかんがみまして、一度ごとに現在五円を十円といたした次第でございます。
次に市外
電話料でございますが、現在近距離の区間の
料金が、これにかかります経費を
相当割
つておりますので、近距離の区間の
料金を主として上げるということといたした次第であります。またその際現在の
電話は、電車、バス等の交通機関等の
料金との
関係も見まして、大体妥当な線というものは出したわけでございますが、現在最低十キロまでの区間は七円と
なつておりますが、これを十円にする。それから以下二十キロ以下のところにつきましては、現在それぞれ十円とか十五円に
なつておりますが、この現行
料金にそれぞれ十円ずつ加算することといたした次第であります。そういたしまして、三百八十キロの区間までは、現在の
料金に十円ずつ加算する。三百八十キロ以上の区間につきましては、現行
料金をすえ置くということといたしたのであります。三百八十キロまでの区間と申しますと、東京から西を例にとりますと東京から豊橋まででございます。そこで東京から名古屋だとか、あるいは大阪以西につきましては、市外
通話料は今回は値上げに相なりません。
次に即時、準即時区間につきましては、大体現在同様一般の市外
通話との比較権衡を見まして、大体五割から八割増しというふうに定めたわけであります。これは
サービス改善等から見まして、大体この程度のところがいいのじやないかというふうにいたした次第であります。また即時、準即時
通話区間におきましては、現在特に大都市近郊等におきましてゾーン・メーター・システムと申しまして、たとえば川崎とかあるいは武蔵野の
電話局の加入者は、東京の加入者に市外
通話をいたす場合にはゼロをまわしまして、あとただちに東京の加入者番号をまわせば、直接東京の加入者と
通話ができるように
なつております。その場合におきましては、
——武蔵野の加入者が武蔵野の局の加入者に
通話をいたします場合には、度数計が一回まわるだけでございます。ところが東京都内の加入者にかけますと、その際には度数計が三回まわるように
なつております。それらの
関係で度数料一回十円ということにいたしますと、どうしても度数料の倍数でなければ、この即時、準即時区間の
通話料というものが技術的に困難な点もありますので、それらの点も加味いたしましてこれらの
料金を算定いたしたわけでございます。なお今回は来る九月一日より東京・名古屋、東京・大阪、名古屋・大阪の三都市間におきましては、即時
通話が実施される運びと相なりました。従来即時、準即時
通話というのは大体短距離区間でございましたが、今後におきましてはこれらの長距離の区間におきましても、これらの
サービスが実施されることと相なるわけでございましてそれらの
料金につきましてもそれぞれ定めたわけでございます。なお即時、準即時区間の特に長距離の部分、八十キロ以上の区間につきましては、夜間の
通話の逓減制をこの際実施することといたしました。午後八時より翌朝の午前七時までにおきます夜間
通話につきましては、その区間におきます普通
通話料と同額といたすことといたした次第であります。これによりますと具体的に申し上げますと、東京、大阪間では現在七百十キロの区間に
なつております。普通
通話料で百六十円でございます。ところが現在におきましては、東京、大阪間におきましては、特急
通話が五二%、
至急通話が二〇%程度を占めております。それらの
通話はそれぞれ四百八十円なりあるいは三百二十円というものを要しておるわけでありますが、今回この即時
通話を実施することによりまして、東京、大阪間の
料金は二百九十円ということになりますので、実質的に申し上げますれば市外
通話の値下げと相なるわけでございます。また従来におきましても東京、大阪間の夜間におきます
通話は、普通
通話で十分事足りてお
つたわけでございまして、今回は先ほど申し上げましたような夜間におきます逓減制を実施いたしまして、現在までの普通
通話の
利用者に対しましては、その
料金に変更を加えないというふうな
措置を講ずることといたした次第であります。
次に
専用料金でありますが、市外
専用料金につきましては、ただいま申しました市外
通話料を三百八十キロの区間までについて値上げをするに伴います値上り分だけでござまして、一般の
専用については普通
通話料の二百倍、新聞、放送等につきましては普通
通話料の六十倍という倍率につきましては、すえ置きといたすことといたした次第であります。
なお申し忘れましたが、市外
通話料の値上率は三一%でございます。ところがこの市外
専用料についてはただいま申し上げましたように、中距離以上の区間については値上げをいたしておりませんので、これらをきめますと、一般に市外
専用線は長距離のものが
相当多いわけでございますので、一般
利用については一七・五%、新聞放送
関係については一四・三%にとどまるわけでございます。
市内専用料及び
電信専用料につきましては、この前の一割値上案と同様でございまして、現在それぞれ実費を
相当割
つておりますので、これをそれぞれ約五割の値上げをいたすことといたした次第でございます。
以上簡単でございますが、三
法案の
逐条説明にかえまして、
法案の
内容のおもなる
事項及び
料金改訂の主要な
事項についての御
説明を終りたいと存じます。