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川上委員 そうじやないのです。日本自動車渕野辺工場は、製品の契約を破棄せられてつぶれたのです。これは管理工場なんかじやありません。こういう例は——ここでは時間が二十分しかないというから、私は一々言わないけれども、もし
通産大臣が知らなかつたらよほどどうかしている。兵器製造工場というのは、少し不良品ができても全部やられておる、一日期限が切れてもひどい罰金をとられる、このためにストライキができない、やつたらやられる、一体これでもさしずを受けぬということが言えるかどうか、これは干渉を受けるどころじやない、明らかに
向うの監督下に日本の兵器生産というものは入
つておる、これを認めておる。これは兵器生産だけじやない、日本の政治が大体
向うの監督の中に入
つてしま
つておる。私は時間がないので、これ以上ここで言いませんけれども、これだから、この武器製造法というようなものを出してみたり、MSAを受けるということばつかり言
つて血道をあげたりしておる。九州の災害なんか何もや
つてない。保安隊をもうどんどん軍隊にしておる、どういう言い方をしようかというところまで来ておる。政治全体が
向うの
考え方の中に入
つてしま
つておるのに、兵器生産工場だけに
向うの
考え方が入らぬというわけはない、全部入る、こういうことをやりますから、とんでもないことが起る。去る六月の九日以来、
政府は米軍との労務契約についての話を進めておる。これは
向うの直接の工場、直接の労働者を雇い入れるというのでありますが、これが見本になり、この方式が軍需工場に拡大される。この労務契約の第四次の米国の案をごらんなさい、どういうことが書いてあるか、この労務契約の主文には首切り、人員整理等は米軍の一方的意向できめると書いてある。付属協定書の中に保安条項というものがあるが、その中にはどう書いてあるか、破壊
団体員及びその家族、友人、同調者は、日本
政府の
責任で米軍に登録しなければならぬというような条項がある。また保安要員はストライキに参加してはならぬ、その誓約をしなければ使わぬというような条項もある。さらに付属協定の中の賃金条項は、職階制が四百段階にもな
つておる、こういうのがある。これは兵器生産には今すぐ
関係せぬとおつしやるに違いない、ところがそこが違う、こういう形こそがアメリカの日本に対する政策なんです、この形が日本に職階制をつくらせたもとです、兵器の生産というものはアメリカに武器を提供して朝鮮で何百万人を殺させた、あれなんです、アジアの侵略をアメリカがしよう、それの武器の生産をしようというのがこの法律でしよう。そうするとこういう法律をつく
つてどんどんと武器の生産をやらせる形にな
つてごらんなさい、武器の製造工場というものにはアメリカの作法が入
つて来ることを明らかです、これを一体どう思いますか、おそらく
当局はそんなことはありませんというような
答弁をするでしようけれども、私は深刻に
考えなければいかぬと思う。こういう形を通じて日本の
産業をアメリカに売
つてしまう、こういう形をつくつたら第一中国貿易なんかできないじやないですか、兵器をこしらえてアメリカに提供して、それを民族解放運動の弾圧に使うのだ、そんなことと同じことなんだからそういうことをすると日本の兵器の生産というものを保護すると言
つておるが、保護どころではない、全部が全部アメリカに食われてしまうじやないか、こういうことについてどうお
考えになるか。口先ではいかんと思う、ここだけでうまく言い切る問題ではない、日本の民族の利益を
代表する
通産大臣として、ほんとうの
考え方を言う必要があると思う。私はこういう政治をや
つて行けば、日本の労働
条件というものまでアメリカの支配を受けなければならぬことに引きずり込まれることは明らだとこう思う。これに対してお
考えがあれば聞いておきたい。私は繰返して言いますが、ここで言い抜けるような
答弁を聞くなら聞きたくない、ほんとうにどう思います。何とも思いませんか、将来危険だとはお
考えになりませんか、これを聞きたいのです。