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1953-07-14 第16回国会 衆議院 通商産業委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十四日(火曜日)     午後一時五十九分開議  出席委員    委員長 大西 禎夫君    理事 小平 久雄君 理事 福田  一君    理事 中村 幸八君 理事 長谷川四郎君    理事 永井勝次郎君 理事 首藤 新八君       小川 平二君    小金 義照君       田中 龍夫君    土倉 宗明君       馬場 元治君    村上  勇君       笹本 一雄君    山手 滿男君       齋木 重一君    下川儀太郎君       中崎  敏君    山口シヅエ君       川上 貫一君  出席政府委員         通商産業政務次         官       古池 信三君         通商産業事務官         (通商局長)  牛場 信彦君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    石井由太郎君  委員外出席者         議     員 小笠 公韶君         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 七月十三日  委員加藤清二君辞任につき、その補欠として阿  部五郎君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 七月十四日  中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案  (伊藤卯四郎君外六十三名提出衆法第三〇  号) 同月十一日  奈半利川の電源開発に関する請願井谷正吉君  外三名紹介)(第三三六三号)  屋久島地下資源の調査並びに開発に関する請願  (岩川與助紹介)(第三六〇六号) の審査を本委員会に付託された。 同月十日  本邦輸出物価割高是正に関する陳情書  (第七七九号)  中小企業に対する金融対策に関する陳情書  (第七八  〇号)  電力料金地域差早期実現に関する陳情書  (第七八一  号)  四国電源早期開発に関する陳情書  (第七八二号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  輸出取引法の一部を改正する法律案内閣提出  第一四八号)  特定中小企業の安定に関する臨時措置法の一部  を改正する法律案小笠公韶君外十八名提出、  衆法第二六号)     ―――――――――――――
  2. 大西禎夫

    大西委員長 これより会議を開きます。  本日は、まず輸出取引法の一部を改正する法律案を議題といたし、質疑に入ります。質疑の通告がありますから、これを許します。長谷川四郎君。
  3. 長谷川四郎

    長谷川(四)委員 ちよつとお伺いいたしますが、第三条の第一項の三に「輸出貨物に係る仕向地輸入取引における競争が実質的に制限され、」云云、それから「輸出取引における競争が不当に制限されている」とありますが、これはたとえば輸出取引における競争が不当に制限されている、こういうような点についてお伺いいたしたいと思います。
  4. 牛場信彦

    牛場政府委員 輸出貨物にかかわる仕向地輸入取引における競争が実質的に制限されている。これは仕向地の方で、たとえば輸入について国家一手で買い付けるとか、あるいは公団的なものがありまして、一手に買い付けるというような場合であります。その実例は、たとえばアルゼンチンなんかの、例のヤツピーという貿易を専売にしているような国家のつくつた公団みたいなものがあります。それが一手輸入するというような場合のこどであります。その次の仕向地に対する輸出取引における競争が不当に制限されているといいますのは、これは対抗カルテルということでありまして、ある仕向地に対して日本競争国カルテルをつくつてダンピングをやつて来るというような場合に、これに対抗する意味でこちらでも協定をつくることができるという場合であります。これはたとえば最近のインド市場に対しますイタリアの人絹などの輸出の場合には、これははつきりダンピングということは、私ども申し上げかねるのでありますが、大体におきまして向うが一手輸出をして来ているというような状況が見受けられるのでございまして、そういう場合にはこちらでもそれに対抗する意味で、一手輸出というようなことで、業者協定をして輸出するというようなことを認めていいのじやないかというような趣旨でございます。
  5. 長谷川四郎

    長谷川(四)委員 大体この輸出業者輸出する場合、現在ではやはり通産大臣許可を経ていると思うのですが、ただ第五条第一項の中に「類似貨物生産業者若しくは販売業者輸出すべきこれらの貨物価格、」というのは、このような名目で、この類似品の出て行くということを防ぐ意味でございますか。
  6. 牛場信彦

    牛場政府委員 これは類似品が出て行くのを防ぐという意味ではないのでありまして、ある種類の貨物について協定を結びましても、それとごく類似した貨物が全然自由になつている場合には、その協定意味がなくなつたり、あるいは効果が薄くなるという場合があります。その場合は類似品についても協定することを認めた方が有効であろうという意味であります。それから輸出につきましては、大体原則としては自由でありまして、特定のものについてだけ通産大臣承認を受けなければならないということになつておりまして、これは輸出貿易管理令の別表というのに載つているわけであります。
  7. 長谷川四郎

    長谷川(四)委員 初めて見る法案で私も勉強が足りないのですが、政府は大体輸出カルテルというようなものをやろう、こういう意味ですか。
  8. 牛場信彦

    牛場政府委員 協定の場合、それからあとに組合の場合と両方ありまして、もしカルテルという言葉を使いますれば、むしろ輸出組合の方にそれが適用されるのじやないかと思うのでありますが、要するに最小限度必要な場合に輸出業者共同の歩調をとることができるようにしてやろうという意味でございまして、これは現在の各国やり方を見ておりましても、明文をもつて書いているところと、実際上やつているところとがありますが、大体において輸出においてはある程度の業者間の話合いを許しておるという状況でありますので、わが国では非常に厳重な独占禁止法があります関係上、こういう非常に精密な法律の規定になるわけであります。趣旨はそういう趣旨でございます。
  9. 大西禎夫

  10. 永井勝次郎

    永井委員 ただいま長谷川委員よりお尋ねのありました通りに、これは輸出カルテルと認めてさしつかえないか、これをひとつ……。
  11. 牛場信彦

    牛場政府委員 私もカルテルというものの定義をよく存じないのでありますが、共同行為というのが一番軽い意味カルテルになると思います。その趣旨でございましたらこれはカルテル言つていいと思います。
  12. 永井勝次郎

    永井委員 今度の改正の要旨は、単に輸出入の面における協定だけでは不十分である。そこでそれを主にして必要の場合においては国内産業に対してもこれが協定をすることができるというふうに、国内産業に対しての制約というものが相当強化される方向にあるわけでありますが、具体的にどういう場合にこれらの必要か起つて来るのか、その具体例を示していただきたい。
  13. 牛場信彦

    牛場政府委員 現在におきましてもこれは日本だけではありませんで、ほかの国でも大体そうだと思うのでありますが、たとえば機械でありますとか、それから鉄鋼類輸出は大体におきましてメーカーの方でむしろ話をきめまして、輸出業者はその代行者としてやるというような場合が多いのであります。そこで輸出業者のみの協定では、そういう場合にはなかなか効果が出て来ない、生産業者を参加させて初めて効果か出て来るということになると思うのであります。ただしかし最近いろいろ問題になりました、たとえば鉄鋼商社指定というような、そういうかつこうではこれは認めないつもりでありまして、輸出業者を主とした協定生産業右か参加するというかつこうでやむを得ない場合に認めて行きたいと思うのであります。最近アルゼンチンに対する鉄鋼輸出が非常に問題になつておりますが、これらの場合にもあまりにも商社の数が多くなつては困るということがありまして、その場合には輸出業者の間で協定させて、ある程度数を制限して、それに鉄鋼業者も加わりまして、特定商社にオフアーを出すというふうなぐあいの協定を結ぶというときに、具体的な必要が生じて来ると思うのであります。これに対しては乱用の危険がむろんございますので、第五条の第三項第四号に「国内関係事業者又は一般消費者利益を不当に害するものでないこと。」これを確認しなければ通産大臣が認可してはいけないということになつております。具体的な行政に当る者の措置といたしましては、この点は特に慎重を期して参りたい、公正取引委員会でもその点非常に問題にしておりますので、十分慎重にはからいたいと思います。
  14. 永井勝次郎

    永井委員 これは経済委員会の方にかかつておる独禁法の緩和の問題と関連して来るのでありますが、そういう基本的に独禁法を大幅に緩和して、そうして少数資本利益を守るための統制を強化する、こういう方向が大きく示唆され、その一環として輸出入取引の面においてこれを強化しようとする、こういう方向が現われて来ますと、日本国際市場における自由競争の場面における競争力というものが強化されるという方向ではなしに、そういうゆがめられた経済操作によつて温室で守つて行く。そうしてその独占化をはかつて行く。こういうような原則が強く打出されて参りますと、日本輸出入貿易の将来において非常に大きな影響があるとわれわれは考えるわけであります。そこで今後の輸出入貿易に対する基本的な考え方、現在の国際情勢に対する分析、そういうものを詳しく局長から伺いたいと思うのであります。そういう情勢の中においてこういう法律がどうしても必要であるというその必要性根拠を具体的にわれわれが認識したいと思うので、そういう国際情勢に対する判断、及びそれに対応して行くところの輸出入業者の現在の状態、その中においてこういう法律を出さなければならないという根拠を、ひとつ具体的に示していただきたいと思います。
  15. 牛場信彦

    牛場政府委員 国内独占傾向が強化されて、その一環としてこの輸出入取引法改正が行われるというような点も、確かに一部あるかもしれませんが、私どもはむしろ輸出貿易というものは、ある程度国家全体の利益という観点から盛り立てて行かなければならないものと考えておるのでありまして、この法律目的も、もちろん一つには業界の強化ということもございますが、一方無用な競争によつて国家的に損をするというようなことを防ごうというのが趣旨でございまして、これは必要最小限度の運用で行きたいというふうに考えておる次第であります。国際的に見ました場合に、ただいま輸出競争というものが非常にはげしくなつて参りました。ところがわが国は、御承知通り占領の結果商社というものが非常にたくさんに分解されてしまいまして、これはメーカーについてもある程度同様なことでありますが、資本力も非常に弱く、かつ信用の点においても戦前とは比較にならないほどにされてしまいました。たとえばわが方の競争国であるイギリスなどを見ましても、むしろますます統制経済傾向が出ておりまして、商社間の競争というようなものも、これは何も法律によつているわけではないのでありますが、昔から自制されておる。たとえば日本に来ておりますいろいろな輸入商社を見てみまして、決してその間に無用の競争はしないで、むしろお互いに以心伝心のうちに話合つて、彼らの利益を守るような手段をとつて来ておるわけでありまして、これに対抗するには、わが方で全然野放しにしておきますときには、どうしても立場が弱くなりますので、こういう場合に、もちろん一方におきまして業界整理と申しますか、業者の統合というようなことも促進はいたしておるのでありますが、それと並びまして、こういう措置を可能ならしめることによつて海外との間の輸出入取引の際におきまして平等な立場をとれるようにしようというのがこの法律趣旨であると考えております。
  16. 永井勝次郎

    永井委員 私はこの委員会において最初から大臣にもたびたび質問をいたして参つたのでありますが、今後の国際情勢海外市場獲得戦である。貿易競争が一層強化される情勢の中で、不正な戦争によつて破壊された国内産業構造の中で、自由経済原則の上にそういうものを打立てておいて、そうして計画経済をやつてつたり、あるいは統制経済をやつておるというような、計画的な経済操作競争相手に、自由経済基盤でこういうような資本中心一つカルテルをやつて立ち向つて行くという結果がどういう結果になるかということは、私はここで議論の余地がないと考えます。ただいまの局長お話によりましても、各国統制が漸次強化される方向にある。しかるに日本経済自由経済方向に一層強化しようとしておる。そうしてこういう部分だけ何かカルテル方式によつて資本中心利益擁護をはかつて行く。こういうことで競争に立向つて行けるとお考えになるのかどうか。そうして大資本中心にして中小産業を圧殺して行くという方向が、相当ニヒリスト的な一つの性格が、この法案の中に盛られておると私は考えるのでありますが、この点に対して局長の御意見を承りたいと思うのであります。自由主義経済基盤の中でこういう方式によつて十分に競争相手に立向つて行けるかどうか、そうしてこの中で中小産業を圧殺して行くという方向が打出されて来ると思うが、これに対する局長の御意見を承りたいと思います。
  17. 牛場信彦

    牛場政府委員 私どもこの法律案を立案いたしますときには、大資本といいますよりは、むしろ中小輸出業者利益を保護しようという点に重点を置いておつた次第でありまして、大きな業者は何もこういうことをしなくても一人でやれるわけでありますが、何分貿易というのは、ある程度の貸本がないとうまくできない商売でもありまして、中小業者にとりましては、こういう協定によつて弱い力を集めて強くするということは、非常に有効なことではないかと考える次第であります。また自由競争統制経済の問題は、私がここで申し上げるには準備もないわけでありますが、とにかくこの法律をつくることによりまして、日本貿易にとりまして、たとえば値段を不当につり上げるというようなことはもちろん考えておらないのであります。われわれといたしまして、結局におきましてよい品物を安くつくるということが貿易振興の一番の前提であることは申すまでもない。日本としてやはり自由競争ということは必要なことじやないかというふうに考える次第であります。
  18. 永井勝次郎

    永井委員 お話によると何のことだからよつと首尾一貫しない御答弁のようでありますが、何と申しましても、峻厳な競争に対応いたしますためには、国内産業合理化基盤が飛躍的に促進されなければならないと思うのであります。ところがこういう形で参りますと、産業合理化の名において中小企業が見殺しにされて行くことはいなめない事実だと思うのであります。局長中小企業を助けて行くのだというのですけれども、この合理化の問題と中小企業——既存の各業態を守りながらコストを引下げて国際競争で打勝つて行く条件は何か、一体具体的にどういう方法でおやりになるのか、これをひとつ伺いたい。
  19. 牛場信彦

    牛場政府委員 この法律は主として輸出に出て行く出口のことを扱つておる法律でありまして、この出品が従来非常に乱雑であつて、そこに無用な競争がありましたために、国内製造業者から見まして、たとえば自分のつくつたものが知らない間に非常に安売りをされておるというようなことから、企業安定性を欠くという事態が今まで相当起つてつたことは御承知通りであります。従いまして、こういうような法律によりましてその出口整理して、製造業者にとりましても、自分のつくる物が、どういう径路をたどつて、どれくらいの値段で売れて行くかということについて、はつきりした認識を持つようになりますれば、これはまたそれを基礎として企業合理化が進むということができるようになつて来ると思うのであります。国際情勢などにつきましても、従来はとかく盲でやつてつたということがあるのであります。こういう協定なり組合なりができますれば、その力を利用して海外の市況なども十分調査する力もできて来るわけでありまして、それをさらに国内生産業者に反映させることができますれば、ここで企業合理化などを行うにつきましても、一つのはつきりした目安というものが出て来るのではないか、そういう意味におきまして、これは決して国内合理化に反対の方向に行くような趣旨ではないと考えております。
  20. 永井勝次郎

    永井委員 出入口整理をするのだと言いますが、まあこの法案だけは出入口整理であります。ぽつんぽつんと、金融はこうだ、税金はこうだ、産業構造はこうだ、独禁法はほかの委員会にかかつておる、ある一部のいろいろなものは大蔵委員会にかかつておる、ばらばらな形でいろいろ出て来て、そうしてその部門々々においては、これは出入口整理だと言いますが、出入口整理だけということは、経済全体の総合的な一つの運営から申しますとないのでありまして、全体的な一つの動きの中で、それぞれの出入口、あるいは金融、あるいは税金、あるいは生産、あるいは労働、あるいは資本、こういうふうに部門的に動くのでありまして、これは全体的な一つの視野から、この出入口操作でいいかどうかという判断を持たなければならないとわれわれは考えるのであります。その意味においてこういう出入口整理、すなわち国家のためだ、国の産業のためだ、こういうことで、たとえば肥料の面におきましても、国内の農民には一儀九百五十円内外という高い価格を押しつけ、輸出の面においては六百十五円内外というような、こういう価格を打出しておいて、そうしてこれは二百万トン生産のうちの五十万トンが輸出であるにかかわらず、この五十万トンのために百五十万トンに全部犠牲をしいるというようなことを押しつけて来がちであります。今後国際市場において競争が激甚になればなるほど、この出入口操作を通して国内産業をにらみつけて行くという一つの迫力を持つて参りますことは、私はここで議論するまでもないことと思うのであります。そういう意味において、この出入口は非常に重視しなければならないものであります。そこで局長は、この法案自体からこの出入口に立つて産業のヒンターランドを展望して、この出入口からどういう産業をこの構想の中に持つておられるか、国内産業にまでいろいろ協定や何かが押しつけられるわけでありますから、それを伺つてみたいのであります。
  21. 牛場信彦

    牛場政府委員 国内における製造業者ないしは販売業者との協定を認めるという場合は、これはここにございますように、第五条の第三号及び第四号の場合に限られておるわけであります。つまり仕向地に対する競争が制限されておる対抗カルテルとなる場合、もう一つは新市場開拓というような場合というようになつて来るわけでありまして、そういう場合にはどいう品物についてこれを認めるかということは、現在ではやはり鉄鋼でありますとか重機械というようなものについて考えておる次第であります。こういうものにつきましては、従来は、日本の実情を申しますと、非常にメーカーの力が強かつたわけでありまして、輸出業者はほとんど発言権がなかつたのでありますが、今回協定を認めることによりまして、輸出業者立場も強化いたしました。ほんとうに国際価格というものが何であるかということを十分メーカーにも認識させまして、それを目標にして企業合理化をやつてもらうということになるのだろうと思うのであります。もちろんそれは多くのもののうちの一つにすぎないので、いろいろほかの事情もあると思いますが、とにかく海外市場、世界のマーケツトの値段というものを常に目標にして、そこべ到達するようにやつて行くのが非常に重要な一つの標準じやないかと考えます。
  22. 永井勝次郎

    永井委員 この法案を通して具体的に現われて来る面としては、たとえば品質に対するいろいろな強制力等も生れて来るのでありますか、これを伺いたいと思います。
  23. 牛場信彦

    牛場政府委員 品質協定の対象になつておりますし、また品質に関して組合組合の守るべき事項を定めることができるようになつております。
  24. 永井勝次郎

    永井委員 この法案が通過してこれが運用される場合、この法を適用しようと予定しておる具体的な業種、及び品質協定をやるとすれば、それを具体的にひとつお示しを願いたい。
  25. 牛場信彦

    牛場政府委員 輸出組合の方だけについて申し上げますと、現在まで三十四輸出組合ができておりまして、大体このくらいで打切りになると思います。これはおそらく輸出のほとんど全部の分野を包含しておりまして、われわれは初め組合が濫立することを非常におそれておつたのでありますが、そういうような状況は今のところ一応納まつておるようであります。品質協定につきましては、ただいまのところ私、どもこの業種についてというはつきりした予想を持つておりません。輸出品検査等について特別の措置をとつておりますことは、御承知通りであります。
  26. 永井勝次郎

    永井委員 輸入組合の場合は。
  27. 牛場信彦

    牛場政府委員 輸入の方は大体におきまして協定で行きたいと思つております。どういう品物について組合を認めるかということは、政令できめることになつておりまして、現在業界の方でもいろいろ話はいたしおりますが、まだどういう品物についてというはつきりした方針はきめておりません。
  28. 永井勝次郎

    永井委員 輸入の場合、これは国内産業を守るためだ、あるいはある場合においてはこれは国内産業合理化を刺激し促進するためだ、こういうようなことで、輸入許可のいろいろな基準というものがそれぞれの場合それぞれの条件で異なり、一定原則がないようです。何か勘でものをやつておるようなふうにわれわれには外から見られるのでありますが、一体現在輸入の場合において、いろいろな国内産業の育成というようなものとにらみ合して、どういうような基準でおやりになつておられるのか、原則的な一つ基準をお示し願いたい。
  29. 牛場信彦

    牛場政府委員 いろいろ品物がございますので、大別して申し上げるよりほかないと思いますが、原則としてはもちろんできるだけ安く買うということに尽きるわけでありまして、それにプラス協定の遂行のため、ある場合には少し高いものでも買わなければならないし、そういう場合に輸入業者協定を認めようというのが七条の二に書いてあるわけであります。一般的な基準と申しますと、主として問題になりますのはおそらく輸出品の原材料であると思うのでありまして、たとえば綿花であるとかパルプであるとか、そういうものが一番問題になると思います。これについては現在のところ、輸出を促進する建前からいたしまして、輸出との間にある程度のリンク制を行つております。そのパーセンテージが最近相当高くなつて来ておるような状況であります。それ以外のものにつきましては、大体設備に応じて割当てるというやり方にいたしております。しかし設備の濫立等の危険性があります場合には、ある程度新設の設備については割当を低くするというような手段をとつておるのであります。さらにもう一つはいわゆる自動承認制という範疇に属するものでありますが、これにつきましては、一定限度はありますが、需要家であると仲介業者であるとを問わず、だれでも輸入ができるという建前をとつております。
  30. 永井勝次郎

    永井委員 話がここへ来ましたので、これに関連してお尋ねするのでありますが、今紙の輸入が問題になつておると思うのでありますが、これは局長の所管かどうかわかりませんが、関税を相当引下げて輸入をする、こういうことになりますと、国内価格より大分安いのが入つて来る。一つの一貫した政策があつて、それによつて国際競争に打ち勝つより合理化を促進するというような目的であれば、それはまたけつこうなのでありますが、従来一〇%の関税であつたものを五%に切り下げるということが今問題になつているわけであります。これはどういろ目的で取扱うのですか。
  31. 牛場信彦

    牛場政府委員 おそらく新聞紙の輸入のことだと存じますが、これは大体毎年同じ問題を繰返して参つたのでありまして、新聞社の方ではぜひ入れてもらいたいというお話、片一方紙のメーカーの方では入れる必要はないというような話が続いておりまして、ここ一年ぐらいは国内の紙で大体まかなうるということで治まつてつたのでありますが、最近また紙の事情がきゆうくつになつたというところから生じて来た問題だと存じます。国内値段が非常に高いような場合にも、同じような問題が起る可能性があるのでありまして、これを入れるか入れないかということはやはりその現実の場合に即して十分研究してみないと、一概には申せないと存ずるのであります。紙は輸出の原材料ではないわけでありますから、そういう点から言えば輸入必要性はそう多くないとも言えますし、また一方ほんとうに足りない場合には、入れなければならないという事情もあると思います。現在の問題は、私はなはだうつかりしておりまして、実はまだ十分研究いたしておりませんので、いずれもう少し具体化いたしましてからお答え申し上げることにいたしたいと思います。
  32. 永井勝次郎

    永井委員 外紙は千六百万ポンド輸入しよう、とりあえず八百万ポンド輸入しようという問題でありますが、これはあとの問題といたしまして、取引において、何が公正であり何が不公正であるかというような判断は、どういう基準で、だれがどこでやるのですか。
  33. 牛場信彦

    牛場政府委員 この法律における不公正な輸出取引という意味でございましたら、改正案には出ておらないかもしれませんが、現行法の第二条にあろのであります。
  34. 大西禎夫

    大西委員長 中崎敏君。
  35. 中崎敏

    ○中崎委員 最初議事進行について発言いたします。本法案独禁法に重大な関係を持つております。独禁法の審議の状況、またこれがどういうふうに見通しがつくのか、それを委員長において至急お取調べ願つて、これと並行的に審議を進めて行きたいと思います。その点御了承願いたいと思います。  質問に移りますが、ただいま申し上げますように、本改正法案というものは、相当大幅な自由主義の上における自由取引の制限になると思うのであります。法律案の提案理由の中の第五項に、輸出取引または輸入取引における業者協定または組合員の遵守すべき事項をもつてしては実効を期しがたい場合には、通商産業省令により、輸出業者または輸入業者の遵守すべき事項を定め、または通商産業大臣承認を受けるべき義務を課し得るものとすとあります。この基本となるものは、まず業者協定ないしは組合の規約に基いて遵守すべき一定の事項がきめられると思うのです。それでなおかつ十分でないと思うときに、通商産業大臣の命令によつて必要な遵守すべき事項が定められるということになる。そうしますと、きわめて広汎な白紙委任みたいな形になる。言いかえれば、通産大臣輸出入業者協定並びに組合について、相当広汎な、一つの強い力を持つようになる。そうすると、白紙委任にひとしいようなことが実施されるようなことになるのではないかと思うのであります。これはむしろ業者協定もしくは組合の規約によつて、どこまでも自発的にやらすべきであつて、場合によれば組合そのものは勧告することができるということは、まあ最大限度つても、直接大臣がこれに一々指令まで出して、命令を遵守さすというふうな省令をつくつて、そういう運用をするということは行き過ぎだと思うのですが、その点どうでしようか。
  36. 牛場信彦

    牛場政府委員 この規定は、法律案で申しますと、第十九条の七及び第十九条の八というところに出ておるわけでありまして、これはいわゆるアウト・サイダーに対する規定になるわけであります。それでただいまおつしやいました通り、これは相当広汎な事項にわたりますので、この規定の発動します時期につきましては、十分慎重に考慮して行かなければならないと思うのであります。しかしながら実際問題といたしまして、今まで輸出組合ができてもあまり効果が上らないという裏には、やはり相当有力なアウト・サイダーというものがありまして、組合に加入しないで、組合できめたことに拘束されないで取引をしておる。それが国全体の利益から見ました場合には、あまりおもしろくないような場合も相当認められるのであります。そういう場合には通商産業大臣が、これは組合の規約とか、ないしは協定の条項に、必ずしもそのまま採用するという意味ではないのでありまして、通商産業大臣としての独自の見地から、輸出秩序の確立のために必要を認めた場合に命令を出す、あるいは通商産業大臣承認を受けるべきことを命ずるということになつておるわけであります。この命令を出す場合には、もちろん公正取引委員会とも協議をいたした上で出すことになつておりまして、運用にあたりましては十分に注意をいたして、ただいま申されたような弊害の起らぬ事うにいたしたいと思いますが、やはわこういう規定を置いておくことは、現状においては必要であると考えております。
  37. 中崎敏

    ○中崎委員 実は私が心配しておるのは、そうでなくても通商局を中心として、いわゆる貿易の運用について幾多の好ましからざる問題が起つておる。この問題は先般通産大臣にも御忠告をしたのでありますが、なおかつその上に大きな権限を与えるということは、ますます悪い面を助長するような結果になることをおそれておる。戦争中に統制組合というものがあつたのでありますが、その場合においても、アウト・サイダーに対しては、組合自身が自主的に一つの決定をして、その決定に基いて運用されておつた程度のものであります。今日のごとく組合員そのものを無視して、当局が一方的にいろいろな省令や命令が出されるということは、どうも行き過ぎだというふうな感じが非常に強いのです。であるから、組合をつくるからには、どこまでも自主的なものをつくつていただきたい。そして組合が定款によつて必要な事項の承認を得て行けばいいのだから、そういう間接的な監督で私は十分だと思う。だからそういう意味において、これは明らかに行き過ぎだと私は思つておるのですが、この点について当局としては考慮される御意思があるのかどうか。この点をお聞きいたしたいのであります。
  38. 牛場信彦

    牛場政府委員 戦前の統制は、ただいまおつしやいましたようにアウト・サイダーに対しても、場合によつて統制権を及ぼすということをやつてつたわけでありますが、これは非常に強い国家権力を組合に与えるということになりまして、取引の自由を束縛するという意味から見ますと行き過ぎであるという観点が非常に強いわけであります。これは独禁法立場からいいましても、またそれを離れて、一般的に国際関係に与える影響などから見ましても、組合国家的な権力を与えてアウト・サイダーを規制させるということは、現状ではむずかしいだろうと思います。そこでこういう規定にいたさざるを得なかつたわけでありますが、これにつきましては、こういう規定を置くことによつて、大体組合自身を強化するような方向に行きやすいと思うのでありまして、アウト・サイダーもだんだん組合に加入するというような機運をつくつてつて、なるべくそちらの方で参りまして、ほんとうにやむを得ない場合だけ国家が乗り出すというふうに運用して行きたいと思つております。
  39. 中崎敏

    ○中崎委員 いつも国会における答弁はそういうふうなことです。ところがいよいよ法律ができてこれが運用されるにあたつては、まるきり国会を無視される結果になつて来て、そのまま行われることはまずないといつてもいい状態であります。それでありますから、官僚に武器を与えることは、気違いに刃物を与えるのと同じだと申し上げておきます。そこで実際において官僚統制というものは失敗である。こういうことは今日までの長い国民経済を通してのはつきりした骨格であろうと思うのです。今後かりに統制をやらなければならぬ場合ができて来たとするならば、これは当然業者の自主的な統制にまつべきものであると私は信じておるのでありますが、そういう方向にさおさすとすれば、これは明らかに時代逆行をやつて、今後は失敗をより大きくして行くものだと考えておるのです。この点については、あなたの方では提案者の立場から賛成できぬと言われるかもしれぬが、一応問題を保留して次に移りたいと思うのであります。  そこでこの法案の内容をちよつと見たところでは、いわゆる物資だけを対象にしてあるようでありますが、技術というようなものについて、どういうように扱うつもりであるか。これについても同じような扱いをするものであるか、この点をひとつ伺いたい。
  40. 牛場信彦

    牛場政府委員 独立の技術の輸出入ということは、この法案においては考えていないわけでありますが、機械類の輸出などに伴いまして、ある程度の技術が提供されあるいは提供を受けて、それが輸出入のコストの中に入つて来るという場合には、これは間接的にはやはり対象になる場合があると思います。
  41. 中崎敏

    ○中崎委員 と申しますのは、たとえばこの法案の対象は、単なる輸出入業者だけでなしに、メーカーも当然協定をなし得る態勢の中に入つて来る。そうするとメーカーがお互い同士で協定し合つて技術の導入をする、こういうふうな場合を考えて、そういう場合にもこうした組合的なもの、あるいは協定的なものがその範畴に入るものかどうかということを聞いておるのです。
  42. 牛場信彦

    牛場政府委員 それはこれには入らないことになつております。
  43. 中崎敏

    ○中崎委員 次に移りますが、輸入組合ないし業者協定を認める必要というものは、輸出の場合にははるかにその必要性が少いと私は考えておるのであります。そこで要綱の説明によりますと、通商協定等の関係から割高な物資を輸入しなければならぬというふうな必要性がある場合において、こういう協定を認めるのだというふうに解釈されておるのでありますが、割高な物資というようなものは一体どういうふうなことを意味するのか。現在においても割高な物資というものは国際協定においてもあるかもしれませんが、ここに言つておる、特に高く輸入するということはあり得ないと思うのです。そういうことが一つ。そのほかに、この輸入組合なり輸入協定を認めなければならぬという大きな理由があるのかどうか。これをひとつお聞きしたい。
  44. 牛場信彦

    牛場政府委員 輸入協定なり輸入組合の実際の必要性は、輸出の場合には少いであろうということは、まつたく御指摘の通りであります。従いまして、私ども組合をつくる場合には、最小限度にとどめたい。協定につきましても、第七条の二にあるのでありますが、この条件を相当厳格に見て行きたいと考えております。  国際協定の結果割高のものをとらなければならない場合でありますが、これは終戦後世界的に経済の非常にアンバランスの場合にしばしば起つたことでありますが、最近ではそういう事例が割合に少くなつて来ておることは事実であります。しかしながら、たとえばパキスタンの綿花でありますとか、アルゼンチンあたりの小麦につきましては、現在でも少しそういう傾向があるのでありますが、これは見返りにこちらの輸出が出て行くという観点から、ある程度高いものを買う、あるいは品質の違つたものも買うということになるのであります。そういう場合には、やはり組合ないし協定によつてつた方が便利な場合があるのではないかと考えられるわけであります。また仏領アフリカから来ます燐鉱石につきましても、やはりそういうような事例があるわけであります。それ以外には買付地におきまして、向う側が一手専売のようなことをやつておる、たとえばタイの米でありますとか、あるいはドイツあたりのカリ肥料などは、向うは一手で販売しておるわけであります。そういう場合に、こちらがたくさんにわかれておるよりも、協定をつくつて一本化して行つた方が有利に買いつけられるというふうな場合が考えられるわけであります。
  45. 中崎敏

    ○中崎委員 この輸入の場合においてでありますが、今は業者のある程度の競争によつて割合に安く買いつけられておる。それから需要家の方も安い方を求めておる。そして輸入許可関係があつて、顔のきいたところは割合安く輸入できるということも聞いておりますが、それでなしに同じような条件であるならば、やはり安い方へオフアーする。そうして片一方においてマージン等は非常に勉強して輸入しておる。従つて現在においては、国内の物資利用の立場から言えば、輸入業者は公正に割合に安いものを輸入しておる。ところが組合などを通じてやると、あるいは協定をつくつてやると、マージンの競争がないから、かえつてマージンを高くとられて、需要者は泣く泣く高いものを買わざるを得ない。言いかえれば、輸入価格が上るのではないかというふうな心配さえ出て来るわけです。これは何といつても、いわゆる自由競争のよさというもの、安く手に入るという妙味は、確かに輸入の場合には厳存しておる。それをことさら輸入の場合にこういう組合あるいは協定をつくらなければならぬという趣旨は、たとえば米のごとき、あるいは小麦のごとき、特定のものであるというふうに考えておるのでありますが、輸入の場合に限つて業種はきわめて制限する。しかもこれは政令によつてその業種を指定するということがあるのだから、私はむしろこれを法律にはつきり書いておく方がいいと思う。元の通り別表に書くべきです。というのは国際的な状況において著しく不利益を来す場合というのは、瞬間的にきまるのではない。諸外国、内外情勢に応じてある程度の期間に予見し得るものだ。だからこれは業者の話合いによつて、かつてほうだいにやられるということは、輸出の場合には必要を認めない。そういう意味合いにおいて、ことに国会は最近は年がら年中あるのだから、政令によつて一方的に業種を決定するということには賛成できない。であるから、まず第一に、輸入の場合の業種の指定については、どういうものとどういうものとをまずやるのだという案を、あなたの方から出していただいて、そうして今度は、その上に予見し得る範囲において、さらに追加するものがあるのかないのかということも考えて、そうしてこれは審議すべきものだと思う。そこで第一に聞きたいのは輸入の場合には今みたいな特定のごく限られた少数のものでいいと思うが、どうか。そしてもしその少数のものであるとすれば、どういうようなものを今考えておられるかどうか、具体的にひとつ示してもらいたい。
  46. 牛場信彦

    牛場政府委員 輸入につきましてはある程度自由競争が必要である。それによつて安いものが買えるということはまことにお説の通りでありまして、私どもそういうふうな状況の存在する場合には、もちろんこの協定ないしは組合というものは認めないつもりでおるのであります。この第七条の二の第一号に「国内関係事業者又は一般消費者利益を著しく害し、又は害するおそれがあること。」という場合に限られておるのでありまして、つまり競争の結果むやみに高いものを買うという場合に、これが協定の締結を認めてもいいじやないかという意味でありまして、その場合は御承知通りできるだけ制限して参りたいと考えております。現在協定の対象になるのじやないかと考えておりますのは、くず鉄でありますとか、あるいは米小麦というもの、ないしはカリというものであります。しかしもしこれを法律に書くといたしますと、おそらくそれは相当多数の品目をあげなければならぬことになりまして、将来こういうものは業界整理もついて参り、だんだん専業の輸入業者が出て来るというときにおきましては、協定ないしは組合というものは必要でなくなつて来るという場合が十分考えられるのであります。そういうような場合のことも考えまして、業種指定は政令に譲つた方が適当ではないかというふうに考えております。
  47. 中崎敏

    ○中崎委員 まずこの業種をはつきり明記する場合においては、相当数量が多くなるのじやないか、これはあります。しかしそれは全部国会の方で承認するかどうかは別問題です。いくらお出しになつても、その中でそれだけ必要だというふうにわれわれの方が認めた場合においてこれが採用される。それからもう一つは、あるいは必要がなくなつて来る場合、それはあります。その場合にはまた組合が自発的に活動を停止したらいい、解散したらいい、それをどこまでもやつては悪いという規則はない。でありますから、組合がその必要を認めない場合、あるいは当局が必要と認めないという場合において、監督権をどういうふうに行使するかという問題、これは法規の上にはつきりしておいていい、でありますから、その意味において輸出輸入の場合において著しく趣きが違う。それをいかに対処するかという腹構えをもう少しはつきりして、この法案審議の過程において明らかにしてもらいたいということがこの一つなのであります。  それからこの公正取引委員会、要するにこれは独禁法趣旨を著しく侵すといいますか、一つの例外規定とでも言うのですか、そういうことになるのでありますから、勢い公正なる事業の取引を制限するのは必要であります。それは国家目的があるのは当然のことでしようが、その際において公正取引委員会意見は当然聞くことになると思うのですが、かりに公正取引委員会意見と一致しなかつた、こういうふうな場合においては一体どうなるか、そうしてまた公正取引委員会意見を聞くのは、私は法案を全部読んでおりませんからちよつとわかりにくいのですが、どの範囲において公正取引委員会意見を聞かれるのか、それをちよつとお聞きしたい。
  48. 牛場信彦

    牛場政府委員 ただいまの点は、第二十一条にあるのでありまして、これは協定を認可する場合、組合を認可する場合、組合員の遵守すべき事項を認可する場合、この場合には公正取引委員会の同意を得なければならないこととなつておりまして、同意を得られない場合には認可ができないことになつております。
  49. 中崎敏

    ○中崎委員 今度独禁法改正案によれば、多分通産大臣が公正取引委員長の上に優先するのだというふうな一項が挿入されるように私は感じておるのですが、そういうことになると一体これはどうなりますか。どういう事項について優先するのかこれはまだはつきりしないのですが、いずれにしても通産大臣が公取委員長の上に行く場合が今度の案にあるのです。そうするとこれが一体どういうふうになるのか、ちよつと問題なんですが、この点ひとつ研究してもらいたいと思います。
  50. 大西禎夫

    大西委員長 それでは次に川上貫一君。
  51. 川上貫一

    ○川上委員 前の委員会が資料を要求してリストを出してもらつたのですか、ところがあれはリストじやない。あれはリストのうちの解除品貝だけ出している。これを私は要求したのじやない。あのリストのもとを出してもらいたい。これはどうですか。
  52. 牛場信彦

    牛場政府委員 お出しいたしましたリストは御説の通り輸出貿易管理令別表第一」というので、この中には戦略物資以外のものがたくさん入つておりまして、従いまして「Cの記号を付する品目」という別の一枚の紙をお渡ししたと思います。これがいわゆる戦略物資であります。そして戦略物資といいましてもその範囲が広いので、そのうちでどういうものについて今まで解除いたし輸出を解禁したかということが、さらにほかの二枚の紙に書いてあるわけでありまして、このもとになるリストというのはないのであります。アメリカのセキユリテイー・リストというのはどうかというこの前御質問がございましたが、これはアメリカ政府でも極秘にいたしておりますリストでありまして、私どもも片鱗を示されているだけで、全部は承知しておらない状況であります。
  53. 川上貫一

    ○川上委員 そうするとAリスト解除品目とあるのでありますが、そのAリストはどうですか。出て来ました書類にAリストの解除品目を書いたのがあるが、このAリストというものがほしい。
  54. 牛場信彦

    牛場政府委員 Aリストというのはここには別に書いてないと思います。そういうリストは実はないのです。ただ「中共向解除品目」ということが書いてあるだけです。
  55. 川上貫一

    ○川上委員 通産省通商局から、昭和二十八年六月九日に出た書類がある。これにはAリスト解除品目と書いてある。このAリストというものがないのにAリスト解除品目というのはどういうのですか。
  56. 牛場信彦

    牛場政府委員 Aリストというのは実際はないのです。私は全然…。Cリストという例があるからあるいはAリストがあるかもしれないとお考えかもしれませんがCはコントロールのCをとつたのでありまして、ABCのCではないのであります。
  57. 川上貫一

    ○川上委員 そうすればリストというものはないのですか。
  58. 牛場信彦

    牛場政府委員 公式には「一輸出貿易管理令別表第一」というリストだけであります。
  59. 川上貫一

    ○川上委員 非公式の分があるのですか。
  60. 牛場信彦

    牛場政府委員 公式と申しましたのは政令に付属して出ているリストという意味でありまして、ほかに出しましたこの三つのものは、これはその範囲内で役所でもつて行政的に執務の参考として出しておるものでありまして、公式と申しました意味は、言葉が悪かつたのでありますが、要するに政令に付属するリストというのはこれだけであります。
  61. 川上貫一

    ○川上委員 そうするとAリスト解除品目というのは、これは何なんですか。これは通産省通商局から出ているので、あなたお知りにたらぬにずはない。このプリントは昭和二十六年六月九日付のものです。雑貨関係、化学製品関係鉄鋼機械関係、電熱器、それから電気器具、写真器部品及附属品、ての他が解除品目に書いてある。それをAリスト解除品目と書いてある。
  62. 牛場信彦

    牛場政府委員 どうも私はそのAリストの存在を知らないのであります。おそらく先ほど提出いたしました解除品目の表二つをまとめたようなものじやないかと思います。
  63. 川上貫一

    ○川上委員 そうなるとどうもわからなくなつて来ます。そうすると解除品目というのはそこにお持ちになつている、今出されたその一枚の紙ですか。そのリストですか。
  64. 牛場信彦

    牛場政府委員 この輸出の仕組は、この輸出貿易管理令別表第一という紙に載つております品物については、全部通産大臣承認を受けるということになつております。従いまして、たとえば鉄及び非鉄金属、石炭、鉱石その他ということになりますと、これに関係したものは全部承認を受けに持つて来いということになるわけでありますが、そのうちでどの程度のものが中共向けに許されるかということにつきましては、別途解除品目を明らかにいたしまして、この程度のものは許されるのだということを発表しているわけであります。
  65. 川上貫一

    ○川上委員 そのものにはリストという名前がついておりますか。
  66. 牛場信彦

    牛場政府委員 解除品目の方は別にリストという名前はつけておりません。
  67. 川上貫一

    ○川上委員 そうでない、もとの……。
  68. 牛場信彦

    牛場政府委員 もとは輸出貿易管理令別表第一ということになつております。
  69. 川上貫一

    ○川上委員 それは別表でしよう。
  70. 牛場信彦

    牛場政府委員 ええ。
  71. 川上貫一

    ○川上委員 それはどうしてリスト——解除品目というのか。
  72. 牛場信彦

    牛場政府委員 これはもしそういうことを妻類に書いてあるとすれば、表ということを英語に訳して言つたのだろうと思います。別にそれ以外にAリストというものはないのであります。
  73. 川上貫一

    ○川上委員 そんなはずはない、あるのです。あるのを全部隠しておるのです。これはどうしても政府は言わないのですけれども、これははつきりあると言うたらどうです。  それからセキユリテイー・リストというのはアメリカの方にあると言われるのですが、そのセキユリテイー・リストをもとにして中国なり、ソ同盟に対する貿易を許したり、許さなかつたりしておられるのでしよう。
  74. 牛場信彦

    牛場政府委員 アメリカ政府はもちろんそれによつてつておるわけでありますが、私どもの方は大体その全貌も承知いたしませんし、パリにおける審議などの過程におきまして、これはセキユリテイー・リストに載つておるのだというようなことをアメリカが申したこともございますが、それは決して私ども輸出承認をいたします場合の基礎にはいたしておらないのであります。
  75. 川上貫一

    ○川上委員 しかしそれははつきりせぬと——貿易許可する場合には一つずつそのたびごとにアメリカに聞くんでしよう。
  76. 牛場信彦

    牛場政府委員 いやそういうことはないのでありまして、あくまでもパリにおきまする話合いの結果に基いてやつておるわけであります。もちろんアメリカも入つております。それ以外にアメリカに直接聞いておるということはないのであります。
  77. 川上貫一

    ○川上委員 これはどうしても合点が行きませんがね。そうすると、アメリカと政府はどこかで相談したというのですが、その相談が国民生活を拘束する基礎になつている。つまり中国共産圏との貿易をとめるという日本法律は今ない。通産大臣輸出入許可をするという法律はあります、ところが岡崎大臣でも、通産大臣でも、中国並びに共産圏との貿易はなかなかできねとか、とめておるとか言うておるのです。そうすると、アメリカにも相談せぬ。日本には法律がないのです。そうすると、通産大臣が頭の中でかつてに共産圏だけはとめたり、やつたりすることになるのですが、これはどういうことになるのですか。
  78. 牛場信彦

    牛場政府委員 この点につきましては、この前ここで岡野大臣から御答弁申し上げたのですが、要するに平和条約に基きまする国連協力の関係からして、日本は列国と協力してやつて行くという建前でやつておるわけでありまして、もちろんパリで話をしますことは、国際協定とか、そういう範疇のものではないのでありますが、行政的に当然列国と話合いのできる範囲内でやつております。従いまして、それに基きまして日本は、私ども輸出承認の事務を取扱つておるわけであります。
  79. 川上貫一

    ○川上委員 これはそうじやないのです。私の言うのはいくら相談なさつても、この相談というものは国民の経済生活を拘束する基礎にならぬということを言つておるのです。  それからアメリカの経済援助を現在受けておりません。従つてバトル法の適用を日本は受けますという法律にはなつておらぬ。それから国際信義国際信義と言われますが、国際信義で日本経済活動、産業人の貿易活動をとめようと思つたら、国内法がなければとめられない。法的基礎がないらしいのです。そうすると通産大臣がかつてに中共貿易をとめているのかということを聞いているのです。その基礎は何か、それを国際信義と言う。これはばかげている。これを信義とか、道徳とか言うのは政府がかつて言つているのです。これは日本の国民の経済生活を拘束する基礎にならぬということを言つているのです。この点はどうなるのかという質問なんです。
  80. 牛場信彦

    牛場政府委員 もちろん先ほど申しましたように、ハリで話しておりますことは、非公式な国際会議でありまして、正式のものではありません。しかしながらそういうような段階の事柄で列国の間で話会つて行くということは、ほかにもずいぶん例が多いわけでありまして、たとえば日本が結んでおります貿易協定につきましても、これも日本経済生活をある程度拘束する意味を持つております。これはしかし外務省の許されております行政的措置一つとしてやつておりまして、国会の御承認まではあげておらないことはあるのであります。そういうようなここはほかにも相当例が多いと思うのであります。これもその一つであります。貿易協定などは少し程度が低い問題でありますけれども、とにかく列国で話合つてつて行こうといろ約束をいたしてやつているわでありますから、これはやはり遵守して行くのが日本としては当然でないかと考えます。
  81. 川上貫一

    ○川上委員 ちよつと時間をとりまして、ほかの同僚委員に済みませんが、どうもおかしいですな。協定というものを結んだら、これは結局国会の承認を求めなければならぬということを言われましたが、今求めておらぬが、少くとも協定を結んでいる以上は、政府政府が正式に公の機関で約束をしているのです。ところがどこかわけのわから庭ところで相談をしたと言つているか、どこでたれが相談したものやら、どういう資格で政府が相談したものやら、国民はたれも知らないのです。こういうものは国民を拘束する基礎にならぬじやないかということを言うのです。ところがそういうものを基礎にして中共貿易をとめているのだから、これは基礎のないのに通産大臣がかつてにやつているのだ、どうも悪い言葉で言えば不都合きわまることをやつているのではないか、この疑問が国民全体にあるわけです。こういう法的基礎、こういう法律関係でやつているのだということをはつきり知らしてもらいたい。この質問に対して道義とか何とか言うんじや権利義務の関係にならぬ。これはどうなんです。
  82. 牛場信彦

    牛場政府委員 どうも何度も同じことを申し上げる……。
  83. 川上貫一

    ○川上委員 いや、それは悪いなら悪いとはつきり言つてもらえばいい。ごまかす必要はない。
  84. 牛場信彦

    牛場政府委員 もし法律的基礎ということになりますれば、平和条約あるいは国連協力というところまで行かなければならないと思います。しかしそれを実施する段階におきまして列国との間で共同に話をするということは、これは国連協力の精神に沿つて行く限りは当然やつていいことでありますし、それがたとい国際協定というようなはつきわした形をとらなくても、外交的に二国か三国間で協定をすることは当然であります。その一つやり方としてこういうことを行つていると思います。
  85. 川上貫一

    ○川上委員 ちよつと違いますから、妙な答弁をしないで。約束してないんです、協定も何もしてないんです。相談したとか何とか井戸端会議みたいなものです。それであなた国民の経済生活を拘束しているんでしよう。その基礎は何かということです。
  86. 中崎敏

    ○中崎委員 関連質問……。この間中共に対する輸出品目を解除したリストといいますか、紙をもらいましたが、これはどこできめられたのですか。  それからもう一つ、国連協力と言われるのですが、英国あるいはそのほかの隣接の、国連に協力の側にある隣国が、たとえば中共なり、ソ連なりに輸出する品目並びにその実績と、日本の今度解除されたリストと、現在輸出を認められる範囲のものとは全然同じものであるか、これを聞いておきたい。
  87. 牛場信彦

    牛場政府委員 このリストはもちろん政令できまつておりまして、日本政府がきめたものであります。  それから範囲につきましては、列国ともいろいろでこぼこがありまして、必ずしもみな一致しておらないのでありますが、日本の場合にもイギリスなんかと比べた場合には、ある一、二の品目につきましては、日本の方が厳重であるという状況もあるのであります。
  88. 川上貫一

    ○川上委員 イギリスなんかと違うのです。イギリスは公式に経済援助は受けてある。今度政府はMSA援助を受けようとしておる。これを受けたら、この時分には協約は必ずできなければならぬ。このときにはおそらく共産圏に対する禁輸の問題というものは協約の上で出て来なければならぬ。これはイギリスもやつておる。フランスもやつておる。日本はまだ正式にはやつてはいないのです。そうするとあなたの方が中国の貿易をとめておられる基礎というものは、何かしらぬが自由国家との道徳とか、どこかと相談したとか、こんなものしかない。これが国民の経済生活を拘束する基礎になり得るか、これを聞いておるのです。私はこれでやつておりますかということを聞いておる。それもわかつた、それは道徳でやつておると政府は言うが、そんなものが国民の経済生活を拘束するのならこれは明らかに憲法違反です。ここを私は聞いておる、これはどうなるのです。
  89. 牛場信彦

    牛場政府委員 このパリの会議と申しますのは、これは列国の間で共同歩調をとろうという大きな意味の約束があつてつておることでありまして、それには日本も参加しておりますから、従いまして会議できめることにつきましては、日本はこれを当然受理すべきことになろうと思います。ただ国内的にはどうかといえば、これはまつた輸出貿易管理令でやつておるわけであります。
  90. 川上貫一

    ○川上委員 輸出貿易管理令には、中共に対して輸出をとめるということはないのです。これは繰返して言つておる。共産圏ということはないのです。これを中共にはとめておると言うておるのです。岡崎外務大臣ははつきりと、今でもとめておるのだから、MSAを受けても今と違いはありませんと、こう言うておるのです。通産大臣も正式にこう言うておるのです。管理令ではこの許可権、この権利を通産大臣が持つておることになつておりますけれども、どこを探してみても共産圏にはとめるという項目はないのです。共産圏にだけとめるのけ国際信義だとかなんとか言うが、国内法をつくらずにそんなことができるのかと言うのです。
  91. 牛場信彦

    牛場政府委員 この輸出貿易管理令というのは、外国為替及び外国貿易管理法の基礎でできております。その四十八条二項に「国際収支の均衡の維持並びに外国貿易及び国民経済の健全な発展に必要な範囲をこえてはならない。」しかしその必要な範囲では輸出承認制をしかれてもいいということになつております。それが基礎になつております。
  92. 川上貫一

    ○川上委員 それはわかるのです。わかるが、中共ということをはつきり言うてない。ソ連と言うてない。共産圏ということを言うてないのです。私は解釈的に言いますが、政府の答弁が、中共やソ同盟ということによつて何も差別をしておるのではありません。出すべきものは出し、とめるべきものはとめる、こういうのならちよつとりこうなのです。そう言わぬのです。中共にはとめると言うておる。その法律的基礎はどこにあるのかということを私は聞いておる。貿易管理令ではそういうことは言えぬはずです。中共だろうがどこだろうが、日本立場からどのようにでもやりますというのなら話はわかる。なぜ中共ならということが言えるのですか、根拠がないじやないですか。これを聞いておるのです。
  93. 牛場信彦

    牛場政府委員 この法律にあります「外国貿易及び国民経済の健全な発展に必要な範囲」ということでありますが、これはたとえば日本が無制限に中共と取引をすれば、ほかの国との貿易関係に悪影響を及ぼすかもわからぬわけであります。そういう観点から中共なりあるいはソ連圏というものを、ある程度別扱いをするということは当然できると思います。
  94. 川上貫一

    ○川上委員 外国はそのようなことをしておりません。アメリカのさしずばかり受けて、かつてなことばかりやつているからそんなことを言うのです。そんなぼうつとしたことで国民経済というものは拘束できない。もしもそれをしなければならぬのならもつとはつきりした国内法をつくらなければならぬ。つくつてない。それだからむちやをやる。それだから香港に行くというその旅券までとめたりする。それだから中国との貿易はしやにむに政府はこれをとめる。このさしずはアメリカがしておる。通産大臣はそれさえ知らぬという。よほどのロボツトである。ひもがついておる。リストはちやんとある。これによつてアメリカのお伺いを一々立てて中共の貿易をとめたり、出したりしている。明らかに私はこういうことは政府は——これ以上言わぬけれども。ほんとうに正直に言う方がいいと思う。アメリカの政府ではない。日本の国民の政府なんだ。アメリカの家来と違うのです。ところが実際はアメリカの家来になつてしまつておる。そんなことをするから日本の国民はこれほど苦しんでいるのです。だから官僚と言われる方々でありますが、これは日本人ですから、アメリカ人と違うのだから、私は正直に言つて、まことに困つております。アメリカがむちやなことを押しつけて来てわれわれとしては困つておるけれども通産大臣も困つておるだろうと思つて仕方なしにやつておりますけれども日本人としては残念でありますということははつきりしておる。腹の中は私はそうだろうと思う。私は日本の官吏その他がその精神にならぬ限りはいつまでも日本の独立なんかできません。ここに問題があるのです。だからリストの問題でも、あるのですがなかなか出さぬ。リストはありますと先日言つておる。速記録を見ればわかる。リストはあると言つておる。ところが実際は出さない。ここにごまかしがある。業者その他の人、国民はたいてい知つてつて、これ以上私は言いませんけれども、願わくは委員会だけで言いのがれをしさえすればいいというような根性をやめて、ほんとうに赤裸々な日本国家を、今アメリカにしいたげられてこのようなことになつております、われわれ官吏としてもまことに残念でありますということをはつきり言つてもらいたいのです。こうすれば日本はよくなる。時間をとりましたので私はこれでやめます。
  95. 中崎敏

    ○中崎委員 議事進行ですが、この法案は何しろ重大な法案だと思つております。そこで慎重に審議する必要があると思いますから、直接この法案の実施によつ七影響を受ける輸出入業者、それから公取委員会の方面、それからメーカーの代表的な者といいますか、中小業者、そういう類の者等を適当な範囲から選んでもらつて、公述人としてもらつて、そうして一応の意見を聞くという方法をとつてもらいたいと思う。
  96. 大西禎夫

    大西委員長 この点に関してあとで理事会を開きましてよく御相談いたしたいと思います。
  97. 川上貫一

    ○川上委員 時間をとりませんからもう少しちよつと…。通商局長はそういうものはないないと言つております。これは答弁してもらわぬでもよろしいが、あなたの方の輸出商入等の事務取扱要領というものがある。その事務取扱要領というものの中に、本省の商品輸出担当課は(C)の記号を付した申請書については、通商局輸出課に回送するに当り、別に定めるところに従い(C)に加えて(S)(A)又は(F)の何れかの記号を付する。」と書いてある。これはリストの名前なんです。(A)(S)とある。この記号を付する、これはどれに該当するかということを付するものなんです。局長これを知つておられると思うが、リストがないのじやないのですから、願わくは、きようはけつこうですけれども、明確にされる方が国民の利益になると私は思う。
  98. 牛場信彦

    牛場政府委員 その点よく調べましてまた御答弁いたします。
  99. 中崎敏

    ○中崎委員 ある一部の委員にだけそういつた資料が行つて、それは正しいものかもしれませんが、正しいものかどうか知りません。正しいものとすれば、ある特定委員だけに行つて、われわれに来ていないということは非常に遺憾に思うのです。もしあるとすれば一視同仁に出してもらいたいことをひとつ委員長にお願いします。
  100. 大西禎夫

    大西委員長 それは皆さんに配つてあります。  それでは本件に関しましてはこの程度にいたします。     —————————————
  101. 大西禎夫

    大西委員長 次に特定中小企業の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず提出者より提案理由の説明を求めます。小笠君。     —————————————
  102. 小笠公韶

    小笠公韶君 ただいま議題となりました特定中小企業の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。  去る第十四国会において、中小企業対策の一環として、特定中小企業の安定に関する臨時措置法が制定され、実施に移されたのでありまするが、その施行後の状況にかんがみ、その一部の修正の必要が認められ、去る第十五国会にこれが改正法案提出されたのでありまするが、解散のため成立するに至らなかつたことは御承知通りであります。  本法施行後これが修正を必要といたしましたおもなる点は、まず今日の経済界、特に中小企業界の現状にかんがみまするとき、本法適用の対象としての業種の指定に関する条件としての不況事態の要件を緩和する必要のあつたことでありまして、すなわち、コスト割れによる損失の発生している場合のみならず、そのおそれある場合にも指定し得ることとする必要かあつたことであります。第二の理由といたしましては、調整組合、いわゆる安定の中心的活動主体たる調整組合または同連合会の事業の範囲を拡大することであります。現行法によりますれば、調整組合または連合会は指定業種の製品の主産数量、出荷数量及び生産設備の制限をなし得ることになつておるのでありまするが、これをさらに販売方法、原材料の購入方法の制限並びに販売価格及び原材料の購入価格等についてもその制限を認むるの必要を感ずることであります。また一定条件のもとに価格協定を認むることも必要なのであります。さらに施行後の状況に照しますとき、調整組合の調整事業をして、可及的に機宜の措置をとり得せしむるようにすることの必要を覚えるのでありまして、これがためには行政官庁の認可、その他の手続を可及的に簡素化するとともに、審議会の付議事項等をも整理するの必要を覚えるのであります。  以上が現行法の修正を必要とする主たる理由であつたのでありまして、ここに御審議を煩わさんとする本改正法案は右の要請にこたえますとともに、さらに地方において第十四国会において附帯決議として取上げられました事項、特に調整命令、すなわち現行法第二十九条の命令が出た場合に、その効力のある間に限つて、指定業種に属しておる事業の新規開業について、設備の面からこれを抑制することと、調整組合または同連台会か生産調整を行うために必要な資金を借り入れた場合に、政府は予算の範囲内において年五分を限度として当該資金の借入れにかかわる利子を補給することの二点を附帯決議できめておるのでありますが、この二点を新しく規定いたしたのであります。  さらに、別途審議されておりまする私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の内容をも十分考慮し、これとの均衡をとることにいたしたのであります。すなわち、現行法が二年間の臨時立法でありまするのを恒久法といたしまするとともに、業種指定は法律によることとなつておりまするのを改めて政令によつて指定し得ることとし、もつて法の機動的運用を期することといたしたのであります。  以上が本法案改正の理由及びその主要なる事項であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛同賜わらんことをお願い申し上げます。
  103. 大西禎夫

    大西委員長 本日はこの程度にいたし、次会は明日午後一時より開会いたします。本日はこれにて散会いたします。     午後三時二十五分散会