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長谷井説明員 ただいま御
質問がございました
やみ金融の問題でございますが、これは問題が非常に広い問題でございまして、一応私
どもは
金融法規に関連いたしまして不正の問題、こういうように考えられる業態をつかまえて、通常
やみ金融といわれております点に
説明を限定してお答えいたしたいと思います。
その前に大体
貸金業と称せられる、いわゆる高利貸しでございますが、この
業種は大体どのくらいあ
つてどういう
金融法規と関連があるかということを先に申し上げてみたいと思います。
貸金業につきましては、御承知のように、
昭和二十四年に
貸金業等の
取締りに関する
法律というのが制定公布されまして、その結果
貸金業については、届出すれば自分の金で
融資ができる、こういう体制に相な
つております。それで現在まで届出をいたしておりますのが、若干古い
資料にな
つておりますが、昨年の十二月末日には九千三百有余の
貸金業者がおるわけでありますが、ことしの六月現在をとりますれば、おそらく一万二千くらいの
貸金業というものが
全国にあるのじやないかと思われるのであります。そのうち
法人と
個人が約半々でございますから、おそらく五千ないし六千のものが
法人、
個人として
貸金業をや
つておる、こういうことにな
つております。それから私
どもの
調査で参りますと、大体
資金を動かしている
資金量でありますが、その
資金量はおそらく四百億円を越えるんじやないか、こういうような
資料がございます。
ところで問題になりますのは、
法人組織の
貸金業の場合に、いわゆる株の
増資の手続につきまして、役員に株を引受けさせまして、その引受けた株を
一般の
公衆に対して
会社が媒介して売りつける。売りつける場合に、
会社が金を貸すことにいたしまして、その貸した金を日掛あるいは月掛で回収して行くという
方法が、いわゆる
株主相互金融という
方法であります。この
株主相互金融という
方法につきまして、
一般的に
公衆から金を預かるといいますか、金を受入れることが、はたして
銀行法あるいは
貸金業の
取締りに関する
法律に禁止いたしておりますところの預かり金に
相当するかどうかというのが、第十五国会以来非常に問題にな
つて来たところであります。その預かり金かどうかにつきましては、三月四日でございましたか、
大蔵省の見解が最終的にきまりまして、衆議院で私
どもの
局長から御
説明があ
つたのであります。その要旨は、こうい
つた株主相互金融の典型的な
やり方で、株を売りつけることによ
つて、その代金を回収して
資金を受入れる、こういう形につきましては、
金融法規違反とは断じがたい、こういうような
態度をと
つて参つたのであります。ただ現実の姿といたしましては、その後そういう
株主相互金融の形が
——これは話が前後しますが、大体
全国で四百ないし五百くらいあるわけであります。その
会社について見ますれば、そういう株を
一般公衆に売りつけまして、それから金を受取るというような形で行きますとぎに、
融資を受けないものには月二分
程度の
配当をやるわけでございます。月二分といいますと、
定期預金が年六分でございますから、
相当高い
利子なんでございます。これを
株主にやる。それから
融資を受ける人には引受けた殊の三倍までを貸す、こういう
やり方にな
つております。その月二分の
配当につきまして、実は国税庁とも協議いたしまして、
大蔵省としては最終的にこれは
利子ではありません、株の
配当でありますという
立場から、
損金否認をいたしまして、それに対しても
法人税の
対象とする、あるいは
源泉課税の
対象にいたしますという
措置をとりました
関係上、
株主相互金融という
会社は、その税金の問題、それから実際に
証券取引法の
関係でうまく
増資ができない
関係がありますので、その二点を回避する
意味で、
株主から
借入金をやる傾向か非常にふえて参りました。これが実際
相当弊害を生ずるおそれがありましたので、実は四月二十七日から
全国の
財務局を動員いたしまして、
株主相互金融の一曹検査を始めたわけであります。その結果十一社ばかり検査いたしたのでありますが、特に
関東財務局管内の四位につきましては、いずれも
資本金をはるかに上まわる、おそらく二倍ないし三倍くらいの
借入金をや
つておるということを発見いたしました
関係で、これにつきまして明らかにこれは
法律に違反しているということを各
会社に警告いたしたのであります。これからの問題といたしましては、そういう
貸金業が
借入金というような名前で金を借り入れる、預かり金をするということはいけないということをはつきりして、今後とも検査を進めて参る
段階にな
つております。それはいわゆる
株主相互金融の問題であります。将来に対する
取締りも、そういう預かり
金違反ということで
取締りを進めて行く予定でございます。
それからそれに関連しまして、いわゆる
やみ金融という問題がもう一つありますが、それは
匿名組合契約、これは商法の五百三十五条の規定でございますが、名前を隠して出資してもら
つて、それから利益がありましたらもらうという契約で集めていますが、おそらくそういう形式でや
つているのが
全国で二百ばかりあると思いますが、それは
資金量も
相当上
つておりますが、この
匿名組合契約につきましても、個個にその契約の実態を調べて参りませんとわかりませんが、現在見ている限りにおきましては、それは商法の
匿名組合契約そのものでありまして、これを
金融法規違反と今の
段階で断ずる
段階ではないように考えられます。
以上簡単でございますが、いわゆる
やみ金融の問題の現状と将来の対策について御
説明申し上げます。
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