○
中井(徳)
委員 お
考えのほどはわかりますが、実は全国の
自治体が一番困
つておるのは、あなたの
考えておられることではないのであります。金がない、金がないと言いますが、それは中央に行
つて言う口上なのでありまして、ほんとうに困
つておるのは、
認可の問題であると思うのであります。これがまず第一段階であります。
大蔵省に参りまして、五百万円や千万円の問題でけられたならば、帰りまして
地方銀行に言います。あるいは問題によ
つては、住民に重税を課するかわりに、十年貸してくれ、二十年貸してくれということでやる。貧乏県はやれない、貧弱な村はやれないと思われるのは認識不足だと思う。しかし
認可がいりますから、
認可をもらわなければならぬというので、来る。そして通にもらい得だという思想が、全国に瀰漫しておることを、あなたは
御存じであるか。
府県や市町村の長は皆さん人事権はありませんよ。あの人たちは立候補のときに何と言
つて演説していますか。おれが当選したら、中央
とつながりがあるから、
起債でも何でも楽にできる、こう言
つておる。五百万円の
起債をとるためには、百万円や二百万円使
つてもいいと公言しておる。あなたは日本の経済的な自立のために、
資金を効率的に
運用すると言うが、現状においては逆に非効率的にな
つておる。この
起債を獲得するために、全国の市町村はどれほどむだ使いをしておるか。社用族に対抗するものとして公用族という
言葉がある。この大半はこの問題にかか
つておる。そういう面を皆さんは真剣に見通していただきたいと思います。もし町村において
起債ができないという村であるならば、
仕事をやめたらよろしい。それくらい
はつきりした線を出しなさい。このことのために、実力があるのにできない町や村は
幾らでもあります。
起債の
許可がないので、借入金をしてすでにもう五年になり、六年になるというふうな町や村は、全国にたくさんあります。県でもそうであります。こういうことでありますために、県会あるいは市会あたりの監督も非常にルーズになり、どうぞ頼む、
知事東京へ行
つて金をと
つてくれ、何ぼでもとり得だというのが、県
会議員、市町村
会議員の
考え方ではありませんか。どこが
とつたから、今度はおれたちもとろうということであります。それだけではありません。全国の実際の話が、農業
関係のものでも、あるいは厚生
関係のものでも、ことに建設省の
事業においても、もらい得である。人事権をお持ちにならぬ皆さんが、
幾ら監察を厳重にしてもだめです。だから主権在民に基いて、すなおに
地方自治を一応やらしてごらんなさい。私は一歩譲
つて、皆さんにあるいは事後の審査を許してもいいと思います。しかし事前に
認可を与え、事前に競争さして、それによ
つて補助金を与えるというふうな制度は、これは改めなければならぬと思う。市町村の生命は、
機構がかわりましても、悠久であります。一年や二年でどうこうするわけではありませんから、政府がそれほど心配ならば、事後に審査をしなさい。一年一回ぐらい審査なさい。そして監督をお出しになることはけつこうであります。しかしまず第一に
認可でしよう。その次には、
大蔵省の預金部の利子と
地方銀行の利子とどれほど違いますか。あるいはまた一般住民からしますと、これは学校を建てる
資金であるから、三年間は無利子でがまんしてくれということは、
幾らでも
通り得る。大都市ではできません。あなた方に言わすと、すぐ群小の町村が困るとおつしやるでありましよう。群小の町村はさような方法は
幾らでもあると思うのであります。ただ全国の一万数百に及ぶ小さな町や村まで、
自治庁が一々聞くことはできない。ことに最近の話では、昔の内務省にかわるものは
大蔵省であると言
つております。はなはだどうも塚田さんには申訳ないのでありますが……。