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1953-07-30 第16回国会 衆議院 地方行政委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月三十日(木曜日)     午前十一時十五分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 灘尾 弘吉君    理事 床次 徳二君 理事 西村 力弥君    理事 門司  亮君 理事 松永  東君       生田 宏一君    佐藤 親弘君       前尾繁三郎君    山本 友一君       吉田 重延君    橋本 清吉君       藤田 義光君    北山 愛郎君       滝井 義高君    横路 節雄君       伊瀬幸太郎君    大石ヨシエ君       大矢 省三君    中井徳次郎君  出席国務大臣        大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君         国 務 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         自治政務次官  青木  正君         総理府事務官         (自治庁税務部         長)      後藤  博君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁財政部         理財課長)   細郷 道一君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 七月二十九日  委員加藤精三君、吉田重延君及び藤田義光君辞  任につき、その補欠として増田甲子七君、金光  庸夫君及び柳原三郎君が議長指名委員に選  任された。 同日  委員柳原三郎辞任につき、その補欠として  藤田義光君が議長指名委員選任された。 同月三十日  委員金光庸夫君及び増田甲子七君辞任につき、  その補欠として吉田重延君及び加藤精三君が議  長の指名委員選任された。 同日  加藤精三君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員及び小委員長選任  小委員及び小委員長補欠選任  地方自治法の一部を改正する法律案内閣提出  第一〇六号)  地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う  関係法令整理に関する法律案内閣提出第一  〇七号)  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出第  一〇八号)     —————————————
  2. 中井一夫

    中井委員長 これより会議を開きます。  地方税法の一部を改正する法律案議題として、質疑を行います。  ただいま大蔵大臣出席を求めておるのでありますが、大蔵大臣は参議院の予算委員会との関係もありますので、すぐ参れませんが、もし大蔵大臣が見えましたら、緊急に自治法に関する問題につき、大臣質問をするということの御了解をあらかじめ得ておきたいと存じます。何とぞ御了承を願います。  それでは北山委員
  3. 北山愛郎

    北山委員 地方税法の今度の改正の七百四十二条の二と七百七十六条の二の二つの内容についてお伺いいたしますが、これは一方は事業税について、一方は特別所得税について、いずれもいわゆる推定課税規定であると思います。要するに、資産または事業から生ずる収益を、実際には名義人収益を受けないで、それ以外の者が受けるときに、その事業税あるいは特別所得税というものは、実際に収益を受ける者に課税するという規定でありますが、一体実際に受ける者をどういう基準によつて判定するか、実際上非常に困難な問題が起ると思うのです。     〔委員長退席西村(力)委員長代理着席〕 最近所得税におきましても、そのような所得税改正に伴つていろいろな議論があり、また反対論があるところであります。その点、確かに単に名義人というものを掲げて、実際にはその陰でもつて税金を少くして、実際の収益を受ける者があるという場合があるいはあるかもしれない。しかしながらそういうものを規定の上で無理に推定して捕捉するということのために、そういうことのない、正当にやつておるような人にまでも、強い税をかけるというようないろいろな弊害が起つて来る危険性がある規定であります。そういうところからして、しかも中小企業者等に対して、これが圧迫になるおそれがあるというので、所得税の場合でもこれが大きな問題になつておりますが、一体どういう基準でもつて、実際に収益を受けておる者が別にあるのだということを判定するのか、どういうふうにお考えになつてこの規定を提案されたのであるか、お伺いいたします。
  4. 後藤博

    後藤政府委員 お答えいたします。七百四十二条の二と七百七十六条の二は、これは推定課税規定ではなくて、名義貸し等の場合における実質課税主義を明らかにしたものであります。お話のように、法律収益が帰属するものと、単なる名義人との判定を何によつてやるか、こういうことは実際問題となつておるのであります。私どもが困つておりますのは、名義を妻の名義にするとか、内縁の妻の名義にするとか、また使用人の名義にするとか、そういうようなかつこうで、実情自分仕事でありながら、他人の名義によつて、しかも無資産の者の名義にして、課税を免れるというような場合がしばしばあるのであります。そういう場合の脱税救済規定として設けたのであります。法人税法及び所得税法にも同様の規定が設けられることになりましたので、私の方もやはり国税と歩調を合せるという意味で設けたのであります。具体的にこれを濫用にわたることはないかというお話でありますが、私どもとしては、これは無資産の者に名義を貸してやる特殊の場合でありますので、私は濫用にわたるようなことはない、またそういうことのないように、十分に指導いたしたいと考えております。
  5. 北山愛郎

    北山委員 しかし実際に今までも名義人というものの業務の範囲なり収益というものは、はつきり調べればわかる。それが実際に別な事業をやつているというようなことも調べればわかることです。ですから理論上は今までの規定脱税を取締ることができるはずです。今回この規定を新たに設けるということは、一方的にその判定税務当局がなし得るという職権を与えたことになる。それをそうでないということの証明を、相手方の方でしなければならぬというような立場に追い込んでしまうことになる。そこに非常な危険性があるわけであります。私どもは今までの地方税務当局なんかのやり方を見ていますと、税法上の職権というものを非常に強く考え過ぎて、そうして税金を納める人は何か常に税金をのがれようとする悪者のように考えて、これを追いかけまわすとり手のような気持で、仕事に携つている例をよく見るわけであります。この前に申し上げた入場税経費課税の問題にしましても同様でありまして、自治庁の方の見解はそういう意味ではないと言つておりますけれども、実際には経費には課税ができるのだ、たとい入場を無料にして実際に奉仕的な文化活動としての催しものをやつても、その主催者使つた経費税金をかけるというような不当なことをやつておるわけであります。そのようなことをやつておる地方税務当局がこの規定濫用しないという保証は、私は何もないと思う。非常に危険な規定だと思うのでありまして、一体実際上今までの規定で、どうして間に合わなかつたのか。単なる名義人であつて、実際は違うのだということは従来の職権でも調査することができ得るじやないか。この規定を設けることによつて、一方的にそう認めるという力を税務当局の方に与えることになりやしないか。非常にそのことをおそれるのですが、その濫用を防止し得るようなはつきりとした保証が、どこにあるかという点をお伺いします。
  6. 後藤博

    後藤政府委員 従来はこの規定がなかつたわけでありまして、この規定がない場合には法律上の疑義があつたわけであります。実際に名義貸しをしている場合に、はたして課税できるかどうかという問題があつたのであります。そういう問題のケースを調べてみますと、多く無資産者名義を貸しまして、そして脱税をはかろうというものが多かつたのであります。これを設けますと、名義貸しの場合も実態課税主義で、実際に事業をやつている者に課税することになるわけであります。そういうものはごくまれな例でありまして、一般の中小企業方々は、そういう形式で事業を営んでおられるのではなくて、普通にやはりほんとうの法律上の名義人と、事実上の名義人とが同じ場合が大多数であります。ごく少数の、しかも料飲関係事業とか、その他特殊な事業の中で、こういう形態をとつておるものがありますが、そういう方々だけの問題でありまして、しかもこの規定を用いなくても、大部分の場合には実態課税ができるのであります。私は、この規定を置くことによつて、かえつて負担の均衝をはかり得る、むしろ今までなかつたのがおかしいのではないか、かように考える次第であります。     —————————————
  7. 西村力弥

    西村(力)委員長代理 本案に対する質疑は午後続行することにいたしまして、ただいま大蔵大臣出席されましたので、これから地方自治法の一部を改正する法律案及び地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う関係法令整理に関する法律案の両案を一括して議題といたします。両案についてはすでに一応の質疑を終了いたしておりますか、質疑があれはこの際これを許します。
  8. 藤田義光

    藤田委員 大蔵大臣出席がありましたので、この際数点にわたりお尋ねしたいと思います。  まず第一点は、現在地方財政は非常に困窮しておりまして、平衝交付金とともに地方債を起すことが、地方自治体財源として非常に有力なものになつておるのであります。この際におきまして、地方債許可に関する手続が、非常に煩瑣であるということが長年唱えられて参つておるのであります。シヤウプ博士体制下の現状におきましても、この批判は一向に払拭されないのでありまするが、この問題に関しましては、当委員会におきまして、特に重大な関心を持つて審議中でありまして、この際この地方債を起すことに関する手続簡素化、あるいは責任の所在の明確化等に関しまして、大蔵大臣の率直な意見をお伺いしておきたいと思います。     〔西村(力)委員長代理退席委員長   着席
  9. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 この問題につきましては御意見のような次第もよく承つておりまするので、できるだけ手続簡素化するようにということで、先般来両省の事務当局でそれぞれ相談をして、たとえばある限度を設けたとかいうぐあいに、非常に話合いをいたしました。けれどもなおそれでも十分でない点があるのではないかと私は考えますので、今後は一層運用簡素化いたしたいという心持は持つております。
  10. 藤田義光

    藤田委員 事務当局お話があつて自治庁の幹部が、それに了承を与えたいという風評を伺つておりますが、この問題は国会として重大な関心事でありまして、私はいま少しくお聞きしたいと思います。御存じのごとく、国会の決議に基きまして、資金運用部資金の一部、簡保その他が昨年から郵政省の運用に分離されたのであります。厚生省関係にもかかる保険金があるのでありますが、今後大蔵大臣としましては、厚生省等要求があれば、これらも分離運用される方針でありますか、この際お伺いいたします。
  11. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 実は簡保のときもいろいろいきさつがあつたことは御承知通りでありまして、ただいまのところ実は厚生省関係の分につきましては、まだ特別な考えをいたしておらない次第であります。
  12. 藤田義光

    藤田委員 そこでこの国家財政資金を掌握されておる大蔵大臣としましては、ことしも全国自治体約八千五百億の予算を計上されておりまして、この予算の執行は大蔵大臣として重大な関心事であると想像するのであります。従つて自治体が重要有力な財源とする地方債の問題に関しましても、当然かねて関心を持つておられると思うのでありますが、産業投資等に関する手続に比べまして、自治体に対する起債手続について、事務当局話合いがあつたとは聞いておりますが、大蔵大臣としまして、何かここで根本的に再検討する必要があるのじやないかと私は考えております。これはかねて吉田総理行政機構整理ということを、大きな表題に掲げられて政権を担当されておりますので、何か積極的な意見を、この際お伺いしたいと思います。
  13. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 実は先ほど申し上げた通り事務当局打合せた際に、そういう趣意からやつておりますので、たとえばその打合せのうち、地方債都道府県五大市の公募する分については、総額についてのみ大蔵大臣協議すれば足る、あるいは事業許可願い等も事後に報告すればよい、こういうふうに打合せをしておるような次第でもございまするが、なお御趣意の点もございますので、事務取扱い上、あとう限り簡素化いたしたい、かように考えております。
  14. 藤田義光

    藤田委員 その最後の御答弁でありますが、あとう限り簡素化したいというのを、もう少し具体的にこの際御意見を発表願えれば、当委員会としても方針をきめるのに、非常に有利ではないかというように考えております。
  15. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 これも率直にお答え申し上げますが、事務当局手続をどう扱つているかということの詳細を、私は聞いておりません。ただ地方債があつた場合こういう処置をとつておることは知つております。そういう手続を今申し上げたようにできるだけ簡単にやらせるということで、その手続につきましては、もう少し事務当局同士をして打合せしめまして、御趣意に沿わしたい。私は、実は地方債事務自分でやつておりませんので、どういう点をどう省くかと仰せられると、これも率直な答えで恐れ入りますが、そこまで私は具体的に申し上げることはできませんが、御趣意のところはよくわかりますから、その辺のことについて、言葉としてはできるだけという言葉になりますが、簡素化したい、こういうように考えておる次第であります。
  16. 藤田義光

    藤田委員 事務当局で話合わせるということになりますと、実は当委員会におきまして議員立法ででもこの問題を処理したいという有力な動きがあるのに対しまして、まだ政府当局で処理ができていないということを裏書きされるような御答弁でありまして、そうなれば法律化させるという問題が、当然関連して考えられるのじやないかと思いまして、今の御答弁を重大と思いますので、重ねてお伺いしますが、地方債許可することは、自治庁長官専管事項権限である、責任である。そういう観点からしまして、大蔵大臣はただ資金運用部資金の掌握をされておるという面から、権限問題が起きておるわけでございますが、私は自治庁長官を信頼されますならば、この問題は大体解決するのじやないかというふりに考えております。もちろん大蔵省といたしましては、預金部長官制度以来、この資金運用部資金に関しましては重大な関心を持つて、厖大な機構を持続されて参りまして、現在でこそ資金課という小さい課に縮小されてはおりますが、この際、長年党人として議会政治に練達されておる小笠原大蔵大臣は、在任中にこの問題を根本的に解決される熱意がありまするかどうですか。もしこれが具体化しないということになれば、どうしてもわれわれは国会として、この問題を根本的に法律によつて処理するよりほかないじやないかということも、考えなくてはならないというはめになるわけでございまして、この点をくどいようでございますが、重大でありすので、もう一回御質問しておきます。
  17. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 許可といえば、許可と融資との関連でございます。この点につきまして、大蔵省としましてはやつぱり全体の資金のことも考えなければなりませんけれども、実際地方債の個々のものについて、今申し上げた通り大体届出でもいいというくらいな考え方を持つてつて、現に大きいところには、そういうことをしておるのでございますから、今私が申し上げた意味は、今まで事務当局話合いがつかないものを、私が進んでひとつ話合いをつけさせて簡素化したい、こういうふうにとつていだだいたら、私の心持が一番よく表現できるのじやないかと思います。
  18. 藤田義光

    藤田委員 最後に一点、大蔵大臣の大体の気持はわかるような気がいたしますが、この五大市起債の問題など、少し大臣の誤解があるようでございます。なるほど種目別には、水道に幾らガス事業幾らというふうに、五大市に関しましては種目別地方債の問題をまかせてはおります。おりますが、わくの問題で、実は五大市要求額の何分の一、何十分の一という状況でございまして、無制限に地方債を起すことをまかせておるという意味ではないのでありまして、この点に関しましては、大蔵省が非常に重大な関心を持つて、相当事務的な干渉をしておるというのが実情であります。干渉と申しますか、従来五大市と密接な関係を持つて、この地方債の査定に当つておるというのが真相でありますので、この点に関しましても、ただいま大臣から、事務的に処理できない問題は、ひとつ大臣としての自分責任において、政治的に、大所高所から徹底的に解決したいというふうに、お答えがあつたように了承しますが、それでよろしゆうございますか。もし政治的に徹底的に解決するということになれば、大体いつごろまでに解決される見通しでありますか、この際お伺いしまして、ほかの委員諸君質問もありますので、私の質問を終りたいと思います。
  19. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 今お話の点は、実は私もちよつと誤解したことは仰せの通りでありまして、それは公募分について申したのでありますから、自然そうなつておりますが、大体今の簡素化することは、これはきわめて必要だと私は考えておりまするから、これはいつと言わず、できるだけ早くやりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。しかし取扱いの上は相互に、やはりこちらだけきめるというわけに行きませんので、私ども自治庁長官とも話合いまして、問題をきめて参りたい、かように考えております。帰するところは手続の煩瑣を避ければいいのであろう、こういうふうに思いますから、そういう趣旨のもとに、やはり国としては一つ資金部資金運用の計画は持たなければなりませんけれども手続の問題については、そういうふうにできるだけ簡素化したい。この点についての話合いが、従来事務当局でつかなかつた点があれば、これを私ども二人の間でつけたい。きわめて率直なお返事を申し上げて恐縮ですが、そういうふうに考えております。
  20. 中井一夫

  21. 門司亮

    門司委員 大蔵大臣がおいでになつておりますので、今の藤田君の質問と大体重複するかと思いますが、まず率直に聞いておきたいと思いますことは、今できるだけ早く事務当局としては話合いをさせる、こういうことでございます。実は大蔵省出先でありまする官庁が、地方起債に対していろいろ意見を申し述べておることは、これも大臣は率直に御承知だと思います。法律建前から行きますと、市町村の分については都道府県知事、それから五大市並びに府県の分は自治庁長官責任のあることが、明確に書いてあります。従つて私は起債認可責任者知事並びに自治庁長官であることに解釈して間違いないと思います。そうなつて参りますと、大蔵省は単に金を出す方の側であるから、会議といいまするか、協議をするというのがどこまでも建前でなければならぬと考える。にもかかわらずこれが単なる協議範囲を越えておるというところが、私は今日問題になつておることだと思います。従つて委員会といたしましては、今日までの大体の空気といいますか、意向といたしましては、これが非常に地方自治体行政の面に、いろいろな災いをしておる、たとえば一つ起債認可の申請をいたしますにも、まず県庁に出す、さらに大蔵省事務局にこれを出して、両方の承認を得なければなかなか認可が下りない。人間でございますからその間において気苦労があるのでありまして、そういう点についての問題を非常に起しておる。これの改正をしたいというのがわれわれの本旨でございます。従つて地方行政事務簡素化ということが、一つの大きな問題であると同時に、大蔵省の、私は権限外とはあえて申し上げないのでありますが、権限外にひとしい干渉をしておる、これの撤廃をしてもらわなくちやならぬ。大臣御存じかどうか知りませんが、今日の九州の水害実態にこれが現われておると思う。水害に対しましても応急に処置しなければならないことはわかつておるが、しかし金の分配あるいは起債等が、この次に出て参りますならば、必ず知事意向大蔵省意向とが、相一致することがないのではないかということを考えて参りますと、この罹災の土地に対しても、やはり一つ障害ができて来るように私は考えられるのであります。従つて今のうちにわれわれとしてはそういう障害のないようにしておきたい。大蔵省にとつては、これは重大な問題だと思いますが、しかし地方自治体事務簡素化と、さらに適正な起債配分等については、われわれの考え方獲、どうしても今の大蔵省財務局の行き方というものは、行き過ぎがあるということを考えております。従つて、いわゆる自治法の二百二十六条ないし二百二十七条にあるこの規定によつて、そしてこれをやや制約いたしておりますものが、御存じのように二百五十条でございますが、この二百五十条は、この法律を制定いたしました当時の状態から見て参りますならば、日本の経済組織として十分なる手当のできないときに、地方知事並びに自治庁長官だけで、これが認可をするということは本旨ではあるが、しかし一応大蔵省との合意の上でやることは、政令にこれを譲つているのであります。この法律のできたいきさつも、そういういきさつを持つておりますから、従つてもう今日、敗戦から約八年になる今日、こういう占領中の応急措置としてできた法律条文等に対しては、もう私ども改正の時期であると考えるのであります。従つて率直に大臣からひとつ、そういう煩雑な手続法については、改正の時期であるかないかということの御感想が伺えれば、非常にけつこうだと思います。  それからもう一つ、前段に申し上げました、さつき藤田君の答弁に関して、できるだけすみやかにというお話でありますが、われわれといたしましては、大臣のきようの答弁いかんによつては——これは決して大臣をおどかすわけではありませんが、一応法律的の解決を見なければならないという段階に差迫つておりますので、実は大臣の御出席願つたのでありますから、この点ひとつ率直に御答弁願いたいと思います。
  22. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 政府資金貸付者としての責任もあるものですから、その点は一応大蔵省立場考えなければならぬと思いますが、しかしこれはそれだけの立場でありまして、それがために地方自治体起債その他に非常に不便なことがあり、あるいはまた手数が煩雑である、あるいは今お話なつたような、財務局行き過ぎがあるというようなことがありますれば、この行き過ぎ等については、十分これを是正して参りたいと考えております。もしこれは、こういうことがあるじやないかという具体的な事例等をいただけば、そういう行き過ぎのないように、これは十分措置いたします。ただ今のような資金貸付者としての責任もあるものでございますから、一応のことは調べることもございましようが、それが行き過ぎとなつて、いわゆる事務簡素化を妨げ、地方起債等に非常な不自由の事情を生じましては本意ではありませんから、この点は十分事務簡素化に向つて努力をいたしたいと考える次第でございます。
  23. 門司亮

    門司委員 さつき藤田君の答弁と同じであつて、私は了解に苦しむのであります。抽象的な答弁でなくて率直に言つてもらいたいと思います。もし行き過ぎ等があるなら、例示してほしいと言われましたが、それなら私も率直に申し上げますから、これは大臣も率直に認めてもらいたい。つまり私ども観点から言いますと、今日各府県にある財務局、これの仕事内容にも関係しはしないかと考える。そこで地方事務簡素化しますと同時に、やはり中央の行政もこの際簡素化した方がいいじやないか。つまり地方出先機関があつて、それが地方行政事務を非常に複雑化しているとするならば、やはりそういう出先機関をやめるということは当然じやないかと思いますが、その辺に対して一体大臣はどうお考えになりますか。
  24. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 これは大体現地にある方が、一々中央へ持つて来るより楽じやないかという点から起きていると思うのであります。しかしそれあるがために弊害があるとしますれば、その点については十分考えてみます。
  25. 門司亮

    門司委員 もう一つこの機会に聞いておきたいことは、さつき藤田君に対する答弁がありましたように、資金運用部の資金は非常に重要な資金であることは間違いありません。この資金の性質から申しまして、当然でなければなりません。この際私は大臣に、これに関連を持つておりますことでお伺いしておきたいと思いますことは、資金運用部資金の使用の問題でありますが、地方自治体から考えてみますと、現在の資金運用部資金というもののほとんど全部は、地方住民の零細な積立金であるということに私は間違いがないと思う。従つてやはりこれが地方の住民の福祉のために使われるような施策は、私は当然とらるべきであると考える。ところが現在の資金運用部資金運用内容を、これは大蔵省の発表でありますからそのまま申し上げますが、大蔵省側の発表によりますと四千九百八十二億でありますか、大体約五千億ある。その中の二千四百億ぐらいのものが地方債にまわつてつて、残りのものは国債に約六百億、金融債に約八百六十億、その他は産業投資というような形で使われている。こういう事実でありまして、私は金融債あるいは産業投資に使われている分につきましては、これは大蔵省は十分に監督すべきであると思う。たとい国家的の大きな事業でありましても、それは私企業であることに間違いがございません。従つて私企業にこれが資金として与えられている分についての大蔵省の監督は、私は十分過ぎるほどの十分であつてもけつこうだと思います。しかしそれと同じような考え方で、地方自治体起債に対して役人は当つているようであります。今まで局長あるいは次長の答弁を聞いてみますと、この金は非常に大事な金であるから、十分これを監督する必要がございますという答弁ばかりいたしている。私は大蔵省出先といいますか、あるいは大蔵省自体もそうであると考えますが、物の考え方が、単に重要であるからということで、私企業と公共体との区別をわきまえないで、そして単なる、悪口を言えば金貸業者のような考え方で、地方自治体事業内容にまでもくちばしを入れて、そうしてこういう仕事については、こういうものは貸し出すことは困難であるとか、多いとか少いとかいう意見をさしはさむこと自体が、私はきわめて行き過ぎだと思います。私はこういうことが大きな気がねになつていると思います。もしそういうことがあるならば、大臣はひとつ報告してもらいたいということでございますので、もしありましたら、一体大臣は断固として処置をおとりになる御意思であるかどうかということを、この機会にはつきり聞いておきたい。
  26. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 今お話の点でございますが、実は国全体としてこの資金を、国の必要に応じて最も効率的に使いたいということで、いろいろな手続を経まして、審査会等も経て資金の配分をいたしている次第でございます。ただ今地方債の問題についてお話がございましたが、それらについて著しく行き過ぎの点等ございますれば、これはもちろん私の方で、十分これを戒めることは当然の責任考えております。
  27. 北山愛郎

    北山委員 行き過ぎの話が出ましたので、私の知つている実例を申し上げたいと思います。地方の市町村がかりに水道の起債などをお願いしますと、市町村が地方事務所にまず頼まなければならない。それから県の地方課に頼まなければならない。また県の衛生課に頼み、地方の財務部に頼む。それから今度は建設省の水道課に行き、それから厚生省の水道課、さらに自治庁大蔵省資金課ということになるわけであります。それからなお国会を入れますと、九箇所ぐらいを経由しなければならぬ。それにみなお願いしてまわり、そして事業内容を説明しなければならぬ。それで最後大蔵省へ参つたときには、総体のわくとしてこれを貸すか貸さないかということの決定だけでいいと思います。ところがそこへ参つて、やはり図面を広げて、そして揚水場はここにつくるとか、あるいはパイプはどうであるとか、タンクはどうするとか、そういうこまかい事業内容まで審査を受けるわけであります。こういうことは、すでに厚生省なり、あるいは建設省の水道課の当該の事業官庁において、その計画が適切なりやいなやということは、十分審査を受けるのでありますから、大蔵省へ行つてまでそんな詳しい審査を受ける必要はないのじやないか、こういう事実があるわけであります。これを大臣行き過ぎであるとお認めになるかどうか、それをお伺いいたします。
  28. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 公益事業でも収支の関係については、地方債を出すにつきましても、一応どういうふうになるかということを調べなければならぬことは、これは私どもしなければならぬ責任だと考えます。だがしかし今お話なつたような点について、ちよつと事務当局に聞いてみると、むしろ陳情におい直なつて、これこれだと仰せになる方が多いので、こちらからお呼出しして、これこれだという例は少いのだ、こういうことを言つておりますが、もし事実そうでなかつたら、これは私の監督の足らぬ点ですから、一応よくその辺を……。
  29. 北山愛郎

    北山委員 そういうことになると、なぜ陳情しなければならぬかという根本論まで言わなければならぬことなにるわけです。そういうことになると、結局先ほど門司委員が言われましたように、総体の地方債に対する資金運用部のわくが逐次減つておる。たとえば昭和二十五年度におきましては、一〇〇%運用資金をまわしてくれた。それが年々減りまして二十六年には九四%、二十七年には八八%二十八年には七七%というように資金運用部の金が、地方債を引受ける分がだんだん減つておるわけです。そうしてそれが金融債とかその他の産業資金の方にまわつておるということになりますると、結局地方団体としては、どうしても地方の住民の福祉のためにはやらなければならぬ仕事が、従来の地方自治体内容が貧弱であつたために、仕事が滞つておる。しかも戦争中の滞りもあるというようなわけで、水道その他の仕事をたくさんやらなければならぬわけです。わくの方が狭まつておりますので、そこでどうしても競争になります。この根本を改めてもらえば陳情がなくなるわけです。ですからその根本のところへまたもどつて行くわけです。どこの団体でも陳情をしたくてやるところはありません。たつた五万円くらいの金を借りるのに、今申し上げましたような、たくさんの官庁を経由してお願いしてまわるというような地方の市町村の実情をよくお認めを願つて、そうしてこの問題の簡素化という点については、特段の御配慮をいただきたいと思います。
  30. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 よくわかりました。私は自分も陳情して歩いたこともあつて、それはまつたく仰せの通りでありまして、こちらから呼び出したということはないかと言われても、やつてもらうためにそういう必要がなくなることは一番事務簡素化のもとで、その仰せの点はよくわかりますが、ただ全体として申しますると、実はどういうところでわくをきめるかという問題は、いろいろの資金運用部の委員会等もありまして、そこへ諮つて全体的に日本の国の資金を最も効率的に使う、こういう方面で出しておるのでございますから、配分をいたしておるのでございますが、しかし年々そういうふうに地方債が減つておるのではないかということについての御意見はよく承りましたから、さらに今度の運用部のこういう会議にはそういう御意可も伝えて、俗に言う善処することにいたしたいと考えております。
  31. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 先ほどからいろいろ起債の問題についてお話がありましたが、これはどうも根本問題を実は大蔵省のお役人あたりによく御了解ができてないから、こういう事態になるのではないかと思いまして、先ほどの大臣の御返事の中に、ちよつとそういうことがあつたと思いますが、大体地方において起債をするということ、このことについて原則的にそのことが正しいかどうかとか、あるいはそういう金額まで起債すべきじやないということを決定いたしますのは、その自治体の議会であります。それを監督するのはその住民なんでありまして、大蔵省には何も監督してもらう必要はない。私どもはつきり申しますると、別に許すとか認可とかいう問題、この許可の問題につきましても、もういらぬ段階にあると先ほど言つておりますような次第でありまして、そういうことまで大蔵省で、とやく言うてもらう必要はない。大蔵省資金の面からだけでありますと、各市町村において決定を見まして、それを持つてつて、そのとき初めて問題にすべきであつて、最初から何百億とか多いとか少いとかいう話も、実はおかしいと私は考えておるのであります。大蔵大臣は国家財政は大いに黒字であると誇つておられますけれども、日本全体といたしましては、国家財政と同じぐらいの額になつております地方財政を過去四、五年間赤字のままにしてほつておいて、そうしてただ国の財政だけは黒字であるというふうなことを言つたつて、実はナンセンスだと私ども考えておる。国全体としての国家財政並びに地方財政全体として黒字になる、赤字になるということにおいて、初めて私は日本の財政全体をながめることができると思うのでありまして、そういう次第でありますから、今の内閣におきましても、もういいかげんに地方分権にのつとります主権在民のための地方分権の確立に邁進しておりまする日本の憲法の建前を、もつと素朴にごらんになりまして——今の地方分権は絵にかいたもちでありまして、ちつとも財政的な裏づけはないのであります。このことについて私はもつと大きな目から改正をやつていただく段階に入つているのではないかと思うのであります。大蔵省はそういうささいなことを、何県の何村の何とかの消防ポンプを一台というふうな、そんなことまでやらなくてよろしい。もつと大きな問題ととつ組んでいただきたい、私はそう思うのでありまして、どうも歴代の内閣ことに吉田さんはいつも行政整理行政整理とおつしやつていますが、下の方はどんどん機構がふえて参る。先ほどから門司さんや同僚の御質問にもありましたように、何とか財務局というものがありまして、近ごろでは県の地方課よりもおれの方へなぜ先に書類を出さぬかとか、おれの方があとだからそういうことはやるわけに行かぬとか、あらためてまた来てくれとか、たいへんであります。これは大臣がよく御存じないと思うのでありますが、もうそういうことはいいかげんにやめなさい、私はそういう意見を持つておるのであります。
  32. 灘尾弘吉

    灘尾委員 大蔵大臣自治庁の政務次官、両方に御答弁願いたいと思います。先ほど来同僚の諸君から、いろいろ大蔵大臣に御質問申し上げておるのでありますが、この問題は野党の諸君だけのお考えではないのでありまして、われわれ与党の委員といたしましても、まつたく同様な心持を持つておる次第であります。従いまして今回のこの地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、この委員会におきましては全部の委員が同じ心持を持ちまして、従来の起債手続のあの煩わしさというものをひとつ払拭いたしまして、なるべく地方の人たちの便宜をはかつていただきたいということについて同じ希望を、しかも切実な希望を持つておるわけであります。それにつきましては、先般来大蔵省事務当局あるいは地方庁の事務当局との間におきましても、いろいろお話合いを願つたわけでありますが、ずいぶん長い間ひまがかかりました。そのために法案の審議も非常に遅らして参り、もはや日にちも幾らもないわけです。今さらわれわれが法律をどうする、こうするというのは事実問題としてなかなか時間がありません。しかし昨日お示しを願いました事務当局間のお話合いというものは、われわれといたしましてはまつたく満足のできないものです。そこで本日お忙しい大蔵大臣を煩わしましていろいろとお尋ねいたしますのは、われわれがこの法律を修正してでも、この問題を解決したいという、それを大蔵大臣の御答弁によつてこの際はひとつ見送ろうか、実はこういう考え方を持つておるのであります。従いまして、この問題につきましては、あるいは起債の申請をする金額の限度の問題と申しますか、金額についての問題もございましよう、その他いわゆる二重行政の弊を除かなくちやならぬという問題もございましようが、これらの問題について次の国会までの間には、何とかひとつ目鼻をつけていただかなくちやならない。そういたしませんと、この委員会としては、きまりがつかないということにもなつて参りますので、どうかひとつ皆さんの御熱望のあるところは、おくみとりをいただきまして、あらためて誠意のある御答弁を煩わしたいと思います。
  33. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 灘尾委員の仰せになる点、まことにごもつともであります。私どもも、先ほども申した通りこの問題については、かねてから事務当局打合せをしてもらつてつて、ある程度の了解に達したのでありますが、しかしそれでも今お示しになつたようないろいろ事務簡素化等が免れないというお話がございましたので、それで私どもは、そういうことでは御趣意にも沿いかねるようにも思うから、私として今なお解決せぬ点については、ひとつ解決をして参りたい、そうやつて事務運用の上で御期待に沿いたい、かような心持さつきから率直に私の心持を申し上げておる次第でございます。どうかその辺を御了承をお願いいたしたいと存じます。
  34. 青木正

    ○青木(正)政府委員 ただいま灘尾委員お話でありますが、私どもも先般来の委員会の皆さんの御意向を十分体しまして、この問題についての解決に当りたいということで努力して参つたわけです。しかし御承知のごとく委員会の方の御希望も、大体の日限を限つてありましたので、その日限の範囲内において話合いのできることだけを一応話をつけまして、御報告を申し上げておる次第であります。しかしながら事務当局の折衝した結果をもつて、私ども決して満足しておるのではないのでありまして、当委員会意向も体し、また自治庁側の考えもありますので、さらに大蔵省とも折衝をいたして、できるだけ御期待に沿うようにせなければいかぬ、かような考えに立ちまして、一応事務当局の折衝の結果は結果といたしまして、引続きこの委員会の希望を結成するようにせなければならぬ、かように考えまして、実は今朝も愛知政務次官とさらに一歩進んだ問題につきましても、いろいろと協議をいたしておるような次第でございます。ただしかし日限に限りがありますので、折衝には若干の時間をも要するということで、現在の段階におきましては、事務当局の折衝した程度でありますが、私どもはこれをもつて満足することなしに、さらに大蔵当局とも十分折衝して御期待に沿うように努力して参りたい、かように存ずる次第であります。
  35. 藤田義光

    藤田委員 ただいまの問題は当委員会として非常な関心事でありまして、私たちはかねて郵政大臣自治庁長官ということに対しまして、非常な不満を抱いておるのであります。ところが本日は大蔵大臣出席されて、自治庁長官たる塚田氏が出て来ないということは、どういう理由があるかはつきりしませんが、実に不愉快であります。ただいま青木政務次官から御答弁がありましたが、私たちは自治庁側の最高責任者の御答弁をいただかない間は、自治法の問題に関しましては、何ら最後の決定ができないということを、ここではつきり申し上げておきます。かくのごとき重大問題に関連しまして、終始一貫大臣出席がないということは、非常に遺憾であるということだけを本日申し上げまして、もし国会が閉会になるまで、自治庁長官が現在の態度を続けておるとすれば、私は当委員会各派に連絡いたしまして、適当な措置を考えねばいかぬじやないか、かように考えておるということを、ただいまの御両人の答弁に関連しまして率直に申し上げまして、政務次官からも適当に御連絡を願いたいと思う次第であります。
  36. 青木正

    ○青木(正)政府委員 ただいま藤田委員お話、まことにごもつともでありまして、十分了承いたしております。実はきよう十一時半から、参議院の方で平衡交付金関係でもつて予算との関連で大臣に出ろということで、あちらに参りましたのですが、ごもつともでありますから、大臣に連絡いたしまして、必ず出席するように申します。
  37. 中井一夫

    中井委員長 それでは自治法に関する質疑は、この程度でよろしゆうございますね。——それでは自治法に関しまする質疑はこれをもつて終了したものと認めて御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認めます。よつて自治法に関する質疑はこれをもつて終了をいたしました。引続き税法改正案につき質疑の続行をいたします。
  39. 北山愛郎

    北山委員 先ほどの七百四十二条の二及び七百七十六条の二の質問を続行します。  この実質課税規定は、先ほどの御説明がありましたが、その根本となつておる、原因になつておるところは、二十五年の税制の改正によりまして、どうも法人が非常に優遇されるようになつた。そこで中小企業におきましても、株式会社であるとかあるいは組合であるとか、そういうふうな法人の形をとるようになつて来た、それは当然のことでありますが、そういう原因をつくり出しておいて、そしてその結果として今度は出て来た、これは困るというので、このような実質課税規定をつくつてこれを捕捉しよう、こういうような経過になつておるわけであります。問題は、法人に対してそのような優遇措置をとつたという原因をつくつたところに、私はあるのだと思います。そこでこの問題の解決にはそういう法の改正なり、あるいは企業組合等におきましては、組合の規定改正なり、そういう方法でそれを、もし悪いことがあれば是正すべきであつて、このような規定を新設することによつて、実質課税を一方的に認めるというような特権を、税務当局に与えるというような行き方に対しては、非常に疑問があると思うのですが、いかがでしようか。
  40. 後藤博

    後藤政府委員 二十五年の改正が法人に非常に有利であつた、こういうふうな御覧見は私どもたびたび承る御意見でありますが、その法人に非常に有利であることから、こういう規定が必要であるということではなくて、個人の場合にも、やはりこういう名義貸しの形において、いろいろ脱税をはかつておるという例があるのであります。おつしやいました企業組合等の問題は、直接にこの規定そのものの問題ではないと、私ども考えております。私どもは先ほども申し上げましたが、たとえば料飲業等におきまして、名義貸しの形において脱税をはかる者がある、そういう者に課税をしなければ、一般のまじめな方々との負担の均衡がとれない、こういう意味からこういう規定を設けたのであります。企業組合そのものに直接関係した規定ではないと私は考えます。
  41. 北山愛郎

    北山委員 ただいまのお話のようでありますと、個人の名義貸しの場合などは、従来などでもたくさんあつたわけです。しかし今に至るまでこういう規定なしに進んで来ておる。で、どうして今度こういう規定を新たに設けなければならぬか。今まではそれで間に合つておつたじやないか。ですから私はどうしてもただいまのお話には納得が行かぬが、むしろやはり所得税法の中でもたくさん論議されておりますように、いろいろな小さい組合あるいはそういうふうなものを追求するに、都合のいいような規定を設けなければならないという課税上の便宜から、この規定を設けたのじやないかと思います。そうしますと、ただいまのお話のように、非常に質の悪い脱税をやつておるものを捕捉することはできるかもしれない。しかしまた善良な者も、一方的な見方によつて苦しめる結果が、たくさん出て来やしないか、こういう危険が起ると思うのであります。私は刑法等においてよく言われますように、罪のある者が十人罪を免れるということよりも、無実な者が一人えん罪に泣かなければならぬようなことを警戒すべきである、かような原則を承知しておりますが、やはり税法の場合においても、このような考慮が必要じやないか。今までの地方税務当局のやり方を見ておりますと、濫用の危険がある。いわゆる実質の収益がどこにあるかということを判定する基準が、非常にめんどうくさいのでありますから、それを一方的に末端の税務当局でおやりになることは、非常に危険がある。そういう意味で申し上げるわけですが、そういう危険がやはりあるのじやないか。そういう点は適当か不適当かという点をお伺いします。
  42. 後藤博

    後藤政府委員 名義貸しの例は、おつしやる通り前からございましたが、その場合には、名義貸しを受けておる者が、資産があつた場合が非常に多いのであります。名義貸しを受けておる者が無資産者であつて、全然課税した場合に支払い能力がないというふうな例は、前はあまりなかつたのであります。ところがそういう名義貸しに無資産者を充てまして、実際の利益はこれを通つて別の人に行くという例が、最近ある種の業種において散見されるわけであります。そういうものにやはり実体課税をいたしまして、実際の収益の帰属するところの者に賦課して参ることが、一般のまじめな方々の企業との負担の均衡をはかるゆえんであろう、こういう意味でこの規定が入つておるのであります。従つて名義貸しを受けた人が資産があれば、別にその追求をする必要はないのであります。資産がない場合がやはり問題なのであります。従つて資産がなくて、しかも収益が相当あつて、その帰属が一体どこに行つておるかという場合であります。その帰属がはつきりしておる場合には、その帰属しておる者にやはり課して行くというのが、負担均衡上いいのではないかと考えるのであります。従つて私はそう濫用に陥るようなことはないと考えております。
  43. 北山愛郎

    北山委員 しかし今お話のように、名義人収益でなくて、実際に陰の収益を受ける者があることがわかつておるならば、一向さしつかえないじやないが。その実際に収益を受ける者に課税すれば、現行法でもさしつかえないのであつて、わざわざこんな規定を置く必要はないのじやないかと思いますが……。
  44. 後藤博

    後藤政府委員 たとえば奥さんが主人公であつて、その夫の方は別な企業を営んでおるといつた場合、その場合は簡単であります。全然親族関係の何もない使用人を、企業の代表にして置いておる。事実は、その陰でもつてその主人公その他の者があやつつておるような場合がございます。そういう場合には、従来は法律の疑義があつたわけであります。そういうものを直接その収益を得ておる者にかけられるかどうか。今までの観念では、ちよつとかけられぬのではないか。そういう問題があつたのであります。従つてこういう規定を設けることによりまして、その収益の帰属するところにかけることができることになるわけであります。そういう意味であります。
  45. 藤田義光

    藤田委員 数点簡単にお伺いします。まず第一点は、巨大な固定資産所在地の固定資産税の問題であります。この問題に関しましては、実は平衡交付金の問題に関連がありまして、町村としては重大な関心を持つておるのであります。従来ややもすれば、徴税の面と平衡交付金の配分の面と、非常に事務が円滑に行つていないきらいがあります。この点に関しましては、巨大な固定資産税を持てる村が、不当に利得するというような結果になつておるところが、多いやに拝聴しておりますが、今後何か実際の運営上調整の方法を考えられたことがありませんかどうか、お伺いいたします。
  46. 後藤博

    後藤政府委員 大規模な固定資産が所在する市町村の問題であると思いますが、私どもの方の平衡交付金に見積ります基準財政の収入の問題といたしましては、固定資産税が一番問題がないのではないかと思つております。税収の見積り高は、平均価格を指示しておりますので、大体それによつて見積ります。従つて一番問題のない税金と心得ておりますが、おつしやいますように、所在する町村にはあまりに大きな財源が入つて参ります。そういうことで現在では、ある一定規模以上のものは大規模固定資産といたしまして、私どもの方で近隣の市町村に固定資産税を配分をいたしております。その場合に、一定の条件が必要でありますので、もちろんその条件を満たさなければならぬのでありますが、平衡交付金をもらつていない町村にしかわけていないのであります。現行法の規定は、多少その点で配分するところの町村が、ある程度限定されておるわけであります。限定されないで、もう少し広い範囲の町村にわけるような改正をいたしたい。できればこの次の改正には、そういうふうな改正をいたしたい、かように考えております
  47. 藤田義光

    藤田委員 船舶に対する地方税の課税が、碇泊日数によつて分配されるというふうに、たしか政令でなつておるようでありますが、そのために課税市町村が非常に事務の煩雑を来しておりますし、なかなか捕捉が困難な面も出ております。この点に関しましては、むしろ碇泊日数による課税以前の課税方法の方が、むしろ適当ではなかろうかと思いますが、この点をお伺いいたします。
  48. 後藤博

    後藤政府委員 船舶の配分、特に大船舶につきましては、私どもの方で碇泊日数その他を参考にいたしまして、各港に配分をしておるわけであります。それ以前には定繋港を中心にしてわけておつたわけであります。ところが、これまで一昨年までの状況を見ますと、各市町村が船の税をたくさん受けたいために、いろいろ工作をするようなうわさもございますし、事実そういう例も私どもは聞いておるのであります。従つて船舶関係の税の配分が必ずしも合理的ではない、かように考えまして、一応合理的な標準によつて、全国の港湾所在の市町村にわけよう。それには滞在日数と出入の回数によつて配分して行こう。これは非常にめんどうでありますけれども、私どもの方で一船々々出入回数と碇泊日数を調査いたしまして、それに基きまして、税額の課税標準の配分をいたしておるのであります。それによりまして、従来非常に不都合な取扱いを受けておりましたような市町村では喜んでおりますが、一面従来非常に船の税をたくさんとつておりましたようなところは、逆に減りましたものですから、いろいろ問題はあるようであります。手続の問題もできるだけ簡素化いたしたつもりでありますけれども、まだ検討の余地はあろうかと思つております。できるだけ検討いたしまして、もう少し簡素化できればいたしたい、かように私ども考えておる次第であります。
  49. 藤田義光

    藤田委員 実はこれは船ごとに相当詳細な一覧表をつくつて課税資料を集められておるようでありますが、事務簡素化の上からも適当じやないのじやないか。定繋港にしましても、そのほかの碇泊港にいたしましても、交付金等で考慮した方が、むしろすつきりするのじやないか。地方税と交付金の運用調整をうまくやれば、この徴税の煩雑化は防止できるのじやないかと思つておりますが、一応将来の研究事項としてお考え願いたいと思います。  次は、シヤウプ博士の勧告でできました現行地方税法の功罪を測定する一つ基準になると思いますので、税務部長の方から出ております資料にも一部ありましたが、この税法が実施されてから今日までの、具体的なパーセントは必要でないが、府県税、市税、町村税、この府県と市と町村の三段階を、大まかでけつこうでありますから、大体徴税成績は上向きの状況にあるか、あるいは停頓しておるか、ひとつお答え願いたいと思います。
  50. 後藤博

    後藤政府委員 昭和二十五年、この新地方税法ができました年は、御承知通り、法案の成立が非常に遅れましたので、徴税成績は必ずしも良好ではなかつたのでありまして、府県税の徴税成績はたしか七四%であつたと思います。それから市町村税は八一%だつたと思います。二十六年は両方八二%に上つて参りました。内容を見ますと、特に現年度の課税が非常に向上して参つております。二十三年、四年ごろの滞納を非常にかかえておるものでありますから、全体としての率はなかなか上りにくいのでありますが、しかし内容に入つて見ますと、その年に賦課いたしましたもの、つまり現年度のものは、大体町村では九〇%以上になつておりますし、府県も漸次向上して参つております。二十七年度の決算はまだはつきり出ておりませんが、二十七年度はさらによくなつておりはしないか、かように考えております。
  51. 藤田義光

    藤田委員 この新しい税法ができまして、国税に関する法律と実施時期がかわつておりますために、いろいろ矛盾齟齬を来しております。地方税で減免されておつて、国税で何ら考慮されていないとか、あるいは逆の場合等もありまして国税と地方税の調整ということが現行法をそのまま維持するとしましても、相当問題だろうと思います。この点に関しまして何か研究されておりますかどうですか、お伺いしたいと思います。
  52. 後藤博

    後藤政府委員 国税と地方税の調整の問題でありますが、今度内閣に税制審議会が設けられましたので、いずれ国税、地方税全般にわたりまして、いろいろ研究討議されることだろうと思つております。私ども非常に残念に思いますことは、国税には非課税が非常に少いのでありますが、地方税には非常に非課税が多い。たとえば国税におきましては、重要物産につきましての法人税の課税免除が三箇年くらいありますが、それ以外に個々の税種につきましての非課税規定はないのであります。ところが地方税は御承知のように、次から次へと非課税が非課税を生んで参りまして、だんだん拡張して参ります。しかもその内容が国家的な要求から、地方税を非課税にするという面が相当多いのであります。国税でもつて課税にすべきものを逆に地方税でもつて課税にしておるというような例もございます。地方独特のもので地方団体との関係において非課税を設けるということであれば、私は意味があると思います。しかし国全体の立場から地方税の非課税をふやして行くということは、地方改正の問題としては、私はちよつと筋の違つたことではないか、かように考えておる次第でございます。
  53. 藤田義光

    藤田委員 ただいまの部長の答弁は、いろいろ非常に参考になる点が多いのでありますが、この地方税法の根本的な改正に関しましては、いろいろ政府当局の準備につきまして風評を聞いております。そこで確実なところをひとつお尋ねしたいのでありますが、来年度の二十九年度予算を審議する通常国会においては、相当根本的な改正をやられるような計画がありますかどうか、あるいは臨時国会等におきましても、一時的な過渡的な改正を計画されておりますかどうか、お伺いしておきます。
  54. 後藤博

    後藤政府委員 地方税の改正につきましては、地方制度の改正と相まつて、でき得れば二十九年度から実施できるように持つて行きたい、従つて本年の通常国会に提出するようにいたしたい、かように考えて研究をいたしております。
  55. 藤田義光

    藤田委員 現在審議中の地方税法改正案は、非常に審議が遅れております。これは仮定のことでありますが、もしこの改正案が廃案になりますと、自治庁から出ております資料によれば、大体三十三億ぐらいの減収がそのまま助かるわけであります。これは仮定のことで恐縮でございますが、廃案後の措置に関しましては何か考えておられませんか、ひとつ率直にお答えを願いたいと思います。
  56. 後藤博

    後藤政府委員 現在提出しております地方税法が廃案になるとは私ども考えておりません。廃案になりまして一番困りますことは、事業税及び特別所得税の基礎控除の引上げができないことでございます。この八月がちようど事業税及び特別所得税の個人関係の納期の月になつております。従つてこれができませんと、中小企業方々に非常に御迷惑ではないか、また府県の賦課事務にも非常に影響して参りますので、できるだけ早く御審議の上、通過を願いたいと考えておる次第であります。
  57. 西村力弥

    西村(力)委員 後藤税務部長は廃案になるとは考えないと言われるが、会期もあす一日でぎりぎりなんです。それでまだ修正案もお互いにできていないというような状況なので、きよう修正案を整備してやつて、あす参議院に送つても、一日では質疑応答も何もやる折がありません。会期が延長にならないとすれば、これが廃案になることはもう決定的のものと考えざるを得ないのでありますが、税務部長の廃案になるとは考えないということは、どういうことを見越しての発言ですか、御答弁願いたい。
  58. 後藤博

    後藤政府委員 言葉が非常に足りなかつたのでありますが、できるだけ成立させていただきたい、廃案ということを予想して今からいろいろ考えたくない、こういう意味のことを申し上げたのであります。
  59. 大石ヨシエ

    ○大石委員 ちよつとお聞きしたいのですが、大工左官、とび、その人たちに対して日雇いなるがゆえに、事業税を百分の十二課してある。これを勤労所得にせいという陳情がおるのです。あなたはどういうふうにお考えになつておるか、お聞かせ願いたいと思います。
  60. 後藤博

    後藤政府委員 大工、左官、とび職等につきましての事業税でありますが、これは請負行為をやつた場合に、その所得に対して事業税がかかるということになつております。従つて請負事業であるか、単なる賃金労働であるかというところが問題であるのであります。私どもはその解釈を十分実情を聞いて賦課するように、こういう指導をいたしております。各府県で請負行為なりやいなやということにつきましていろいろ疑義があつて、組合の方々と折衝しておるようであります。請負行為であれば事業税がかかりますけれども、請負行為でなければかかりません。
  61. 大石ヨシエ

    ○大石委員 しかし哀れな勤労無産大衆に百分の十二という事業税がかかつておることは事実なんです。これはさつそく指令を発して修正してほしいのです。してくださいますか。あなたはきのう私の言うことを一言々々反撥されましたから、私もあなたに対しては、そういうふうなことでこれから挑戦しますが、どうですか。あなたはどうですか、きのう私に対して一言々々非常に反撥されました。遊興飲食税に対してどういうことをあなたはおつしやつたか。パンパンにどうして課税をするか。脱税をするものはかつて脱税しておる。市街を横行しておるパンパンに対して課税することはできない。そういうことはどこにあるか。あなた方は何がゆえに月給をとつておるか。私は再度これをお尋ねしたい。パンパンに課税することかできずに、赤線区域に課税し、そして哀れな彼女らが遊興飲食税を払つておる。これは私はどうしても合点が行かない。赤線区域で営業した者は損である。しからば脱税しておる者はどうであるか。そのパンパンに対してどういうふうな課税をなさるか、詳細に私は聴取したい。
  62. 後藤博

    後藤政府委員 お答えいたします。大工、左官、とび職等につきましては、従来しばしば通達でもつて苛酷にならないように注意をいたしております。(大石君「注意をしておつても机上の空論で何にもならぬじやないか」と呼ぶ)私ども直接課税をやつておるわけではございませんので、課税団体の職員に対する指導をいたしております。そういう指導を重ねて行きたいと考えております。  それからお話のパンパンの問題でありますが、これは昨日も申し上げましたように、私どもはパンパンに課税をしておるのではないのであります。芸者とかパンパンに課税しておるのではなくて、お客様の方に課税しておるのであります。従つてお客様に直接課税すべきものを、かわつて芸者その他の方々にとつていただいておるのであります。それでパンパンの場合にも私は課税すべきものだと考えて、またそういう指導をいたしております。しかし実際問題として、パンパンの場合には所在が不特定でございますので、捕捉が非常に困難で、課税の実際に漏れておるものがあるように私どもつておるのであります。従つてできるだけの捕捉を行い、他のものとの負担の均衡をはかるようにしてもらいたいということは、地方団体に私ども申しつけておるのであります。やはり普通の芸者その他と同じように課税する方針にかわりはございません。
  63. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私が再度質問するのは、しからばそうした方面に課税をなさるということは、あなたは公娼制度をお認めですね。売春法を出そうとしておるのに、そうした方面から税金をとるということは、明らかに現吉田政府は、公娼制度を認めておると承知じてよろしいですな。これは婦人の問題ですから、私は詳細にあなたにもう一度お尋ねしたい。税金をとるということは、明らかに公娼制度を認めておることである。それをあなたお認めにならないのですか、どうなんですか。
  64. 後藤博

    後藤政府委員 遊興飲食税の特別徴収義務者にお願いいたしておりますことと、公娼制度そのものとは直接の関係はございません。私どもは公娼は認めてないと思つております。ただ徴収の便宜のある方々に、特別徴収義務者になつていただきまして、お客の納める税金を集めて、地方団体に納めてもらう仕事をやつていただいておるのであります。
  65. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私はそこが、きのうは非常に時間がなかつたから急いでおつたので省略しましたが、合点が行かぬのです。だれでも体のよい方法で脱税したらよい。そうしたら赤線区域で営業して、遊興飲食税、事業税をとられているものは損が行くじやありませんか。やつぱり街頭のパンパンの方が利益がよい。パンパンにどうして手をつけないか。脱税をあえてしておるではないか。そうして公娼制度というものは日本は認めておらぬ。しかるに税金をとるということは公娼制度を認めておる。ゆえに私はこの遊興税に対して相対反対するのです。遊興飲食税をとりておる以上は、日本の政府は公娼制度を否認しながら、現に認めておる一つの証拠である。それをあんたは何と返答なされますか。
  66. 後藤博

    後藤政府委員 お答えいたします。たびたび申しますように、私は公娼制度そのものと現在の遊興飲食税の特別徴収義務者に指定いたしておりますることとは、直接関係がないと思つております。
  67. 大石ヨシエ

    ○大石委員 関係がある。
  68. 後藤博

    後藤政府委員 私は全然ないと思つております。赤線区域の中と、それからパンパンの行為に対する遊興飲食と、どちらも遊興飲食税がかかるのでありますが、ただ実際問題としてなかなか捕捉がむずかしいので、脱税の場合もあり得る、こういうことを申し上げておるのであります。
  69. 大石ヨシエ

    ○大石委員 しからば脱税をしてもよろしいのですね。そう解釈してよろしゆうございますね。じやあ私は選挙区へ帰りましたら、遊興飲食税は脱税してもよろしいということを、選挙区民に申し上げてよろしいですな。そう解釈して私は帰りますよ。
  70. 後藤博

    後藤政府委員 私はそういうことを申し上げたのではなくて、現実の問題として捕捉が非常にむずかしいという実情を申し上げたのであります。私は脱税してよろしいということを申し上げたつもりではないのであります。
  71. 大石ヨシエ

    ○大石委員 しかし現に納めている者は、赤線区域のわれわれの同性であるすなわち女性が、遊興飲食税を納めているのである。しかるにパンパンは遊興飲食税は納めない。しからば皆パンパンになつたらいいじやないか。なぜパンパンから遊興飲食税をおとりにならないか。そうしてダンスの教習所からなぜおとりにならなかつたか。ダンスの教習所は明らかに脱税行為をしておる。現に私はこの目で見て知つておる。しからば今後かわり財源を見つけるときに、なぜ教習所がパ—テイを開催した場合に、こういう方面をおとりにならないかということを私は重ねて言うのである。それに対してきのうあんたは私に挑戦的に出られた。ゆえに私もあんたに挑戦的に出る。  それからもう一回繰返して言います。私の友達がクリーニング屋をやつておる。私は非常に同情しておる。クリーニング屋がまるで医者や薬剤士と同じように、保健所の管轄のもとにやつてつて、非常にかわいそうである。それは私の知つておる未亡人ですが、婦人の手内職として零細なるクリーニング屋をやつて、しかも五人の子女を養育しておる。私はいつもそれを見て涙がこぼれる。そのクリーニング屋にあえて課税して、どれだけその未亡人は嘆いておるか、それをあなたは机上の空論で御存じない。そして理髪業者は非常に減税されて安くなつておる。それにもかかわらずクリーニング屋が非常に高価の税金を払つておる。そして医者や理髪屋と同じように身体検査を受けて、保健所の非常な圧迫を受けて、彼らは営業しておる。これに対してあなたはどういうふうにお考えになつておるか。私はきのうあなた方に、もつとしつこく質問したいと思つたけれども、また明日もあることだからと思つて質問を遠慮した。私はクリーニング屋に対しても理髪屋と同じような減税の処置をとるのが至当であると思う。もう一度あなたにそのことをお聞きしたい。
  72. 後藤博

    後藤政府委員 昨日申し上げましたように、クリーニング業の方々が、保健衛生の立場から、保健所のいろいろ監督規制を受けられておることを私ども承知しております。ただ保健所の規制を受けるということでありますれば、他の遊興飲食の業者でありますとか、工業関係でありますとか、いろいろな方々が受けておられるのでありますので、クリーニングの業者だけが受けておるのではないということをきのう申し上げたのであります。
  73. 大石ヨシエ

    ○大石委員 理髪業は……。
  74. 後藤博

    後藤政府委員 もちろん受けております。
  75. 大石ヨシエ

    ○大石委員 なぜ同じような税金にせぬのか。
  76. 後藤博

    後藤政府委員 先々回の国会の際に、理髪業は特別所得税に移つて行つたのであります。私どもはその修正のときに反対をいたしたのであります。零細な業者という立場からすれば、お風呂屋さんとか散髪屋さんとか、それだけに限らないのであります。普通の物品販売業の方々の中にも、非常に零細な業者がおられるのであります。従つてそういう方々とは別に、特殊の業態だけを抜き出して、もつて課税の率を下げるようなやり方につきましては、だんだん非課税が多くなつて行くはかりでありまして、取残される方々か相当たくさんありますので、負担の均衡がとれなくなつて参る。従つて全体を安くするとか上げるとかいうことならばいいかと思いますけれども、特殊の業態だけ取上げて、それを税率の低い部門に移して行くということは、われわれ事務当局としては反対せざるを得ませんということを申し上げたのであります。そういう意味のことを昨日も申し上げたつもりであります。
  77. 大石ヨシエ

    ○大石委員 そうしたら、私は再三口をすつぱくして言いますが、なぜかわり財源として教習所に入場税としておとりにならないかというのです。現に教習所はそうした営業をしておつて脱税をしおる。業者はほくほくものである。ダンスを営業しておる者は、みな教習所に持つて行かれるので、非常に弱つておる。それに対してあえて脱税させておいて、こういう零細なクリーニング、教科書の業者に課税をされるということは、あなた方官僚の頭をどうかと思う。やはり官僚は官僚だ。
  78. 後藤博

    後藤政府委員 ダンス教習所の点につきましても昨日申し上げたのでありますが、これは課税すべきものである、おつしやる場合のダンス教習所がほんとうのダンス教習所であれば、入場税はとれないと思います。しかしおつしやるようにダンスホールと同じような内容であればとれると思います。またそういう指導をしておりますし、現に東京都でも賦課しておると申しております。従つて多少の脱税はあるかもしれませんが、これによつて相当の財源が出て来るとは思つておりません。
  79. 大石ヨシエ

    ○大石委員 相当の財源が出て来るとは思わないとおつしやいますけれども、現に名前だけ教習所として、そうしてダンス・パーテイでもつて普通のダンス業と同じことをやつておる。現に私が知つておるのである。知つておれば、ただちにそれを是正したらよいではないか。私たち代議士の言うことは、あなたは信じられないのですか。あなたはあくまで自分たちの言うことを主張されるのか。私はよく知つている。はつきり答弁してください。
  80. 後藤博

    後藤政府委員 私ども課税すべきものだと考えております。また東京都も課税しておると申しておりますが、もしも課税されていないものがありまして、具体的にその場所を御存じでありますれば、お教えいただければ、私ども連絡して課税したいと考えております。
  81. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私はその場所をよく知つておりますから、後刻あなたに教えますが、それは日本全国にあります。日本全国というとたいへんですから、一一名前は言いませんが、教習所というものに課税されれば大分脱税が助かります。かわり財源が出ます。これをぜひ入れてほしい。  それから私は近く外国に行きますので、もう一度念のために言うておきたいのですが、新聞に掲載されている教科書の広告は免税されておる、しかるに零細なる供給業者に対して、当然免税すべきであるにもかかわらず、これが免税されずして、かわいそうに田舎の学校の生徒は高い教科書を買つて読んでおる。教科書というものは公共性を持つておるものである。それだのに父兄から教科書は非常に高いという声が聞えます。母親からこのごろの教科書は高いから安くしてほしいという声がある。これはやはりこうした人々の声をよく聞いて、新聞が公共性を帯びておるのと同じように、教科書も公共性を帯びておるのであるから、私は免税にしてほしいと思う。これはきのう言うたことと同じでありますが、ぜひとも免税にしていただきたいと思いますので、もう一度念のためにお聞きしておきたい。
  82. 後藤博

    後藤政府委員 私はやはり教科書は公共的なものだと考えております。この教科書を取継ぎされる方が現在のように、普通の企業と同じような企業をされておる限りにおいては、私は一般の企業と同じように税負担をするのが当然だろうと思つております。  それから事業税金がかかつておるから教科書が高い、そういうお説もあるようでありますが、私は全体の税金を安くするということであれば別でありますが、地方団体の事業税だけを考えることによつて、私はそれほど安くなるとは考えておりません。むしろ企業者の所得が多くなるだけではないか、また他の同じような出版物を扱うような方々との負担の均衡が破れて行くのではないか、かように考えております。非常に零細な方々ばかりでなく、相当大きな企業の方も取継業の中にはおられるのでありますから、私はもつと経営の合理化をすることによつて、国民の要求する価格の安い教科書は、現行のもとにおいてもつくれるのじやないか、こういうことを申し上げたのであります。
  83. 大石ヨシエ

    ○大石委員 経営の合理化とは、どういうふうなことをもつて経営の合理化とおつしやいますか。それからどういうように経営の合理化をすれば、非常に安い教科書を児童に配付することができて、父兄を喜ばすことができるか、これをまず教えていただきたい。
  84. 後藤博

    後藤政府委員 教科書の業者の方々に、私どもこの間も申し上げたのであります。ほんとうに教科書が国家的なものであり、ほんとうに安い教科書を一般の国民に供給される必要があるということでありますれば、私は営利を目的とする現在の企業体そのものから、もつと公益的な公益法人に移つて、そして一定の歩合金をとつて、保障された企業としてやられることが必要ではないか、そこまで行かなければほんとうに値段が安くならぬのではないかということを考えて、そういうことも申し上げております。
  85. 大石ヨシエ

    ○大石委員 あなたは机上の空論をおつしやつておるのです。あなたの今おつしやつたようなことで、教科書が合理化されて非常に安くなる、そういうような甘い考え方をお持ちになつたら、とんでもないことです。やはりこういうふうに新聞の広告に対しても免税しておる以上は、児童の教科書に対してはこれを免税するのが当然である。新聞というものは公共性を帯びておる。しかし新聞があの広告料をとつて広告しておることが、何ゆえこれが免税になつておるか、それを教えてください。
  86. 後藤博

    後藤政府委員 この点も昨日申し上げたのでありますが、新聞はいろいろな事情から……。
  87. 大石ヨシエ

    ○大石委員 広告また別です。あれは営業です。
  88. 後藤博

    後藤政府委員 新聞業と申しますものは、広告、販売をあわせて行つておるのでございますが、新聞業というのはずつと長い間営業税時代から、かかつていないのであります。それが終戦後二十三年に事業税ができましたときに、新しく課税されることになつたのであります。その後新聞がかつて課税でありましたために、昔の姿に返してもらいたいという要求がありまして、それが議会の修正になつて現われまして、昨年から非課税になつておるのであります。何ゆえに地方税だけ新聞が非課税にならなければならないかというりくつにつきましては、私どももよくわかりません。実は私ども地方団体から説明を聞かれましても、私どもは答える方法がないのであります。国税は課税されて、地方税だけは非課税になつておるという実際の理論的な説明は、できないのであります。
  89. 大石ヨシエ

    ○大石委員 そうすると全国の教科書の業者から幾らくらい事業税をとつておりますか。税額を聞かしてください。
  90. 後藤博

    後藤政府委員 事業税でたしかに三千二、三百万円ではなかつたと思います。
  91. 大石ヨシエ

    ○大石委員 たつたそれくらいのものは、私一人でもかわり財源を見つけてあげますよ。ひとつそのことについては懇談しようじやありませんか。  それではこの問題はこのくらいにして、私は舞鶴ですから海に関係があります。そこで海運に関する固定資産税並びに事業税のことについて、ちよつと知りたいと思いますが、これは一体どういうふうになつておりますか、教えてください。
  92. 後藤博

    後藤政府委員 海運関係事業税の方は、一般の運送業と同じように、収入金額を基礎にして課税いたしております。それから船の固定資産税は、一般の償却資産とは取扱いを別にいたしまして、船体と機関と電気部門とそれぞれ三者にわかちまして、再取得価格を基礎にして評価いたしまして、課税いたしております。
  93. 大石ヨシエ

    ○大石委員 それではシヤウプ勧告による税制の改正に伴いまして、これは一時廃止されたのですか。この点私わからないので教えていただきたい。
  94. 後藤博

    後藤政府委員 元は船につきましては、固定資産税というものは船舶税という名前において、一トン何ぼというかけ方をしておつたのです。ところがシヤウプ勧告の後に地方税法が改められまして、一般の償却資産の中に含まれることになりまして、従つて評価の方式をトン当り幾らということでなく、全体の評価をいたしまして、その評価を基礎にして、それに百分の一・六%の税率をかけて、課税をいたすというように改められたわけであります。
  95. 大石ヨシエ

    ○大石委員 しからば固定資産税が全国の船舶業者に対して幾らかかつておりますか。それから事業税が船舶業者に対して幾らかかつておりますか、教えていただきたい。
  96. 後藤博

    後藤政府委員 事業税の方は、はつきりした数字を私承知いたしておりませんが、ほとんどかかつておりません。非常に少額だろうと思います。固定資産税の方は、たしか十二、三億と思います。
  97. 大石ヨシエ

    ○大石委員 それから事業税の方は何ぼです。
  98. 後藤博

    後藤政府委員 海運関係事業税は、はつきりした数字は今持つておりません。
  99. 大石ヨシエ

    ○大石委員 それではあとで知らせてください。
  100. 灘尾弘吉

    灘尾委員 税務部長にお伺いたしたいのですが、今日の地方の財政の状況といいますか、あり方と申しますか、これについていろいろ批評があるということは、十分御承知のことと思います。私は、ただいまの地方の財政の状況というものが、このままの姿で今後続くということになりますと、これは地方自治という名があつて、その実がないと言つてもよろしいのではないか。これはいまさら申し上げる必要もないことで、十分御承知のことと思うのであります。私も実は関係いたしておりますけれども地方制度調査会におきましても、この財政制度につきましては、再検討が加えられることになつておると思うのであります。だんだんとその結論も出て来るかと思うのでありますが、政府といたしまして今の地方の財政、ことに地方財源の状況につきまして、どういうふうにお考えになつておりますか。御構想がありましたら、ひとつお漏らしを願いたいと思います。
  101. 後藤博

    後藤政府委員 お答えいたします。府県と市町村とわけて申し上げたいと思いますが、府県税は、現在自主的財源のうちで、税が占むる地位が非常に低いのであります。これをもつと上げて消費的経費ぐらいはまかなえる程度に、六〇%近くの自主財源が税でもつて持ち得るような方式に持つて行く必要がありはしないか。市町村の場合は、大体五〇%から六〇%の間の市町村が相当多いようであります。これはもう少し普遍的な税種を持つて行けばいいのじやないか、かように考えております。府県の場合も、市町村の場合も、通じましてどんな税源を持つて行きましても、非常に偏在をいたしますので、偏在をどういうふうにして防止する措置を講ずるかということは、私は地方税の最も大きな問題であり、最も困難な問題であろうと思います。  府県と市町村に、どういう税種を持つて行つたらいいかということでありますが、できるだけ普遍的な税種を多く市町村に集めて、市町村の税はあまり偏在しない税が私はいいのじやないかと考えております。たとえば現在の市町民税でありますとか、固定資産税でありますとか、そういうふうな非常に普遍的な税種を多く市町村には集むべきだと思います。しかし現行のもとにおいては、府県税には、そういう普遍的な税種がないのであります。府県の場合に、普遍的な税種で、しかもあまり偏在のない税種を、どういうふうに持つて行くか、そのまま持つて行くか、還付税の方式をとるかという方式があると思います。ともかく何らかの形において、その府県の税にもう少し普遍的な税種を持つてつて、税源を多くするということが必要であろうと思います。しかしどんなに努力いたしましても、私は偏在は必然的に出て来ると思いますので、最後は、偏在のロスをどうしたら少くすることができるかという問題が、私は地方税制のかぎではないか、かように考えておるのであります。
  102. 灘尾弘吉

    灘尾委員 地方の税制についてのただいまの税務部長のお心持につきましては、私どもも、同感であります。ぜひそういう方角についてお考えをいただきたいと思うのであります。今回の地方制度調査会における地方財政制度あるいは税制制度の改革につきましても、必ずやその方角に向つて調査が進められなければならないと思うのであります。政府のお気持もそこにあるとするならば、まことにけつこうであると考えるのであります。ただ私は今回の地方財政制度の改革というものが、単なる税率を少し上げるとか下げるとかいうようなことでなしに、ほんとうに根本的なメスをお入れ願いまして、そうして地方の財政が確立するような方角に持つて行かなければならないものと考えるのであります。幸い大臣もおいでになりましたから、地方財政あるいは地方税制の改革の方角につきまして、大臣の御所見を伺うことができれば幸いと存じます。
  103. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 ただいま税務部長からいろいろお答え申し上げたと思うのでありますが、ただ基本的な大きな考え方だけを申し上げますと、一つは、私は平衡交付金とこの固有の財源というものについての問題点は、平衡交付金はできるならばなくしたいという考え方、できないにしても、これはふやさないという考え方、従つて平衡交付金は富裕団体と貧弱団体との間の財源調整をするために、必要な最小限にとどめておきたい。そういう考え方から出て参りますると、当然固有の財源をよけいにしなければならないという考え方でありますが、この場合には、地方の負担、住民の負担というものも十分考えまして、ただ地方の固有の財源をふやすというだけでなしに、できるだけ国家財政を緊縮して、国税を減らして、地方の住民にゆとりをつけて地方の固有の財源を持つて行く、こういう考え方をしております。それから固有の財源考えるというのでありますけれども、非常にいろいろな個々の税目を検討してみましても、ただいま税務部長もちよつと申し上げておつたようでありますが、なかなか偏在しない税目というものは見つかりそうもないのであります。そこで、なるべくその中から偏在しない税目というものを相当数拾い出して、かなりそれでもつて財源を充実し、なお個々の地方団体においては特有なものを私は法定外の税目でもつて、かなり認めるように持つて行けばいいのじやないか、大体このように考えておるわけであります。
  104. 加藤精三

    加藤(精)委員 大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、どうも新聞では税制審議会というものを非常に強く扱つておりまして、その税制審議会の案によりますと、現在地方税になつておりまするところの固定資産税、入場税、遊興飲食税等は、すべてこれを国税にするという案が、相当信用のある有力な情報として伝えられておるのであります。それに対しまして自治庁にお伺いしましたら、どうも事務当局の方はあまりタッチしてないようでございますが、汐見先生を会長として相当有力に調査を進めておつて、これは特に総理から下命があつて、その税制審議会というものに相当重きを置くようなことに聞いておるのであります。われわれといたしましては、ただいま大臣がおつしやいますように、なるべく普遍的な税種目を地方団体に与えまして、それで平衡交付金を今日よりはるかに小さくするということは、理想とは思いますけれども、たとえば私の生れた山形県のごときは、現在府県経費の一〇%もとうてい県税では徴収し得ない。県内でとつております所得税その他の国税を、みんな地方に還元いたしましても、二十四、五パーセントにしかならない。そういう場合において、先ほど税務部長さんから少くとも六〇%くらいまでは、県税をもつて地方経費をまかないたいとおつしやるのですけれども、そういうことは事実不可能なことがわかり切つておるのです。それだといつて急に工場を地方分散して、そうして同じくらいの力の地方団体をつくりたいというようなことを、自治庁の次長は言つておられますけれども、そういうことは、現在のわが国の実情では、できないこともまたわかり切つておる。そういう面からいいましたならば、大臣が理想とせられる平衡交付金等調整財源を極度に小さくするなんということは、事実上行えることじやない。私は税制審議会というものが考えておる方向、それから地方制度調査会の考えておる方向が、ひよつとしたらどうもとんでもない、また例の平衡交付金の前の不完全な、まだ進歩していない時代の地方財政制度に逆転しはしないかということを、非常におそれるものであります。私の仄聞するところによりますと、政府の方では不動産の移転に対して、これを府県税の根幹にしようという考えを持つておるかのようにも聞いておりますが、現在の固定資産税を残しておいて、その上に不動産の取得をまた地方税に加えるということでございますと、固定資産税が地方税でなくとも、もうほとんど地方の中堅階級は滅びてしまうのです。かれこれ重大なことでございまして、府県にも住民税をとらせるということも、私は非常にいけない制度だと考えておるのであります。また自治庁府県自治体というものを、将来市町村自治体よりも軽い程度の自治体にするか、あるいは行政区画にしようという考え方は、根本的に矛盾しております。それらの点につきまして、ごく大ざつぱな輪郭でもいいから、大臣の御構想を明らかにしていただくことができますれば、たいへんありがたいと思います。
  105. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは現在いろいろ構想をまとめつつある段階でありまして、地方制度調査会においてもおまとめになつていただいておりますし、また国の方の場合には国の税制調査会においてもむろん考えております。またそれぞれ事務当局においても考えておりますので、その段階においていろいろな案が出て来るということはやむを得ないと思うのです。そういうものがだんだんと出て検討されて、逐次いけないものはいけないということでだめになつて最後意見の一致したものだけが、具体的な案として出て来ると私は思うのでありまして、従つて加藤委員が御指摘になつたようないろいろなお話は、そういう意味において世間に伝えられている問題ではないかと考えるわけです。  そこで、ここに御指摘になり、御心配になつております幾つかの税について、私の考え方を申し上げますならば、私は入場税、遊興飲食税が国税に持つて行かれるという考え方が、一つ確かにあるということはよく承知しております。しかしこれを持つて行くこと自体が、いいか悪いかということの判断をいたしますときには、それではこれを持つて行くならば、ほかにどんな税が地方に返つて来るかということと総合的にきめらるべき問題であつて、私は今のところこれを持つてつて地方にこれならばいいというような持つて来る税目が考えられないから、これを地方から国へ取上げるということは、おそらく適当ではないのじやないかと考えております。それから不動産税というお話でありましたが、不動産取得税のことでないかと思うのでありますが、不動産取得税は私は考えたこともございませんし、あれを復活するということは適当でないのじやないかと、私どもとしては考えております。
  106. 加藤精三

    加藤(精)委員 ちようど大臣がお見えになつておりますので、大臣の新聞紙の御発表は、私は大臣の直接の御言明かどうかということはわからないわけでありますので、それを信じているわけじやないのでありますが、たつた一言お尋ねしたい。それは町村合併の問題につきまして、大臣はこれは二度になしくずしに合併させるという御方針のようでございますけれども、私は非常に反対であります。これは町村の設置区域として非常に意味を持つている。地方団体の設置区域としても非常に重要な意味があるのみならず、国のすべての行政につきまして、行政区画の基本ともなるものであります。これにつきまして、今回の町村合併は暫定的にやり、引続いて大地震のように大きな合併がある、そして二段で完成する、こういうことを参議院で御答弁されているやに承りますが、これは非常に今度の町村合併を権威なきものにするばかりでなしに、非常な迷惑を各地方にかけるのであります。これはせつかく全国の地方団体も意気込んでいるときですから、抜本的な町村合併をやつていただくように、それにはどうしても国家的意義の重要性にかんがみて、自治庁の中にしかるべき大きな権威のある合併審議会というようなものを設置されまして、大臣の諮問機関とされる、そこで町村合併の基本方針を充実せられまして、平均人口がほとんど一万内外くらいの町村が大多数の県もあるようでありますが、そういうところは別といたしまして、全国にわたつて合併の基本計画を指導されまして、そしてこれを府県知事におろして、府県知事はその区域内の合併計画の案を作成いたしまして、それを各市町村に参考に送付してやる、そういうような綿密周到なる準備のうちに、どこまでも市町村の合意をもとといたしまして、そうしてよき指導のもとに市町村の合意ができたら、その合意を極力尊重いたしまして、大体の場合は民主的に盛り上つた意思を尊重して認めてやるというような形にしまして、最終の紛擾は自治庁長官が審議会の意見を聞いてみずからこれに当るというような形で、大きな決意を持たれまして、政府がこの画期的な大事業を完成させるというお気持でやつていただきたい。今回はまずできるものから行き当りばつたりにある程度やらして、そうして次に画期的な大合併をやるということでは、私の考えるところではどうも地方をまどわせることになるのではないか、また国家的にも非常に不得策ではないか、国家行政の遂行の上に、非常に不得策ではないかと考えておるのでありますが、大臣の言われる第一次、第二次ということの時間的な大体の見当、それから第二次では大体どのくらいの最終のできがたの町村を希望しておられるか、人口三、四万の市に匹敵するような町村にするのが第二次のできがたの予想であるか、そういう点、もう町村合併は行き詰まりのところまで来ておりますので、この際大臣のお考えを聞けたら幸いだと思います。
  107. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 そのようなことは確かに申した覚えがあるのでありますが、しかし私の申した気持がはたして正確に新聞に伝えられておつたかどうかは、よく承知しておらないのであります。私はこういう考え方を実はいたしておるわけであります。自治団体というものが、今の日本のように、ことに狭い国に市町村の自治団体と府県の自治団体と二段階もある、しかも上下の関係にあるということは非常にむだではないか、自治団体は私は一段でたくさんだと思つている。しかし今のような小さい自治団体を相手にして、一段という考え方ではとても問題にならないからして、当然自治団体が相当大きく行政力も財政力も充実して来るという前提に立つての今の考え方であります。そういう私の考え方からすれば、府県の自治団体ということを否定しておるわけですが、私は今度の町村合併というものは、その第一段の措置として今一万近くある町村を半分近くにするということは、非常にいい考え方であるというように、非常に期待を持つておるわけです。しかしこの程度では私の考えるところの規模まではまだ行かないのではないか、そうかと行つて今一気にこれをやるということになりましても、なかなかそれは困難であり、また困難であるからこそ、今度のこの合併促進法におきましては、いろいろな恩典を呼び水として、これができるようにしてあるわけです。これは三年間でありますから、三年間で大体この目標通りの約半数の町村にして行きたい、さらにそれから何箇年間か後に、情勢などもかわりましようし、また住民のものの考え方もだんだんと、とりあえずまとまつたものが、その感情の融和がとれて一つになつて行けば、さらにそれから外に広げて行くという考え方もできるようになりますから、そういう機運の熟するところを見て、もう一段またやるというところぐらいまで行つたらば、大体自治団体一段階という程度の規模として考えられる自治団体というものができるのではないか、こういう考え方をしておるわけであります。従つて問題は相当さきの話でありますので、今その段階においての自治団体の規模を、どれくらいに考えておるか、たとえば人口をどれくらいに考えておるかというようなお尋ねに対しては、具体的にお答えはできませんけれども、大体そういう考え方でものを申したのが、新聞に伝えられたと御了承願いたいと思います。
  108. 加藤精三

    加藤(精)委員 私から考えますれば、大体機械的に現在の町村の数を半分にするという目標、これは普通事務官が立てるなら別でありますけれども大臣といたされましては、市町村の区画が単に古来の隣保輯睦というようなことをも含んだ地方団体の設置区域として意味あるということ以外に、国の行政単位として非常な重要性を帯びて来ており、また交通機関の発達が、ほとんど加速度になつておる現状から見て、二分の一にするというものを、もう一挙にこの際四分の一にも五分の一にもなる県があつても、さしつかえないというくらいの大きなお考えでやつていただくことの方が、地方行政の伸展にも国政の伸展にもよいのではないか。と同時に町村が交通上、社会上、経済上その府県にある市と密接に連繋ができてしまつて、共存共栄のために市の区域の方に入つた方が都合のよい場合がある。要するに大臣のお考えによつても、われわれ地方行政の連中の考え方によつても、弱小町村では何ともならない、それで事務の再配分その他のためにも、町村の規模が大体平均化することを望むのでありますから、それがたまたま都市から遠いところとくつついても、都市に近いところにくつついても、町村の規模の平均化ということにはかわりはない。現在はむしろ農村の方がよけい潜在失業人口を抱いておる。これを農村から離れるなといつても、実際そういうことは無理です。そういうような点も十分にお考えいただきまして、都市に合併することと町村同士でくつつくこととの間に差別待遇をなさいまして、不自然にこの町村合併という画期的な大事業の実際の細部の執行をゆがめないようにしていただきたい。これは自由党の代議士会長の田中伊三次氏よりも、地方制度調査会に意見の上申をしておる中にも書いてございますが、この点は最も実情をよく知つておられ、実務家的の御性格を有せられておる大臣に、特に私たちはお願いしたい点でございます。その息につきまして、御答弁は必ずしもいりませんが、大臣に十分な御決断をお願いしておきたい、こう考えます。
  109. 門司亮

    門司委員 せつかく大臣おいでになつたのでこの機会にお尋ねいたします。先ほど大臣がおいでにならないから不信任を出そうか、こういうことになつたのでありますが、それは別といたしまして、そういうことが考えられますのは、さきに自治庁関係で問題になつております、大臣も御承知の、政務次官の愛知さんと自治庁の政務次官の青木さんとの間に、いろいろな話がなされた例の地方自治法二百五十条の政令の削除という事件であります。これは事件といつた方がよいかもしれません。こういう問題について先ほど大蔵大臣からいろいろ伺つたのでありますが、その話の内容を繰返しますと、大蔵大臣も実際の実情はよく御存じになつていないらしい。もしそういうことがあるならば改めるということで、実は帰られたのでありますが、この際大臣に聞いておきたいことは、この二百五十条の規定は、御存じのように前の二百二十六条ないし二百二十七条の規定を一応抑制したのであつて従つてこれを政令に譲つておるのであります。これは必ずしも恒久の条文ではないというふうに考えられるのであります。適当な時期にはこれを廃止すべきである。これに対して大臣はどうお考えになつておるかということと、それからもう一つお話をしておきますが、二百五十条がありますために、政令の内容は、大蔵省並びに当時の内務省でありますが、両省の指令が出ておりまして、起債認可を必要とするときには、五百万円以上の認可に対しては協議をするというように、これは政令に基く両者の指令みたいなものであつて法律的にはきわめて軽く取扱われておる。この軽く取扱われたものが、その法律上の取扱い通りになつておればよいのであるが、これが実はこの法律に定められておる二百二十六条ないし二百二十七条の権限までも侵すような形になつておる。地方自治体起債を議決すれば、それでよいことになつておるにもかかわらず、その議決したものをさらに自治庁長官あるいは都道府県知事に申請した場合に、法律的の立場からいえば、大蔵省は単に両省の発した指令によつて協議をすればよいという法律的根拠しかないにもかかわらず、これが末端までもいろいろくちばしを入れて来て二百二十六条、二百二十七条の自治体権限を侵害するようなきらいが多分にある。従つて、それをさせないようにする、あるいは目的を産するようにするには、お百度を踏んで両方に書類を出さなければならぬことになつておる。書類の点からいえばおそらく一つでよいと思うのだが、実際はそういうことになつておる。そういう大蔵省行き過ぎに対して、いろいろ議論をし、さらに当局にも迷惑をかけて、そして話合いをしてから、今日でほとんど一週間になつておりますが、長い間両省の間で打合せをして、その結果として出されたものが何らわれわれの意に沿うものではありませんので、実はここで取上げて議論しようと思つておりません。こういうものはむしろないものと考えておつた方がよいかと思いますが、地方自治法本旨と、さらには地方自治体の自主性を、大蔵省出先機関が非常に大きく阻害しておるという事実に対して、自治庁長官としてどういうふうにお考えになりますか、二つの点を一応伺つておきたいと思います。
  110. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 お尋ねの第一の点は、地方債をいつまでも今のように許可制度にしておくかどうかというお尋ねであつたと思うのでありますが、私もまつたく門司委員と同じ考え方であります。要するに財源的に金融的に非常に困難な情勢にありますので、できるだけ資金運用部資金の総額の中で、地方債その他の起債をまかなえる範囲にしたいどいうことなのであります。ですからこの困難な事情がなくなつて、一般にみなどこでも公募ができるということであれば、こんなめんどうなことをせずに済むようになりますし、そういうことになるように私も期待しております。それから、そういう困難な事情のために、現在行われているいろいろな制度が、法規的に、現実の扱いの上に、自治団体の側に非常に御迷惑をかけておるということも、私はよく承知いたしておるのであります。私も長い間地方行政委員その他をやつて平おりまして、この実態はよく承知しておるのであり、できるならば解決したいということで、先般大蔵省と、たまたま郵政省が簡易保険の金を持つておりますので郵政省、それから自治庁、三者の間で話合いをしたことがあるのであります。しかし、やつてみて問題の解決が意外に困難であるということと、もう一つは。今早急にこの問題を解決をいたしましてもそれにかわつて、それではどこでどういうぐあいにして、貸した金がりつぱな目的に使われるという見通しと、その貸した人がその通りに使われるという判定を十分責任をもつてやる機構が、十分整つておらないということを考えましてかたがたそう一挙にこの問題の解決はむずかしいのではないかというので、当面ごく微温的な解決をいたしまして、とりあえず、三者会談というもので三省の間に話合いをしたことがあります。しかしそれでは十分なものではないと私ども考えましたから、なお今後話合いをするということになつておつたわけであります。ところが先般この委員会におきまして、あの政令の改正の御意見が出たのを機会に今また両当事者の間で話合いをして、いくらかそれでも前進をしたようなものができたかに話を聞いておつたのでありますが、ただいまの門司委員お話によれば、あんなものはあつてもなくても同じだということでありますが、私もいくらか前進した程度のものであると考えておるだけで、それで満足したのではないのであります。それから本来のものの考え方からすれば、門司委員のお考え通りでありまして、考え方は門司委員のお考えのようにまとめて行くのが、筋であると私も考えております。ただそういうような根本的な問題は、私はむしろ地方行政、それから国の行政全般の機構改革をいたしますときに、やはり一緒に考えて、こちらから仕事をはずしてしまつたから、かわつてここで仕事をするのだというはつきりした見通しをつけた上で解決しないと、国務の渋滞が起るのではないか。そういうふうに考えましたので、問題を将来の問題、将来と申しましても、そう遠い将来ではありませんが、機構改革の機会に一緒に考えるべき問題として実は残しておるのでありまして、そういう意味において今後一層御期待の趣旨に沿うように努力いたしたいと考えております。
  111. 門司亮

    門司委員 私は今の自治庁の主管大臣としてははなはだ奇怪な答弁を聞くのでありますが、これはなるほど行政整理を行う一つのお役目をお持ちになつておりまする大臣としては一応そういうことが考えられるかもしれない。しかし一つはずせばそれがどういう考え方になるかということも、むろんわれわれは考えておるのであります。考えておるのでありまするが、法律本旨からいつて責任の所在はあくまでも自治庁長官にあり、地方府県知事にあるのである。従つて責任のあるものがやはり許可権限を十分に持つておるということが正しいあり方である。従つて法律では一方においては自主性を持たせるために、何度も繰返して申し上げるようでありまするが、地方の議会の議決においてそれができるようになつておる。ただその利率だとかあるいは償還の年限であるとかいうことをきめて、問題のないものは設置できるようになつておる。そのことはその地方自治体の能力と自治体の持つておりまする規模においてきめるのであつて自治体の議会に対する監視は住民がいたすのであります。従つて地方議会といえども地方住民の意思を越えてあるいは地方住民の納得し得ざるような非常な多額なる無謀な起債をするということはないと考える。ここに今日の地方行政の非常に大きな問題が残つておる。あくまでもやはり地方住民を土台とした今日の地方自治行政でなければならぬ。そのことが反映して、二百二十六条、二百二十七条に、この起債のことについては地方自治体の議会でやれることになつておる。その監督は地方の住民が行うからである。しかるに実際上の問題として金を借ります場合には、手続上の問題としては、従つてそれの直接の主管という言葉はあてはまるかどうか知りませんが、関係を持つ自治庁長官あるいは都道府県知事責任を背負つておるのであります。私はこのことは法律的の手続きとしては一応当然であり、また責任の所在を明確にしておられる。にもかかわらず、さつきから申し上げておりますように、大蔵省がこまかい起債内容にまで至つて、これをさしずするということになると、私は明らかに自治権の侵害であると思う。この自治法建前が、そういう建前法律ができておりまするものを、大蔵省出先官憲が自治の精神を蹂躙して、そうして自治法に非常に大きな侮辱、という言葉が当るかどうかわかりませんが、自治法を侮辱するような態度に出ておるということは、自治庁大臣として現行自治法を守ろうとするならば、今のような大臣言葉を聞くことははなはだ心外である。なるほど行政整理を行いまする場合に、できるだけものの考え方として、これを唱えればいいという考え方も一つではござましようか、それは行政管理庁長官としてのものの考え方だと私は思う。自治庁長官のものの考え方としては、これまで大蔵省出先官憲には、地方自治体権限を蹂躙するような、あるいは自主性をこわすような行き方をしておるものに対しては、もう少しはつきりした態度があるべきだと思う。私はその点について重ねてそれらに対し、自治庁長官は一体いつまでにそういうことをはつきりさせるお考えがあるのか、私が今申し述べましたことが当らないというようなお考えでおありになるのかどうか、その辺の意見はつきり聞いておきたいと思います。
  112. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 ただいま門司委員の御指摘になりましたあり方というものは、あの二百五十条の適用がなくなつた場合に、まさにそうあるべきだし、またそうするつもりでおつたのであります。しかし現在こういうような変態的な事情でもつて、わくで押えているときは、各自治団体の議会が監督をして見ておる。つまり自治団体側からだけのものの判断で、起債の是非は判断できないのであつて、もうひとつ国の全体の立場からの判断というものが必要になつて来る。それをわれわれ自治庁としてするか、大蔵省出先機関においてやるかということになつて、そこに若干問題があると思うのであります。そしてまた現実に大蔵省がそれをやります場合に、その本来の趣旨を逸脱してやつておるという点も、私はないとは一概に否定できないのでありますけれども、しかし考え方としてはそういう仕事をするものを今の段階では、どこかに置かなくちやならない。従つてそういう今日の状態を前提に置くと、やはり機構改革のときに、今の大蔵省出先機関のやつている仕事を、どこかでやるという見通しがついたときに解決する方が一番堅実な解決策ではないかと、こういうように考えておるわけであります。
  113. 門司亮

    門司委員 ますますもつておかしいと思うのですが、一体自治庁長官は現状を御存じにならないのじやないですか。あなたはほんとうに地方自治体の現状を御存じになつておれば、そうした意見は出ないはずだと思う。どこかでやらなければならない一つ仕事になつております。その仕事が現実に非常に行き過ぎておるということである。この行き過ぎておることを、ひとつためようということであります。  それからもう一つ起債の問題については、さつきも話しましたけれども、また長官もよく御承知のように長官自身の責任であります。法律上はあくまでも自治庁長官責任になつておる。にもかかわらずその責任のある自治庁長官が、あるいは府県知事がこれを認可しようとしても、法律上は大蔵大臣には何ら責任はございませんけれども、実際はただ大蔵省が金を貸しておるという建前から、常識的のものの考え方だけで大蔵省の役人が、自治庁長官あるいは府県知事認可してもよろしいとまで考えたものに、とやかく言つてこれを阻害する危険性がある。責任のない者が責任のある者の上を越すということは、明らかな越権行為である、こういうことがしばしば行われるから、地方自治体は困つておるのです。それと同じにそういう事態であるから、実際はいろいろな事務の処理の上においても、二重に手続をしなければならぬようになつておる。法律的にこの問題をすなおに考れば、何も手続が二重にいらぬわけであります。許可の権利を持つておるところだけに出せばいいのである。あと会議をしようと協議をしようと、県庁なり自治庁で相談すれはいいのであつて、何も両方に申請をする必要もなければ、両方に陳情をする必要もないのであります。それが現実には両方に陳情しなければならない。大蔵省はわしの方から呼びつけた覚えはない、陳情に来るから話を聞いただけだというようなばかなことを言つております。そこで自治庁長官が腹をおきめになるなら聞いておきたいことは、地方自治庁起債認可の際は、大蔵省出先機関である大蔵省の財務向に対しては、許可の申請の書類を出す必要もない、陳情をする必要もないというように、ここではつきり御答弁が願えればけつこうだと思いますが、どうでしようか。
  114. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 繰返して申し上げますが、私もこの問題は地方実情を十分よく承知しておるつもりであります。承知しておりますからこそ、先般来何とか問題を漸進的にでも解決したいと努力したであります。実際は解決ができなかつた。しかし将来の行き方としては、御指摘の通りにするのが一番正しいのだと思うし、今私は大蔵省出先機関がやる程度の仕事としては、自治団体側が自治団体の立場において起債をしたいというときに、それを国の限りある資金を効率的に使うという考え方から、どの地方の自治団体のどういう仕事に向つて、どのくらいの額を許すかという仕事についての判断は、これはしてもらつていいんじやないか。もちろんそれを大蔵省出先機関にやるか、自治庁自身がやるかという問題は別に残つておるわけでありますが、そうかといつて、今は自治庁に急速に責任をもつてやる一つ機構的な備えはないと思つております。そういうような意味におきまして、その整理がつくまでの間大蔵省がやつてくれるならば——行き過ぎということはもちろん押えなければなりませんが、一応やつてもらつていていいんじやないか。結局問題の解決は、機構改革のときに持つて行きたい、こういうように考えておるわけであります。
  115. 門司亮

    門司委員 自治庁大臣がそういうお考えだから、こういう書類が出て来るのであります。この書類を読んでごらんなさい。何と書いてある。問題の核心にはちつとも触れておらない。起債のわくが、なるほど現在の段階では、国家財政規模の関係から、ここに書いてありますように、大蔵大臣自治庁長官との間に会議されることは、私は当然だと思います。いいとか悪いとかいうことは別といたしまして、そのことはわれわれはよくわかつておる。そこをわれわれは文句を言つておるのではない。現在でもこれはここに書いてありますように、会議されて起債の総わくはきまつておりましよう。そうして自治庁としてはどこの府県にはどれくらいだというわくが大体きまつておりましよう。そのきまつておるわくの範囲内において申請をして許可をするのであるから、最も実情に即して、市町村の起債に対しては都道府県知事がこれを行う、五大市並びに府県起債については、自治庁長官がこれを許可するというように、現在の法律はそういうことを十分考えて出されておる。従つてどもの聞いておりますのは、すでに定められたわくの範囲内において申請をしておるものに対して、大蔵省がとやこう言うのであつて、私は決して総わくを大蔵大臣と話合うことを、どうこうと言うのではありません。もし自治庁長官は、これは大蔵省にまかした方がいいのだつたり、はつきりそうしなさい。そのかわりに自治庁立場もなくなりましようし、地方自治体は一体どうなるか、財政的にきわめて重要なこういう問題が、今の自治庁長官答弁のように大蔵省にまかせるということがよければ、自治庁はやめた方がよろしい。財政の完全な見通しがつかない、財政の問題について自治庁長官自分考えを行えないという行政組織にするならば、自治庁はやめて大蔵省一本にしてしまえばいい。そういうことを自治庁長官の口から聞くということはきわめて心外である。私は自治庁長官としては、どこまでもやはり自治体の自主性というものを守つてもらつて、そうしてすでにあなた方の間で、十分協議されて割当がきまつておるはずである。そのわくの範囲において定める起債については、大蔵省の役人よりも——それを行政監督長官とは申し上げませんが、少くとも今日の段階においては一応総合的の行政を行い、さらに広域行政建前をとつております。あるいは一つの総合体の長として長官がおります以上は、その一番事情のわかつた、しかも複合体の自治体とは申しましても、今日の自治体であることには間違いないのでありまして、この責任者である知事が、これを認可し、これを操作することは正しい行き方である。従つて現行法では責任の所在をちやんと明らかにしておる。その責任範囲を超えた出方を大蔵省の役人がするのでありますから、私はけしからぬと言つておるのである。その点は大臣はよく御存じだというが、私は御存じないと思う。御存じであるならば、そういう答弁はできないと思う。私はこの際はつきり聞いておきますが、大臣の腹は行政整理を行うと言いますが、その時期は一体いつごろであるか、そうしてこれをどういうふうに処理されるか、大蔵省にこれを委譲されるような御意思があるならば、これはとんでもないことであるが、そういう御意思があるかないか。
  116. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 繰返して申し上げますが、その考え方は門司委員の御指摘の通り私も同感であります。そのようにしなければなりませんが、大蔵省の現在やつておりますやり方は法的にも問題がありまするし、現実的には権限を超えてよけいなことをしておるということも認められます。しかしそのやつておる仕事の中で、全部が全部私はむだな仕事だとは実は考えておらないのでありまして、その程度の仕事でなおやつてもらわなければならない仕事があるんじやないかと考えますので、やはり今の段階では今のままでやつてつて行き過ぎておる点は大いに是正して行かなければなりませんが、根本的の解決はどうするかということであれば、さつき申し上げたように機構改革のときにしたい。機構改革は来年の予算に間に合うように、九月ごろに予定いたしておりますので、今想を練つておる。しかし長い将来でもありません。今いたずらに無用な争いをして、当面問題になつている問題の解決を渋滞さしてしまうと、一層地方団体の御迷惑になるんじやないか、こういうような考え方で、微温的な解決策でありますけれども、当面そういうような措置をとつて参りたい、こういうふうに考えております。
  117. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 大臣に、先ほどからの御答弁に関連しまして一、二お尋ねいたしたいと思います。灘尾委員の御質問に対しまして、平衡交付金をなるべく少くして、そうして地方財源をたくさん与えたい、まことにけつこうであります。しかしながらその中に普遍性のある財源を上げるのは、なかなか困難であるというような御意見でありましたが、酒の税金、それからタバコの専売益金、こういうようなものは、私は相当普遍性のある税金だと思います。その意味においてそういうものについてどういうお考えであるか。
  118. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは御指摘の通り、普遍性のあるものを探すことは非常に困難だという中でも、そういうものがやや普遍性のあるものとして、一つ考え方として十分検討の価値はあるものと思つて、われわれも検討いたしております。しかしまだそれに対して確定的な結論を出す段階までは参つておりません。
  119. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 やや普遍性ということでありますが、これは私はきわめて普遍的なものであると思うのであります。酒の税金だと千億を突破いたしております。専売益金もおそらく千億を突破する。両方で二千億近くなつておる。これは還付税にするかあるいは配付税の形にするか、いずれにいたしましても、これをひとつぜひ地元の住民とひもつきにやつていただきたい。地方財政ことに県の財政におきましては、きわめて不安定なる入場税だとか遊興飲食税だとか、そういうようなものでもつて財源をまかなえというのは、初めから乱暴きわまる話だと思うのであります。そうして国が最もとりやすい税金を、簡単にすつととるというのが現実の姿であります。この点については自治庁長官として、今度機構の改革をなさるとおつしやつておりますけれども、私どもさつき伺いまして、たとえば将来は府県の廃止に向うべきである、賛成である。ぜひ勇気をもつてそういう問題については、断然やつてもらいたいということを希望いたしておきます。  それからただいま問題になりました起債認可の問題、これは少し問題を大臣自身もこんがらかしておると思うのでありますが、大蔵省起債のわくの問題は純経済的な問題であるが、自治体におきましては、それと同時に認可の問題が非常に大きな問題で、大体今の自治庁としてはどちらに重点を置いて考えておられるか、お伺いいたします。とにかく法令に認可を要するということがあります。こういうものをはずしたら起債のわくが非常に大きくなるとかならぬとか、かつてにおつしやつておるように私どもは思う。もう少し自治体内容を判断していただきたいという意味なんであります。皆さんはすぐこの問題を逃げられるのに、わくの問題もありますが、市町村の予算に対する認可を県がやる、あるいは県の起債に対する認可自治庁がやるということと、それからわくが大きいとか小さいとかいうこととは、本質的には私は別の問題であると思います。どうして今のような状態で、認可をまだ残しておるのかということをお尋ねしたいのであります。
  120. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは先ほども門司委員のお尋ねのときに、考え方の端つこだけは申し上げたと思いますが、それは御指摘のように、地方起債を希望いたしますときには、それだけの需要があつてするのであり、同時に将来の償還計画もおのずから立ててやつておると思いますから、その面だけを考えて見れば、認可というようなものを残しておく必要はないことは、御意見通りであります、ただしかし、地方がそういうぐあいに起債計画を出されても、今のような情勢で、はたしてそれがそれぞれの弱い自治団体の手でもつて、金にかえられるかどうかということになると、かえられない。起債計画をすると同時に、この資金の裏づけを預金部資金でやつてくれというお考えであるからそうなると、預金部資金の総体の額の制限があるから、どうしてもその面で規制をして行かなければならないということになつて認可が残つておるのであつて、こういう制限がなくなつてしまえば、地方がほんとうに起債許可さえしてもらえば、われわれの方で公募できるということであれば、どんどん今までよりももつと自由にしていいわけであります。また今の現実の状態でも、地方起債のわくについて、公募の場合にはかなり自由に許すようにだんだんなつてつております。
  121. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 お考えのほどはわかりますが、実は全国の自治体が一番困つておるのは、あなたの考えておられることではないのであります。金がない、金がないと言いますが、それは中央に行つて言う口上なのでありまして、ほんとうに困つておるのは、認可の問題であると思うのであります。これがまず第一段階であります。大蔵省に参りまして、五百万円や千万円の問題でけられたならば、帰りまして地方銀行に言います。あるいは問題によつては、住民に重税を課するかわりに、十年貸してくれ、二十年貸してくれということでやる。貧乏県はやれない、貧弱な村はやれないと思われるのは認識不足だと思う。しかし認可がいりますから、認可をもらわなければならぬというので、来る。そして通にもらい得だという思想が、全国に瀰漫しておることを、あなたは御存じであるか。府県や市町村の長は皆さん人事権はありませんよ。あの人たちは立候補のときに何と言つて演説していますか。おれが当選したら、中央とつながりがあるから、起債でも何でも楽にできる、こう言つておる。五百万円の起債をとるためには、百万円や二百万円使つてもいいと公言しておる。あなたは日本の経済的な自立のために、資金を効率的に運用すると言うが、現状においては逆に非効率的になつておる。この起債を獲得するために、全国の市町村はどれほどむだ使いをしておるか。社用族に対抗するものとして公用族という言葉がある。この大半はこの問題にかかつておる。そういう面を皆さんは真剣に見通していただきたいと思います。もし町村において起債ができないという村であるならば、仕事をやめたらよろしい。それくらいはつきりした線を出しなさい。このことのために、実力があるのにできない町や村は幾らでもあります。起債許可がないので、借入金をしてすでにもう五年になり、六年になるというふうな町や村は、全国にたくさんあります。県でもそうであります。こういうことでありますために、県会あるいは市会あたりの監督も非常にルーズになり、どうぞ頼む、知事東京へ行つて金をとつてくれ、何ぼでもとり得だというのが、県会議員、市町村会議員の考え方ではありませんか。どこがとつたから、今度はおれたちもとろうということであります。それだけではありません。全国の実際の話が、農業関係のものでも、あるいは厚生関係のものでも、ことに建設省の事業においても、もらい得である。人事権をお持ちにならぬ皆さんが、幾ら監察を厳重にしてもだめです。だから主権在民に基いて、すなおに地方自治を一応やらしてごらんなさい。私は一歩譲つて、皆さんにあるいは事後の審査を許してもいいと思います。しかし事前に認可を与え、事前に競争さして、それによつて補助金を与えるというふうな制度は、これは改めなければならぬと思う。市町村の生命は、機構がかわりましても、悠久であります。一年や二年でどうこうするわけではありませんから、政府がそれほど心配ならば、事後に審査をしなさい。一年一回ぐらい審査なさい。そして監督をお出しになることはけつこうであります。しかしまず第一に認可でしよう。その次には、大蔵省の預金部の利子と地方銀行の利子とどれほど違いますか。あるいはまた一般住民からしますと、これは学校を建てる資金であるから、三年間は無利子でがまんしてくれということは、幾らでも通り得る。大都市ではできません。あなた方に言わすと、すぐ群小の町村が困るとおつしやるでありましよう。群小の町村はさような方法は幾らでもあると思うのであります。ただ全国の一万数百に及ぶ小さな町や村まで、自治庁が一々聞くことはできない。ことに最近の話では、昔の内務省にかわるものは大蔵省であると言つております。はなはだどうも塚田さんには申訳ないのでありますが……。
  122. 中井一夫

    中井委員長 中井君、御発言中ですが、実はもう二時になりまして、委員もだれもみな食事しておりません。どうかひとつ簡単に願います。
  123. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 そういうことを大臣においても大体わかつておられるならば、少々きらわれても、断じてやるということでありませんと、資金を効率的に運用されると言つておりますが、ここ一、二年は役人はむだ使いをしておるとさえ私は考えておる。公用族がどうしてできたか。その辺もひとつ御見解を聞かしていただきたい。
  124. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 資金の裏づけのない起債のわくであるならば、最近はそういう傾向になつておりますし、また今後もだんだんと自由に認可のいらないように努力いたしたいと思います。しかし資金の裏づけのあるものを必要とするならば、やはり一応やむを得ないのです。またどういうぐあいにもらい得という考え方が出て参るのか知りませんが、たとえ資金運用部の金であつても、借りたものは借りたものでありますから、将来当該市町村がお返しにならなければならぬ。もうい得ということはないのじやないかと思います。
  125. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 もらい得というのは言い過ぎかもしれません。それは全国の市町村長や知事がすぐれた人ばかりならいいのであります。しかし当局者の任期は四年であります。そういうことを考えていただかなければいかぬのじやないか。従つて現在出されております調書をごらんになるとわかる。大体山をかけておる。大抵の市町村は二倍、三倍と山をかけております。これははつきりした事実であります。そういうことを私は隠してものを言う必要はない。なぜ山をかけて来たかということについて考えてもらいたい。半分でよろしいかと言つたら、ありがとうございますと言つて、帰つて行く。そんなことは理論的にもむちやくちやな話であります。
  126. 加藤精三

    加藤(精)委員 議事進行に関して申し上げます。もう時間もおそくなりましたから、この程度で質疑を打切つて終了したいと思います。
  127. 中井一夫

    中井委員長 それでは質疑の終了に御異、議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認めます。よつて地方税法に関しましては、この程度で質疑を終了いたしました。     —————————————
  129. 中井一夫

    中井委員長 この際皆さんにお諮りをいたしたいことがございます。すなわち本委員会に付託の請願審査のため、小委員会を設置いたしたいと存じます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定をいたします。つきましては、その小委員及び小委員長選任いたしたいと思いますが、これは投票の手続を省略して委員長より指名するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定をいたします。これより指名をいたします。小委員に    吉田 重延君 佐藤  親弘君    床次 徳二君 藤田 義光君    西村 力弥君 北山 愛郎君    大石ヨシエ君 伊瀬幸太郎君    松永  東君 小委員長には西村力弥君を指名いたします。     —————————————
  132. 中井一夫

    中井委員長 なおこの際理事、小委員及び小委員長補欠選任についてお諮りをいたします。すなわち委員の異動に伴い、理事、小委員及び小委員長にそれぞれ欠員を生じておりますので、その補欠選任を行いたいと思いますが、これは投票の手続を省略して、委員長より指名するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認め、委員長より指名いたします。理事加藤精三君を、町村合併に関する小委員加藤精三君を、地方財政再建整備に関する小委員に    加藤 精三君 藤田 義光君    横路 節雄君 伊瀬幸太郎君町村合併促進に関する小委員長加藤精三君をそれぞれ指名いたします。  これをもつて委員会は休憩をいたします。     午後二時二分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕