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鈴木(俊)
政府委員 勤務地手当の問題、いわゆる
地域給の問題と
平衡交付金の
関係についてでございますが、今申し上げましたように五
級地、四
級地という
級地か違いますれば、勢い職員に対する
給与の
支給か違
つて来るわけでございますから、
従つて五
級地ならば四
級地よりよけい
給与費がいるということになるわけであります。
従つてその
程度のことは、やはり
財政の
需要を
測定いたします場合に反映いたさなければならないことになりますけれ
ども、それ以外に
給与費なり、そういうことの不足から当然にほかの
費用も全部同じ足並でふえて行くという
計算をすることがよろしいか。それともやはり五
級地というものは相当乱調がか
つておるところでありますから、いろいろさような
経費もよけいいると思うのでありますけれ
ども、若干
給与費と同じ
程度でみな見る必要はないのではないかというふうに考えられるわけでございまして、今まで
給与、要するに
地域給が上れば
平衡交付金もそれによ
つて当然に上るという
方式をと
つておりましたのは、どうも少し行き過ぎではないかというふうに考え直しまして、
従つて地域給が上りましても、それに応じて当然にただちに上るというふうにいたしませんで、それ以外のいろいろな
経済発展の
状況を示すものをつかまえまして、それで
財政需要を
測定するということにいたしたのであります。少し話がくどくなりましたけれ
ども、要するに
地域給が一級から二級になり、二級から三級になる、それに比例してただちに
財政需要も、そのまま
引上げるというのが、従来の
方式であ
つたのでありますけれ
ども、その
方式をやめたのであります。しかし
地域給というものは、
団体の
経済の
発展の
程度を表わしておるわけでございまして、やはり
経済の
発展をしている
団体、人口の稠密な
団体は、
衛生費とか、
社会福祉関係の
経費がよけいいるわけでありますから、そういうものを入れての
測定の
単位を用いるというふうにしたのであります。要するに、上る度合いを従来ほど
給与に比例させないようにしたわけであります。
従つて、従来のような
地域給を上げるために特にいろいろ
運動をする、
平衡交付金にただちに非常に大きく反映するということを少くしたわけであります。そういうふうに
改正をいたしましたので、根本的には、
地域給制度を解消するということにならないと
是正はできないと思いますけれ
ども、現在の状態において従来ほど不都合が生じないようにしておるのでございます。
それから第二の特別市の問題でありますが、
特別市制度は、御
承知のように、現在
地方自治法の中に、都の
制度とともに
特別市制度というものが、
大都市における
一つの
制度として認められておるわけであります。わが国の
大都市と申せば、結局東京のほかは五
大都市でありますが、それらの五
大都市に対して現在のままの、普通の市と大体同じように取扱う
方式で行くのがよろしいか、それとも
地方自治法の中にあります
都制の
方式をとるか、御
指摘の
特別市制というような
方式をとるか、いずれの
方式をとるかということは、非常に
研究を要する問題でありますとともに、
実行上非常に多くの問題を含んでおる点でございます。そこで
都制、
特別市制あるいは現行の
府県のもとに市としておく、しかしその間にある
程度調整を加えるというような
方式のいずれがよろしいかということになるわけでございます。この
特別市制あるいは
都制、要するに
大都市制度の問題につきましては、全体の
地方制度を根本的に考える場合において
解決することが、
実行の上においては最も適切であろうというふに思うのでありまして、全体の
地方制度の改革の一環として考えるべきではないかという
意味で、
政府としては
地方制度調査会の
意見を今求めておるわけであります。根本的な
解決の
方式によらないで、しからば何か暫定的な
解決の
方式はないかというようなことも、
一つの
研究点であろうと思いますけれ
ども、これにつきましても、あるいは
財源の
調整等なかなか問題を含んでおるわけであります。要するに、現状のままでは、
大都市と
大都市のある
府県との間で
行政が二重に行われる、あるいは
監督が
中央と
府県と二重の
監督になるということが、従来から
弊害として
指摘されておるわけでございます。この
弊害を除去する
方法として何が一番適切であり、何が
実行上適正なものであるかということに帰着する問題であろうと思うのであります。私
どもといたしましては、今ただちに三つ述べました
方法のうちのどの
方法が一番よろしいかということを、ここで申し上げるまでの
段階に至
つていないのであります。
地方制度調査会の
結論をまちました上で、
政府としては
結論を下したいというふうに考えておる次第であります。