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武岡政府委員 それでは
地方財政平衡交付金法の一部を
改正する
法律案の内容につきまして、御
説明を申し上げます。
この
改正法律案の
改正の第一は、
法律、第十二条に規定いたしております単位費用並びに測定単位を
改正しようとするものでございます。まず測定単位の
改正でございますが、その第一は、港湾費にかかるものでございます。現在は港湾費の測定単位といたしましては、船舶の出入トン数というものを用いて参
つてお
つたのでございますが、実際に実施をいたして参りました結果から、その実績にかんがみまして、この測定単位が港湾費の
財政需要額を測定するものとして、必ずしも適当でないということがわかりましたので、今回これを改めまして、その港湾における繋船岸の延長並びに防波堤の延長によりまして、測定せんとするものでございます。かように改めました方が、実際各
団体で必要といたします港湾費の
現実の
財政需要額というものを測定いたすのに、より適切であると、かように
考えた次第でございます。
それから測定単位の
改正の第二点は、社会福祉費にかかるものでございます。社会福祉費の測定単位につきましては、従来人口のほか、当分の間の処置といたしまして、附則におきまして、児童福祉施設入所者数並びに被生活保護者数を用いまして、それぞれ児童保護措置費及び生活保護費を測定することといたしてお
つたのであります。しかしながら経費をあまり細分して測定することになりますと、とかくこの
平衡交付金の本質でありますところの
一般財源という観念から離れまして、財源をとかくひもつきに見るような
傾向を生じがちでございますので、今回におきましては、かような附則でとりあえず認めておりましたものを、その特例を廃止して、人口一本で測定して行きたい、かように
考えておるのでございます。
その次は
公債費にかかるものでございます。従来この
関係の経費は、災害復旧費を、名目は
公債費ということで測定をいたしてお
つたのでございますが、
公債費ということにいたしますと、とかく名称から
一般的な
事業に充当いたしました
起債の元利
償還金をも、これの中に含むような印象を持たれがちでございますので、今回これをその実体に即しまして、災害復旧費と改めたいのであります。そういたしまして、この報告によ
つて測定いたしますものは、国の補助を受けて実施をいたしました災害復旧に充当いたした
地方債の元利
償還金を見て行く、かように改めたいと存ずるのであります。以上が測定単位の
改正のおもな内容でございます。
その次は、同じく十二条の中で、各測定単位の単位費用を改めようとするものでございますが、今回
改正しようといたしております単位費用と、従来の単位費用との比較につきましては、別途
資料で対照表を示しておりますので、ごらんをいただきたいと存ずるのでありますが、この
改正のおもなる内容は、一つには本
年度から義務教育費の半額国庫負担制度が実施せられましたこと、また児童福祉費の八割国庫負担が実施せられることになりましたので、それぞれ従来
平衡交付金の配分の基礎といたしまして測定いたしておりました基準
財政需要額の中からこれらに
相当いたします額を減額いたさなければなりませんので、これに伴
つて単位費用を
改正する必要があるわけでございます。
その次は、給与改訂に伴いまして単位費用の改訂を要するのでございます。これは昨年の十一月から行われました給与改訂の結果、単位費用算定の基礎にいたしております標準的な
団体または施設に配置されるものとしております職員の給与に関する経費がかわ
つて参りますので、それに伴
つて単位費用の計算がかわ
つて参るのであります。これを取入れまして単位費用の改訂を行おうとするものであります。
その次は恩給費の
関係でございますが、従来この恩給費の測定は各行政項目に配置されております職員につきまして、それぞれの各経費ごとに所要の恩給費を算入してお
つたのでございましたが、
地方団体では、この種の経費は、
団体の経費としては一括して経理をいたしておる
関係から、基準
財政需要額の算定におきましても、その実体に合せまして、警察、消防費あるいは教育費というものを除きまして、これらを一切「その他の行政費」のうちの「その他の諸費」という単位費用の中に一括算入した方が適当であると
考えまして、かように改めようとするものであります。
いま一つは、各種の法令の制定改廃その他に伴
つて改訂を要するものであります。すなわち産業経済費の
関係におきましては、石油
関係の資材統制の撤廃によりまして、この
関係の経費が不要にな
つて参る、また
市町村教育
委員会に要します経費の平
年度の所要額を算入いたしますために「その他教育費」の所要額を増して行かなければならない、かような
関係から
改正をしようとするものであります。大体以上のような理由によりまして、それぞれ単位費用の計算をいたしまして、この法案のように
改正をしようとするものであります。
その次は第十四条の基準
財政収入額の算定
方法の
改正であります。これは、その一つは、従来は基準
財政収入額は、
法律の定めるところによりまして、基準税率をも
つて算定した当該
地方団体の普通税の収入見込額とするということで、その基準税率は
府県市町村を通じまして、標準税率の百分の七十というものを目安にして測定をいたしてお
つたのでございますが、そのうち
府県分の基準
財政収入額につきまして、これを標準税率の百分の七十から百分の八十に引上げようといたすものであります。普通交付金の算定に用いております基準
財政需要額は、特別交付金及び
地方税の収入の中から、基準
財政収入額に
相当するもの以外のものを財源とする部分を除きまして算定をいたしております
関係から、給与その他の義務的な経費につきましても、
財政需要の中に見込みますところの額というものは、
地方財政計画の中に見込んでおりますものを若干圧縮をいたしまして、計算をいたしておるのであります。具体的に申しますれば、義務教育職員の給与
関係の経費等につきまして、従来見ておりましたのは、大体その八八%
程度、これは各種の費目から申しますれば、最も多く見ておるものでありますが、それでもその
程度であ
つたのであります。そこで今回は、この基準
財政需要額に当てらるべき財源であります基準
財政収入額を従来の七〇%から八〇%に増額をいたします反面におきまして、この種の義務的な経費は、
地方財政計画の中に算入されておりますものと、大体同額のものを基準
財政需要額として算定をすることによりまして、すべての各
府県に対する財源保障の
程度を厚くして行きたい、かような
考えをも
つてこの
改正を
計画いたしております。
それからいま一つは、
市町村民税の所得割に関します基準
財政収入額の算定
方法に関する規定を設けようとするものであります。
市町村にかかる基準
財政収入額は、法定普通税につきまして、標準税率の七〇%、すなわち基準税率で算定をいたしました見込額でありますが、そのうち個人に対する
市町村民税にかかる所得割でありますが、所得割につきましては、この現行法におきましては、税法上課税方式の選択が許されておりますが、その基準
財政収入額の算定におきましては、所得税額を課税標準とし、その標準税率百分の十八という規定がございますので、これを用いて算定いたしてお
つたわけであります。しかしながら今回別途御審議をいただいております
地方税法の
改正法案によりますと、この種の標準税率が削除されることになりますので、この
平衡交付金の項の中に基準
財政収入額算定の際に用いる課税標準を所得税額とし、その税率を百分の十八とすするということをあらためて規定る必要が生じて参
つたのでございます。その点を
改正いたしたいと
考えておるのでございます。
なお附則につきまして若干の
改正がございますが、附則の第二項は先ほど申し上げました測定単位の特例でありまして、これは廃止いたしたいというために、この附則第二項を削除しようとするものでございます。それに伴いまして附則第三項を第二項とする、かように
改正いたそうとするものでございます。
大体内容は以上申し上げた
通りでございます。