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1953-07-06 第16回国会 衆議院 地方行政委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月六日(月曜日)     午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 富田 健治君    理事 灘尾 弘吉君 理事 床次 徳二君    理事 西村 力弥君 理事 門司  亮君       田中伊三次君    山本 友一君       吉田 重延君    鈴木 幹雄君       橋本 清吉君    藤田 義光君       北山 愛郎君    滝井 義高君       伊瀬幸太郎君    大石ヨシエ君       大矢 省三君  出席政府委員         国家消防本部長 瀧野 好曉君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      武岡 憲一君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   鳩山威一郎君         大蔵事務官         (銀行局保険課         長)      狩谷 亨一君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 七月四日  クリーニング業に対する地方税軽減に関する請  願(粟山博紹介)(第二五六五号)  同(平野力三紹介)(第二五六六号)  同(山下榮二紹介)(第二五六七号)  同(森幸太郎紹介)(第二五六八号)  同(原健三郎紹介)(第二五六九号)  地方税法の一部改正に関する請願松野頼三君  紹介)(第二五七〇号)  同(平野三郎紹介)(第二五七一号)  同(生田宏一紹介)(第二五七二号)  同外四件(楯兼次郎紹介)(第二五七三号)  営業用トラツクに対する自動車税軽減請願外  三件(楯兼次郎紹介)(第二五七四号)  同外一件(岡村利右衞門紹介)(第二五七五  号)  同(辻寛一紹介)(第二五七六号)  同(松野頼者紹介)(第二五七七号)  催しものの入場税免除範囲に映画を加入の請願  (床次徳二紹介)(第二五七八号)  教科書供給事業に対する事業税免除に関する請  願(大石ヨシエ紹介)(第二五七九号)  医業に対する特別所得税免税に関する請願(中  村時雄紹介)(第二五八〇号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 同日  地方財政法の一部改正に関する陳情書  (第六六五号)  地方議会権限縮小反対に関する陳情書  (第六八〇号)  同(第七〇九号)  信用組合に対する固定資産税等免除に関する陳  情書  (第七一〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  消防施設強化促進法案内閣提出第二五号)     ―――――――――――――
  2. 中井一夫

    中井委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き消防施設強化促進法案を議題とし、質疑を続行いたします。質疑はありませんか。
  3. 床次徳二

    床次委員 政府の方から過般当委員会質疑に対して答弁があつたのですが、事柄は今後本法の対象となるところにつきまして政令をもつてきめることになつておりますが、その政令内容について御研究をいただくようになつておりましたが、いかがでございますか。
  4. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 先般来御審議いただいております中で、この法案にあります消防施設補助対象となる消防施設内容政令で明らかにすることになつておりますが、ごく簡単なものになるだろうと思います。ごらんをいただく予定であるのでありますが、そのいきさつを簡単に申し上げますと、この法案で一応の対象とするものは各種の消防ポンプ、いわゆる機械器具というものと、それから設備といたしましては、一応通信施設としての火災報知機というものを対象に、政令その他をきめる予定であるのであります。過般来問題になつておりました水利施設であるところの防火水槽、これが問題になるのでありますが、これは御承知いただいておりますように二十六年度からわずかでございますが、公共事業の中の都市計画事業一環として、都市計画施行区域に対しまして、防火用貯水槽補助をいたしておるのであります。これもそもそも私たち意図は、別に都市計画施行地のみに限る趣旨ではもとよりないのでありますが、予算を計上する過程におきまして公共施設の方から出さざるを得ない。そういたしますと、都市計画事業一環として一応スタートせざるを得なくなつたところの事情でございますので、一日も早くこれを消防固有のものとして、特別に都市計画施行地域ということに限るということでなしに行いたいというのが意図であります。しかいたしまして、考え方は防火貯水槽の方は例の都市計画の方の事業の組んでおりますところの金額もさらにふやしまして、またその範囲を拡げるということによつてその方を拡充し、今回の促進法によつてまかないますところのものは、予算折衝の結果二億五千万円というわれわれが意図いたしますものから見ますれば、非常に額の少い結果となりましたので、一応スタートは、非常に地方の要望の高い、しかも今補助対象にとりあえずなつていないところの消防機械器具でありますポンプ類一切と、それから通信連絡施設としての火災報知機を、第一段階として取上げるということで政令を用意いたしておるのであります。でありますから、現在の段階におきましては、この政令案といたしましては、防火貯水槽をこの二億五千万円の分でまかなうということが、もう少し研究折衝を要するということで、その点だけまだ今のところ、やや明確なるところが出ていないと思います。
  5. 北山愛郎

    北山委員 先だつて来、われわれからいろいろ希望が出ております通信機材ですが、その意味は火災報知というような発見者の方から、消防機関に対して通知をするということも、もちろんでありますが、消防機関同士の間の通信連絡施設、それが非常に心要なわけです。火災報知機なんかを使うようなところは、都市でも相当大きな方の都市にしか使われない。結局一般的なのは、火災発見の通報、これはたいてい電話などを用いるのが普通ですが、今地方消防機構の中で、非常に弱い点は消防機関同士の間の連絡、それが非常に弱体なんです。ですから連絡が不十分であつたり、非常に遅れたりするために、消防機関出動が遅れて来る、いわゆる早期出動ができなくなる。そこに非常に弱点があるということを、先般来強調されておるのですが、今年出されますこの政令の中に、その部分は入れてもらえないかどうか。私どもとしては入れてもらいたいと思うのですが、防火用貯水槽は別としましても、この消防機関の使う通信連絡機械というものを入れてもらいたい、こう思うのですがどうでしよう。
  6. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 申し落しましたけれども、消防通信のために火災報知機以外にさらに必要とせられますものは、ただいまお話がございましたように、消防本部あるいは消防団本部分団、あるいは分団同士、この適切な迅速なる連絡をとるために、消防専用電話というものが非常に必要であると思つておるのでありまして、この点は政令でもつて明らかにしたいと思つております。
  7. 大石ヨシエ

    大石委員 私せんだつてあまり気の毒でしたから途中でやめたのですが、海上保安庁海上保安本部保安隊警備隊、それから水上消防署、これの権限はつきり教えてちようだい。そうしませんと、私たちの方では一つの村が、保安学校があり、保安隊があり、海上警備隊があり、そうしてただの警備隊があり、そうして消防署があるために、先陣争いをしたり、いろいろなことで、みすみす一つの村が見殺しになつて、八十戸が昨年焼けたのです。この警備隊、そうして保安隊、そうしてあなたの方の仕事海上保安庁海上保安本部、この権限はどうなつているのですか、この権限を私はちよつと知りたいのです。
  8. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 大石委員に先般お答えいたしましたように、法律問題といたしましては、現在消防の職権として承つているものは、消防法二條にも明らかにありますように、船渠もしくは埠頭に繋留された船舶、そういう種類のものは消防任務とされております。それからさらに船舶安全法二條第一項の規定を適用しない船舶、すなわちこの間申し上げましたようにトン数二十トン未満の船は、一応消防の承る対象となつて、それ以外のものは一応もとの海上保安庁、現在の保安庁に属しているところの海上警備隊、いわゆる警備隊というものの任務になつていると思います。そのほか、いわゆる海上保安庁に属します海上保安隊というものもございましよう、あるいは陸上を承つておりますところの保安庁に属しますいわゆる保安隊というようなものが駐在いたしておりますけれども、法律問題は一応はつきりと線は引いてあるのであります。けれども消防におきましても、ある町村火災が起ると、その地元町村が、これは直接の責任であつて、かけつけるわけでございますが、その場合に隣村あるいは隣りの町から応援にいつもかけつけて来てくれるわけであります。その場合でも、やはりたくさんの種類消防が入り乱れて活躍するわけでありますが、その点は、平素警備計画なり、応援協定というようなもので、一応あらかじめその間の調整ができておるし、また現場におきましては、地元消防長消防長のない場合は、消防団長統制をとつて行くことになつているというようなぐあいに、海上保安隊あるいは水上消防署、あるいは主として陸上の問題を担当している保安隊というようなものが、かけつけるわけでございますが、それは実際問題として、緊急を要する事態が起つているわけでありますから、それぞれいわゆる早いものがかけつけまして、それの鎮滅、あるいは防禦に当るわけでございます。その間におきまして、現場トラブルが起るというお話、よくあることでございますが、これは私たちの方で協定して、地方に通達して御連絡申し上げておるところでは、それぞれ一つ協定がありまして、その協定に基いて、それぞれの地域において具体的な話合いをすることになつておるわけでございます。各地におきまして、そういう問題がまま起るということはあると思いますが、なおその点につきましては、よく消防の方へもさらに御注意の点を指示いたしまして、その間にトラブルが起ることのないように注意いたしたいと存じます。
  9. 大石ヨシエ

    大石委員 私の質問しているのは、水上消防署権限はつきり知らしてほしい。あなたの方は、海上保安庁のことは御存じないでしよう。どういうふうになつているか御存じですか。それから、警備隊はどういうようになつているか、みなどれもこれも同じ権限を持つているのです。そうして、先陣争いをしたり、またあと、けんかが起つて、私たちは非常に困るのです。その点、あなたが御存じであつたら、詳細に私に教えてください。     〔中井委員長退席西村(力)委員    長代理着席
  10. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 大体同じようなことを繰返すようでございますが、水上消防の担当いたしております限界というものは、先ほど申しますような対象物によつて一応区別いたしまして、それ以外は、いわゆる海上警備隊とか、あるいは海上保安隊というようなものが、担当することになつているわけであります。
  11. 大石ヨシエ

    大石委員 海上警備隊は、どういうようなことをするか御存じですか。
  12. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 そういうことになつておりますから、向う様で、どういうような具体的な作業をなさるか、そういう具体的な港湾ごとに、あるいは船舶ごとにどういう計画がおありになるか、まことに不勉強でありますが、私はただいま承知いたしておりません。消防任務といたすものにつきましては、少くとも消防におきまして、先ほど申しましたような船舶につきましては、任務といたしておるのでありますから、平素からよく警備計画を立てまして、訓練をし、いろいろ設備等も準備するということの建前になつております。われ先にとかけつけて、いろいろやるとおつしやるのは、実際、火災なら火災が起る、船火事一つ起りますと、移動するものでございますから、それから、消防隊とか、あるいは保安隊とか警備隊とかいうものが所在する位置によりまして、近いものが早く現場に着くわけでございます。おれの任務ではないというので放擲するわけではございませんから、かけつけるのでございますが、しかしながら建前といたしましては、その責任のある立場の者がかけつけましたならば、その者が引継ぎまして、全体の統制をとるという建前でございます。
  13. 大石ヨシエ

    大石委員 そうしたら、たいへん済みませんけれども、あとけつこうですから、海上保安庁海上保安本部、それから海洋気象台もこのことに関係しております。それから警備隊保安隊、こういうものは消防に関してどういう権限があるかということを、あとで私に報告してください、よろしいですか。
  14. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 よろしゆうございます。
  15. 西村力弥

    西村(力)委員長代理 門司君。
  16. 門司亮

    門司委員 この間から懸案になつているのですが、きようこの法案を通すことはいいと思いますが、問題は起債の問題です。あとの五億の起債はどうなりますか。現行起債わくの中からこれが許可されるのか、そうなりますと一般起債というものはそれだけ縮められるということになる。平衡交付金の中からこういうものが考慮されようとは、われわれは考えおらないのですが、もしこれが考慮されるとなればそれだけひもつきが出て来る。それから特別に五億の金だけが、この法律が通つたために起債が認可されるようになるのか、その点を明確にしておかないと、財政処置伴つてないと、法律だけをこしらえましても、実際の運用はできないということになつて来ますが、これは何かお見通しがつきますか。
  17. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 御心配になつておりまする残りの五億の金でございますが、この点につきましては自治庁当局ともいろいろ話合いを進めて参つたのでありますが、現在のところでは一般補助事業並程度、この補助事業に伴います負担部分につきましての起債を考慮したいという意向であるのであります。でありますからこの三分の二の負担を、まるまる起債でまかなうということになりますまいが、従来の補助事業に伴います起債程度起債は、カバーできるという見込みであります。
  18. 門司亮

    門司委員 その点はよくわかつているのだが、ただ心配しているのは、従来のものだとすれば、今の起債わくの中でこれが操作される、こういうことになるのです。われわれが心配してますのは、政府がきめております起債わくというものは、大体こういうものが予想されておつたと思うのです。私は新しく法律が出て来るために、当然これだけ義務づけられものが政府になければならぬと思うのです。従つて政府は五億に対して起債を別のわくで認めるかどうかということです。これはどつちでもいいのだが、その問題をひとつはつきりしておかないと、あとでいろいろ起債の問題が出て来て、方方から起債申請があつて割振りをするときに、やはり自治庁は困ると思います。この点はただ自治庁とあなた方との間の了解事項としては、今お話のような従来ありふれたものだということに解釈をするということ自体が、自治庁は少しおかしいと思うのです。従来補助金であるとかいろいろなものが出て来ますが、その補助金に対しては、たとえば三分の一という補助金が必ずしも三分の一でなかつたり、あるいは補助金を出す仕事をさせて来る。そうするとそのことのために地方ではやはり起債をするというようなものが出て来て、だんだんと施設その他が充実することはけつこうだが、実際においてはそれだけの赤字がだんだんふえて来る。その赤字現行起債わくの中で、これがとられるということになると、やはりほかの仕事にもさつき申し上げましたように同じ赤字が出て参つてさしつかえが出て来る。だからこれは赤字を出して借金しても、私はほかの事業に影響を持たぬのならけつこうだと思います。政府仕事をだんだんふやして来ると、そのことによつて地方ではそれだけの分が地方の独立の仕事というか、別々の仕事が縮められて来るという形が出て来るのであります。従つて政府がこういう仕事を行おうとするなら、それに伴う財源処置はしなければならぬということが地方財政法はつきり書いてある。地方財政法との関係で、単に私は今の答弁了解事項ということだけでは済まぬと思う。もう少し突き進んで、この補助金を出す場合には別途の起債を許すのか、実際どうなのか、その点をひとつはつきりしておいてもらいたい。
  19. 加藤精三

    加藤(精)委員 関連ですが、地方財政計画の二十八年度計画で、国の公共事業その他補助事業に伴う分の起債わくを増額しておると思うのですが、その点について自治庁の方と国家消防本部の方とで、財源措置調整をしておるのじやないかと思いますけれども、具体的にそれをお聞きしたい。もしおわかりでなかつたら、財政部長の御出席を求めてお聞きしたい、こう思つておるのです。
  20. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 門司委員の御心配になつておられます問題でありますが、本年度におきまして、現在の段階におきましては、このために特別のわくを設定してこの補助事業分としてというのでなくて、大体現在補助事業に伴います一般起債の分の操作で、従来の例に準じて大体カバーしようという操作でやるということでございまして、本年度計画といたしましては、そういう話合いでございます。  加藤委員のただいまおつしやいました起債の全体の計画の上から、あるいは増加分から調整するかというお話、ただいまその点新規に増加する云々ということは、まだはつきりいたしておりませんので、私が現在自治庁と話合つておりますところは、門司委員にお答えした程度でございます。
  21. 門司亮

    門司委員 さつき私の聞いたことについては、大体現行起債わくの中でという話であつて加藤さんはさらにいわゆる地方財政計画の中にこれが入つておるかどうかということを念を押されたのである。それがわからぬということになると、前の答弁が私は変だと思う。私は地方財政計画の中に入つておるからと、さつき答弁せられたのだと思う。もしこれが入つておるかおらぬかわからぬということになると、さつき答弁を取消してもらわないとあぶなくてしようがない。この点についていかがですか。
  22. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 財政計画について加藤委員が言われたのは、全体から見たことで、門司委員に答えたことは間違いございません。本年度起債計画の中で操作するという話合いになつておるということであります。
  23. 門司亮

    門司委員 そういうことだとこの法案をきよう通すわけには行きませんぞ。この問題はもう少しはつきりしておいてもらいたい。われわれの聞いておるのは要するにあとで五億の金が必要になつて来ますので、地方の分担は五億の金を現行起債の中から出すとすれば、さつき加藤さんも心配されたように、当然これは二十八年度財政計画の中に入つていなければならぬ。だから自治庁は前もつて起債の額を大蔵省と相談して、これをきめる場合にこういうものがあるのだ、従つてこの分として五億ばかりの金がどうしても必要だということが、財政計画の中に入つてつて、今の起債の総額がきめられておれば問題はないのであります。     〔西村(力)委員長代理退席委員長着席〕 もしそれが入つていないということになると、やはり新しい五億の財源を、どこからか見つけて来なければ、実際に法律通つて仕事はできないということになつて来る。従つてさつきお話のように二十八年度起債の中から、これを出すのだということのはつきりした答弁があるのならば、むろん私は二十八年度財政計画の中に入つて来るのだと解釈してさしつかえないと思う。ところが加藤さんの質問に対しては一向わからぬというのでは、前の答弁がうそだかほんとうだかわからないことになる。私はこの点をはつきりしておいてもらいたい。
  24. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 本年度地方財政計画の中に織り込んでありますところの起債計画わくの中で、本年度はこの消防補助事業に伴う地方負担分起債の問題を操作するということの了解を得ております。
  25. 門司亮

    門司委員 そうだとすると、この二億五千万円に見合う五億の起債申請すれば、これは必ず許可するということに、大体考えてもさしつかえないのですね。
  26. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 五億の起債申請すれば五億まるまる起債になるということは困難であろうと思います。従来の例からいたしましても。その点は御了解をいただいていいんじやないかと思います。
  27. 門司亮

    門司委員 大事なことだから、はつきりしておいてもらわぬと、ちよつと困るのです。たとえば二億五千万円の補助金があるから、その中から自分の方でポンプを買いたい、あるいは火災報知機一つこしらえたいという場合に、三分の一だけは国が出してくれる。残りの三分の一だけは許可さえあれば、自分の手元に金がなくても必ずこれは起債でやれるんだということを、はつきりしておいてもらわぬと、補助金の二億五千万円は出すが、あとの五億円については責任は持たぬ。今の答弁ではおそらく責任を持たぬということでしよう。それでは地方仕事ができませんよ。五億まるまるということは——なるほど五億という金を、全部地方では借りようとは思わぬと思います。地方でも財政の都合がありますから、自分の手持ちの金で買つて、三分の一だけ補助してもらうというところもあるでしようし、あるいはまた五億全部出て来るかもしれません。その場合のことを私は考えているのであつて、万一五億全部が起債によつて申請をされるということも、一応考えておかないとならぬのです。だから実際問題としては五億全部の起債ということはいかぬかもしれない。しかしながら二億五千万円を出す以上は、その裏づけとなる五億は、必ずあなたの方では確保しておるのだということを、ここではつきりつておいてもらわぬと、このままでは私は通すわけにはいかぬと思う。
  28. 加藤精三

    加藤(精)委員 関連して……。ただいま門司委員からの御質問に対しまして、私から加えて御質問申し上げましたのは、昭和二十八年度地方財政計画の中の地方財政計画書によれば(8)の項目の「国の行政施策に伴う増」という中に(イ)として法令の改廃に伴う負担関係が書いてあります。(ロ)としては補助負担金増加に伴う負担関係が書いてある。その中にまた(a)(b)とあつて、(b)にはその他の普通補助金の増がありまして、国の行政施策に伴いまして地方負担が増す、それに対して財源平衡交付金起債でこれをまかなうようになつておるわけです。その中に組み入れてあるのかどうかを聞いておるのであつて、組み入れてあるかないかを答えてくださればいいのです。また組み入れてあるかないかわからないならば、国家消防本部長さんにお尋ねするのが無理なんで、財政部長さんにおいでを願つて答弁を願いたい。それだけの話なんで、はつきりしていただきたいと思います。
  29. 藤田義光

    藤田委員 関連して……。ただいま門司委員から質問がありました問題は、私が先般来この法律を通すについて、最も重要な問題として再三お尋ねした点でありまして、門司委員に対する御答弁はまことに心外であります。ただいま加藤委員からも関連質問がありましたが、本部長の意見としては、この二億五千万円の補助金大都市中心に散布しようという計画から、大都市ならば地元負担についての心配はない、従つて本部長として財源措置を別に考える必要はない。加藤委員が先般から心配しておりましたいなかの町村で、ほんとうに誘い水があれば消防施設が整備するというようなところに出す予定がないから、起債の問題その他の財源措置は考えていなかつたというふうにも解釈できますが、その点はつきりとした御答弁を願いたいと思います。
  30. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 加藤委員に答えますが、財政計画のうちの(8)の項目でございますが、それに入つておると思います。
  31. 加藤精三

    加藤(精)委員 入つておれば安心なんですが……。それははつきりつておれば、われわれ数回の地方行政委員会でちつとも心配しないのですが、はつきりつているか入つていないか、御明瞭でなければ、自治庁財政部長から御答弁を願いたいのです。
  32. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 その一部は入つております。それから本年度の例の単独事業起債分がございますので、単独事業に対して認められまする部分との含みで、この補助金の伴う起債を大体確保して行くわけであります。
  33. 加藤精三

    加藤(精)委員 どうも国家消防本部長財源の措置について、あまり詳しくないようですから、自治庁財政部長お話を聞きたいと思います。
  34. 藤田義光

    藤田委員 その単独事業起債の査定はもう終つておりますから、数字がはつきりわかるでしよう。どのくらいになつておりますか。単独事業として消防施設関係起債の許可のあつたものをお示し願いたい。
  35. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 先ほどの御質問に全部答えていない部分がありますが、私の意図は決して都会地にこれを分散集中いたしまして、町村で困つている方に振り向けないという腹は毛頭ございませんので、漸次消防の非常にピークになつているところの町村の方に、重点を考えて行くような方向に今後仕向けたい。単独事業の本年の大体の予定はありますが、その分の予定町村と、この補助事業の分とが、ある程度ダブる面がございます。その面でこの事業とにらみ合せまして、さらに起債の点を考えてみたらいいのじやないか。それから単独事業起債以外の補助事業として認められる分の起債も、もちろん自治庁で考えております。
  36. 藤田義光

    藤田委員 単独事業の数字は幾らですか。
  37. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 数字は私ここで正確に申し上げる資料がありませんので、むしろ財政当局からひとつ……。
  38. 藤田義光

    藤田委員 全国消防の最高の本部長が、ことしの単独事業消防に関する起債の額を御存じないということは、この法律案を立案する資格が全然ないということを暴露するわけでございまして、私たちはいま少しくこの財源措置はつきりしなければ、この法律案を通すわけに行かないのでございます。  ましてただいまの御答弁の中には、辺陬の地にあります町村に対しましても、漸次この法律の恩典を及ぼす方向に行きたいということでございまして、方向ならばいつのことになるかわかりません。私はこの法律を実施する以上は——辺陬の地で水がないために泥をかけて消火しているために、しばしば全部落が焼失するという悲惨な実例が、先般私の郷里の熊本県におきましても三箇所頻発しております。こういう実例は消防本部長は御存じと思いますので、この際加藤委員が再三申し上げます通り、大都市中心にならざるよう法律の運用に関しては、政令においてはつきりと辺陬の地の事態をも勘案して、十分法律の恩典を及ぼすということの言明がなければ、財源措置はつきりしない、法律が適用される範囲は一部少数大都市、なかんずく都市計画を実施しておる地区だけに適用されるということであれば、国民代表としてわれわれは、この法律をこのままここで可決するわけにはいかぬのでありますから、いま少しはつきりした御答弁をお願いしたいと思います。
  39. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 申しわけのようなことになりますが、先ほど申し上げましたのは、今までは同じ程度だつたと、かりにいたしますれば、むしろ都市よりも、今後はおつしやるような火災危険度あるいは災害の危険度の高い町村の方に、重点を置くというふうな意味で申し上げたのでありまして、事実困つておる町村に対しましては、都市でなくてもどんどん十分な施設補助をいたして行きたいという所存であります。それから本年度消防関係の単独事業起債が、どのくらいになる見込みかとおつしやいましたが、これは私の承知いたしておりますところによりますと、昨年の三億三千万円をはるかに上まわりまして、大体五億程度のものになるだろうということを聞いておりますので申し上げます。
  40. 藤田義光

    藤田委員 そういうふうに数字をはつきり申していただけますと、大分違つて来るわけでございますが、この五億のうち、ことし単独事業起債の許可があつて補助金を交付するところが出て来ると思います。全部が単独事業のままでなくして、この法律が実施されれば、ただちにさかのぼつて単独事業起債をとつたところにも、この法律の恩典を拡大されるのかどうか、この点は全国の自治体は非常に重大な関心を持つておりますから、お伺いしておきたい。
  41. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 一般的にそうだとも言えませんけれども、その市町村の状況によりまして、またその数字にもよりますけれども、一般、単独の起債を認めてもらつたから、補助は行かないというふうなことも言えますまいし、むしろ補助もやつて、ますます許可してもらいたいところもございましようし、また単独起債の分が相当額を認めてもらつて、まず本年度補助は他の町村へといつたところもございましよう。一概には申されませんが、相当の部分ダブつて単独事業起債を認めた分に対しても、この補助が行くということがあると存じております。
  42. 藤田義光

    藤田委員 そこで私はこの財源措置については、今年の消防起債わくの内定したものが五億、補助金が二億五千万円、大体これを対象とするという答弁でもあれば、すでに本部長財源措置を終つているということも言えるわけでありまして、この点を先日来実ははつきりしていただきまして、補助金は出すが、すでに補助金を出す町村において起債が終つておるところがある。これは財源手当を終つたわけでありますという御答弁を、われわれは期待しておつたのでありますが、ただいまの御答弁によりまして、多少わかつて参つたような気がいたします。それで御存じの通り学校建築あるいは厚生省の水道関係等に関しましては、いわゆる公共事業は、ほとんど自動的に自治庁起債をくつつけております。補助額と同額の起債をつけて、全国の自治体に散布をいたしております。非常に安心してこれらの事業を自治体は実施することができるという慣例ができております。法律的根拠はないかもしれませんが、これら関係官庁の折衝によつて自治庁がもうはつきりと認めておる不文律になつておりますが、消防に関しましては先ほど門司委員の同様な質問に対しまして、まだはつきりした御答弁がないようであります。補助金が二億五千万円、来年はおそらく増額されるだろうと思いますが、この補助金に伴う起債の問題、これがおそらくこの法律を読んだ全国自治体の首長の一番の心配だろうと思います。これに関して何か総務課長あたりに折衝のいきさつがありますれば、この際お伺いして、法律通過の参考資料にしたいと思います。
  43. 中井一夫

    中井委員長 なおちよつとこの際申し上げておきますが、ただいま問題となつておりまする財政措置の関係については、自治庁財政部長出席が必要だと思いましたので、ただいまその出席を要求しております。さよう御承知を願います。
  44. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 その点が御指摘のように従来の公共事業費に対しましては、自動的と申しますか、大体充当率五割程度起債は行つているようでございます。御承知のようにこの分は公共事業でないのでございまして、その点が悩みの種と申しますか、でありまするからこの補助事業にくつつきます起債の分と、それから先ほどの単独事業分の起債との含みで、大体公共事業費に劣らぬ程度の充当率を結論として得たいということを話し合つております。
  45. 藤田義光

    藤田委員 簡易水道に関しましては、この補助に関する法律がありまして、戦争中から一昨年までこれが空文になつております。昨年から簡易水道に関しまして二割五分以内の補助を出すという法律が、再び生きて来たわけでございます。従いまして簡易水道に対する補助金が出れば、ほとんど自動式にそれと同額の起債が許されております。従いまして一般補助をもらわざる簡易水道というものは、全国の市町村で全然やれなくなつておる現状であります。しかも消防施設に関しましても、補助金を出す以上は、それに起債をあくまで確保する、そのかわり先ほど来本部長が再三言われる単独事業消防施設費というものは、この際遠慮してもいいのじやないか、そういう方向に持つて行くことが、この法律を最も生かすゆえんではないかと思いますが、本部長の御意見を伺つておきます。
  46. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 幸いに今国の補助があることでございますので、ものの考え方としては、補助事業、それからその負担部分起債を十分確保してやるという措置が必要なのでございますが、何しろ当初のことではあるし、補助金そのものが非常に低いのでありまして、御承知おきいただきますように、六十億以上の起債申請が、毎年あるような状況に対しまして、一般、単独の起債が続けられておりますが、非常に微弱なものでございます。ものの考え方としては漸次この補助金をふやしていただいて、そうしてそれに見合う起債を相当確保するということがいいのだろうと思います。それは予算の規模の程度にもよりますけれども、そう考えております。
  47. 藤田義光

    藤田委員 消防本部長の正直な気持はよくわかりますが、私たちこの地方債の査定にあたつて、しばしば執行機関の方とお会いしておりますが、消防関係起債に関しまして、国家消防本部が非常に消極的であります。遠慮がち過ぎるということを痛感しております。従いまして今後相当強力にこの問題に、自治庁当局あるいは資金運用部等へ御相談願えれば、たとえば水道の起債をごらんになつたらよくわかりますが、最近一、二年来順次激増して来ております。これは厚生省の水道課の熱意が反映したわけでありまして、私は消防施設という、最も重大な国家の財宝を保護するという重大な施設の整備に対しまして、自治庁や大蔵省当局がわからぬはずはないと思うのです。従いまして今までのわくとか、あるいはしきたりというものにあまり拘泥されずに、ここで法律が通過すれば新規まき直しで、徹底的にこの点に関しましては従来の自治庁、大蔵省の蒙を開いていただく、このくらいの激しい気持がなければ、私はこの有意義な法律を実施する意義はないのじやないかというふうに考えておりますがどうですか。今後も従来のわくに大体満足して行かれるつもりでありますか、六十億の要求が来ておるのに、五億しか査定は受けませんということでは、国家消防本部という重要な役所をわざわざ存置する意義はなくなるわけでございます。私たちはこれだけ地方財政が苦しいさ中におきまして、それだけの消防施設強化の要求があるということは、消防に対する自治体の熱意がようやく反映して来たということで、喜ばしい現象と思いまするが、要求が多過ぎまして起債は少い、これは従来の慣例だからやむを得ないという気持では、本部長としての職責は全うできぬと思いますが、どういう気持で今後処して行かれますか、この際お伺いしておきたいと思います。
  48. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 ただいまおしかりをいただきましてまことに恐縮に存ずるわけですが、微力にいたしまして、いまだ十分の財源確保ができていないことはまつたく恐縮に存じます。だんだんこういう法案も成立させていただき……     〔「いや、法律をつくつたつてだめだ、もう少し元気を出さなければ……」と呼ぶ者あり〕 金額も少いので、今仰せの単独起債の面も今後の努力によつて、あるいは私の力だけでも行きますまいが、まずいろいろな消防に対する理解を深めていただく方途を講じまして処置いたしたい。私といたしましては最高度の努力を惜しまない覚悟でありますので御了承いただきたいと思います。
  49. 加藤精三

    加藤(精)委員 大蔵省に対する質問は主計局関係と二つになるのでありますが、第一番目は、防火用貯水槽の国庫補助予算は、従来建設省所管の都市計画関係予算に計上してございますけれども、消防施設に対する行政の統一をはかるために、これを国家消防本部関係予算に御計上がえをしていただきたい。これにつきましては建設大臣におかれましても、当委員会にお見えになりまして、この予算の計上の組みかえ、もちろん二十九年度からでありますけれども、なお所管がえにつきましては御異存がないように御言明になつておられますし、また単に国家消防本部と建設省との合意ができただけではその変更は困難である。予算を編成する大蔵省当局の方においても、そういうふうな御了解があればできることだという答弁がありました。これにつきまして大蔵省の当局の御意見を承りたいと思つておるのであります。まずそれを先に御質問申し上げます。
  50. 鳩山威一郎

    ○鳩山説明員 ただいまお話の所管がえの問題につきましては、来年度予算の編成の際、十分考慮いたすべく自分として努力いたします。なお私は国家消防本部予算の査定に関与させていただいておるものでございますから、なお建設省の方の関係とよく相談いたしまして、どちらの方が国家的にいいかという大蔵省の意見を至急にきめたいと思います。
  51. 加藤精三

    加藤(精)委員 了解しました。大蔵省に対しましての他の御質問は、便宜上あとまわしにしまして、財政部長さんにお尋ねいたしますが、今回の提案になりました消防施設強化促進法関連いたしまして、二十八年度地方財政計画の中の国の行政施策に伴う増、このうちの法令の改廃に伴う負担の増、あるいは補助負担金の増加に伴う負担の増の中に、今度の新いし法律によるところの国庫補助に見合う三分の二の地方債のわく予定してあるかどうか、その点を国家消防本部長にお尋ねしたのでありますが、御答弁が若干明白を欠くので、その点を御答弁いただきたいと思います。  なおただいま思いつきましたのですが、主計官にお尋ねしたいのであります。当地方行政委員会といたしましては、消防施設強化促進法案の第三條に、「この法律の規定により国が補助を行うことができる消防施設は、消防の用に供する機械器具及び設備政令で定めるものとする。」こういうことになつておりますが、この第三條はポンプ火災報知機だけに限るという御説明なんでございますが、現在わが国の消防といたしまして最も急を要する問題は、ポンプ以上に水利、通信施設、たとえば大にしては大都市防火用の水利、あるいは小にしては僻陬の海岸とか、山間の、他から隔絶したところの密集部落の防火用貯水槽、そういうようなことがいろいろありまして、また中小都市におきまする消防本部から各消防ポンプの保管者までの間における通信連絡火災を一斉に通知する同時電話というような施設、その他市町村の実情に応じてポンプ以上に必要な施設が非常にたくさんある。こういうふうな法律ができます際において、何もポンプ火災報知機だけに限定する必要はないじやないかという考えがあるのでございまして、これに対しまして国家消防本部におかれましては、必ずしもポンプ火災報知機の助成に限らなくとも、これを並行して施設してもいいというお考えを表明しておられるようなんであります。これにかんがみまして、第三條の補助対象の規定は、政令であくまでもポンプ及び火災報知機以外には定めていけないというのであれば、それを法律に書いていただくのがほんとうであろうと思うのでありますが、その点につきまして主計局御当局の意見を承りたいと思います。
  52. 鳩山威一郎

    ○鳩山説明員 加藤委員の御質問にお答え申し上げます。従来消防のために必要な施設と申しますか、そういつたもの、たとえば防火建築とか、問題は非常に大きいと存じますが、今回国家消防本部に計上いたしました補助金といたしましては、従来都市水利、その他の設備補助して参りました系統のものは、そちらの方で統一して考えて行く。もちろんその水利の問題が一番重要な問題であることはよく存じておりますが、その方は、ただいまたまたま所管の問題が出ましたけれども、建設省の所管において従来やつて参つた仕事でございまして、その仕事は、現在問題になつております補助金といたしましては、一応これは除外してある次第でございます。なおこの点は、先ほどの所管がえの問題と関連いたしまして、そういつた施設国家消防本部の方で統一的にやつて参るというようなことになりますと、両者の運営がうまく参ると存じますが、現在ではさしあたつて消防ポンプとか報知機とか、そういつたものをこちらの方で補助金でやつて参るという考え方で処理しておるわけであります。なお消防ポンプと報知機以外はまつたく考えないのだという意味ではございませんので、都市、市町村共通した問題として、こういつたものをあげたわけであります。なお政令段階、また総理大臣のきめます総理府令というようなものできめると存じますが、その段階で詳細な計画が立ちました上においてはれ必要なものがあれば考慮して行きたい、こういうふうに考えております。
  53. 加藤精三

    加藤(精)委員 ただいまの御答弁に非常に不満足なんでありますが、大蔵省御当局は、地方消防の実態について非常に詳しく御存じだかどうかということにつきまして、相当私たちの方は疑問があるのでございますが、そういうことをごく詳細に研究されるのが国家消防本部でございまして、国家消防本部ポンプや大都会の火災報知機と並んでより重要なる施設があり得る、また火災報知機以外に中小都市、その他の火災同時電話施設というものがあり得る、補助対象として適当なものがあり得るということになるのであれば、その範囲まで見ていいわけであります。しかるにただいまはこの防火用貯水槽というものは、都市計画でやるのだというお話なんでありますが、都市計画というのは、都市計画が施行されている地域にしか適用できないものであつて、それで今問題になつておりますのは、ひんぴんとしてある海岸のどつちの村からも何キロかある、そしてしかも何らの水利の関係がないというような場所とか、あるいは山中の密集部落であつて、付近の部落から著しく懸隔しているというような場合に、ポンプを買うより、その村としては防火貯水槽を相当のセメントを使つて建設した方がいいという場合、どうしてそれが消防施設強化促進の対象にならぬか。これは消防というものについて深い御認識、実情の上に立つて考えていただきたい。そうでないと、大蔵省がたまたま国家消防本部予算を査定する際に、消防行政を大蔵省できめてしまうような結果になる。まず第一に、防火用貯水槽は、都市計画地域外に必要性がうんとある場合には、ただいまの御答弁では解決できないことになる。どうも大蔵省のお考えは、消防というと、大都会の消防や、少くとも中小都市消防だけに重点を置いて、それだけを頭に描いて事情を考えておられるようである。そういうことでなしに、僻陬の地にもこの消防施設強化促進法の恩恵が及ぶように、そうしてポンプ火災報知機よりも他の施設の方がはるかにその市町村として適切なものがあつた場合には、その施設にも活用し得るようにしたいというのが、この委員会の希望であります。それをしも大蔵省は無視して、そうして都市計画区域外の防火用貯水槽等については、これは補助対象にしないというお考えでいられるのか、それをまず最初にお聞きしたい。  それから現在当委員会は、国家消防本部の方から政令で規定すべき補助対象につきまして、大体の輪廓を示してもらつておるのでありまして、それらにつきまして、大蔵省の方としては、それを尊重していただく気持があるかどうか、その点につきましてもはつきりしたことをお聞きしておきたい。ともすれば予算の査定に関連して、どうも大蔵省が消防行政までみなやるという形になることについて、私たち委員会といたしましては、相当な不満があるのであります。その点についてどうぞお心構えをお知らせいただきたいと思います。     〔委員長退席、床次委員長代理着席〕
  54. 鳩山威一郎

    ○鳩山説明員 ただいまの問題につきまして、先ほど申し上げたことが、やや不正確でありましたが、今年度初めて計上されました消防機械器具整備費補助というときに考えましたことを今申し上げたのでありまして、実際の今後の施行令その他は、実はただいまここで拝見いたしたのでありますが、まだ今後のいわば研究課題でございまして、今後こういつた消防ポンプより、さらにもつと重要な、優先的なものにつきましては、今後十分研究したいと思います。
  55. 加藤精三

    加藤(精)委員 ただいまの前段につきましては納得いたしました。後段について、消防行政につきまして、特に国政を審議する地方行政委員会の希望を、政令をもつて定めるときに、十分に尊重してくれるかどうかという点について、もう一回御答弁願いたい。
  56. 鳩山威一郎

    ○鳩山説明員 言い漏らしまして恐縮でございますが、本日は勉強に参りました次第でございまして、こちらの御意見も消防本部長の御意見も十分尊重いたしまして、省令を考えて参りたいと考えます。
  57. 門司亮

    門司委員 今の加藤さんの質問関連してですが、いろいろ議論を聞いておりましても、何だかちつともはつきりしたものが出て来ないのです。たしか消防組織法の二十五條だつたと記憶しておりますが、消防施設に対する補助金の規定は法律でこれを定めるとうたつてあります。従つて消防施設に関しましては、法律で定めることができるのであつて、その消防施設の中に当然水槽その他が私は含まれると思う。だからあまり大蔵省もやかましいことを考えないで、今都市計画でやつている貯水槽は、大都市計画のお考えから建設省も考えているのであつて、当然建設省の一つ仕事だと私は考えておる。建設大臣からそれでも、できれば消防施設と考えて、消防の方に譲つてもいい、必ずしも建設省の所管でなくてもいいというような御答弁を得ておるのであります。この法律昭和二十二年にこしらえた法律だと思いますが、大体今日まで国家消防本部が何もしなかつたというのは、国家消防本部の怠慢であつて、とつくにこういうことはやられておる筋合いだと思うから、大蔵省もそうきゆうくつに考えないで、この問題井ぜひ今の加藤さんの御意見のように処置してもらいたい。これは都市計画その他にひつかかつて参りますと、なかなかうまく行きませんので、都市計画をしていない都市のこともよく考えて、補助金の問題になると、大蔵省はああでもないこうでもないと、やかましいことを言うかもしれませんが、実際は法律で定めることができるという法律に基いた問題であるから、消防組織法にのつとつた完全な日本の消防施設の充実のために、大蔵省はぜひそういうようにお考え願つておきたいと思います。
  58. 加藤精三

    加藤(精)委員 大蔵省の主計官のおられる間に、大体国家消防本部におきましては、政令でどういうものを定めようとしているか、大略を御発表願いたい。
  59. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 お答え申し上げます。私の方で原案として考えたいものは、機械器具におきましては、消防ポンプ自動車、それから手引動力ポンプ、可搬動力ポンプ及び消防艇、設備といたしましては、通信施設は公設火災報知機、それから一斎指令装置、消防電話施設、それから今お話のありました水利施設のための防火水槽というものを、一応対象に考えたいと思います。
  60. 加藤精三

    加藤(精)委員 その中で、将来非常な大都市消防の必要に迫られると考えておりまするところの、はしごポンプ自動車でございます。一箇年に数の高層ビルデイングができるのに対しまして、現在では都市消防として非常に施設が不十分だというところから、そういうことが考えられると思うのであります。また同時に、雪の中の離れた部落、またはこれは部落よりも頻繁にあることですが、部落と部落との間に存在している分教場の火災等の場合に、雪上を走る自動車ないしスクーターによつて、自動車ポンプ的な施設その他を輸送して消火に努めることが必要でありますが、こういうことも最も必要な施設として場合によつては考えてもらう余地を残しておきたい。これらについてのお考えを、ひとつ聞かせていただきたいと思います。
  61. 瀧野好曉

    瀧野政府委員 加藤委員のただいまの御質問でございますが、御説のように高層がどんどん都会にできるというような状態でありますので、もちろんはしごポンプ自動車というものも、現状から見まして、充実させなければならぬのは当然でありますので、考え方といたしましては、ただいま申し上げました消防自動車の中に、当然はしごポンプ自動車も含まれるというふうに御了解いただいてけつこうだと思います。それから積雪地方面におきまして、特に必要な装備を持つておりますところの消防ポンプ自動車も、当然考えなければならぬと思つておりますので、消防ポンプ自動車ということで、十分対象となると考えております。
  62. 北山愛郎

    北山委員 せつかく大蔵省の保険課長さんがお見えですから、ちよつと伺いたいと思います。この前もどなたかから質問がありましたが、今まで皆さんが論議しておるところを聞いても、消防施設の強化のための財源に非常に苦労しているわけです。そこで、その財源として、保険会社の方から財源がとれないかどうかという問題であります。この前の報告資料によりますと、保険会社の保険料収入二百六十億のうちで、事務費に百三十億、約五割も使つておるというようなことを伺つたわけであります。そこで私どもしろうとの考えからしますと、事務費を二割くらい節約してもらつて、これを消防施設強化のために、政府に納付金として納めたらどうかというような考え方も生れるのですが、それは別としましても、とにかくこの保険会社の資金の中から、地方団体が消防施設を強化する財源として、資金を供給することはできないか。もちろん低利で供給することでありますが、これは非常に大きな問題でありますから、課長さんにお伺いしても、それをやるかどうかという答えは出ないと思いますけれども、ただ問題は、現在の保険業法の問題として、そういうことが可能であるかどうか。もしできないとすれば別に立法措置とか、そういうことを考えなければならないと思うのですが、どうでしようか。
  63. 狩谷亨一

    ○狩谷説明員 保険会社経費として支出するということは別といたしまして、資金運用の問題として、地方公共団体に融資することが保険業法上可能かどうかという御質問と承りまして御答弁申し上げます。保険業法におきましては、保険会社の資産運用の面につきまして、先般も御答弁申し上げたかと思いますが、安全性とか危機分散とかいうような意味において、いろいろわくを設けております。従つて融資対象は限られておるのでございますが、地方公共団体に対する貸付け、あるいは地方債の引受けということは、戦前からわくの中に認められております。ですから業法上はできます。ただ、やるかやらないかということになりますれば、これは資金運用に当る者が、慎重に一件々々考えてきめるだろうと思います。     〔床次委員長代理退席委員長着席
  64. 中井一夫

    中井委員長 それでは本案につきましての御質疑は、この程度で終了したと承知いたしてよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 中井一夫

    中井委員長 それでは本案に対する質疑は、これにて終了いたしたことにいたします。  ただいま委員長の手元に自由党、改進党、日本社会党及び日本社会党の四党共同修正案が提出されておりますので、まずその趣旨について説明を聴取いたします。床次徳二君。     —————————————
  66. 床次徳二

    床次委員 各派提案者を代表いたしまして、修正案の御説明を申し上げたいと思います。  なお案文をこの際朗読申し上げたいと思います。    消防施設強化促進法案に対する    修正案  消防施設強化促進法案の一部を次のように修正する。  第六條第一項第三号を削る。  第七條の見出し中「指示」を削り、同條中「消防施設の購入若しくは設置について必要な指示を行い、」を削る。  お手元にお配りしてありますから草案をごらんいただきたいと思います。簡単に御説明を申し上げますが、第七條にあります総理大臣の指示ということに対しまして、これは消防施設の購入または設置について認められておりますが、かかることに関しましてはすでに消防施設種類、規格というのが定めてありますので、ことさら総理大臣の指示は必要なかろう、都道府県知事その他が従来の職権によりまして行い得るものでありますので、その方を発動していただきますならば、特に法案にかかる「指示」という記載を掲げる必要はないと思います。従つて第六條におきましても、この事項を削除いたしたのであります。  以上簡単でありますが修正案の概要を御説明申し上げた次第であります。よろしく御賛成をいただきます。
  67. 中井一夫

    中井委員長 それでは修正案並びに原案を一括いたしまして討論に付します。討論の通告がありますから順次これを許します。加藤君。
  68. 加藤精三

    加藤(精)委員 自由党を代表いたしまして本修正及び修正部分を除く原案に賛成をいたします。  消防の行政、消防の事務につきましては、原則として地方自治団体の業務になつております。国家がこれに干渉する程度は、最小限度の必要程度にとどめるべきものだろうと考えております。本法律案にはあるいは補助対象機械設備等種類または規格を総理大臣が決定し、また必要ある場合におきましては、内閣総理大臣は書類帳簿を調査し、実地検査をする権能を与えておりますので、その限度で監督は十分できるものと解しております。必要以上の指示を行うことは地方自治団体の自治権に対する侵害になるという意味におきまして本修案並びに修正部分を除く原案に賛成をいたします。
  69. 中井一夫

  70. 床次徳二

    床次委員 私は改進党を代表いたしまして、ただいま提案せられました修正案並びに修正部分を除きました原案に対して賛成の意を表するものであります。  すでに委員会の討論においても希望せられましたごとく消防施設の強化はきわめて必要でありますが、今日その施設が十分でないのでございます。今回の促進法案もその一つではありますが、なお今後積極的に起債を十分に認めまして充実せしむることが必要と思うのであります。われわれといたしましては将来地方財政法改正を積極的に行いまして、さらに起債に便ならしめたいと思つておるのでありますが、同時にこれに対しましてはなお一般民間の火災保険会社等の協力も、もつともつと要請せられてしかるべきものと思うのであります。今日までの地方自治団体の消防に対する犠牲に対して、民間営利会社の立場において、しかも密接な関係にあります保険会社が、いかなる態度であつたかということに関しては、相当反省すべきものもあるし、当委員会の御意見によりましても、この点は明瞭であると思うのであります。今後政府当局におきましても一層民間保険会社の協力、あるいはなお別個に火災保険業務そのものに対しましても、研究を要するものと考えているのであります。かかる各種の当委員会の意見等を、十分政府も参酌せられまして、今後消防施設の強化に進まれんことを要望いたしまして、私はこれに対して賛成の意を表する次第であります。
  71. 中井一夫

    中井委員長 西村力弥君。
  72. 西村力弥

    西村(力)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案になりました修正案及びそれを除いた原案に賛成の意思を表明したいと思うのでございます。  火災による被害というものは非常に厖大なるものでございまして、こうい悲惨なことを最小限度にとめるということは、ぜひとも必要なことでございまして、そのために国でこういう法律をもつて具体的に強化拡充をはかつて行くという御趣旨には賛成しましたが、ただいままでの御質疑などを通しまして、私の感想並びに希望の点を申し上げますと、国家消防本部としましては、もつと総合的な全体的な計画をもつて、ことに責任ある、そうして権威のある立場と態度をもつて進んでもらわなければならぬのではないか。それが起債の問題にしましても自治体側との折衝において非常に熱意の乏しいように思われてならないというような点、あるいは計画書だけを拝見いたしましても、ポンプあるいは通信施設、そういう簡単なものだけしか提示になりませんが、もつともつと総合的な計画というものを立案せられまして、そうしてそれに立つて自信ある折衝をこの方面になさつてこそ、その成果が期待されるのではないか、かように思つているのでございます。  なおこういうわずかに二億五千万円くらいの金だから、どうでもいいではないかというわけには参らぬ。できるだけここで審議をしたのでありますから、その一つとしまして保険会社の問題、ただいま床次委員からも申されましたが、この法案を私たちが通すことによつて、ただ単に保険業者の利益に奉仕するというようなぐあいに行く、こういう傾向がはつきり見られるのでありまして、そういうことを考えますと、この点は何とかして解決しなければならない。すなわち外見を整えるなり、あるいは資金を地方団体なり、そういうところに還元せられて、地方団体がこの切実な問題を解決するための一助として、当然取扱われなければならないということも考えられる。そういう点今後の問題として、私たち責任をもつて努力するという立場をここにはつきりして、そうしてこの原案及び修正案に賛成をしなければならない、かように思う次第であります。
  73. 中井一夫

    中井委員長 門司亮君。
  74. 門司亮

    門司委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案されておりまする本案の修正案並びにその修正部分を除く原案に対して、賛成の意を表明するものであります。  すでに皆さんからいろいろ申し上げられておりますので、これ以上申し上げることはないのでありますが、消防に関する問題は、消防組織法なりあるいは消防法の規定でかなり広汎にわたつて法律的にいろいろな充実した内容が容易にできるようにできておるのでありますが、実際上の運営の上には、いまだ非常にほど遠いことになつておりますので、これを充実いたしますことのために、本法案のごときは必要であると同時に、国家消防本部は進んでひとつ大胆にたれにも遠慮することなく、ものを考えていただいて、そうしてややもすると消防施設が昔の火消し人足であるというものの考え方の上に立つた消防の観念というものをひとつなくして、そうして近代国家における消防は、やはり近代国家をつくり上げる大きな要素の一つであることも考えていただいて、消防施設の充実のために、ぜひひとつ努力をしていただきたい。  もう一つこの機会に申し上げておきたいと思うことは、この二億五千万円の補助金が出て参りますることについて、先ほどからいろいろ議論されておりまするが、これに見合う財源の問題等について、自治庁はどうかひとつあまりやかましいことを言わないで、できるだけこの趣旨に沿うように、そして消防の充実のために気をつけていただきたいということを、この機会に申し上げまして、私の賛成の意思表示を終りたいと思います。
  75. 中井一夫

    中井委員長 これにて討論は終局いたします。  これより採決をいたします。まず修正案について採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  76. 中井一夫

    中井委員長 起立総員。よつて本修正案は可決されました。  次にただいま可決された修正部分を除く原案について採決をいたします。賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  77. 中井一夫

    中井委員長 起立総員。よつて法案は修正議決されました。  この際お諮りをいたします。本案に関する衆議院規則第八十六條による報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 中井一夫

    中井委員長 御異議がございませんから、さように決します。なおこの際武岡財政部長から発言を求められておりますから、発言を許します。武岡政府委員
  79. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 ただいま御可決になられました消防施設強化促進法案につきまして、特に自治庁関係におきまして、その市町村財政状態の現状にかんがみまして、起債の査定等において、この法案の趣旨の徹底するように特に配慮せよ。というような御討論があつたように伺つておるのでございます。自治庁といたしましては、この法案の成立を見ましたあかつきにおきましては、この施行に関しまして、でき得る限りの御協力と申しますか、できる限りの措置をとるように努めて参りたいと存じます。一言このことを申し添えておきたいと思います。
  80. 中井一夫

    中井委員長 午前中の本会議はこれをもつて終了いたします。なお午後二時より財政に関する問題につき質疑の続行をいたします。  暫時休憩いたします。     午後一時三分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕      ————◇—————