○石田
政府委員 最近におきます
資金運用部の
資金の状況につきまして、私から率直に
数字的に御
説明申し上げたいと思うのであります。この間二十八
年度の本
予算案が出ましたとき、
資金運用部におきましては二十七
年度から二十八
年度に持ち越しますところの余裕金を二百四十八億円と見込んでお
つたのであります。ところが実際二十七
年度の末、すなわち三月三十日の現況を申し上げますると、繰越しました現金は二百八十九億でございました。しかしながらこれは二十七
年度に予定いたしておりました
地方債の引受け七百七十億円のうち、手続その他の関係で四月に持ち越されましたものが九十億ございます。従いましてこれを差引きますると、百九十九億円ということに相なるわけでございます。従いましてその間におきまして、二百四十八億と百九十九億でありまするので四十九億という差が生ずるわけでございます。四十九億という誤差ができたにつきましては、この前当
委員会におきまして二十八
年度の
資金運用部の
予算の計画を申し上げたときに、二十八
年度末に、二十八
年度から二十九
年度に持ち越します余裕金の見積りを百二十億円と申し上げたのでございますが、その後
年度末におきまして公債を五十億ふやす、そのうち三十億は
資金運用部で引受けるように、二十億は公募で行くというお話でございました。その結果三十億減るということが起
つたわけでありまして、
従つてそれを差引いたしますると、なお差額として二十億円近いものがある。かような状況でありまして、
資金運用部の原資の面から言いまして、融資するのはそれだけ二十八
年度において
影響を受けざるを得ない、かような状況に相な
つて参
つたわけであります。
次に二十八
年度の原資の問題につきまして、私たちは今その計数整理をや
つておりまするが、この面から申しまして、厚生保険の収入等が初めに予定いたしましたよりもどうも少くなるのじやないかというふうに心配されるのでありまして、その
数字を一応五十億円くらいと考えておるわけであります。さらにそれに対しまして回収金の
運用その他の
資金の見積り等につきまして、大体初めの見積りよりも十五億円くらいふえるという部面も考えられますので、彼此勘案いたしますと、原資の部におきまして三十五億円くらい見込みも減ることに改めざるを得ないのではないか、かように考えておるわけでございます。そこで二十八
年度におきましては、
資金運用部のほかに、簡易保険その他の会計におきまして
運用するものと二口にわかれて来るわけでありますが、便宜両者を合して申し上げますと、御
承知のように八百七十億というものを
地方債の引受けに予定いたしてお
つたわけであります。この内訳も、簡保は百八十五億、
資金運用部としては七百七十億と考えておりましたが、その後簡保の関係で若干入れかえがございまして、簡保の方が百九十億、
資金運用部の方が七百九十五億というような内部のやりくりは起るかと思います。そりほかの
資金等に考えまして、今申しましたように二十億くらいのものが二十七
年度から繰越しで減
つておる。それからまた二十八
年度の見込みといたしまして三十五億の
資金がどうも集まらない。かように考えますと、両者を合して五十億円を越えますものが少くな
つて来る。いわゆる
運用できる金が少くな
つて来る、かような状況が危惧せられるわけであります。
それから二十八
年度におきましていろいろ
運用計画を立てるにつきまして、二十八
年度の初めの
予算案の考え方といたしましては、先ほど申しました余裕金約百二十八億をこの
年度中に食うということを考えてお
つたわけであります。それからその持
つておりまする国債を売り払いますものが百八十一億予定せられてお
つたわけであります。すなわちこの二つを合せますと大体三百億を越えるのでございます。そのほかに、持
つている国債で二十八
年度中に償還期限が到来しまして、その償還せられた
資金をさらに国債に投資することなく、そのまま使
つてしまうという
数字が二十一億ほどございます。
従つてかれこれ申しまして三百三十億くらいの
資金を食
つて行く、こういうことでいろいろな計画を立てているわけであります。
こういうふうな状況で推移いたしますると、
資金運用部といたしましては、原資が思う
通り入
つて来ないという面、それから過去の蓄積を食
つて参りますけれ
ども、その過去の蓄積の大部分は本年食
つてしまうという状況でありますので、これから先どういうふうにこの
運営をして行くかということにつきまして、私たちといたしては非常に心配いたしておるわけでございます。
なお
地方財政に関連いたしまして、二十八
年度の初期、すなわち、
年度の初めにおきましては、
資金運用部といたしましては、ほかには何も金を使
つておりませんけれ
ども、御
承知のように、
地方団体の
手元が苦しいものでありますから、一時的に苦しいところをカバーするために、短期融資というものをいたしておるのでございます。この額は、大体この四月、五月におきまして百五十億近いものをすでに出しておるわけでございます。六月におきましても十億ほど出すことを予定いたしております。他方におきまして、
地方債の
起債前貸しという形におきまして、三十億出しまして、大体これらで六月までに二百億見当の金が、
地方に短期
資金とし、あるいは
地方債前貸しという形で出そう、かような計画を持
つておるわけであります。そこで、問題になりまするのは、今までの計画
通り参りますと、二十八
年度末におきまして繰越されるところの原資は、この前ここでお話がありまして、九十億ということに一応減らされたわけでありますが、この九十億というもので推移いたしました場合に、二十九
年度の初めにおきまして、
地方団体の要求するところの短期融資をいかにしてまかなうか、かような問題もあるのでありまして、
資金運用部資金を預
つております者といたしましては、それをどう調整するかにつきまして、目下非常に頭を悩ましている、かようなことが、率直に申し上げまして、その事情であります。おわかりにくい点があ
つたかと思いますけれ
ども、率直に、かつできるだけ簡単に申し上げますると、
資金運用部の
実情はさように相な
つておる次第でございます。