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春日委員 私はやはり
福岡銀行の
ストライキに関連しまして、別の角度から
大蔵当局の所見を伺いたいと思
つておりますが、この
福岡銀行の
ストライキは、
金融事業に携わる労働者の
スト権のテ
ストーケースにも相なるものと私は考えるのでありまして、従
つて当局のこれに対する
対策というものは、きわめて慎重なお
取扱いがなければならぬと思うのであります。私は今にして思い起すことは、昨年秋行われた電産、炭労の
ストライキでありますが、われわれが当時批判をいたしましたことは、当然早期
解決の道があつたかと思われる一面、われわれが見受けました傾向は、この
ストライキを長期に構引かせることによ
つて、その被害を十衆に大きく与えるとい
つて、大衆の非難を高まらしめ、このことが
スト禁法制定の基礎となる輿論喚起の方向に面けられたきらいをなしとしなか
つたのでございます。本日の新聞報道によりますと、この
福岡銀行の
ストライキは、全支店に波及するというようなことでありまして、もしそういうような方向にこれが動いて参りますると、これは当然輿論が巻き起
つて参ります。従
つてこの輿論の方向は、やがてか
つて電産、炭労の
ストライキに対して考えられたように、
金融業務に携わる労働者の
スト権を禁止すべきた、こういうような誤つた考え方がやがて持ち上る場合がなしとはしないのであります。
そこで私が申し上げたいことは、当時私
どもが
政府に対して、昨年の暮れでありましたか、炭労、それから電産の
争議に際して、
政府がこれが早期
解決のために、
内閣総理大臣みずから乗り出して、早くこれを
解決しろということを強く要望したのでありますが、
政府は、故意にか、とにかく拱手傍観をいたしまして、
事態の
推移にこれをゆだねた、こういうことであります。ただいまあなたの御答弁によりますと、日銀の
支店長、その他の
機関を通じてそれぞれ乗り出されておるようでありますが、そういうような人に委嘱して問題の
解決をはかろうとするのではなくて、やはりこれは大蔵省の
監督下にあるならば、
銀行局長がみずからその地におもむいて、そうして労働者と
経営者との間に対立するところの諸問題の
解決のために、やはりあなたが善処されるだけの
責任と義務があると私は思うのであります。そこで私はお伺いをしたいのでありますが、現実に
金融機関というものは、非常な利潤をいろいろな面においてこうむ
つております。たとえて申しますと、貸倒れのための損失補償も、現実には千分の七というようなものが、損失もないのに大体において認められてお
つて、これが課税の対象から除外されておる、その他幾多の社内の保有金が積み立てられてお
つて、
銀行の利潤というものは非常に厖大なものであります。こういう
銀行の中身を一番よく知
つているものは
銀行の従業員であります。従
つて彼らが一万八千円ベースからあるいは二万三千円の賃金要求をするということは、その企業の利潤がそれだけたくさん上
つて来れば、その利潤の配分を労働者が要求するということは、これは当然考えられることであ
つて、必ずしもそれを外部から過大であるとかいう一方的な批判は、当らない場合があろうかと存じます。そういう
意味において、
金融機関が現実にネット・プロフイットを社内にたくさん確保しておるという事実を労働者が指摘して、その配分を要求するということは、あるいはこれは現行賃金ベースよりも相当上まわるベース要求ではあるけれ
ども、しかしその
業務に携わ
つてその利潤をもたらさしめた
当事者としては、要求することがやはり当然のことであろうと私は考えるのであります。こういうような
意味合いにおいて、これが過大な要求だという単なる外部的な、常識的な批判によ
つてこれを律することなくして、実際に利潤があ
つて、それだけのベースを確保してや
つてもこれを支出するだけの財源があれば、これは当然支出することによ
つて労働者の要求を満たしてや
つて、しこうして
業務に精励できるという態勢をつくり上げるべきだと思う。こういうような観点に立
つて、今
福岡銀行の
ストライキが全支店にまで、しかもそのことが罹災地において
預金者の大きな負担になろうとしておるとき、
銀行局長が、人に頼んでこれに対してそれぞれの
措置を講じておるというような態度は、あたかも昨年暮れにおける電産、炭労に対して
政府が
とつた態度と非常に似通うものであります。このことは、ただ輿論をアジ
つて、その結果
ストライキに対するいろいろな規制を行うというような野心があるかとも考えられるわけであります。どうかそういう
意味合いにおいて、
一つには
預金者が非常に困
つておるし、労働者の要求というものも、われわれがいろいろの決算
報告書によ
つて検討しますとき、これは必ずしも過大な要求であるとは断じがたい。そういう
意味において、これを早期に
解決して、誤れる非難が労働者に向けられるようなことのないように、公正なる
処置をなされて必要があると思いますが、これに対して
銀行局長はどうお考えに
なつておるか、御答弁願いたい。